(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
25℃、コーンプレート型回転粘度計で測定した回転数80rpmにおける粘度(D)が5Pa・s以上、100Pa・s以下であり、かつ粘度比(D)/(B)が0.8以上、1以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の平版印刷用インキ。
さらにシリコーン液体、アルキル(メタ)アクリレート、植物油、植物油由来の脂肪酸エステル、炭化水素系溶媒、およびフルオロカーボンから選ばれる成分の1種類以上を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の平版印刷用インキ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0012】
本発明の平版印刷用インキの粘度は、インキピペットで秤量した0.15mlのインキを、コーンプレート型回転式粘度計を用い、25℃において測定される。
【0013】
本発明の平版印刷用インキの、回転数0.5rpmにおける粘度(A)は、5Pa・s以上100Pa・s以下であることを特徴とする。前記粘度(A)が5Pa・s以上であることによって、インキが良好なローラー間の転移性を示す。より好ましくは、10Pa・s以上であり、さらに好ましくは20Pa・s以上である。また、前記粘度(A)が100Pa・s以下であることによって、前記インキの流動性が良好となり、そのインキを用いた印刷物は高い光沢性を示す。より好ましくは80Pa・s以下であり、さらに好ましくは60Pa・s以下である。
【0014】
本発明の平版印刷用インキの、回転数20rpmにおける粘度(B)と、回転数50rpmにおける粘度(C)は、ともに5Pa・s以上100Pa・s以下であることが好ましい。前記粘度(B)、および前記粘度(C)が、ともに5Pa・s以上であることによって、インキの凝集力が高くなり、前記インキの耐地汚れ性を向上させることが出来る。より好ましくは、10Pa・s以上であり、さらに好ましくは15Pa・s以上である。また、前記粘度(B)、および前記粘度(C)が100Pa・s以下であることによって、前記インキの平版印刷版への着肉性が良好となる。より好ましくは40Pa・s以下であり、さらに好ましくは20Pa・s以下である。
【0015】
本発明の平版印刷用インキの前記粘度(B)と前記粘度(C)の比率である、粘度比(C)/(B)は、0.8以上、1.0以下であることを特徴とする。より好ましくは0.85以上、1.0以下であり、さらに好ましくは0.9以上、1.0以下である。前記粘度比(C)/(B)が上記範囲内にあることによって、印刷時の高速かつ高剪断下においても、インキの凝集力が十分に保たれるため、前記インキの耐地汚れ性を向上させることが出来る。
【0016】
本発明の平版印刷用インキの回転数80rpmにおける粘度(D)は、5Pa・s以上、100Pa・s以下であることが好ましい。前記粘度(D)が5Pa・s以上であることによって、より高剪断下においてもインキの凝集力が高くなり、前記インキの耐地汚れ性を向上させることが出来る。より好ましくは、10Pa・s以上であり、さらに好ましくは15Pa・s以上である。また、前記粘度(D)が100Pa・s以下であることによって、前記インキの平版印刷版への着肉性が良好となる。より好ましくは40Pa・s以下であり、さらに好ましくは20Pa・s以下である。
【0017】
本発明の平版印刷用インキの、前記粘度(B)と前記粘度(D)の比率である、粘度比(D)/(B)は、0.8以上、1.0以下であることが好ましい。より好ましくは0.85以上、1.0以下であり、さらに好ましくは0.9以上、1.0以下である。前記粘度比(D)/(B)が上記範囲内にあることによって、印刷時の高速・高剪断下においても、インキの凝集力が十分に保たれるため、前記インキの耐地汚れ性を向上させることが出来る。
【0018】
本発明の平版印刷用インキの損失正接(tanδ、以下、単に「tanδ」という)の値は、動的粘弾性測定装置を用いて正弦波振動法により測定される。tanδとは、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の比G’’/G’である。tanδの値が小さいほど、平版印刷用インキは変形に対して元の形状に戻る性質が強いことを意味する。一方で、tanδの値が大きいほど、平版印刷用インキは変形に追随する性質が強いことを意味する。
【0019】
本発明の平版印刷用インキは25℃、1000(rad/s)におけるtanδの値が1.0以上、2.0以下であることが好ましい。印刷中の平版印刷用インキは、1000(rad/s)以上の高剪断をローラー上や版面上で受ける。本発明の平版印刷用インキが液体としての挙動を示し、ローラー間転移性や画線部への着肉性が良好となるため、1000(rad/s)におけるtanδの値は、1.0以上が好ましい。より好ましくは、1.2以上であり、さらに好ましくは1.4以上である。一方で、本発明の平版印刷用インキに高剪断下における高い凝集力を付与し、耐地汚れ性を向上させるため、1000(rad/s)におけるtanδの値は、2.0以下が好ましい。より好ましくは、1.8以下であり、さらに好ましくは、1.6以下である。
【0020】
本発明の平版印刷用インキは25℃、1(rad/s)におけるtanδの値が2.0以上、3.0以下であることが好ましい。本発明の平版印刷用インキに低剪断下における流動性を付与し、高光沢な印刷物を得られるため、1(rad/s)におけるtanδの値は、2.0以上が好ましい。より好ましくは、2.2以上であり、さらに好ましくは2.4以上である。また、1(rad/s)におけるtanδの値は、本発明の平版印刷用インキの糸曳きを小さくし、インキのミスチングを抑制できるため、3.0以下が好ましい。より好ましくは、2.8以下であり、さらに好ましくは、2.6以下である。
【0021】
本発明の平版印刷用インキは、親水性基を有する樹脂、およびヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。前記親水性基およびヒドロキシル基は、インキ中の顔料分散性を良好にするため、インキの構造粘性(顔料が凝集構造を作り高粘度化すること)を低減し、低剪断下においてインキを低粘度化すると考えられる。低せん断下におけるインキ粘度が低いことで、本発明の平版印刷用インキを用いた印刷物は高い光沢性を示すと考えられる。また、前記親水性基を有する樹脂は、前記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートに溶解し、前記親水性基と前記ヒドロキシル基間の水素結合等の相互作用により高粘度化する。前記溶解物は、ニュートニアン性の流体であり、剪断の強さによらず一定の粘度を維持する。本発明の平版印刷用インキにおいて、構造粘性が崩れた後の高剪断領域(回転数20rpm以上)では、媒体である前記溶解物の粘度が支配的になるため、剪断による粘度低下が小さく、高剪断下において高粘度を維持する。結果として印刷時のような高剪断下において、インキの凝集力が高く、非画線部に対するインキ反発性が向上することから、耐地汚れ性が向上する。 前記親水性基を有する樹脂の親水性基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基などが挙げられる。中でも顔料の分散性が良好な、カルボキシル基が特に好ましい。
【0022】
前記親水性基を有する樹脂の酸価は、30mgKOH/g以上であると、平版印刷用インキの顔料分散性が良好で、かつ耐地汚れ性が向上することから好ましい。より好ましくは60mgKOH/g以上、さらに好ましくは75mgKOH/g以上である。また、前記酸価は250mgKOH/g以下であると、本発明の平版印刷用インキの流動性が保たれるため好ましい。より好ましくは200mgKOH/g以下、さらに好ましくは150mgKOH/g以下である。前記酸価が上記範囲内にあることで、インキの顔料分散性、耐地汚れ性、流動性を良好に保つことが出来る。なお、前記樹脂の酸価は、JIS K 0070:1992の試験方法第3.1項の中和滴定法に準拠して求めることができる。
【0023】
前記親水性基を有する樹脂の重量平均分子量は、5,000以上であると、平版印刷用インキの耐地汚れ性が向上するため好ましい。より好ましくは15,000以上、さらに好ましくは20,000以上である。また、重量平均分子量は100,000以下であると、平版印刷用インキの流動性が保たれるため好ましい。より好ましくは75,000以下、さらに好ましくは50,000以下である。なお、前記樹脂の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で測定を行い、得ることができる。
【0024】
前記親水性基を有する樹脂としては、カルボキシル基を有するアクリル樹脂、カルボキシル基を有するスチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性アクリル樹脂、ヒドロキシル基を有するエポキシ樹脂、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有するポリエステル樹脂、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられるが、特に限定されるものではない。上記に挙げた樹脂のうち、モノマー入手の容易性、低コスト、合成の容易性、インキ他成分との相溶性、顔料の分散性等の点から、カルボキシル基を有するアクリル樹脂、カルボキシル基を有するスチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂が、前記親水性基を有する樹脂として好ましく用いられる。
【0025】
上記に挙げた樹脂のうち、カルボキシル基を有するアクリル樹脂、カルボキシル基を有するスチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂は、次の方法により作成できる。すなわち、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニル等のカルボキシル基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有モノマー、アクリル酸2−(メルカプトアセトキシ)エチル等のメルカプト基含有モノマー、アクリルアミドt−ブチルスルホン酸等のスルホ基含有モノマー、2−メタクロイロキシエチルアシッドホスッフェート等のリン酸基含有モノマー等の中から選択された化合物を、ラジカル重合開始剤を用いて重合または共重合させることで得られる。また共重合の際に使用するモノマーとして、前記モノマー以外に、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の中から選択された化合物用いることが出来る。
【0026】
前記親水性基を有する樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
【0027】
前記親水性基を有する樹脂は、活性エネルギー線への硬化感度が良好となることから、エチレン性不飽和基を有することが好ましい。前記親水性基およびエチレン性不飽和基を有する樹脂中のエチレン性不飽和基におけるヨウ素価は、0.5mol/kg以上、3.0mol/kg以下であることが好ましい。前記ヨウ素価が上記範囲内にあることで、活性エネルギー線硬化性を有する平版印刷用インキの活性エネルギー線に対する感度が高くなり、かつ良好な保存安定性が得られるため好ましい。なお、エチレン性不飽和基のヨウ素価はJIS K 0070:1992の試験方法第6.0項に記載の方法により求めることができる。
【0028】
前記親水性基およびエチレン性不飽和基を有する樹脂は、次の方法により作成できる。親水性基を有する樹脂中の活性水素含有基であるメルカプト基、アミノ基、ヒドロキシル基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させることにより、親水性基およびエチレン性不飽和基を有する樹脂が得られる。ただし、これらの方法に限定されるものではない。
【0029】
また、グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物の具体例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジル、イソクロトン酸グリシジルなどが挙げられる。
【0030】
また、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物の具体例としては、アクリロイルイソシアネート、メタアクリロイルイソシアネート、アクリロイルエチルイソシアネート、メタアクリロイルエチルイソシアネートなどが挙げられる。
【0031】
本発明の平版印刷用インキは、前記親水性基を有する樹脂を5質量%以上含むことで、インキの顔料分散性および耐地汚れ性を良好に保つことが出来るため、好ましい。より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。また、前記親水性基を有する樹脂を50質量%以下含むことで、平版印刷用インキの流動性が保たれるため好ましい。より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
【0032】
前記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの水酸基価は、50mgKOH/g以上であると、インキの顔料分散性を向上させられるため好ましい。より好ましくは75mgKOH/g以上、さらに好ましくは100mgKOH/g以上である。また、前記水酸基価は、200mgKOH/g以下であることにより、インキの流動性を良好に保つことが出来るため、好ましい。より好ましくは180mgKOH/g以下、さらに好ましくは160mgKOH/g以下である。
【0033】
前記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、100以上であると、平版印刷用インキの耐地汚れ性が向上するため好ましい。より好ましくは150以上、さらに好ましくは200以上である。また、重量平均分子量は1,000以下であると、平版印刷用インキの流動性が保たれるため好ましい。より好ましくは750以下、さらに好ましくは500以下である。なお、前記の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で測定を行い、得ることができる。
【0034】
前記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの好ましい具体例としては、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、イソシアヌル酸、およびジペンタエリスリトール等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、およびこれらのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。より具体的には、トリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート、グリセリンのジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのジ、トリ、テトラ又はペンタ(メタ)アクリレート、およびこれらのエチレンオキシド付加体、プロピレンオキシド付加体、テトラエチレンオキシド付加体等が挙げられる。上記の中でも、本発明の平版印刷用インキが流動性、および顔料分散性に優れ、耐地汚れ性が向上することから、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0035】
本発明の平版印刷用インキは、前記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートを20質量%以上含むと、インキの顔料分散性が向上するため好ましい。より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。また、インキの流動性を良好に保つことが出来る、70質量%以下が好ましい。より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
【0036】
また、前記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート以外の多官能(メタ)アクリレートとしては、2官能では二価アルコール、グリコール類を原料とした(メタ)アクリレート化合物が使用でき、より具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。3官能では、三価アルコール、グリコール類を原料とした(メタ)アクリレート化合物が使用でき、より具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートや、これらのエチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物が挙げられる。4官能では四価アルコール、グリコール類を原料とした(メタ)アクリレート化合物が使用でき、より具体的には、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレートや、これらのエチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物が挙げられる。5官能以上では五価以上のアルコール、グリコール類を原料とした(メタ)アクリレート化合物が使用でき、より具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、これらのエチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物が挙げられる。上記の中でも、低粘度で、高い感度を有するトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのエチレンオキシド付加体、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキシド付加体、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキシド付加体、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキシド付加体が特に好ましい。
【0037】
本発明の平版印刷用インキは、前記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート以外の多官能(メタ)アクリレートを5質量%以上含むと、前記平版印刷用インキの粘度が低下するため好ましい。より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上である。また、前記平版印刷用インキの粘度が過度に低下しないことから、前記含有量は40質量%以下が好ましい。より好ましくは35質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。
【0038】
本発明の平版印刷用インキは、活性ラジカル種を発生する光重合開始剤を含み、活性エネルギー線硬化性を有することが好ましい。
【0039】
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、o‐ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(別名:ミヒラーケトン)、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパンー1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、ベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイル−ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−4−メトキシフェニル−フェニル−ホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイル−4−メトキシフェニル−フェニル−ホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイル−4−メトキシフェニル−フェニル−ホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジシクロヘキシル−ホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイル−ジシクロヘキシル−ホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジシクロヘキシル−ホスフィンオキシド、ベンゾイル−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチル−ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチル−ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチル−ホスフィンオキシド、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジクロロチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
【0040】
本発明の平版印刷用インキは、前記光重合開始剤を0.1質量%以上含むことで、良好な感度を得られるため好ましい。より好ましくは、1質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上である。また、20質量%以下含むことで、前記平版印刷用インキの保存安定性が向上するため好ましい。より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0041】
本発明の平版印刷用インキは、増感剤を含有することができる。増感剤の具体例としては、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)−ベンゾフェノン(別名:ミヒラーケトン)、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸メチル、ジエチルアミノ安息香酸エチル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどが挙げられる。
【0042】
本発明の平版印刷用インキは、前記増感剤を0.1質量%以上含むことで、良好な感度を得られるため好ましい。より好ましくは、1質量%以上で、さらに好ましくは3質量%以上である。また、前記平版印刷用インキの保存安定性が向上することから、20質量%以下が好ましい。より好ましくは15質量%以下で、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0043】
本発明の平版印刷用インキは、これらの光重合開始剤や増感剤を1種以上使用することができる。
【0044】
本発明の平版印刷用インキは、液状シリコーン、アルキル(メタ)アクリレート、植物油、植物油由来の脂肪酸エステル、炭化水素系溶媒、およびフルオロカーボンから選ばれる成分の1種類以上を含むことが好ましい。
【0045】
前記成分は、水なし平版印刷版の非画線部であるシリコーンゴムへのインキ付着性を低下させる効果がある。シリコーンゴムへのインキ付着性を低下させる理由は以下のように推測される。すなわち、インキに含まれる前記成分は、シリコーンゴム表面との接触によりインキ中から拡散し、シリコーンゴム表面を薄膜状に覆う。このようにして形成された薄膜がシリコーンゴム表面へのインキの付着を阻止し、シリコーン表面の地汚れを防止すると推測される。
【0046】
本発明の平版印刷用インキが、活性エネルギー線硬化性を有する場合、前記成分のうち、アルキル(メタ)アクリレートは、活性エネルギー線照射時に硬化することから、インキの硬化膜の膜物性を向上させると同時に活性エネルギー線に対する感度が向上するため、含まれていることが好ましい。
【0047】
前記成分の具体的な化合物は次のとおりである。
【0048】
シリコーン液体としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、脂肪酸アミド変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、フルオロアルキル変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、シラノール変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、エポキシポリエーテル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン等が挙げられる。
【0049】
アルキル(メタ)アクリレートとしては、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソオクタデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、炭素数が好ましくは5〜24、より好ましくは6〜21であるとよい。
【0050】
植物油としては、大豆油、アマニ油、サフラワー油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油等が挙げられる。
【0051】
植物油由来の脂肪酸エステルとしてはステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等炭素数15〜20程度のアルキル主鎖を有する脂肪酸の、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル等の炭素数1〜10程度のアルキルエステル等が挙げられる。
【0052】
炭化水素系溶媒としては、ポリオレフィンオイル、ナフテンオイル、パラフィンオイル等が挙げられる。
【0053】
フルオロカーボンとしては、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロオクタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオロー2―トリフルオロメチルブタン、1,1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロ−2−トリフルオロメチルヘキサン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキサン等が挙げられる。
【0054】
本発明の平版印刷用インキでは、耐地汚れ性を向上させることから、前記シリコーン液体、アルキル(メタ)アクリレート、植物油、植物油由来の脂肪酸エステル、炭化水素系溶媒、およびフルオロカーボンから選ばれる成分の1種類以上を含むことが好ましい。その量はそれらの和が0.5質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、1質量%以上であり、さらに好ましくは、2質量%以上である。また、平版印刷用インキの保存安定性を向上させることができることから、10質量%以下含むことが好ましい。より好ましくは、8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。
【0055】
本発明の平版印刷用インキは、界面活性剤を含むことが好ましい。前記平版印刷用インキが界面活性剤を含むことにより、水あり平版印刷時に、適切な量、例えばインキ全量の10〜20質量%の湿し水を取り込み乳化することで、非画線部の湿し水に対する反発性が増し、インキの耐地汚れ性が向上する。
【0056】
前記界面活性剤の親水性基と疎水性基の比率はHLB値により表される。ここで言うHLB値とは界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す値であり、HLB値は0から20までの値を取り、0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高いことを意味する。前記界面活性剤のHLB値としては、水を溶解することから、8以上であることが好ましい。より好ましくは10以上である。また、前記平版印刷用インキに溶解することから、18以下であることが好ましい。より好ましくは16以下である。
【0057】
前記界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンパルミチンエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンパルミチンエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル、ポリオキシアルキレンステアリルエーテル、ポリオキシアルキレンセチルエーテル、ポリオキシアルキレンパルミチンエーテルや、ソルビタン酸のモノ、ジ、トリアルキルエーテル、ソルビタン酸のモノ、ジ、トリラウリルエーテル、ソルビタン酸のモノ、ジ、トリオレイルエーテル、ソルビタン酸のモノ、ジ、トリステアリルエーテル、ソルビタン酸のモノ、ジ、トリセチルエーテル、ソルビタン酸のモノ、ジ、トリパルミチンエーテルや、ポリオキシエチレンソルビタン酸のモノ、ジ、トリアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン酸のモノ、ジ、トリラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン酸のモノ、ジ、トリオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン酸のモノ、ジ、トリステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン酸のモノ、ジ、トリセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン酸のモノ、ジ、トリパルミチンエーテルや、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられ、HLB値が8以上、18以下にあるものが好ましく用いられる。
【0058】
本発明の平版印刷用インキは、水あり平版印刷中では、湿し水を取り込み、乳化状態が安定することから、前記界面活性剤を0.01質量%以上含むことが好ましい。より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。また、平版印刷用インキが、印刷中に湿し水を過剰に取り込み、湿し水と相溶しない、5質量%以下が好ましい。より好ましくは、3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。
【0059】
本発明の平版印刷用インキに含まれる顔料としては、平版印刷用インキ組成物で一般的に用いられる無機顔料と有機顔料とから選ばれる1種類以上を用いることができる。
【0060】
本発明で用いる無機顔料の具体例としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ベンガラ、カドミウムレッド、黄鉛、亜鉛黄、紺青、群青、有機ベントナイト、アルミナホワイト、酸化鉄、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム等が挙げられる。
【0061】
有機顔料としては、フタロシアニン系顔料、溶性アゾ系顔料、不溶性アゾ系顔料、レーキ顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられ、その具体例としてはフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アゾレッド、モノアゾレッド、モノアゾイエロー、ジスアゾレッド、ジスアゾイエロー、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンダ、イソインドリンイエロー等が挙げられる。
【0062】
本発明の平版印刷用インキ中に含まれる顔料濃度は、印刷紙面濃度を得るために5質量%以上が好ましい。より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上である。また、インキの流動性を向上し、良好なローラー間転移性を得るために、50質量%以下が好ましい。より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。
【0063】
また、本発明の平版印刷用インキは、保存時の安定性を向上するために重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤の具体的な例としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエーテル化物、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重合禁止剤の添加量は、良好な保存安定性が得られることから、平版印刷用インキに対し、0.01質量%以上、5質量%以下が好ましい。
【0064】
本発明の平版印刷用インキは、顔料の分散性を高めるために顔料分散剤を含むことが好ましい。使用する顔料の密度、粒子径、表面積等によって最適な含有量は異なるが、前記顔料分散剤は前記顔料の表面に作用し、前記顔料の凝集を抑制する。これにより顔料分散性が高まり、前記平版印刷用インキの流動性が向上する。
【0065】
前記顔料分散剤としては、ビックケミー社より市販されている湿潤分散剤DISPER BYKシリーズの101、102、103、106、108、109、110、111、112、116、130、140、142、145、161、162、163、164、166、167、168、170、171、174、180、182、183、184、185、2000、2001、2020、2050、2070、2096、2150、2152、および9076が、楠本化成(株)より市販されている“DISPARLON”(登録商標)シリーズの1210、1220、1831、1850、1860、2100、2150、2200、7004、KS−260、KS−273N、KS−860、KS−873N、PW−36、DN−900、DA−234、DA−325、DA−375、DA−550、DA−1200、DA−1401、およびDA−7301が、BASF社より市販されているEFKAシリーズの4008、4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4330、4340、4400、4401、4402、4403、4406、4800、5010、5044、5054、5055、5063、5064、5065、5066、5070、5244、7701、7731、および、7469が、リューブリゾル社より市販されている“SOLSPERSE”(登録商標)シリーズの3000、11200、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000SC、24000GR、26000、28000、31845、32000、32500、32550、32600、33000、34750、35100、35200、36000、36600、37500、38500、39000、41000、53095、54000、55000、56000、および71000が、エアープロダクツ社より市販されている“サーフィノール”(登録商標)シリーズの104A、104C、104E、104H、104S、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、420、440、DF110D、DF110L、DF37、DF58、DF75、DF210、CT111、CT121、CT131、CT136、GA、TG、およびTGEが、味の素ファインテクノ(株)より市販されている“アジスパー”(登録商標)シリーズのPB−711、PB−821、PB−822、PN−411、およびPA−111、三洋化成工業(株)より市販されている“サンノニック”(登録商標)シリーズ、“ナロアクティー”(登録商標)CLシリーズ、“エマルミンシ”(登録商標)リーズ、“ニューポール”(登録商標)PEシリーズ、“イオネット”(登録商標)Mシリーズ、“イオネット”(登録商標)Dシリーズ、“イオネット”(登録商標)Sシリーズ、“イオネット”(登録商標)Tシリーズ、および“サンセパラー”(登録商標)100が挙げられる。
【0066】
前記顔料分散剤の含有量は、前記平版印刷用インキの流動性が向上することから、前記顔料に対して、5質量%以上、50質量%以下であることが好ましい。
【0067】
本発明の平版印刷用インキは、必要に応じてワックス、消泡剤、転移性向上剤等の添加剤を使用することが可能である。
【0068】
本発明の平版印刷用インキの製造方法を述べる。本発明の平版印刷用インキは、顔料や添加剤、その他成分と共に、ニーダー、三本ロールミル、ボールミル、遊星式ボールミル、ビーズミル、ロールミル、アトライター、サンドミル、ゲートミキサー、ペイントシェーカー、ホモジナイザー、自公転型攪拌機等の撹拌・混練機で均質に混合分散することで得られる。混合分散後、もしくは混合分散の過程で、真空もしくは減圧条件下で脱泡することも好ましく行われる。
【0069】
本発明の平版印刷用インキを用いた印刷物の製造方法について述べる。本発明の平版印刷用インキを基材上に塗布することにより印刷物を得ることができる。
【0070】
基材としては、アート紙、コート紙、キャスト紙、合成紙、新聞用紙、アルミ蒸着紙、金属、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの基材はシート状(枚葉)・ロール状の両方を用いることが可能であり、基材の厚みとしては、シート状では50〜500μm、ロール状では10〜200μmであることが好ましい。
【0071】
本発明の平版印刷用インキを基材上へ塗布する方法としては、平版印刷により、基材上に塗布することができる。平版印刷の方式としては水あり、水なしとあるが、どちらの方式も用いることが可能である。
【0072】
印刷物上のインキ塗膜(硬化膜)の厚みは0.1〜50μmであることが好ましい。インキ塗膜の厚みが上記範囲であることにより、良好な印刷品質を保ちつつ、インキコストを低減させることが出来る。
【0073】
本発明の平版印刷用インキが、活性エネルギー線硬化性を有する場合は、活性エネルギー線を照射することで、印刷物上のインキ塗膜を瞬時に硬化させることができる。前記活性エネルギー線としては、硬化反応に必要な励起エネルギーを有するものであればいずれも用いることができ、例えば紫外線や電子線などが好ましく用いられる。電子線により硬化させる場合は、100〜500eVのエネルギー線を有する電子線装置が好ましく用いられる。紫外線により硬化させる場合は、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオード等の紫外線照射装置が好ましく用いられるが、例えばメタルハライドランプを用いる場合、80〜150W/cmの照度を有するランプによって、コンベアーによる搬送速度が50〜150m/minで硬化させることが生産性の面から好ましい。また、波長350〜420nmの輝線を発する発光ダイオードを用いる場合、照射強度5〜20W/cm
2の照度を有する発光ダイオードによって、コンベアーによる搬送速度が50〜150m/分で硬化させることが生産性に加え、省電力・低コスト化の面からも好ましい。
【実施例】
【0074】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0075】
<インキ原料>
樹脂1:25質量%のメタクリル酸メチル、25質量%のスチレン、50質量%のメタクリル酸からなる共重合体を準備した。その共重合体のカルボキシル基に対して0.55当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させて、エチレン性不飽和基と親水性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂1は重量平均分子量34,000、酸価102mgKOH/g、ヨウ素価2.0mol/kgであった。
【0076】
樹脂2:30質量%のメタクリル酸メチル、25質量%のスチレン、45質量%のメタクリル酸からなる共重合体を準備した。その共重合体のカルボキシル基に対して0.7当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させて、エチレン性不飽和基と親水性基を有する樹脂2を得た。得られた樹脂2は重量平均分子量25,000、酸価70mgKOH/g、ヨウ素価2.4mol/kgであった。
【0077】
樹脂3:50質量%のメタクリル酸メチル、30質量%のスチレン、20質量%のメタクリル酸からなる親水性基を有する樹脂3を得た。得られた樹脂3は重量平均分子量51,000、酸価125mgKOH/g、ヨウ素価0mol/kgであった。
【0078】
樹脂4:20質量%のメタクリル酸メチル、40質量%のスチレン、40質量%のメタクリル酸からなる親水性基を有する樹脂4を得た。得られた樹脂4は重量平均分子量39,000、酸価260mgKOH/gであった。
【0079】
樹脂5:67質量%のメタクリル酸メチル、25質量%のスチレン、8質量%のメタクリル酸からなる親水性基を有する樹脂5を得た。得られた樹脂5は重量平均分子量66,000、酸価45mgKOH/gであった。
【0080】
樹脂6:25質量%のメタクリル酸メチル、25質量%のスチレン、50質量%のメタクリル酸からなる共重合体を準備した。その共重合体のカルボキシル基に対して0.9当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させて、エチレン性不飽和基と親水性基を有する樹脂6を得た。得られた樹脂6は重量平均分子量39,000、酸価20mgKOH/g、ヨウ素価2.9mol/kgであった。
【0081】
樹脂7:30質量%のメタクリル酸メチル、25質量%のスチレン、45質量%のメタクリル酸からなる共重合体を準備した。その共重合体のカルボキシル基に対して0.1当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させて、エチレン性不飽和基と親水性基を有する樹脂7を得た。得られた樹脂7は重量平均分子量24,000、酸価245mgKOH/g、ヨウ素価0.4mol/kgであった。
【0082】
樹脂8:30質量%のメタクリル酸メチル、20質量%のスチレン、50質量%のメタクリル酸からなる共重合体を準備した。その共重合体のカルボキシル基に対して0.3当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させて、エチレン性不飽和基と親水性基を有する樹脂8を得た。得られた樹脂8は重量平均分子量27,000、酸価180mgKOH/g、ヨウ素価1.4mol/kgであった。
【0083】
樹脂9:25質量%のメタクリル酸メチル、2質量%のスチレン、50質量%のメタクリル酸からなる共重合体を準備した。その共重合体のカルボキシル基に対して1.0当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させて、エチレン性不飽和基と親水性基を有する樹脂9を得た。得られた樹脂9は重量平均分子量41,000、酸価0mgKOH/g、ヨウ素価3.2mol/kgであった。
【0084】
樹脂10:“ダイソーイソダップ”(ダイソー化学社製、ジアリルフタレート樹脂、親水性基なし、重量平均分子量30,000、酸価0mgKOH/g)。
【0085】
多官能(メタ)アクリレート1:ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物“Miramer”(登録商標)M340(MIWON社製)ヒドロキシル基あり、水酸基価115mgKOH/g。
【0086】
多官能(メタ)アクリレート2:ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物“アロニックス”(登録商標)M−306(東 亜合成社製)ヒドロキシル基あり、水酸基価171mgKOH/g。
【0087】
多官能(メタ)アクリレート3:ジトリメチロールプロパントリアクリレートとジトリメチロールプロパンテトラアクリレートの混合物、ヒドロキシル基あり、水酸基価72mgKOH/g。
【0088】
多官能(メタ)アクリレート4: グリセリンジメタクリレート“NKエステル”(登録商標)701(新中村化学社製)ヒドロキシル基あり、水酸基価240mgKOH/g。
【0089】
多官能(メタ)アクリレート5: ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物“アロニックス”(登録商標)M−402(東亜合成社製)ヒドロキシル基あり、水酸基価28mgKOH/g。
【0090】
多官能(メタ)アクリレート6:ジグリセリントリアクリレートとジグリセリンテトラアクリレートの混合物 ヒドロキシル基あり、水酸基価86mgKOH/g。
【0091】
多官能(メタ)アクリレート7: ペンタエリスリトールテトラアクリレートエチレンオキシド付加物“Miramer”(登録商標)M4004(MIWON社製)ヒドロキシル基なし。
【0092】
その他の添加物
重合禁止剤:p−メトキシフェノール(和光純薬工業(株)製)
顔料:リオノールブルーFG7330(東洋カラー(株)製)
光重合開始剤1:“イルガキュア”(登録商標)907(BASF社製)
光重合開始剤2:“イルガキュア”(登録商標)819(BASF社製)
添加剤:ラウリルアクリレート“Miramer”(登録商標)M120(MIWON社製)
界面活性剤1:“レオドール”(登録商標)TW−L120(花王(株)製)HLB値16.7
界面活性剤2:“レオドール”(登録商標)TW−S106V(花王(株)製)HLB値9.6
界面活性剤3:“レオドール”(商標登録)SP−S10V(花王(株)社製)HLB値4.7
<重量平均分子量の測定>
樹脂の重量平均分子量はテトラヒドロフランを移動相としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によりカラム温度40℃で測定した値である。カラムはShodex KF−803を用い、重量平均分子量はポリスチレン換算により計算した。
【0093】
<水なし印刷試験>
水なし平版印刷版(TAN−E、東レ(株)社製)をオフセット印刷機(オリバー266EPZ、桜井グラフィックシステム社製)に装着し、実施例1〜20、および比較例1〜2の各インキを用いて、コート紙5000枚に印刷した。
【0094】
<水あり印刷試験>
水あり平版印刷版(XP−F、富士フィルム(株)社製)をオフセット印刷機(オリバー266EPZ、桜井グラフィックシステム社製)に装着し、湿し水にエッチ液(SOLAIA−505、T&K TOKA社製)を3重量%混合した水道水を用い、実施例21〜24の各インキを用いて、コート紙5000枚に印刷した。
【0095】
<評価方法>
(1)粘度
アントン・パール(Anton Paar)社製レオメーターMCR301にコーンプレート(コーン角1°、φ=40mm)を装着し、インキピペットで秤量した0.15mlのインキの25℃、0.5rpm、20rpm、50rpm、80rpmにおける各粘度を測定した。
【0096】
(2)動的粘弾性測定
アントン・パール(Anton Paar)社製レオメーターMCR301を用いてインキの動的粘弾性を測定した。測定条件は以下のとおりである。
サンプル量:0.1ml
プレート:パラレルプレート(φ=25mm)
歪み:2%
測定周波数: 1〜500rad/s
測定温度範囲:−25 ℃〜25℃の範囲を5℃刻みに11点測定。
【0097】
得られた測定結果を用い、温度時間換算則によって作成されたマスターカーブから、基準温度25℃、1〜10000rad/sにおけるtanδを得た。1000rad/sにおいてtanδが2.0以下であるとインキの弾性が強く、耐地汚れ性が良好であり、1.5以下であると極めて耐地汚れ性が良好である。また1rad/sにおいてtanδが2.0以上、3.0以下であるとインキの流動性が良好であり、印刷物は高い光沢を示す。
【0098】
(3)地汚れ濃度
印刷物のベタ部藍色濃度が2.0であるときの、印刷物の非画線部における藍色濃度を反射濃度計(GretagMacbeth製、“SpectroEye”)を用いて評価した。反射濃度が0.15を超えると耐地汚れ性が不良であり、反射濃度が0.10以下であると耐地汚れ性が良好であり、0.05以下であると耐地汚れ性が極めて良好である。
【0099】
(4)光沢値
印刷物上のインキ硬化膜を、精密光沢計GM−26D((株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定角度60度で光沢値を測定した。光沢値は25以下では不良であり、光沢値は30以上あれば良好であり、35以上あれば極めて良好である。
【0100】
(5)ミスチング性
インキ1.5mlをインコメーター(テスター産業(株)製)上に展開し、ロール直下に白紙を置き、ロール温度38℃、1200rpmで1分間回転させた。紙上へのインキの飛散具合を濃度計(Gretag Macbeth社製)により、無作為に10点測定し、平均値を算出して評価した。濃度が0.03以下であるとミスチング性が良好である。
【0101】
(6)活性エネルギー線硬化性
0.2gのインキをRIテスター(テスター産業社製、PI−600)にて紙に転写し、USHIO(株)製紫外線照射装置(120W/cm、超高圧メタハラランプ1灯)を用いて、ベルトコンベアースピードを0〜150m/分の条件で紫外線を照射した。印刷物上のインキが十分に硬化して、セロハン粘着テープ(ニチバン製“セロテープ”(登録商標)No.405)を接着させて剥離しても、コート紙上から剥がれなくなるときのベルトコンベアースピードを求めた。ここで、ベルトコンベアースピードが速いほど少ない露光量で硬化できることから高感度である。ベルトコンベアースピードが60m/分未満であると感度が不十分であり、60m/分以上、100m/分未満であると感度が良好であり、100m/分以上であると感度が極めて良好と判断した。
【0102】
[実施例1]
表1に示す組成で、樹脂、多官能(メタ)アクリレート、顔料、光重合開始剤、および添加剤を秤量した。具体的には以下のとおりである。樹脂1を12質量部、多官能(メタ)アクリレート1を43質量部、多官能(メタ)アクリレート7を15質量部、重合禁止材を0.1質量部、顔料を18質量部、光重合開始剤1を4質量部、光重合開始剤2を6質量部、添加剤2質量部。これらの原料を三本ロールミル“EXAKT”M−80S(EXAKT社製)を用いて、ローラーギャップ1で5度500rpmの速度で通すことで平版印刷用インキを得た。
【0103】
得られた平版印刷用インキについて、上記のとおり粘度測定、印刷試験を実施し、粘度、耐地汚れ性および光沢性を評価した。結果を表1に示した。
【0104】
作成した平版印刷用インキは、回転数0.5rpmにおける粘度(A)が41Pa・s、回転数20rpmにおける粘度(B)が18Pa・s、回転数50rpmにおける粘度(C)が17Pa・sであり、回転数80rpmにおける粘度(D)が16Pa・sであり、粘度比(C)/(B)は0.94、粘度比(D)/(B)は0.89であった。1000rad/sにおけるtanδは1.45、1rad/sにおけるtanδは2.56であった。また、非画線部における反射濃度が0.05と耐地汚れ性は良好であった。ベタ部分の光沢値は40であった。ミスチング性は良好であった。活性エネルギー線硬化性についてもベルトコンベアー速度が100m/分と良好であった。
【0105】
[実施例2〜9および比較例1、2]<樹脂の種類>
樹脂の種類を変更して、表1の組成とする以外は実施例1と同様の操作を行い、平版印刷用インキを得た。実施例2〜9で作製した平版印刷用インキは、樹脂の酸価、分子量が大きいほど、前記粘度(A)、(B)、(C)、および(D)がいずれも上昇する傾向にあった。前記粘度比(C)/(B)も0.8以上であり、結果として耐地汚れ性が良好であった。得られる印刷物のベタ部分における光沢の値は、前記粘度(A)が大きいと低下する傾向にあった。また、樹脂のヨウ素価が高いほど、硬化性が良好になる傾向にあった。
【0106】
比較例1のインキは、前記粘度(A)、(B)、(C)および(D)が全て5Pa・s未満であった。光沢性は問題なかったが、非画線部における反射濃度が1.38であった。1rad/sにおけるtanδは21.8であり、ミスチング性が大きく不足していた。
【0107】
比較例2のインキは、前記粘度(A)、(B)、(C)および(D)がいずれも5Pa・s以上であったが、前記粘度比(C)/(B)が0.8以下であり、非画線部における反射濃度が0.20と、耐地汚れ性は不十分であった。
【0108】
【表1】
【0109】
[実施例10〜14および比較例3]<多官能(メタ)アクリレートの種類>
多官能(メタ)アクリレートの種類を変更して、表2の組成とする以外は実施例1と同様の操作を行い、平版印刷用インキを得た。中でも、実施例10〜12,および14で作製した平版印刷用インキは、多官能(メタ)アクリレートの水酸基価が高いほど、前記樹脂1との相互作用が強くなるため、粘度(A)、(B)、(C)、および(D)はいずれも上昇する傾向にあった。前記粘度比(C)/(B)も0.8以上であり、耐地汚れ性は良好であった。
【0110】
比較例3のインキは、前記粘度(A)、(B)、(C)および(D)がいずれも5Pa・s以上であったが、前記粘度比(C)/(B)が0.8以下であり、非画線部における反射濃度が0.18と、耐地汚れ性は不十分であった。
【0111】
【表2】
【0112】
[実施例15〜19]<ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの含有量>
多官能(メタ)アクリレートの含有量を表3のとおりにする以外は実施例1と同様の操作を行い、平版印刷用インキを得た。実施例15〜17で作製した平版印刷用インキは、ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの含有率が実施例1より高く、前記粘度(A)、(B)、および(C)はいずれも上昇傾向にあった。実施例18および19で作製した平版印刷用インキは、ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの含有率が実施例1より低く、前記粘度(A)、(B)、および(C)はいずれも低下傾向にあった。また実施例15〜19で作製した平版印刷用インキは、前記粘度比(C)/(B)はいずれも0.8以上であり、結果として耐地汚れ性は良好であった。また印刷物のベタ部分における光沢値は、粘度が低下するにつれ上昇する傾向にあった。
【0113】
【表3】
【0114】
[実施例20〜23]<界面活性剤の種類>
界面活性剤の種類を変更、および多官能(メタ)アクリレートの含有量を表1の組成とする以外は実施例1と同様の操作を行い、平版印刷用インキを得た。実施例20〜23で作製した平版印刷用インキは、水あり印刷試験にて印刷物の地汚れ濃度、および光沢値を評価した。実施例20〜23で作製した平版印刷用インキは、前記粘度(A)、(B)、(C)、および(D)がいずれも10Pa・s以上で、前記粘度比(C)/(B)も0.8以上であり、結果として耐地汚れ性は良好であった。しかしながら、界面活性剤のHLB値が8未満である実施例22のインキは、実施例20および21のインキと比較して、類似したレオロジーであるが、耐地汚れ性に劣る傾向にあった。また、得られる印刷物のベタ部分における光沢の値は、いずれも35以上と極めて良好であった。
【0115】
【表4】