(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例]
図1は、本発明に係る情報処理装置10の機能的構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、第1取得手段11と、第2取得手段12と、表示制御手段13と、出力制御手段14と、選択手段15と、記録手段16とを備える。また、情報処理装置10に付随する構成要素として、受付手段20、表示手段30及び出力手段40がある。情報処理装置10は、例えば、後述する制御部110などのコンピュータがプログラムを実行することによって実現されるものである。
【0012】
受付手段20は、ユーザの操作を受け付ける手段である。受付手段20は、例えば、キーボード、マウスなどの入力装置によって実現されるが、音声認識を用いて音声によって操作が受け付けられてもよい。受付手段20は、ユーザの操作を受け付け、受け付けたユーザの操作を示す操作情報を情報処理装置10に供給する。
【0013】
表示手段30は、情報を表示する手段である。表示手段30は、特に、情報として広告を表示する。ここにおいて、広告とは、商品、サービス(役務)などを知らしめ宣伝するための文字や画像をいう。広告は、静止画として表示されてもよいし、動画として表示されてもよい。表示手段30は、液晶表示素子や有機EL(electroluminescence)表示素子を用いた表示装置によって実現されてもよいし、プロジェクタのように画像を壁面やスクリーンに投射するものであってもよい。
【0014】
出力手段40は、情報を出力する手段である。ここでいう出力とは、情報を閲覧可能に記録することをいい、表示手段30のような表示をも含む(ただし、出力手段40は、表示手段30とはハードウェア的には別異の構成要素である。)。出力手段40としては、例えば、情報を用紙に記録するもの(プリンタ等)、情報をメモリカードやIC(Integrated Circuit)チップに電磁的に記録するもの、情報を電子メールなどの電子的なメッセージに含めて送信するものなどが挙げられる。すなわち、出力手段40による出力は、必ずしも出力時に情報が閲覧可能であることを要するものではなく、他の電子機器などを利用して事後的に情報が閲覧可能になるものであってもよい。また、ここでいうプリンタには、3次元情報に基づいて立体物を造形する3Dプリンタが含まれる。
【0015】
第1取得手段11は、コンテンツを取得する手段である。第1取得手段11は、第1コンテンツと、当該第1コンテンツに関連付けられる第2コンテンツとを取得する。第1コンテンツは、ここでは、表示手段30によって表示される広告を表すコンテンツである。一方、第2コンテンツは、出力手段40によって出力される情報を表すコンテンツである。なお、ここでいうコンテンツは、デジタルコンテンツであり、情報そのものに限らず、コンピュータを介して情報を提供するためのプログラムを含んでもよい。第1取得手段11は、記憶媒体に記録されたコンテンツを読み出して取得するものと、(有線又は無線の)通信回線を介してコンテンツを受信して取得するもののいずれであってもよい。
【0016】
第1コンテンツと第2コンテンツは、あらかじめ関連付けられた状態で取得されてもよいし、外部から取得された後に情報処理装置10の内部で関連付けられてもよい。すなわち、第1取得手段11は、第1コンテンツと第2コンテンツとを同時に取得しなくてもよいし、第1コンテンツと第2コンテンツとを別の経路で取得してもよい。例えば、第1取得手段11は、第1コンテンツ及び第2コンテンツの一方を通信回線を介して取得し、他方を記憶媒体から読み出して取得してもよい。
【0017】
第2取得手段12は、ユーザ情報を取得する手段である。ここにおいて、ユーザ情報とは、ユーザを特徴付ける情報をいう。例えば、ユーザ情報は、ユーザの性別、年齢(又は生年月日)、住所、職業、趣味嗜好などの当該ユーザの属性を表す情報である。第2取得手段12は、ユーザによってあらかじめ設定されたユーザ情報を通信回線を介して取得してもよいが、受付手段20を介して、すなわちユーザの操作によってユーザ情報を取得してもよい。
【0018】
表示制御手段13は、表示手段30による表示を制御する手段である。すなわち、表示制御手段13は、広告を表示手段30に表示させる手段である。表示制御手段13は、第1取得手段11により取得されたコンテンツのうちの第1コンテンツを用いて、表示手段30に第1コンテンツに応じた広告を表示させる。
【0019】
出力制御手段14は、出力手段40による出力を制御する手段である。すなわち、出力制御手段14は、情報を出力手段40に出力させる手段である。出力制御手段14は、第1取得手段11により取得されたコンテンツのうちの第2コンテンツを用いて、出力手段40に第2コンテンツに応じた情報を出力させる。
【0020】
選択手段15は、処理対象となる第1コンテンツ又は第2コンテンツが複数ある場合に、複数の候補の中からいずれかを選択する手段である。選択手段15は、第1コンテンツと第2コンテンツの双方が複数あり、複数の第1コンテンツと複数の第2コンテンツの中から特定の第1コンテンツと第2コンテンツの組み合わせを選択する場合もあり得るが、一の第1コンテンツに対して複数の第2コンテンツの候補が存在し、当該複数の第2コンテンツの候補の中から特定の第2コンテンツを選択する場合(又は第1コンテンツと第2コンテンツを逆にした場合)もあり得る。
【0021】
なお、選択手段15は、
図1では第1取得手段11の一部であるように記載されているが、互いに独立して動作するものであってもよく、例えば、第1取得手段11が既に取得した複数のコンテンツの中から特定のコンテンツを取得するように構成されてもよいし、第1取得手段11が取得する前に取捨選択するように構成されてもよい。
【0022】
記録手段16は、ユーザの操作に応じた出力手段40による出力結果を記録する手段である。記録手段16は、ユーザの操作に応じて、出力手段40によってどのような情報が出力されたかを記録する。記録手段16による記録は、記憶手段にデータを書き込むことであってもよいし、通信手段を介して外部の装置にデータを送信することであってもよい。
【0023】
なお、第2取得手段12、選択手段15及び記録手段16は、情報処理装置10に必須の構成要素ではない。また、受付手段20、表示手段30及び出力手段40の一部又は全部は、情報処理装置10の構成要素に含まれてもよいし、情報処理装置10に接続された他の装置の構成要素であってもよい。
【0024】
図2は、本発明の一実施例である画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、UI(User Interface)部140と、画像形成部150とを備える。なお、画像形成装置100は、
図2に示した構成のほかに、原稿を光学的に読み取る手段(スキャナなど)を備えてもよい。
【0025】
制御部110は、画像形成装置100の各部の動作を制御する手段である。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの演算処理装置とメモリとを備え、画像形成装置100の各部とデータや信号の授受を行う。また、制御部110は、プログラムを実行することにより、上述した情報処理装置10に相当する機能を実現する。
【0026】
記憶部120は、データを記憶する手段である。記憶部120は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体を備え、制御部110が用いるデータを記憶する。例えば、記憶部120は、表示データ及びプリントデータのほか、後述する履歴データを記憶してもよい。
【0027】
本実施例において、表示データは、UI部140において表示される広告を表すコンテンツである。一方、プリントデータは、画像形成部150において用紙に形成される画像を表すコンテンツである。プリントデータが表す画像は、例えば、商品又はサービスの広告、クーポンなどの金銭的価値を有するもの、観光地の地図又はパンフレットなどである。
【0028】
表示データとプリントデータは、関連付けを有する。表示データとプリントデータは、その内容に基づいて関連付けられる。例えば、プリントデータがある商品(商品A)を購入するときに用いられる割引券を表す場合、当該プリントデータに関連付けられる表示データは、当該ある商品を購入するユーザが興味・関心を抱く可能性が高い別の商品(商品B)の広告を表す。
【0029】
ここにおいて、表示データとプリントデータは、画像形成装置100の管理者又は本実施例のサービスを提供する提供者(以下これを「管理者等」と総称する。)によって、あらかじめ関連付けられる。管理者等は、例えば、商品A、Bの販売を行う企業などから表示データ及びプリントデータの提供をそれぞれ受け、その類似性や関連性を判断してこれらを関連付ける。あるいは、表示データとプリントデータは、互いの内容を特徴付ける属性情報(商品やサービスのジャンル、ターゲットとなる年齢や性別、提供される地域など)を含み、この属性情報が共通するもの同士が機械的に関連付けられてもよい。
【0030】
通信部130は、他の装置とデータを送受信する手段である。通信部130は、ネットワークカードなどの通信インターフェースを備え、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続し、当該ネットワークに接続された他の装置(サーバ装置等)と通信を行う。
【0031】
UI部140は、ユーザと情報をやり取りする手段である。UI部140は、本実施例においては、情報を表示するとともにユーザの操作を受け付ける表示領域であるタッチスクリーンと、各種のボタンとを備える。ただし、UI部140は、必ずしもタッチスクリーンを備えなくてもよく、表示装置と入力装置とをそれぞれ備えた構成であってもよい。また、UI部140は、広告の表示に合わせて音声や音楽を再生するためのスピーカを備えてもよい。
【0032】
画像形成部150は、用紙に画像を形成する手段である。画像形成部150は、本実施例においては、電子写真方式であり、帯電、露光、現像、転写、定着といったプロセスを経てトナーによる画像を用紙の一面又は両面に形成するものであるとする。なお、画像形成部150は、他の記録方式(インクジェット方式、熱転写方式、ドットインパクト方式など)であってもよく、また、モノクロ、カラーの別を問わない。
【0033】
本実施例において、制御部110は、情報処理装置10(すなわち第1取得手段11、第2取得手段12、表示制御手段13、出力制御手段14、選択手段15及び記録手段16)の一例に相当する。また、UI部140は、受付手段20及び表示手段30の一例に相当し、画像形成部150は、出力手段40の一例に相当する。ただし、受付手段20と表示手段30は、タッチスクリーンとして一体に構成されている必要はなく、それぞれ独立した構成要件として構成されてもよい。
【0034】
画像形成装置100の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、画像形成装置100は、ユーザの操作に応じて、表示データに応じた広告をタッチスクリーンに表示するとともに、プリントデータに応じた画像を用紙に形成する。すなわち、表示データは、本発明の「第1コンテンツ」の一例に相当し、プリントデータは、本発明の「第2コンテンツ」の一例に相当する。画像形成装置100の動作は、具体的には、以下の動作例に示すように、複数の態様が考えられる。なお、以下の各動作例は、必要に応じて、他の動作例と組み合わせて実施されてもよい。
【0035】
(動作例1)
図3は、本動作例におけるデータの関連付けを示す図である。本動作例において、ユーザには、識別情報が与えられるものとする。識別情報は、あらかじめ決められた桁数の数字であってもよいし、いわゆるIDやパスワード(又はその組み合わせ)であってもよい。本動作例において、表示データとプリントデータの組み合わせは、識別情報によって一意的に特定される。なお、識別情報は、ユーザ毎に全て異なっている必要はなく、一部のユーザにおいて共通であってもよい。
【0036】
本動作例において、ユーザは、ウェブサイトを閲覧したり、電子メール(メールマガジン)を閲覧したりすることによって、識別情報を知得する。その後、ユーザは、画像形成装置100が設置されている場所(公共施設、コンビニエンスストアなど)に行き、UI部140を介して識別情報を入力することで、識別情報に応じたサービスの提供を受けられる。なお、このサービスは、画像形成装置100が複数設置されている場合に、いずれの装置においてもサービスが受けられるものであってもよいし、識別情報が特定の画像形成装置100に関連付けられ、特定の場所に行かなければサービスが受けられないものであってもよい。
【0037】
また、ここでは、画像形成装置100は、ある商品のクーポンを用紙に形成し、これをユーザに提供するものであるとする。このとき、画像形成装置100は、当該ある商品と一緒に購入することが推奨される別の商品の広告をUI部140のタッチスクリーンに表示することとする。あるいは、画像形成装置100は、ある観光地の地図やパンフレットを用紙に形成し、当該観光地で購入できる特産品の広告を表示するものであってもよい。
【0038】
図4は、本動作例における画像形成装置100の処理を示すフローチャートである。本動作例において、画像形成装置100の制御部110は、UI部140によってユーザから識別情報の入力を受け付けることにより、識別情報を特定する(ステップSa1)。制御部110は、より詳細には、UI部140から操作情報を取得することによって識別情報を特定する。
【0039】
次に、制御部110は、識別情報に関連付けられた表示データ及びプリントデータを特定する(ステップSa2)。
図3に示したデータは、画像形成装置100の記憶部120に記憶されていてもよいが、外部のサーバ装置に記憶されていてもよい。
図3に示したデータがサーバ装置に記憶されている場合には、制御部110は、ステップSa1において特定した識別情報をサーバ装置に送信することによって表示データ及びプリントデータを問い合わせ、送信した識別情報に対応する表示データ及びプリントデータを応答として受信する。
【0040】
このように表示データ及びプリントデータを特定したら、制御部110は、表示データに応じた広告をUI部140のタッチスクリーンに表示し(ステップSa3)、プリントデータに応じた画像を画像形成部150に形成するようにこれらを制御する(ステップSa4)。なお、ステップSa3、Sa4の処理は、必ずしもこの順番で実行されなくてもよく、また、並列的に実行されてもよい。UI部140による広告の表示は、画像が用紙に形成されるまでの間に行われてもよいし、画像が用紙に形成された後に行われてもよい。
【0041】
ユーザは、本実施例のサービスを受けることによって、ある商品のクーポンを得るときに当該ある商品と関連する別の商品の広告を視聴する機会を得る。この場合、広告の提供者(すなわち広告主)にあっては、当該ある商品との関連付けを用いずに無作為に広告を出す場合に比べ、当該広告に対する興味・関心を有する可能性がより高いユーザに当該広告を視聴させられる機会が増大する。また、画像形成装置100は、画像形成に連動して広告を表示することにより、画像形成と無関係な広告を表示する場合に比べ、当該装置の付近に当該広告を実際に視聴するユーザがいる可能性をより高められるともいえる。
【0042】
なお、ユーザは、本動作例のサービスを無料で利用可能であってもよい。この場合、画像形成装置100による画像形成に係る料金は、表示データ又はプリントデータの提供者(広告主)が負担してもよいし、上述した管理者等が負担してもよい。すなわち、ユーザは、コンビニエンスストア等においてこのサービスを利用する場合においても、その対価を必ずしも要しない。
【0043】
また、表示データ及びプリントデータは、識別情報と直接関連付けられるのではなく、ユーザ情報を介して関連付けられてもよい。
図5は、本動作例におけるデータ構造の他の例を示す図である。この例において、識別情報は、ユーザ情報に関連付けられている。また、ユーザ情報には、少なくともユーザの属性情報が含まれているものとする。さらに、表示データ及びプリントデータ(又はその一方)には、ユーザの識別情報に対応する属性情報が含まれているものとする。識別情報とユーザ情報の組み合わせは、外部のサーバ装置に記憶されており、画像形成装置100が識別情報に基づいて問い合わせるものであってもよい。
【0044】
図5の例において、制御部110は、ステップSa1において、識別情報を特定することによりユーザ情報を特定する。そして、制御部110は、ステップSa2において、ユーザ情報に含まれる属性情報に基づいて、対応する属性情報を有する表示データ及びプリントデータの組み合わせを特定する。例えば、ここでいう属性情報がユーザの性別である場合、制御部110は、ユーザが男性であれば男性向けの広告(すなわち、「男性」という属性が関連付けられた広告)を表示させ、ユーザが女性であれば女性向けの広告を表示させる。
【0045】
(動作例2)
本動作例は、画像形成部150による画像形成に待ち時間が生じる場合に、その待ち時間を利用して広告を表示するものである。例えば、画像形成部150の記録方式が電子写真方式である場合、画像形成装置100に電源が投入された直後や、画像形成装置100がいわゆるスリープ状態(画像形成装置100の一部の機能を停止させ、電力消費を押さえた状態)から復帰した直後などに、相応の待ち時間が発生する場合がある。あるいは、画像形成する用紙の枚数や、画像形成を両面に行うか否かによっても、待ち時間は異なる。また、このような待ち時間の長さは、画像形成装置100の状況に応じて変化することがある。本動作例において、画像形成装置100は、待ち時間の長さに応じた広告を表示する。
【0046】
図6は、本動作例のデータ構造を例示する図である。本動作例においては、一のプリントデータに対して複数の異なる表示データが関連付けられている。表示データは、それぞれが動画による広告を表すものであり、互いにその再生時間が異なっている。ここでは、表示データは、再生時間が10秒のものと、30秒のものと、60秒のものがあるとする。なお、本動作例においては、上述した動作例1と異なり、識別情報は必須ではない。すなわち、本動作例においては、ユーザが自ら所望のプリントデータ(クーポン等)を選択してもよい。
【0047】
図7は、本動作例における画像形成装置100の処理を示すフローチャートである。本動作例において、画像形成装置100の制御部110は、ユーザの操作などによって画像形成を開始するときに、画像が形成可能になるまでの時間を特定し、これをユーザの待ち時間とする(ステップSb1)。ここでいう待ち時間は、そのときどきの画像形成装置100の状態に応じて、あらかじめ特定可能なものであるとする。換言すれば、画像形成装置100は、待ち時間を算出して特定する機能を有している。
【0048】
待ち時間を特定したら、制御部110は、待ち時間に応じた表示データを特定する(ステップSb2)。例えば、制御部110は、各表示データの再生時間と待ち時間の差を算出し、その差が最小となる表示データを表示対象として特定する。あるいは、制御部110は、再生時間が待ち時間以下の表示データのうちの再生時間が最長のものを表示対象としてもよい。なお、プリントデータは、表示データから一意的に特定される。
【0049】
そして、制御部110は、ステップSb2において特定した表示データに応じた広告をUI部140のタッチスクリーンに表示させる(ステップSb3)。その後、制御部110は、画像が形成可能な状態になったら、プリントデータに応じた画像を画像形成部150に形成させる(ステップSb4)。
【0050】
なお、画像形成装置100は、再生時間が待ち時間よりも長い広告を表示してもよく、画像形成後に広告を表示し続けてもよい。また、広告の再生時間は、待ち時間より短くてもよい。すなわち、画像形成装置100は、少なくとも画像形成部150による画像形成に伴う待ち時間の少なくとも一部において広告を表示すればよい。
【0051】
(動作例3)
本動作例は、UI部140による広告の表示に対応してユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に応じた画像形成を行うものである。UI部140は、例えば広告の表示の前後又は表示中に、ユーザに選択肢を提示し、ユーザの操作を促す。画像形成装置100は、ユーザの操作に応じて、画像形成の態様を異ならせる。
【0052】
図8は、本動作例のデータ構造を例示する図である。本動作例の表示データは、プリントデータに加えて関連データが関連付けられている。関連データは、プリントデータとは異なるデータであるが、用紙に形成される画像を表すデータである。例えば、関連データは、表示データによって表示される広告に関連する商品やサービスの情報を表すデータなどである。なお、関連データは、
図8では3種類あるが、その数は特に限定されない。
【0053】
具体例を挙げると、関連データは、表示データによって表示される広告が飲料(お茶)である場合に、当該飲料を購入するユーザの評価が高い他の飲料の広告や、当該飲料を購入するユーザがよく購入している他の商品(飲料、食品など)の広告を表すものであってもよい。また、関連データは、表示データによって表示される広告が無料のゲームの広告である場合に、当該ゲームに関連する別のゲーム(例えば有料のゲーム)を表すものであってもよい。さらに、表示データによって表示される広告がゲームである場合、そのゲームはタッチスクリーン等を介して実際に遊べるものであってもよい。
【0054】
図9は、本動作例における画像形成装置100の処理を示すフローチャートである。本動作例において、画像形成装置100の制御部110は、まず、表示対象となる表示データを特定する(ステップSc1)。なお、ユーザは、表示データ又はプリントデータのいずれかを自ら指定してもよい。あるいは、制御部110は、動作例1で説明したようにユーザ情報を取得し、ユーザ情報に応じた表示データを用いてもよい。
【0055】
表示データを特定したら、制御部110は、特定した表示データに応じた広告をUI部140のタッチスクリーンに表示させる(ステップSc2)。このとき、タッチスクリーンには、ユーザの操作を受け付けるための画像(ボタン、アイコン等)が再生時間の少なくとも一時期において表示される。
【0056】
図10は、UI部140により表示される画面の一例を示す図である。制御部110は、関連データを選択するための画面をこのように表示させる。この例においては、商品X、Y、Zという3種類の商品があり、この3種類の商品のいずれの情報をより詳細に知りたいかを選択肢(ボタン)によってユーザに選択させるものとする。なお、
図10の記載は、あくまでも一例であり、選択肢の表示態様はこの例に限定されない。例えば、これらの選択肢は、それぞれが同時に表示されずに、広告の再生中に順次表示されてもよい。
【0057】
制御部110は、広告を表示させるとともに、ユーザの操作が受け付けられたか否かを判断する(ステップSc3)。制御部110は、あらかじめ決められた時間内(例えば、広告の表示中など)にユーザによる選択肢の選択があったか否かを判断し、判断結果に応じた処理を実行する。
【0058】
ここで、ユーザの操作があった場合、制御部110は、受け付けられた操作に応じた関連データを特定し、プリントデータに応じた画像(第1画像)と当該関連データに応じた画像(第2画像)とを画像形成部150に形成させる(ステップSc4)。このとき、画像形成部150は、第1画像と第2画像と別の用紙に形成してもよいが、第2画像が形成された用紙を取り忘れないように、第1画像を用紙の一方の面(表)に形成し、第2画像を用紙の他方の面(裏)に形成するなどして2つの画像を1枚の用紙内に収めるようにしてもよい。あるいは、制御部110は、UI部140を介して、ここでいう第2画像が形成されたことを音声又は画像によって報知してもよい。
【0059】
一方、ユーザの操作がなかった場合、制御部110は、画像形成部150に対して、関連データに応じた画像を形成させることなく、プリントデータに応じた画像を形成させる(ステップSc5)。すなわち、制御部110は、関連データに応じた画像を形成させるか否かをユーザの操作に応じて異ならせる。
【0060】
ステップSc4、Sc5のいずれかの画像形成を実行したら、制御部110は、ユーザの操作と画像形成部150の処理結果の関係を示す履歴データを記憶部120に記録する(ステップSc5)。あるいは、制御部110は、通信部130を介して外部のサーバ装置に履歴データを送信してもよい。例えば、このとき制御部110は、選択された関連データ、当該関連データと関連付けられた表示データ又はプリントデータなどを履歴データとして記録する。制御部110は、広告の表示及び画像形成を実行する毎に履歴データを記録する。このように記録された履歴データは、マーケティング情報として広告主等に提供される。広告主等は、履歴データを参照して、ユーザに注目された商品がどの商品であったかや、関連データとプリントデータ(又は関連データと表示データ)の有効な組み合わせなどの情報を得る。
【0061】
なお、画像形成装置100は、画像形成において、プリントデータを用いなくてもよい。すなわち、画像形成装置100は、UI部140に広告を表示し、当該広告の表示に対応して行われるユーザの操作に応じて、関連データに応じた画像を用紙に形成する構成であってもよい。この場合には、関連データが本発明の「第2コンテンツ」の一例に相当する。また、この場合において、画像形成装置100は、ユーザの操作がない場合には画像形成を行わないように構成されてもよい。
【0062】
[変形例]
本発明の実施の形態は、上述した実施例に限定されるものではなく、例えば、以下の変形例に示す形態であってもよい。また、これらの変形例は、必要に応じて、併用したりその一部を置き換えたりすることによって、互いに組み合わされてもよい。
【0063】
(変形例1)
画像形成装置100は、上述した動作例1において、識別情報に代えてユーザ情報を取得するように構成されていてもよい。例えば、画像形成装置100は、ユーザが所持する電子機器(携帯電話機、スマートフォン、ノート型のパーソナルコンピュータなど)と通信する通信手段を備え、当該電子機器からユーザ情報を受信するように構成されてもよい。かかる通信手段としては、例えば、NFC(Near Field Communication)などの通信規格に準拠した無線通信が挙げられる。
【0064】
あるいは、画像形成装置100は、ユーザを撮影する手段(カメラ等)を備え、ユーザを撮影することによって性別や年齢などの属性を判断してもよい。この場合、ユーザを撮影する手段が、ユーザ情報を取得する手段に相当し得る。さらには、ユーザの声を録音し、録音した声に基づいて性別や年齢などの属性を判断してもよい。
【0065】
(変形例2)
画像形成装置100は、プリントデータと表示データを関連付ける手段を備えていてもよい。例えば、画像形成装置100は、スキャナによって原稿を読み取ることによって、プリントデータを生成する場合、原稿を画像認識することによって原稿に含まれる文字や画像を特定し、特定した文字や画像に関連する表示データをプリントデータに関連付けるように構成されてもよい。あるいは、画像形成装置100は、ユーザからURL(Uniform Resource Locator)を指定されて商品等が掲載されたウェブページをプリントする場合であれば、当該URL又は当該ウェブページに記載された文字列に関連する広告を特定し、当該広告を表す表示データを当該ウェブページのプリントデータに関連付けてもよい。
【0066】
(変形例3)
本発明に係る出力手段は、画像を形成する手段に限定されない。ただし、出力手段は、情報を可搬性の記録媒体に出力するものであると望ましい。ここにおいて、可搬性の記録媒体とは、用紙、メモリカード、ICチップなどをいう。すなわちこの場合、表示手段がその場で情報を確認するための手段であるのに対して、出力手段は情報を持ち出して確認することを可能にする手段であるといえる。
【0067】
(変形例4)
本発明は、コンピュータに本発明に係る情報処理装置の機能を実現させるためのプログラムとして提供されてもよいし、かかるプログラムを記録した記録媒体の形態で提供されてもよい。さらに、本発明に係るプログラムは、ネットワークやその他の通信手段を介して外部装置から取得され、情報処理装置にダウンロードされてもよい。また、本発明に係る情報処理装置は、表示手段や出力手段を備える装置ではなく、当該装置にネットワークを介して接続されるサーバ装置に備わる構成であってもよい。