(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記乾燥運転の休止中に、一定時間ごとに1循環の循環運転とともに水分測定を実施し、その測定結果を上記情報表示部(32)に反映表示することを特徴とする請求項1記載の穀物乾燥機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
まず、
図1及び
図2に基づきこの発明を実施する循環式うるち籾・穀物乾燥機の全体構成について説明する。
1は乾燥機の機枠で、この機枠1内には貯溜室2、乾燥室3及び集穀室4を上方から下方に順次配設している。乾燥室3には穀物流下通路9,9を形成し、穀物流下通路9,9の内側にはバーナ5に対向する放射体6を配設し、隣接する穀物流下通路9,9の間には吸引ファン7のファン胴に通じる左右排風室8,8を配設し、穀物流下通路9,9の下端合流部に繰出バルブ10,10を設け、この繰出バルブ10,10の往復回転により、穀物を所定量づつ繰り出しながら流下させ、穀物に熱風を浴びせて乾燥するように構成している。
【0016】
前記機枠1の外側には集穀室4の前後一側に集めた穀物を貯溜室2に揚穀還元する昇降機11を立設している。この昇降機11内には上下に軸架した駆動プーリ12a及び従動プーリ12bにバケットベルト13を巻き掛け、集穀室4の底部に設ける下部搬送装置14により乾燥穀物を前後一側に移送し、昇降機11により揚穀するように構成している。この昇降機11で揚穀された穀物は、昇降機11の揚穀投げ口から上部搬送装置16の始端側に供給し、更に上部搬送装置16により横送して貯溜室2の上部中央部に配設する回転拡散板18に送り、貯溜室2内に拡散落下させるように構成している。
【0017】
前記昇降機11、下部搬送装置14、上部搬送装置16から構成されている穀物循環系は、昇降機11の機枠上部に配設している昇降機モータ(図示省略)により駆動される。また、昇降機11における上下中途部の壁面には、バケットベルト13の上昇行程と下降行程の間隔部に取込み口(図示省略)を設けて、この取込み口(図示省略)の下方部位に水分計26を着脱自在に配設している。この水分計26は、例えば一対の電極ロール間でサンプル粒を1粒づつ圧縮粉砕し、その抵抗値を電気的に処理して穀粒の一粒づつの水分値に換算する公知のものである。
【0018】
次に、乾燥機の穀粒乾燥について説明する。
張込ホッパ(図示省略)から昇降機11を利用して貯溜室2に所定量の穀物を張り込む。次いで、穀物種類、乾燥仕上水分値等を設定し乾燥作業を開始する。貯溜室2内の穀物は乾燥室3を流下し熱風を浴びながら集穀室4に繰り出される。集穀室4で流下しながら放射体6の放射熱で暖められた穀粒は下部搬送装置14で一側に移送され、次いで昇降機11により揚穀され、上部搬送装置16に引き継がれ再び貯溜室2に循環移送される。このような行程を繰り返しながら仕上水分値に到達すると、乾燥作業は終了する。
【0019】
次に、
図3により乾燥機の操作盤31について説明する。
操作盤31の盤面には、穀粒を張り込む張込スイッチSW0、通風乾燥スイッチSW1、バーナ5の燃焼を開始し乾燥作業を開始する乾燥スイッチSW2、貯溜室2内の穀粒を機外に排出する排出スイッチSW3、機体の各種駆動を停止すると共にブザーを停止する停止スイッチSW4、乾燥用穀物種類を選択する穀物種類設定スイッチSW6、水分値設定スイッチSW7、張込量を設定する張込量設定スイッチSW8、乾燥時間を増減するタイマの増加スイッチSW9、乾燥時間を減少する減少スイッチSW10、緊急停止スイッチSW11の各種操作スイッチや、各種表示項目をデジタル表示する表示部32、乾燥機の各種異常を表示する異常表示モニタ33等を設けている。
【0020】
また、前記穀物種類設定スイッチSW6の左側には、うるち(普通)籾、もち籾及び麦類の穀物種類を表示する穀物種類表示部34aと、この穀物種類表示部34aの籾類及び麦類の乾燥モードに対応する穀物表示装置34b,…(表示ランプで構成しているが、発光ダイオード、液晶表示装置等で構成してもよい)からなる穀物種類設定表示装置34を設けている。そして、穀物種類設定スイッチSW6のON操作毎に、穀物種類表示部34aの籾類あるいは麦類の複数の乾燥モードが選択され、対応する穀物表示装置34bが点灯するように構成している。
【0021】
また、水分値設定スイッチSW7の左側には、水分値を表示する水分値表示部35aと、この水分値表示部35aの複数の水分値表示に対応する水分値表示装置35b,…とからなる水分設定表示装置35を設けている。そして、水分値設定スイッチSW7のON操作毎に、水分値表示部35aの水分値が順次切り替えられ、対応する水分値表示装置35bが点灯するように構成している。また、この水分値表示装置35b,…の右側端部には水分値制御を停止しタイマ乾燥制御のみを可能にする水分値制御切りスイッチ38を設けている。
【0022】
また、張込量設定スイッチSW8の左側には、張込量を表示する張込量表示部36aと、この張込量表示部36aの複数の張込量表示に対応する張込量表示装置36b,…とからなる張込量設定表示装置36を設けている。そして、張込量設定スイッチSW8のON操作毎に、張込量表示部36aの張込量が順次切り替えられ、対応する張込量表示装置36bが点灯するように構成している。
【0023】
次に、
図4に基づき制御ブロック構成について説明する。
バーナ風胴25の上方に設けたコントロールボックス45にはコントローラ(CPU)41を設けている。コントローラ41の入力側には、各種スイッチ及びセンサを接続している。コントローラ41の入力側には、張込スイッチSW0、通風乾燥スイッチSW1、乾燥スイッチSW2、排出スイッチSW3、停止スイッチSW4、タイマの増加スイッチSW9、タイマの減少スイッチSW10、緊急停止スイッチ11を接続し、また、入力回路を介して外気温度センサSE1、熱風温度センサSE2、排風温度センサSE3、水分計電極温度センサSE4及び水分センサSE5等を接続している。
【0024】
また、コントローラ41には入力回路を介して穀物種類設定スイッチSW6、水分値設定スイッチSW7、張込量設定スイッチSW8を接続し、また、出力回路を介して穀物種類設定表示装置34の穀物表示装置34b,…、水分設定表示装置35の水分表示装置35a,…、張込量設定表示装置36の張込量表示装置36b,…を接続している。
【0025】
また、コントローラ41の出力側には、出力回路を介して送風機モータM1、昇降機モータM2、繰出バルブモータM3、バーナ燃焼系のバーナファンモータ(図示省略)、バーナ気化筒モータ(図示省略)、燃料供給用の電磁ポンプ(図示省略)、燃料バルブ(図示省略)、イグナイタ(図示省略)、水分計モータ(図示省略)を接続し、また、出力回路を介して各種表示項目のデジタル表示をする表示部32、乾燥機の各種異常表示用の異常表示モニタ33等を接続している。
【0026】
コントローラ41のバーナ駆動信号は電磁ポンプ(図示省略)のON/OFF信号及び大小供給信号、バーナ気化筒モータ(図示省略)の回転数指令信号、バーナファンモータ(図示省略)の回転数指令信号、イグナイタ(図示省略)の通電信号等があり、燃料供給量、燃焼空気供給量及び気化筒回転数を同調制御し液体燃料を気化燃焼させる。
【0027】
また、乾燥作業中には、予め設定記憶されている熱風設定温度と熱風温度センサSE2の検出熱風温度とを比較し、その差が小になるように周期的にオンされる燃料供給用の電磁ポンプ(図示省略)のオンタイム信号を長短に変更制御しながら乾燥作業をし、穀物水分が目標水分値になると乾燥作業を停止する。
【0028】
次に、コントローラ41の穀物種類選択について説明する。
穀物種類設定スイッチSW6を操作してうるち籾、もち籾の設定か麦類の設定かの判定がなされ、籾類設定であると判定されると、穀物種類設定スイッチSW6のON操作により、うるち籾の場合には穀物種類設定表示装置34の穀物表示装置34bの乾燥速度「おそい」、「ふつう」、「はやい」が順次切り替えられると共に、該当する穀物表示装置34bが点灯し、また、もち籾の場合にはもち籾の穀物表示装置34bが点灯する。
【0029】
また、前記穀物種類の設定が読み込まれて麦類設定と判定されると、穀物種類設定スイッチSW6のON操作により穀物種類設定表示装置34の穀物種類表示部34aの「小麦」、「大麦」、「ビール麦(図示省略)」に順次切り替えられると共に、該当する穀物表示装置34bが点灯する。
【0030】
次ぎに、籾類あるいは麦類選択に伴う乾燥目標水分値の設定制御について説明する。まず、うるち籾、もち籾設定か麦類設定かを判定し、うるち籾設定の場合には、次いで、水分値設定スイッチSW7のON操作によりうるち籾目標水分値領域である例えば13.5%から17%の水分値が順次選択され、水分値設定スイッチSW7のOFF操作後に所定時間経過すると、選択された水分値に設定されてメモリー42に書き込まれる。
【0031】
また、もち籾設定である場合には、次いで、水分値設定スイッチSW7のON操作によりもち籾目標水分値領域である例えば14%以下の水分値が選択され、水分値設定スイッチSW7のOFF操作後に所定時間経過すると、選択された水分値に設定されてメモリー42に書き込まれる。
【0032】
また、うるち籾、もち籾設定か麦類設定かを判定し、麦類設定である場合には、次いで、水分値設定スイッチSW7がON操作により、麦類の目標水分値領域である例えば12.0%から16%が順次選択され、水分値設定スイッチSW7のOFF操作後に所定時間経過すると、選択された水分値に設定されてメモリー42に書き込まれる。
【0033】
前記構成によると、うるち籾、もち籾あるいは麦類の乾燥穀物種類が選択されると、その穀物種類に対応した限られた目標水分値領域の中から水分値を選択設定すればよく、水分値の設定操作を簡単化することができる。
【0034】
次に、
図3に基づき水分値制御切りスイッチ38による乾燥制御について説明する。
操作盤31の水分設定表示装置35には水分値制御切りスイッチ38を設けている。この水分値制御切りスイッチ38は、麦類の低水分の乾燥作業、及び、籾の追い乾燥作業に対応するもので、水分値制御切りスイッチ38をONすると、水分値乾燥停止制御を停止してタイマにより乾燥時間を設定するタイマ乾燥制御のみができるように変更される。そして、この状態では張込スイッチSW0、通風乾燥スイッチSW1あるいは排出スイッチSW3をON操作しても、これらの張込作業、通風乾燥作業、穀物排出作業には移行しなくなる。そして、増加スイッチSW9及び減少スイッチSW10を操作してタイマ制御による乾燥時間を設定し、乾燥スイッチSW2をONして乾燥作業を開始し、設定乾燥時間が終了すると乾燥作業が自動的に停止され、停止スイッチSW4のONにより乾燥作業が終了する。
【0035】
また、水分値制御切りスイッチ38をOFFにすると、水分値停止乾燥制御あるいはタイマ乾燥制御の可能な自動乾燥モードに復帰すると共に、水分値制御切りスイッチ38のON操作前の目標水分値設定の状態に戻される構成である。
【0036】
また、水分値制御切りスイッチ38がOFF状態の待機状態では、水分値設定スイッチSW7をONする毎に、水分設定表示装置35の水分表示部5aの水分値が11、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、17、18%、及び、水分値設定スイッチSW7に順次切り替えられ、その度に該当する水分値表示装置35bが点灯する。また、水分値設定スイッチSW7がONの状態では、水分値設定スイッチSW7をONする毎に、水分値設定スイッチSW7を除いて、水分設定表示装置35の水分値が11、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、17、18%に順次切り替えられ、その度に水分値表示装置35bが点灯する。
【0037】
従来構成にあっては、自動乾燥モードにおいて水分値乾燥停止制御の切りモードがないため、小麦等の乾燥作業時には例えば12%の目標水分値以下になると、水分計による停止制御によりすぐに乾燥作業が停止し、12%以下の希望水分値まで乾燥できないという不具合があった。
【0038】
しかし、前記構成によると、水分値制御切りスイッチ38をONする簡単な操作により、水分値停止乾燥制御からタイマ乾燥制御に移行することができ、麦類の低水分乾燥作業及び籾の追い乾燥作業に対応することができ、前記不具合を解消することができる。また、水分値制御切りスイッチ38をOFFにし、自動乾燥モードに復帰させると、前回作業時の仕上げ目標水分値に設定された状態で復帰するので、目標水分値を再度設定する必要がなく、復帰操作を簡単にすることができる。
【0039】
次に、もち籾乾燥時におけるもち米のはぜ率(白化率)精度の向上策について説明する。
もち米の乾燥作業時には、所定サンプル粒数の平均水分値が目標水分値に到達により乾燥作業を停止するのではなく、所定サンプル粒数の平均水分値が例えば14%の目標水分値に到達し、且つ、目標水分値に到達したサンプル粒数が所定比率以上になると、乾燥作業を停止するものである。
【0040】
もち籾の乾燥では目標水分値に合わて乾燥作業を停止するよりも、乾燥仕上がり時のはぜている(白化)ことがより大切である。もち米の白化の条件は水分値が14%以下ということとぐらいしか判明していないため、乾燥を進めて水分値を減らしすぎると、胴割れ等の不具合が生じる場合がある。また、もち米の白化度合いを目視確認する必要があるために手間がかかる。また、単に目標水分値の平均値が14%以下になっても、バラツキが広範囲であると白化している穀粒数が多くなることがある。このような不具合を解消しようとするものである。
【0041】
出願人はクレナイもちについてうるち籾のはぜ率の試験データを得た。即ち、全体の水分値では仕上げ水分値が14%台だと白化した割合が75%〜80%程度だったのに対し、13%台半ばまで乾燥すると白化した割合が90%にまで到達する。すなわち、単粒レベルの水分値が14%以上であると、はぜ率が低下することである。
【0042】
しかして、一粒式水分計26により水分値測定をし、全サンプル粒数中に14%以下の水分値の粒数が例えば9〜8割になると、目標水分値に到達したと判定し、乾燥作業を停止するものである。
【0043】
また、
図5(A)に示すように、サンプル粒数の水分値が13%〜15%までの狭い範囲に分布し、14%のところに水分値の分布の山があり、且つ、14%以下の水分値の穀粒が基準比率(例えば、90〜80%)を超えている場合には、乾燥作業を停止する。
【0044】
また、
図5(B)に示すように、サンプル粒数の水分値が13%〜15%の範囲に分布し、13%と15%のところに水分値分布の山がり広い範囲にわたりバラツキがあり、且つ、水分値14%以下の穀粒数が前記基準比率を超えていても乾燥作業の停止をしないで、所定時間の休止乾燥(熱風乾燥を停止し、吸引ファン7を駆動した通風乾燥)に移行し、水分値の均一化を図った後に停止する。
【0045】
また、乾燥作業開始時あるいは乾燥作業開始直後の例えば水分値18%のサンプル粒毎の水分値を測定し、バラツキが大きい場合には、はぜ率が低くなると判定し、熱風乾燥作業を停止して所定時間にわたり乾燥作業を停止したり、あるいは、通風乾燥をしたり、あるいは、左右の繰出バルブ10,10の繰り出し時間を長短に変更し、貯溜室2の穀粒層の混合を図りながら水分値のバラツキの解消を図り、その後に熱風乾燥作業を開始する。このようにすることにより、はぜ率の精度向上を図ることができる。
【0046】
また、サンプル粒の水分値の標準偏差も乾燥制御の停止要素とし、目標水分値付近の測定データが「標準偏差α<所定値」で且つ平均水分値14%以下のときに乾燥作業を終了するようにすると、はぜ率の精度向上を図ることができる。
【0047】
また、乾燥作業中の水分値が「測定水分値≦目標水分値+1.5%」になると、水分値測定の時間間隔を狭くして水分値を測定し、目標水分値付近の測定データが「標準偏差α<所定値」で且つ平均水分値14%以下のときに、熱風乾燥作業を終了するようにしても、はぜ率の精度向上を図ることができる。
【0048】
また、乾燥作業の水分値が「測定水分値≦目標水分値+1.5%」になると、水分値測定の時間間隔を狭くして水分値測定をし、目標水分値付近の測定データが「標準偏差α>所定値」で且つ平均水分値14%以下のときには、熱風乾燥作業を停止して所定時間にわたり乾燥作業を停止したり、あるいは、所定時間にわたり通風乾燥をしたり、あるいは、所定時間にわたり左右の繰出バルブ10,10の繰り出し時間を長短に変更し、貯溜室2の穀粒層を混合しながらバラツキの解消を図り、その後に乾燥作業を終了するようにしても、はぜ率の精度向上を図ることができる。
【0049】
また、乾燥停止にあたり、熱風発生用のバーナ5を停止し、その後に吸引ファン7を所定時間駆動して停止するまでの時間を、うるち籾乾燥モードのときには、例えば4分間とし、もち籾乾燥モードのときには、例えば短い2分間とする。そして、前記排出スイッチSW3をオンし穀粒排出時には、うるち籾乾燥モードのときには、吸引ファン7を駆動しながら穀粒を排出し、もち籾乾燥モードのときには、吸引ファン7の駆動を停止する。
【0050】
前記構成によると、操作を簡単にしながら、うるち籾乾燥終了後の穀温を迅速に冷却してすぐに籾摺作業に移ることができ、また、もち籾乾燥終了後の穀温を高い状態で保持すると、はぜ率を促進させることができる。
【0051】
また、もち籾乾燥モードにおいて、乾燥停止にあたり、バーナ5を停止し、その後に吸引ファン7を所定時間駆動して停止する際に、バーナ5で発生した熱風を放射体6におくり遠赤外線を発生させながら穀粒を乾燥するタイプでは、放射体の温度を放射体温度センサ(図示省略)で検出し、不具合の発生しない温度まで放射体が冷却されると、吸引ファン7の駆動を停止するように構成する。前記構成によると、操作を簡単化にしながら、もち籾乾燥終了後の穀温を比較的高く保持し、水分の移行を促進して水分値を均一化しははぜ率を促進させることができる。
【0052】
また、もち籾乾燥モードにおいて、乾燥停止にあたり、バーナ5を停止し、その後に吸引ファン7を所定時間駆動して停止する際に、前記熱風温度センサSE2により熱風温度を検出すると共に、外気温度センサSE1により外気温度を検出し、外気温度と熱風温度との差が例えば10度以下になると、吸引ファン7の駆動を停止するように構成する。前記構成によると、操作を簡単にしながら、もち籾乾燥終了後の穀温を比較的高く保持し、水分の移行を促進して水分値を均一化しははぜ率を促進させることができる。
【0053】
また、もち籾乾燥モードにおいて、乾燥停止時にバーナ5を停止し、その後に吸引ファン7を所定時間駆動して停止し乾燥作業を終了するにあたり、目標水分値に近くなると、バーナ5の燃焼量を通常よりも多くして穀粒温度を高くし、その後にバーナ5を停止し、次いで吸引ファン7を所定時間駆動して停止するように構成しても、穀温を高くして水分の移行を促進し、水分値を均一化しははぜ率を促進させることができる。
【0054】
また、もち籾乾燥モード及びうるち籾乾燥モードにおいて、乾燥作業を停止するにあたり、バーナ5を停止し、次いで吸引ファン7を所定時間駆動して停止し乾燥作業を終了するにあたり、穀粒の張込量から一循環に要する時間を所定の計算式により算出する。そして、何回循環させて乾燥作業を終了させるかを、オペレータが設定スイッチ(図示省略)により設定し、吸引ファン7の駆動時間を長短に設定できる。前記構成によると、もち籾乾燥モードあるいはうるち籾乾燥モードに合った穀温で乾燥作業を終了させることができる。
【0055】
(水分表示)
次に、水分の表示について説明する。
穀物乾燥機の操作盤31に備えた情報表示部32の表示形態は、水分分布の表示例を
図6に示すように、横軸の複数の検出値区分別に検出数を縦軸にとり、水分値のバラつきをグラフ表示する。機体内を1循環する乾燥対象の穀物について水分値を測定することにより、乾燥穀物全体についてバラつきの程度を幅と高さによって容易に把握することができる。
【0056】
上記グラフに重ねて検出平均水分値を対応位置にライン表示(図例は16.3%)し、また、乾燥目標水分値(図例は14.5%)をライン表示することにより、測定時点における水分値から目標値までの差をライン相互間の距離として容易に把握することができる。
【0057】
上記表示により、穀物全体の水分値のバラツキを含む乾燥運転中の乾燥経過を把握することができ、また、乾燥運転休止の際は、休止直前の測定結果を情報表示部32に表示した上で乾燥運転休止の間についてその表示を維持することにより、乾燥運転休止前の水分状態の把握が可能となり、これに基づいて、後工程の見通しの判断が可能となる。
【0058】
また、乾燥運転の休止中において、一定時間ごとに1循環の循環運転とともに水分測定を実施し、その測定結果を上記情報表示部32に反映表示することにより、休止中の水分分布の変化を把握することができる。
【0059】
(餅籾乾燥)
餅籾の乾燥については、乾燥運転とその休止とを餅籾用に制御するための餅籾乾燥モードを設け、乾燥運転によって所定の中間水分値に達した時と、所定の目標近傍水分値に達した時に、それぞれ乾燥運転を休止する制御を構成する。
【0060】
上記餅籾乾燥モードの適用により、乾燥運転によって所定の中間水分値に達した時と、所定の目標近傍水分値に達した時に、それぞれ乾燥運転が休止し、特に、目標近傍水分値を目標到達水分値+1〜2%とすることで餅籾の白化が促進されることから、餅籾の乾燥品質を確保することができる。
【0061】
餅籾の白化率は、水分測定全個数に対する測定水分値が14.5%以下の個数率として算出され、水分値表示用の7セグ表示部を利用して上記白化率を交互表示可能に構成することにより、経験値の数値化に基づいた餅籾の乾燥品質管理が可能となる。
【0062】
また、増減スイッチを設けて目標近傍水分値の設定調節を可能に構成し、餅籾の品種に対応した目標近傍水分値で乾燥運転休止を実施することにより、白化率を確保することができるので、白化基準が異なる特性を有する多様な品種の餅籾に対応することができる。
【0063】
次に、餅籾乾燥モードにおける休止時間の設定については、設定手順チャートを
図7に示すように、操作盤31の穀物種類設定スイッチSW6による餅籾乾燥モードの選択に続いて、自動設定と手動設定とをタッチパネル式の情報表示部32等によって切換え操作可能に構成する。
【0064】
自動設定の場合は、穀物乾燥機の条件別の具体的な算出例を
図8に示すように、張込量と初期水分値と水分分布とによって算出される標準の休止時間を適用する。また、手動設定の場合は、休止の有無を含め、利用者が任意に設定した休止時間を適用する。
【0065】
このように、餅籾乾燥に際して、穀物種類設定スイッチSW6によって餅籾乾燥モードを選択すると、乾燥運転の休止仕様について自動設定と手動設定の切換え操作が可能となり、標準的な餅籾については、自動設定の選択によって煩雑な計算を要することなく適切な休止仕様によって高品質の乾燥を確保することができる休止時間が適用され、また、手動設定により、特性差を有する餅籾について経験則による取扱いが可能となることから、多様な品種にわたる餅籾の乾燥について幅広く対応することができる。
【0066】
また、餅籾乾燥の際の休止時間について、別の設定方法を説明すると、休止タイミングを水分値が18%と15%の2回とし、休止時間を任意可変の1入力(例えば、6時間)とし、各回の休止時間を等分(3時間ずつ)とし、これに加えて水分ムラの大きさにより、ムラの個数が1個増えるごとに上記休止時間を1時間延長するように餅籾乾燥運転制御を構成する。
【0067】
上記構成の餅籾乾燥運転制御により、水分ムラを踏まえた2回の休止工程の設定について、個々の時間設定に伴う煩わしい取扱いを要することなく、簡易な1入力による休止時間の設定が可能となることから、2回の休止工程に伴う効果的な馴染み作用によって水分ムラを解消する細やかな最適餅籾乾燥が簡単な設定によって可能となる。