(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フォーカスブラケット選択手段が、隣り合うグループの各々を代表する被写体距離の差の大きさに基づき前記選択を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
前記グループ間の被写体距離の差が所定値より大きい場合、グループ間に跨って前記フォーカスブラケット撮影を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置。
前記グループ間の被写体距離の差が所定値以下の場合、所定のグループ内の測距点で前記フォーカスブラケット撮影を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置。
前記グループ間に跨って前記フォーカスブラケット撮影を行う場合、各グループの測距点の中で至近側の測距点のデフォーカス値を用いて前記フォーカスブラケット撮影を行うことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
前記グループ間に跨って前記フォーカスブラケット撮影を行う場合、各グループの測距点の中で中央側の測距点のデフォーカス値を用いて前記フォーカスブラケット撮影を行うことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
前記グループ内の測距点で前記フォーカスブラケット撮影を行う場合、至近側の測距点グループ内において前記フォーカスブラケット撮影を行うことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
前記グループ内の測距点で前記フォーカスブラケット撮影を行う場合、前記手動選択手段により選択された測距点グループ内で前記フォーカスブラケット撮影を行うことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
前記測距点グループ生成手段において、測距点の被写体距離の間隔が所定値以内の測距点同士が1つのグループとされることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の撮像装置。
前記測距点グループ生成手段において、至近の測距点を基準に所定の被写体距離内の測距点を第1のグループに分類し、前記所定の被写体距離を超える次の測距点とその測距点を基準に所定の被写体距離内の測距点を第2グループに分類し、全ての測距点が何れかのグループに分類されるまで同様の操作を順次繰り返して前記グループを生成することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるAF一眼レフカメラの主要構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施形態のAF一眼レフカメラは、AFモジュール60を内蔵したカメラボディ11と、このカメラボディ11に着脱可能なAF対応の撮影レンズ51とを備える。カメラボディ11は、カメラボディ11および撮影レンズ51の全体を制御するボディCPU31を備える。
【0018】
一方、撮影レンズ51は、レンズ機能を制御するレンズCPU57と、焦点調節用レンズ52を光軸方向に駆動するギヤブロック53と、撮影レンズ51のマウント部に設けられた、カメラボディ11のジョイント35と着脱自在に連結するジョイント55を備える。レンズCPU57は、電気接点群56、36の接続を介してカメラボディ11の周辺制御回路21と接続され、この周辺制御回路21を介してボディCPU31との間で、開放、最大F値情報、焦点距離情報、レンズ位置(距離)情報などのデータ通信を行う。
【0019】
撮影レンズ51からカメラボディ11内に入射した光は、大部分がメインミラー13により、ファインダ光学系を構成するペンタプリズム17に向かって反射され、ペンタプリズム17で反射されてアイピースから射出する。ペンタプリズム17から射出された光の一部は測光IC18の受光素子に入射する。一方、メインミラー13の中央部に形成されたハーフミラー部14に入射した光束の一部はハーフミラー部14を透過し、メインミラー13の背面に設けられたサブミラー15により下方に反射され、AFモジュール60に入射する。
【0020】
測光IC18は、受光量に応じて光電変換した電気信号を、周辺制御回路21を介してボディCPU31に測光信号として出力する。ボディCPU31は、測光信号等に基づいて所定の露出演算を実行し、露出用の適正シャッタ速度及び絞り値を算出する。そして、撮影処理の際に周辺制御回路21は、ミラーモータドライバ24を介してミラーモータ25を駆動してメインミラー13をアップするとともに、絞り機構22を駆動して撮影レンズ51の絞り(図示せず)を算出した絞り値に設定し、算出したシャッタ速度に基づいて露光機構23を駆動して露光する。さらに露光終了後、周辺制御回路21は、ミラーモータドライバ24を介してミラーモータ25を駆動してメインミラー13をダウンする。
【0021】
ボディCPU31は、制御プログラム等が保存されたROM31a、演算用、制御用の所定のデータを一時的に保持するRAM31b、計時用のタイマ31c、カウンタ31d、AFモジュール60から入力した出力VOUT信号(積分終了信号/ビデオ信号)をA/D変換するA/D変換器31e、モニタ基準VMS信号をD/A変換してAFモジュール60へ出力するD/A変換器31fを内蔵している。
【0022】
AFモジュール60は、いわゆる瞳分割位相差方式であって、CCDラインセンサとモニタセンサを備えたCCD焦点検出素子61と、図示していないが撮像面と等価な焦点検出面において、被写体像を形成する被写体光束を二分割に瞳分割して、対応するCCDラインセンサ上に投影するAF光学系とを備えている。
【0023】
このAFモジュール60は、被写体の焦点状態を検出して画素単位のビデオ信号(一対の画像信号列)をボディCPU31に出力する。ボディCPU31は、AFモジュール60から入力したビデオ信号を内蔵A/D変換器31eでデジタル信号に変換し、焦点検出エリアに対応するデジタル信号に基づいて所定の演算を実行してデフォーカス量を算出する。さらにボディCPU31は、算出したデフォーカス量に基づいてAFモータ33の回転方向を決定し、回転数を、AFモータ33の回転数を検出するエンコーダ37が出力するAFパルス数として算出し、内蔵のカウンタ31dにセットする。そしてボディCPU31は、その回転方向及びパルス数に基づき、AFモータドライバ32を介してAFモータ33を駆動する。この駆動に際してボディCPU31は、AFモータ33の回転に連動してエンコーダ37が出力するパルスを内蔵のカウンタ31dでダウンカウントし、カウント値が0になったらAFモータ33を停止させる。AFモータ33の回転は、ギヤブロック34により減速され、カメラボディ11のマウント部に設けられたジョイント35と撮影レンズ51のマウント部に設けられたジョイント55との接続を介して撮影レンズ51のギヤブロック53に伝達され、ギヤブロック53を介して焦点調節用レンズ52を進退移動させる。
【0024】
ボディCPU31には、フォーカスモードをマニュアルモード、AF(ワンショット/コンティニュアスAF)モードの間で切り換えるフォーカススイッチSWAF、図示しないマニュアルレリーズボタンの半押しでオンする測光スイッチSWS、および全押しでオンするレリーズスイッチSWR、周辺制御回路21等への電源をオン/オフするメインスイッチSWMが接続される。
【0025】
ボディCPU31には、設定されたAF、露出、撮影などのモード、シャッタ速度、絞り値などの各種撮影情報を表示する表示パネル39と、外部不揮発性メモリ手段としてカメラボディ11特有の各種定数などがメモリされたフラッシュメモリ38が接続される。表示パネル39は、カメラボディ11の外面及びファインダ視野内の2ヶ所に設けられた表示器を含む。
【0026】
カメラボディ11には、撮像手段としてのCCDイメージセンサ45が設けられ、CCDイメージセンサ45による撮像面とAFモジュール60による焦点検出面は等価に設定される。CCDイメージセンサ45の出力信号は、AFE(アナログフロントエンド)46でデジタル化され、DSP41でディスプレイ(LCD)42に表示可能なビデオ信号に加工される。DSP41は、ボディCPU31との間で撮影に関する情報を授受する。
【0027】
図2は、遠近被写体が混在する構図の一例と、AFモジュール60で使用される複数の測距点の関係を例示する模式図である。
図2に示されるように、本実施形態では、例えば撮影画面全体に略均一に格子状に配列された25個(縦横5×5個)の測距点が用いられる。
図2において、25個の測距点Pには各行の左端から右へ、上の行から下の行へと順に[1]〜[25]の番号が付されている。なお、本明細書では、同番号と後述する測距点番号nを区別するため、画角内の測距点の位置を示す
図2の番号には[ ]を付す。
【0028】
図3は、
図2の各測距点[1]〜[25]に対応する測距距離と、それらの分布を例示するチャートである。横軸はカメラから被写体までの距離を表し、左側が至近側、右側が無限遠側に対応する。また
図2のグループ1〜3の下に列挙される数字は、
図2において測距点に付された番号であるが、同図では[ ]は省略されている。
【0029】
図2の例では、手前のテーブル上の被写体に対応する測距点[19]、[21]〜[25]の距離が近距離側において一群(グループ1)をなし、人物被写体に対応する測距点[7]〜「9」、「12」〜[14]、[17]、[18]の距離が中距離において一群(グループ2)を構成している。そして、背後の壁面に掛けられた絵画や掛け時計に対応する測距点[1]、[2]、[4]、[5]の距離が遠距離側において一群(グループ3)を構成している。本実施形態では、測距点の距離分布に対応して、測距点を
図3のグループ1〜3のように複数のグループに分け、後述するように、同グループに分けに基づいてフォーカスブラケット撮影を行う。
【0030】
図4は、本実施形態におけるグループ分け処理の一例を示すフローチャートである。なお、同処理は例えばボディCPU31で実行される。本処理は、例えばフォーカスブラケット撮影モードが選択された状態で、レリーズボタンが操作されると実行される。
【0031】
ステップS100では、
図3における各測距点[1]〜[25]のデフォーカス量DFに基づき、近距離側から順に測距点をソートし、最も至近側の被写体に対応する測距点の番号(測距点番号)を1として、至近側から無限遠側へと順番に測距点番号を付す。なお、
図3のフローにおいて、この測距点番号はnで表される。次にステップS102、S104において測距点カウンタ(ステップS100で付番された測距点番号に対応)n、およびグループカウンタ(グループ番号に対応)mが初期化され、n=1、m=1とされる。そしてステップS106において、測距点1(n=1)がグループ1(m=1)に分類される。
【0032】
次に、ステップS108において、測距点nのデフォーカス量DF
nと次の測距点(n+1)のデフォーカス量DF
n+1の差ΔDF=|DF
n+1−DF
n|が算出される。ステップS110では、被写体までの距離順に付番され直された測距点の隣り合う2点のデフォーカス量の差ΔDFが所定値以下であるか否かが判定される。ΔDF≦所定値でない場合には、ステップS112において、グループカウンタ(グループ番号)mの値がm+1に更新され、ステップS114において、測距点(n+1)が新しいグループmに分類される。一方、デフォーカス量の差ΔDF≦所定値であると判定されると、グループカウンタの値はそのままとされ、ステップS114において、測距点(n+1)がこれまでと同様のグループmに分類される。
【0033】
ステップS116では、n+1が対象となっている測距点の数に達したか否かが判定され、達していれば本処理は終了する。n+1が対象測距点数に達しておらず、まだ分類しきっていない測距点が残っているときには、ステップS118において測距点カウンタ(測距点番号)nの値がn+1にインクリメントされ、処理はステップS110に戻る。以下、n+1の値が対象測距点数に達するまで、ステップS110〜S118の処理が繰り返される。
【0034】
以上の処理により、対象となっている測距点は全て至近側から付番され、測距点nと測距点(n+1)の間のデフォーカス量の差ΔDFの大きさに基づき測距点のグループ分けが行われる。
【0035】
図5は、
図4のグループ分類方法の変形例のフローチャートである。本変形例では、測距点nと、測距点nが含まれるグループにおいて番号が最も小さく、すなわち最も至近側にある被写体に対応する測距点との間のデフォーカス量の差ΔDFの大きさに基づき測距点のグループ分けが行われる。
【0036】
ステップS200〜S206は、
図4のステップS100〜S106と同様であり、S200では、
図3の各測距点[1]〜[25]のデフォーカス量DFに基づき、至近側の測距点から順番に付番が行われる。ステップS202、S204では、測距点のカウンタ、およびグループカウンタがn=1、m=1に初期化され、ステップS206では、測距点1(n=1)がグループ1(m=1)に分類される。
【0037】
次に変形例では、ステップS207において、グループ内の最至近側の測距点番号に対応するカウンタkが1に初期設定され、ステップS208において、グループ内最至近側測距点kのデフォーカス量DF
kと次の測距点(n+1)のデフォーカス量DF
n+1の差ΔDF=|DF
n+1−DF
k|が算出される。ステップS210では、測距点(n+1)とそのグループ内の最至近側測距点kとの間のデフォーカス量の差ΔDFが所定値以下であるか否かが判定される。
【0038】
デフォーカス量の差ΔDF≦所定値でない場合には、ステップS212において、グループカウンタ(グループ番号)mの値がm+1に更新されるとともに、ステップS213において、カウンタkの値が新しいグループ内における最至近測距点番号nに更新される(k=n)。そしてステップS214において、測距点(n+1)が新しいグループmに分類される。一方、デフォーカス量の差ΔDF≦所定値であると判定されると、グループカウンタおよびカウンタkの値はそのままにされ、ステップS214において、測距点(n+1)がこれまでと同様のグループmに分類される。
【0039】
ステップS216では、n+1が対象となっている測距点の数に達したか否かが判定され、達していれば本処理は終了する。n+1が対象測距点数に達しておらず、まだ分類しきっていない測距点が残っているときには、ステップS218において測距点カウンタ(測距点番号)nの値がn+1にインクリメントされ、処理はステップS208に戻る。以下、n+1の値が対象測距点数に達するまで、ステップS208〜S218の処理が繰り返される。
【0040】
以上の処理により、変形例では、対象となっている測距点を全て至近側から付番するとともに、測距点とグループ内の最至近側測距点との間のデフォーカス量の差ΔDFの大きさに基づき測距点のグループ分けが行われる。
【0041】
次に
図6、
図7のフローチャートを参照して、本実施形態におけるフォーカスブラケット撮影方法の選択処理について説明する。
図6、
図7は共にフォーカスブラケット撮影方法の選択処理の異なる例を示すものであり、何れの処理を採用するかは任意である。またこれらフォーカスブラケット撮影方法選択処理は、
図4、
図5などのグループ分け処理に続けてボディCPU31において実行される。
【0042】
まず、
図6のフォーカスブラケット撮影方法選択処理について説明する。
図6のステップS300では、各グループにおける測距点のデフォーカス量の平均値DF
aveが算出され、ステップS302において隣り合うグループ間における上記平均値DF
aveの差ΔDF
aveの平均値E(ΔDF
ave)が算出される。ステップS304では、ステップS302において算出されたデフォーカス量の平均値の差ΔDF
aveの平均値E(ΔDF
ave)が所定値以下であるか否かが判定される。グループ間のデフォーカス量の平均値の差の平均値E(ΔDF
ave)が所定値以下の場合は、ステップS306において、フォーカスブラケット撮影を1つのグループ内で実行する方法が選択される。一方、グループ間のデフォーカス量の平均値の差の平均値E(ΔDF
ave)が所定値よりも大きいときには、ステップS308において、フォーカスブラケット撮影を複数のグループを跨いで実行する方法が選択される。なお、ステップS306、S308において、選択された方法に基づくフォーカスブラケット撮影が実行されてもよい。
【0043】
次に
図7のフォーカスブラケット撮影方法選択処理について説明する。
図7のステップS400では、最も至近側にある被写体に対応するグループ1内の測距点のデフォーカス量の平均値が算出され、ステップS401において、最も無限遠側の被写体に対応するグループM内の測距点のデフォーカス量の平均値が算出される。次にステップS402において、グループ1とグループMのデフォーカス量の平均値の差ΔDF
ave=|DF
1−DF
M|が算出される。
【0044】
ステップS404では、ステップS402で算出されたグループ1とグループMのデフォーカス量の平均値の差ΔDF
aveが所定値以下であるか否かが判定される。デフォーカス量の平均値の差DF
aveが所定値以下の場合は、ステップS406において、フォーカスブラケット撮影を1つのグループ内で実行する方法が選択される。一方、デフォーカス量の平均値の差DF
aveが所定値よりも大きいときには、ステップS408において、フォーカスブラケット撮影を複数のグループを跨いで実行する方法が選択される。なお、
図6の処理と同様に、ステップS406、S408において、選択された方法に基づくフォーカスブラケット撮影が実行されてもよい。
【0045】
以上のように、
図6のグループ分け処理では、隣り合うグループの各々を代表する被写体距離の差(
図3のグループ1、2間差、グループ2、3間差など)に基づき撮影方法を選択しており、
図6の処理では、隣り合うグループ間の被写体距離の差の平均が所定値以下の場合に、1つのグループ内でフォーカスブラケット撮影を行い、隣り合うグループ間の被写体距離の差が所定値よりも大きい場合に、複数のグループに跨りフォーカスブラケット撮影を行っている。
【0046】
一方、
図7のグループ分け処理では、複数の測距点に対応する被写体距離の分布幅の大きさに基づき撮影方法を選択しており、
図7の処理では、最も至近側のグループを代表する被写体距離と最も無限遠側のグループを代表する被写体距離の差が所定値以下の場合は、1つのグループ内でフォーカスブラケット撮影を行い、同距離差が所定値よりも大きい場合に、複数のグループに跨りフォーカスブラケット撮影を行っている。なお
図7の処理のΔDF
aveに替えて、
図3の測距点最大距離差、すなわち最も至近側の被写体に対応する測距点のデフォーカス量と最も無限遠側の被写体に対応する測距点のデフォーカス量の差、を用いることもできる。
【0047】
次に
図8〜
図11を参照して、
図6、
図7などのフォーカスブラケット撮影方法選択処理により選択される、複数のグループに跨ってフォーカスブラケット撮影を行うグループ間フォーカスブラケット撮影と、1つのグループ内においてフォーカスブラケット撮影を行うグループ内フォーカスブラケット撮影の詳細について説明する。なお
図8、
図9には、グループ間フォーカスブラケット撮影の例をそれぞれ示され、
図10、
図11には、グループ内フォーカスブラケット撮影の例がそれぞれ示される。
【0048】
図8は、第1のグループ間フォーカスブラケット撮影の例であり、各グループにおいて、最も至近側の被写体に対応する測距点を用いて撮影が行われる。例えば
図8の例では、グループ1、2、3の各々において実線で示される最も至近側の被写体に対応する測距点を用いてフォーカスブラケット撮影が行われ、異なる距離にピントを合わせた3枚の画像が撮影される。一方、
図9は、第2のグループ間フォーカスブラケット撮影であり、各グループにおいて、最も中央よりの被写体に対応する測距点を用いて撮影が行われる。
図9において、グループ1、2、3の各々において実線で示される測距点がブラケット撮影に用いられ、異なる距離にピントを合わせた3枚の画像が撮影される。
【0049】
図10は、第1のグループ内フォーカスブラケット撮影の例であり、例えば最も至近側のグループ1を用いたフォーカスブラケット撮影が行われる。
図10では、例えばグループ1に含まれる測距点のみを用いたフォーカスブラケット撮影が行われる。
図10の例では、実線で示されるグループ1の全ての測距点に対して撮影が行われ、異なる距離にピントを合わせた6枚の画像が撮影される。なお、ブラケット撮影はグループ内の一部の測距点でのみ行われてもよい。
【0050】
一方、
図11は、第2のグループ内フォーカスブラケット撮影の例である。第2のグループ内フォーカスブラケット撮影は、フォーカスブラケット撮影に用いるグループをユーザが選択する構成にしたものである。同処理では、ユーザが表示パネル39(
図1)を見ながら、あるいはファインダを除きながら操作を行い、複数のグループの中から所望のグループを選択する。
図11(a)〜(c)はそれぞれグループ1〜3が選択された場合に対応し、フォーカスブラケット撮影に用いられる測距点が実線で示される。
【0051】
また、
図6、
図7のフォーカスブラケット撮影方法選択処理のステップS304、S404において閾値として使用される所定値を撮影条件に応じて変更する構成とすることもできる。例えば、絞りF値、焦点距離f、被写体距離Lなどの撮影条件により、被写界深度は変化するので、これに合わせてフォーカスブラケットの幅を調整することが望ましい。被写界深度が深ければ、フォーカスブラケット幅は相対的に広い方がよいので、閾値である所定値には例えば大きい値が設定される。なお、被写界深度(mm)と、絞りF値、焦点距離f(mm)、被写体距離L(mm)は、それぞれ
図12〜
図14に示される関係を有するので、ステップS304、S404の所定値は、絞りF値が大きい程大きな値に、焦点距離fが大きい程小さな値に、被写体距離Lが大きい程大きな値に設定される。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、少ない撮影回数で至近側の対象物だけでなく、その背後にある対象物についても焦点の合った撮影ができ、奥行が浅い対象物の場合は、自動的に細かい焦点深度でフォーカスブラケット撮影を行うことができるので、ポートレートなど細かい奥行きに焦点を合わせた撮影ができる。
【0053】
なお、本説明では2種類のグループ分け処理と、2種類のフォーカスブラケット撮影方法選択処理について説明したが、グループ分け処理、フォーカスブラケット撮影方法選択処理をそれぞれ1種類のみ設ける構成の他、それぞれまたは一方を複数用意し、ユーザにより所望のグループ分け処理やフォーカスブラケット撮影選択処理を選択できる構成とすることもできる。また、フォーカスブラケット撮影方法の選択を完全に手動で行うことができる構成とすることも可能である。