特許第6299156号(P6299156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6299156カラーフィルター保護膜用として好適な熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化膜を備えるカラーフィルター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6299156
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】カラーフィルター保護膜用として好適な熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化膜を備えるカラーフィルター
(51)【国際特許分類】
   C08L 63/00 20060101AFI20180319BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20180319BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20180319BHJP
   C08G 59/42 20060101ALI20180319BHJP
【FI】
   C08L63/00 C
   G02B5/20 101
   G02F1/1335 505
   C08G59/42
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-230152(P2013-230152)
(22)【出願日】2013年11月6日
(65)【公開番号】特開2015-89916(P2015-89916A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 沙哉佳
(72)【発明者】
【氏名】土屋 宏充
(72)【発明者】
【氏名】中島 喜和
(72)【発明者】
【氏名】澤田 拓也
【審査官】 江間 正起
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−243153(JP,A)
【文献】 特開2001−350010(JP,A)
【文献】 特開2006−276049(JP,A)
【文献】 特開2010−070616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 63/00−63/10
C08G 59/00−59/72
G02B 5/00− 5/32
G02F 1/00− 1/39
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のA成分〜C成分と、必要に応じて下記D成分を任意成分として含む熱硬化性樹脂組成物であって、A成分〜D成分の合計100重量部中に、C成分を5〜50重量部含む、熱硬化性樹脂組成物。
A成分:(a1)炭素−炭素不飽和結合とエポキシ基又はオキセタニル基を有するモノマーと、(a2)(a1)以外の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーとからなる、重量平均分子量3,000〜100,000の、エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体
B成分:多価カルボン酸化合物のカルボキシル基が、ビニルエーテル化合物によりヘミアセタールエステルとしてブロック化された、多価カルボン酸ヘミアセタールエステル
C成分:下記式(1)の構造を有す、4官能脂環式エポキシ樹脂
D成分:C成分以外の多官能エポキシ樹脂
【化1】

(l,m,n,oは、それぞれ0以上の整数、l+m+n+oは0〜20の整数)
【請求項2】
さらに、シランカップリング剤(E成分)と、レベリング剤(F成分)とを含有する、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
カラーフィルター保護膜用である、請求項1または請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる保護膜を有する、カラーフィルター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置などに用いられるカラーフィルター保護膜用として好適な熱硬化性樹脂組成物、及びその組成物を硬化してなる、表面平滑性に優れる保護膜を有するカラーフィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置が急速に普及したことに伴い、液晶表示装置に用いられる高品質なカラーフィルターの需要も高まっている。カラーフィルターは、透明基板上に、所定パターンに形成されたブラックマトリックス層や赤、緑、青などの複数の色が所定順序に配列された着色層と、保護膜とを重ねた構造であり、着色層の通過光を赤、緑、青の3つの基本色にし、それらの光を加法混合することにより中間色や白色を含む映像の色を作り出す役割を有している。その保護膜は、液晶表示装置の製造時又は使用時においてカラーフィルターを物理的及び化学的に保護する役割を担っており、カラーフィルターによる発色の再現性を向上するために、当該保護膜の透明性あるいは表面平滑性を改善すると共に、外的衝撃から液晶部を保護するために硬度を高めることが従来から行われてきた(特許文献1参照)。
【0003】
また、カラーフィルターは、酸・アルカリ溶液への浸漬処理等の過酷な工程を経て製造されるため、このような製造過程によりカラーフィルターが劣化したり損傷したりすることによる性能低下や作動不良を防止するために、硬化性、密着性、耐ITO(錫ドープ酸化インジウム層)形成プロセス性など、保護膜の様々な性能向上が図られてきた。
【0004】
本出願人も、特許文献2において、カラーフィルター保護膜用熱硬化性樹脂組成物の密着性、ITO形成プロセス性を向上するために、重量平均分子量が5000〜40000であり、且つ、エポキシ当量が140〜600g/molであり、炭素−炭素不飽和結合とエポキシ基を含有するモノマーを少なくとも用いて重合されたエポキシ基含有重合体(A)と、分子量が330〜7000であり、且つ、エポキシ当量が150〜3500g/molであり、エポキシ基を2個以上有しビスフェノールAの誘導体であるエポキシ基含有化合物(B)と、特定構造の構造を有するカルボン酸(c1)がビニルエーテル化合物(c2)によりブロック化された多価カルボン酸誘導体(C)とを含有する、カラーフィルター保護膜用熱硬化性樹脂組成物を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−350010号公報
【特許文献2】特開2006−276049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近の液晶ディスプレイは、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末の波及に伴い、従来以上に高い性能(高画質、高精細等)が要望されている。それに伴い、コントラストの向上が求められ、ブラックマトリックスのOD値(光学濃度)の向上が必須となっている。OD値向上のためには、ブラックマトリックスの樹脂中の顔料濃度を上げる手法と、ブラックマトリックスの膜厚を厚くする手法が挙げられる。前者の手法は、その他物性の低下が懸念されるため、後者の手法が主に適用されている。しかしながら、ブラックマトリックスの膜厚が厚くなることで、その上に形成される赤、青、緑等の着色層の段差が従来よりも大きくなってしまう。そのため、カラーフィルター保護膜の表面平滑性がより高いことが求められている。カラーフィルター保護膜の表面平滑性が低いと、液晶配向が乱れることにより、液晶表示性能が劣ってしまうため、表面平滑性は重要な性能の一つである。この要求を実現するためには、従来のカラーフィルター保護膜では十分ではなく、更なる改善が必要であった。
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、従来より求められている密着性および透明性等の特性を維持したまま、表面平滑性に優れるカラーフィルター保護膜を形成可能な熱硬化性樹脂組成物と、これを硬化させてなる保護膜を備えるカラーフィルターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのための手段として、本発明は、下記のA成分〜C成分と、必要に応じて下記D成分を任意成分として含む熱硬化性樹脂組成物であって、A成分〜D成分の合計100重量部中に、C成分を5〜50重量部含む熱硬化性樹脂組成物。
A成分:(a1)炭素−炭素不飽和結合とエポキシ基又はオキセタニル基を有するモノマーと、(a2)(a1)以外の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーとからなる、重量平均分子量3,000〜100,000の、エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体
B成分:多価カルボン酸化合物のカルボキシル基が、ビニルエーテル化合物によりヘミアセタールエステルとしてブロック化された、多価カルボン酸ヘミアセタールエステル
C成分:下記式(1)の構造を有す、4官能脂環式エポキシ樹脂
D成分:C成分以外の多官能エポキシ樹脂
【化1】

(l,m,n,oは、それぞれ0以上の整数、l+m+n+oは0〜20の整数)
【0009】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらにシランカップリング剤(E成分)と、レベリング剤(F成分)とを含有し、カラーフィルター保護膜用として好適である。
【0010】
また、本発明によれば、前記熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる保護膜を有する、カラーフィルターも提供することができる。
【0011】
なお、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、特に明示しない限り「○○以上××以下」を意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、C成分として脂環式エポキシ樹脂の中でも上記式(1)で示される所定の構造を有する4官能の脂環式エポキシ樹脂を適量使用していることで、表面平滑性に優れる保護膜を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
≪カラーフィルター保護膜用熱硬化性樹脂組成物≫
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、カラーフィルターの保護膜として好適に使用できるものであって、(A)エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体、(B)多価カルボン酸ヘミアセタールエステル、及び(C)4官能脂環式エポキシ樹脂を必須成分として含み、さらに必要に応じて(D)C成分以外の多官能エポキシ樹脂を任意成分として含んでもよい。
【0014】
<(A)エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体>
A成分は、エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体であって、(a1)炭素−炭素不飽和結合とエポキシ基又はオキセタニル基を有するモノマーと、(a2)(a1)以外の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーとからなる重合体である。
【0015】
(a1)炭素−炭素不飽和結合とエポキシ基又はオキセタニル基を有するモノマーは、炭素−炭素不飽和結合と、エポキシ基又はオキセタニル基とを有していれば良く、このような用途に周知のいかなるモノマーも利用することができる。エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば下記の式(2)〜(4)で表されるモノマーが好ましい例として挙げられる。
【化2】

(式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、kは1〜5の整数を示す。)
【化3】

(式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、Rは−CHO−基または−CH−基、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基、mは1〜7の整数を示す。)
【化4】

(式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、nは1〜8の整数を示す。)
【0016】
また、オキセタニル基を有するモノマーとしては、例えば下記の式(5)で表されるモノマーが好ましい例として挙げられる。
【化5】

(式中、R、R、およびRは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、jは1〜8の整数を示す。)
【0017】
(a2)(a1)以外の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーは、炭素−炭素不飽和結合を有し、上記(a1)に該当しない化合物であれば良く、このような用途に周知のいかなるモノマーも利用することができる。例えば、下記の式(6)〜(9)で表されるモノマーが挙げられる。
【化6】

(式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、R10は炭素数1〜12のアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、またはポリアルキレングリコール残基、もしくは主環構成炭素数3〜12の脂環式炭素水素基を示す。)
【化7】

(式中、R11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、R12は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、シロキシアルキル基、または芳香族炭化水素基を示す。)
【化8】

(式中、R13は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、または芳香族炭化水素基を示す。)
【化9】

(式中、R14は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、pは1〜5の整数、R15、R16、R17はそれぞれ独立にメチル基またはエチル基を示す。)
【0018】
(A)エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体は、(a1)成分と(a2)成分とを共重合することによって得ることができ、その重合態様としては直鎖状であっても分岐していても良く、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれであっても良い。なお、(a1)成分及び(a2)成分は、それぞれ単独でも2種以上を併用しても良い。
【0019】
(a1)成分と(a2)成分との重合方法は特に限定されず、ラジカル重合、イオン重合等の重合法を用いることができる。より具体的には、重合開始剤の存在下において、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの重合法を用いることができる。また、必要に応じて触媒や溶媒などの添加物を重合反応系に添加しても良い。このときの配合割合としては、(a1)成分15〜70%、(a2)成分25〜75%、重合開始剤3〜8%((a1)成分、(a2)成分、及び重合開始剤の合計含有量は100%である)程度とすればよい。
【0020】
(A)エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体の重量平均分子量(Mw)は3,000〜100,000であり、好ましくは3,000〜80,000である。重量平均分子量が3,000未満であると、保護膜の硬度が低下し、100,000を超えると塗布硬化後の外観が悪化する恐れがある。
【0021】
<(B)多価カルボン酸ヘミアセタールエステル>
B成分は、多価カルボン酸ヘミアセタールエステルであって、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基がビニルエーテル化合物によりヘミアセタールエステルとして潜在化、すなわちブロック化されたビニルエーテルブロック多価カルボン酸である。
【0022】
(B)多価カルボン酸ヘミアセタールエステルの多価カルボン酸としては、炭素数4〜20で2〜8価のカルボン酸であることが好ましい。好ましい例としては、例えばイタコン酸、マレイン酸、コハク酸、シトラコン酸等の直鎖または分岐を有する脂肪族多価カルボン酸;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環式多価カルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、メリット酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸が挙げられる。また、多価カルボン酸としては、アルコール化合物と酸無水物との反応によって得られるハーフエステル体も利用できる。
【0023】
一方、ビニルエーテル化合物の具体例としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の脂肪族ビニルエーテル化合物が挙げられる。それらの中でも、入手性および硬化温度が保護膜のプロセスに適合する点から、n−プロピルビニルエーテルおよびi−プロピルビニルエーテルが好ましく挙げられる。なお、ビニルエーテル化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
(B)多価カルボン酸ヘミアセタールエステルは、多価カルボン酸とビニルエーテル化合物とを室温ないし150℃の範囲の温度で反応させることによって得ることができる。ブロック化反応は平衡反応であるため、多価カルボン酸に対してビニルエーテル化合物を若干多くすると反応が促進され、収率を向上させることができる。なお、多価カルボン酸とビニルエーテル化合物との反応には、目的に応じて触媒や溶媒を添加することもできる。
【0025】
触媒としては、3級アミン類、イミダゾール類、有機リン系化合物、4級ホスホニウム塩類
ジアザビシクロアルケン類、有機金属化合物類、4級アンモニウム塩類、ホウ素化合物、金属ハロゲン化物等が挙げられる。
【0026】
溶媒としては、芳香族炭化水素、エーテル類、エステルおよびエーテルエステル類、ケトン類、リン酸エステル類、ニトリル類、非プロトン性極性溶媒、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類等が挙げられる。
【0027】
<(C)4官能脂環式エポキシ樹脂>
(C)4官能脂環式エポキシ樹脂としては、下記式(1)の構造を有するものを使用する。これにより、保護膜の表面平滑性が大きく向上する。
【化10】

(l,m,n,oは、それぞれ0以上の整数、l+m+n+oは0〜20の整数)
【0028】
<(D)その他のエポキシ樹脂>
なお、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて(任意成分として)、C成分以外の多官能エポキシ樹脂を含有していても良い。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、D成分としての多官能エポキシ樹脂は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0029】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらにシランカップリング剤(E成分)と、レベリング剤(F成分)とを含有する。
【0030】
<(E)シランカップリング剤>
シランカップリング剤は、シランを利用して有機材料と無機材料とを結合する連結剤であり、有機材料と反応結合する官能基として一般にビニル基、エポキシ基、アミノ基などを有する。具体的には、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、スルフィドシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン等が挙げられる。これらシランカップリング剤は、単独でも2種以上を併用しても良い。
【0031】
<(F)レベリング剤>
レベリング剤は得られる塗膜の外観を向上させる目的で配合されるものであって、シリコン系、フッ素系、アクリル系等を特に制限無く使用することができる。
【0032】
レベリング剤の市販品としては、例えばメガファックF−410(DIC(株))、同F−430(同)、同F−444(同)、同F−472SF(同)、同F−477(同)、同F−552(同)、同F−553(同)、同F−554(同)、同F−555(同)、同F−556(同)、同F−558(同)、同F−559(同)、同F−561(同)、同R−94(同)、同RS−72−K(同)、同RS−75(同)、ノベックFC−4430(住友スリーエム(株))、FC−4432(同)、サーフロンS−611(AGCセイミケミカル(株))、同S−651(同)、S−386(同)、フタージェント208G(ネオス(株))、同209F(同)、同212P(同)、同220P(同)、同222F(同)、同228P(同)、同240G(同)、同602A(同)、同650A(同)、同710FL(同)、同710FM(同)、FTX−218(同)、BYK―302(ビックケミー・ジャパン(株))、BYK−307(同)、BYK−315(同)、BYK−320(同)、BYK−322(同)、BYK−323(同)、BYK−325(同)、BYK−330(同)、BYK−331(同)、BYK−337(同)、BYK−347(同)、BYK−370(同)、BYK−UV3500(同)、BYK−UV3510(同)、BYK−350(同)、BYK−354(同)、BYK−392(同)、ポリフローKL−400HF(共栄社化学(株))、同KL−401(同)、同KL−402(同)、同KL−403(同)、同KL−404(同)、同KL−100(同)、同KL−600(同)、同KL−700(同)、同WS−30(同)、同No.75(同)、同No.77(同)、同No.90(同)、同No.95(同)、同LE−604(同)等を使用できる。
【0033】
(カラーフィルター保護膜用熱硬化性樹脂組成物の製造)
本発明のカラーフィルター保護膜用熱硬化性樹脂組成物は、A成分〜D成分の合計100重量部中に、C成分を5〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、より好ましくは5〜35重量部含有する。C成分が5重量部未満であると保護膜の表面平滑性が低下し、50重量部を超えると保護膜の密着性を損なう。
【0034】
その他の成分の含有量としては、A成分〜D成分の合計100重量部中に、A成分は20〜80重量部、好ましくは25〜70重量部、より好ましくは35〜65重量部、B成分は5〜50重量部、好ましくは10〜45重量部、より好ましくは10〜40重量部であればよい。A成分が20重量部未満であると、保護膜の強靭性を損なう可能性があり、80重量部を超えると保護膜の密着性等の性能が低下する可能性がある。B成分が5重量部未満であると保護膜として求められる十分な硬度が得られず、50重量部を超えるとカルボン酸が過剰となり透明性が低下することがある。
【0035】
一方、D成分は任意成分なので、その含有量は、A成分〜D成分の合計100重量部に対し、0〜30重量部、好ましくは0〜20重量部、より好ましくは0〜15重量部であればよい。D成分が30重量部を超えると、保護膜の透明性が低下する。
【0036】
樹脂組成物の混合方法は特に限定されず、全成分を同時に混合しても良いし、各成分を順次溶解しても良いが、B成分の多価カルボン酸ヘミアセタールエステルは熱により脱ブロック反応が進行するため、多価カルボン酸ヘミアセタールエステルを含有する組成物を取り扱う際には80℃以下とすることが好ましい。
【0037】
また、E成分の含有量は、A成分〜D成分の合計100重量部に対して1〜10重量部程度とし、F成分の含有量は、A成分〜D成分の合計100重量部に対して0.1〜5重量部程度とすればよい。E成分が1重量部未満であると、保護膜の密着性等の性能が低下する場合があり、10重量部を超えると硬化プロセスにおけるアウトガス量が増加する可能性がある。また、F成分が0.1重量部未満であると、保護膜の外観が損なわれる場合があり、5重量部を超えると保護膜の濡れ性が劣ることでリコート性が低下する可能性がある。
【0038】
<(G)触媒>
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、A成分〜F成分以外にも、本発明の効果を阻害しない範囲で種々の触媒を添加することができる。具体的には、ベンジルジメチルアミントリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン類;1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等の有機リン系化合物;テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等やその有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類;オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、オクチル酸ジルコニウム、アルミニウムアセチルアセトネート錯体等の有機金属化合物類などが挙げられる。
【0039】
<(H)溶剤>
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、使用に際して粘度等を調整する目的で有機溶剤を添加しても良い。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族石油ナフサ、テトラリン、テレビン油、ソルベッソ#100(エクソン化学(株)登録商標)ソルベッソ#150(エクソン化学(株)登録商標)等の芳香族炭化水素;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、モノメチルエーテル、酢酸メトキシブチル、エチルエトキシプロピオネート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート等のエステルおよびエーテルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メシチルオキサイド、メチルイソアミルケトン、エチルブチルケトン、エチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤;トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール誘導体が挙げられる。より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。
【0040】
(その他の添加剤)
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、本発明の硬化を損なわない範囲において、必要に応じて、エチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族ポリオール、脂肪族または芳香族カルボン酸化合物、フェノール化合物等の炭酸ガス発生防止剤、ポリアルキレングリコール等の可撓性付与剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、シラン系等のカップリング剤、無機充填材等の表面処理剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、レベリング剤、イオントラップ剤、摺動性改良剤、各種ゴム、有機ポリマービーズ、ガラスビーズ、グラスファイバー等の無機充填材等の耐衝撃性改良剤、揺変性付与剤、界面活性剤、表面張力低下剤、消泡剤、沈降防止剤、光拡散剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、離型剤、蛍光剤、導電性充填材等の添加剤を配合することができる。
【0041】
(カラーフィルター保護膜の形成)
本発明のカラーフィルターは、上記熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の層を、保護膜として備える。当該熱硬化性樹脂組成物は、基板上に配置された着色層やブラックマトリックスを覆うように塗布される。その塗布方法は特に限定されることは無く、グラビアコート法、スピンコート法、ダイコート法等の従来公知の塗工方法を採用することができる。
【0042】
得られた塗膜を乾燥し、さらに必要に応じて予備加熱(以下、プリベーク)を行った後、本硬化加熱(以下、ポストベーク)を経て樹脂硬化物の層を形成する。この際には、プリベーク条件として40〜140℃、0〜1時間、ポストベーク条件として150〜280℃、0.2〜2時間が好ましい条件として挙げられる。また、この際の加熱手法としては、特に限定されるものではなく、例えば、密閉式硬化炉や連続硬化が可能なトンネル炉等の硬化装置を採用することができる。加熱源は特に制約されることなく、熱風循環、赤外線加熱、高周波加熱等の方法で行うことができる。
【実施例】
【0043】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
<重合例−1:(A)エポキシ基またはオキセタニル基を有する重合体(a−1)の合成>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた容量500mLの4つ口フラスコに、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を仕込み、攪拌しながら加熱して80℃に昇温した。次いで、80℃の温度で、単量体成分(a1)としてグリシジルメタクリレート(GMA)が68.7重量%、単量体成分(a2)としてスチレン(以下、St)が27.9重量%、日油(株)製の過酸化物系重合開始剤「パーヘキシルO(PHO)」が3.4重量%となるように混合し、且つ、少量のPGMEAも予め均一混合したもの(滴下成分)を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、80℃の温度を5時間維持した後、反応を終了した。重量平均分子量(Mw)50,000のエポキシ基含有重合体(a−1)の50%PGMEA溶液を得た。なお、(a1)成分、(a2)成分、及び重合開始剤の全量(合計重量)に対して、最終的な溶剤の混合量は200重量部とした。
【0044】
<重合例−2〜9:エポキシ基またはオキセタニル基を有する重合体(a−2〜9)の合成>
表1に示す原料を表1に示す条件で混合し、重合例−1と同様の方法でa−2〜a−9の重合体を得た。なお、表1中の略号は次の通りである。
GMA:グリシジルメタクリレート
St:スチレン
IBMA:イソブチルメタクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
CHMI:シクロヘキシルマレイミド
OXE−30:メタクリル酸3−メチル−3−オキセタン−イルメチルエステル
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
MPS:メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
PHO:過酸化物系重合開始剤 (商品名:「パーヘキシルO」)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0045】
【表1】
【0046】
なお、重量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用いて、カラムとして昭和電工(株)製SHODEXK−801を用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定してポリスチレン換算により求めた。
【0047】
<合成例−1:(B)多価カルボン酸ヘミアセタールエステル(b−1)の合成>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)26.9重量部、多価カルボン酸として1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸(CHTA)27.3重量部、ビニルエーテルとしてn−プロピルビニルエーテル(nPr−VE)45.7重量部を仕込み、攪拌しながら加熱し80℃に昇温した。次いで、温度を保ちながら攪拌し続け、混合物の酸価が2.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了し、溶液の酸価1.2mgKOH/gの多価カルボン酸ヘミアセタールエステル(b−1)の60%PGMEA溶液を得た。
【0048】
<合成例−2〜6:多価カルボン酸ヘミアセタールエステル(b−2〜b−6)の合成>
表2に示す原料を表2に示す条件で混合し、合成例−1と同様の方法でb−2〜b−6の重合体を得た。なお、表2中の略号は次の通りである。
CHTA:1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸
TMA:1,2,4−トリメリット酸
nPr−VE:n−プロピルビニルエーテル
iPr−VE:i−プロピルビニルエーテル
tBu−VE:t−ブチルビニルエーテル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0049】
【表2】
【0050】
なお、酸価は、0.1N・KOHエタノール溶液で滴定し、算出した。
【0051】
<実施例1〜8、比較例1〜5>
表3に示す配合量で溶解混合した実施例1〜8および比較例1〜5の熱硬化性樹脂組成物を、メンブレンフィルター(材質:PE、孔径:0.2μm)で濾過した後、更に中空系フィルター(材質:PP、孔径:0.02μm)で濾過して得た。なお、表3中の略号は次の通りである。
【0052】
c−1:式(1)でl+m+n+o=1の4官能脂環式エポキシ樹脂
c−2:式(1)でl+m+n+o=3(平均)の4官能脂環式エポキシ樹脂
【0053】
Ep−157:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、商品名:「jER157S70」、エポキシ当量210g/eq)
CG−500:フルオレン系エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル(株)製、商品名:「OGSOLCG−500」、エポキシ当量311g/eq)
VG3101L:グリシジルエ−テル型エポキシ樹脂(三井化学(株)製、商品名:「テクモアVG3101L」、エポキシ当量210g/eq)
Cel−2021P:3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名:「セロキサイド2021P」、エポキシ当量130g/eq)
EHPE−3150:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(ダイセル化学工業(株)製、商品名:「EHPE−3150」、エポキシ当量179g/eq)
【0054】
e−1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
e−2:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
e−3:3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
e−4:3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
【0055】
BYK−307:シリコーン系レベリング剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:「BYK−307」)
602A:フッ素系レベリング剤((株)ネオス製、商品名:「フタージェント602A」)
F477:フッ素系レベリング剤(DIC(株)製、商品名:「メガファックF477」)
BYK−337:シリコーン系レベリング剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:「BYK−337」)
F554:フッ素系レベリング剤(DIC(株)製、商品名:「メガファック F554」)
F559:フッ素系レベリング剤(DIC(株)製、商品名:「メガファック F559」)
ZrOct:2−エチルヘキシル酸ジルコニル(日本化学産業(株)製、商品名:「ニッカオクチックスジルコニウム10%(K)」)
【0056】
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EEP:エチルエトキシプロピオネート
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
MMBA:3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート
【0057】
得られた熱硬化性樹脂組成物を、スピンコーター(型式1H−DX−2、ミカサ(株)製)により10cm角のガラス基板上に回転塗布した。塗布後、ガラス基板を90℃のクリーンオーブン中にて2分間乾燥処理後、230℃のクリーンオーブン中にて30分間加熱することにより、膜厚1.5μmの硬化膜(保護膜)を得た。
【0058】
得られた硬化膜について、表面平滑性、透明性、および密着性を測定評価したその結果も表3に示す。
【表3】
【0059】
なお、表面平滑性、透明性、および密着性は、次のようにして測定評価した。
<表面平滑性>
表面平滑性評価用のダミーカラーフィルターで、赤色画素と緑色画素中心部分の高さの差、赤色画素と青色画素中心部分の高さの差、および緑色画素と青色画素中心部分の高さの差(画素間段差)を求めた。引き続き、前述の硬化膜作成方法に従い、膜厚が1.5±0.05μmの硬化膜を形成したのちに、同一部分の赤色画素と緑色画素中心部分の高さの差、赤色画素と青色画素中心部分の高さの差、および緑色画素と青色画素中心部分の高さの差を求めた。これらの段差は触針式表面粗度計(型式EK4000AK、小坂研究所(株)製)にて測定した。保護膜塗布前の画素間段差の内、大きい値を塗布前最大画素間段差(d1)とし、保護膜塗布後の画素間段差の内、大きい値を塗布後最大画素間段差(d2)とし、これらのd1、d2から下記の計算式(1)により、保護膜用組成物の表面平滑化率Xを求めた。
【数1】
【0060】
表面平滑性の判定基準は、次の通りである。
表面平滑化率X(%)が、
×: X<30
△: 30≦X<50
○: 50≦X<70
◎: 70≦X
【0061】
<透明性>
透明性の評価として、透過率を測定した。硬化膜を作製したガラス基板を、紫外−可視光分光光度計(型式UV−3700、(株)島津製作所製)を用いて波長380nm〜800nmまでスキャンし、光線透過率を測定した。
【0062】
透明性の判定基準は、次の通りである。
波長400nmの光線透過率Y(%)が、
×: Y<80
△: 80≦Y<90
○: 90≦Y<95
◎: 95≦Y
【0063】
<密着性>
硬化膜を作製したガラス基板を1cm角に断裁し、硬化膜上にエポキシ樹脂付きスタッドピン(品番:P/N901106、QUADGROUP(株)製)を立てた後、マウントクリップ(QUAD GROUP(株)製)で固定したまま150℃のオーブン中で1時間加熱した。その後、50℃以下になるまでオーブン内で徐冷し、マウントクリップを取り外して評価用サンプルを得た。この評価用サンプルについてプレッシャークッカー試験(以下、PCT)後の密着力を測定することで密着性の評価とした。PCT条件は、「温度120℃、相対湿度100%、2気圧、試験時間2時間」とした。密着力の測定は、オートグラフ(型番:AG−I、(株)島津製作所製)を用いて、引張速度10mm/分にて行った。
【0064】
密着性の判定基準は、次の通りである。
密着力Z(MPa)が、
×: Z<15
△: 15≦Z<20
○: 20≦Z<25
◎: 25≦Z
【0065】
表3の結果から、実施例1〜8では、A〜D成分を適量含有し、且つC成分として特定の4官能脂環式エポキシ樹脂を使用していることで、表面平滑性、透明性、及び密着性に優れる保護膜となっていた。
【0066】
一方、比較例1ではC成分の含有量が少ないため、表面平滑性が悪かった。比較例2では、C成分の含有量が多いため、密着性が悪かった。比較例3〜5では、C成分を含有しないため、表面平滑性が悪かった。