(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6299483
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】昇降機能付き自走式搬送装置
(51)【国際特許分類】
B66C 13/06 20060101AFI20180319BHJP
B66C 11/04 20060101ALI20180319BHJP
【FI】
B66C13/06 A
B66C11/04
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-130899(P2014-130899)
(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公開番号】特開2016-8126(P2016-8126A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211695
【氏名又は名称】中西金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】岡嵜 吉洋
【審査官】
有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−063055(JP,A)
【文献】
特開昭49−026960(JP,A)
【文献】
特開昭50−048647(JP,A)
【文献】
特開平09−100629(JP,A)
【文献】
特開平07−315218(JP,A)
【文献】
米国特許第4790441(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0025612(US,A1)
【文献】
実開昭51−068161(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00─15/06
B66C 9/00─11/26
B66C 17/00─17/26
B66C 19/00─23/94
B66D 1/00─ 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重を支持して水平なレールに沿って移動する、走行駆動装置により駆動される駆動トロリ、及び走行駆動装置により駆動されない従動トロリを、前後方向に離間した状態で設け、前記走行駆動装置により前記レールに沿って自走するとともに、吊り荷を支持する昇降フレームを可撓性昇降部材の巻上げ・巻下げにより昇降させる巻上装置を備えた昇降機能付き自走式搬送装置であって、
前記駆動トロリに前記巻上装置を取り付け、
前記従動トロリに対して第1左右方向軸まわりに揺動可能に上端部が連結されるとともに、前記昇降フレームに対して第2左右方向軸まわりに揺動可能に下端部が連結された第1リンクと、
前記駆動トロリに対して第3左右方向軸まわりに揺動可能に上端部が連結されるとともに、前記第1リンクの前記第1左右方向軸及び前記第2左右方向軸間の中点又はその近傍に位置する第4左右方向軸まわりに揺動可能に下端部が連結された第2リンクとを備え、
前記第1左右方向軸及び前記第3左右方向軸が略同一水平面内に位置するとともに、前記第2左右方向軸及び前記第3左右方向軸が略同一鉛直面内に位置し、
前記駆動トロリを停止させた状態、又は前記走行駆動装置により駆動されながら前記駆動トロリが前記レールに沿って移動している状態で、前記巻上装置により前記可撓性昇降部材を巻き上げて前記昇降フレームを上昇させると、前記従動トロリが前記駆動トロリから遠ざかるように前記レールに沿って移動し、前記巻上装置により前記可撓性昇降部材を巻き下げて前記昇降フレームを下降させると、前記従動トロリが前記駆動トロリに近づくように前記レールに沿って移動することを特徴とする昇降機能付き自走式搬送装置。
【請求項2】
前記レールを左右方向に離間させて二条配設し、
これらのレールの各々に対して、前記駆動トロリ及び前記従動トロリ、前記巻上装置、並びに前記第1リンク及び前記第2リンクを備えるとともに、
1個のみ設けた前記昇降フレームに左右2本の前記第1リンクの下端部を連結するとともに、左右の前記駆動トロリに取り付けられた左右の前記巻上装置により前記昇降フレームを昇降させる請求項1記載の昇降機能付き自走式搬送装置。
【請求項3】
前記第1リンクと平行で長さが等しい第3リンクの上端部を前記従動トロリに対して第5左右方向軸まわりに揺動可能に連結するとともに、前記第3リンクの下端部を前記昇降フレームに対して第6左右方向軸まわりに揺動可能に連結することにより、前記第1リンク及び前記第3リンクにより平行リンク機構を構成してなる請求項1又は2記載の昇降機能付き自走式搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールに沿う所要箇所で吊り荷を昇降できる昇降機能付き自走式搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷重を支持して水平なレールに沿って移動する、走行駆動装置により駆動される駆動トロリ、及び走行駆動装置により駆動されない従動トロリを、前後方向に離間した状態で設け、前記走行駆動装置により前記レールに沿って自走するとともに、吊り荷を支持する昇降フレームを可撓性昇降部材の巻上げ・巻下げにより昇降させる巻上装置を備えた昇降機能付き自走式搬送装置の第1従来例として、駆動トロリ(前部トロリ6)及び従動トロリ(後部トロリ7)を前後方向に長いフレーム体(前後フレーム10)により連結し、昇降フレーム(支持具30)により支持された吊り荷(車体78)を巻上装置(索式昇降装置20,21)により昇降させるとともに、前後方向に長いフレーム体(前後フレーム10)の下部に設けたパンタグラフ機構66により、昇降動作時における揺れ防止及び可撓性昇降部材(索体23)切断時における吊り荷の落下防止をするものがある(特許文献1参照)。
【0003】
また、前記昇降機能付き自走式搬送装置の第2従来例として、
図7の正面図に示すように、水平なレールRに沿って移動する駆動トロリ2A及び従動トロリ3Aを前後方向に長いフレーム体Fにより連結し、昇降フレーム4Aにより支持された吊り荷Wを巻上装置5Aにより昇降させ、スコットラッセルの厳正直線運動を行うリンク機構を構成する長短2本のリンクL1A,L2Aのうちの長リンクL1Aの上端部を、前後方向に長いフレーム体Fに沿ってスライド可能に支持されたスライド体Sに対して左右方向軸まわりに揺動可能に連結するとともに、長リンクL1Aの下端部を昇降フレーム4Aに対して左右方向軸まわりに揺動可能に連結し、短リンクL2Aの上端部をフレーム体Fに対して左右方向軸まわりに揺動可能に連結するとともに、短リンクL2Aの下端部を長リンクL1Aの中点に対して左右方向軸まわりに揺動可能に連結し、長リンクL1Aと平行なリンクL3Aを付設して平行リンク機構を構成することにより、昇降動作時における揺れ防止及び可撓性昇降部材10切断時における吊り荷Wの落下防止をするものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−315218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1従来例(特許文献1)のような昇降機能付き自走式搬送装置の構成では、前部トロリ6及び後部トロリ7を連結する前後フレーム10、並びに、前後フレーム10の下側に連結部材60,60及び上部枠体61を設ける必要があるとともに、多数のリンク及びリンク同士を連結する多数の左右方向ピン等によりパンタグラフ機構66を構成するので、部品点数が多く重量が大きくなるとともに、製造コストが増大する。
その上、パンタフラフ機構66を構成する多数のリンクが細いため、強い外力が作用すると、リンクが折れる場合がある。
その上さらに、パンタフラフ機構66を構成する多数のリンクを左右方向ピンにより連結しているので、この連結部にガタが発生しやすいため揺れ防止機能が低下する。
【0006】
また、第2従来例(
図7)のような昇降機能付き自走式搬送装置の構成では、駆動トロリ2A及び従動トロリ3Aを連結する前後方向に長いフレーム体F、並びにリンクL1A,L3Aの上端部が連結されるスライド体Sを設ける必要があるので、部品点数が多く重量が大きくなるとともに、製造コストが増大する。
その上、リンクL1A,L3Aの上端部が連結されるスライド体Sを、前後方向に長いフレーム体Fにより前後方向へスライド可能に支持する必要があるので、このスライド部にガタが発生しやすいため揺れ防止機能が低下する。
【0007】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、部品点数の削減及び軽量化が図れ、製造コストの増大を抑制できるとともに、揺れ防止機能が高い昇降機能付き自走式搬送装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る昇降機能付き自走式搬送装置は、前記課題解決のために、荷重を支持して水平なレールに沿って移動する、走行駆動装置により駆動される駆動トロリ、及び走行駆動装置により駆動されない従動トロリを、前後方向に離間した状態で設け、前記走行駆動装置により前記レールに沿って自走するとともに、吊り荷を支持する昇降フレームを可撓性昇降部材の巻上げ・巻下げにより昇降させる巻上装置を備えた昇降機能付き自走式搬送装置であって、前記駆動トロリに前記巻上装置を取り付け、前記従動トロリに対して第1左右方向軸まわりに揺動可能に上端部が連結されるとともに、前記昇降フレームに対して第2左右方向軸まわりに揺動可能に下端部が連結された第1リンクと、前記駆動トロリに対して第3左右方向軸まわりに揺動可能に上端部が連結されるとともに、前記第1リンクの前記第1左右方向軸及び前記第2左右方向軸間の中点又はその近傍に位置する第4左右方向軸まわりに揺動可能に下端部が連結された第2リンクとを備え、前記第1左右方向軸及び前記第3左右方向軸が略同一水平面内に位置するとともに、前記第2左右方向軸及び前記第3左右方向軸が略同一鉛直面内に位置し、前記駆動トロリを停止させた状態、又は前記走行駆動装置により駆動されながら前記駆動トロリが前記レールに沿って移動している状態で、前記巻上装置により前記可撓性昇降部材を巻き上げて前記昇降フレームを上昇させると、前記従動トロリが前記駆動トロリから遠ざかるように前記レールに沿って移動し、前記巻上装置により前記可撓性昇降部材を巻き下げて前記昇降フレームを下降させると、前記従動トロリが前記駆動トロリに近づくように前記レールに沿って移動することを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、巻上装置により巻き上げ又は巻き下げられる可撓性昇降部材が切断された場合であっても、昇降フレームは第1リンクにより従動トロリに連結されているので、吊り荷の落下が防止される。
その上、第1従来例のような駆動トロリ及び従動トロリを連結する前後方向に長いフレーム体、並びに多数のリンク及びリンク同士を連結する多数の左右方向ピン等により構成されるパンタグラフ機構がないので、第1従来例に比べて、部品点数の削減及び軽量化が図れるとともに、製造コストを低減できる。
その上さらに、第1従来例のようにパンタフラフ機構を構成する細いリンクがないので、強い外力が作用した際におけるリンクの折損が抑制される。
その上、第1従来例のように多数のリンクを左右方向ピンにより連結する連結部がないので、前記連結部のようにガタが発生しにくいため、揺れ防止機能が低下しない。
その上さらに、駆動トロリを停止させた状態、又は前記走行駆動装置により駆動されながら前記駆動トロリが前記レールに沿って移動している状態で、巻上装置により可撓性昇降部材を巻き上げて昇降フレームを上昇させると、従動トロリが駆動トロリから遠ざかるようにレールに沿って移動し、巻上装置により可撓性昇降部材を巻き下げて昇降フレームを下降させると、従動トロリが駆動トロリに近づくようにレールに沿って移動する。すなわち、第1リンクの上端部が連結された従動トロリが駆動トロリに対して離反又は接近できるので、第2従来例のような第1リンクの上端部が連結されたスライド体を前後方向にスライド可能に支持する前後方向に長いフレーム体が不要になるため、第2従来例に比べて、部品点数の削減及び軽量化が図れ、製造コストを低減できるとともに、スライド体及び前後方向に長いフレーム体間に発生するガタがないため、揺れ防止機能が低下しない。
【0010】
ここで、前記レールを左右方向に離間させて二条配設し、これらのレールの各々に対して、前記駆動トロリ及び前記従動トロリ、前記巻上装置、並びに前記第1リンク及び前記第2リンクを備えるとともに、1個のみ設けた前記昇降フレームに左右2本の前記第1リンクの下端部を連結するとともに、左右の前記駆動トロリに取り付けられた左右の前記巻上装置により前記昇降フレームを昇降させると好ましい。
このような構成によれば、左右方向に離間する二条のレールに各々に備えた、駆動トロリ及び従動トロリ、並びに第1リンク及び第2リンクにより、吊り荷を支持する1個の昇降フレームを支持するので、昇降機能付き自走式搬送装置の左右方向の強度及び剛性が高くなるため、吊り荷が左右方向に長いものであっても、その搬送動作及び昇降動作が安定する。
【0011】
また、前記第1リンクと平行で長さが等しい第3リンクの上端部を前記従動トロリに対して第5左右方向軸まわりに揺動可能に連結するとともに、前記第3リンクの下端部を前記昇降フレームに対して第6左右方向軸まわりに揺動可能に連結することにより、前記第1リンク及び前記第3リンクにより平行リンク機構を構成してなると好ましい。
このような構成によれば、第1リンク及び第3リンクにより構成される平行リンク機構により、昇降フレームの姿勢が保持されるとともに前後方向の剛性が向上するので、吊り荷の搬送及び昇降を行う際に、昇降フレームの左右方向軸まわりの揺動が抑制されるとともに、前後方向の揺れが規制される。
その上、第1リンクに並設された第3リンクにより左右方向の剛性も向上するため、左右方向の揺れも抑制される。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明に係る昇降機能付き自走式搬送装置によれば、
(1)第1従来例のような駆動トロリ及び従動トロリを連結する前後方向に長いフレーム体、並びに多数のリンク及びリンク同士を連結する多数の左右方向ピン等により構成されるパンタグラフ機構がないので、第1従来例に比べて、部品点数の削減及び軽量化が図れるとともに、製造コストを低減できること、
(2)第1従来例のようにパンタフラフ機構を構成する細いリンクがないので、強い外力が作用した際におけるリンクの折損が抑制されること、
(3)第1従来例のように多数のリンクを左右方向ピンにより連結する連結部がないので、前記連結部のようにガタが発生しにくいため、揺れ防止機能が低下しないこと、
(4)第1リンクの上端部が連結された従動トロリが駆動トロリに対して離反又は接近できるので、第2従来例のような第1リンクの上端部が連結されたスライド体を前後方向にスライド可能に支持する前後方向に長いフレーム体が不要になるため、第2従来例に比べて、部品点数の削減及び軽量化が図れるとともに、製造コストを低減できること、
(5)第2従来例のようなスライド体及びスライド体を前後方向にスライド可能に支持する前後方向に長いフレーム体がないので、これらのスライド部に発生するガタがないため、揺れ防止機能が低下しないこと、
等の顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る昇降機能付き自走式搬送装置の正面図であり、巻上装置により可撓性昇降部材を巻き上げて昇降フレーム及び吊り荷を上昇させた状態を示している。
【
図2】同昇降機能付き自走式搬送装置を前方から見た部分縦断面図である。
【
図3】同昇降機能付き自走式搬送装置の昇降動作説明用正面図である。
【
図4】同じく昇降動作説明用正面図であり、第1左右方向軸及び第3左右方向軸が面内に位置する水平面、並びに第2左右方向軸及び第3左右方向軸が面内に位置する鉛直面を記載したものである。
【
図5】本発明の実施の形態2に係る昇降機能付き自走式搬送装置の斜視図であり、巻上装置により可撓性昇降部材を巻き上げて昇降フレーム及び吊り荷を上昇させた状態を示している。
【
図6】同昇降機能付き自走式搬送装置の昇降動作説明用正面図である。
【
図7】従来の昇降機能付き自走式搬送装置(第2従来例)の昇降動作説明用正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
なお、本明細書においては、
図3、
図4及び
図6の矢印Bの方向を前とし、左右は前方に向かっていい、右方から見た図を正面図とする。
【0015】
実施の形態1.
図1の正面図、及び
図2の前方から見た部分縦断面図に示すように、本発明の実施の形態1に係る昇降機能付き自走式搬送装置1は、荷重を支持して水平なレールRに沿って移動する、走行駆動装置Dにより駆動される駆動トロリ2、及び走行駆動装置Dにより駆動されない従動トロリ3を、前後方向に離間した状態で設け、走行駆動装置DによりレールRに沿って自走するとともに、吊り荷Wを支持する昇降フレーム4を可撓性昇降部材であるベルト10の巻上げ・巻下げにより昇降させる巻上装置5を備えており、巻上装置5は駆動トロリ2に取り付けられる。
【0016】
走行駆動装置Dは、電動モータ及び減速機を備えており、その出力軸に連結された走行車輪6を駆動することにより、走行車輪6がレールR上を走行するとともに、従動トロリ3の従動車輪7,7がレールR上を転動する。
また、走行駆動装置Dは、ブレーキを備えており、ブレーキをオンにすることにより、レールR上の所定箇所で駆動トロリ2を停止させることができる。
レールRは、例えばI型鋼製である縦断面I字状のものであり、レールRの上下のフランジの側面に、駆動トロリ2には横振れ防止ローラ8,8,…が、従動トロリ3には横振れ防止ローラ9,9,…が当接するため、駆動トロリ2及び従動トロリ3の横振れが抑制される。
【0017】
図1に示すように、昇降機能付き自走式搬送装置1は、従動トロリ3に対して第1左右方向軸J1まわりに揺動可能に上端部が連結されるとともに、昇降フレーム4に対して第2左右方向軸J2まわりに揺動可能に下端部が連結された第1リンクL1、並びに、駆動トロリ2に対して第3左右方向軸J3まわりに揺動可能に上端部が連結されるとともに、第1リンクL1の第1左右方向軸J1及び第2左右方向軸J2間の中点に位置する第4左右方向軸J4まわりに揺動可能に下端部が連結された第2リンクL2を備えている。
【0018】
ここで、
図4の昇降動作説明用正面図に示すように、第1左右方向軸J1及び第3左右方向軸J3は水平面H内に位置し、第2左右方向軸J2及び第3左右方向軸J3は鉛直面V内に位置する。
また、第1リンクL1と平行で長さが等しい第3リンクL3の上端部が従動トロリ3に対して第5左右方向軸L5まわりに揺動可能に連結されるとともに、第3リンクL3の下端部が昇降フレーム4に対して第6左右方向軸J6まわりに揺動可能に連結されており、第1リンクL1及び第3リンクL3により平行リンク機構が構成される。
【0019】
搬送経路の所定箇所で走行駆動装置Dのブレーキをオンにして駆動トロリ2を停止させた状態で、
図3及び
図4の昇降動作説明用正面図に示すように、巻上装置5によりベルト10を巻き下げて昇降フレーム4を矢印Aのように下降させると、従動トロリ3が停止している駆動トロリ2に近づくようにレールRに沿って矢印Bのように前方へ移動する。
また、巻上装置5によりベルト10を巻き上げて昇降フレーム4を上昇させると、従動トロリ3が停止している駆動トロリ2から遠ざかるようにレールRに沿って後方へ移動する。
【0020】
第2リンクL2の下端部が第1リンクL1の第1左右方向軸J1及び第2左右方向軸J2間の中点に位置する第4左右方向軸J4まわりに揺動可能に連結されており、且つ、
図4に示すように第1左右方向軸J1及び第3左右方向軸J3が水平面H内に位置するとともに、第2左右方向軸J2及び第3左右方向軸J3が鉛直面V内に位置するので、
図3に示すように昇降フレーム4は、鉛直線に沿って昇降する。
なお、第4左右方向軸J4は、第1左右方向軸J1及び第2左右方向軸J2間の中点ではなく、前記中点の近傍に位置させてもよく、その場合は昇降フレーム4が鉛直線の近似直線に沿って昇降する。また、第1左右方向軸J1及び第3左右方向軸J3は略同一水平面内に位置すればよく、第2左右方向軸J2及び第3左右方向軸J3は略同一鉛直面内に位置すればよい。
以上の説明においては、レールR上の所定箇所で駆動トロリ2を停止させた状態で、巻上装置5により昇降フレーム4を昇降させる場合を示したが、走行駆動装置Dにより駆動されながら駆動トロリ2がレールRに沿って移動している状態で、巻上装置5により昇降フレーム4を昇降させてもよい。
【0021】
以上のような実施の形態1に係る昇降機能付き自走式搬送装置1の構成によれば、巻上装置5により巻き上げ又は巻き下げられるベルト10が切断された場合であっても、昇降フレーム4は第1リンクL1により従動トロリ3に連結されているので、吊り荷Wの落下が防止される。
また、第1従来例のような駆動トロリ2及び従動トロリ3を連結する前後方向に長いフレーム体、並びに多数のリンク及びリンク同士を連結する多数の左右方向ピン等により構成されるパンタグラフ機構がないので、第1従来例に比べて、部品点数の削減及び軽量化が図れるとともに、製造コストを低減できる。
さらに、第1従来例のようにパンタフラフ機構を構成する細いリンクがないので、強い外力が作用した際におけるリンクの折損が抑制される。
さらにまた、第1従来例のように多数のリンクを左右方向ピンにより連結する連結部がないので、前記連結部のようにガタが発生しにくいため、揺れ防止機能が低下しない。
【0022】
また、駆動トロリ2を停止させた状態、又は走行駆動装置Dにより駆動されながら駆動トロリ2がレールRに沿って移動している状態で、巻上装置5によりベルト10を巻き上げて昇降フレーム4を上昇させると、従動トロリ3が駆動トロリ2から遠ざかるようにレールRに沿って移動し、巻上装置5によりベルト10を巻き下げて昇降フレーム4を下降させると、従動トロリ3が駆動トロリ2に近づくようにレールRに沿って移動する。すなわち、第1リンクL1の上端部が連結された従動トロリ3が駆動トロリ3に対して離反又は接近できるので、第2従来例(
図7)のような第1リンクL1Aの上端部が連結されたスライド体Sを前後方向にスライド可能に支持する前後方向に長いフレーム体Fが不要になるため、第2従来例に比べて、部品点数の削減及び軽量化が図れ、製造コストを低減できるとともに、スライド体S及び前後方向に長いフレーム体F間に発生するガタがないため、揺れ防止機能が低下しない。
さらに、第1リンクL1及び第3リンクL3により平行リンク機構を構成しているので、前記平行リンク機構により、昇降フレーム4の姿勢が保持されるとともに前後方向の剛性が向上するため、吊り荷Wの搬送及び昇降を行う際に、昇降フレーム4の左右方向軸まわりの揺動が抑制されるとともに、前後方向の揺れが規制される。
その上、第1リンクL1に並設された第3リンクL3により左右方向の剛性も向上するため、左右方向の揺れも抑制される。
【0023】
実施の形態2.
実施の形態2を示す
図5の斜視図、及び
図6の昇降動作説明用正面図において、実施の形態1の
図1〜
図4と同一符号は、同一又は相当する部分を示しているので、実施の形態1と共通する部分の説明は省略する。
図5及び
図6に示すように、本発明の実施の形態2に係る昇降機能付き自走式搬送装置1は、水平なレールRを左右方向に離間させて二条配設し、これらの左右のレールR,Rの各々に対して、駆動トロリ2及び従動トロリ3、巻上装置5、並びに第1リンクL1及び第2リンクL2を備えており、1個のみ設けた昇降フレーム4に左右2本の第1リンクL1,L2の下端部が連結される。
また、左右の駆動トロリ2,2に取り付けられた左右の巻上装置5,5でベルト10,10の巻上げ・巻下げを行うことにより昇降フレーム4が昇降する。
【0024】
このような実施の形態2に係る昇降機能付き自走式搬送装置1の構成によれば、実施の形態1に係る昇降機能付き自走式搬送装置1の作用効果に加え、左右方向に離間する二条のレールR,Rに各々に備えた、駆動トロリ2及び従動トロリ3、並びに第1リンクL1及び第2リンクL2により、吊り荷Wを支持する1個の昇降フレーム4を支持するので、昇降機能付き自走式搬送装置1の左右方向の強度及び剛性が高くなるため、吊り荷Wが左右方向に長いものであっても、その搬送動作及び昇降動作が安定する。
【0025】
以上の説明においては、可撓性昇降部材がベルト10である場合を示したが、可撓性昇降部材は、巻上装置5で巻上げ・巻下げが可能なチェーン又はワイヤー等であってもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 昇降機能付き自走式搬送装置
2,2A 駆動トロリ
3,3A 従動トロリ
4,4A 昇降フレーム
5,5A 巻上装置
6 走行車輪
7 従動車輪
8,9 横振れ防止ローラ
10 ベルト(可撓性昇降部材)
A,B 移動方向
D 走行駆動装置
F 前後方向に長いフレーム体
H 水平面
J1 第1左右方向軸
J2 第2左右方向軸
J3 第3左右方向軸
J4 第4左右方向軸
J5 第5左右方向軸
J6 第6左右方向軸
L1,L1A 第1リンク
L2,L2A 第2リンク
L3,L3A 第3リンク
R レール
S スライド体
V 鉛直面
W 吊り荷