特許第6299843号(P6299843)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6299843情報処理装置、情報処理システム、制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6299843
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20180319BHJP
【FI】
   G06Q30/02 310
【請求項の数】14
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-219597(P2016-219597)
(22)【出願日】2016年11月10日
(62)【分割の表示】特願2013-159678(P2013-159678)の分割
【原出願日】2013年7月31日
(65)【公開番号】特開2017-27632(P2017-27632A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2016年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(74)【代理人】
【識別番号】100208904
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 秀起
(72)【発明者】
【氏名】多ヶ谷 有
(72)【発明者】
【氏名】淺田 克暢
(72)【発明者】
【氏名】青山 行宏
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−186413(JP,A)
【文献】 特開2003−346070(JP,A)
【文献】 特開2003−233710(JP,A)
【文献】 特開2001−243401(JP,A)
【文献】 特開2006−092106(JP,A)
【文献】 米国特許第06978249(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の条件における新商品の需要量を予測する情報処理装置であって、
商品の需要量及び需要があった日を含む需要実績を記憶する需要実績記憶手段と、
前記新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択手段と、
前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得手段と、
前記商品情報選択手段によって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出したベース需要量と前記取得手段によって取得した新商品の変動期間とに基づいて、前記所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記取得手段によって取得した新商品の変動期間に従って得られた前記算出手段によって算出したベース需要量により、前記変動期間におけるベース需要量を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記商品情報選択手段によって選択された商品の需要実績から季節変動によって影響を受けた当該商品の需要量を除いたベース需要量を算出することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、記商品の定期間における算出手段により算出したベース需要量を前記変動期間以降におけるベース需要量を決定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記商品の一定期間における前記算出手段により算出したベース需要量の平均値を前記変動期間以降のベース需要量として決定することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記新商品の変動期間の販売時期に前記商品の販売時期を合わせ、前記商品の前記変動期間におけるベース需要量を決定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記商品情報選択手段によって選択した商品の需要実績から、季節変動によって当該商品の需要量に影響を与える指数を算出する指数算出手段と、
前記算出手段は、前記指数算出手段によって算出した指数を用いて、前記商品のベース需要量を算出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記指数算出手段は、前記変動期間を除外した期間における商品の前記指数を算出することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記指数算出手段は、前記商品の終売前の需要の落ち込み期間を除外した期間における前記指数を算出することを特徴とする請求項またはに記載の情報処理装置。
【請求項10】
クライアント端末と情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された情報処理システムであって、
前記クライアント端末は、
新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得手段と、
前記商品情報選択手段によって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出したベース需要量と前記取得手段によって取得した新商品の変動期間とに基づいて、所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
所定の条件における新商品の需要量を予測する、商品の需要量及び需要があった日を含む需要実績を記憶する記憶部を備えた情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置は、
前記新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択ステップと、
前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得ステップと、
前記商品情報選択ステップによって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出ステップと、
前記算出ステップによって算出したベース需要量と前記取得ステップによって取得した新商品の変動期間とに基づいて、前記所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定ステップと、
を実行することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
所定の条件における新商品の需要量を予測する、商品の需要量及び需要があった日を含む需要実績を記憶する記憶部を備えた情報処理装置において読取実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択手段と、
前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得手段と、
前記商品情報選択手段によって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出したベース需要量と前記取得手段によって取得した新商品の変動期間とに基づいて、前記所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項13】
クライアント端末と商品の需要量及び需要があった日を含む需要実績を記憶する記憶部を備えた情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された情報処理システムの制御方法であって、
前記クライアント端末は、
新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択ステップ
を実行し、
前記情報処理装置は、
前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得ステップと、
前記商品情報選択ステップによって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出ステップと、
前記算出ステップによって算出したベース需要量と前記取得ステップによって取得した新商品の変動期間とに基づいて、所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定ステップと、
を実行することを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項14】
クライアント端末と商品の需要量及び需要があった日を含む需要実績を記憶する記憶部を備えた情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された情報処理システムにおいて
前記クライアント端末を、
新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択手段
として機能させ、
前記情報処理装置を、
前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得手段と、
前記商品情報選択手段によって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出したベース需要量と前記取得手段によって取得した新商品の変動期間とに基づいて、所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の需要予測を行う情報処理装置の発明であり、特に、新商品のように、発売前に需要実績に関する情報がなくとも、需要予測を行うことが可能な情報処理装置、需要予測方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
既存商品のリニューアルならば、リニューアルする前の商品の需要データからトレンドや周期を抽出し、それを未来に当てはめることである程度の予測が可能である。
【0003】
しかし、全くの新商品の場合は、過去の需要データがない、または少ないため、その需要予測は非常に困難であるといえる。特に、新商品の需要予測におけるポイントは、初期の販売規模を推定することと、その後の需要の動きを捉えることの二つである。
【0004】
そこで、新商品の需要を予測するにあたり、同様の受注変動を示すと予測される商品群という概念を導入して、過去の受注実績が不足する商品についても、所属する商品群の需要変動を用いることで、当該商品の需要を予測する発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−243401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、発売が開始されたものの、過去の需要実績が不足する商品について示されるものであり、需要実績のまったく存在しない商品、つまり、これから発売が予定される新商品についての需要を予測することについては記載や示唆はない(例えば、段落番号「0037」から「0044」等)ため、こういった新商品を発売してから需要量を予測することで、必要在庫などの手配が遅れるといったような問題が生じることもあり得る。
【0006】
新商品の初期の販売規模の推定は非常に難しい問題であり、最もよく行われているのは、担当者が過去の経験や様々な要因を考慮して推定するというやり方があり、過去の類似商品の実績や競合他社商品との優劣、販促等から総合的に判断する必要がある。
【0007】
しかしながら、担当者の経験による手法を用いれば、需要量を推定する際に、様々な要因の分析等にかかる担当者への作業負荷等が高く、経験に起因することもあり、妥当な数値が求められるかは定かでない。
【0008】
一方、新商品の発売後の需要動向の把握もまた非常に難しい問題である。
【0009】
発売後初期の販売規模が確定したとしても、その後販売量が増加するのか、一定するのか、減少するのか、減少するとしてそのスピードはどうか、といった需要動向の把握が必要になってくる。
【0010】
いずれにしても新商品の予測が困難であることは間違いない。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、商品の需要予測を行う上で必要となる需要実績の乏しい商品の需要予測を効率的に行うことが可能な、情報処理装置、情報処理システム、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための第1の発明は、所定の条件における新商品の需要量を予測する情報処理装置であって、商品の需要量及び需要があった日を含む需要実績を記憶する需要実績記憶手段と、前記新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択手段と、前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得手段と、前記商品情報選択手段によって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出したベース需要量と前記取得手段によって取得した新商品の変動期間とに基づいて、前記所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする情報処理装置である。
【0013】
上記目的を達成するための第2の発明は、クライアント端末と情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された情報処理システムであって、前記クライアント端末は、新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択手段と、を備え、前記情報処理装置は、前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得手段と、前記商品情報選択手段によって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出したベース需要量と前記取得手段によって取得した新商品の変動期間とに基づいて、所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする情報処理システムである。
【0014】
上記目的を達成するための第3の発明は、所定の条件における新商品の需要量を予測する、商品の需要量及び需要があった日を含む需要実績を記憶する記憶部を備えた情報処理装置の制御方法であって、前記情報処理装置は、前記新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択ステップと、前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得ステップと、前記商品情報選択ステップによって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出ステップと、前記算出ステップによって算出したベース需要量と前記取得ステップによって取得した新商品の変動期間とに基づいて、前記所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定ステップと、を実行することを特徴とする情報処理装置の制御方法である。
【0015】
上記目的を達成するための第4の発明は、所定の条件における新商品の需要量を予測する、商品の需要量及び需要があった日を含む需要実績を記憶する記憶部を備えた情報処理装置において読取実行可能なプログラムであって、前記情報処理装置を、前記新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択手段と、前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得手段と、前記商品情報選択手段によって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出したベース需要量と前記取得手段によって取得した新商品の変動期間とに基づいて、前記所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定手段と、して機能させるためのプログラムである。
【0016】
上記目的を達成するための第5の発明は、クライアント端末と商品の需要量及び需要があった日を含む需要実績を記憶する記憶部を備えた情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された情報処理システムの制御方法であって、前記クライアント端末は、新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択ステップ、を実行し、前記情報処理装置は、前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得ステップと、前記商品情報選択ステップによって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出ステップと、前記算出ステップによって算出したベース需要量と前記取得ステップによって取得した新商品の変動期間とに基づいて、所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定ステップと、を実行することを特徴とする情報処理システムの制御方法である。
【0017】
上記目的を達成するための第6の発明は、クライアント端末と商品の需要量及び需要があった日を含む需要実績を記憶する記憶部を備えた情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された情報処理システムにおいて、前記クライアント端末を、新商品の需要予測に用いる商品選択を受付ける商品情報選択手段として機能させ、前記情報処理装置を、前記新商品を発売してから需要が安定するまでの期間を示す変動期間を取得する取得手段と、前記商品情報選択手段によって選択された商品の需要実績から当該商品のベース需要量を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出したベース需要量と前記取得手段によって取得した新商品の変動期間とに基づいて、所定の条件における新商品の需要量を予測するために用いる、前記変動期間におけるベース需要量と前記変動期間以降におけるベース需要量とを決定する決定手段と、して機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、商品の需要予測を行う上で必要となる需要実績の乏しい新商品の需要予測を効率的に行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る需要予測装置の機能構成を示す構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る需要予測装置のハードウェアの構成を示す構成図である。
図3】本発明の実施形態における新商品の需要予測を行う処理を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態における商品情報データベースの構成を示す構成図である。
図5】本発明の実施形態における類似商品情報データベースの構成を示す構成図である。
図6】本発明の実施形態における類似商品季節指数情報データベースの構成を示す構成図である。
図7】本発明の実施形態における需要実績データベースの構成を示す構成図である。
図8】本発明の実施形態における予測モデル情報データベースの構成を示す構成図である。
図9】本発明の実施形態における予測結果データベースの構成を示す構成図である。
図10】本発明の実施形態における商品情報設定画面の構成を示す構成図である。
図11】本発明の実施形態における類似商品情報設定画面の構成を示す構成図である。
図12】本発明の実施形態における類似商品季節指数算出実行処理を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態において、類似商品の需要量の例を説明するための説明図である。
図14】本発明の実施形態における予測実行処理を示すフローチャートである。
図15】本発明の実施形態における発売前の時点における予測実行処理の詳細を示すフローチャートである。
図16】本発明の実施形態において、変動期間内における類似商品の需要量から新商品のベース需要量を求める例を説明するための説明図である。
図17】本発明の実施形態において、発売開始時点のベース需要量を初回予測数量にスケールを合わせることを示す例を説明するための説明図である。
図18】本発明の実施形態において、変動期間以降の新商品の需要量の予測数量を求める例を説明するための説明図である。
図19】本発明の実施形態における発売後の現時点以降の予測実行処理の詳細を示すフローチャートである。
図20】本発明の実施形態における変動期間以降の予測実行処理の詳細を示すフローチャートである。
図21】本発明の実施形態において、新商品が既に発売された状態で、現時点以降の新商品の需要量の予測数量を求める例を説明するための説明図である。
図22】本発明の実施形態における新商品需要出力画面の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、情報処理装置(コンピュータ)の一例である需要予測装置の機能構成等の一例を示した図である。図1に示すように、本実施形態に係る需要予測装置100は、データベースと、商品情報設定部110と、類似商品情報設定部120と類似商品季節指数算出実行部130と、予測実行部140と、予測結果確認部150を備える。
【0022】
データベース(DB)には、商品情報DB101と、類似商品情報DB102と、類似商品季節指数情報DB103と、需要実績DB104と、予測モデル情報DB105と、予測結果DB106が備わっている。
【0023】
図4に示すように、商品情報DB101は、商品を一意に示す商品コード、商品コードに対応する商品の名称を示す商品名称、商品の発売開始日を示す発売日、変動期間(詳細後述)、変動期間季節性有無フラグ(詳細後述)、初回販売数量(詳細後述)等のベース需要量の算出元となる情報が蓄積されているデータベースである。
【0024】
図4では、商品情報設定部110で商品情報設定を行った後に、商品情報DB101に登録されている設定情報の一例を示す図である。商品情報設定部110の詳細については後述する。
【0025】
図5に示すように、類似商品情報DB102は、商品コード、商品名称、商品コードから特定される商品と類似する商品の商品コードを示す類似商品コード、類似商品コードに対応する商品の名称を示す類似商品名称、代表季節指数フラグ(詳細後述)、類似商品の発売日、類似商品の終売日、類似商品の終売期間、重み(詳細後述)を含む情報が蓄積されているデータベースである。
【0026】
図5では、類似商品情報設定部120で類似商品情報設定を行った後に、類似商品情報DB102に登録されている設定情報の一例を示す図である。類似商品情報設定の詳細については後述する
【0027】
図6に示すように、類似商品季節指数情報DB103は、類似商品コード、対象サイクル連番(詳細後述)、季節指数(詳細後述)が蓄積されているデータベースである。
【0028】
図6では、類似商品季節指数算出実行処理を行った後に類似商品季節指数情報DB103に登録されている類似商品季節指数情報の一例を示す図である。類似商品季節指数算出実行処理の詳細については、後述する。
【0029】
図7に示すように、需要実績DB104は、新商品ならびに類似商品の過去の商品別・日別の需要実績値が蓄積されているデータベースである。図7は、需要実績DB104に登録されている情報の一例を示す図である。
【0030】
図8に示すように、予測モデル情報DB105は、需要予測を行う上で必要とする様々な予測モデル(例えば、移動平均、指数平滑等)と各予測モデルで利用するパラメータを含む情報が記憶されている。図8は、予測モデル情報DB105に登録されている情報の一例を示す図である。
【0031】
図9に示すように、予測結果DB106は、商品コード、需要が見込まれる日付、需要予測値が蓄積されているデータベースである。図9は、予測実行処理を行った後に予測結果DB106に登録されている情報の一例を示す図である。予測実行処理の詳細については、後述する。
【0032】
図2は、需要予測装置100のハードウェア構成の一例を示した図である。図2において、CPU201は、システムバス212に接続された各デバイスを統括的に制御する。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア、一時退避領域等として機能する。ROM203は、ブートプログラムが記憶されている。
【0033】
入力制御部204は、キーボードやマウス等のポインティングデバイスで実現される入力部205からの入力を制御する。また、表示制御部206は、CRTモニタや液晶モニタ等で実現される表示部207による表示を制御する。
【0034】
外部メモリ制御部208は、外部メモリ209へのアクセスを制御する。外部メモリ209は、CPU201の制御プログラムであるオペレーションシステム(OS)や、需要予測装置100の機能を実現するためのプログラム、上記各種データベース(DB)、ファイル、アプリケーション、マスタファイル、ユーザファイル等を記憶する。
【0035】
また、外部メモリ209は、更に、需要予測装置100の機能を実現するためのテーブル等を記憶する。なお、外部メモリ209としては、ハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)、PCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続可能なコンパクトフラッシュ(登録商標)やスマートメディア等が挙げられる。
【0036】
また、本実施形態における処理又は機能は、CPU201により、外部メモリ209に記録されているプログラムが必要に応じてRAM202にロードされ、実行されることによって実現される。
【0037】
通信I/F制御部210は、LANやインターネット等のネットワーク211を介して外部機器と需要予測装置100との通信制御処理を実行する。
【0038】
図3は、需要予測装置100の処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、外部メモリ209等に記録されているコンピュータを図1に示す各機能部(商品情報設定部110と、類似商品情報設定部120と、類似商品季節指数算出実行部130と、予測実行部140と、予測結果確認部150)としてコンピュータを機能させるためのプログラムの制御に従って、CPU201が行うものである。
【0039】
ステップS301において、商品情報設定部110は、新商品需要予測に必要な情報を設定する。この際、商品情報設定部110は、表示部207に図10に示すような商品情報設定画面を表示してユーザに入力を促す。
【0040】
そして、商品情報設定部110は、商品情報設定画面を介して入力された情報を受け付ける。なお、ユーザは、商品情報項目の設定に関し、新商品需要予測を行いたい商品情報を設定する。
【0041】
商品情報には、商品コード、商品名称、発売日、変動期間、変動期間季節性有無フラグ、初回販売数量等を設定する。
【0042】
変動期間とは、発売してから需要が安定するまでの期間を意味する。例えば、月単位の予測で、発売日が2012年11月1日で変動期間が4(ヶ月)なら2013年3月から需要が安定することになる。
【0043】
この期間に於いては、例えば、需要を伸ばすための販売側の意図した戦略により、需要に影響を与えることが想定されるため、需要が安定する期間とは、別途、特定の期間として定義する。
【0044】
初回販売数量とは、新商品の発売日のあるサイクル全体の販売計画量を意味する。例えば、月単位の予測なら初回販売数量は、発売月の販売計画量、週単位の予測なら発売週の販売計画量となる。
【0045】
この初回販売数量を設定することで、発売前の新商品の需要スケールを把握することが可能となる。
【0046】
変動期間季節性有無フラグとは、予測対象の新商品が変動期間内で季節性の影響を受けるかどうかを意味する。
【0047】
発売直後は、季節性より戦略的な要因で需要が大きく変化する商品もある。そのため、変動期間季節性有無フラグの項目で無と入力した商品は、変動期間内の予測値に季節性が反映されず、一方、有と入力した商品は、変動期間内の予測値に季節性が反映される。なお、商品情報設定画面で入力した商品情報は商品情報DB101に登録される。
【0048】
ステップS302において、類似商品情報設定部120は、新商品に対する類似商品を設定する。この際、類似商品情報設定部120は、表示部207に図11に示すような類似商品情報設定画面を表示してユーザに入力を促す。
【0049】
そして、類似商品情報設定部120は、類似商品情報設定画面を介して入力された情報を受け付ける。ここで、図11に類似商品情報設定画面の一例を示す。
【0050】
なお、ユーザは、新商品に対して類似商品情報を設定し、類似商品は、新商品1つに対して複数設定することも可能である。また、商品コード、商品名称は直接入力することも可能であるし、ステップS301で設定した商品情報から選択することも可能である。
【0051】
類似商品情報には、類似商品コード、類似商品名称、代表季節指数フラグ、発売日、終売日、終売期間、重み等を設定する。
【0052】
ここで、類似商品コードとは、新商品予測を行う際に参照する既発売の商品を意味し、発売日/終売日は類似商品について入力する。
【0053】
また、終売期間とは、終売前の需要の落ち込み期間を意味し、重みとは、新商品に対する類似商品の影響度合い(例えば、需要量の変動が類似する度合い)を意味し、1つの新商品に対して類似商品の重みの合計は1になるように設定する。なお、重みについてはステップS304の予測実行で再度説明する。
【0054】
尚、新商品、類似商品については、類似商品情報設定画面の左下に示されるように、商品コード、商品名称を一覧表示するためのリストボックス等から選択することが可能である。この商品に関する情報は、商品情報DB101から取得するものとする。
【0055】
類似商品情報設定画面で入力した類似商品情報は、類似商品情報DB102に登録される。
【0056】
再び図3の説明に戻り、ステップS303において、類似商品季節指数算出実行処理では、類似商品の過去の需要実績から類似商品の季節指数を算出し、類似商品季節指数情報DB103に登録する。
【0057】
図6は、前述したように、類似商品季節指数算出処理の実行後の類似商品季節指数情報DB103に登録されている情報の一例を示す図である。
【0058】
ここで、季節指数とは、季節による需要の変動を数値化したものであり、数値が高いほど需要が多く、低いほど需要は小さくなることを意味する。
【0059】
また、DB登録項目には類似商品コード、対象サイクル連番、季節指数等がある。
【0060】
対象サイクル連番とは、算出した季節指数がいつの季節指数かを表す年初からの連番を意味する。例えば予測が月単位の場合、対象サイクル連番が1の場合は1月、対象サイクル連番が2の場合は、2月の季節指数を意味する。
【0061】
予測が週単位の場合、対象サイクル連番が1の場合は年初から数えて1週目、対象サイクル連番が2の場合は年初から数えて2週目の季節指数を意味する。
【0062】
ステップS303の処理の詳細について図12を参照して説明する。
【0063】
図12は、ステップS303の類似商品季節指数算出実行処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0064】
ステップS1201において、商品情報DB101から新商品情報を取得する。ここでいう新商品情報とは、需要の予測対象となる商品を示しており、具体的には、発売前の商品、変動期間内の商品、変動期間終了から1年未満の商品を対象として取得する。
【0065】
ステップS1202において、ステップS1201で取得した新商品の類似商品情報を類似商品情報DB102から取得する。
【0066】
本ステップでは、新商品情報に含まれる商品コードに該当する類似商品情報の商品コードを有する当該類似商品情報を取得する。
【0067】
ステップS1203において、ステップS1202で取得した類似商品の需要実績を需要実績DB104から取得する。
【0068】
本ステップでは、類似商品情報に含まれる商品コードに該当する需要実績DB104の商品コードに対応する需要実績を取得する。
【0069】
さらに本ステップでは、類似商品で行った販売戦略等のイベントによる一時的な需要量の増加を補正する。
【0070】
この補正を行う理由としては、イベントによる需要増加は、異常値と考え、異常値を含めて季節指数を算出すると誤った季節指数を算出する可能性がある。
【0071】
そこで、補正の方法は様々あるが、もし類似商品の需要量が毎年同月でほぼ一定しているのであれば、イベントを実施していない年の同月の実績値平均で補正するのが最も簡単な補正方法である。
【0072】
年によって需要量が大きく異なる場合は、イベント実施開始前と開始後のデータからトレンド直線を引き、直線上の値がイベント実施期間の補正値とする考え方もある。また、補正数量や補正率を指定して補正する場合もある。
【0073】
尚、イベントの発生期間については、ユーザが、予め認識しているものであり、その発生期間を入力(不図示の画面)することで、該当期間の需要量の補正を行っても良い。
【0074】
ステップS1204において、ステップS1203で取得した類似商品のイベント補正後の需要実績を予測サイクルに合わせて集計する。例えば、月単位の予測なら、需要実績を月単位に集計し、週単位の予測なら、需要実績を週単位に集計する。
【0075】
ここで、類似商品の需要実績取得期間について、図13を参照して説明する。図13は、月単位で予測した場合の類似商品の需要実績取得期間を表している。
【0076】
図13に示す商品コード(類似商品コード)がR0001の類似商品の需要実績は、発売月が1月であり、1月から3ヶ月間が、変動期間を示しており、終売期間を5月から2ヶ月間とし、終売月を7月としている。尚、現在を9月としている。
【0077】
また、12月にイベントが発生したことが示され、イベントによって、需要量が突発的に増加していることが示され、その補正を行ったことが、図13において示されている。この補正の方法は、前述した通りである。
【0078】
新商品の変動期間は、類似商品についても同様と考え、類似商品の需要実績取得期間は、ステップS1201で取得した新商品の変動期間を除外して取得する。
【0079】
さらに、終売している場合は、ステップS1202において取得した終売期間も除外して取得する。
【0080】
これは、発売直後あるいは終売前のある一定期間は販売戦略的な影響を大きく受け、本来の需要を表していない可能性がある。そのため、実績取得期間から当該期間を外すことが好ましいと考えられるからである。
【0081】
つまり、除外期間を考慮すると、図13においては、2010年4月から2011年5月の期間を需要実績取得期間としている。
【0082】
尚、新商品の変動期間・終売期間を除外しているが、類似商品については、1年以上の需要実績情報を備えた商品が存在するため、この期間に対しての季節指数を求めることも可能である。
【0083】
再び図12の説明に戻り、ステップS1205において、ステップS1204で集計した類似商品のサイクル別の需要実績から類似商品の季節指数を算出する。季節指数の算出方法は種々あるが、例えば、予測が月単位の場合、
[式1]

季節指数=当月需要実績÷需要実績月平均×100(%)

などによって、各月の季節指数を算出する。
【0084】
また、類似商品に季節性がない場合は、季節指数を1とすればよい。ここで、類似商品の需要実績平均は、ステップS1203で取得した需要実績取得期間のうち任意の期間から算出する。
【0085】
好ましくは1年以上の期間から算出するのがよい。平均値算出期間については計算上固定にするかあるいは商品情報設定部110で算出期間を入力する等が考えられる。また、上記の季節指数算出方法は一例を示しているに過ぎず、その他の方法で算出してもよい。
【0086】
ステップS1206において、新商品全てについて類似商品の季節指数算出処理が終了したかの判断を実施する。全商品の処理が終了していなければ、ステップS1202に戻り次の商品の処理を実施する。
【0087】
再び図3の説明に戻り、ステップS304において、予測実行処理では、類似商品の需要実績データや類似商品の季節指数を使用して新商品の需要予測を行う。ステップS304では、商品情報DB101に登録されている商品が処理対象となる。
【0088】
ステップS304の処理の詳細については図14を参照して説明する。
【0089】
図14は、ステップS304の予測実行処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0090】
ステップS1401において、当該予測対象とする新商品(前述したように、ここでいう新商品とは、需要の予測対象となる商品を示しており、具体的には、発売前の商品、変動期間内の商品、変動期間終了から1年未満の商品を対象とする。)(以後、予測商品)の類似商品情報を類似商品情報DB102から取得し、取得した類似商品についての需要実績をステップS1203、ステップS1204で記載した処理と同様に需要実績DB104から取得し、予測サイクルに合わせて実績を集計する。
【0091】
また、当該予測商品の需要実績も予測サイクルに合わせて実績を集計する。ただし、当該予測商品ならびに類似商品の需要実績取得期間については、発売日以降の全期間を取得するため、ステップS1204で記載した取得期間の制限は考慮しない。
【0092】
ステップS1402において、当該予測商品が発売前であるか否かを、本処理を行っている日付(システム日付等)と発売日とを用いて判定する。当該予測商品が発売前であれば、ステップS1403に処理を進め、当該予測商品が発売されていれば、ステップS1404に処理を進める。
【0093】
ステップS1403において、当該予測商品が発売前の時点で、発売以降の予測需要量を計算する。図15は、ステップS1403の当該予測商品が発売前の時点における予測実行処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0094】
ステップS1501において、当該予測商品が変動期間内に季節性があるかどうかを判定する。当該予測商品が変動期間内に季節性がなければ、ステップS1502に処理を進め、当該予測商品が変動期間内に季節性があれば、ステップS1503に処理を進める。
【0095】
なお、当該予測商品が変動期間内に季節性があるかどうかの情報は、商品情報DB101の変動期間季節性有無フラグとして登録されている。
【0096】
ステップS1502において、当該予測商品が変動期間内に季節変動による影響を受けない場合(季節性がない場合)、当該予測商品に設定されている複数の類似商品から当該予測商品の変動期間内のベース需要量を算出する。
ベース需要量とは、当該予測商品が持っている需要力を意味しており、類似商品の需要量とその重みの加重和から以下の式で算出する。
[式2]


BD(i):当該予測商品の時点iのベース需要量
RjD(i):類似商品jの時点iの需要量(イベント補正後需要量)
RjW:類似商品jの重み
N:変動期間
M:類似商品設定数

ここでiは、当該予測商品ならびに類似商品の発売サイクル(発売月、発売週等)を基点とした各時点を意味する。例えば、予測単位が月の場合、iが1の場合は、当該予測商品ならびに類似商品の発売月を意味する。
【0097】
iが2の場合は、当該予測商品ならびに類似商品の発売月の翌月を意味する。またMは、当該予測商品に紐付く類似商品数を意味し、各類似商品の重みは、類似商品情報DB102に登録されている当該類似商品の情報から取得する。
【0098】
また、類似商品の需要量は、ステップS1401で算出したイベント補正後の需要量であり、変動期間は、商品情報DB101から取得する。
【0099】
ステップS1503において、当該予測商品が、変動期間内に季節変動による影響を受ける場合(季節性がある場合)、当該予測商品に設定されている複数の類似商品から当該予測商品の変動期間内のベース需要量を算出する。ベース需要量は、類似商品の需要量から当該予測商品の発売時期に合わせた季節性を考慮して以下の式で算出する。
[式3]

BDj(i)=RjD(i)/RjSB(i)

BD(i):当該予測商品の時点iのベース需要量
BDj(i):類似商品jの時点iのベース需要量
RjSA(i):当該予測商品の時点iに該当するサイクルの類似商品jの季節指数
RjW:類似商品jの重み
RjD(i):類似商品jの時点iの需要量(イベント補正後需要量)
RjSB(i):類似商品jの時点iに該当するサイクルの類似商品jの季節指数
N:変動期間
M:類似商品設定数

ここで、類似商品jの時点iのベース需要量とは、ステップS1401で算出したイベント補正後の類似商品の需要量から類似商品の季節性を除去した需要量である。
【0100】
また、当該予測商品の時点iに該当するサイクルの類似商品jの季節指数とは、例えば予測単位が月の場合、当該予測商品における時点iが5の場合に該当するサイクルが3月の場合、類似商品jの3月の季節指数を意味する。
【0101】
一方、類似商品jの時点iに該当するサイクルの類似商品jの季節指数とは、例えば予測単位が月の場合、類似商品における時点iが6の場合に該当するサイクルが10月の場合、類似商品jの10月の季節指数を意味する。尚、類似商品の季節指数は、類似商品季節指数情報DB103から取得する。
【0102】
このようにベース需要量は、類似商品のベース需要量に当該予測商品の発売サイクルに合わせた季節性を付与した需要量と類似商品の重みの加重和から算出する。
【0103】
図16には、予測単位を月単位とした場合の、当該予測商品の変動期間内のベース需要量算出過程(季節性を考慮したもの)を説明した図である。また、図16は、当該予測商品に設定されている類似商品は1商品とし、変動期間を3カ月とした例である。
【0104】
図16の上段のグラフには、図13に示す商品コード(類似商品コード)がR0001の類似商品の需要実績に対してイベント補正を行った結果を示しており、図16の上段の右側には、当該類似商品の各月の季節指数が示されている。
【0105】
そして、図16の下段の左側のグラフには、図16の上段に示した商品コード(類似商品コード)がR0001の類似商品の需要実績に対して、変動期間内に季節性が認められた場合、変動期間内の各月の季節指数を用いて、季節性を除去した各月のベース需要量を求めた結果が示されている。
【0106】
例えば、季節性を除去していない1月の需要実績は、図16の上段のグラフから171であり、図16の上段の右側に示した1月の季節指数150%を用いて、需要実績を補正した結果、図16の下段の左側に示した1月のベース需要量114が求められる。
【0107】
そして、イベント、季節性を除去することで求めたベース需要量を用いて、予測対象商品のベース需要量を求めた結果を示したグラフが図16の下段の右側に示されたものである。
【0108】
予測対象商品は、10月を発売とし、類似商品の発売日が1月であるため、発売日が異なり、予測対象商品のベース需要量を求めるには、特に季節性を考慮しなければならないことも生じる。
【0109】
そこで、類似商品の発売日である1月のベース需要量(図16の下段の左側に示す)に対して、予測対象商品の発売日である10月の類似商品の季節指数(図16の上段の右側に示す)を用いて、予測対象商品の発売日である10月のベース需要量80(図16の下段の右側のグラフ)が求まる。
【0110】
ステップS1504において、ステップS1502、ステップS1503で算出したベース需要量を用いて、当該予測商品の変動期間内の需要の予測計算を行う。変動期間内のi時点の予測数量を類似商品の需要実績を基に以下の計算式で算出する。
[式4]

Y(i)=α×BD(i) (1≦i≦N)
α=SY/BD(1)

Y(i):時点iの予測数量
BD(i):当該予測商品の時点iのベース需要量
SY:当該予測商品の初回予測数量
N:変動期間
α:需要スケール調整係数

ここでBD(1)とは、複数の類似商品から算出した当該予測商品の時点iが1(発売サイクル)のベース需要量を意味し、αは当該予測商品の初回予測数量と発売サイクルのベース需要量において需要スケールの調整を行う係数である。 例えば、当該予測商品に対して発売時に行う販売戦略等のイベントにより発売サイクルのベース需要量が増加する可能性がある。その増加分を調整する係数が需要スケール調整係数である。
【0111】
需要スケール調整係数を使用することにより類似商品の需要の波を捉えつつ、イベントによる需要増にも対応した予測数量を算出することが可能になる。なお、当該予測商品の初回予測数量は、商品情報DB101(初回販売数量)に登録されている。 このように変動期間内の予測数量は、類似商品の変動期間(類似商品の発売直後)の需要の波を捉まえて算出する。このとき算出した予測数量は、予測結果DB106に登録する。
【0112】
図17は、予測単位を月単位とした場合の、変動期間内の予測数量算出過程を説明した図である。また、図17は、当該予測商品に設定されている類似商品は、1商品とし、変動期間を3ヶ月とした例である。
【0113】
図17の左側に示すグラフは、図16の下段の右側に示したグラフが示されており、変動期間内における予測対象商品のベース需要量が示されている。
【0114】
しかしながら、予測対象商品の発売を行う初回予測数量が80と求められており、以後の変動期間内のベース需要量も、この初回予測数量を基準に求められているため、本来、予測対象商品の初回の発売の数量が、80と異なる値、例えば、100とした場合、初回予測数量の補正を行うと共に、この補正を行った初回予測数量のスケールに、以後の変動期間内の各月のベース需要量を補正する必要がある。
【0115】
そこで、図17の左側のグラフに示す10月のベース需要量が80であるが、本来なら、初回予測数量として100を見込んでいるため、図17の右側のグラフに示す10月のベース需要量に100が示されている。
【0116】
そして、以降の変動期間内の各月、11月、12月・・・についても、図17の右側のグラフに示す10月のベース需要量に100のスケールに合わせるため、図17の左側のグラフに示す各月のベース需要量に初回予測数量(図17の右側のグラフに示す10月のベース需要量である100)を乗じて得られた値に対して、図17の左側のグラフに示す10月のベース需要量である80を除算してベース需要量を求める。
【0117】
ステップS1505において、当該予測商品の変動期間以降の予測計算を行う。変動期間以降のi時点の予測数量について類似商品の需要実績を基に以下の計算式で算出する。
[式5]
Y(i)=α×BD×RxSA(i) (N<i)

Y(i):時点iの予測数量
BD:当該予測商品のベース需要量
BDj:類似商品jのベース需要量
RjD (i):類似商品jの時点iの需要量(イベント補正後需要量)
RjW:類似商品jの重み
RxSA(i):当該予測商品の時点iに該当するサイクルの類似商品xの季節指数
RjSB(i):類似商品jの時点iに該当するサイクルの類似商品jの季節指数
N:変動期間
M:類似商品設定数
L:類似商品jのベース需要量算出期間
SY:当該予測商品の初回予測数量
α:需要スケール調整係数

ここで、類似商品のベース需要量は、各時点の類似商品の需要量から季節性を除外して一定期間の平均値を算出して求める。平均をとる期間Lは、固定値でもよいし、商品情報設定部110の入力項目として設定することも可能である。
【0118】
さらに算出した類似商品のベース需要量とその重みとの加重和から当該予測商品のベース需要量を算出する。
【0119】
類似商品Xの季節指数とは、当該予測商品に付与する類似商品の季節指数を意味する。
【0120】
類似商品情報DB102から当該予測商品に対する類似商品のうち、代表季節指数フラグがオンとなっている類似商品を選択し、類似商品季節指数情報DB103から選択した類似商品の季節指数を取得する。
【0121】
代表季節指数フラグがオンとなっている類似商品が複数ある場合は、季節指数は平均値とする。
【0122】
当該予測商品の時点iに該当するサイクルの類似商品Xの季節指数とは、当該予測商品の時点iに該当するサイクルの季節指数を意味している。例えば予測単位が月の場合、iが5であり、3月に該当している場合は、3月の季節指数を適用する。また需要スケール調整係数は、ステップS1504で算出した係数である。
【0123】
このように変動期間以降の予測計算は、当該予測商品のベース需要量に当該予測商品の発売サイクルに合わせた季節性を加味して、さらに需要スケールの調整を行うことで求めることが可能になる。このとき算出した予測数量は、予測結果DB106に登録する。
【0124】
図18には、予測単位を月単位の場合の、変動期間以降の予測数量算出過程を説明した図である。また、図18は、当該予測商品に設定されている類似商品は1商品とし、類似商品ベース需要量の算出期間Lは、3ヶ月の例である。
【0125】
図18の上段の左側に示すグラフは、図16の上段のグラフに示す類似商品の需要実績に対して、季節性を除外して得られた需要量を示したものであり、前述では、変動期間内を対象に補正を行っているが、ここでは、変動期間以降の3ヶ月を対象に補正を行っている。
【0126】
図16の上段のグラフの4月の需要実績50に対して、イベント補正後の需要量を求めた後、図16の上段の右側に示す4月の季節指数110を用いて、季節性を除去したベース需要量である45(図18の上段の左側のグラフに示す4月の需要量)が求まる。
【0127】
そして、5月、6月の需要量を同様に求めた後、4月から6月の需要量を用いて、変動期間以降のベース需要量を求める(図18の上段の右側に示すグラフの1月以降の需要量47を示す)。
【0128】
変動期間以降のベース需要量が求まると、各月において、変動期間以降のベース需要量に初回予測数量100を乗算して得られた値に対して、発売月のベース需要量80(図18の上段の右側に示すグラフの10月の需要量)で除算して得られた値に当該月の類似商品の季節指数(図16の上段の右側の季節指数を示す)を乗算する。
【0129】
再び図14の説明に戻り、ステップS1404において、当該予測商品が発売されて、現時点が当該予測商品の変動期間内であるか否かを判定し、現時点が当該予測商品の変動期間内であれば、ステップS1405に処理を進め、当該予測商品が発売されて変動期間を過ぎていれば、ステップS1406に処理を進める。ここで、当該予測商品の変動期間は、商品情報DB101に登録されている。
【0130】
ステップS1405において、当該予測商品の現時点以降の予測数量を計算する。図19は、ステップS1405における予測実行処理の詳細を説明するためのフローチャートである。処理の流れは図15と同じである。
【0131】
ステップS1901において、当該予測商品が変動期間内に季節性があるかどうか否かを判定し、当該予測商品が変動期間内に季節性がなければ、ステップS1902に処理を進め、当該予測商品が変動期間内に季節性があれば、ステップS1903に処理を進める。
【0132】
なお、当該予測商品が変動期間内に季節性があるかどうかの情報は、商品情報DB101の変動期間季節性有無フラグとして登録されている。
【0133】
ステップS1902において、当該予測商品が変動期間内に季節変動による影響を受けない場合(季節性がない場合)、当該予測商品に設定されている複数の類似商品から当該予測商品の変動期間内のベース需要量を算出する。ステップS1502と同様にベース需要量は、類似商品の需要量(イベント補正後需要量)とその重みの加重和から以下の式で算出する。

[式6]


BD(i):当該予測商品の時点iのベース需要量
RjD(i):類似商品jの時点iの需要量(イベント補正後需要量)
RjW:類似商品jの重み
N:変動期間
M:類似商品設定数
S:現時点(当該予測商品が発売されてSサイクル経過した時点)

ステップS1903において、当該予測商品が変動期間内に季節変動による影響を受ける場合(季節性がある場合)、当該予測商品に設定されている複数の類似商品から当該予測商品の変動期間内のベース需要量を算出する。
【0134】
ステップS1903と同様にベース需要量は、類似商品の需要量(イベント補正後需要量)から当該予測商品の発売時期に合わせた季節性を考慮して以下の式で算出する。
[式7]

BDj(i)=RjD(i)/RjSB(i)

BD(i):当該予測商品の時点iのベース需要量
BDj(i):類似商品jの時点iのベース需要量
RjSA(i):当該予測商品の時点iに該当するサイクルの類似商品jの季節指数
RjW:類似商品jの重み
RjD(i):類似商品jの時点iの需要量(イベント補正後需要量)
RjSB(i):類似商品jの時点iに該当するサイクルの類似商品jの季節指数
N:変動期間
M:類似商品設定数
S:現時点(当該予測商品が発売されてSサイクル経過した時点)

ステップS1904において、ステップS1902、ステップS1903で算出したベース需要量を用いて当該予測商品の変動期間内の予測計算を行う。ステップS1504と同様に変動期間内のi時点の予測数量を類似商品の需要実績を基に以下の計算式で算出する。

[式8]

Y(i)=α×BD(i) (S≦i≦N)

Y(i):時点iの予測数量
BD(i):当該予測商品の時点iのベース需要量
BD(l):当該予測商品の時点lのベース需要量
D(l):当該予測商品の時点lの需要量(イベント補正後需要量)
N:変動期間
S:現時点(当該予測商品が発売されてSサイクル経過した時点)
α:需要スケール調整係数

ここで、ステップS1504との違いは、需要スケール調整係数の算出方法である。
【0135】
当該予測商品は、既に発売されているため、当該予測商品の需要量は、需要実績DB104に蓄積されている。需要スケール調整係数は、既にある当該予測商品の需要量(イベント補正後需要量)と類似商品から算出した当該予測商品のベース需要量の比率から算出する。このとき算出した予測数量は、予測結果DB106に登録する。
【0136】
ステップS1905において、当該予測商品の変動期間以降の予測計算を行う。ステップS1505と同様に変動期間以降のi時点の予測数量について類似商品の需要実績を基に以下の計算式で算出する。

[式9]

Y(i)=α×BD×RxSA(i) (N<i)

Y(i):時点iの予測数量
BD:当該予測商品のベース需要量
BDj:類似商品jのベース需要量
RjD(i):類似商品jの時点iの需要量(イベント補正後需要量)
RjW:類似商品jの重み
RxSA(i):当該予測商品の時点iに該当するサイクルの類似商品xの季節指数
RjSB(i):類似商品jの時点iに該当するサイクルの類似商品jの季節指数
N:変動期間
M:類似商品設定数
L:類似商品jのベース需要量算出期間
S:現時点(当該予測商品が発売されてSサイクル経過した時点)
BD(l):当該予測商品の時点lのベース需要量
α:需要スケール調整係数

ここで、ステップS1505との違いは、需要スケール調整係数の算出方法である。
【0137】
需要スケール調整係数は、ステップS1904で算出した係数である。
【0138】
このように変動期間以降の予測計算は、ステップS1505と同様に当該予測商品のベース需要量に当該予測商品の発売サイクルに合わせた季節性を加味して、さらに需要スケールの調整を行うことで求めることが可能になる。このとき算出した予測数量は予測結果DB106に登録する。
【0139】
再び図14の説明に戻り、ステップS1406において、当該予測商品が発売されて、現時点が当該予測商品の変動期間終了から1年以内であるか否かを判定し、現時点が当該予測商品の変動期間終了から1年以内であれば、ステップS1407へ処理を進め、当該予測商品が変動期間終了から1年を過ぎていればステップS1408に処理を進める。ここで、当該予測商品の変動期間は、商品情報DB101に登録されている。
【0140】
ステップS1407において、当該予測商品の現時点以降の予測数量を計算する。図20は、ステップS1407における予測実行処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0141】
ステップS2001において、当該予測商品の変動期間以降のベース需要量算出計算を行う。変動期間以降のi時点のベース需要量は、以下の計算式で算出する。
[式10]

BD(i)=D(i)/RxSA(i)

BD(i):当該予測商品の時点iのベース需要量
D(i):当該予測商品の時点iの需要量(イベント補正後需要量)
RxSA(i):当該予測商品の時点iに該当するサイクルの類似商品xの季節指数

ここで類似商品Xの季節指数とは、当該予測商品に付与する類似商品の季節指数を意味する。類似商品情報DB102から当該予測商品に対する類似商品のうち、代表季節指数フラグがオンとなっている類似商品を選択し、類似商品季節指数情報DB103から選択した類似商品の季節指数を取得する。代表季節指数フラグがオンとなっている類似商品が複数ある場合は、季節指数は平均値とする。
【0142】
ステップS2002において、ステップS2001から算出した当該予測商品のベース需要量から当該予測商品の変動期間以降のサイクル別のベース予測数量計算を行う。
【0143】
ここで、サイクル別とは月別や週別を意味する。また、ベース予測数量計算を行う場合、予測モデル情報DB105に登録されている数学的予測モデルを使用してベース予測数量を算出する。
【0144】
ステップS2003において、ステップS2002から算出した当該予測商品のベース予測数量から当該予測商品の変動期間以降のサイクル別の予測数量計算を以下の計算式で算出する。
[式11]

Y(i)=BY(i)× RxSA(i)

Y(i):時点iの予測数量
BY(i):当該予測商品の時点iのベース予測数量
RxSA(i):当該予測商品の時点iに該当するサイクルの類似商品xの季節指数

図21には予測単位を月単位とした場合の、現時点以降の予測数量算出過程を説明した図である。また、図21は当該予測商品に設定されている類似商品は1商品とし、変動期間は3ヶ月として例である。このとき算出した予測数量は予測結果DB106に登録する。
【0145】
図21では、現時点が、2012年4月を示しており、既に予測商品は、2010年10月に発売されているので、2010年10月から2011年3月までの需要量はそのまま利用する。
【0146】
しかしながら、2012年4月以降の予測数量については、2012年1月、2月、及び3月の需要量に対して、季節性を除去したベース需要量を求めるため、図21の右上に示される季節指数を用いて、ベース需要量を求める。そして、この求めたベース需要量を用いて、現時点以降の予測数量を求める。
【0147】
再び図14の説明に戻り、ステップS1408において、当該予測商品が発売されて、現時点が当該予測商品の変動期間終了から1年以上経過しているため、当該予測商品の需要量(イベント補正後需要量)から予測数量を計算する。
【0148】
ここで、当該予測商品の変動期間は、商品情報DB101に登録されている。また処理の流れは図20と同じであり、ステップS2001からステップS2003との違いは類似商品の季節指数が当該予測商品の季節指数を使用することである。このとき算出した予測数量は予測結果DB106に登録する。
【0149】
再び図14の説明に戻り、ステップS1409において、全ての商品の予測計算が終われば処理は終了し、未計算の商品が残っている場合は、ステップS1401に戻る。
【0150】
再び図3の説明に戻り、ステップS305において、類似商品情報DB102、予測モデル情報DB105からステップS304で計算した新商品の予測値ならびに類似商品の需要実績を画面にて表示し、計算した値の妥当性を確認する。
【0151】
図22は、ステップS305で表示する新商品需要出力画面の一例を示す。画面上からは各ステップで計算した値を修正することも可能である。
【0152】
この新商品需要出力画面では、発売サイクル毎に新商品の需要量と、当該新商品に類似する商品の需要量と、を図示しており、図22では、2013年1月から12月までの需要量を示している。
【0153】
新商品需要出力画面は、新商品に類似する商品の需要量を示す類似商品需要量、新商品であっても既に発売しているようであればその需要量を示す新商品需要量、新商品の予測数量を示す新商品予測数量、予測数量の修正を行うことが可能な予測修正値等の項目を含んでいる。
【0154】
尚、新商品需要量については、図22では、2013年1月から3月までは、需要があったことを示しており、予測修正値については、初期出力時は、新商品予測数量が示され、ユーザが、適宜、修正値を入力することが可能な項目である。 以上、本発明によれば、需要予測を行う商品と類似する商品の需要実績を用いることで、予測対象となる商品の発売開始から終了までの需要予測を精度よく行うことができる。
【0155】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0156】
また、本発明におけるプログラムは、各処理方法をコンピュータが実行可能(読み取り可能)なプログラムであり、本発明の記憶媒体は、各処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。
【0157】
なお、本発明におけるプログラムは、各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0158】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読取り実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0159】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0160】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることができる。
【0161】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータで稼働しているOS等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0162】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0163】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0164】
また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0165】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステム、あるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0166】
100 需要予測装置
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 入力制御部
205 入力部
206 表示制御部
207 表示部
208 外部メモリ制御部
209 外部メモリ
210 通信I/F制御部
211 ネットワーク
212 システムバス
図1
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