(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
店舗、ホテル、その他の商業施設、また、オフィス、工場その他の業務施設においては、人感センサにより人の接近を検知して自動的に開閉する自動ドアが広く普及している(例えば、特許文献1参照。)。この種の自動ドアは、当該施設の営業時間中又は就業時間中は、常時出入りできるように、施錠しない状態で使用されるのが一般的である。そして、例えば、ドア(戸体)の足元に、シリンダ錠を用いた手動式の施錠装置を取り付けておき、当該施設を使用しない時間帯はドアを開閉する駆動装置を停止させて当該施錠装置により施錠するという態様で運用されている。
【0003】
施設を使用している時間帯は、ドアが閉じていても機械的に施錠されている訳では無く、駆動装置の電気的制御によってドアが閉位置に保持されているに過ぎない。したがって、例えば、停電、人感センサの異常等によって、駆動装置が動かなくなった場合は、閉じているドアを強制的にこじ開けることも可能である。
【0004】
ところで近年では、高齢化社会への対応、身体障害者への配慮等の観点から、住宅の玄関ドア(戸建て住宅のドア、集合住宅における共用玄関ではない戸別の玄関ドア)についても自動化の要望が高まりつつある。ただし、住宅用の自動ドアは、前述した商業施設、業務施設等のドアとは異なり、原則として防犯のため、常時、機械的に施錠できる必要がある。そして、居住者が出入りする都度、適宜の解錠操作によって自動的にドアが開き、出入りが終わればドアが自動的に閉じて、再度、施錠されるという態様で適用されるべきものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
住宅の玄関に自動施錠(オートロック)式の自動ドアを採用した場合、例えば、鍵を持たずにゴミ出し、新聞の取り込み等で外にでると、自動施錠されて入れなくなるという事態が起こり得る。ホテルで鍵を持たずに部屋を出て、自動施錠により閉め出されてしまった場合は、フロントに連絡して解錠してもらうという対応をとることが可能であるが、個人の住宅ではそのような対応をとることができない。
【0007】
このように、住宅の玄関に自動施錠機能付きの自動ドアを採用する場合、実際の使い勝手に配慮して、ドアを自動的に開閉するための駆動手段と、ドアを閉位置に拘束するための施錠手段及びその解錠手段とを好適に組み合わせ、それらを円滑に連係させる必要がある。
【0008】
しかしながら、実際の施工面では、ドア及びドア枠に組み付けられる駆動装置、案内装置、安全装置等の装置と、施錠手段としての電気錠とは、互いに異なる製造事業者から供給されて、施工される工程が異なるのが通常である。屋内から外に出る際にドアを開くための人感センサと、電気錠を屋外から解錠する際に用いる各種センサ、インタフォン等との関係も同様である。即ち、ドアの駆動系統と電気錠の制御系統とは、互いに異なる製造業者が、それぞれの信号規格、通信規格等の規格に即し、規格として規定された範囲内で独自の仕様に則って設計している。このため、それぞれの装置を単純に接続しても、信号の送受信に関する規格が合致しない等の理由により円滑に連係しない虞がある。例えば、施錠装置が解錠するよりも速くドアが開こうとする等の不具合が生じ得る。ただし、それぞれの装置を一つの製造事業者で統合的に設計・製造することは技術面でもコスト面でも非現実的である。
【0009】
このような装置間の連係に関する不具合は、特に既設住宅のリフォームにおいても問題となる。例えば、居住状況の変化、バリアフリー対策等の諸事情により、手動式の玄関ドアを自動ドアに付け替えようとする際に、既設の電気・通信系設備と、新設しようとする自動ドアの駆動装置及び電気錠との相性が合わず、円滑に動作しないというような事態が想定される。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、住宅に配設されたドアを開く場合、ドアに開動作をさせるドア駆動装置及びドアを閉状態に拘束する施錠装置へそれぞれ動作をさせるための信号を送信し、ドア駆動装置への信号の送信については遅延処理を行う。これにより、ドアの駆動装置及び施錠装置の連係を円滑にすることが可能なドアシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本願記載のドアシステムは、住宅に配設されるドアシステムであって、ドアと、認証処理を行う認証装置と、前記ドアに開動作をさせるドア駆動装置と、前記ドアを閉状態に拘束する施錠装置と、前記ドア駆動装置、施錠装置及び認証装置と信号の送受信を行う信号処理回路と、前記信号処理回路から前記ドア駆動装置へ送信される信号を中継する中継回路とを備え、前記ドア駆動装置、施錠装置、信号処理回路及び中継回路は、それぞれ別体であり、
更に、予め鍵情報を記録しているICタグを有する無線鍵を備え、前記無線鍵は、前記ICタグに記録している鍵情報を前記認証装置へ送信可能であり、前記認証装置は、
前記無線鍵が近付いた場合に、前記ICタグに記録されている鍵情報を読み取るICタグリーダと、前記無線鍵から読み取った鍵情報に基づいて認証処理を行う手段と、認証処理が成功した場合に、前記信号処理回路へ開扉信号を送信する手段
とを備え、前記信号処理回路は、開扉信号を受信したときに、前記ドアの拘束を解除させる解錠信号を前記施錠装置へ送信する第1送信手段と、前記ドアに開動作をさせる開動作信号を前記ドア駆動装置へ送信する第2送信手段とを備え、前記中継回路は、開動作信号を受信する受信手段と、開動作信号を受信してから所定時間待機する遅延手段と、所定時間待機後、前記ドア駆動装置へ開動作信号を送信する送信手段とを備え
、前記ドア駆動装置は、前記ドアの軌道上及びその周辺に、障害物の有無を検知するセンサを備え、前記ドアを開動作させた後、所定の開時間が経過した場合で、前記センサが障害物を検知していないときに、ドアの閉動作を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本願記載のドアシステムは、前記ドアは、戸建て住宅用のドア又は集合住宅の戸別のドアであり、前記施錠装置は、
オートロック機能を備えることを特徴とする。
【0014】
本願記載のドアシステムでは、開動作信号の送信を遅延させることにより、施錠装置が解錠するよりも速くドアが開こうとする不具合の発生を防止する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るドアシステムは、施錠装置への解除信号の送信及びドア駆動装置への開動作信号の送信を行う信号処理回路を設け、更に信号処理回路からドア駆動装置へ送信する開動作信号の送信を遅延させる中継回路を設ける。これにより、施錠装置が解錠するよりも速くドアが開動作を開始することによる不具合の発生を防止し、ドア駆動装置及び施錠装置の連係を円滑にすることが可能である等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について詳述する。なお、以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術範囲を限定する性格のものではない。
【0018】
図1は、本願記載のドアシステムの一例を概略的に示す外観斜視図である。
図1に例示したドアシステムは、戸建て住宅の玄関ドアに適用した例を示している。ドア1は、片引き型の自動ドアであり、ドア1の上方に配設されたドア駆動装置2に駆動されて、開動作及び閉動作を行う。また、ドア駆動装置2は、ドア1を開動作させた後、所定の開時間が経過した場合で、ドア1の軌道上及びその周辺に人、物等の障害物を検知していないときに、ドア1を閉動作させる。このようなドア駆動装置2は、公知の様々なタイプの装置を転用することが可能である。
【0019】
さらに、ドアシステムには、ドア1を閉状態に拘束する施錠装置3が配設されており、施錠装置3がドア1を閉状態に拘束している場合、ドア1を開くことはできない。施錠装置3は、ドア1の框側に設けられた鎌錠を制御し、戸先側の縦枠に設けられた受座に鎌錠が係合することにより、ドア1を閉状態に拘束する。即ち、施錠装置3は、鎌錠を揺動させる制御により、ドア1の施錠及び解錠を行う。なお、施錠装置3が、ドア1を閉状態に拘束する構成としては、框側に鎌錠を設ける形態に限るものではない。例えば、上枠及び下枠からそれぞれ上框及び下框に穿設された係止穴に挿通するように係止ピンを突出させることで閉状態に拘束するように制御する施錠装置3を用いても良く、公知の様々なタイプの装置を転用することが可能である。
【0020】
このように構成された施錠装置3は、居住者が内側から外出する場合、例えば、居住者が、内側からサムターンの操作等の操作を行うことで拘束を解除することとなる。また、外側からは鍵の他、後述する認証処理により、拘束を解除することが可能である。施錠装置3は、ドア1が開動作する場合以外は、ドア1を閉状態に拘束しており、即ち、常時施錠された状態であるので、防犯性を考慮し、安全性を高めた設計となっている。
【0021】
ドア1の外側には、略四角柱状をなし、上面に通信処理に用いる受信部41を備えた認証装置4が設置されている。認証装置4は、入居者が所持する無線鍵5と通信可能な装置であり、入居者が所持する無線鍵5から送信される鍵情報を受信部41にて受信し、受信した鍵情報に基づいて認証処理を行う。
【0022】
次に、ドアシステムの制御構成について説明する。
図2は、本願記載のドアシステムの構成の一例を概略的に示すブロック図である。ドアシステムは、前述のドア1、ドア駆動装置2、施錠装置3、認証装置4及び無線鍵5の他、信号処理回路6、中継回路7等の各種回路を備えている。
【0023】
ドア駆動装置2は、ドア1を自動ドアとして機能させるための電源回路21、モータ22、開時間タイマ23、人感センサ24等の各種構成を備えている。電源回路21は、家庭用交流電源から通電を受け、変圧等の各種処理を行った上でモータ22に給電する。モータ22は、電源回路21から受電し、ドア1の開動作及び閉動作を行う。開時間タイマ23は、ドア1を開動作させた後、予め設定されている所定の開時間に到達するまで計時処理を行う。人感センサ24は、ドア1の軌道上及びその周辺に、人、物等の障害物の有無を検知する。
【0024】
このように構成されたドア駆動装置2は、電源回路21から受電したモータ22が動作することにより、ドア1が開動作を行う。ドア駆動装置2は、ドア1を開動作させた後、開時間タイマ23が計時する所定の開時間が経過した場合で、人感センサ24が障害物を検知していないときに、モータ22が動作することにより、ドア1が閉動作を行う。このように、ドア駆動装置2により、ドア1は、自動ドアとして機能する。
【0025】
施錠装置3は、前述の鎌錠、係止ピン等の錠部31、ドア1の開閉状態を検出する開閉センサ32等の各種構成を備えている。錠部31は、前述の様に、例えば、鎌錠と受座とを組み合わせることにより、また例えば、係止ピンと係止穴とを組み合わせることにより、ドア1を閉状態に拘束する。開閉センサ32は、例えば、磁石を用いた機械的センサ、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を用いた光学センサ等のセンサを用いて構成されている。そして、施錠装置3は、錠部31がドア1の拘束を解除し、開閉センサ32がドア1の開状態を検出した場合、開閉センサ32がドア1の閉状態を検出するまで錠部31による拘束の解除状態を維持し、開閉センサ32がドア1の閉状態を検出した後、ドア1を閉状態に拘束する。
【0026】
認証装置4は、装置全体を制御する制御部40、無線鍵5から鍵情報を受信する受信部41、各種情報を記録する記録部42、信号処理回路6へ信号を送信するコネクタ及び通信用の付属回路を含む送信部44等の各種構成を備えている。
【0027】
制御部40は、装置全体を制御する回路であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサを用いて構成されている。
【0028】
記録部42は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを用いて構成されている。記録部42には、認証装置4を動作させるための各種制御プログラム及びデータ等の情報が記録されている。そして、制御部40が、記録部42に記録されている各種制御プログラム等の情報を読み取り、実行することにより、装置全体を制御する。
【0029】
また、記録部42の記録領域の一部は、鍵情報を記録する鍵情報データベース(鍵情報DB)42a等の各種データベースとして用いられている。鍵情報データベース42aには、受信部41が受信する鍵情報と照合するための符号列が記録(登録)されている。制御部40は、受信した鍵情報と記録されている符号列とが合致するか否かを判定し、合致すると判定した場合、認証処理が成功したと判定する。
【0030】
また、制御部40は、認証処理が成功したと判定した場合、ドア1を開かせる開扉信号を送信部43から信号処理回路6へ送信させる。
【0031】
無線鍵5は、例えば、ICタグを用いたICカードとして形成され、鍵情報を記録する記録部51と、アンテナ及び通信用の付属回路等の送信部52とを備えており、記録部51に記録されている鍵情報を、送信部52から認証装置4へ送信する。
【0032】
認証装置4及び無線鍵5の態様の例について説明する。例えば、無線鍵5及び認証装置4を構成する態様としては、RFID(Radio frequency identification)の一種であるICタグを無線鍵5とし、ICタグから鍵情報(識別情報)を読み取るICタグリーダを認証装置4とする態様を挙げることができる。この場合、居住者は、無線鍵5を認証装置4に近付けることにより、ICタグリーダとしての認証装置4による電磁誘導を起電力として無線鍵5が動作し、無線鍵5は、鍵情報を認証装置4へ送信し、認証装置4は、鍵情報を受信する。また、無線鍵5に操作ボタンを取り付け、居住者が無線鍵5の操作ボタンを操作した場合に、鍵情報が認証装置4へ送信される態様とすることも可能である。このような認証装置4及び無線鍵5は、公知の様々なタイプの通信装置を転用することが可能である。
【0033】
信号処理回路6は、認証装置4から受信した開扉信号をドア駆動装置2及び施錠装置3に対応した信号に変換する信号処理用の回路であり、受信部61、信号変換部62、第1送信部63、第2送信部64等の各種構成を備えている。
【0034】
受信部61は、認証装置4と通信するためのコネクタ及び通信用の付属回路を用いて構成されており、認証装置4から受信した開扉信号を信号変換部62に出力する。
【0035】
信号変換部62は、受信部61から入力された開扉信号を施錠装置3にて処理可能な信号に変換し、ドア1の拘束を解除させる解錠信号として第1送信部63へ出力すると共に、また、ドア駆動装置2にて処理可能な信号に変換し、ドア1を開動作させる開動作信号として、第2送信部64へ出力する。なお、ドアシステムが備える各種装置間でやりとりする信号は、例えば、数百ビットの電文情報のように複雑なものでは無く、ベースバンド方式でオン/オフを示すパルス波のように単純な信号を用いることが可能である。したがって、信号変換部62は、受信部61からパルス波等の信号の入力を受けた場合に、第1送信部63及び第2送信部64からそれぞれ所定の信号を出力させる簡単な回路として構成することが可能である。
【0036】
第1送信部63は、施錠装置3と通信するためのコネクタ及び通信用の付属回路を用いて構成されており、信号変換部62から入力された解錠信号を施錠装置3へ送信する。
【0037】
第2送信部64は、中継回路7を介してドア駆動装置2と通信するためのコネクタ及び通信用の付属回路を用いて構成されており、信号変換部62から入力された開動作信号を中継回路7へ送信する。
【0038】
中継回路7は、信号処理回路6からドア駆動装置2へ送信される開動作信号を中継する回路であり、受信部71、遅延部72、送信部73等の各種構成を備え、中継に際し、1秒等の所定時間分の遅延処理を行う。
【0039】
受信部71は、信号処理回路6と通信するためのコネクタ及び通信用の付属回路を用いて構成されており、信号処理回路6から受信した開動作信号を遅延部72へ出力する。
【0040】
遅延部72は、タイマとして機能する回路であり、開動作信号を入力された後、所定時間待機する遅延処理を行った上で、開動作信号を送信部73へ出力する。
【0041】
送信部73は、ドア駆動装置2と通信するためのコネクタ及び通信用の付属回路を用いて構成されており、遅延部72から入力された開動作信号をドア駆動装置2へ送信する。
【0042】
このように構成された中継回路7は、遅延部72により遅延処理を行うことで、開動作信号を受信してから送信するまで1秒等の所定時間待機するタイマとして機能する。
【0043】
解錠信号を受信した施錠装置3は、通常は、ドア1を閉状態に拘束しており、解錠信号を受信した場合に、ドア1の拘束を解除する。ドア1の拘束を解除した状態は、閉じられているドア1が開いた後、再度、閉じるまで継続し、ドア1が閉じることを検出した段階で再度、ドア1を閉状態に拘束する。即ち、オートロックとして機能する。
【0044】
開動作信号を受信したドア駆動装置2は、ドア1を開動作させる。なお、中継回路7がタイマとして機能することにより、解錠信号が施錠装置3へ到達した後に、開動作信号がドア駆動装置2へ到達する。
【0045】
以上のように構成されたドアシステムの全体の動作について説明する。居住者は、外側からドア1を開き、住宅内に進入することを所望する場合、例えば、認証装置4の受信部41に無線鍵5を近付ける動作、無線鍵5に取り付けられた操作ボタンの押下等の所定の動作(操作)を行う。無線鍵5は、記録部51に予め記録されている鍵情報を、送信部52から、認証装置4へ送信する。認証装置4は、制御部40の制御により、受信部41にて、鍵情報を受信し、受信した鍵情報を、記録部42の鍵情報データベース42aに予め登録されている符号列と照合する認証処理を行う。
【0046】
認証処理が成功した場合、認証装置4の制御部40は、送信部43から信号処理回路6へ開扉信号を送信する。
【0047】
受信部61にて開扉信号を受信した信号処理回路6は、第1送信部63から施錠装置3への解錠信号の送信と、第2送信部64から中継回路7への開動作信号の送信とを行う。
【0048】
受信部71にて開動作信号を受信した中継回路7は、遅延部72により所定時間待機後、送信部73から開動作信号をドア駆動装置2へ送信する。
【0049】
そして、解錠信号を受信した施錠装置3が、ドア1の拘束を解除し、若干遅れて開動作信号を受信したドア駆動装置2が、ドア1を開動作させる。施錠装置3がドア1の拘束を解除した後で、開動作が開始されることにより、完全に解錠されていないのにドア1が開動作を始めるというようなトラブルを防止することができる。
【0050】
そして、ドア駆動装置2は、ドア1を開動作させた後、開時間タイマ23が計時する所定の開時間が経過した場合で、人感センサ24が障害物を検知していないときに、モータ22によりドア1の閉動作を行う。施錠装置3は、開閉センサ32が、ドア1の開状態を検出した後、閉状態を検出するまで錠部31による拘束の解除状態を維持し、閉状態を検出した後、ドア1を閉状態に拘束する。
【0051】
以上のように、本願記載のドアシステムでは、例えば、既設住宅をリフォームする場合において、ドア駆動装置2及び施錠装置3の間で駆動系統、制御系統に、信号規格、通信規格等の規格、更には規格の範囲内での仕様に若干の誤差がある場合でも、信号処理回路6及び中継回路7にて、その誤差を吸収することができる。したがって、装置間の連係に関する不具合を解消し、円滑に動作するドアシステムを提供することができる。このことは、居住者又は住宅の設計者が、配設するドア駆動装置2及び施錠装置3を選択する際に、装置間の固有の連係の特性、所謂相性を気にする必要性を軽減するため、選択の自由度を向上させることにも繋がる。
【0052】
しかも、本願記載のドアシステムでは、例えば、戸建て住宅の玄関において、居住者が認証装置4に無線鍵5を近付けるだけで、ドア1が、自動的に解錠し、更に自動的に開くことになる。これにより、居住者以外の人物では、施錠されているドア1を解錠することができないため、安全性を高めることが可能である。また、簡単な動作で自動的にドア1が開くことにより、高齢者、障害者等の動作が不自由な居住者に対する利便性を向上させることが可能である。
【0053】
なお、本願のドアシステムでは、ドア1が開動作する場合以外は、ドア1を閉じ、かつ閉状態に拘束している。即ち、開動作を行わない通常状態においては、施錠された状態となるため、戸建て住宅用のドア、集合住宅の戸別のドア等の住宅に配設されるドアに最適である。なお、非常時には、手動で施解錠及び開閉を行える制御に切替が可能であることは言うまでも無い。
【0054】
このように本願記載のドアシステムは、住宅用の自動ドアとして配設することにより、装置間の連係を容易にし、優れた安全性及び利便性を確保することができる。
【0055】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形態で実施することが可能である。そのため、かかる実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0056】
例えば、実施形態では、戸建て住宅の玄関ドアとして適用する形態を例示したが、本発明はこれに限らず、集合住宅における戸別スペース用のドアに適用しても良く、更には、玄関ドア以外のドアに適用しても良い等、様々な形態に展開することが可能である。
【0057】
また、実施形態では、片引きドアに適用する形態を例示したが、両引きドア等の他の引き型ドアに適用しても好適に作用する。なお、引き型のドアに限らず、開き型のドアに適用することも可能である。更に、開閉動作の両方を電動とする必要は無く、開動作のみを電動で行い、閉動作は自重で、又は錘により閉じる形態のドアに適用することも可能である。
【0058】
また、実施形態では、ドア駆動装置2、施錠装置3、認証装置4、信号処理回路6、中継回路7がそれぞれ独立した装置である形態を示したが、適宜一体化し、また分割することも可能である。例えば、信号処理回路6を認証装置4に組み込む形態とし、認証装置4から直接中継回路7及び施錠装置3へ信号を送信するようにしても良い。また、例えば、信号処理回路6及び中継回路7を認証装置4に組み込んで、遅延処理をも認証装置4内で行うようにしても良い。更に、例えば、中継回路7をドア駆動装置2内に組み込んで、ドア駆動装置2自体が遅延処理を行うようにしてもよい。
【0059】
さらに、無線鍵5を用いるのではなく、認証装置4に数字釦を配設し、居住者が鍵情報として暗証番号を入力するようにしても良い。この場合、認証装置4は、制御部40の制御により、数字釦から入力された鍵情報(暗証番号)を取得し、取得した鍵情報を、記録部42の鍵情報データベース42aに予め登録されている数字列と照合する認証処理を行う。同様にして、認証装置4は、暗証番号では無く、顔認証、指紋認証、静脈認証、声紋認証等の生体認証により認証処理を行うようにしても良い。なお、これら様々な認証処理は、いずれか一つを開扉信号送信の条件としても良く、また、複数の認証処理が全て成功した場合に、開扉信号を送信するようにしても良い。