(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6299054
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】中空容器の製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
B29C 49/60 20060101AFI20180319BHJP
B29C 49/06 20060101ALI20180319BHJP
【FI】
B29C49/60
B29C49/06
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-529418(P2016-529418)
(86)(22)【出願日】2015年6月17日
(86)【国際出願番号】JP2015067523
(87)【国際公開番号】WO2015194607
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2016年12月14日
(31)【優先権主張番号】特願2014-127759(P2014-127759)
(32)【優先日】2014年6月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227032
【氏名又は名称】日精エー・エス・ビー機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮沢 芳喜
(72)【発明者】
【氏名】土屋 要一
【審査官】
▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−069226(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/066506(WO,A1)
【文献】
特開平04−131221(JP,A)
【文献】
特開平04−126206(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/012067(WO,A1)
【文献】
特開2002−137282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00−49/80
B29B 11/00−11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネック部と胴部とを有し該胴部の軸方向に亘って成形材料が満たされたプリフォームを射出成形により形成する射出成形工程と、
前記ネック部側から前記胴部内に穿孔ロッドを挿入し、当該胴部に少なくとも所定深さの空間部を形成して前記プリフォームを中間成形品とする中間品形成工程と、
前記中間成形品をブロー成形して最終成形品である中空容器を形成する最終ブロー成形工程と、を有することを特徴とする中空容器の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の中空容器の製造方法において、
前記射出成形工程では、前記ネック部に所定深さの基準孔を形成し、前記中間品形成工程では、前記基準孔から前記胴部内に前記穿孔ロッドを挿入して前記空間部を形成することを特徴とする中空容器の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の中空容器の製造方法において、
前記射出成形工程では、前記基準孔を前記胴部に達する深さで形成することを特徴とする中空容器の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の中空容器の製造方法において、
前記中間品形成工程では、前記穿孔ロッドの少なくとも先端部からエアを噴出させながら当該穿孔ロッドを前記胴部内に挿入することで、前記空間部を所定深さに形成することを特徴とする中空容器の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の中空容器の製造方法において、
前記中間品形成工程では、前記胴部に前記空間部を形成すると共に、前記中間成形品の胴部が所定径となるようにブロー成形することを特徴とする中空容器の製造方法。
【請求項6】
請求項4に記載の中空容器の製造方法において、
前記中間品形成工程と前記最終ブロー成形工程とを連続的に実行し、前記穿孔ロッドから噴射させたエアによって前記中間成形品をブロー成形して前記中空容器を形成することを特徴とする中空容器の製造方法。
【請求項7】
ネック部と胴部とを有し該胴部の軸方向に亘って成形材料が満たされたプリフォームを射出成形により形成する射出成形部と、
前記ネック部側から前記胴部内に穿孔ロッドを挿入して当該胴部に少なくとも所定深さの空間部を形成して前記プリフォームを中間成形品とする中間成形部と、
前記中間成形品をブロー成形して最終成形品である中空容器を形成する最終ブロー成形部と、を有することを特徴とする中空容器の製造装置。
【請求項8】
請求項7に記載の中空容器の製造装置において、
前記穿孔ロッドは、少なくともその先端部から前記プリフォームの前記胴部内にエアを噴出可能に構成されていることを特徴とする中空容器の製造装置。
【請求項9】
請求項8に記載の中空容器の製造装置において、
前記穿孔ロッドは、その先端部に、エアを噴出するリング状の開口部を備えることを特徴とする中空容器の製造装置。
【請求項10】
請求項7〜9の何れか一項に記載の中空容器の製造装置において、
前記中間成形部は、前記穿孔ロッドを備えると共に、前記プリフォームが収容される中間ブロー成形型を備え、
この中間ブロー成形型内に前記プリフォームを収容した状態で前記胴部に前記穿孔ロッドを挿入して前記空間部を形成すると共に、当該胴部が所定径となるようにブロー成形することを特徴とする中空容器の製造装置。
【請求項11】
請求項7〜9の何れか一項に記載の中空容器の製造装置において、
前記最終ブロー成形部が前記中間成形部を兼ねており、前記最終ブロー成形部が、前記穿孔ロッドを備えると共に、最終ブロー成形型を備え、
当該最終ブロー成形部では、前記最終ブロー成形型内に前記プリフォームを収容した状態で前記胴部に前記穿孔ロッドを挿入して前記空間部を形成して前記プリフォームを前記中間成形品とし、連続して当該中間成形品をブロー成形することで前記中空容器を形成することを特徴とする中空容器の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空容器の製造方法及び製造装置に関し、特に、ネック部の寸法精度に優れた極細容器の製造に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、香水や医薬品、丸薬等の高価且つ少量販売される高級物品の収納用に、また化粧水や乳液等の試供品の郵送用として細口の中空容器が利用されている。このような中空容器の製造方法としては、例えば、円管状のパリソンを用いるダイレクトブローや、有底筒状のプリフォームを射出成形してブローする射出ブローや射出延伸ブロー等のブロー成形法を用いるものが知られている(例えば、特許文献1,2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−1314号公報
【特許文献2】特許第4051231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ダイレクトブローにより中空容器を製造する場合、中空容器の底部において密封不良(ピンホール・溶着不良等)が生じやすいという問題がある。またパリソンは、ネジ部の寸法精度や口部天面の平滑度は概して粗いという問題もある。このため、高い寸法精度や美的外観が要求される中空容器の成形方法としては、ダイレクトブローよりも射出ブローや射出延伸ブローの方が適している。
【0005】
しかしながら、射出ブローや射出延伸ブローでは、細口の中空容器を成形することができないという問題がある。射出ブローや射出延伸ブローによって成形可能な中空容器の最小口径は、プリフォームを射出成形するためのコア型の最小径によって決まる。このコア型の内部には、冷却回路等を設ける必要があるため、コア型の直径はある程度の大きさを必要とする。このため、プリフォームの最小口径をあまり小さくすることができず、それに伴い中空容器の最小口径もあまり小さくすることができなかった。具体的には、中空容器の最小口径は4.0mm程度が限界であり、それよりも細口の中空容器を成形することが難しかった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、細口の中空容器であっても良好に成形することができる中空容器の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ネック部と胴部とを有し該胴部の
軸方向に亘って成形材料が満たされたプリフォームを射出成形により形成する射出成形工程と、前記ネック部側から前記胴部内に穿孔ロッドを挿入し、当該胴部に少なくとも所定深さの空間部を形成して前記プリフォームを中間成形品とする中間品形成工程と、前記中間成形品をブロー成形して最終成形品である中空容器を形成する最終ブロー成形工程と、を有することを特徴とする中空容器の製造方法にある。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様の中空容器の製造方法において、前記射出成形工程では、前記ネック部に所定深さの基準孔を形成し、前記中間品形成工程では、前記基準孔から前記胴部内に前記穿孔ロッドを挿入して前記空間部を形成することを特徴とする中空容器の製造方法にある。
【0009】
本発明の第3の態様は、第2の態様の中空容器の製造方法において、前記射出成形工程では、前記基準孔を前記胴部に達する深さで形成することを特徴とする中空容器の製造方法にある。
【0010】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか一つの態様の中空容器の製造方法において、前記中間品形成工程では、前記穿孔ロッドの少なくとも先端部からエアを噴出させながら当該穿孔ロッドを前記胴部内に挿入することで、前記空間部を所定深さに形成することを特徴とする中空容器の製造方法にある。
【0011】
本発明の第5の態様は、第4の態様の中空容器の製造方法において、前記中間品形成工程では、前記胴部に前記空間部を形成すると共に、前記中間成形品の胴部が所定径となるようにブロー成形することを特徴とする中空容器の製造方法にある。
【0012】
本発明の第6の態様は、第4の態様の中空容器の製造方法において、前記中間品形成工程と前記最終ブロー成形工程とを連続的に実行し、前記穿孔ロッドから噴射させたエアによって前記中間成形品をブロー成形して前記中空容器を形成することを特徴とする中空容器の製造方法にある。
【0013】
本発明の第7の態様は、ネック部と胴部とを有し
該胴部の軸方向に亘って成形材料が満たされたプリフォームを射出成形により形成する射出成形部と、前記ネック部側から前記胴部内に穿孔ロッドを挿入して当該胴部に少なくとも所定深さの中空部を形成して前記プリフォームを中間成形品とする中間形成部と、前記中間成形品をブロー成形して最終成形品である中空容器を形成する最終ブロー成形部と、を有することを特徴とする中空容器の製造装置にある。
【0014】
本発明の第8の態様は、第7の態様の中空容器の製造装置において、前記穿孔ロッドは、少なくともその先端部から前記プリフォームの前記胴部内にエアを噴出可能に構成されていることを特徴とする中空容器の製造装置にある。
【0015】
本発明の第9の態様は、第8の態様の中空容器の製造装置において、前記穿孔ロッドは、その先端部に、エアを噴出するリング状の開口部を備えることを特徴とする中空容器の製造装置にある。
【0016】
本発明の第10の態様は、第7〜9の何れか一つの態様の中空容器の製造装置において、前記中間成形部は、前記穿孔ロッドを備えると共に、前記プリフォームが収容される中間ブロー成形型を備え、この中間ブロー成形型内に前記プリフォームを収容した状態で前記胴部に前記穿孔ロッドを挿入して前記空間部を形成すると共に、当該胴部が所定径となるようにブロー成形することを特徴とする中空容器の製造装置にある。
【0017】
本発明の第11の態様は、第7〜9の何れか一つの態様の中空容器の製造装置において、前記最終ブロー成形部が前記中間成形部を兼ねており、前記最終ブロー成形部が、前記穿孔ロッドを備えると共に、最終ブロー成形型を備え、当該最終ブロー成形部では、前記最終ブロー成形型内に前記プリフォームを収容した状態で前記胴部に前記穿孔ロッドを挿入して前記空間部を形成して前記プリフォームを前記中間成形品とし、連続して当該中間成形品をブロー成形することで前記中空容器を形成することを特徴とする中空容器の製造装置にある。
【発明の効果】
【0018】
かかる本発明では、プリフォームを射出成形するためのコア型内に冷却回路を設ける必要がないため、コア型の径を従来に比べて細くすることができる。したがって、プリフォームの最小径を小さくすることができると共に、中空容器の最小口径を小さくすることができる。つまり本発明によれば、口径が比較的大きい中空容器はもちろん、口径が極めて小さい細口の中空容器であっても良好に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】射出成形されたプリフォームの断面図である。
【
図4】一実施形態に係る中空容器の製造装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】一実施形態に係る射出工程を説明する概略断面図である。
【
図6】一実施形態の中間品形成工程を説明する概略断面図である。
【
図8】一実施形態の最終ブロー成形工程を説明する概略断面図である。
【
図9】一実施形態に係る中空容器の製造装置の他の例を示すブロック図である。
【
図10】一実施形態に係る最終ブロー成形工程の他の例を説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は中空容器の一例を示す斜視図であり、
図2はその断面図である。
【0022】
図1及び
図2に示す中空容器10は、上端に口部11を有するネック部12と、ネック部12から連続する筒状の胴部13と、胴部13から連続する底部14と、で構成されている。この中空容器10は、例えば、化粧水や乳液等を収容した試供品として用いられる小型の容器であり、口部11は、例えば、2〜3mm程度の極めて細い口径で形成されている。なお本実施形態では、中空容器10の底部14は、胴部13の肉厚よりも厚く形成されている。すなわち胴部13の肉厚は、底部14に対して薄く形成されている。また中空容器10の材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が好適に用いられる。
【0023】
中空容器10をこのような形状とすることで、例えば、消費者の持つ化粧品容器のイメージに近づけることができる。すなわち、中空容器10の美観を高めることができるため、中空容器10を見栄えが重要な化粧品容器等として使用することができる。
【0024】
また、このような口部11が極めて小径である中空容器10は、以下に説明する本発明に係る中空容器の製造方法によって製造することができる。
【0025】
図3に示すように、本発明に係る中空容器の製造方法では、所定形状のプリフォーム20及び中間成形品30を経由して最終成形品である中空容器10(
図2参照)が成形される。
【0026】
ここで、本実施形態に係るプリフォーム20は、
図3(a)に示すように、外周部にねじ溝21が形成されたネック部22と、ネック部22に連続する胴部23とを備えている。このプリフォーム20のネック部22には、上端(天面)に開口する基準孔24が所定の深さで設けられている。本実施形態では、この基準孔24は、ネック部22を貫通して胴部23に達する程度の深さで形成されている。そしてプリフォーム20の胴部23は、ほぼ全体が中実となっている。言い換えれば、プリフォーム20の胴部23は、その軸方向に亘って成形材料が満たされており、内部に空間のある筒状ではなく実質的に円柱状に形成されている。
【0027】
なお中空容器を形成するためのプリフォームとは、一般的には、射出成形によって形成され、ネック部と、有底筒状の胴部と、を有するものをいうが、本発明に係るプリフォーム20は、射出成形によって形成され、上述のようにネック部22と、実質的に中実である胴部23と、を備えるものをいう。したがって、本発明に係るプリフォームには、例えば、射出形成によって形成され、中実である胴部と、基準孔が形成されていない中実であるネック部とで構成されているものも含まれる。
【0028】
また中間成形品30は、
図3(b)に示すように、プリフォーム20のネック部22と同一形状であるネック部32と、このネック部32に連続する胴部33と、を備えている。中間成形品30のネック部32には、基準孔24で構成され上端に開口する口部34が形成されている。また中間成形品30の胴部33は、基準孔24から後述する穿孔ロッドを胴部33に挿入することで形成された空間部35を備えている。すなわち本発明に係る中間成形品30とは、胴部33に穿孔ロッドを挿入することで形成された空間部35を備えるものをいう。なお空間部35は、少なくとも穿孔ロッドを挿入することで形成されたものをいい、例えば、穿孔ロッドを挿入すると共にブロー成形することで形成されたものも含まれる。本実施形態では、空間部35は、後述するように穿孔ロッドを挿入すると共にブロー成形することによって形成され、その結果、胴部33の直径はプリフォーム20の胴部23よりも大きく、空間部35の直径は、口部34の直径よりも大きくなっている。
【0029】
ここで、本実施形態に係る中空容器の製造装置(成形装置)100は、例えば、
図4に示すように、射出装置110が連結される射出成形部120と、中間成形部130と、最終ブロー成形部140と、取出し部150と、を有する。すなわち中空容器の製造装置100は、例えば、特許第3722671号公報に開示されているような、4ステーション式の構造を有している。詳しくは後述するが、まず射出成形部120にて所定形状のプリフォーム20を射出成形により形成する(射出成形工程)。このプリフォーム20を中間成形部130に搬送し、中間成形部130にてプリフォーム20から中間成形品30を形成する(中間品形成工程)。中間成形品30を最終ブロー成形部140に搬送し、この最終ブロー成形部140で中間成形品30をブロー成形することで最終成形品である中空容器10を形成する(最終ブロー成形工程)。その後、中空容器10は取出し部150に搬送し、この取出し部150から製造装置100の外部に取り出す。
【0030】
具体的には、まず射出成形部120では、
図5に示すように射出成形型121を用いて上述した所定形状のプリフォーム20を形成する。射出成形型121は、プリフォーム20のネック部22の外周面を規定して開閉可能な割型からなるネック型122と、胴部23の外周面を規定する射出キャビティ型123と、プリフォーム20の内周面、本実施形態ではネック部22の内周面を規定する射出コア型124とで構成されている。これらネック型122と、射出キャビティ型123と、射出コア型124とによって射出空間125が形成されている。
【0031】
そして、原材料である樹脂材料(例えば、PET樹脂)を、射出キャビティ型123の底部中央に設けられたゲート126を介して射出空間125内に充填することで、上述のようなプリフォーム20が形成される。
【0032】
ここで、本実施形態に係るプリフォーム20は、胴部23が中実に形成されているため、射出成形後に冷却しなくても、ネック型122でネック部22を保持した状態で胴部23を射出成形型121から離型して中間成形部130に搬送することができる。すなわちプリフォーム20は、射出成形後に冷却しなくても、射出成形型121から胴部23を離型して中間成形部130に搬送できる程度の強度が確保されている。つまりプリフォーム20の胴部23は、このようなプリフォーム20の強度を確保できる程度に、少なくとも一部が中実となるように形成されている。言い換えれば、プリフォーム20の基準孔24は、このような強度を確保できる程度の深さで形成されている。
【0033】
中間成形部130では、
図6に示すように、プリフォーム20は中間ブロー成形型131内に配置され(
図6(a))、この中間ブロー成形型131内でプリフォーム20から中間成形品30が形成される(
図6(b)、
図3(b)参照)。
【0034】
中間ブロー成形型131は、ネック部22(32)を保持するネック型132と、中間ブロー成形割型133と、プリフォーム20のネック部22側から胴部23内に挿入、つまり基準孔24を介して胴部23に挿入される穿孔ロッド134と、を備える。穿孔ロッド134は、上下方向に移動可能に設けられていると共に、その先端部から空気(エア)等の気体を噴出可能に構成されている。本実施形態では、
図6(c)の断面図に示すように、穿孔ロッド134は、円筒状の第1の部材135と、この第1の部材135内に挿入された棒状の第2の部材136とで構成され、これら第1の部材135と第2の部材136との間には、リング状の流路空間(開口部)137が形成されている。そして穿孔ロッド134の先端からは、このリング状の流路空間137を介してエアが外部に噴出するようになっている。
【0035】
このような中間ブロー成形型131を備える中間成形部130では、
図6(b)に示すようにプリフォーム20のネック部22側から胴部23内に穿孔ロッド134を挿入することで、胴部23内に所定深さの空間部35を形成して中間成形品30とする。胴部23は比較的高い温度に維持されており(射出成形時に由来する保有熱を十分に備えており)、完全には硬化していない状態であるため、穿孔ロッド134を挿入することで空間部35を良好に形成することができる。また穿孔ロッド134をプリフォーム20の胴部23に挿入する際には、穿孔ロッド134の先端からエアを噴出させている。したがって、このエアによって樹脂を押し退けながら空間部35を良好に形成することができる。
【0036】
さらに本実施形態では、穿孔ロッド134の先端から噴出するエアによって胴部33(23)をブロー成形する。つまり穿孔ロッド134から噴出する高圧のエアによって胴部33(23)が横軸方向に延伸され、中間ブロー成形割型133に押し付けられる。その結果、中間成形品30の胴部33の直径はプリフォーム20の胴部23よりも大きくなり、空間部35の直径は口部34の直径よりも大きくなる(
図3(b)参照)。
【0037】
なお、穿孔ロッド134は、最終成形品となる中空容器10の外観形状や、賦形させたい空間部35の内面形状に合わせ、適宜変更してもよい。例えば、中空容器10の胴部の断面形状が楕円形状である場合、穿孔ロッド134の断面形状を略楕円形状としてもよい。具体的には、例えば、
図7(a)に示すように、穿孔ロッド134は、断面形状を略楕円形とした円筒状の第1の部材135Aと、断面形状を略真円とした棒状の第2の部材136Aと、からなる構成としてもよい。
【0038】
また例えば、
図7(b)に示すように、穿孔ロッド134は、断面形状を略真円とした円筒状の第1の部材135Bの内部に、側面を面取りした(断面形状を略楕円形とした)棒状の第2の部材136Bを挿通させる構成としてもよい。このようにすることで、エアの噴出流路が所定方向に規定されるため、中空容器10が、例えば、楕円形状等の複雑な外観形状を備えている場合も、適切に賦形させることが可能になる。また、成形の自由度向上を目的とし、穿孔ロッド134を構成する第1の部材135と第2の部材136とが、各々独立駆動できるようにしてもかまわない。
【0039】
本実施形態に係る製造装置100は、いわゆる1ステージの成形装置であり、射出成形部120で射出成形されたプリフォーム20は比較的高い温度を維持したまま中間成形部130に搬送される。特にプリフォーム20の胴部23は中実であるため温度低下が少ない。さらに本実施形態では基準孔24が温度低下の少ない胴部23に達する深さで形成されている。したがって中間成形部130では、プリフォーム20を加熱することなく、穿孔ロッド134を胴部23に挿入することによって空間部35を良好に形成することができる。
【0040】
勿論、中間成形部130では、プリフォーム20を中間ブロー成形割型133内に配置する前、或いは中間ブロー成形割型133内で、必要に応じて、プリフォーム20を所定温度まで加熱(温調)するようにしてもよい。
【0041】
ところで、製造装置100が1ステージの装置である場合、基準孔24は、胴部23に達する程度に比較的浅く形成されていることが望ましい。これによりプリフォーム20が中間成形部130に搬送される間の胴部23の温度低下を抑制することができるからである。一方、製造装置100が、いわゆる2ステージの成形装置の場合、すなわち射出成形されたプリフォーム20が一旦冷却される場合には、基準孔24は比較的深く形成されていることが好ましい。これにより、プリフォーム20の再加熱が容易となるからである。なお基準孔24の深さは、特に限定されず、離型の際にプリフォーム20の変形(強度)等を考慮して適宜決定すればよい。
【0042】
その後、中間成形品30は最終ブロー成形部140に搬送され、
図8に示すように、所定温度に加熱された最終ブロー成形型141内に配置される。最終ブロー成形型141は、中間成形品30のネック部32を保持するネック型142と、開閉可能な最終ブロー成形割型143と、を備える。
【0043】
そして、この最終ブロー成形型141内で中間成形品30をブロー成形することで最終成形品である中空容器10が得られる(
図2参照)。すなわち最終ブロー成形型141内に配置された中間成形品30の胴部33(空間部35)にネック部32(口部34)から高圧のエアを導入することで、胴部33が延伸して最終ブロー成形割型143に押し付けられる。その結果、所望の形状の最終成形品である中空容器10が成形される(
図1,
図2参照)。なお、最終ブロー成形部140では、中間成形品30の位置ずれ防止や積極的な縦軸方向の延伸等を目的とし、ロッドをネック部32より空間部35内に挿入し、この状態で中間成形品30をブロー成形して中空容器10を形成する方式を採用してもかまわない。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る中空容器の製造方法によれば、胴部23が実質的に中実となるようにプリフォーム20を形成しているため、プリフォーム20を冷却することなく、ネック部22を保持した状態で胴部23を射出成形型121から離型して中間成形部130に搬送することができる。したがって、射出成形の際にプリフォーム20の内面を規定する射出コア型124の内部に冷却回路等を設ける必要がなく、射出コア型124の直径を従来に比べて細くすることができる。そして射出コア型124の直径が細くなることに伴って、中空容器10の口部11も極めて細くすることができる。
【0045】
つまり本発明によれば、口径が比較的大きい中空容器はもちろん、口径が極めて小さい細口の中空容器であっても良好に成形することができる。
【0046】
なお本実施形態では、中空容器10の底部14を胴部13の肉厚よりも厚く形成している。このような形状の中空容器10を成形する場合には、プリフォーム20や中間成形品30の底部も、胴部の肉厚よりも厚く形成する。上述のように本発明では、穿孔ロッド134をプリフォーム20の胴部23に挿入することで空間部35を形成している。このため、プリフォーム20の底部の肉厚を比較的容易に調整することができる。したがって、底部の肉厚が胴部の肉厚よりも厚い中空容器であっても精度良く形成することができる。
【0047】
このように本発明に係る中空容器の製造方法によれば、中空容器10の形状に拘わらず、中空容器10を見栄え良く形成することができ、例えば、化粧品容器等としても使用することができる。
【0048】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、勿論、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能なものである。
【0049】
例えば、上述の実施形態では、プリフォームに、胴部に達する深さの基準孔を形成した例を説明したが、この基準孔の深さは特に限定されない。基準孔は、例えば、穿孔ロッドの位置決めのために、浅くても設けられていることが望ましいが、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0050】
また例えば、上述の実施形態では、プリフォームから中間成形品を形成し、この中間成形品をブロー成形することによって最終成形品である中空容器を成形するようにした。しかしながら、成形手順はこれに限定されるものではない。例えば、プリフォームを射出成形し、その後、プリフォームに穿孔ロッドを挿入して空間部を形成してプリフォームを中間成形品とし、その後、連続して中間成形品をブロー成形することで最終成形品である中空容器を成形するようにしてもよい。
【0051】
例えば、中空容器の製造装置100の最終ブロー成形部140が中間成形部を兼ねるようにしてもよい。具体的には、中空容器の製造装置100は、
図9に示すように、射出成形部120と、中間成形部を兼ねる最終ブロー成形部140と、取出し部150とで構成されていてもよい。すなわち製造装置100は、例えば、特公平5−32211号公報に開示されているような、3ステーション式の構造であってもよい。この場合、
図10(a)に示すように、射出成形部120で射出成形されたプリフォーム20は、最終ブロー成形部140の最終ブロー成形型141内に配置される。そして、プリフォーム20のネック部22側から胴部23内に、最終ブロー成形型141が備える穿孔ロッド144を挿入することで、
図10(b)に示すように所定深さの空間部35を形成し、プリフォーム20を中間成形品30とする。また連続して、穿孔ロッド144の先端から噴出するエアによって中間成形品30をブロー成形する。これにより、最終成形品である中空容器10が得られる(
図2参照)。また製造装置100は、最終ブロー成形部140が更に取り出し部150をも備えるように構成してもよい。すなわち製造装置100は、例えば、特許第2530398号公報に開示されているような、2ステーション式の構造としてもよい。
【0052】
また、上述の実施形態では、底部の肉厚が胴部よりも厚い円筒状の中空容器10を例示したが、中空容器10の形状は特に限定されるものではない。例えば、中空容器の底部は胴部と同一の肉厚であってもよいし、中空容器は円筒状でなくてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 中空容器
11 口部
12 ネック部
13 胴部
14 底部
20 プリフォーム
21 ねじ溝
22 ネック部
23 胴部
24 基準孔
30 中間成形品
32 ネック部
33 胴部
34 口部
35 空間部
100 製造装置(成形装置)
110 射出装置
120 射出成形部
121 射出成形型
122 ネック型
123 射出キャビティ型
124 射出コア型
125 射出空間
126 ゲート
130 中間成形部
131 中間ブロー成形型
132 ネック型
133 中間ブロー成形割型
134 穿孔ロッド
135 第1の部材
136 第2の部材
137 流路空間
140 最終ブロー成形部
141 最終ブロー成形型
142 ネック型
143 最終ブロー成形割型
144 穿孔ロッド
150 取出し部