特許第6299379号(P6299379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6299379-壁装装飾シートの製造方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6299379
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】壁装装飾シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   D06N 7/00 20060101AFI20180319BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20180319BHJP
   B32B 27/10 20060101ALI20180319BHJP
   B32B 33/00 20060101ALI20180319BHJP
   E04F 13/07 20060101ALI20180319BHJP
【FI】
   D06N7/00
   B32B5/18
   B32B27/10
   B32B33/00
   E04F13/07 B
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-88094(P2014-88094)
(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公開番号】特開2015-206141(P2015-206141A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐川 浩一
【審査官】 増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−308869(JP,A)
【文献】 特開平9−314793(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/073969(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06N 1/00−7/06
B32B 1/00−43/00
E04F 13/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材上に、無機充填材と発泡剤と熱可塑性樹脂とを含有する発泡樹脂層を製膜し、積層し、発泡させてなる壁装装飾シートの製造方法において、ホットメルトコーティング方式により発泡樹脂層を紙基材上に積層してなることを特徴とする、壁装装飾シートの製造方法。
【請求項2】
前記発泡剤が、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤であることを特徴とする、請求項1に記載の壁装装飾シートの製造方法。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂の、190℃ 荷重21.18NにおけるMFR(メルトフローレイト)が、100〜1000g/10分であることを特徴とする、請求項1、2のいずれかに記載の壁装装飾シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建て住宅、集合住宅、店舗、事務所ビル等の建築物の壁面装飾に用いる壁装装飾シートに関し、特には紙基材上に発泡剤を含有した樹脂層を設け、発泡させてなる壁装装飾シートおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発泡壁装装飾シートとしては、紙基材に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年、環境に配慮し、発泡樹脂層にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂のようなオレフィン系樹脂等のハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含むエマルジョンに、マイクロカプセル型発泡剤を添加した発泡樹脂組成物を、紙基材に塗布・乾燥後、表面に絵柄模様を印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版により凹凸模様を形成してなる発泡壁装装飾シートが知られている。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体に熱分解型発泡剤を添加した発泡樹脂組成物を、Tダイ押出機を用いて押出成形したのちに紙基材上に積層し、表面に絵柄模様を印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版により凹凸模様を形成してなる壁装装飾シートが知られている。
【0004】
これらのオレフィン系の壁装装飾シートは、例えば前者のエマルジョン方式であれば、エマルジョンの水を揮発乾燥させる為に大きなエネルギーを必要とする。後者のTダイ押出し方式では、押出機内で発泡剤が発泡しないように、低温で成形する必要があるが、スクリューを使って樹脂を溶融させる際に、せん断発熱によって樹脂温度が上昇してしまい、押出機内部で発泡剤の分解が発生しやすい。また、ネックインによる耳トリミングロスが発生するという問題も抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−47875号公報
【特許文献2】特開2000−255011号公報
【特許文献3】特開2001−347611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような問題点を解決する為になされたものであり、すなわちその課題とするところは、オレフィン系の壁装装飾シートの製造において、大きなエネルギーを必要とせず、また製造工程において各種の不具合が発生しない壁装装飾シートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこの課題を解決したものであり、すなわちその請求項1に記載の発明は、紙基材上に、無機充填材と発泡剤と熱可塑性樹脂とを含有する発泡樹脂層を製膜し、積層し、発泡させてなる壁装装飾シートの製造方法において、ホットメルトコーティング方式により発泡樹脂層を紙基材上に積層してなることを特徴とする、壁装装飾シートの製造方法である。
【0008】
またその請求項2に記載の発明は、前記発泡剤が、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤であることを特徴とする、請求項1に記載の壁装装飾シートの製造方法である。
【0009】
またその請求項3に記載の発明は、前記熱可塑性樹脂の、190℃ 荷重21.18NにおけるMFR(メルトフローレイト)が、100〜1000g/10分であることを特徴とする、請求項1、2のいずれかに記載の壁装装飾シートの製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の壁装装飾シートの製造方法はその請求項1記載の発明により、水分を揮発乾燥させる為に大きなエネルギーを必要とせず、また押出機に由来するせん断発熱や、耳トリミングロスの問題を心配する必要がないものとなり、従来の製造方法において内在していた諸問題が解決されている為、品質的に安定的かつ経済的にも効率的な製造方法によって製造する事が可能である。
【0011】
またその請求項2記載の発明により、発泡剤として熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を用いることで、電子線などの架橋処理を行うことなく高倍率の発泡を行うことが可能になる。塩化ビニル製壁装装飾シートで一般に使用されているADCA(アゾジカルボンアミド)やOBSH(4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド))などの熱分解型発泡剤を使用する時には、表層からのガス抜けを防止する為に、樹脂成分には伸長粘度が必要になる。しかしながら、ホットメルトコーティング法に使用できる樹脂の分子量では、充分な伸長粘度を得る事ができない為、電子線照射などの架橋処理を行ない、伸長粘度を適性数値まで引き上げる必要がある。しかし熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を用いることで、電子線などの架橋処理により樹脂の伸長粘度を向上させなくても、適切な発泡体を得る事ができる。
【0012】
またその請求項3記載の発明により、熱可塑性樹脂の、190℃ 荷重21.18NにおけるMFR(メルトフローレイト)が、100〜1000g/10分とすることで、品質に対するばらつきを起こす事なく、安定的に製品を製造する事が可能になる。MFRが100を下回るようであると、ホットメルトコーターのポンプへの物理的な負荷が高まり、樹脂の供給量が安定しない為、厚み精度にばらつきが発生する。また、MFRが1000を上回るようであると、ポンプによる樹脂送り時の樹脂圧力が低下してしまう為、やはり樹脂の供給量が安定せずに、厚み精度にばらつきが発生する。またMFRが1000を上回るような場合では、その分子量が小さい為に高分子的性質が弱まり、脆化や添加剤のブルーミングなどが起き易い。しかしMFRを100〜1000の範囲内にしておけば、上記の様な問題を事実上気にする事はなくなり、安定した品質の壁装装飾シートを得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の壁装装飾シートの一実施例の断面の形状を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の壁装装飾シートの一実施例の断面の形状を示す。紙基材1上に発泡樹脂層2を設け、表面に適宜絵柄模様3を設けてなる。
【0015】
本発明における紙基材1としては、従来ある裏打紙といわれているものに通常使用されているものであれば得に限定されずに使用可能であるが、特には、スルファミン酸グアニジンやリン酸グアニジンなどの水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙、あるいは、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機質剤を混抄した無機質紙などが好適である。紙基材1の坪量としては50〜300g/m、好ましくは60〜160g/mである。さらに坪量50〜170g/mかつ厚み30〜220μmの範囲のものとすることにより、壁装装飾シートとして求められる剛性とボリューム感が確保される。
【0016】
また、紙基材1の表面で、後述する発泡樹脂層2を設ける側の面に、たとえば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施す、および/ないし、アクリル−ブチル共重合体、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン等を塗布した易接着処理層(図示しない)を設けてもよい。
【0017】
本発明における発泡樹脂層2としては、無機充填剤と発泡剤とを含有した熱可塑性樹脂からなるものが用いられる。熱可塑性樹脂としては特に限定は無く、従来公知の塩化ビニル樹脂などが使用可能であるが、環境に配慮し、発泡樹脂層にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂のようなオレフィン系樹脂等のハロゲンを含有しない樹脂が好適に用いられる。具体的にはエチレン単独若しくは他のオレフィンモノマーと共重合させた樹脂が使用可能である。これらの樹脂は無極性の非ハロゲン系熱可塑性樹脂であり、これらを用いることで、エチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、及びアイオノマー樹脂などの極性樹脂を使用した場合と比較して、フィラーを増量した場合の粘度上昇が抑えられる為、高品質の壁装装飾シートを安定して生産することができる。
【0018】
前記無極性の非ハロゲン系熱可塑性樹脂としては、(1)ポリエチレン及び(2)エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)のうちから選ばれる、少なくとも1種以上を使用する事ができる。
【0019】
前記(1)ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が広く使用できるが、この中でも低密度ポリエチレンが、低融点である為好ましい。
【0020】
前記(2)エチレン共重合体としては、低融点という観点から、本発明の壁装装飾用シートに使用する樹脂として好適である。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。またこれらのエチレン共重合体は単独又は2種以上を混合して使用できる。
【0021】
本発明における発泡樹脂層2に含有する無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
【0022】
本発明における発泡樹脂層2に含有する発泡剤としては、アゾジカルボンアミド,アゾビスホルムアミド等のアゾ系、あるいは、オキシベンゼンスルホニルヒドラジド,パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などの熱分解型の化学発泡剤、低沸点の炭化水素を内包した熱膨張型マイクロカプセル発泡剤等が使用可能であるが、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤が好適に用いられる。熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を用いることで、電子線などの架橋処理により樹脂の伸長粘度を向上させなくても、適切な発泡体を得る事ができる。
【0023】
本発明における発泡樹脂層2に含まれる樹脂成分は、JIS K 6922に記載の190℃、荷重21.18Nの条件で測定したMFR(メルトフローレート)が100〜1000g/10分であることがより好ましい。MFRが1000を超える場合は、分子量が低すぎる為に、形成される発泡樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。またMFRが100未満の場合には、粘度が高すぎて安定的にコーティングする事が難しい。
【0024】
その他、本発明における発泡樹脂層2には必要に応じて顔料等を添加して着色してもよい。顔料添加による着色は透明であってよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよいものであり、たとえば、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料やアニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料を挙げることができ、顔料の添加量としては樹脂成分100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部である。また、前記発泡樹脂層2には、難燃剤、セル調整剤、安定剤、滑剤等の周知の添加剤を用いることができる。
【0025】
前記顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。
【0026】
発泡樹脂層2の厚さは限定的ではないが、40〜150μm程度が好ましく、60〜100μm程度であれば、尚好ましい。
【0027】
本発明において表面に適宜設ける絵柄模様3としては、印刷インキの印刷として設けることが可能である。適宜の印刷インキ(非発泡性インキ)又は水性エマルジョン樹脂を主成分とした発泡性インキを用いて、グラビア印刷法、オフセツト印刷法、スクリーン印刷法等にて形成することができる。
【実施例1】
【0028】
2軸押出機を用いて、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(ウルトラセン681(MFR=350):東ソー株式会社製)を70重量部、炭酸カルシウム(BF−200S:備北粉化工業性)を15重量部、二酸化チタン(タイペークCR−60:石原産業株式会社製)を10重量部、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤(FN−180:松本油脂製薬株式会社製)を5重量部添加して、設定温度90℃以下(ユニットにより温度が異なる)でストランド状に混練押出成形したのちに、回転式カッターを用いてペレット化した。
【0029】
上記ペレットを、ギアポンプ型ホットメルトアプリケーター(株式会社エピック製:「C1型」)を用いて、成形温度120℃で紙質基材上に厚さ100μmでコーティングしたのち、グラビアコーティング方を用いて、表層にインキを塗工し、乾燥させた。
【0030】
上記サンプルを175℃のオーブンで30秒間発泡させる事で、発泡剤含有樹脂層を発泡させた。このようにして、実施例1の壁装装飾シートを作成した。この壁装装飾シートは、表面状態も良好で、発泡倍率も10箇所の平均で5.5倍であった。
【実施例2】
【0031】
エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂として、ウルトラセン735(MFR=1000:東ソー株式会社製)を用いた外は、実施例1と同じ製法を用いて、実施例2の壁装装飾シートを作成した。この壁装装飾シートは、表面状態も良好で、発泡倍率も10箇所の平均で5.5倍であった。
【実施例3】
【0032】
エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂として、ウルトラセン684(MFR=2000:東ソー株式会社製)を用いた外は、実施例1と同じ製法を用いて、それぞれ順に実施例3の壁装装飾シートを作成した。この壁装装飾シートは、表面状態も良好で、発泡倍率も10箇所の平均で5.5倍であった。ただし、表面の耐傷付き性は多少劣るものであった。
【実施例4】
【0033】
エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂として、ウルトラセン633(MFR=20:東ソー株式会社製)を用いた外は、実施例1と同じ製法を用いて、実施例4の壁装装飾シートを作成した。この壁装装飾シートは表面状態も良好で、発泡倍率も10箇所の平均で5.5倍であった。ただし粘度が高いためコーティングは安定せず、多少困難であった。
【0034】
<比較例1>
コートハンガータイプのマニュホールドを有するTダイを用いて、スクリュー径(D)65mm、L/D(スクリュー長をスクリュー径で割ったもの)=32のバリアタイプスクリューを用い、押出し厚み100μmで壁装装飾シート用の裏打紙(WK−665IHT:株式会社KJ特殊紙製)上に住友重機械モダン株式会社製の単軸押出機により押出しラミ製膜した。押出し条件は、シリンダー〜ダイに渡る全てのゾーンで設定温度125℃とした。押出しに使用した材料は、実施例1にて2軸混練押出にて作成したペレットを使用した。このシートを175℃のオーブンで30秒間発泡する事で発泡剤含有樹脂層を発泡させ、比較例1の壁装装飾シートを作成した。しかしながら、この壁装装飾シートは、樹脂の押出ラミ時のネックインにより、端部の厚みが中央部よりも厚くなってしまった。その為に、インキのグラビア塗工の際に、シート中央部でインキの塗工ムラが発生した。また、押出機内で樹脂の発熱が発生してしまい、吐出量を落とさなければならず、実施例1と比較して生産性に劣る結果であった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の壁装装飾シートは、戸建て住宅、集合住宅、店舗、事務所ビル等の建築物の壁面装飾などに利用可能である。また、ホットメルトコーターを用いて生産する事が可能なため、従来の壁装装飾シートと比較して、より簡便かつ安価な設備で生産できるという利点を持つ。
【符号の説明】
【0036】
1…紙基材
2…発泡樹脂層
3…絵柄模様
図1