(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突出部は、前記第1方向に前記清掃ブラシが進むときに前記引っ掛かり部に前記弾性片の前記先端部を当てて引っ掛かることにより前記第1駆動を生じさせた後に前記弾性片が変形して前記引っ掛かり部を乗り越えることにより前記リフレッシュ姿勢を維持するように構成されるとともに、前記第2方向に前記清掃ブラシが進むときに前記引っ掛かり部に前記弾性片の前記先端部を当てて引っ掛かることにより前記第2駆動を生じさせた後に前記弾性片が変形して前記引っ掛かり部を乗り越えることにより前記清掃姿勢を維持するように構成されている、
請求項1に記載の空調室内機。
前記清掃ブラシによる清掃運転を中止可能に構成され、前記清掃ブラシによる前記エアフィルタの清掃中に清掃運転の中止指示を受けたときには、直ちに反転して前記ブラシユニットを空気調和運転中に待機すべき待機位置に戻す、
請求項1から4のいずれか一項に記載の空調室内機。
前記清掃ブラシによる前記エアフィルタの一回の往路の清掃の間に又は一回の復路の清掃の間に、前記清掃ブラシのリフレッシュを複数の前記引っ掛かり部を用いて繰り返し行う、
請求項1から5のいずれか一項に記載の空調室内機。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(1)空調室内機の構成の概要
本発明の一実施形態に係る空調室内機は、空気調和機を構成するために、屋外に設置される空調室外機(図示せず)と接続される。
図1には、実施形態に係る空調室内機10を右斜め上から見た状態が描かれている。
図2には、
図1のI−I線に沿って空調室内機10を切断したときの断面が描かれている。以下の説明において、上、下、左、右、正面(前)、背面(後)といった方向を示す語句を用いているが、これらの方向は、特にことわりのない限り、
図1に示されている方向を意味する。この空調室内機10は、室内RSの壁面WLなどに取り付けられる。空調室内機10の壁面WLに取り付けられている面が背面(後面)になる。
図2に描かれている掃除ユニット40の位置は、空調室内機10が通常運転をしているときの待機位置である。空調室内機10は、ケーシング21と、エアフィルタ22と、室内熱交換器23と、室内ファン24と、複数の垂直フラップ25と、複数の水平フラップ26と、本体フレーム27と、底フレーム28と、掃除ユニット40を含む自動清掃機構90とを備えている。
【0031】
(2)空調室内機10の詳細構成
(2‐1)ケーシング21
ケーシング21は、空調室内機10の横方向(左右方向)に細長い直方体状の箱形状を呈する。ケーシング21は、空調室内機10の天面部11、前面板12、背面板13、右側板14及び左側板15によって囲まれた立体空間を内部に有している。天面部11には、室内空気を吸込むための天面吸込口16が形成されている。
図2の矢印Aは、天面吸込口16から室内熱交換器23を通って室内ファン24に吸込まれる空気の流れを表している。空調室内機10の正面を構成する前面板12は、その上端が天面部11にヒンジ(図示せず)で回転自在に支持されている。右側板14及び左側板15は、それぞれ空調室内機10の右側面及び左側面を構成する。背面板13は、空調室内機10の背面を構成しており、室内の壁面にビス止めして設置された取付板(図示せず)に係止される。
【0032】
ケーシング21の立体空間内には、エアフィルタ22、室内熱交換器23、室内ファン24、複数の垂直フラップ25、本体フレーム27、底フレーム28及び自動清掃機構90が収納されている。底フレーム28は、背面板13に固定されている。そして、この底フレーム28が、ケーシング21、室内熱交換器23、室内ファン24、複数の垂直フラップ25、複数の水平フラップ26及び本体フレーム27を支持している。空調室内機10の下面を構成する底フレーム28には、調和空気を吹出すための吹出口17及び、室内空気を吸込むための下面吸込口18が形成されている。下面吸込口18は、開閉板29によって開いたり閉じたりすることができる。この開閉板29は、
図8に示されている制御部60によって制御されているモータM3によって駆動される。
【0033】
下面吸込口18は、吹出口17と壁面WLとの間に位置している。底フレーム28には、下面吸込口18から上方に向かって吸込流路28aが形成されている。
図2には図示されていないが、吸込流路28aの出口はエアフィルタ22の上方の空間につながっている。
図2の破線の矢印Bは、下面吸込口18から室内熱交換器23へと送られる室内空気の流れを表している。
【0034】
(2‐2)室内熱交換器23
室内熱交換器23は、複数の放熱フィン23aと複数の伝熱管23bとで構成されている。室内熱交換器23は、底フレーム28に取り付けられ、ケーシング21の内部に収納されている。室内熱交換器23は、空調室内機10の運転状態に応じて蒸発器または凝縮器として機能し、伝熱管23bの中を流れる冷媒と隣接する放熱フィン23aの間を通過する空気との間で熱交換を行わせる。
【0035】
室内熱交換器23は、
図2に示されているように、側面視において両端が下方に向いて屈曲する略逆V字型の形状を有している。室内ファン24は、室内熱交換器23の下方において、このような形状をした室内熱交換器23に囲まれる空間に位置している。また、
図1に示されている空調室内機10は、湿度の高い空気を供給するために室内熱交換器23に対向して左側に略直方体状の加湿ダクト99を有しているが、このような加湿ダクト99が設けられなくてもよい。
【0036】
(2−3)室内ファン24
室内ファン24は、ケーシング21の内部に位置しており、空調室内機10の長手方向(左右方向)に延びる細長い略円筒形状のクロスフローファンである。室内ファン24が稼働することによって、室内ファン24を上から下に向かって貫通して室内ファン24の上方から下方に向かう気流が発生する。その結果、室内空気が天面吸込口16あるいは天面吸込口16及び下面吸込口18の両方から吸い込まれて室内熱交換器23を通過する破線の矢印A,Bで示された気流と、室内ファン24から吹出流路28bを通過して吹出口17から室内RSへと吹出される破線の矢印Cで示された気流とが発生する。室内ファン24は、
図8に示されている制御部60によって制御されたモータM5によって駆動される。
【0037】
(2‐4)底フレーム28
底フレーム28は、下面に露出した底部28cを有している。また、底フレーム28は、底部28cから上方に延びる流路形成壁28dを有しており、この流路形成壁28dの後方に吸込流路28aが形成されており、この流路形成壁28dの前方に吹出流路28bが形成されている。流路形成壁28dは、断面視において、室内ファン24の形状に沿って湾曲したスクロール形状を持っている。また、底フレーム28は、室内ファン24の前方斜め下に、舌部28eを有している。室内ファン24の前後において、室内熱交換器23の下方には、結露を受け止めるドレンパン28fが設けられている。前方のドレンパン28fの周辺の底フレーム28よりも上に、本体フレーム27の開口部下端27aが配置される。
【0038】
底フレーム28には、複数の垂直フラップ25及び複数の水平フラップ26が回動可能に取り付けられている。複数の垂直フラップ25は、左右方向に複数枚並べて配置され、吹出流路28bに設けられており、吹出される調和空気の左右方向の風向を調整する。また、これら垂直フラップ25の下流には3枚の水平フラップ26が配置されており、これら水平フラップ26は上下方向の風向を調整する。垂直フラップ25及び水平フラップ26は、
図8に示されている制御部60によって制御されているモータM1,M2により駆動される。
【0039】
(2‐5)本体フレーム27
図3には、
図1の空調室内機10から前面板12が外された状態を右斜め上方から見た状態が示されている。
図4には、前面板12が外された状態の空調室内機10を真上から見た状態が示されている。また、
図5には、本体フレーム27とエアフィルタ22と掃除ユニット40とサブダストボックス50を含む組立体の分解斜視図が示されている。
【0040】
本体フレーム27は、底フレーム28の上に取り付けられている(
図2参照)。本体フレーム27と底フレーム28とで囲まれた空間内に室内熱交換器23と室内ファン24が配置される一方、本体フレーム27の上にエアフィルタ22が取り付けられる。本体フレーム27は、前後に延びるアーチ状の3本のガイドフレーム31,32,33と、ガイドフレーム31,32,33の後部をつなぐ左右に長いトレー状の後部連結部材34と、ガイドフレーム31,32,33の前部をつなぐ左右に長い前部連結部材35と、左右2本ずつ配置された縦桟36と、前後にわたって2本ずつ配置された横桟37とを備えている。
【0041】
本体フレーム27の右端のガイドフレーム31と中央のガイドフレーム32と後部連結部材34と前部連結部材35とで囲まれた右側開口部38に、一枚のエアフィルタ22が嵌めこまれる。また、左端のガイドフレーム33と中央のガイドフレーム32と後部連結部材34と前部連結部材35とで囲まれた左側開口部39に、もう一枚のエアフィルタ22が嵌めこまれる。これらエアフィルタ22を嵌め込むために、右端のガイドフレーム31の左側にガイドレール31aが設けられており、中央のガイドフレーム32の左右両側にガイドレール32a,32bが設けられており、左端のガイドフレーム33の右側には、ガイドレール33aが設けられている。
図6には、このガイドレール33aの近傍が拡大して示されている。ガイドレール31a,32a,32b,33aは、それぞれ左右方向に沿って切断されたときの断面形状がC字形又は逆C字形に形成されている。本体フレーム27の後部には、化粧板であるグリル19がビス止めされる。
【0042】
また、本体フレーム27には、2つの掃除ユニット40が摺動可能に取り付けられる。さらに、掃除ユニット40からこぼれる塵埃を受け止めるためのサブダストボックス50が前部連結部材35に固定されている。サブダストボックス50は、上部が開口した左右に長い箱体である。サブダストボックス50の中に掃除ユニット40が収納されるように構成されている。
【0043】
(2‐6)エアフィルタ22
図7に示されているエアフィルタ22は、左右に配置されて前後に伸びている縦フレーム22a,22bと前方に配置される横フレーム22cと後方に配置される横フレーム22dとで枠体が構成されている。これら縦フレーム22a,22bと横フレーム22c,22dに囲まれた領域に、2本の縦桟22eと4本の横桟22fが形成されている。これら縦フレーム22a,22b、横フレーム22c,22d、縦桟22e及び横桟22fに囲まれた領域にフィルタ本体22gが形成されている。フィルタ本体22gは、例えば、樹脂製の糸からなる網である。前述の縦フレーム22a,22b、横フレーム22c,22d、縦桟22e及び横桟22fも樹脂製であり、フィルタ本体22gと一体的に成形されている。
【0044】
エアフィルタ22の前方の横フレーム22cには、左右に細長く延びた2つの溝22hが形成されている。例えば、右側のエアフィルタ22を本体フレーム27に装着するときには、縦フレーム22a,22bをそれぞれ右端のガイドフレーム31のガイドレール31aと中央のガイドフレーム32の右側のガイドレール32aに差し込んで押し込んでいき、横フレーム22dを後部連結部材34に差し込む。本体フレーム27の奥まで差し込まれたエアフィルタ22は、溝22hが、本体フレーム27の前部連結部材35に形成されている2つの爪35aに引っ掛けられて固定される。さらに、溝22hから爪が外れないように、サブダストボックス50が本体フレーム27に固定されて、エアフィルタ22がサブダストボックス50によって本体フレーム27に押し付けられる。
【0045】
エアフィルタ22の縦フレーム22a,22bには多数の凸部22jが一定の間隔で前後方向に一列に並べて形成されている。これら凸部22jに対しては、後述する掃除ユニット40のゴム製のベロ部材41(
図14(a)参照)が突き当たったり、ゴム製のベロ部材41が乗り越えたりする(
図25(a)及び
図25(b)参照)。突出部であるベロ部材41は、弾性片41cと基部41bとを有している。基部41bは、清掃ブラシ43の回動部材43aに取り付けられている。このベロ部材41の先端部41aは、弾性片41cの先端部でもある。
【0046】
(2‐7)自動清掃機構90の概要
自動清掃機構90は、掃除ユニット40とサブダストボックス50とを含んでいる。この掃除ユニット40は、
図8に示されているユニット駆動モータM4によって駆動される。そして、ユニット駆動モータM4は、例えばステッピングモータであり、制御部60から送信されるパルス信号のパルス数によって移動距離が制御される。このようなユニット駆動モータM4も自動清掃機構90に含まれる機器である。
【0047】
また、この制御部60による掃除ユニット40の制御シーケンスは、メモリ62に記憶されている。自動清掃機構90による清掃は、リモートコントローラ61からの指令に基づいて行われたり、メモリ62に記憶されている制御シーケンスに従った制御部60の判断に基づいて自動的に行われたりする。
【0048】
図9には、本体フレーム27の左側の一部が拡大して示されている。本体フレーム27の左側にユニット駆動モータM4が取り付けられている。
図10に示されているように、このユニット駆動モータM4によって回転軸91が回転駆動される。回転軸91には、プーリー92が取り付けられている。プーリー92には、ワイヤ93が巻きつけられている。ワイヤ93は、両端が固定具94に取り付けられ、環状に接続されている。そのため、ユニット駆動モータM4が駆動すると、環状に接続されたワイヤ93が、本体フレーム27に沿った所定の環状の軌道上を移動する。そして、このワイヤ93の移動に従って、固定具94も本体フレーム27のガイドフレーム31,32,33に沿って移動する。固定具94は、掃除ユニット40の両端から突出した被固定部42を固定する器具である。被固定部42は、板バネ98によって固定される。この固定する力を高めるために被固定部42の表面にはゴムが貼り付けられている。従って、これら固定具94に固定された掃除ユニット40は、ユニット駆動モータM4の駆動にともない、固定具94と一緒にワイヤ93の移動に従って移動する。ワイヤ93には、スリップを防止する構造が設けられてもよく、例えば細い鋼線が螺旋状に巻き付けられて固定された構造が設けられてもよい。
【0049】
図11(a)及び
図11(b)には、
図5に示されている掃除ユニット40を背面側から見た状態が示されている。掃除ユニット40には、清掃ブラシ43が回動可能に取り付けられている。エアフィルタ22の清掃を行うときには、清掃ブラシ43の毛材44(
図13参照)がエアフィルタ22に接触する。
図12には、この掃除ユニット40の被固定部42が固定具94にはめ込まれた状態が示されている。
【0050】
(3)自動清掃機構90の詳細
(3−1)掃除ユニット40の構成の詳細
図13には、
図11(a)のII-II線で切断された掃除ユニット40を斜めから見た状態が示されている。また、
図14(a)には、掃除ユニット40のII-II線断面図が示され、
図14(b)には毛材44及び毛材48の毛先の形状が示されている。さらに、
図15には、
図11(a)及び
図11(b)に示されている清掃ブラシ43が配置されている側とは反対の側から見た掃除ユニット40が示されている。掃除ユニット40は、
図15及び
図16に示されているように、ダストボックスベース部材45と、ヒンジ45aを回動の中心として開閉可能なダストボックス蓋46とを有している。掃除ユニット40の中には、ダストボックスベース部材45とダストボックス蓋46とで囲まれた塵埃を貯留する回収スペースCSが形成されている。つまり、掃除ユニット40は、ダストボックスとしての機能も兼ね備えているということである。掃除ユニット40は、第1側面40aを空調室内機10の後方に向け、第2側面40bを空調室内機10の前方に向けて移動する(
図17参照)。
【0051】
掃除ユニット40に取り付けられた清掃ブラシ43は、第2側面40bよりも第1側面40aに近いところに配置されている。この清掃ブラシ43は、
図14(a)に示されているように、断面略円弧状の表面を持ち且つ、左右方向に長く延びた回動部材43aに毛材44が例えば接着剤などで固定されて構成されている。
図18に示されているように、この回動部材43aの左右両端には、回動軸43bが突出している。この回動軸43bはダストボックスベース部材45の第1軸受45bに嵌め込まれる。つまり、清掃ブラシ43は、本体フレーム27の前部連結部材35及び後部連結部材34に平行に左右に長く延びる回転中心の周りで回動し得るように構成されている。
【0052】
図19に示されているように、この清掃ブラシ43に対向して、剥離ブラシ47が掃除ユニット40の内部に取り付けられている。この剥離ブラシ47にも毛材48が例えば接着剤で固定されている。このような構成によって、清掃ブラシ43は、自身に固定された毛材44を剥離ブラシ47に固定された毛材48に擦りつけて、毛材44でエアフィルタ22から除去した塵埃を毛材44から掃除ユニット40の中に掻き落とす。
【0053】
剥離ブラシ47は、清掃ブラシ43の毛材44から塵埃を掻き落とす性能を向上させるために、自身に固定された毛材48を毛材44に押し付けられるようにねじりばね49によって付勢されている。また、このねじりばね49によって回動できるように、回転軸47a及び軸受47bを有している。剥離ブラシ47の回転軸47aは、ダストボックスベース部材45の第2軸受45cに嵌め込まれる。また、剥離ブラシ47の軸受47bには、ダストボックスベース部材45の回転軸45dが嵌め込まれる。
図20には、剥離ブラシ47の左端の部分が拡大して示されている。
図19に示されているように、剥離ブラシ47の回転軸47aにはねじりばね49が嵌めこまれて、ねじりばね49の一方端が剥離ブラシ47の本体47cに引っ掛けられる。このねじりばね49の他方端は、
図21に示されているように、ダストボックスベース部材45の壁に押し付けられる。このような構成によって、掃除ユニット40の第1側面40aとは反対の側に向かって、剥離ブラシ47の毛材48が付勢される。そして、
図13及び
図14(a)に示されている状態では、清掃ブラシ43に固定された毛材44と剥離ブラシ47に固定された毛材48が接触した状態を保つことによって清掃ブラシ43と剥離ブラシ47の間に隙間が生じないように構成されている。
図14(b)に示されているように、毛材44の毛先44aの形状は、中心線44cの周りに断面が円弧状になるように形成されているとともに、毛材48の毛先48aの形状は、中心線48cの周りに断面が円弧状になるように形成されている。隙間が生じないようにするだけではなく、剥離ブラシ47で剥離された塵埃が掃除ユニット40の外にこぼれないようにするために、中心線44c,48cをずらして、且つ毛先44a,48aが掃除ユニット40の奥で一部重なるように構成されている。また、毛材44は、矢印Dで示されているように、中心線44cから出る放射状の線に対して先端が第1側面40aに向かって傾くように傾斜している。毛材48は、矢印Eで示されているように、中心線48cから出る放射状の線に対して先端がダストボックス蓋の方を向くように傾斜している。
【0054】
掃除ユニット40には、リフレッシュのために清掃ブラシ43を回転させるためのゴム製のベロ部材41が清掃ブラシ43に接続されている。
図11(a)には、ベロ部材41が掃除ユニット40の第2側面40bに向かって倒れた状態が示され、
図11(b)には、ベロ部材41が掃除ユニット40の第1側面40aに向かって倒れた状態が示されている。ベロ部材41が第2側面40bに向かって倒れると、清掃ブラシ43は、毛材44を露出する向きに回転する。
図11(a)の状態のときに清掃ブラシ43がとる姿勢が清掃姿勢である。
【0055】
逆に、ベロ部材41が第1側面40aに向かって倒れると、清掃ブラシ43は、毛材44を掃除ユニット40内に収納する向きに回転する。そして、
図11(b)の状態では、
図13に示されている回動部材43aの裏面43cが外側を向いて露出している。回動部材43aの裏面43cが露出している状態では、回動部材43aは、掃除ユニット40の内部側に凹んでいるので、清掃ブラシ43はエアフィルタ22には接触しない。この清掃ブラシ43の塵埃を掻き落とすために清掃ブラシ43の毛材44が掃除ユニット40の内部に収納されている状態のときに清掃ブラシ43がとる姿勢がリフレッシュ姿勢である。
【0056】
(3−2)自動清掃機構90の動作
図8に示されている制御部60がエアフィルタ22の清掃を行う制御をするときは、制御部60によって室内ファン24の運転が停止される。室内ファン24の運転が停止した後、制御部60は自動清掃機構90のユニット駆動モータM4を駆動させる。自動清掃機構90が清掃を始める前は、
図3に示されているように、掃除ユニット40が、サブダストボックス50の中で待機している。なお、
図3には、説明の便宜上右側の掃除ユニット40が背面側に移動した状態も二点鎖線で示されている。このように、空調室内機10の前方で待機している掃除ユニット40は、空調室内機10の前方から後方に向かって移動しながらエアフィルタ22の清掃を行う。
【0057】
エアフィルタ22の清掃時に掃除ユニット40が清掃する範囲は、
図7に示されているエアフィルタ22のフィルタ本体22gの前端部22mから後端部22nまでである。このとき掃除ユニット40は、
図4に矢印で示されている領域Ar1を移動する。なお、
図4には、説明の便宜上右側の掃除ユニット40が背面側に移動した状態も二点鎖線で示されている。この空調室内機10では、前から後に向かって掃除ユニット40が移動するときに清掃ブラシ43によってエアフィルタ22の清掃が行われる。領域Ar1を前方から後方に前進と後進とを繰り返しながら進む一回の往路の間に、1セットの清掃が行われる。この空調室内機10では、フィルタ本体22gの後端部22nから前端部22mに向かって掃除ユニット40が移動する一回の復路の間には清掃は行われない。従って、一回の復路の間には、前進と後進との繰り返しは行われず、フィルタ本体22gの後端部22nから前端部22mに向かっての掃除ユニット40の後進のみが行なわれる。
【0058】
掃除が始まって掃除ユニット40がサブダストボックス50から出るときには、
図11(a)及び
図25(a)に示したように、ゴム製のベロ部材41は、掃除ユニット40の第2側面40bの方に向かって倒れている。このような状態にあるベロ部材41は、前進している間は、
図17において実線で示されているように、エアフィルタ22の凸部22jのところで弾性変形を起こして凸部22jを乗り越えながら進んでいく。前進を開始して所定パルス数だけユニット駆動モータM4が回転(正回転)すると、第1所定距離L1だけ掃除ユニット40が前進する。
【0059】
制御部60は、ユニット駆動モータM4が第1所定パルス数だけ回転すると、ユニット駆動モータM4の回転を止めて逆方向に回転させるための逆回転用のパルス信号を制御部60がユニット駆動モータM4に送信する。このパルス信号に応じて、第2所定パルス数だけユニット駆動モータM4が回転(逆回転)し、第2所定距離L2だけ掃除ユニット40が後進する。この後進時の初期にベロ部材41の先端部41aがエアフィルタ22の凸部22jに引っ掛かる。ベロ部材41の先端部41aがエアフィルタ22の凸部22jに引っ掛かったままで掃除ユニット40が後進を続けると、掃除ユニット40の後進に連れて清掃ブラシ43が回転する。この清掃ブラシ43の回転が完了すると、
図11(b)、
図22及び
図25(b)に示されている状態になる。つまり、
図17に二点鎖線で示されているように、ベロ部材41の先端部41aが後方を指した状態になる。ベロ部材41の先端部41aが後方を指した状態になったままでさらに掃除ユニット40が後進を続けると、前進のときと同様に、ベロ部材41が変形を繰り返してエアフィルタ22の凸部22jを乗り越えていく。そして、第2所定距離L2だけ掃除ユニット40が後進すると、ユニット駆動モータM4の回転を止めて逆方向に回転させるための正回転用のパルス信号を制御部60がユニット駆動モータM4に送信する。すると、掃除ユニット40は、再び前進を開始する。
図11(b)及び
図22の状態で前進を始めた掃除ユニット40のベロ部材41の先端部41aは、凸部22jに引っ掛かって、清掃ブラシ43に固定されている毛材44を露出させる向きに清掃ブラシ43を回転させる。そして、
図11(a)の状態になって掃除ユニット40は第1所定距離だけ前進を続ける。このように、前進と後進とを繰り返しながら、掃除ユニット40は、エアフィルタ22の後端部22nまでエアフィルタ22の清掃を続ける。
【0060】
上述の前進と後進を繰り返しながら行う一回の往路の清掃について
図23及び
図24を用いて説明する。
図23及び
図24において、右向きの矢印が前進を示し、左向きの矢印が後進を示している。
図23及び
図24を用いた説明では、説明を分かり易くするため前進の移動距離と後進の移動距離の比に簡単な整数の値を用いている。
図23に示されている場合が通常清掃モードであって、掃除ユニット40が1回前進する距離L1と1回後進する距離L2の比が、5:3になっている。そのため、エアフィルタ22の前端部22mから後端部22nまでの領域Ar1では、清掃ブラシ43が3回清掃する箇所ができるものの領域Ar1内のいずれの箇所も少なくとも2回は清掃されることになる。3回の清掃の間に必ず2回の後進が行われ、2回の清掃の間に必ず1回の後進が行われて清掃ブラシ43が剥離ブラシ47に擦りつけられてリフレッシュが行われる。そのため、2回目及び3回目の清掃も、清掃ブラシ43の清掃機能が回復した状態で行われる。具体的には、掃除ユニット40は、ユニット駆動モータM4のパルス数で見ると、例えば、2424パルス進んで1496パルス戻る前進と後進とを繰り返して、一組の前進と後進とで928パルスずつ15回進むように構成される。
【0061】
図24に示されている場合が念入り清掃モードであって、掃除ユニット40が、1回前進する距離L1と1回後進する距離L3の比が、5:4になっている。そのため、エアフィルタ22の前端部22mから後端部22nまでの領域Ar1では、どの箇所も清掃ブラシ43が5回清掃することになる。この5回の清掃の間に必ず4回の後進が行われて清掃ブラシ43が剥離ブラシ47に擦りつけられてリフレッシュが行われる。そのため、1回目から5回目までの清掃は、清掃ブラシ43の清掃機能が回復した状態で行われる。具体的には、掃除ユニット40は、ユニット駆動モータM4のパルス数で見ると、例えば、2192パルス進んで1496パルス戻る前進と後進とを繰り返して、一組の前進と後進とで696パルスずつ20回進むように構成される。
【0062】
なお、正確に掃除ユニット40を移動させるために、移動開始前又は移動終了後の少なくとも一方で、固定具94が本体フレーム27に突き当たって動かなくなってユニット駆動モータM4がトルクだけを発生する状態になるまで増し締めが行われる。また、掃除ユニット40が清掃を介してからしばらくの間(L1-L2,L1−L3)、同じ箇所が1回しか清掃されない。そのため、この箇所が清掃の少ない箇所になるため、例えば、この箇所が横フレーム22cに対応する箇所にしておくと、フィルタ本体22gに対しての清掃ムラは生じなくなる。また、後端部22nの近傍でも同じことが生じる可能性があるため、予め横フレーム22dまで掃除ユニット40が移動するように構成しておくと同様に清掃ムラを防ぐことができる。あるいは、清掃開始時と清掃終了時だけ前進と後進の距離が同じになるように設定してもよい。
【0063】
(3−3)運転積算量による設定
図8に示されている制御部60は、例えば内蔵されているタイマを用いてカウントすることにより、空調室内機10が空気調和運転(暖房運転及び冷房運転)を行った時間を運転積算量としてメモリ62に記憶している。空調室内機10は、この運転積算量に応じて念入り清掃モードで清掃を行うか、又は通常清掃モードで清掃を行うかを設定する。例えば、エアフィルタ22の清掃の指示が出た時点で、この運転積算量が閾値、例えば50時間を超えているか否かを判断する。そして、運転積算量が閾値を超えていれば、制御部60は、エアフィルタ22の汚れがひどくなっていると想定して、念入り清掃モードを選択する。もし、運転積算量が閾値を超えていなければ、制御部60は、エアフィルタ22に付着している塵埃が少ないと想定して、通常清掃モードを選択する。
【0064】
(3−4)清掃運転の中止
図8に示されている制御部60は、例えば、リモートコントローラ61からの指示によって、通常運転を停止して清掃運転を開始する。通常は、エアフィルタ22の前端部22mから後端部22nまでの領域Ar1の全体の清掃を終えた時点で、清掃運転を終了して待機位置であるサブダストボックス50の中に移動する。ところが、清掃運転には所定時間例えば十数分の時間を要することから、領域Ar1の全体の清掃を終えるまでのタイミングで、リモートコントローラ61を用いてユーザから空気調和運転を再開するように指示される場合など、割り込みの命令が入る場合がある。
【0065】
制御部60は、清掃運転中に割り込みが入って清掃運転の中止指示を受けたときは、エアフィルタ22の後端部22nまでの清掃が完了する前でも清掃運転を終了し、直ちに反転して掃除ユニット40を前方に移動させる。そして、制御部60は、空気調和運転中に待機すべき待機位置であるサブダストボックス50の中に掃除ユニット40を戻す。このように清掃運転を途中で中止しても、掃除ユニット40が前方に向かって後進するときに、ベロ部材41の先端部41aが凸部22jに引っ掛かって、ベロ部材41によって清掃ブラシ43が回動させられ、清掃ブラシ43の毛材44が掃除ユニット40の中に収納される。そのため、直ちに反転しても、清掃ブラシ43の毛材44から塵埃を溢すこと無く、掃除ユニット40を待機位置まで移動させることができる。
【0066】
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記実施形態では、一回の往路でエアフィルタ22が清掃される場合について説明したが、一回の復路でエアフィルタ22が清掃されるように空調室内機10が構成されてもよい。一回の復路でエアフィルタ22が清掃されるようにするには、清掃ブラシ43の毛材44を露出させるための回転の向きと毛材44を掃除ユニット40の内部に収納するための回転の向きが上記実施形態とは逆になるように構成すればよい。
【0067】
(4−2)変形例B
上記実施形態では、掃除ユニット40の前進と後進が前後方向について行われる場合について説明したが、掃除ユニット40の進行方向は前後方向に限られるものではなく、例えば掃除ユニット40が左右方向に進行するような場合でも左進と右進とを繰り返しながら進むように構成することで本発明を適用することは可能である。
【0068】
(4−3)変形例C
上記実施形態では、清掃ブラシ43が回動することによって清掃ブラシ43が清掃姿勢とリフレッシュ姿勢とをとる場合について説明したが、剥離ブラシが姿勢を変更するように構成してもよい。この場合は、例えば剥離ブラシが清掃ブラシの周囲を回動するように構成される。このような構成では、清掃ブラシは回動せず、掃除ユニット40に固定される。例えば剥離ブラシを断面円弧状に形成し、剥離ブラシがエアフィルタ22と清掃ブラシの間に入り込んで塵埃を除去した後、剥離ブラシが掃除ユニット40の中に戻るように構成される。この場合、剥離ブラシが回動しているときが第1姿勢から第2姿勢への掃除ユニット40の姿勢変更であり、剥離ブラシが掃除ユニット40の中に収納された姿勢が第1姿勢である。
【0069】
(4−4)変形例D
上記実施形態では、固定側部材がフィルタフレームである縦フレーム22a,22bになっているが、固定側部材がフィルタフレーム以外、例えばガイドフレーム31,32,33であってもよい。また、固定側部材は、凸部22jのようなものではなく、例えば凹部でもよい。又は、粗面化された表面でもよく、その粗面化された表面との摩擦抵抗でゴム製のベロ部材41などの突出部が引っ掛かって掃除ユニット40などのブラシユニットの姿勢を、エアフィルタ22に沿って移動しながらエアフィルタ22の塵埃を取り除くための第1姿勢と、清掃ブラシ43の塵埃を除去するために第1姿勢から変更される第2姿勢をとることができるものであればよい。
【0070】
(4−5)変形例E
上記実施形態では、弾性片41cがベロ部材41の一部である場合について説明したが、例えば、基部41bを樹脂で成形して、樹脂製の基部に弾性片を嵌めこんでもよく、本発明を構成するための弾性片41cはベロ部材41の一部である場合には限られるものではない。
【0071】
(4−6)変形例F
上記実施形態では、清掃ブラシ43から塵埃を除去して清掃ブラシ43をリフレッシュするためのリフレッシュ機構として剥離ブラシ47を例に挙げて説明したが、リフレッシュ機構は剥離ブラシ47には限られない。例えば、櫛又は粘着テープなどのような塵埃除去部材をリフレッシュ機構として用いることもできる。
【0072】
(5)特徴
(5−1)
以上説明したように空調室内機10は、ブラシユニットとして、清掃ブラシ43を含む掃除ユニット40を備えている。この掃除ユニット40が清掃ブラシ43の毛材44を露出する姿勢が掃除ユニット40の第1姿勢である。また、清掃ブラシ43の毛材44が掃除ユニット40の内部に収納されて清掃ブラシ43の毛材44が剥離ブラシ47の毛材48に擦りつけられる姿勢の変更が、清掃ブラシの塵埃を除去するために第1姿勢から第2姿勢への姿勢変更である。空調室内機10では、突出部としてのゴム製のベロ部材41が複数の引っ掛かり部であるエアフィルタ22の複数の凸部22jに引っ掛かることで、第1駆動及び第2駆動が生じている。空調室内機10においては、これら複数の凸部22jが配置されているのは、エアフィルタ22の縦フレーム22a,22bであるから、エアフィルタ22のフィルタフレームが固定側部材である。
【0073】
つまり、ベロ部材41が
図17に実線で示されている状態になっている掃除ユニット40が後方に向かって移動していれば、エアフィルタ22が掃除ユニット40から露出した毛材44によって清掃されているから、掃除ユニット40が第1姿勢をとっていることになる。また、
図17に実線で示されている状態になっている掃除ユニット40が後進すると、ベロ部材41の先端部41aがエアフィルタ22の凸部22jに引っ掛かって、ベロ部材41とともに清掃ブラシ43が回転して、ベロ部材41が
図17において二点鎖線で示されている状態に変化する。
図17に二点鎖線で示されている状態にベロ部材41が変化するとき、清掃ブラシ43に固定された毛材44が剥離ブラシ47に固定された毛材48に擦りつけられて清掃ブラシ43から塵埃が剥離される。このようにベロ部材41が
図17の実線の状態から二点鎖線の状態に変化するということは、掃除ユニット40が第1姿勢から第2姿勢に姿勢を変更することである。従って、ベロ部材41が
図17の実線の状態から二点鎖線の状態に変化することで、掃除ユニット40を第1姿勢から第2姿勢に変化させる第1駆動を生じさせることになる。
【0074】
次に、ベロ部材41が
図17に二点鎖線で示されている状態になっているときに掃除ユニット40が前進すると、ベロ部材41の先端部41aが凸部22jに引っ掛かることで、ベロ部材41が
図17の二点鎖線の状態から実線の状態に変化する。ベロ部材41が実線の状態では清掃ブラシ43が掃除ユニット40の外部に露出しているので、ベロ部材41が
図17の二点鎖線の状態から実線の状態に変化することは、掃除ユニット40を第2姿勢から第1姿勢に変更することを意味する。従って、このベロ部材41を
図17の二点鎖線の状態から実線の状態に変化させることが第2駆動である。
【0075】
このように、ベロ部材41が複数の凸部22jに引っ掛かることで清掃ブラシ43の塵埃除去及びエアフィルタ22の塵埃除去のための第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変更が行われることから、清掃ブラシ43が移動するときの力を動力として用いることができるので、モータなどの追加の動力源が不要になって空調室内機10の小型化が行える。そして、複数の凸部22jが所定間隔で配置されているから、至る所で清掃ブラシ43のリフレッシュが可能になる。その結果、空調室内機10の小型化と同時に、エアフィルタ22の至る所で清掃ブラシ43のリフレッシュを行うことが可能になる。
【0076】
なお、一回の往路の清掃(前方から後方に向かっての1セットの清掃)の場合は、空調室内機10の前方から後方に向かっての移動が前進であり、後方から前方に向かっての移動が後進であったが、一回の復路で清掃(後方から前方に向かっての1セットの清掃)を行う場合には、空調室内機10の後方から前方に向かっての移動が前進になり、前方から後方に向かっての移動が後進になる。
【0077】
(5−2)
既に説明したように、凸部22jは、エアフィルタ22の縦フレーム22a,22bに所定間隔で一列に並べて配置されている。これらエアフィルタ22の縦フレーム22a,22bがフィルタフレームであり、固定側部材である。このように、エアフィルタ22の占有領域内に固定側部材を配置できる結果、固定側部材の配置に必要な場所をエアフィルタ22の占有領域の外にまで広げなくても済むので空調室内機10の小型化が容易になる。
【0078】
(5−3)
上述の実施形態では、複数の凸部22jが複数の引っ掛かり部である場合について説明した。これら複数の凸部22jは、互いに隣接する凸部22jの間は、凹部ということになるから、一列に並んだ複数の凸部22jは複数の凹凸と見ることもできる。このような複数の凹凸をフィルタフレームに形成するには、エアフィルタ22の縦フレーム22a,22bを形成する金型に凹凸形状を彫刻しておけば良いので、安価に形成することができる。
【0079】
(5−4)
上述の実施形態の空調室内機10では、掃除ユニット40のベロ部材41の先端部41aが前方を指している状態である第1姿勢を掃除ユニット40が取るときに、清掃ブラシ43は、エアフィルタ22に沿って移動しながらエアフィルタ22の塵埃を取り除くための清掃姿勢をとっている(
図25(a)参照)。また、掃除ユニット40のベロ部材41の先端部41aが後方を指している状態である第2姿勢を取るときには、清掃ブラシ43は、自身の塵埃を除去するために清掃姿勢からリフレッシュ姿勢(
図25(b)参照)に姿勢変更する。
【0080】
この清掃ブラシ43は、掃除ユニット40に回動可能に支持される回動軸43bを有している。また、突出部であるベロ部材41は、弾性片41cと基部41bとを有している。基部41bは、清掃ブラシ43の回動部材43aに取り付けられている。従って、ベロ部材41の先端部41aは、弾性片41cの先端部でもある。掃除ユニット40は、所定の第1方向である後方に清掃ブラシ43が進むときに凸部22jに弾性片41cの先端部41aを当てて引っ掛かることにより第1駆動を生じさせる。また、掃除ユニット40は、第1方向とは逆の第2方向である前方に清掃ブラシ43が進むときに凸部22jに弾性片41cの先端部41aを当てて引っ掛かることにより第2駆動を生じさせる。特に、ベロ部材41がゴム製であることから、摩擦力を大きくし易く、第1駆動及び第2駆動を生じさせる力を確実に得ることが容易になる。このように基部41bと弾性片41cを持つベロ部材41を用いることで、モータなどの大きな装置を用いること無く、簡単な構成で第1駆動と第2駆動を実現できる。第1駆動と第2駆動を実現するための構成が簡単であることから、空調室内機10の小型化が容易になる。
【0081】
(5−5)
そして、第1駆動を生じた後に後方にさらに進む場合及び第2駆動を生じた後に前方にさらに進む場合には、弾性片41cが弾性変形を起こすことにより、凸部22jをベロ部材41が乗り越えていくことができる。その結果、弾性片41cを凸部22jに引っ掛かった状態から引っ掛からない状態に変化させる構造を新たに設ける必要がなくなり、空調室内機10の小型化をさらに進めることができる。
【0082】
(5−6)
掃除ユニット40は、清掃ブラシ43がリフレッシュ姿勢をとるときに清掃ブラシ43の塵埃を除去するためのリフレッシュ機構として剥離ブラシ47を有している。剥離ブラシ47は、清掃ブラシ43が清掃姿勢(
図14(b)参照)からリフレッシュ姿勢(
図25(b)参照)まで姿勢変更をする際に清掃ブラシ43に常時接触している。その結果、清掃ブラシ43が清掃姿勢からリフレッシュ姿勢に姿勢変更するときに、清掃ブラシ43と剥離ブラシ47が衝突して急激に姿勢が変化するのを防ぐことができ、清掃ブラシ43がスムーズに姿勢を変更できる。
【0083】
(5−7)
空調室内機10は、例えばリモートコントローラ61を用いて指示することにより、清掃ブラシ43による清掃運転を中止することができるように構成されている。そして、清掃ブラシ43によるエアフィルタの清掃中に清掃運転の中止指示を受けたときには、直ちに反転して掃除ユニット40を空気調和運転中に待機すべきサブダストボックス50に戻す。サブダストボックス50は、空気調和運転中に待機すべき待機位置である。その結果、エアフィルタ22の清掃を遣り残した部分を清掃する時間を省くことができ、清掃運転の中止指示を受けてから空気調和運転を開始するまでの時間を短縮して、空調室内機の使用時の快適性を向上させることができことができる。
【0084】
(5−8)
図23及び
図24を用いて説明したように、清掃ブラシ43によるエアフィルタ22の一回の往路の清掃の間に又は一回の復路の清掃の間に、清掃ブラシ43のリフレッシュを複数の引っ掛かり部である複数の凸部22jを用いて繰り返し行うように構成されている。一回の往路の清掃の間に又は一回の復路の清掃の間に清掃ブラシ43の清掃機能を繰り返し回復させることができ、一回の往路の清掃の間に又は一回の復路の清掃の間にリフレッシュを繰り返し行うことで清掃ブラシ43によるエアフィルタ22の清掃度合いを向上させることができる。