特許第6299249号(P6299249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6299249
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】画像形成装置および挿入箱
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/04 20060101AFI20180319BHJP
   B65H 1/26 20060101ALI20180319BHJP
【FI】
   B65H1/04 310C
   B65H1/26 310Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-23225(P2014-23225)
(22)【出願日】2014年2月10日
(65)【公開番号】特開2015-151195(P2015-151195A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(74)【代理人】
【識別番号】100109689
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 結
(72)【発明者】
【氏名】阿部 隆
(72)【発明者】
【氏名】前田 祥一
(72)【発明者】
【氏名】森 拓也
(72)【発明者】
【氏名】糸崎 佑甫
(72)【発明者】
【氏名】執印 吉紀
(72)【発明者】
【氏名】横山 智宏
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−37461(JP,A)
【文献】 特開2011−230873(JP,A)
【文献】 特開2012−1312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H1/00−1/28、3/00、3/44
A47B88/00−88/02
G03G21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入穴を有し、記録媒体に画像を形成する本体と、
前記記録媒体が内部に収納されて前記挿入穴に挿入される挿入箱とを備え、
前記挿入箱が、
第1部分と、
前記第1部分から前記挿入の方向の後方へと延び、該第1部分に対して該挿入の方向に
進退自在な第2部分と、
前記第1部分に前記第2部分を留める留め具と、
把持されることで前記留め具を解放して前記第2部分と共に進退する解放具と、
前記解放具が把持されると前記第2部分から前記本体へと向かって移動することで前記挿入箱の外面よりも更に外側に突き出して該第2部分の前記挿入穴への進入を阻む突出具と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記留め具と前記解放具と前記突出具とが一体に繋がった一体部材であって、該解放具
の箇所が把持されると一体で移動することで、該留め具の箇所が解放されるとともに該突
出具の箇所が突出する一体部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
挿入穴に挿入される第1部分と、
前記第1部分から前記挿入の方向の後方へと延び、該第1部分に対して該挿入の方向に
進退自在な第2部分と、
前記第1部分に前記第2部分を留める留め具と、
把持されることで前記留め具を解放して前記第2部分と共に進退する解放具と、
前記解放具が把持されると前記第2部分から前記本体へと向かって移動することでこの挿入箱の外面よりも更に外側に突き出して該第2部分の前記挿入穴への進入を阻む突出具と、
を備えたことを特徴とする挿入箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および挿入箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、伸縮式延長トレイを有する給紙トレイにおいて、伸縮のロック解除レバーが給紙トレイの取っ手近傍にあるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−179455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、安全性の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る画像形成装置は、
挿入穴を有し、記録媒体に画像を形成する本体と、
前記記録媒体が内部に収納されて前記挿入穴に挿入される挿入箱とを備え、
前記挿入箱が、
第1部分と、
前記第1部分から前記挿入の方向の後方へと延び、該第1部分に対して該挿入の方向に進退自在な第2部分と、
前記第1部分に前記第2部分を留める留め具と、
把持されることで前記留め具を解放して前記第2部分と共に進退する解放具と、
前記解放具が把持されると前記第2部分から前記本体へと向かって移動することで前記挿入箱の外面よりも更に外側に突き出して該第2部分の前記挿入穴への進入を阻む突出具と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る画像形成装置は、
前記留め具と前記解放具と前記突出具とが一体に繋がった一体部材であって、該解放具の箇所が把持されると一体で移動することで、該留め具の箇所が解放されるとともに該突出具の箇所が突出する一体部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【0007】
請求項3に係る挿入箱は、
挿入穴に挿入される第1部分と、
前記第1部分から前記挿入の方向の後方へと延び、該第1部分に対して該挿入の方向に
進退自在な第2部分と、
前記第1部分に前記第2部分を留める留め具と、
把持されることで前記留め具を解放して前記第2部分と共に進退する解放具と、
前記解放具が把持されると前記第2部分から前記本体へと向かって移動することでこの挿入箱の外面よりも更に外側に突き出して該第2部分の前記挿入穴への進入を阻む突出具と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る画像形成装置および請求項3に係る挿入箱によれば、本構成を有しない場合に較べて安全性が向上する。
【0009】
請求項2に係る現像装置によれば、上記一体部材を備えない場合に較べて構造が簡素である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するプリンタの概略構成図である。
図2】プリンタの外観を示す斜視図である。
図3】用紙トレイが引き抜かれた状態のプリンタを示す斜視図である。
図4】用紙トレイを示す斜視図である。
図5】トレイ本体を示す斜視図である。
図6】延長部を示す斜視図である。
図7】用紙トレイの全長が延びた状態を示す図である。
図8】ロック状態におけるロックアームの詳細を示す図である。
図9】解放状態におけるロックアームの詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、以下図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するプリンタの概略構成図である。
【0013】
図1に示すプリンタ10はモノクロプリンタであり、プリンタ10には、本発明の挿入箱の一実施形態が組み込まれている。
【0014】
プリンタ10には、プリンタ10外で作成された、画像を表す画像信号が、不図示の信号ケーブル等を介して入力される。プリンタ10には、このプリンタ10内の各構成要素の動きを制御する制御部11が備えられており、画像信号はこの制御部11に入力される。そして、プリンタ10では、この制御部11の制御の下で画像信号に基づく画像の形成が行われる。
【0015】
プリンタ10の下部には、2台の用紙トレイ21が収容されている。これらの用紙トレイ21には、各用紙トレイ21ごとに寸法の異なる用紙Pが積み重なった状態に収容されている。各用紙トレイ21は、用紙Pの補給のために、図1の左方側であるプリンタ10の前面側から引出し自在となっている。この用紙トレイ21が、本発明の挿入箱の一実施形態に相当し、図1に示すプリンタ10から用紙トレイ21を除いたものが、本発明にいう本体の一例に相当する。また、用紙Pが、本発明にいう記録媒体の一例に相当する。本発明にいう記録媒体としては、用紙Pの他に、OHPシートやプラスチック紙なども採用され得る。
【0016】
それら2台の用紙トレイ21のうちの、制御部11に入力された画像信号が表している画像の寸法に適合した寸法の用紙Pが用紙トレイからピックアップロール22により送り出される。送り出された用紙Pは、さばきロール23により1枚ずつに分離され、その分離された1枚の用紙Pが上方に搬送されてその用紙Pの先端が待機ロール24に至る。待機ロール24は、それ以降の搬送のタイミングを調整して用紙Pを送り出す役割りを担っている。待機ロール24に到達した用紙Pは、その待機ロール24によりそれ以降の搬送のタイミングが調整されてさらに搬送される。
【0017】
このプリンタ10には、矢印Aで示す向きに回転する感光体12が待機ロール24の上方に備えられている。そして、この感光体12の周囲に、帯電器13、露光器14、現像器15、転写器16、および感光体クリーナ17が配備されている。
【0018】
感光体12は円筒形状を有し、帯電器13は、感光体12の表面に電荷を付与することによってその表面を帯電させる。
【0019】
露光器14は、制御部11から供給される画像信号に応じて変調されたレーザ光(露光光)が出力される。感光体12は、この露光光による露光を受けて表面に静電潜像が形成される。
【0020】
感光体12表面に形成された静電潜像は現像器15により現像されてトナー像が形成される。
【0021】
ここで、上記の待機ロール24は、感光体12上のトナー像が、転写器16に対面した位置に達するタイミングに合わせてその位置に到達するように用紙Pを送り出す。そして、感光体12上のトナー像は、転写器16の作用を受け、その送り出されてきた用紙P上に転写される。
【0022】
トナー像の転写後に感光体12上に残存するトナーは、感光体クリーナ17により、感光体12から取り除かれる。
【0023】
トナー像の転写を受けた用紙Pは、さらに矢印B方向に進み、定着器100による加熱
および加圧を受けてその用紙P上にトナー像が定着される。その結果、用紙P上には定着トナー像からなる画像が形成される。
【0024】
定着器100を通過した用紙Pは、排出器200に向かって矢印C方向に進み、さらに、その排出器200によってさらに矢印D方向に送られて排紙台18上に排出される。
【0025】
図2は、プリンタの外観を示す斜視図である。
【0026】
図2には、図1に示したプリンタ10の前面側の外観が示されており、プリンタ10には、上述した用紙トレイ21が前面側から挿入されている。また、美観や小型化などの理由で用紙トレイ21同士の隙間や用紙トレイ21とプリンタ10の全面筐体との隙間は狭くなっている。
【0027】
上述したように、用紙トレイ21は図2に示した状態からプリンタ10の前面側へと引出し自在となっている。
【0028】
図3は、用紙トレイが引き抜かれた状態のプリンタを示す斜視図である。
【0029】
プリンタ10には挿入口25が設けられており、用紙トレイ21はこの挿入口25へと挿入されることでプリンタ10に装着される。この挿入口25が本発明にいう挿入穴の一例に相当する。
【0030】
図4は、用紙トレイを示す斜視図である。
【0031】
図4の左側がプリンタ10の奥側に相当し、図4の右側がプリンタ10の前面側に相当する。
【0032】
用紙トレイ21は、プリンタ10の奥側に挿入されるトレイ本体30と、そのトレイ本体30にはめ込まれトレイ本体30に対してプリンタ10の前面側に位置する(即ちプリンタ10への用紙トレイ21挿入方向の後方側に位置する)延長部40とを有しており、延長部40がトレイ本体30に対して進退することによって用紙トレイ21の全長が伸縮する。トレイ本体30は本発明にいう第1部分の一例に相当し、延長部40は本発明にいう第2部分の一例に相当する。
【0033】
図4に示された状態は、用紙トレイ21の全長が短く縮んだ状態であり、この状態であれば、図1に示すように用紙トレイ21がプリンタ10内に収まることになる。
【0034】
しかし、図4に示す状態では用紙トレイ21内に収納できないような大きめの用紙に対応する場合には、用紙トレイ21の全長が伸ばされ、用紙トレイ21の一部がプリンタ10から突出したままで使用されることとなる。
【0035】
用紙トレイ21には、後で詳述するように、延長部40をトレイ本体30に対し、必要時には伸縮させ不要時には固定させるためのロック機構が組み込まれている。このロック機構によれば、用紙トレイ21は、縮んだ状態と伸ばされた状態とのそれぞれで全長が固定される。
【0036】
以下、用紙トレイ21の構造について、ロック機構を中心として更に説明する。
【0037】
図5は、トレイ本体を示す斜視図であり、図6は、延長部を示す斜視図である。
【0038】
図5には、トレイ本体30の一部が切り欠かれた状態が示されており、トレイ本体30には、トレイ本体30の底側に突き出したリブ31が設けられている。そしてリブ31には2つの引っかけ部311,312が形成されている。
【0039】
一方、延長部40には、ロックアーム41が設けられており、このロックアーム41のロック端部411がリブ31のいずれかの引っかけ部311,312に引っかかることで、延長部40がトレイ本体30に対して固定されたロック状態となる。ロック端部411は本発明にいう留め具の一例に相当し、ロックアーム41は本発明にいう一体部材の一例に相当する。
【0040】
延長部40には押しバネ42も備えられており、この押しバネ42がロックアーム41をリブ31側へと押しつけることにより用紙トレイ21のロック状態が維持される。また、ロックアーム41には解放ツマミ412が設けられていて、この解放ツマミ412がユーザによって延長部40の前壁43と一緒に把持されることにより、ロックアーム41は支点413を中心として押しバネ42に抗して回転する。その結果、ロック端部411がリブ31の引っかけ部311,312から外れて解放され用紙トレイ21は解放状態となる。この解放状態では、トレイ本体30に対して延長部40が進退自在となっている。このとき延長部40の進退方向は、プリンタ10への用紙トレイ21挿入方向に沿った方向である。
【0041】
図7は、用紙トレイの全長が延びた状態を示す図である。
【0042】
この図7に示すように、用紙トレイ21の全長が延びた状態では、ロックアーム41のロック端部411は、プリンタ10の前面側に位置する引っかけ部311に引っかかっている。これに対し、図4に示した全長が縮んだ状態では、ロック端部411は、プリンタ10の奥側に位置する引っかけ部312に引っかかっている。
【0043】
用紙トレイ21のロック状態と解放状態とについて、ロックアーム41の動作に着目して更に説明する。
【0044】
図8は、ロック状態におけるロックアームの詳細を示す図である。
【0045】
図8では、ロック状態の一例として、延長部40がトレイ本体30側に押し込まれて用紙トレイ21の全長が縮まっているとき(図4参照)のロック状態が示されている。
【0046】
用紙トレイ21がロック状態のときは、上述したように、ロックアーム41のロック端部411がリブ31の引っかけ部312に引っかかっている。また、ロックアーム41の中程から突出部414が延び出しており、突出部414の先端は、延長部40の側壁を貫通してトレイ本体30の側壁に達している。突出部414の先端はトレイ本体30の側壁の外面からは突き出していないため、トレイ本体30および延長部40は突出部414に妨げられることなく挿入口25内に挿入されることとなる。
【0047】
なお、用紙トレイ21の全長が延びているとき(図5参照)のロック状態では、延長部40の挿入方向後方側の一部が挿入口25の外に突き出したままで止まることとなる。
【0048】
図9は、解放状態におけるロックアームの詳細を示す図である。
【0049】
図9では、開放状態の一例として、延長部40がトレイ本体30から引き出されて用紙トレイ21の全長が延びているとき(図5参照)の解放状態が示されている。
【0050】
ロックアーム41の解放ツマミ412が把持されると、上述したようにロックアーム41は支点413を中心に回転してロック端部411がリブ31の引っかけ部311から外れる。このロックアーム41の回転に伴って突出部414の先端は、トレイ本体30の側壁の外面よりも更に外側へと突出する。この結果、突出部414の先端が挿入口25の入り口と干渉し、延長部40の挿入口25への進入が阻止される。ロックアーム41のロック端部411が引っかけ部311から外れているため、解放ツマミ412を把持しているユーザがそのまま延長部40を押すと延長部40はトレイ本体30側へと進入することになる。しかし、突出部414によって挿入口25への延長部40の進入が阻止されるため、解放ツマミ412を把持した手がプリンタ10の全面などに当たる事態は回避され安全性が高い。
【0051】
なお、用紙トレイ21の全長を縮める場合には、挿入口25から用紙トレイ21を抜き出し、解放ツマミ412を把持して延長部40をトレイ本体30側に押し込む。そして、解放ツマミ412を放して用紙トレイ21をロック状態にしてから図8に示すように挿入口25内に挿入すればよい。
【0052】
以上で実施形態の説明を終了する。
【0053】
なお、上記説明では画像形成装置の一例としてモノクロのプリンタを提示したが、本発明の画像形成装置は、複写機やファクシミリや複合機に応用されてもよく、カラープリンタに応用されてもよい。また、本発明の画像形成装置は、電子写真方式を採用した装置の他に、インクジェット方式を採用した装置でもよい。
【0054】
また、上記説明では、本発明にいう留め具と解放具と突出具が一体となったロックアームが例示されているが、本発明にいう留め具と解放具と突出具は必ずしも一体である必要はなく、連動する別部品であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 プリンタ
21 用紙トレイ
25 挿入口
30 トレイ本体
31 リブ
311,312 引っかけ部
40 延長部
41 ロックアーム
42 押しバネ
411 ロック端部
413 支点
414 突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9