特許第6299415号(P6299415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6299415
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】ステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 6/00 20060101AFI20180319BHJP
   B62D 101/00 20060101ALN20180319BHJP
   B62D 119/00 20060101ALN20180319BHJP
   B62D 137/00 20060101ALN20180319BHJP
【FI】
   B62D6/00ZYW
   B62D101:00
   B62D119:00
   B62D137:00
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-102489(P2014-102489)
(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公開番号】特開2015-217793(P2015-217793A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2017年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】玉泉 晴天
【審査官】 飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−040179(JP,A)
【文献】 特開2001−022444(JP,A)
【文献】 特開2007−137283(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0145575(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0058629(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 6/00
B62D 101/00 −137/00
B60W 10/00 − 50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の操舵機構にアシスト力を付与するモータと、
前記モータの出力トルクの目標値に対応するアシスト指令値に基づき前記モータの駆動を制御するモータ制御部と、を備え、
前記モータ制御部は、
ステアリング操作に伴い車両のステアリングホイールに付与される操舵トルクを含む入力値に基づき転舵輪の転舵角の目標値に対応する角度指令値を演算する角度指令値演算部と、
前記転舵輪の実際の転舵角を前記角度指令値に追従させる角度フィードバック制御の実行によりアシスト成分を演算する角度フィードバック制御部と、
前記アシスト成分を基礎として前記アシスト指令値を演算するアシスト指令値演算部と、
車両の走行状態を示す状態量の目標値に対応する状態量指令値を設定する状態量指令値設定部と、
車両の実際の状態量と前記状態量指令値との偏差に基づき補正値を演算する補正値演算部と、を備え、
前記角度指令値演算部の入力値を前記補正値に基づき補正することを特徴とするステアリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のステアリング装置において、
車両の走行路の情報を検出する走行路検出部と、
前記車両の速度を検出する車速センサと、
車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサと、を備え、
前記状態量指令値設定部は、前記走行路検出部により検出される走行路の情報に基づき走行路内の車両走行を維持することのできる目標走行ラインを設定するとともに、車両の走行ラインを前記目標走行ラインに追従させることの可能なヨーレートの目標値に対応するヨーレート指令値を前記目標走行ライン及び前記車両の速度に基づき設定し、
前記補正値演算部は、前記ヨーレートセンサにより検出されるヨーレートと前記ヨーレート指令値との偏差に基づき前記補正値を演算することを特徴とするステアリング装置。
【請求項3】
請求項1に記載のステアリング装置において、
車両の走行路の情報を検出する走行路検出部を更に備え、
前記角度指令値を第1角度指令値とするとき、
前記状態量指令値設定部は、前記走行路検出部により検出される走行路の情報に基づき走行路内の車両走行を維持することのできる目標走行ラインを設定するとともに、車両の走行ラインを前記目標走行ラインに追従させることの可能な転舵角の目標値に対応する第2角度指令値を前記目標走行ラインに基づき設定し、
前記補正値演算部は、前記車両の実際の転舵角に代えて前記第1角度指令値を用いて、前記第1角度指令値と前記第2角度指令値との偏差に基づき前記補正値を演算することを特徴とするステアリング装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のステアリング装置において、
前記補正値演算部は、前記偏差が大きくなるほど、前記補正値の絶対値をより大きい値に設定することを特徴とするステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータのアシスト力を操舵機構に付与することにより運転者の車両走行を支援するステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電動パワーステアリング装置の一つとして、走行路内の車両走行を維持し易くなるようにモータから操舵機構にアシスト力を付与する、いわゆるレーンキープアシスト制御を実行する装置がある(特許文献1参照)。特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、車両前方を撮像する撮像装置、車両の操舵機構にアシスト力を付与するモータ、及びモータの駆動を制御する制御装置を備えている。制御装置は、撮像装置により取得される車両前方の画像データから車両進行方向の車線の情報を取得するとともに、取得した車線の情報に基づき車両の目標走行ラインを設定する。そして、制御装置は、車両の実際の走行ラインが目標走行ラインからずれた場合には、車両の実際の走行ラインを目標走行ラインに戻すようなアシスト力を操舵機構に付与すべくモータの駆動を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−232704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、操舵機構の駆動の際に操舵機構に発生する摩擦力や慣性力等は車両によって異なる。そのため、操舵機構に発生する摩擦力や慣性力等が異なる2つの車両では、モータの駆動制御を同様に行ったとしても、実際に操舵機構に付与されるアシスト力にばらつきが生じる。こうしたアシスト力のばらつきによりレーンキープアシスト制御の応答性にばらつきが生じてしまい、運転者に違和感を与えていた。
【0005】
なお、このような課題は、レーンキープアシスト制御を実行するステアリング装置に限らず、モータのアシスト力を操舵機構に付与することにより運転者の車両走行を支援する各種の走行支援制御を実行するステアリング装置に共通する課題である。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、走行支援制御の応答性のばらつきを抑制することのできるステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するステアリング装置は、車両の操舵機構にアシスト力を付与するモータと、前記モータの出力トルクの目標値に対応するアシスト指令値に基づき前記モータの駆動を制御するモータ制御部と、を備え、前記モータ制御部は、ステアリング操作に伴い車両のステアリングホイールに付与される操舵トルクを含む入力値に基づき転舵輪の転舵角の目標値に対応する角度指令値を演算する角度指令値演算部と、前記転舵輪の実際の転舵角を前記角度指令値に追従させる角度フィードバック制御の実行によりアシスト成分を演算する角度フィードバック制御部と、前記アシスト成分を基礎として前記アシスト指令値を演算するアシスト指令値演算部と、車両の走行状態を示す状態量の目標値に対応する状態量指令値を設定する状態量指令値設定部と、車両の実際の状態量と前記状態量指令値との偏差に基づき補正値を演算する補正値演算部と、を備え、前記角度指令値演算部の入力値を前記補正値に基づき補正する。
【0008】
この構成によれば、角度フィードバック制御を通じて得られるアシスト成分がアシスト指令値に含まれることにより、アシスト指令値に基づくアシスト力が操舵機構に付与されると、実際の転舵角が角度指令値に追従する。この角度フィードバック制御により、操舵機構の駆動に際して操舵機構に摩擦力や慣性力等が生じる場合であれ、実際の転舵角が角度指令値に追従するようにアシスト力が調整される。結果的に、操舵機構に作用する摩擦力や慣性力等が打ち消された状態で操舵機構にアシスト力を付与することが可能となるため、車両間でのアシスト力のばらつきを抑制することができる。
【0009】
また、上記構成によれば、車両の実際の状態量が状態量指令値からずれると、それらの偏差に応じて補正値が設定されるとともに、設定された補正値に基づき角度指令値演算部の入力値が補正される。これにより、角度指令値演算部により演算される角度指令値が変化する。このとき、角度フィードバック制御部は、変化後の角度指令値に実際の転舵角を追従させるべくアシスト成分を設定するため、アシスト成分が変化する。したがって、アシスト指令値が変化し、モータのアシスト力が変化する。このアシスト力の変化により、車両の実際の状態量が状態量指令値に追従するため、運転者の車両走行を支援する走行支援制御を実現することができる。
【0010】
そして、以上説明した構成の協働により、車両間でのアシスト力のばらつきを抑制しつつ走行支援制御を実行することができるため、車両間での走行支援制御の応答性のばらつきを抑制することができる。
【0011】
上記ステアリング装置について、車両の走行路の情報を検出する走行路検出部と、前記車両の速度を検出する車速センサと、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサと、を備え、前記状態量指令値設定部は、前記走行路検出部により検出される走行路の情報に基づき走行路内の車両走行を維持することのできる目標走行ラインを設定するとともに、車両の走行ラインを前記目標走行ラインに追従させることの可能なヨーレートの目標値に対応するヨーレート指令値を前記目標走行ライン及び前記車両の速度に基づき設定し、前記補正値演算部は、前記ヨーレートセンサにより検出されるヨーレートと前記ヨーレート指令値との偏差に基づき前記補正値を演算することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、補正値に基づき角度指令値演算部の入力値が補正されることで、車両のヨーレートがヨーレート指令値に追従するように操舵機構に付与されるアシスト力が調整される。このアシスト力の調整により、車両の走行ラインを目標走行ラインに追従させることができるため、走行路内の車両走行を維持するレーンキープアシスト制御を実現することができる。
【0013】
上記ステアリング装置について、車両の走行路の情報を検出する走行路検出部を更に備え、前記角度指令値を第1角度指令値とするとき、前記状態量指令値設定部は、前記走行路検出部により検出される走行路の情報に基づき走行路内の車両走行を維持することのできる目標走行ラインを設定するとともに、車両の走行ラインを前記目標走行ラインに追従させることの可能な転舵角の目標値に対応する第2角度指令値を前記目標走行ラインに基づき設定し、前記補正値演算部は、前記車両の実際の転舵角に代えて前記第1角度指令値を用いて、前記第1角度指令値と前記第2角度指令値との偏差に基づき前記補正値を演算することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、補正値に基づき角度指令値演算部の入力値が補正されることで、車両の実際の転舵角が第2角度指令値に追従するようにモータのアシスト力が調整される。このアシスト力の調整により、車両の走行ラインを目標走行ラインに追従させることができるため、走行路内の車両走行を維持するレーンキープアシスト制御を実現することができる。また、上記構成のように、車両の実際の転舵角に代えて第1角度指令値を用いれば、例えば上述したヨーレートセンサのような補正値の演算のためだけに必要なセンサが不要となるため、構成を簡素化することができる。
【0015】
上記ステアリング装置について、前記補正値演算部は、前記偏差が大きくなるほど、前記補正値の絶対値をより大きい値に設定することが好ましい。
この構成によれば、例えばヨーレートセンサにより検出されるヨーレートとヨーレート指令値との偏差が大きくなるほど、すなわち車両の走行ラインが目標走行ラインからずれるほど、角度指令値演算部の入力値がより大きく補正される。したがって、アシスト指令値がより大きく補正される。これにより、車両の走行ラインを目標走行ラインに戻すようなアシスト力を操舵機構により大きく作用させることができるため、走行路からの車両の逸脱をより的確に抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、走行支援制御の応答性のばらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態のステアリング装置についてその概略構成を示すブロック図。
図2】実施形態のステアリング装置についてその電気的な構成を示すブロック図。
図3】実施形態のステアリング装置についてヨーレート指令値の設定方法の一例を説明するための図。
図4】車両の実ヨーレートYR及びヨーレート指令値YR*の偏差ΔYRと、補正値Tacとの関係を示すマップ。
図5】車両走行の一例を模式的に示す図。
図6】実施形態のステアリング装置における車両の実ヨーレートYRと操舵反力Fcとの関係を示すグラフ。
図7】ステアリング装置の変形例についてその電気的な構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、ステアリング装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、ステアリング装置1は、運転者のステアリングホイール20の操作に基づき転舵輪4を転舵させる操舵機構2と、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3とを備えている。
【0019】
操舵機構2は、ステアリングホイール20の回転軸となるステアリングシャフト21を備えている。ステアリングシャフト21の下端部はラックアンドピニオン機構22を介してラックシャフト23に連結されている。操舵機構2では、運転者のステアリングホイール20の操作(ステアリング操作)に伴いステアリングシャフト21が回転すると、その回転運動がラックアンドピニオン機構22を介してラックシャフト23の軸方向の往復直線運動に変換される。このラックシャフト23の軸方向の往復直線運動によりその両端に連結された転舵輪4の転舵角θtが変化し、車両の進行方向が変化する。
【0020】
アシスト機構3は、減速機構30を介してステアリングシャフト21に連結されたモータ31を備えている。モータ31はブラシレスモータからなる。アシスト機構3では、モータ31の出力軸31aの回転を減速機構30を介してステアリングシャフト21に伝達することでステアリングシャフト21にトルクを付与し、運転者のステアリング操作を補助する。
【0021】
ステアリング装置1には、ステアリングホイール20の操作量や車両の状態量を検出する各種センサが設けられている。例えばステアリングシャフト21には、運転者のステアリング操作に際してステアリングホイール20に付与される操舵トルクThを検出するトルクセンサ5が設けられている。なお、本実施形態の操舵トルクThの正負の符号は、右操舵方向の操舵トルクを正とし、左操舵方向の操舵トルクを負として定義されている。モータ31には、その回転角θmを検出する回転角センサ6が設けられている。車両には、その走行速度Vを検出する車速センサ7、車両のヨーレートYRを検出するヨーレートセンサ8、及び車両前方を撮像する撮像装置9が設けられている。なお、本実施形態のヨーレートYRの正負の符号は、右操舵時の車両のヨー角の変化方向を正とし、左操舵時の車両のヨー角の変化方向を負として定義されている。撮像装置9はCCDカメラ等からなり、撮像した車両前方の画像データGDを出力する。これらの出力はモータ制御装置(モータ制御部)10に取り込まれる。モータ制御装置10は、各センサ5〜8により検出される各種状態量、及び撮像装置9により撮像される車両前方の画像データGDに基づきモータ31の駆動を制御する。
【0022】
図2に示すように、モータ制御装置10は、モータ31を駆動させるための駆動回路40、及び駆動回路40を介してモータ31の駆動を制御するマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する)41を備えている。駆動回路40は、車載バッテリなどの電源(電源電圧「+Vcc」)から供給される直流電力を三相(U相,V相,W相)の交流電力に変換する周知のインバータ回路からなる。駆動回路40は、マイコン41からの制御信号Scに基づき三相の交流電力を生成し、生成した三相の交流電力を各相に対応した給電線Weを介してモータ31に供給する。給電線Weには、モータ31に供給される各相電流値Iを検出する電流センサ42が設けられている。なお、図2では、便宜上、各相の給電線We及び各相の電流センサ42をそれぞれ一つにまとめて図示している。電流センサ42の出力はマイコン41に取り込まれる。
【0023】
マイコン41は、各センサ5〜8,42により検出される操舵トルクTh、車速V、ヨーレートYR、モータ回転角θm、及び各相電流値I、並びに撮像装置9から出力される画像データGDに基づき制御信号Scを生成する。
【0024】
詳しくは、マイコン41は、アシスト指令値演算部43、電流指令値演算部44、制御信号生成部45、転舵角演算部46、及びヨーレート指令値設定部47を有している。なお、本実施形態では、ヨーレート指令値設定部47が状態量指令値設定部に対応する。
【0025】
ヨーレート指令値設定部47は車速V及び車両前方の画像データGDに基づきヨーレート指令値YR*を演算する。ヨーレート指令値YR*は、走行路内の車両走行を維持することの可能な車両のヨーレートの目標値に対応する。例えば図3に示すように、車両が実線の位置P1に位置しているとする。このとき、ヨーレート指令値設定部47は、画像データGDに対して二値化処理等の画像処理を施すことにより車両前方の走行路に印字された左右の車線LL,LRの情報を取得する。そして、取得した左右の車線LL,LRの情報からそれらの中央線、すなわち図中に示す破線を車両の目標走行ラインLTとして設定する。ここで、ヨーレート指令値設定部47は、目標走行ラインLTが曲線であると判断した場合、目標走行ラインLTの曲率半径Rを演算し、演算した曲率半径R及び車速Vに基づきヨーレート指令値YR*を設定する。ヨーレート指令値YR*の設定は例えば次のように行われる。
【0026】
ヨーレート指令値設定部47によるヨーレート指令値YR*の演算周期を「t」とした場合、車速Vの車両が現在の位置P1から時間tが経過するまで目標走行ラインLT上を走行した場合、時間t経過後に車両は図中に二点鎖線で示す位置P2まで移動することになる。この場合、位置P1から位置P2までの車両の走行距離、すなわち位置P1と位置P2とを結ぶ破線の円弧の長さは車速Vと時間tとを乗算することで求めることができる。したがって、曲率半径Rの中心点Oと車両位置P1とを結ぶ直線を「m1」とし、曲率半径Rの中心点Oと車両位置P2とを結ぶ直線を「m2」とするとき、直線m1と直線m2とがなす角度θは、以下の式(1)により求めることができる。
【0027】
θ=360°×V×t/(2×π×R) ・・・(1)
一方、車両が位置P1から位置P2まで目標走行ラインLT上を走行するためには、位置P2での車両のヨー角ψ2が、位置P1での車両のヨー角ψ1に対して角度Δψだけ変化する必要がある。ここで、この角度Δψは角度θに等しい。すなわち、角度Δψは式(1)の右辺により演算することが可能である。そして、角度Δψを時間tで除算した値が、車両の走行ラインを目標走行ラインLTに沿って変化させることの可能な車両のヨーレートとなる。すなわち、ヨーレート指令値YR*は以下の式(2)により求めることができる。
【0028】
YR*=360°×V/(2×π×R) ・・・(2)
ヨーレート指令値設定部47は、例えば以上のような演算方法によりヨーレート指令値YR*を所定の演算周期で演算した後、演算したヨーレート指令値YR*に正負の符号を付す。具体的には、ヨーレート指令値設定部47は、車両の現在位置P1から見て目標走行ラインLTが車両右方向に湾曲している場合には、ヨーレート指令値YR*の符号を正に設定し、車両の現在位置P1から見て目標走行ラインLTが車両左方向に湾曲している場合には、ヨーレート指令値YR*の符号を負に設定する。なお、ヨーレート指令値設定部47は、目標走行ラインLTが直線であると判断した場合、ヨーレート指令値YR*を「0」に設定する。図2に示すように、ヨーレート指令値設定部47は、このようにして演算したヨーレート指令値YR*をアシスト指令値演算部43に出力する。
【0029】
転舵角演算部46は、モータ回転角θmに基づき転舵輪4の実際の転舵角θtを演算する。すなわち、図1に示すように、本実施形態のステアリング装置1では、モータ31の出力軸31aが減速機構30を介してステアリングシャフト21に機械的に連結されているため、モータ回転角θmとステアリングシャフト21の回転角との間には相関関係がある。したがって、モータ回転角θmと転舵輪4の転舵角θtとの間にも相関関係がある。転舵角演算部46は、こうした相関関係を利用してモータ回転角θmから転舵輪4の実転舵角θtを演算する。なお、本実施形態では、転舵角θtは、ステアリングホイール20が中立位置に位置しているときの回転角を基準角(「0°」)として設定されている。また、転舵角θtの正負の符号は、右操舵時の変化方向を正とし、左操舵時の変化方向を負として定義されている。図2に示すように、転舵角演算部46は、演算した実転舵角θtをアシスト指令値演算部43に出力する。
【0030】
アシスト指令値演算部43は、操舵トルクTh、車速V、ヨーレートYR、ヨーレート指令値YR*、及び実転舵角θtに基づきアシスト指令値Ta*を演算する。アシスト指令値Ta*はモータ31の出力トルクの目標値に対応する。なお、本実施形態のアシスト指令値Ta*は、ステアリングシャフト21に対して右操舵方向のアシスト力を付与する方向を正とし、ステアリングシャフト21に対して左操舵方向のアシスト力を付与する方向を負として定義されている。アシスト指令値演算部43は、基本アシスト成分演算部50、補正値演算部51、角度指令値演算部52、及び角度フィードバック(F/B)制御部53により構成される。
【0031】
基本アシスト成分演算部50は、操舵トルクTh及び車速Vに基づき第1アシスト成分Ta1*を演算する。第1アシスト成分Ta1*はアシスト指令値Ta*の基礎成分である。基本アシスト成分演算部50は、例えば操舵トルクThの絶対値が大きくなるほど、また車速Vが遅くなるほど第1アシスト成分Ta1*の絶対値をより大きな値に設定する。基本アシスト成分演算部50は、演算した第1アシスト成分Ta1*を加算器54,55にそれぞれ出力する。加算器55は、基本アシスト成分演算部50により演算された第1アシスト成分Ta1*に操舵トルクThを加算することにより入力値Tin1(Ta1*+Th)を演算し、演算した入力値Tin1を減算器56に出力する。
【0032】
一方、アシスト指令値演算部43は、実ヨーレートYRからヨーレート指令値YR*を減算することによりそれらの偏差ΔYR(=YR−YR*)を演算する減算器57を有している。減算器57は、演算した偏差ΔYRを補正値演算部51に出力する。
【0033】
補正値演算部51は偏差ΔYRに基づき補正値Tacを演算する。補正値演算部51は、例えば図4に示すマップに基づいて、偏差ΔYRの絶対値が大きくなるほど補正値Tacの絶対値をより大きい値に設定する。図2に示すように、補正値演算部51は、演算した補正値Tacを減算器56に出力する。減算器56は、入力値Tin1に対して補正値Tacを減算する補正を施し、補正後の入力値Tin2(=Tin1−Tac)を角度指令値演算部52に出力する。
【0034】
角度指令値演算部52は入力値Tin2から理想モデルに基づき角度指令値θt1*を演算する。角度指令値θt1*は転舵輪4の転舵角θtの目標値に対応する。理想モデルは、補正前の入力値Tin1、すなわち操舵トルクTh及び第1アシスト成分Ta1*の加算値に応じた理想的な転舵角θtを実験等により測定し、その測定結果をモデル化したものである。角度指令値演算部52は、理想モデルに基づき演算した角度指令値θt1*を角度フィードバック(F/B)制御部53に出力する。
【0035】
角度フィードバック制御部53には、角度指令値θt1*に加え、実転舵角θtも入力される。角度フィードバック制御部53は実転舵角θtを角度指令値θt1*に追従させるべく、それらの偏差に基づく角度フィードバック制御を行うことにより第2アシスト成分Ta2*を演算し、演算した第2アシスト成分Ta2*を加算器54に出力する。加算器54は、第1アシスト成分Ta1*と第2アシスト成分Ta2*とを加算することによりアシスト指令値Ta*(=Ta1*+Ta2*)を求める。アシスト指令値演算部43は、このようにして演算されたアシスト指令値Ta*を電流指令値演算部44に出力する。
【0036】
電流指令値演算部44はアシスト指令値Ta*に基づきd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を演算する。d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*は、d/q座標系におけるモータ31の供給電流の目標値に対応する。具体的には、アシスト指令値Ta*に基づきq軸電流指令値Iq*を演算し、演算したq軸電流指令値Iq*を制御信号生成部45に出力する。なお、本実施形態では、d軸電流指令値Id*は「0」に設定されており、電流指令値演算部44は、このd軸電流指令値Id*も制御信号生成部45に出力する。
【0037】
制御信号生成部45には、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*に加え、各相電流値I及びモータ回転角θmが入力される。制御信号生成部45は、これらの値に基づき制御信号Scを生成する。詳しくは、制御信号生成部45は、モータ回転角θmに基づき各相電流値Iをd/q座標系に写像することにより、d/q座標系におけるモータ31の実際の電流値であるd軸電流値及びq軸電流値を演算する。そして、制御信号生成部45は、実際のd軸電流値をd軸電流指令値Id*に追従させるべく、また実際のq軸電流値をq軸電流指令値Iq*に追従させるべく、それぞれの偏差に基づく電流フィードバック制御を行うことにより制御信号Scを生成する。マイコン41は、このようにして演算された制御信号Scを駆動回路40に出力する。これにより、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*に応じた三相の交流電力が駆動回路40から給電線Weを介してモータ31に供給され、モータ31が駆動する。その結果、アシスト指令値Ta*に応じたアシスト力がモータ31からステアリングシャフト21に付与されるアシスト制御が実行される。
【0038】
以上説明した構成によれば、以下の(1)〜(4)に示すような作用及び効果を得ることができる。
(1)角度フィードバック制御を通じて得られる第2アシスト成分Ta2*がアシスト指令値Ta*に含まれることにより、アシスト指令値Ta*に基づくアシスト力がステアリングシャフト21に付与されると、実転舵角θtが角度指令値θt1*に追従する。この角度フィードバック制御により、操舵機構2の駆動に際して操舵機構2に摩擦力や慣性力等が生じる場合であれ、実転舵角θtが角度指令値θt1*に追従するようにアシスト力が調整される。結果的に、操舵機構2に作用する摩擦力や慣性力等が打ち消された状態で操舵機構2にアシスト力を付与することが可能となるため、車両間でのアシスト力のばらつきを抑制することができる。
【0039】
(2)本実施形態では、操舵トルクTh及び第1アシスト成分Ta1*の加算値と角度指令値θt1*との関係を示す理想モデルを作成し、その理想モデルに基づいて角度指令値θt1*を設定するため、操舵トルクTh及び第1アシスト成分Ta1*の加算値に応じた実転舵角θtの変化を理想モデルにより定めることができる。すなわち、運転者のステアリング操作に応じた車両の挙動を理想モデルにより定めることができる。したがって、理想モデルを適宜調整することにより、所望の操舵感を実現することができる。
【0040】
(3)例えば車両の実ヨーレートYRがヨーレート指令値YR*よりも大きい値である場合、図5に示すように、車両の走行ラインLCは図中に二点鎖線で示すように目標走行ラインLTよりも車両右方向にずれる。このような場合、実ヨーレートYRとヨーレート指令値YR*との偏差ΔYRは正の値となるため、補正値演算部51により演算される補正値Tacが正の値に設定される。したがって、入力値Tin2が減少するため、角度指令値演算部52により演算される角度指令値θt1*は負の方向に変化する。すなわち、角度指令値θt1*は左操舵方向に変化する。このとき、角度フィードバック制御部53は、変化後の角度指令値θt1*に実転舵角θtを追従させるべく第2アシスト成分Ta2*を設定するため、第2アシスト成分Ta2*は負の値に設定される。したがって、アシスト指令値Ta*が減少するため、ステアリングシャフト21に付与されるアシスト力が負の方向に変化する。このアシスト力の変化により、ステアリングホイール20の右操舵を妨げる操舵反力、換言すれば実ヨーレートYRの増加を妨げる操舵反力が操舵機構2に作用する。
【0041】
また、本実施形態では、図4に示すように、実ヨーレートYRとヨーレート指令値YR*との偏差ΔYRが大きくなるほど補正値Tacの絶対値が大きくなるため、角度指令値θt1*がより大きく変化する。すなわち、第2アシスト成分Ta2*がより大きく変化するため、操舵反力もより大きくなる。図6は、操舵反力Fcと実ヨーレートYRとの関係を示したものである。なお、図6における操舵反力Fcの正負の符号は、右操舵方向の操舵反力を正とし、左操舵方向の操舵反力を負として定義されている。図6に示すように、実ヨーレートYRがヨーレート指令値YR*よりも大きくなるほど、操舵反力Fcは負の方向に大きくなる。すなわち、操舵反力Fcはステアリングホイール20の右操舵を妨げる方向に大きくなるため、実ヨーレートYRをヨーレート指令値YR*に戻すことができる。また、実ヨーレートYRがヨーレート指令値YR*よりも小さくなるほど、操舵反力Fcはステアリングホイール20の左操舵を妨げる方向に大きくなるため、この場合にも実ヨーレートYRをヨーレート指令値YR*に戻すことができる。こうした操舵反力Fcにより、実ヨーレートYRをヨーレート指令値YR*に追従させるような操舵が自然に行われる。すなわち、車両の走行ラインが目標走行ラインLTに追従するように運転者の車両操舵を支援することができるため、走行路内の車両走行を維持するレーンキープアシスト制御を実現することができる。
【0042】
(4)上記の(1)及び(3)で説明した構成の協働により、車両間でのアシスト力のばらつきを抑制しつつレーンキープアシスト制御を実行することができるため、車両間での走行支援制御の応答性のばらつきを抑制することができる。
【0043】
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態のヨーレート指令値設定部47では、目標走行ラインLTの曲率半径R及び車速Vから式(2)に基づいてヨーレート指令値YR*を設定したが、ヨーレート指令値YR*の設定方法は適宜変更可能である。要は、ヨーレート指令値設定部47は、目標走行ラインLT及び車速Vに基づいてヨーレート指令値YR*を設定するものであればよい。
【0044】
・上記実施形態の補正値演算部51では、左右の車線LL,LRの中央線を目標走行ラインLTとして設定したが、目標走行ラインLTの設定方法はこれに限定されない。例えば車線LL,LRのいずれか一方に基づいて目標走行ラインLTを設定してもよい。
【0045】
・上記実施形態では、車両の走行路の情報を検出する走行路検出部として撮像装置9を用いたが、走行路検出部はこれに限定されない。走行路検出部として例えばカーナビゲーション装置とGPS装置とを用いることにより、カーナビゲーション装置に予め記憶された道路情報と、GPS(Global Positioning System)により検出される車両の現在位置とに基づいて、車両の走行路の情報を取得してもよい。
【0046】
・上記実施形態の補正値演算部51では、図4に示すマップに基づいて偏差ΔYRの絶対値が大きくなるほど補正値Tacの絶対値をより大きい値に設定したが、補正値Tacの設定方法は適宜変更可能である。例えば補正値演算部51では、偏差ΔYRの絶対値が所定の閾値(>0)以上であるか否かを判定し、偏差ΔYRの絶対値が所定の閾値以上であると判定した場合、補正値Tacを予め設定された所定値(>0)に設定してもよい。また、偏差ΔYRと補正値Tacとの関係を演算式で定義できる場合には、その演算式に基づいて補正値Tacを演算してもよい。
【0047】
・上記実施形態の補正値演算部51では、実ヨーレートYRとヨーレート指令値YR*との偏差ΔYRに基づき補正値Tacを設定したが、ヨーレート以外の車両の走行状態を示す状態量、例えば車両の横加速度(横G)や転舵角θtに基づいて補正値Tacを設定してもよい。この場合、ヨーレート指令値設定部47に代えて、画像データGDから得られる目標走行ラインLTに基づき横加速度や転舵角θtの指令値(状態量指令値)を演算する適宜の指令値演算部を設ける必要がある。このような構成であれば、角度指令値演算部52の入力値Tin1が補正値Tacに基づき補正されることで、車両の横加速度や転舵角θtがそれらの指令値に追従するようにモータのアシスト力が調整される。このアシスト力の調整により、車両の走行ラインを目標走行ラインに追従させることができるため、走行路内の車両走行を維持するレーンキープアシスト制御を実現することができる。
【0048】
・上記実施形態では、角度フィードバック制御部53で実行される角度フィードバック制御により、実転舵角θtが角度指令値θt1*にほぼ一致する。したがって、転舵角θtに基づき補正値Tacを設定するという方法に代えて、角度指令値θt1*に基づき補正値Tacを設定するという方法も採用可能である。具体的には、図7に示すような構成を採用することが有効である。なお、図7では、便宜上、角度指令値演算部52により演算される角度指令値θt1*を「第1角度指令値」と称する。図7に示すように、この変形例のマイコン41は、ヨーレート指令値設定部47に代えて、角度指令値設定部48を有している。角度指令値設定部48は、車両前方の画像データGDに基づき第2角度指令値θt2*を演算する。第2角度指令値θt2*は、走行路内の車両走行を維持することの可能な車両の転舵角θtの目標値である。なお、本変形例では、角度指令値設定部48が状態量指令値設定部に対応する。角度指令値設定部48は、例えば画像データGDから取得した車線LL,LRの情報に基づき車両の目標走行ラインLTを設定し、その目標走行ラインLTの曲率半径Rに対応する第2角度指令値θt2*をマップ等を用いて設定する。減算器57は、角度指令値演算部52により演算された第1角度指令値θt1*から、角度指令値設定部48により設定された第2角度指令値θt2*を減算することによりそれらの偏差Δθt(=θt1*−θt2*)を演算する。補正値演算部51は、減算器57により演算された偏差Δθtに基づいて補正値Tacを演算する。このような構成であれば、上記実施形態で例示したヨーレートセンサ8、すなわち補正値Tacの演算のためだけに必要なセンサが不要となるため、構成を簡素化することができる。
【0049】
・上記実施形態のステアリング装置1は、レーンキープアシスト制御に限らず、低μ路走行時の車両のスリップを抑制するスリップ抑制制御等、各種の走行支援制御を実行するステアリング装置に適用可能である。上記実施形態のステアリング装置1にてスリップ抑制制御を実行する場合には、例えば次のような構成を採用すればよい。まず、ヨーレート指令値設定部47は、画像データGDから取得した車線LL,LRの曲率半径Rに基づいて、スリップ状態でない車両の理想的なヨーレートをヨーレート指令値YR*としてマップ演算する。減算器57は、上記実施形態と同様に、実ヨーレートYRとヨーレート指令値YR*との偏差ΔYR(=YR−YR*)を演算する。補正値演算部51は、偏差ΔYRの絶対値が予め設定された所定の閾値よりも大きい場合、車両がスリップ状態であると判定し、補正値Tacを所定値(>0)に設定する。このような構成であれば、例えば車両がスリップすることにより実ヨーレートYRがヨーレート指令値YR*からずれると、補正値Tacに対応した操舵反力Fcが操舵機構2に作用する。すなわち、カウンタステアが自動的に行われるため、車両のスリップ状態を抑制することができる。
【0050】
・上記実施形態の角度フィードバック制御部53では、転舵角θtに基づく角度フィードバック制御を行ったが、この角度フィードバック制御は、転舵角θtに換算可能な回転角、例えば操舵角等を用いてもよい。
【0051】
・上記実施形態では、回転角センサ6及び転舵角演算部46により転舵角θtを検出したが、転舵角θtを検出する回転角検出部はこれに限定されない。例えば転舵角θtを直接検出する回転角センサを用いてもよい。
【0052】
・上記実施形態のアシスト指令値演算部43では、基本アシスト成分演算部50により演算される第1アシスト成分Ta1*、及び角度フィードバック制御部53により演算される第2アシスト成分Ta2*に基づいてアシスト指令値Ta*を設定したが、それ以外の補償成分に基づいてアシスト指令値Ta*を設定してもよい。補償成分としては、例えば操舵トルクThに対する第1アシスト成分Ta1*の変化率(アシスト勾配)に基づく補償成分や、第1アシスト成分Ta1*の微分値に基づく補償成分を用いることができる。
【0053】
・上記実施形態の角度指令値演算部52は、理想モデルに基づいて角度指令値θt1*を演算するものに限らない。例えばマップ演算により角度指令値θt1*を演算するものであってもよい。また、角度指令値演算部52の入力値Tin2は、操舵トルクTh及び第1アシスト成分Ta1*の加算値から補正値Tacを減算した値に限らず、例えば操舵トルクThから補正値Tacを減算した値を用いても良い。
【0054】
・上記実施形態のモータ31はブラシレスモータであったが、ブラシ付きのモータであってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…ステアリング装置、2…操舵機構、4…転舵輪、7…車速センサ、8…ヨーレートセンサ、9…撮像装置(走行路検出部)、10…モータ制御装置(モータ制御部)、20…ステアリングホイール、31…モータ、43…アシスト指令値演算部、47…ヨーレート指令値設定部(状態量指令値設定部)、48…角度指令値設定部(状態量指令値設定部)、51…補正値演算部、52…角度指令値演算部、53…角度フィードバック制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7