(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、異なる通信線にそれぞれ接続されている通信インターフェースにおける省電力と、これらの通信インターフェースを用いた処理の利便性とを両立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る制御装置は、第1通信線に接続され、当該第1通信線を介して通信を行う第1通信インターフェースと、第2通信線に接続され、当該第2通信線を介して通信を行う第2通信インターフェースと、第1動作状態では前記第1通信インターフェースおよび前記第2通信インターフェースに給電を行い、前記第1動作状態よりも低消費電力で動作する第2動作状態では前記第1通信インターフェースには給電せずに前記第2通信インターフェースに給電する給電手段と、前記第2動作状態において、前記第1通信線に接続されたクライアント装置から前記第1通信線及び前記第2通信線を介して前記第2通信インターフェースに対し前記第1動作状態へ移行する要求があった場合に、前記第2動作状態から前記第1動作状態に切り替える切替手段と
、前記第1通信インターフェースと前記第2通信インターフェースとの間で前記第1通信線および前記第2通信線を介した通信が可能か否かを確認する確認手段とを備え、前記切替手段は、前記確認手段によって前記通信が可能であることが確認された場合に、前記第1動作状態から前記第2動作状態に切り替える。
【0007】
請求項
2に係る制御装置は、請求項
1に記載の構成において、クライアント装置から前記第1通信インターフェースまたは前記第2通信インターフェースに対して送信されてくる要求に応じて、当該第1通信インターフェースおよび当該第2通信インターフェースに関する通信インターフェース情報を送信する送信手段を備える。
【0008】
請求項
3に係る情報処理装置は、請求項1
又は2に記載の制御装置と、前記第1動作状態に切り替えられることにより給電された前記第
1通信インターフェースに対して前記クライアント装置から送信されてくるデータに応じた処理を行う処理手段とを備える。
【0009】
請求項
4に係る情報処理装置は、請求項
3記載の構成において、前記処理手段は、前記第1動作状態に切り替えられることにより給電された前記第
1通信インターフェースに対して前記クライアント装置から送信されてくる画像データに応じた画像を形成する処理を行う。
【0010】
請求項
5記載の情報処理システムは、第1通信線及び第2通信線に接続され、当該第1通信線及び当該第2通信線の間で特定のプロトコルの通信のみを中継する中継装置と、前記第1通信線に接続された第1クライアント装置と、前記第2通信線に接続された第2クライアント装置と、前記第1通信線に接続され、当該第1通信線を介して通信を行う第1通信インターフェースと、前記第2通信線に接続され、当該第2通信線を介して通信を行
う第2通信インターフェースと、第1動作状態では前記第1通信インターフェースおよび前記第2通信インターフェースに給電を行い、前記第1動作状態よりも低消費電力で動作する第2動作状態では前記第1通信インターフェースには給電せずに前記第2通信インターフェースに給電する給電手段と、前記第2動作状態において、前記第1クライアント装置から前記第1通信線及び前記第2通信線を介して前記第2通信インターフェースに対して前記第1動作状態へ移行する要求があった場合に、前記第2動作状態から前記第1動作状態に切り替える切替手段と、前記第1動作状態に切り替えられることにより給電された前記第1通信インターフェースに対して前記第1クライアント装置から送信されてくるデータに応じた処理を行う処理手段と
、前記第1通信インターフェースと前記第2通信インターフェースとの間で前記第1通信線および前記第2通信線を介した通信が可能か否かを確認する確認手段を備え、前記切替手段は、前記確認手段によって前記通信が可能であることが確認された場合に、前記第1動作状態から前記第2動作状態に切り替える情報処理装置とを備える。
【0012】
請求項
7記載のプログラムは、第1通信線に接続され、当該第1通信線を介して通信を行う第1通信インターフェースおよび第2通信線に接続され、当該第2通信線を介して通信を行う第2通信インターフェースとに接続されたコンピュータを、第1動作状態では前記第1通信インターフェースおよび前記第2通信インターフェースに給電を行い、前記第1動作状態よりも低消費電力で動作する第2動作状態では前記第1通信インターフェースには給電せずに前記第2通信インターフェースに給電する給電手段と、
前記第1通信インターフェースと前記第2通信インターフェースとの間で前記第1通信線および前記第2通信線を介した通信が可能か否かを確認する確認手段と、前記第2動作状態において、前記第1通信線に接続されたクライアント装置から前記第1通信線及び前記第2通信線を介して前記第2通信インターフェースに対し前記第1動作状態へ移行する要求があった場合に、前記第2動作状態から前記第1動作状態に切り替える切替手段
であって、前記確認手段によって前記通信が可能であることが確認された場合に、前記第1動作状態から前記第2動作状態に切り替える切替手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る制御装置によれば、異なる通信線にそれぞれ接続されている通信インターフェースにおける省電力と、これらの通信インターフェースを用いた処理の利便性とを両立させられる。
請求項2に係る制御装置によれば、第1通信インターフェースと第2通信インターフェースとの間が不通のために第2動作状態から第1動作状態に切り替えられないという事態の発生が抑制される。
請求項3に係る制御装置によれば、クライアント装置が通信インターフェース情報に基づき、第1通信線に接続されたクライアント装置から第2通信インターフェースに対して第2動作状態から第1動作状態へ移行する要求を行い得る。
請求項4に係る情報処理装置によれば、異なる通信線にそれぞれ接続されている通信インターフェースにおける省電力と、これらの通信インターフェースを用いた処理の利便性とを両立させられる。
請求項5に係る情報処理装置によれば、画像を形成する処理の利便性が実現される。
請求項6に係る情報処理システムによれば、異なる通信線にそれぞれ接続されている通信インターフェースにおける省電力と、これらの通信インターフェースを用いた処理の利便性とを両立させられる。
請求項7に係る情報処理システムによれば、クライアント装置が通信インターフェース情報に基づき、第1通信線に接続されたクライアント装置から第2通信インターフェースに対して第2動作状態から第1動作状態へ移行する要求を行い、第1動作状態に切り替わると、第1通信インターフェースに対して処理を要求し得る。
請求項8に係るプログラムによれば、異なる通信線にそれぞれ接続されている通信インターフェースにおける省電力と、これらの通信インターフェースを用いた処理の利便性とを両立させられる。
請求項9に係るプログラムによれば、異なる通信線にそれぞれ接続されている通信インターフェースにおける省電力と、これらの通信インターフェースを用いた処理の利便性とを両立させられる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。この情報処理システムは、画像形成装置100と、画像形成装置100に第1サブネット301を介して接続された1又は複数の第1クライアント装置201(図では1つ)と、画像形成装置100に第2サブネット302を介して接続された1又は複数の第2クライアント装置202(図では1つ)と、第1サブネット301及び第2サブネット302を相互に接続するルータ400とを備えている。画像形成装置100は情報処理装置の一例であり、第1クライアント装置201及び第2クライアント装置202はクライアント装置の一例であり、第1サブネット301は第1通信線の一例であり、第2サブネット302は第2通信線の一例であり、ルータ400は中継装置の一例である。なお、サブネットの数やクライアント装置の数は
図1の例示に限定されず、サブネットが3つ以上であってもよい。
【0017】
画像形成装置100は、例えばプリント、コピー及びファクシミリといった機能を備えている。第1クライアント装置201及び第2クライアント装置202は、例えばユーザが自席で操作するパーソナルコンピュータである。画像形成装置100は、第1クライアント装置201から第1サブネット301経由で送信されてくる画像データを受信し、この画像データに応じた画像を形成する処理を行い、又は、第2クライアント装置202から第2サブネット302経由で送信されてくる画像データを受信し、この画像データに応じた画像を形成する処理を行う。以下、画像を形成する処理のことを「印刷」という。
【0018】
第1サブネット301と第2サブネット302とは、それぞれ異なる属性のユーザ群によって利用される。ここでは、第1サブネット301が、例えば企業の営業部門などのように、印刷が行われる時期が業務期間中の特定時間帯(営業社員がオフィスに居る平日の朝及び夜などの時間帯)に集中する部門に設置され、第2サブネット302が、例えば企業の事務部門などのように、印刷が行われる時期が業務期間中の特定時間帯に集中しない部門に設置されていると仮定する。このように第1サブネット301と第2サブネット302とが分かれている理由は、情報漏洩防止の観点から、これらの部門間で画像データがやり取りされないようにするためである。
【0019】
このため、ルータ400は、LPR(Line PRinter daemon protocol)などの印刷用プロトコルに従って伝送されるデータについては、第1サブネット301及び第2サブネット302間で中継しない。つまり、ルータ400は、第1サブネット301上を印刷用プロトコルに従って伝送される画像データを第2サブネット302へと中継しないし、第2サブネット302上を印刷用プロトコルに従って伝送される画像データを第1サブネット301へと中継しない。ただし、ルータ400は、例えばHTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの、印刷用プロトコルとは異なる、特定のプロトコルに従って伝送されるデータについては、第1サブネット301及び第2サブネット302間で中継する。
【0020】
図2は、画像形成装置100の構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、制御部101と、記憶部102と、画像形成部103と、画像読取部104と、通信部105とを備えている。画像形成装置100に対しては、例えば商用電源などの電源500から電力が供給される。制御部101は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やCPU(Central Processing Unit)などの制御回路と各種メモリによって構成されている。記憶部102は、例えばハードディスクであり、CPUによって実行されるプログラムや後述する通信インターフェース情報などを記憶する。画像形成部103は、レーザービームを感光体などの像保持体に照射して潜像を形成し、これをY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のトナーで現像して記録シートに転写し、定着処理を経てからその記録シートを排出する。画像読取部104は、原稿を光学的に読み取る。通信部105は、この情報処理システムに含まれるサブネットの数に対応した数の通信インターフェースを備えている。
図2では、通信部105は、第1サブネット301に接続された第1通信インターフェース1051と、第2サブネット302に接続された第2通信インターフェース1052を備えている。
【0021】
通信部105の動作モードには、通常モード(第1動作状態の一例)と、通常モードよりも低消費電力で動作する節電モード(第2動作状態の一例)とがある。通常モードは第1動作状態の一例であり、節電モードは第2動作状態の一例である。制御部101は、通常モードにおいて、予め決められたモード移行条件が満たされたときには節電モードに切り替える一方、節電モードにおいてそのモード移行条件が満たされなくなったときには、節電モードから通常モードに切り替える(通常モードに復帰する)。つまり、制御部101は、第1動作状態と第2動作状態との切り替える切替手段の一例である。
【0022】
節電モードにおいては、制御部101は、通信部105が備える通信インターフェースのうちのいずれかの通信インターフェースに対する給電を行わない。ここでは、節電モードにおいて、第1サブネット301に接続されている第1通信インターフェース1051に給電を行わないようにし、第2サブネット302に接続されている第2通信インターフェース1052には給電を継続する。つまり、制御部101は、第1動作状態(通常モード)では、第1通信インターフェースおよび第2通信インターフェースに給電を行い、第1動作状態(通常モード)よりも低消費電力で動作する第2動作状態(節電モード)では、第1通信インターフェースには給電せずに第2通信インターフェースに給電する給電手段の一例である。
【0023】
前述したように、第1サブネット301では印刷が行われる時期が特定の時間帯に集中しているのに対して第2サブネット302では印刷が行われる時期が特定の時間帯に集中していない。このため、ユーザが印刷を希望したときに通信インターフェースが無給電のために印刷が行えない、といった事態の発生を少なくするためには、節電モードにおいて、第2通信インターフェース1052に給電を行わないようにした場合よりも、第1通信インターフェース1051に給電を行わないようにしたほうがよい。
【0024】
そこで、画像形成装置100において、第2通信インターフェース1052は、節電モードであっても給電が行われ、さらに、節電モードから通常モードに復帰させるために用いられる通信インターフェースとして予め設定されている。このように節電モードから通常モードに復帰させるという用途にも用いられる通信インターフェースを、節電復帰用通信インターフェースという。
【0025】
図3は、画像形成装置100の記憶部102に記憶されている通信インターフェース情報の一例を示す図である。通信インターフェース情報は、第1通信インターフェース1051及び第2通信インターフェース1052に関する情報であり、I/F識別子、用途、IP(Internet Protocol)アドレス及びサブネットマスクを含んでいる。I/F識別子は、第1通信インターフェース1051及び第2通信インターフェース1052のそれぞれに割り当てられた識別子である。用途は、それぞれの通信インターフェースが節電復帰用通信インターフェースであるか否かを示す情報である。IPアドレスは、第1通信インターフェース1051及び第2通信インターフェースのそれぞれに割り当てられたIPアドレスである。一般に、IPアドレスは、サブネットに割り当てられたアドレス(ネットワークアドレス)と、サブネット内のノードに割り当てられたアドレス(ホストアドレス)から構成されている。サブネットマスクは、第1通信インターフェース1051及び第2通信インターフェースに割り当てられたIPアドレスの上位何ビットがネットワークアドレスに相当するかを示す値である。
【0026】
図4は、クライアント装置の構成として、第1クライアント装置201の構成を例示したブロック図である。第1クライアント装置201は、制御部2011と、記憶部2012と、通信部2013と、操作部2014と、表示部2015とを備えている。制御部2011は、CPUなどの制御回路と各種メモリによって構成されている。記憶部2012は、例えばハードディスクであり、各種のデータやプログラム(例えばプリンタドライバなど)などを記憶する。通信部2013は、第1サブネット301に接続され、この第1サブネット301を介して通信を行う。操作部2014は、例えばキーなどの操作子を備え、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部2011に供給する。表示部2015は、例えば液晶パネル及び駆動回路を備えており、制御部2011による制御の下で画像を表示する。第2クライアント装置202の構成は、その通信部に接続されているサブネットが第2サブネット302である点を除き、第1クライアント装置201と共通である。
【0027】
図5は、第1クライアント装置201におけるプリンタドライバに新規の画像形成装置を追加する場合に行われる動作を示す図である。第1クライアント装置201の制御部2011は、ユーザの操作等に応じて、例えばSNMP(Simple Network Management Protocol)などのプロトコルに従って、自装置が属する第1サブネット301に接続されている画像形成装置を検索する(ステップS1)。これに対し、画像形成装置100の制御部101から第1クライアント装置201に対して応答があると(ステップS2)、第1クライアント装置201の制御部2011は、画像形成装置100に対して、その画像形成装置100に関する情報を要求する(ステップS3)。
【0028】
画像形成装置100の制御部101は、この要求に対し、例えば用紙トレイの設定やいわゆる後処理装置の有無などの、自装置が備える機能に関する機能情報とともに、
図3に示す通信インターフェース情報のうち用途及びIPアドレスを第1クライアント装置201に送信する(ステップS4)。つまり、制御部101は、第1通信インターフェースまたは第2通信インターフェースを介して送信されてくる要求に応じて、第1通信インターフェースおよび第2通信インターフェースに関する情報を送信する送信手段の一例である。
【0029】
第1クライアント装置201の制御部2011は、受信した通信インターフェース情報において節電復帰用として示されている第2通信インターフェース1052のIPアドレスに対して、HTTPリクエストを送信する。このリクエストは、HTTPという、ルータ400を通過するプロトコルで送信されるため、ルータ400によって第1サブネット301から第2サブネット302へと中継され、画像形成装置100の第2通信インターフェース1052により受信される(ステップS5)。
【0030】
画像形成装置100の制御部101は、このHTTPリクエストに対して第2通信インターフェース1052を介してHTTPレスポンスを送信する。このレスポンスも、HTTPという、ルータ400を通過するプロトコルで送信されるため、ルータ400によって第2サブネット302から第1サブネット301へと中継され、画像形成装置100の第1通信インターフェース1051により受信される(ステップS6)。これにより、第1クライアント装置201の制御部2011は、画像形成装置100の節電復帰用通信インターフェースである第2通信インターフェース1052と通信が可能であることを確認する。
【0031】
ここで、
図6(a)は、
図5の動作により第1クライアント装置201の制御部2011が取得して記憶部2012に記憶させる情報の一例を示す図である。この情報には、各通信インターフェースの用途、IPアドレス及びポート番号が含まれる。ポート番号は、第1通信インターフェース1051及び第2通信インターフェース1052のそれぞれにおいて用いられたポート番号である。第1クライアント装置201にとっては、同じ第1サブネット301に属する第1通信インターフェース1051が印刷用通信インターフェース(IPアドレスA.A.A.A)である。このように、印刷用通信インターフェースが節電モードで給電されない通信インターフェースである場合には、
図6(a)に示すように、印刷用通信インターフェースのIPアドレス及びポート番号と、節電復帰用通信インターフェースのIPアドレスおよびポート番号とが異なっている。なぜなら、節電モードでは印刷用通信インターフェースが使用できず、これを使用するために別の通信インターフェースである節電復帰用通信インターフェースが必要となるからである。
【0032】
一方、
図6(b)は、
図5の動作により第2クライアント装置202の制御部が取得して記憶部に記憶させる情報の一例を示す図である。第2クライアント装置202にとっては、同じ第2サブネット302に属する第2通信インターフェース1052が印刷用通信インターフェース(IPアドレスB.B.B.B)である。このように、印刷用通信インターフェースが節電モードで給電される通信インターフェースである場合には、
図6(b)に示すように、印刷用通信インターフェースのIPアドレス及びポート番号と、節電復帰用通信インターフェースのIPアドレスおよびポート番号とが同じになる。
【0033】
図7は、第1通信インターフェース1051と第2通信インターフェース1052との間で行われる生存確認動作を示す図である。第1通信インターフェース1051と第2通信インターフェース1052とは、例えば画像形成装置100の起動時などの決められた時期に、pingなどを用いて、互いに通信ができる状態であるか否かを確認する(ステップS11)。これにより、第1通信インターフェース1051と第2通信インターフェース1052がそれぞれ接続されている第1サブネット301及び第2サブネット302の間でルータ400経由の通信が可能であることを確認することができる。つまり、制御部101は、第1通信インターフェースと第2通信インターフェースとの間で第1通信線および第2通信線を介した通信が可能か否かを確認する確認手段の一例である。このとき通信ができた場合には、制御部101は、その後にモード移行条件が満たされたときに通常モードから節電モードに移行する。一方、このとき通信ができなかった場合には、制御部101は、その後にモード移行条件が満たされたとしても、通常モードから節電モードに移行せずに、第1通信インターフェース1051と第2通信インターフェース1052の双方に対して給電を行ったままとする。つまり、切替手段の一例である制御部101は、確認手段によって通信が可能であることが確認された場合に、第1動作状態から第2動作状態に切り替える。
【0034】
図8は、通常モードにおいて、第1クライアント装置201が画像形成装置100に印刷を指示する場合の動作を示す図である。第1クライアント装置201の制御部2011は、
図6(a)に印刷用として示された第1通信インターフェース1051のIPアドレスおよびポート番号を参照し、LPRに従って印刷指示と画像データを第1通信インターフェース1051宛てに送信する(ステップS21)。画像形成装置100の制御部101は、第1通信インターフェース1051を介してこれを受信すると、画像データに応じた画像を形成する処理を行う。つまり、制御部101は、第1動作状態に切り替えられることにより給電された第1通信インターフェースに対して第1クライアント装置から送信されてくるデータに応じた処理を行う処理手段の一例である。
【0035】
図9,10は、節電モードにおいて、第1クライアント装置201が画像形成装置100に印刷を指示する場合の動作を示す図である。画像形成装置100の制御部101は、モード移行条件が満たされてから節電モードに移行する前に、節電の対象となる第1通信インターフェース1051から節電モード移行通知を送信する。この節電モード移行通知は、第1サブネット301を経由して第1クライアント装置201によって受信され、また、第1サブネット301及び第2サブネット302を経由して第2クライアント装置202によって受信される(
図9のステップS31)。
【0036】
その後、第1クライアント装置201の制御部2011は、印刷を指示するときは、
図6(a)に節電復帰用として示された第2通信インターフェース1052のIPアドレスおよびポート番号を参照し、節電モードから通常モードへの復帰要求をHTTPに従って第2通信インターフェース1052宛てに送信する(ステップS41)。画像形成装置100の制御部101は、第2通信インターフェース1052を介してこれを受信すると、まずこの復帰要求の送信元のIPアドレスと、
図3に示した各通信インターフェースのIPアドレス及びサブネットマスクとに基づいて、この復帰要求を行ったクライアント装置が第1サブネット301に属するか第2サブネットに属するかを特定する。ここでは、復帰要求の送信元のIPアドレスを、
図3に示した各通信インターフェースのサブネットマスクでマスクした結果を、各通信インターフェースのIPアドレスと比較すれば、復帰要求を行ったクライアント装置が第1サブネット301に属すると特定されることになる。つまり、この例では、制御部2011は、節電モードから通常モードへ復帰する対象となる通信インターフェースが、第1サブネット301に属する第1通信インターフェース1051であると特定することになる。
【0037】
そして、制御部2011は、特定した通信インターフェースを節電モードから通常モードに復帰させるまでに要する期間を求め、第2通信インターフェース1052から、第1クライアント装置201に通知する(ステップS42)。そして、制御部101は節電モードから通常モードへの切り替えを行う。つまり、切替手段の一例である制御部101は、第2動作状態において、第1通信線に接続されたクライアント装置から第1通信線及び第2通信線を介して第2通信インターフェースに対し第1動作状態へ移行する要求があった場合に、第2動作状態から第1動作状態に切り替える。
【0038】
第1クライアント装置201の制御部2011は、画像形成装置100から通知された期間が経過すると、
図6(a)に印刷用として示された第1通信インターフェース1051のIPアドレスおよびポート番号を参照し、LPRに従って印刷指示と画像データを第1通信インターフェース1051宛てに送信する(ステップS43)。画像形成装置100の制御部101は、第1通信インターフェース1051を介してこれを受信すると、画像データに応じた画像を形成する処理を行う。このように、第1クライアント装置201は、情報処理装置の一例である画像形成装置から送信されてくる第1通信インターフェースおよび第2通信インターフェースに関するインターフェース情報に基づき、画像形成装置が第2動作状態であるときには、第1通信線及び第2通信線を介して第2通信インターフェースに対して第1動作状態へ移行するよう要求し、画像形成装置が第1動作状態に切り替わると、第1通信線を介して第1通信インターフェースに対して処理を要求する。
【0039】
以上の実施形態によれば、節電モードにおいて給電が行われない通信インターフェースがサブネット経由で接続されているクライアント装置から印刷指示を行う場合には、サブネット間のルータを通過するプロトコルを用いて節電モードから通常モードへの復帰を行い得るから、低消費電力を実現するとともに、ユーザが印刷を希望したときに通信インターフェースが無給電のために印刷が行えない、といった事態の発生が抑制される。
【0040】
(変形例)
(変形例1)
図11は、節電モードにおいて、第1クライアント装置201が画像形成装置100に印刷指示を行う場合の動作に関して、別の例を示している。この例では、画像形成装置100が節電モードに移行する前に画像形成装置100から各クライアント装置に対して節電モード移行通知が送信されない。第1クライアント装置201の制御部2011は、画像形成装置100に対して印刷を指示するときは、
図6(a)に印刷用として示された第1通信インターフェース1051のIPアドレスおよびポート番号を参照し、LPRに従って印刷指示と画像データを第1通信インターフェース1051宛てに送信する。しかし、第1通信インターフェース1051が給電されていないので、通信エラーとなる(ステップS51)。
【0041】
このような通信エラーが発生した場合、第1クライアント装置201の制御部2011は、
図6(a)に節電復帰用として示された第2通信インターフェース1052のIPアドレスおよびポート番号を参照し、HTTPに従って復帰要求を第2通信インターフェース1052宛てに送信する(ステップS52)。画像形成装置100の制御部101は、第2通信インターフェース1052を介してこれを受信すると、通常モードへの復帰までに要する期間を第2通信インターフェース1052から第1クライアント装置201に通知する(ステップS53)。そして、制御部101は節電モードから通常モードへの復帰処理を行う。
【0042】
第1クライアント装置201の制御部2011は、画像形成装置100から通知された期間が経過すると、
図6(a)に印刷用として示された第1通信インターフェース1051のIPアドレスおよびポート番号を参照し、LPRに従って印刷指示と画像データを第1通信インターフェース1051宛てに送信する(ステップS54)。画像形成装置100の制御部101は、第1通信インターフェース1051を介してこれを受信すると、画像データに応じた画像を形成する処理を行う。
(変形例2)
図5のステップS5において、第1クライアント装置201は、節電復帰用通信インターフェースと通信できない場合は、節電モードでは印刷ができない旨などのワーニングを表示部2015に表示してもよい。
【0043】
(変形例3)
実施形態では、
図3に示した各通信インターフェースの用途が予め決められていたが、画像形成装置100自身が動的に決定してもよい。具体的には、制御部101は、或る期間において各通信インターフェースを介して受信した印刷指示の日時を記憶部102に記憶させておき、通信インターフェースごとの印刷指示の日時分布に基づいて、印刷指示が時間的に集中している度合いを求める。そして、制御部101は、その時間的な集中の度合いが小さいほうの通信インターフェースの用途を節電復帰用に決定する。
【0044】
(変形例4)
本発明は、コンピュータを制御装置または情報処理装置として機能させるためのプログラムや、係るプログラムを記録した記録媒体の形態でも提供され得る。また、本発明に係るプログラムは、インターネット等のネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。