【文献】
古藤浩 外1名,メッシュデータによる低密度地域の人口推計,GIS−理論と応用,一般社団法人地理情報システム学会,2012年 6月30日,第20巻,第1号,pp.71−80
【文献】
川崎憲広 外1名,太陽光発電大量連系に向けた太陽光発電出力把握のための要素技術開発,電気学会研究会資料,社団法人電気学会,2011年11月 1日,pp.15−19
【文献】
三浦英俊,OR事典Wiki クリギング,オペレーションズ・リサーチ,社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会,2010年 3月,第55巻,第3号,pp.194−195
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記設計変数は、タイヤの材料挙動、タイヤの形状およびタイヤの構造のうち、少なくとも1つのパラメータであり、前記特性値は、タイヤおよびタイヤの材料のうち、少なくとも1つの特性値である請求項3または4に記載のデータの可視化方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のデータの可視化方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態のデータの可視化方法に利用される表示処理装置の一例を示す模式図である。
図2は、本発明の実施形態のデータの可視化方法の移動平均処理を工程順に示すフローチャートである。
【0016】
図1に示す表示処理装置10は、本発明の実施形態のデータの可視化方法の実施に用いられる装置の一例である。
本実施形態のデータの可視化方法には、
図1に示す表示処理装置10が用いられるが、データの可視化方法をコンピュータ等のハードウェアおよびソフトウェアを用いて実行することができれば表示処理装置10に限定されるものではない。
【0017】
本実施形態のデータの可視化方法では、入力値を表わす入力データXi(i=1,l)と、出力値を表わす出力データYj(j=1,m)の2種類のデータを組としたデータセットを対象とし、出力値空間において入力値の移動平均処理をして、移動平均処理した入力値を表示する。なお、lは入力データの数、mは出力データの数を表わす。
入力値と出力値とは所定の関係を有する。この所定の関係とは、因果関係であり、例えば、入力値と出力値とが関数により表わされるものである。
【0018】
データセットにおいて、例えば、後に詳細に説明する入力値を表わす入力データは構造体および構造体を構成する材料のうち少なくとも1つの設計変数を表す第1のデータであり、出力値を表わす出力データは構造体および構造体を構成する材料のうち少なくとも1つの特性値を表す第2のデータである。この場合、第1のデータが入力データXi(i=1,l)に相当し、第2のデータが出力データYj(j=1,m)に相当し、lは設計変数の数、mは特性値の数を表す。この場合、特性値空間において設計変数の移動平均処理をして、移動平均処理した設計変数を表示する。特性値空間が出力値空間に対応する。
データセットでは、例えば、l=4、m=3のとき、入力データX1〜X4と出力データY1〜Y3の合計7つのデータを1組として扱い、この7つのデータの組(入力データX1〜X4、出力データY1〜Y3)が複数組存在する。データセットにおいて、上記組の数をデータ数という。例えば、データ数が100であれば、7つのデータで構成される組が100存在する。なお、入力データと出力データの数は7つに限定されるものではない。
【0019】
なお、データセットにおいては、入力値を表わす入力データ(設計変数)と出力値を表わす出力データ(特性値)のデータは、シミュレーションまたは最適化のようなコンピュータ演算されたものでもよいし、各種試験の計測データでもよい。
【0020】
表示処理装置10は、コンピュータ等のハードウェアを用いて構成されるものである。表示処理装置10は、可視化処理部12と、入力部14と、表示部16とを有する。
可視化処理部12は、データ処理部15と、移動平均処理部17と、表示制御部19と、メモリ30と、制御部32とを有する。
【0021】
データ処理部15は、上述のデータセットを作成するものであり、例えば、条件設定部20、モデル生成部22、演算部24、パレート解探索部26およびデータ作成部28を有する。可視化処理部12は、この他に図示はしないがROM等を有する。
可視化処理部12は、制御部32により制御される。また、可視化処理部12において条件設定部20、モデル生成部22、演算部24、パレート解探索部26およびデータ作成部28はメモリ30に接続されており、条件設定部20、モデル生成部22、演算部24、パレート解探索部26およびデータ作成部28で得られたデータがメモリ30に記憶される。
【0022】
入力部14は、マウスおよびキーボード等の各種情報をオペレータの指示により入力するための各種の入力デバイスである。
表示部16は、例えば、本発明の表示方法で得られた図を表示するものであり、公知の各種のディスプレイが用いられる。また、表示部16には各種情報を出力媒体に表示するためのプリンタ等のデバイスも含まれる。
【0023】
表示処理装置10は、ROM等に記憶されたプログラム(コンピュータソフトウェア)を、制御部32で実行することにより、データ処理部15を機能的に形成する。すなわち、条件設定部20、モデル生成部22、演算部24、パレート解探索部26の各部を機能的に形成する。表示処理装置10は、上述のように、プログラムが実行されることで、データ処理部15が機能するコンピュータによって構成されてもよいし、データ処理部15の各部位が専用回路で構成された専用装置であってもよい。
【0024】
データ処理部15は、入力値を表わす入力データと、出力値を表わす出力データの2種類のデータを組とし、この組を複数有するデータセットを作成するものである。
なお、データセットについては、データ処理部15で作成することなく、入力部14を介して可視化処理部12に直接入力されるようにしてもよい。また、データセットについては、入力部14を介してメモリ30記憶させるようにしてもよい。いずれの場合も、データ処理部15でデータセットを作成することなく、移動平均処理部17でデータセットに対して後に詳細に説明する移動平均処理がなされる。このため、データ処理部15でデータセットを作成する必要は必ずしもない。
【0025】
移動平均処理部17は、上述のデータセットに対して出力値空間において入力値の移動平均処理をするものである。
次に、
図2〜
図5に基づいて、移動平均処理部17での移動平均処理方法について説明する。
【0026】
まず、出力値空間での平均区間の形状および大きさと重み関数を設定する(ステップS10)。
平均区間は、移動平均処理を行う際に、後述するマスター点の平均値を求めるための設定領域である。この平均領域は、データセットの入力データのデータ種、例えば、入力パラメータ数と、出力データのデータ種、例えば、出力パラメータ数に応じて、適宜設定されるものであり、形状等は特に限定されるものではない。例えば、出力値空間が、例えば、出力データのうち、2つのデータ種で表わされる場合、すなわち、出力値空間が2次元である場合、平均区間は、例えば、四角形等の多角形、および円等の2次元形状である。
また、出力値空間が出力データのうち、3つのデータ種で表わされる場合、すなわち、出力値空間が3次元である場合、平均区間は、例えば、四角柱等の多角柱、および球等の3次元形状である。さらには、出力値空間が出力データのうち、4つのデータ種で表わされる場合、すなわち、出力値空間が4次元である場合、平均区間は、例えば、超立方体、および超球等である。
また、平均区間の大きさについても特に限定されるものではない。さらには、平均区間を設定する際に、出力値空間を正規化してもよい。すなわち、後述する特性値空間を正規化してもよい。
【0027】
平均区間の重み関数としては、例えば、以下に示す式(1)の関数w(r)を用いることができる。下記式(1)の関数w(r)は図示すれば
図3に示すとおりである。
下記式(1)の関数w(r)において、r
0は平均区間の大きさを表し、rはマスター点とスレーブ点との距離を表す。r
0は平均区間が円であれば円の半径、超球であれば超球の半径である。なお、下記式(1)の関数w(r)では、
図3に示すように、マスター点とスレーブ点との距離r=1.0が平均区間の大きさである。
【0029】
重み関数は、上記式(1)の関数に限定されるものではなく、例えば、
図3に符号Cで示すように平均区間内で一定値でもよい。一定値の値は、特に限定されるものではないが、
図3に示す例では1.0である。
さらに、出力値空間内のデータの粗密に応じて平均区間および重み関数のうち、少なくとも一方を変えてもよい。
【0030】
次に、例えば、設計変数で構成される入力データからマスター点を設定する(ステップS12)。そして、設計変数で構成される入力データからスレーブ点を設定する(ステップS14)。
具体的には、
図4に示すように、平均区間Aが設定された特性値空間Bにおいて、平均区間A内で、既に存在する入力データの中からマスター点Mを設定する。これにより、特性値空間Bではマスター点A以外はスレーブ点sとなる。マスター点Mのデータがマスターデータであり、スレーブ点sのデータがスレーブデータである。
マスター点Mの設定方法は、例えば、
図5に示すように、特性値空間Bにグリッドgを設定し、グリッドgの交点nをマスター点Mとしてもよい。この場合、マスター点Mは必ずしも存在する入力データとは限らない。なお、グリッドgの大きさは特に限定されるものではなく、データ数等に応じて適宜設定される。
【0031】
次に、特性値空間B上でのマスター点とスレーブ点との距離rを算出する(ステップS16)。距離の算出は、公知の2つの座標間の距離計算方法を用いることができる。
ステップS16において、算出した距離が平均区間A内にある場合、すなわち、r≦r
0である場合、重み関数を用いて重みの値(w
v)を計算し、この重みの値(w
v)を、例えば、メモリ30に記憶する。また、入力値の各入力データの値、例えば、設計変数の値(x)に重みの値を乗じて、入力データの値と重みの値の積の値(w
vx)を算出する。そして、算出された入力データの値と重みの値の積の値(w
vx)を、例えば、メモリ30に記憶する(ステップS18)。この場合、入力データ毎に、入力データの値と重みの値の積の値(w
vx)が算出される。すなわち、設計変数毎に、設計変数の値(x)と重みの値の積の値(w
vx)が算出される。
【0032】
次に、ステップS18で記憶した重みの値(w
v)の和(w
vtot)と入力データの値と重みの値の積の値(w
vx)の和(w
vx
tot)とを、入力データ毎に計算する(ステップS20)。これにより、1つのマスター点Mでの重みの値(w
v)の和(w
vtot)と入力データの値と重みの値の積の値(w
vx)の和(w
vx
tot)とが設計変数毎に得られる。
【0033】
次に、マスター点としたデータセットのデータを除くデータセットの組、全てをスレーブ点として計算処理したか否かを判定する(ステップS22)。この場合、例えば、データセットのデータ数と、計算したスレーブデータの数とを比較することにより、ステップS22の計算処理を判定することができる。
ステップS22において、マスター点としたデータを除いたデータセットのデータをスレーブ点として計算処理した場合には、入力データ毎に、入力データの値と重みの値の積の値(w
vx)の和(w
vx
tot)を重みの値(w
v)の和(w
vtot)で除して得られた値、すなわち、w
vx
tot/w
vtotで得られた値を、入力データ毎のマスター点Mの入力データの平均値、例えば、設計変数毎のマスター点Mの設計変数の平均値とし、例えば、メモリ30に記憶させる(ステップS24)。
ステップS24では、
図4、
図5に示す平均区間Aにおいて、マスター点Mを中心とした設計変数の平均値を設計変数毎に得ることができる。
【0034】
一方、ステップS22において、マスター点としたデータを除いたデータセットのデータをスレーブ点として計算処理していない場合、マスター点Mを中心とした設計変数の平均値を設計変数毎に得るために、マスター点としたデータを除いたデータセットのデータをスレーブ点として計算処理するまで、上述のステップS14(スレーブ点の設定)からステップS20(重み・設計変数の積の計算)を繰り返し行う。そして、上述のように、設計変数毎のマスター点Mの入力データの平均値、例えば、マスター点Mの設計変数の平均値を、例えば、メモリ30に記憶させる。
【0035】
次に、データセットの組、全てを、マスター点Mとして計算処理したか否かを判定する(ステップS26)。ステップS26において、データセットの組、全てを、マスター点Mとして計算処理した場合に移動平均処理は終了する。この場合、例えば、データセットのデータ数と、計算したマスター点Mの数とを比較することにより、ステップS22の計算処理の判定をすることができる。
なお、マスター点Mをグリッドgの交点nとした場合には、交点nの数と、計算したマスター点Mの数とを比較することにより、ステップS22の計算処理の判定をすることができる。
【0036】
一方、ステップS26において、データセットの組、全てを、マスター点Mとして計算処理していない場合、データセットの組、全てをマスター点Mとするために、上述のステップS12(マスター点の設定)からステップS24(マスター点の平均値の算出)を繰り返し行う。ステップS26において、データセットの組、全てをマスター点Mとして計算処理した場合、移動平均処理は終了する。
以上のようにして、出力値空間での入力データの移動平均処理、例えば、特性値空間内での設計変数の移動平均処理が終了する。
本実施形態において、出力値空間内で入力データの移動平均処理を行うことにより、入力データのばらつきおよびノイズを除去し、出力値と入力データとの間の因果関係を容易に見出すことができる。
【0037】
表示制御部19は、移動平均処理部17によって移動平均処理されたデータに基づいて、出力値空間において入力値を、表示部16に表示するものである。
なお、表示制御部19では、後述するように、最適化により得られるパレート解を表示する場合には、設計変数の値に応じて、設計変数の値を表すシンボルの色、種類および大きさのうち、少なくとも1つを変えることもできる。表示形態を変更したパレート解の情報はメモリ30に記憶される。例えば、得られたパレート解は、表示制御部19で表示形態が変えられて表示部16で表示される。これにより、パレートフロント上の特性値のバランスと設計変数との因果関係、およびパレート解を良い方向へ改善し得る設計変数を表示することができる。
本実施形態のデータ可視化方法においては、データの表示形態は、散布図でも自己組織化マップでもよく、それ以外の表示形態であってもよい。このため、表示制御部19では、データの表示形態を散布図または自己組織化マップ等の各種の形態で表示部16に表示することができる。なお、自己組織化マップの作成は、例えば、特許第4339808号公報に記載された方法を用いて作成することができる。このため、自己組織化マップの作成について、その詳細な説明は省略する。
【0038】
次に、データ処理部15の各部について説明する。
条件設定部20は、パレート解を特性値空間(目的関数空間)で散布図または自己組織化マップとして表示する際に必要な各種の条件、情報が入力され、設定される。各種の条件、情報は、入力部12を介して入力される。条件設定部20で設定する各種の条件、情報はメモリ30に記憶される。
【0039】
条件設定部20には、データセットのデータが設定されるものであり、例えば、構造体および構造体を構成する材料を規定するパラメータのうち設計変数として定めた少なくとも1つのパラメータが設定される。なお、設計変数には、荷重および境界条件等のばらつき因子を設定してもよい。
また、データセットのデータとして、例えば、構造体および構造体を構成する材料を規定するパラメータのうち特性値(目的関数)として定めた少なくとも1つのパラメータが設定される。特性値には、コスト等の物理的および化学的な特性値以外の、構造体および構造体を構成する材料を評価する指標を用いてもよい。
構造体および構造体を構成する材料は、構造体単体ではなく、構造体を構成するパーツ、構造体のアッセンブリ形態等の構造体を含むシステム全体、またはその一部を対象としてもよい。
【0040】
条件設定部20に設定される特性値は、評価しようとする物理量である。目的関数は、評価しようとする物理量を求めるための関数である。
構造体がタイヤである場合、特性値はタイヤの特性値である。この場合、特性値としては、タイヤ性能として評価しようとする物理量であり、例えば、操縦安定性の指標となるスリップ角1度における横力であるCP(コーナーリングパワー)、操縦安定性の指標となるコーナーリング特性、乗心地性の指標となるタイヤの1次固有振動数、転動抵抗の指標となる転がり抵抗、操縦安定性の指標となる横ばね定数、耐摩耗性の指標となるタイヤトレッド部材の摩耗エネルギ等が挙げられる。目的関数は、それらを求めるための関数である。目的関数は、性能として好ましい方向があり、値が大きくなる、小さくなる、または所定の値に近づく等がある。
【0041】
設計変数は、構造体の形状、構造体の内部構造および材料特性等を規定するものである。タイヤの場合、設計変数は、タイヤの材料挙動、タイヤの形状、タイヤの断面形状およびタイヤの構造のうち、少なくとも1つのパラメータである。設計変数としては、例えば、タイヤのトレッド部におけるクラウン形状を規定する曲率半径、タイヤ内部構造を規定するタイヤのベルト幅寸法等が挙げられる。これ以外にも、例えば、トレッド部における材料特性を規定するフィラー分散形状、フィラー体積率等が挙げられる。
制約条件は、目的関数の値を所定の範囲に制約したり、設計変数の値を所定の範囲に制約するための条件である。
また、構造体がタイヤである場合、タイヤの負荷荷重、タイヤの転動速度を初めとする走行条件、タイヤが走行する路面条件、例えば、凹凸形状、摩擦係数等、車両の走行シミュレーションに用いるための車両諸元の情報等が設定される。
【0042】
また、条件設定部20に、設計変数と特性値のパラメータとの間の非線形応答関係を定めるための情報が設定される。この非線形応答関係には、例えば、FEM等の数値シミュレーション、理論式および近似式等が含まれる。
条件設定部20では、非線形応答関係により生成するモデル、そのモデルの境界条件、FEM等の数値シミュレーションする場合には、そのシミュレーション条件、シミュレーションにおける制約条件を設定する。更には、パレート解を得るための最適化条件、例えば、パレート解探索のための条件等を設定する。
【0043】
パレート解探索のための条件は、パレート解を探索するための手法、パレート解探索における各種条件である。例えば、パレート解を探索するための手法として、遺伝的アルゴリズムを用いることができる。一般に、目的関数の増大と共に、遺伝的アルゴリズムの探査能力が低下することが知られている。それを解決する方法の一つが、個体数を増加させる方法である。一方、個体数を増加させ、パレート解を探査すると、多くのパレート解が算出される。したがって、多くの特性値データと設計パラメータとの因果関係を視認性良く表示する方法が設計探査の一つの課題となっているが、本発明ではこれを解決することができる。
これ以外に、条件設定部20で、設計変数の定義域を設定する。また、条件設定部20では後述するようにパレート解を縮約する際に用いられる離散値を設定する。
【0044】
モデル生成部22は、設定された非線形応答関係に基づいて、各種の計算モデルを作成するものである。非線形応答関係は、上述のようにFEM等の数値シミュレーションが含まれており、この場合、モデル生成部22で、設計変数を表わす設計パラメータ、特性値を表わす特性値パラメータに応じたメッシュモデルが生成される。また、理論式および近似式等の場合にも、設計パラメータ、特性値パラメータに応じた理論式および近似式等が作成される。なお、構造体がタイヤの場合には、タイヤモデルが作成される。演算部24でタイヤモデルを用いてシミュレーション演算がなされる。
【0045】
なお、モデル生成部22で作成されるタイヤモデルは、条件設定部20で設定された各種類の設計パラメータを用いて作成されるが、タイヤモデルの作成には公知の作成方法を用いることができる。なお、タイヤモデルは、少なくとも、このタイヤモデルを転動させる対象である路面モデルも併せて生成する。また、タイヤが装着されるリム、ホイール、およびタイヤ回転軸を再現するものをタイヤモデルとしてもよい。また、必要に応じて、タイヤが装着される車両を再現するモデルをタイヤモデルに組み込んでもよい。この際、タイヤモデル、リムモデル、ホイールモデル、およびタイヤ回転軸モデルを、予め設定された境界条件に基づいて一体化したモデルを作成することもできる。
【0046】
これら各モデルは数値計算可能な離散化モデルであればよく、例えば、公知の有限要素法(FEM)に用いるための有限要素モデル等であればよい。なお、タイヤモデルを用いて、例えば、タイヤウエット性能を初めとするタイヤ性能を最適化するタイヤ設計案を求める場合等、路面モデルとタイヤモデルの他に、路面上に存在する介在物を再現するモデルを生成しておけばよい。例えば、介在物モデルとして、路面上の水、雪、泥、砂、砂利または氷等を再現する各種モデルを、数値計算可能な離散化モデルで生成しておけばよい。なお、路面モデルも、表面が平坦な路面を再現するモデルに限らず、必要に応じて、表面に凹凸を有する路面形状を再現するモデルであってもよい。
【0047】
演算部24は、モデル生成部22で作成された各種のモデルを用いて特性値を算出するものである。これにより、設定変数に対する特性値が得られる。この特性値の中に、パレート解が存在する。得られた特性値は、メモリ30に記憶される。
演算部24では、例えば、路面上を転動するタイヤの転動を再現するシミュレーション条件を、モデル生成部22で生成したタイヤモデル、または路面モデル等に与えたときの、タイヤモデルの挙動、またはタイヤモデルに作用する力等の物理量を時系列に求める。演算部24は、例えば、公知の有限要素ソルバーによるサブルーチンを実行することで機能するものである。
また、演算部24では、モデル生成部22で理論式および近似式等を作成した場合には、理論式および近似式等を解き、特性値を算出する。
【0048】
パレート解探索部26は、条件設定部20で設定されたパレート解探索の条件に応じて、演算部24で得られた特性値の中から、パレート解を探索し、パレート解を算出するものである。得られたパレート解は、メモリ30に記憶される。
【0049】
ここで、パレート解は、トレードオフの関係にある複数の目的関数において、他の任意の解よりも優位にあるとはいえないが、より優れた解が他に存在しない解をいう。一般にパレート解は集合として複数個存在する。
パレート解探索部26は、例えば、遺伝的アルゴリズムを用いてパレート解を探索する。
遺伝的アルゴリズムとしては、例えば、解集合を目的関数に沿って複数の領域に分割し、この分割した解集合毎に多目的GAを行うDRMOGA(Divided Range Multi-Objective GA)、NCGA(Neighborhood Cultivation GA),DCMOGA(Distributed Cooperation model of MOGA and SOGA)、NSGA(Non-dominated Sorting GA)、NSGA2(Non-dominated Sorting GA-II)、SPEAII(Strength Pareto Evolutionary Algorithm-II)法等の公知の方法を用いることができる。その際、解集合が解空間に幅広く分布し、精度の高いパレート解の集合を求める必要がある。このため、パレート解探索部26では、例えば、ベクトル評価遺伝的アルゴリズム(Vector Evaluated Generic Algorithms:VEGA)、パレートランキング法、またはトーナメント法を用いた選択が行われる。遺伝的アルゴリズム以外に、例えば、焼きなまし法(SA)または粒子群最適化(PSO)を用いてもよい。
【0050】
設計変数と特性値との間で定める非線形応答関係、すなわち、設計変数を用いて特性値を求める場合に利用されるものは、FEM等のシミュレーションに限定されるものではなく、上述のように理論式および近似式等を用いることもできる。例えば、シミュレーションモデルを用いた演算ではなく、シミュレーション近似式を用いて目的関数の値を算出してもよい。この場合、実験計画法に基づいて得られる実験結果から設計変数と目的関数との間の近似式、例えば、シミュレーション近似式を用いてパレート解を得ることができる。このシミュレーション近似式としては、多項式またはニューラルネットワーク等により得られる公知の非線形関数を用いることができる。
【0051】
データ作成部28は、パレード解探索部26で得られメモリ30に記憶されたパレート解と、この目的関数データとをメモリ30から読み出し、設計変数を表わすデータと特性値を表わすデータとの2種類のデータを組としたデータセットを作成するものである。
データ作成部28で作成されたデータセットは、メモリ30に記憶される。
移動平均処理部17では、データセットをメモリ30から読み出し、移動平均処理に利用できる。なお、データ作成部28から直接移動平均処理部17にデータセットを出力し、移動平均処理部17で移動平均処理をしてもよい。
表示処理装置10は、以上のような構成を有する。
【0052】
次に、本実施形態のデータの可視化方法について、構造体としてタイヤを例にして、より具体的に説明する。
ここで、
図6は、本発明の実施形態のデータの可視化方法の一例を工程順に示すフローチャートである。
図7(a)は、タイヤの断面形状を表す6つの設計変数とタイヤの4つの特性値を目的関数として得られたパレート解の一例を示す散布図であり、(b)は、
図7(a)を設計変数X2の値で層別化したパレート解の例を示す散布図であり、(c)は、設計変数X2を移動平均処理して得られたパレート解の例を示す散布図である。
【0053】
まず、対象となるタイヤについて設計変数および特性値を設定する。例えば、タイヤのサイズは195/65R15である。
タイヤに対して、設計変数として、例えば、タイヤの断面形状を表わす6つの設計変数を設定する。特性値として、例えば、転がり抵抗およびコーナーリング特性を含む4つ特性値を設定する。本実施形態では、入力がタイヤの断面形状を表わす6つの設計変数であり、出力が転がり抵抗およびコーナーリング特性を含む4つ特性値である。例えば、タイヤの断面形状を表わす6つの設計変数の値により、転がり抵抗およびコーナーリング特性がどのように変化するかを可視化する。すなわち、表示部16に表示する。タイヤの断面形状を表わす6つの設計変数、ならびに転がり抵抗およびコーナーリング特性を含む4つ特性値が条件設定部20に設定される。
【0054】
次に、
図6に示すように、設計変数から特性値を求める際に用いる非線形応答を定める(ステップS30)。すなわち、設計変数と特性値との関係を定める。この非線形応答の種類は、条件設定部20に設定され、例えば、メモリ30に記憶される。具体的には、タイヤの断面形状を表わす6つの設計変数と、転がり抵抗およびコーナーリング特性を含む4つ特性値との関係を設定する。タイヤの断面形状を表わす6つの設計変数を入力とし、転がり抵抗およびコーナーリング特性を含む4つ特性値を出力とした場合、設定する関係は、例えば、転がり抵抗がタイヤの断面形状を表わす6つの設計変数を変数とする二次多項式等の非線形関数を用いて表わされるものである。また、コーナーリング特性がタイヤの断面形状を表わす6つの設計変数を変数とする二次多項式等の非線形関数を用いて表わされるものである。
【0055】
次に、設計変数の定義域を設定する(ステップS32)。この場合、設計変数に対して、上限値と下限値を設定し、下限値〜上限値の間が連続であるとする。例えば、タイヤの断面形状を表わす6つの設計変数であれば、サイズの上限と下限を、下限値〜上限値の間が連続であるとして、設計変数の定義域として設定する。また、タイヤのゴム組成であれば、弾性率の上限と下限を設計変数の定義域として設定する。この設計変数の定義域の設定は、条件設定部20でなされ、例えば、メモリ30に記憶される。本実施形態では、タイヤの断面形状を表わす6つの設計変数について上限値と下限値を設定する。
なお、定義域の設定については、連続として限定することに限定されるものではなく、定義域において離散的に設定してもよい。離散的に設定する場合、等間隔であることが好ましいが等間隔に設定することに限定されるものではない。
【0056】
次に、非線形応答関係に基づいてモデル作成部22でモデル作成を実施し、演算部24にてステップS30で設定した非線形応答関係に基づいて特性値を算出する(ステップS34)。このとき、設定した設計変数の定義域がメモリ30から読み出されて特性値が算出される。特性値の算出結果は、例えば、メモリ30に記憶される。FEM等のシミュレーションであれば、メッシュモデルがモデル作成部22で作成され、演算部24にて、FEM等により入力に対する応答をシミュレーションが実施される。具体的には、タイヤの断面形状を表わす6つの設計変数に対する転がり抵抗およびコーナーリング特性を含む4つ特性値が算出される。
【0057】
次に、パレード解探索部26にて特性値の演算結果に対して、特性値を目的関数とする最適化を実施する(ステップS36)。これより、パレート解を得ることができ、このパレート解をメモリ30に記憶する。このとき、例えば、パレート解探索過程で得られる特性値が得られ、この特性値を目的関数データとしてメモリ30に記憶する。
ステップS36において、上述のパレート解等の算出のための最適化には、例えば、遺伝的アルゴリズム、焼きなまし法(SA)および粒子群最適化(PSO)等を用いることができる。
そして、データ作成部28でメモリ30に記憶されたパレート解と、この目的関数データとを用いて、設計変数を表わすデータと特性値を表わすデータとの2種類のデータを組としたデータセットを作成する(ステップS38)。そして、データセットのデータをメモリ30に記憶させる。
【0058】
次に、移動平均処理部17で、ステップS38で得られたデータセットをメモリ30から読み出し、例えば、設計変数X2について上述のように移動平均処理を実施する(ステップS40)。そして、設計変数X2について移動平均処理されたデータセットをメモリ30に記憶させる。設計変数X2は、タイヤの断面形状を表わす設計変数である。
そして、メモリ30から移動平均処理したデータセットを表示制御部19に読み出し、移動平均処理されたデータセットについて、設計変数X2の値に応じて、例えば、設計変数X2の値を表すシンボルの色を、その値に応じて6段階で変える。なお、設計変数X2の値に応じて、シンボルの種類または大きさを変えてもよいことはもちろんである。
【0059】
そして、
図7(c)に示すように、縦軸に特性値Y2(転がり抵抗)をとり、横軸に特性値Y1(コーナーリング特性)をとって設計変数X2を、その値に応じて色を変えて、パレート解およびパレート解探索過程で得られる特性値(目的関数データ)を、特性値空間で散布図として表示部16に表示する(ステップS42)。
【0060】
ここで、
図7(a)は、ステップS38で得られた設計変数を表わすデータと特性値を表わすデータとの2種類のデータを組としたデータセットにおいて、縦軸に特性値Y2(転がり抵抗)をとり、横軸に特性値Y1(コーナーリング特性)をとって設計変数X2の値を示したものである。
図7(b)は、ステップS38で得られた設計変数を表わすデータと特性値を表わすデータとの2種類のデータを組としたデータセットに対して、移動平均処理部17で移動平均処理することなく、表示制御部19で、設計変数X2の値に応じて、6段階で色を変えて、縦軸に特性値Y2(転がり抵抗)をとり、横軸に特性値Y1(コーナーリング特性)をとって設計変数X2の値を示したものである。
なお、
図7(a)〜
図7(c)では、領域Dにある方が転がり抵抗とコーナーリング特性の両方が好ましいものとなる。また、
図7(a)〜
図7(c)においては、パレート解およびパレート解探索過程で得られる特性値(目的関数データ)ではなく、パレート解だけを表示するようにしてもよい。
【0061】
図7(a)に示す可視化形態では、設計変数X2の値に応じて何ら区別されておらず、設計変数X2と、特性値Y1(コーナーリング特性)および特性値Y2(転がり抵抗)の関係を認識することが困難である。
図7(b)に示す可視化形態では、設計変数X2の値で層別化されているものの、設計変数X2の各値が混ざっており、設計変数X2の値と、特性値Y1(コーナーリング特性)および特性値Y2(転がり抵抗)の関係を認識することが困難である。
これに対して、本実施形態のデータ可視化方法による
図7(c)に示す可視化形態では、設計変数X2の値毎に明確に分離しており、設計変数と特性値との関係が認識しやすく、設計変数X2の値毎に、特性値空間での位置が変わることが分かる。このように、本実施形態のデータ可視化方法では、転がり抵抗(最小化)とコーナーリング特性(最大化)のパレートフロントEを設計変数X2で制御できることが一目で理解することができる。
【0062】
なお、タイヤの断面形状を表わす6つの設計変数のうち、設計変数X1と、特性値として転がり抵抗(特性値Y2)とコーナーリング特性(特性値Y1)を用いて、データを可視化してもよい。
この場合、設計変数X2の場合に比して、設計変数X1を用いた点以外は、設計変数X2と同様であるため、その詳細な説明は省略する。その結果を
図8(c)に示す。
【0063】
図8(c)は、縦軸に特性値Y2(転がり抵抗)をとり、横軸に特性値Y1(コーナーリング特性)をとって設計変数X1を、その値に応じて色を変えて、パレート解およびパレート解探索過程で得られる特性値(目的関数データ)を、特性値空間で散布図として表示部16に表示したものである。
【0064】
ここで、
図8(a)は、ステップS38で得られた設計変数を表わすデータと特性値を表わすデータとの2種類のデータを組としたデータセットにおいて、縦軸に特性値Y2(転がり抵抗)をとり、横軸に特性値Y1(コーナーリング特性)をとって設計変数X1の値を示したものである。
図8(b)は、ステップS38で得られた設計変数を表わすデータと特性値を表わすデータとの2種類のデータを組としたデータセットに対して、移動平均処理部17で移動平均処理することなく、表示制御部19で、設計変数X1の値に応じて、6段階で色を変えて、縦軸に特性値Y2(転がり抵抗)をとり、横軸に特性値Y1(コーナーリング特性)をとって設計変数X1の値を示したものである。
なお、
図8(a)〜
図8(c)では、領域Dにある方が転がり抵抗とコーナーリング特性の両方が好ましいものとなる。また、
図8(a)〜
図8(c)においては、パレート解およびパレート解探索過程で得られる特性値(目的関数データ)ではなく、パレート解だけを表示するようにしてもよい。
【0065】
図8(a)に示す可視化形態では、設計変数X1の値に応じて何ら区別されておらず、設計変数X1と、特性値Y1(コーナーリング特性)および特性値Y2(転がり抵抗)の関係を認識することが困難である。
図8(b)に示す可視化形態では、設計変数X1の値で層別化されているものの、設計変数X1の各値が混ざっており、設計変数X1の値と、特性値Y1(コーナーリング特性)および特性値Y2(転がり抵抗)の関係を認識することが困難である。
これに対して、本実施形態のデータ可視化方法による
図8(c)に示す可視化形態では、設計変数X1の値毎に明確に分離しており、設計変数と特性値との関係が認識しやすく、設計変数X1の値毎に、特性値空間での位置が変わることが分かる。このように、本実施形態のデータ可視化方法では、転がり抵抗(最小化)とコーナーリング特性(最大化)の性能バランスを設計変数X1で制御できることが一目で理解することができる。
【0066】
以上のように、本実施形態において、特性値空間内で設計変数の移動平均処理を行うことにより、設計変数のばらつきおよびノイズを除去し、特性値と設計変数との間の因果関係を容易に見出すことができる。
また、パレート解を含むデータを対象とすることで、設計者にとって、より望ましい特性値と設計変数との因果関係を理解することができる。
さらに、
図7(c)に示すようにパレートフロントE上の特性値バランスと設計変数との因果関係を表示することができ、
図8(c)に示すようにパレート解をよい方向へ改善し得る設計変数を表示することができる。
【0067】
表示形態については、上述の特性値空間に設計変数を表示するものに限定されるものではない。例えば、自己組織化マップでもよい。この場合、特性値Y1(コーナーリング特性)については
図9(a)に示す自己組織化マップが得られ、特性値Y2(転がり抵抗)については
図9(b)に示す自己組織化マップが得られる。なお、
図9(a)の自己組織化マップでは、符号F
1の方向に向かうにつれてコーナーリング特性が良好になる。
図9(b)の自己組織化マップでは、符号F
2の方向に向かうにつれて転がり抵抗が良好になる。
【0068】
従来方法では、上述のステップS38で得られた設計変数を表わすデータと特性値を表わすデータとの2種類のデータを組としたデータセットを用い、自己組織化マップ上に設計変数X1をマッピングして、
図9(c)に示す自己組織化マップを得る。
一方、上述のステップS40で得られた設計変数を表わすデータと特性値を表わすデータとの2種類のデータを組としたデータセットにおいて、設計変数X1について移動平均処理した後、自己組織化マップ上に設計変数X1をマッピングして、
図9(d)に示す自己組織化マップを得る。
【0069】
また、従来方法では、上述のステップS38で得られた設計変数を表わすデータと特性値を表わすデータとの2種類のデータを組としたデータセットを用い、自己組織化マップ上に設計変数X2をマッピングして、
図9(e)に示す自己組織化マップを得る。
一方、上述のステップS40で得られた設計変数を表わすデータと特性値を表わすデータとの2種類のデータを組としたデータセットにおいて、設計変数X2について移動平均処理した後、自己組織化マップ上に設計変数X2をマッピングして、
図9(f)に示す自己組織化マップを得る。
なお、
図9(d)、
図9(f)は、いずれも上述のように特性値空間上で設計変数について移動平均処理したデータを用いたものであり、自己組織化マップ上で設計変数を移動平均処理したものではない。
【0070】
図9(c)に示す自己組織化マップでは、ノイズが見られ設計変数X1の値が変化する方向を明確に認識することができない。一方、
図9(d)では、
図9(c)に比してノイズがなく設計変数X1の値が変化する方向を明確に認識することができる。
図9(e)に示す自己組織化マップでは、ノイズが見られ設計変数X2の値が変化する方向を明確に認識することができない。一方、
図9(f)では、
図9(e)に比してノイズがなく設計変数X2の値が変化する方向を明確に認識することができる。
このように、本実施形態のデータの可視化方法では、自己組織化マップにおいても散布図と同様に設計変数の値の変化する方向を明確に認識することができる。
【0071】
なお、本発明のデータ可視化方法は、構造設計と材料設計の両面から特性値の高次バランスを目指し、数多くの設計変数を定めなければならないタイヤの設計問題に適している。得られた設計情報をタイヤ設計の初期段階で活用することにより、設計終盤の詳細設計においても大きく修正することのないタイヤの商品開発を進めることができる。これにより、タイヤの開発コストを削減できるとともに、商品のリードタイムを短縮することができる。
具体例として、タイヤを例にして説明したが、本発明のデータ可視化方法は、これに限定されるものではない。例えば、ゴム製品、家電製品、自動車、および飛行機等の構造設計にも適用することができる。この場合でも、設計変数と特性値(目的関数)との因果関係を理解でき、得られる設計情報を設計へ生かすことができる。更には上述のように、商品開発を進めることができ、開発コストを削減できるとともに開発のリードタイムを短縮することができる。
【0072】
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明のデータの可視化方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。