(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6299295
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】点灯装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20180319BHJP
【FI】
H05B37/02 K
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-50395(P2014-50395)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-176666(P2015-176666A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】中井 智之
(72)【発明者】
【氏名】前田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】坂下 友一
(72)【発明者】
【氏名】石黒 義章
【審査官】
田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−219963(JP,A)
【文献】
特開2012−029363(JP,A)
【文献】
特開2012−243484(JP,A)
【文献】
特開2013−127881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1出力端子および第2出力端子と、
交流電源と接続し、交流電圧を整流する整流回路と、
前記整流回路と接続するHブリッジ回路と、
前記Hブリッジ回路の出力側に設けられ、一端が前記第1出力端子と電気的に接続し他端が前記第2出力端子と電気的に接続したコンデンサと、
前記第1出力端子と前記第2出力端子との間の電圧を検知する電圧検知回路と、
前記コンデンサの前記一端から前記第1出力端子に向けて一方向に電流を流す向きに設けられた整流素子と、
前記コンデンサを放電させるように前記コンデンサの前記一端と前記他端とを導通可能な放電回路と、
前記第1出力端子と前記第2出力端子との間に電圧を印加する電源回路と、
を備え、
前記電圧検知回路で検知した電圧が閾値以上となったら前記放電回路で前記コンデンサを放電し前記電源回路で前記第1出力端子と前記第2出力端子との間に電圧を印加する点灯装置。
【請求項2】
前記第2出力端子に一端が接続し他端が接地された電流検知抵抗と、
前記電流検知抵抗と直列に接続し、前記第2出力端子を前記電流検知抵抗を介して接地電位に接続するか否かを切り替え可能なスイッチと、
を備える請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記電圧検知回路で検知した電圧が閾値以上となったら、前記放電回路で前記コンデンサを放電させ、かつ前記スイッチをオフとする請求項2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記電圧検知回路で検知した電圧が閾値以上となった後、マスク期間が経過するまでは、前記放電回路で前記コンデンサの前記一端と前記他端とを導通させかつ前記スイッチのオフを維持する請求項2または3に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記放電回路を制御するとともに前記マスク期間に従って前記スイッチの制御信号を出力する制御回路をさらに備え、
前記制御回路は前記マスク期間を変更可能である請求項4に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記第2出力端子の電圧に基づいて前記第1出力端子および前記第2出力端子への負荷の着脱に応じて切り替わる着脱信号を生成する信号生成回路と、
前記着脱信号が前記第1出力端子および前記第2出力端子に前記負荷が接続されていることを示したら前記放電回路が前記一端と前記他端とを導通させないようにしかつ前記スイッチをオンとする請求項2〜5のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記電源回路は、カソードが直流電圧源に接続しアノードが前記第1出力端子に接続したツェナーダイオードを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記電源回路は、
一端に前記整流回路の出力電圧を受け他端が前記第1出力端子に接続する抵抗と、
カソードが前記整流回路と前記第1出力端子とを接続する回路に接続しアノードが接地されるツェナーダイオードと、
を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項9】
前記第1出力端子および前記第2出力端子には、少なくとも1つの発光素子を含む光源が接続され、
前記電源回路が印加する電圧は、前記発光素子の順方向電圧よりも小さい請求項1〜8のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項10】
発光素子および前記発光素子に並列接続した抵抗を備えた光源と、
前記光源と接続する第1出力端子および第2出力端子を備え、前記発光素子を点灯させる点灯装置と、
を備え、
前記点灯装置は、
交流電源と接続し、交流電圧を整流する整流回路と、
前記整流回路と接続するHブリッジ回路と、
前記Hブリッジ回路の出力側に設けられ、一端が前記第1出力端子と電気的に接続し他端が前記第2出力端子と電気的に接続したコンデンサと、
前記第1出力端子と前記第2出力端子との間の電圧を検知する電圧検知回路と、
前記コンデンサの一端から前記第1出力端子に向けて一方向に電流を流す向きに設けられた整流素子と、
前記コンデンサを放電させるように前記コンデンサの両端を導通可能な放電回路と、
前記第1出力端子と前記第2出力端子との間に電圧を印加する電源回路と、
を備え、
前記電圧検知回路で検知した電圧が閾値以上となったら前記放電回路で前記コンデンサを放電し前記電源回路で前記第1出力端子と前記第2出力端子との間に電圧を印加する照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特開2012−28222号公報に開示されているように、LED素子からなる光源モジュールの着脱を検出することができる照明器具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−28222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明器具に含まれる点灯装置には各種のコンバータ回路が搭載されており、上記従来の照明器具では降圧型DCDCコンバータが搭載されている。ところで、本願発明者はHブリッジ回路を点灯装置の電源回路として用いる技術開発を行っている。Hブリッジ回路の出力側に取り付けるコンデンサはある程度大きな容量が要求される。そのような容量の大きなコンデンサを設けることで、光源モジュールの再接続を検出する際に、コンデンサの電荷が検出精度を低下させるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、Hブリッジ回路において光源モジュールの着脱を精度良く検知することができる点灯装置および照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる点灯装置は、第1出力端子および第2出力端子と、交流電源と接続し、交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路と接続するHブリッジ回路と、前記Hブリッジ回路の出力側に設けられ、一端が前記第1出力端子と電気的に接続し他端が前記第2出力端子と電気的に接続したコンデンサと、前記第1
出力端子と前記第2出力端子
との間の電圧を検知する電圧検知回路と、前記コンデンサの前記一端から前記第1出力端子に向けて一方向に電流を流す向きに設けられた整流素子と、前記コンデンサを放電させるように前記コンデンサの前記一端と前記他端とを導通可能な放電回路と、前記第1
出力端子と前記第2出力端子
との間に電圧を印加する電源回路と、を備え、前記電圧検知回路で検知した電圧が閾値以上となったら前記放電回路で前記コンデンサを放電し前記電源回路で前記第1
出力端子と前記第2出力端子
との間に電圧を印加する。
【0007】
本発明にかかる照明器具は、発光素子および前記発光素子に並列接続した抵抗を備えた光源と、前記光源と接続する第1
出力端子および第2出力端子を備え
、前記発光素子を点灯させる点灯装置と、を備え、前記点灯装置は、交流電源と接続し、交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路と接続するHブリッジ回路と、前記Hブリッジ回路の出力側に設けられ、一端が前記第1出力端子と電気的に接続し他端が前記第2出力端子と電気的に接続したコンデンサと、前記第1
出力端子と前記第2出力端子
との間の電圧を検知する電圧検知回路と、前記コンデンサの一端から前記第1出力端子に向けて一方向に電流を流す向きに設けられた整流素子と、前記コンデンサを放電させるように前記コンデンサの両端を導通可能な放電回路と、前記第1
出力端子と前記第2出力端子
との間に電圧を印加する電源回路と、を備え、前記電圧検知回路で検知した電圧が閾値以上となったら前記放電回路で前記コンデンサを放電し前記電源回路で前記第1
出力端子と前記第2出力端子
との間に電圧を印加する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光源モジュールの取り外しに応じてコンデンサを放電するとともに電源回路の電圧を用いた光源モジュール着脱検知を行うことができるので、Hブリッジ回路においても光源モジュールの着脱を精度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる点灯装置および照明器具の回路図である。
【
図2】実施の形態の変形例にかかる点灯装置およびこれを備えた照明器具の回路図である。
【
図3】実施の形態の変形例にかかる点灯装置およびこれを備えた照明器具の回路図である。
【
図4】実施の形態の変形例にかかる点灯装置およびこれを備えた照明器具の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施の形態にかかる点灯装置および照明器具1の回路図である。照明器具1は、光源モジュール2および点灯装置10を備えている。光源モジュール2は、少なくとも1つのLED素子2aおよびLED素子2aに並列接続した抵抗RLを備える。点灯装置10は、光源モジュール2と接続する出力端子10a、10bを備え、交流電源4の交流電圧を直流電圧に変換し、典型的には定電流制御によりLED素子2aを点灯させる。光源モジュール2は複数のLED素子2aが直列、並列、あるいは直列と並列を組み合わせた形態に接続されたものであってもよく、LED素子2aに代えて有機EL素子を用いてもよい。光源モジュール2のようにLED素子2aに抵抗RLを並列に接続する形態は、典型的には直管型LED照明で採用されるものであり、直管型照明では光源モジュールの着脱検知(いわゆるランプ検知)を行うことが必須となっている。
【0011】
点灯装置10は、正極出力端子10aおよび負極出力端子10bを備えている(以下、便宜上これらをまとめて「出力端子10a、10b」と称することがある)。点灯装置10は、交流電源4と接続し交流電圧を整流する典型的にはダイオードブリッジである整流回路6と、整流回路6と接続し全波整流された直流電流を受けるHブリッジ回路14とを備えている。交流電源4と整流回路6との間には、電源スイッチ(図示せず)が介在している。
【0012】
Hブリッジ回路14は、スイッチング素子Q1と、ダイオードD1と、インダクタL1と、ダイオードD2と、スイッチング素子Q2と、抵抗R1を備えている。スイッチング素子Q1、Q2はMOSFETを用いているが、本発明はこれに限られずIGBTやバイポーラトランジスタ等の他のスイッチング素子でもよい。スイッチング素子Q1の第1端子(本実施の形態ではドレイン)は、整流回路6の高圧側出力端子に接続している。スイッチング素子Q1の第2端子(本実施の形態ではソース)は、ダイオードD1のカソードと接続している。ダイオードD1のアノードは、整流回路6の低圧側出力端子に接続している。インダクタL1の一端は、スイッチング素子Q1の第2端子(本実施の形態ではソース)とダイオードD1のカソードとの接続点に接続している。インダクタL1の他端は、ダイオードD2のアノードとスイッチング素子Q2の第1端子(本実施の形態ではドレイン)との接続点に接続している。スイッチング素子Q2の第2端子(本実施の形態ではソース)は抵抗R1を介して接地されている。ダイオードD2のカソードは、コンデンサC1の一端に接続している。ダイオードD1のアノードには抵抗R1の一端が接続し、抵抗R1の他端はスイッチング素子Q2のソースに接続している。スイッチング素子Q1、Q2の制御端子(本実施の形態ではゲート)にはドライバ回路20からの駆動信号が供給されることでスイッチングが実現される。ドライバ回路20はマイコン22からの制御信号を受けて駆動信号を生成する。Hブリッジ回路14は、降圧モード、昇圧モード、および昇降圧モードという3つのモードで駆動することができる。降圧モードは、スイッチング素子Q1をオンオフし、かつスイッチング素子Q2をオフに維持することで実現される。昇圧モードは、スイッチング素子Q1をオンに維持し、かつスイッチング素子Q2をオンオフすることで実現される。昇降圧モードは、スイッチング素子Q1およびスイッチング素子Q2の両方をオンオフさせることで実現される。
【0013】
Hブリッジ回路14の出力側には、電解コンデンサであるコンデンサC1が設けられている。コンデンサC1の他端は抵抗R1を介して接地されている。一般にHブリッジ回路の出力側に設けた電解コンデンサはその容量をある程度大きくする必要がある。正極出力端子10aがコンデンサC1の一端と接続し、負極出力端子10bがコンデンサC1の他端に接続している。コンデンサC1に対して並列に、光源モジュール2および光源モジュール2の電流を検知する電流検知抵抗R2の直列回路が設けられている。
【0014】
点灯装置10は、出力端子10a、10bの間の電圧を検知する電圧検知回路16を備えている。電圧検知回路16は、抵抗R11、R12からなる分圧回路である。抵抗R11の一端が正極出力端子10aと接続し、抵抗R11の他端が抵抗R12の一端に接続して、この抵抗R11と抵抗R12との接続点の電圧が検知電圧としてマイコン22に入力され、抵抗R12の他端は接地されている。
【0015】
点灯装置10は光源モジュール2の着脱を検知する機能を備えている。先ず、光源モジュール2が点灯中に「脱」つまり取り外された場合、コンデンサC1の両端が高電圧となる。マイコン22は、電圧検知回路16の検知電圧が予め定めた「脱閾値電圧Va」以上となったら、光源モジュール2が取り外されたと判定する。なお、点灯装置10において、マイコン22がこの高電圧に応じて保護動作を行うようにしていることが好ましい。その場合には、電圧検知回路16の検知電圧を予め定めた保護閾値電圧Vs(これは脱閾値電圧Vaと同じ値でもよい)と比較することで過電圧保護動作を行うようにすればよい。
【0016】
次に、光源モジュール2が「着」つまり接続されているときには、LED素子2aに並列に接続された抵抗RLの両端が正極出力端子10aおよび負極出力端子10bに接続する。これにより抵抗R11、R12に対して抵抗RLが並列に取り付けられることになり、抵抗R11、R12で分圧された電圧つまり電圧検知回路16の検知電圧が低下する。マイコン22は、電圧検知回路16の検知電圧が予め定めた「着閾値電圧Vb」以下であるか否かを判定することで、出力端子10a、10bに負荷つまり光源モジュール2が接続されたか否かを検知する。
【0017】
点灯装置10は、放電回路18と、ダイオードD3と、検知用電源回路19とを備えている。放電回路18は、コンデンサC1を放電させるようにコンデンサC1の両端と導通可能である。放電回路18は、MOSFETであるスイッチング素子Q60および抵抗R63の直列回路を含んでおり、この直列回路がコンデンサC1と並列に接続している。抵抗R63は、一端がスイッチング素子Q60のドレインと接続し他端がコンデンサC1の一端と接続する。スイッチング素子Q60のオンオフはマイコン22により自動的に行われる。スイッチング素子Q60は、光源モジュール2の点灯中は、ゲートがローすなわちオフとされる。その一方で、スイッチング素子Q60は、下記の(a)〜(c)に該当する場合には、ゲートがハイすなわちオンされることでコンデンサC1の一端と他端とを導通させる。
(a)光源モジュール2が取り外されているとき
(b)点灯中に光源モジュール2が取り外されて保護動作を行うとき
(c)点灯装置10がオフのとき(つまり交流電源4と整流回路6との間の図示しない電源スイッチがオフのとき)
【0018】
ダイオードD3は、アノードがコンデンサC1の一端(高電位側端子)と接続しカソードが正極出力端子10aに接続しており、コンデンサC1の一端から正極出力端子10aに向けて一方向に電流を流す向きで設けられている。検知用電源回路19は、出力端子10a、10b間に電圧を印加する。検知用電源回路19は、好ましくは20V程度の直流電圧Vdを供給する直流電源DCと、この直流電源DCに一端が接続する抵抗R61と、抵抗R61の他端にカソードが接続するツェナーダイオードDz1と、アノードがツェナーダイオードDz1のアノードと接続するダイオードD4とを備えている。この直流電源としてはマイコン22などに電源供給する制御電源を用いることができ、その場合にはVd=制御電源電圧Vccである。ダイオードD4のカソードは、ダイオードD3のカソードと正極出力端子10aの接続点に接続している。検知用電源回路19が正極出力端子10aに印加する電圧Vx1は、下記の式で表される。ただし、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧をVz1とする。
Vx1= Vd−Vz1 ・・・(1)
【0019】
光源モジュール2の順方向電圧の最小値をVfminとすると、電圧Vx1はVfminよりも小さいことが好ましい。Vfminは、光源モジュール2におけるLED素子2aの接続個数および直列、並列といった接続形態に応じて異なり、その最小値は1つのLED素子2aの順方向電圧Vfである。これにより、検知用電源回路19が印加した電圧によって光源モジュール2が点灯するのを確実に避けることができる。なお、検知用電源回路19と正極出力端子10aは常に接続していてもよいし、他のスイッチング素子を設けるなどして必要なときつまりコンデンサC1の放電後における光源モジュール着脱判定期間のみに検知用電源回路19と正極出力端子10aを接続しても良い。
【0020】
マイコン22は、電圧検知回路16の検知電圧が脱閾値電圧Va以上となったらこれに応じて(より好ましくはこれと同時に)スイッチング素子Q60をオンとすることにより、コンデンサC1を放電することができる。このとき、ダイオードD3により検知用電源回路19でコンデンサC1が充電されるのを防止するとともに、検知用電源回路19が出力端子10a、10b間に一定の電圧を印加することができる。これにより、コンデンサC1の電荷の影響を排除して、光源モジュール2が再度取り付けられたか否かを精度良く検知できる。また、点灯中に光源モジュール2が取り外されて過電圧が生じたときこれに応じてコンデンサC1の放電を速やかに行うことで、光源モジュール2を短時間で再接続したときに光源モジュール2に突入電流が流れることを抑制できる。マイコン22は、電圧検知回路16で検知した電圧が着閾値電圧Vb以下となったらスイッチング素子Q60をオフとすることで、コンデンサC1の両端子の導通を解除する。その後、Hブリッジ回路14を駆動開始することで光源モジュール2を点灯させることができる。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態の変形例にかかる点灯装置110およびこれを備えた照明器具1の回路図である。この変形例は、
図1における検知用電源回路19を、
図2に示した検知用電源回路119に置換したものである。検知用電源回路119は、一端に整流回路6の出力電圧を受け他端が正極出力端子10aに接続する抵抗R64、R65の直列回路と、この抵抗R64,R65の接続点にカソード接続しアノードが接地されるツェナーダイオードDz2とを含む。検知用電源回路119の供給する電圧Vx2は、上述したVx1と同様に調整すればよい。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態の変形例にかかる点灯装置210およびこれを備えた照明器具1の回路図である。点灯装置210は、点灯装置10にスイッチング素子Q61および信号生成回路30を設け、マイコン22を制御回路122に置換したものである。スイッチング素子Q61は、MOSFETであり、電流検知抵抗R2と直列に接続し、負極出力端子10bを電流検知抵抗R2に接続するか否かを切り替え可能である。スイッチング素子Q61は、光源モジュール2の点灯中にはゲートがハイすなわちオンとされる。また、スイッチング素子Q61は、前述したスイッチング素子Q60をオンとすべき(a)〜(c)の場合には、ゲートがローすなわちオフされる。オフとされることで負極出力端子10bと電流検知抵抗R2との間の電気的接続を遮断することができる。
【0023】
コンデンサC1の放電は、放電回路18に含まれる抵抗R63を経由して行われる。この抵抗R63の抵抗値が低ければコンデンサC1の放電を速やかに行うことができ好ましいが、その一方で低抵抗化を図ると抵抗R63のサイズが大きくなり点灯装置10の回路基板上におけるスペースの制約から限度がある。そこで、点灯装置210では、スイッチング素子Q61の遮断によりコンデンサC1の他端と光源モジュール2の端子とを開放状態にする。この開放状態を形成することで、抵抗R63の抵抗値が高く放電に時間がかかりコンデンサC1に電荷が残っているときであっても、光源モジュール2に突入電流が流れるのを防止できる。
【0024】
点灯装置210において、信号生成回路30は、光源モジュール2が再接続されたことを検知する役割を担っている。信号生成回路30は、負極出力端子10bの電圧に基づいて、出力端子10a、10bへの負荷(つまり光源モジュール2)の着脱に応じて切り替わる着脱信号Sを生成する。着脱信号Sは、着信号(例えばロー)と脱信号(例えばハイ)とが切り替わるものである。この着脱信号Sを生成するために、信号生成回路30は、抵抗R66、R68およびスイッチング素子Q64を備えている。抵抗R66の一端はスイッチング素子Q61のドレインと負極出力端子10bの接続点に接続し、抵抗R66の他端が抵抗R68の一端に接続し、抵抗R68の他端は接地されている。互いに直列接続したこれらの抵抗R66、R68の接続点がバイポーラトランジスタであるスイッチング素子Q64の制御端子(実施の形態ではベース)に接続されている。スイッチング素子Q64のエミッタは接地され、コレクタは抵抗R70を介して5Vの直流電源に接続している。光源モジュール2が取り外されているときは、スイッチング素子Q64はオフとされており、制御回路122への着脱信号Sは「脱」とされている。光源モジュール2が出力端子10a、10bに接続されると、検知用電源回路19からの給電、光源モジュール2内の抵抗RL、および抵抗R66,R68で決まるベース端子への印加電圧が変化する。スイッチング素子Q64がオンとなると、これに応じたコレクタ電流が流れ制御回路122への着脱信号Sが「着」に切り替わる。点灯装置210においては、制御回路122は、着脱信号Sが「着」を示したらスイッチング素子Q60をオフとすることでコンデンサC1の両端子の導通を解除し、かつスイッチング素子Q61をオンとする。その後、Hブリッジ回路14を駆動開始することで光源モジュール2を点灯させることができる。
【0025】
点灯装置210のより好ましい形態として、電圧検知回路16で検知した電圧が閾値以上となった後、予め定めた「マスク期間」が経過するまでは、制御回路122がスイッチング素子Q60をオンに維持しかつスイッチング素子Q61のオフを維持してもよい。マスク期間を設けることで、コンデンサC1の放電が不十分な状態で光源モジュール2の着脱検知が行われてしまうことを抑制できる。光源モジュール2の再接続を正確に検知するために、マスク期間は、コンデンサC1の電圧が検知用電源回路19の供給する電圧Vx1以下となる長さであることが好ましい。具体的にはコンデンサC1の電圧をVcとしたとき、コンデンサC1の放電開始の後にVc=Vx1となるまでの時間に設定されることが好ましく、或いはそれよりも長い時間に設定してコンデンサC1の放電をより十分に行うことが更に好ましい。制御回路122は例えばプログラマブルであるなどしてマスク期間の長さを変更可能であることがさらに好ましい。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態の変形例にかかる点灯装置310およびこれを備えた照明器具1の回路図である。点灯装置310は、
図3の点灯装置210において、検知用電源回路19を検知用電源回路119に置換したものである。
【符号の説明】
【0027】
1 照明器具、2 光源モジュール、2a LED素子、4 交流電源、6 整流回路、10、110、210、310 点灯装置、10a 正極出力端子、10b 負極出力端子、14 Hブリッジ回路、16 電圧検知回路、18 放電回路、19、119 検知用電源回路、20 ドライバ回路、22 マイコン、30 信号生成回路