(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、蓄電素子群の複数の蓄電素子の配列が上記特許文献1と同一である場合、言い換えれば、厚みの薄い直方体形状を成す蓄電素子が厚み方向に配列される場合において、外部接続バスバーを介しての蓄電素子群から外部機器への電力供給が、蓄電素子群の同一端側から行われる場合がある。この場合、一対の出力電極端子の一方に接続される外部接続バスバーを蓄電素子群の他端までの長い距離に亘って配設する必要がある。すなわち、長尺状の外部接続バスバーと、その長尺状の外部接続バスバーを保持する保持部材が必要とされる。
【0005】
また、各外部接続バスバーには、外部接続バスバーを蓄電素子群の電力が供給される外部機器に接続するための外部機器接続用バスバー等の外部接続部品がボルト止めされることが多い。この場合において、外部接続部品が、他方の出力電極端子に接続される外部接続バスバーにボルト止めされる際に、長尺状の外部接続バスバーと出力電極端子との接続部に、ボルトの回転に伴うトルク負荷が保持部材を介して掛かることになる。このようなトルク負荷は、長尺状の外部接続バスバーと蓄電素子群の出力電極端子との接続の信頼性に影響を及ぼす虞がある。
【0006】
本明細書に開示される技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、長尺状の外部接続バスバーと蓄電素子群の出力電極端子との接続の信頼性を維持できる接続モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される接続モジュールは、正極及び負極の電極端子を有する複数の蓄電素子から成る蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールであって、前記蓄電素子群は、一方の極性の電力を出力する第1出力電極端子と、他方の極性の電力を出力する第2出力電極端子とを含み、隣り合う前記蓄電素子の前記正極の電極端子と前記負極の電極端子とを接続する複数のバスバーと、前記複数のバスバーを保持する絶縁プロテクタと、を含むバスバー保持モジュールと、前記バスバー保持モジュールの上方に配置される外部接続バスバー保持部と、を備え、前記外部接続バスバー保持部は、長尺状の形状を有し、一端が前記第1出力電極端子に接続され、他端に外部接続部品が接続される第1外部接続バスバーと、一端が前記第2出力電極端子に接続され、他端に外部接続部品がボルト止めされる第2外部接続バスバーと、前記第1外部接続バスバーと前記第2外部接続バスバーとを保持する外部接続バスバープロテクタと、を含み、
前記絶縁プロテクタは、前記外部接続バスバープロテクタと係合する第1係合部を含み、前記外部接続バスバープロテクタは、前記第1係合部と係合する第1被係合部を含む。
本構成によれば、外部接続バスバープロテクタに保持される第2外部接続バスバーの他端に、外部接続部品がボルト止めされる構成において、外部接続バスバープロテクタの第1被係合部と係合する第1係合部が絶縁プロテクタに配置されている。そのため、外部接続部品が第2外部接続バスバーの他端にボルト止めされる際にトルク負荷が発生する場合であっても、トルク負荷による回転力によって外部接続バスバープロテクタが移動することが抑制される。それによって、トルク負荷の影響が外部接続バスバープロテクタを介して長尺状の第1外部接続バスバーに及ぶことが、抑制される。それによって、長尺状の外部接続バスバーと蓄電素子群の出力電極端子との接続の信頼性を維持できる。
【0008】
上記接続モジュールにおいて、前記第1被係合部は、係止穴を含み、前記第1係合部は、前記係止穴を貫通し、前記外部接続バスバープロテクタに係止する突出爪部によって構成されているようにしてもよい。
本構成によれば、外部接続バスバープロテクタをバスバー保持モジュールに係合するための第1係合部および1被係合部を簡易な構成で実現できる。
【0009】
また、上記接続モジュールにおいて、前記外部接続バスバープロテクタは、前記第1外部接続バスバーの前記一端を保持する第1プロテクタ部と、前記複数の蓄電素子の並び方向と垂直方向の一端部に前記第1外部接続バスバーの前記他端を保持し、前記垂直方向の他端部に前記第2外部接続バスバーを保持する第2プロテクタ部と、を含み、前記第1係合部は、前記第2プロテクタ部と係合し、前記第2プロテクタ部は、前記第1被係合部を含むようにしてもよい。
本構成によれば、第2プロテクタ部に保持される第2外部接続バスバーの他端に、外部接続部品がボルト止めされる構成において、絶縁プロテクタの第1係合部が第2プロテクタ部の第1被係合部と係合している。そのため、外部接続部品が第2外部接続バスバーの他端にボルト止めされる際にトルク負荷が発生する場合であっても、トルク負荷による回転力によって第2プロテクタ部が移動することが抑制される。それによって、トルク負荷の影響が第2プロテクタ部を介して長尺状の第1外部接続バスバーに及ぶことが、抑制される。
【0010】
また、上記接続モジュールにおいて、前記第1係合部は、前記外部接続バスバー保持部が前記バスバー保持モジュールの上方に配置された状態において、前記第1外部接続バスバーと前記第2外部接続バスバーとの間に配置され、前記第2プロテクタ部は、前記蓄電素子に形成された係止溝に係合する第1係止片を含むようにしてもよい。
本構成によれば、第1係止片によって第2プロテクタ部が蓄電素子に係合される。そのため、トルク負荷の影響が第2プロテクタ部を介して長尺状の第1外部接続バスバーに及ぶことが、さらに抑制される。
【0011】
また、上記接続モジュールにおいて、前記外部接続バスバー保持部の前記第1プロテクタ部は、前記蓄電素子に形成された係止溝に係合する第2係止片を含むようにしてもよい。
本構成によれば、第2係止片によって第1プロテクタ部が蓄電素子に係合される。そのため、第1外部接続バスバーと第1出力電極端子との接続部の安定性が向上される。それによって、第1外部接続バスバーと第1出力電極端子との接続の信頼性が向上する。
【0012】
また、上記接続モジュールにおいて、前記絶縁プロテクタは、前記第1プロテクタ部と係合する第2係合部を含み、前記第1プロテクタ部は、前記第2係合部と係合する第2被係合部を含むようにしてもよい。
本構成によれば、第2係合部と第2被係合部との係合によって、第1プロテクタ部がバスバー保持モジュールに係合される。そのため、トルク負荷の第1外部接続バスバーと第1出力電極端子との接続部への影響がさらに低減される。それによって、第1外部接続バスバーと第1出力電極端子との接続の信頼性がさらに向上する。
【0013】
また、上記接続モジュールにおいて、前記外部接続バスバープロテクタは、前記第1外部接続バスバーを保持する中間プロテクタ部を含み、前記第1プロテクタ部、前記第2プロテクタ部、および中間プロテクタ部は、個別の部材であり、前記第1プロテクタ部および前記第2プロテクタ部が前記中間プロテクタ部によって結合されることによって、前記外部接続バスバープロテクタは、一体化されているようにしてもよい。
本構成によれば、前記第1プロテクタ部、前記第2プロテクタ部、および中間プロテクタ部は、個別の部材で構成される。そのため、蓄電素子数が異なる蓄電素子群に対して、第1プロテクタ部と第2プロテクタ部の設計変更なしに、単に、中間プロテクタ部の長さを設計変更するだけで対応できる。
【発明の効果】
【0014】
本明細書に開示される接続モジュールによれば、長尺状の外部接続バスバーと蓄電素子群の出力電極端子との接続の信頼性を維持できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態>
一実施形態を
図1から
図10を参照しつつ説明する。なお、
図10は、
図8のA−A線に沿った断面図である。また、以下の説明においては、
図1および
図3の矢印Xで示される方向を左側とし、
図2の矢印Yで示される方向を上方として説明する。また、複数の同一部材については、一の部材に符号を付し、他の部材については符号を省略することがある。
【0017】
本実施形態に示される蓄電モジュール100は、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、車両を駆動するための動力源として使用される。
【0018】
1.蓄電モジュールの構成
本実施形態の蓄電モジュール100は、
図1および
図2に示すように、大きくは、複数(本実施形態では9個)の蓄電素子61を並べて構成された蓄電素子群60(
図3参照)、および蓄電素子群60上に取り付けられた接続モジュール1によって構成される。以下に、蓄電素子群60について、簡単に説明する。
【0019】
1−1.蓄電素子群および蓄電素子
本実施形態に係る蓄電素子61は、例えば、二次電池である。
図3に示すように、複数の蓄電素子61が一列に並べられて蓄電素子群60を構成している。
【0020】
各蓄電素子61は、外形が扁平な直方体状をなしており、
図3に示すように、隣接する蓄電素子61と対向する面に対して垂直な電極配置面62を有している。電極配置面62には、長手方向の両端部寄りの位置に、一対の電極端子63が配置されている。電極端子63のうち一方は正極端子63Aであり、他方は負極端子63Bである。各電極端子63は金属製であり、電極配置面62から角筒状に突出している(
図2参照)。各電極端子63にはボルト82(
図1参照)が結合されるボルト孔64が形成されている。
【0021】
各蓄電素子61の電極配置面62において、一対の電極端子63の近傍には、後述する第1プロテクタ部10の係止片15(「第2係止片」の一例)、および第2プロテクタ部20の係止片25A,25B(「第1係止片」の一例)が係合する係止溝66が設けられている。係止溝66は、矩形の開口を有し、電極配置面62から凹状に窪んだ形態をなしている(
図2および
図3参照)。係止溝66は、各係止片15、25A,25Bを係止する係止部66Aを有する(
図2参照)。各係止片15、25A,25Bが係止部66Aによって係止されることによって、外部接続バスバー保持部2が、蓄電素子群60の上部に組み付けられる。
【0022】
複数の蓄電素子61は、隣り合う2つの蓄電素子61において、異なる極性の電極端子63が互いに隣り合うように(つまり、1つの蓄電素子61の正極端子63Aと、これと隣接する他の蓄電素子61の負極端子63Bとが互いに隣り合うように)並べられている。そして、
図3に示されるように、本実施形態では、左端の蓄電素子61の負極端子63Bが負極出力端子OUTNとされ、右端の蓄電素子61の正極端子63Aが正極出力端子OUTPとされる。
【0023】
2.接続モジュール
接続モジュール1は、
図1に示されるように、バスバー保持モジュール70と、外部接続バスバー保持部2を含み、蓄電素子群60の上部に取付けられる(
図2参照)。
【0024】
2−1.バスバー保持モジュールの構成
バスバー保持モジュール70は、蓄電素子群60において、各蓄電素子61の電極配置面62によって構成される面に組み付けられる部材である。バスバー保持モジュール70は、
図4に示されるように、2個の絶縁プロテクタ71A,71B、各絶縁プロテクタ71に保持され、隣り合う蓄電素子61の正極端子63Aと負極端子63Bとを接続する複数のバスバー80、バスバー80に重ねて配され電気的に接続される電圧検知端子(図示せず)、および電圧検知端子に接続される検知電線(図示せず)等を備える。
【0025】
バスバー80は金属板を打ち抜き加工することによって形成されており、
図4に示すように、四隅が扁平な長方形状に切り欠かれた全体として略長方形の板状の部材である。バスバー80には、ボルト82(
図1参照)を蓄電素子61のボルト孔64に結合させるための二個の接続孔81が形成されている。バスバー80の材質としては、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)等が挙げられる。
【0026】
本実施形態では、2個の絶縁プロテクタ(71A,71B)が複数の蓄電素子61の並び方向に沿って並べられている。各絶縁プロテクタ71は、合成樹脂等の絶縁部材によって構成されている。なお、絶縁プロテクタ71の数は2個に限られない。絶縁プロテクタ71の数、言い換えれば、絶縁プロテクタ71の分割数は、蓄電素子群60の大きさ、すなわち、蓄電素子61の数に応じて、適宜、決定されればよい。
【0027】
各絶縁プロテクタ71は、
図4に示すように、上下方向に開口するとともにバスバー80を収容し保持する複数(本実施形態では4つ)のバスバー保持部72、および外部接続バスバー保持部2の各係止片15、25A,25Bを蓄電素子61の係止溝66に係合させるための開口部74等を備えている。バスバー保持部72は、各蓄電素子61の電極端子63に対応して、絶縁プロテクタ71の、蓄電素子の並び方向(矢印X方向)と垂直方向の両端部に分離して設けられている。分離されたバスバー保持部72は連結部77によって連結されている。
【0028】
バスバー保持部72は、バスバー80をその内側に保持して隣り合うバスバー80と絶縁状態に保持する角筒状の収容壁73を有しており、この収容壁73は、隣接する電極端子63の保護壁としても機能する。また、絶縁プロテクタ71には、隣り合う絶縁プロテクタ71と連結するための係合部78および係合受け部79が設けられている。
【0029】
また、
図5に示されるように、一方の絶縁プロテクタ71Aの連結部77の中央部には、一対の突出爪部75が形成されている。本実施形態では、
図1および
図2に示されるように、一対の突出爪部75は、外部接続バスバー保持部2がバスバー保持モジュール70の上方に配置された状態において、外部接続バスバー保持部2に保持された、正極外部接続バスバー50よりも負極外部接続バスバー40に近い位置に配置されている。なお、一対の突出爪部75の配置位置は、これに限られない。例えば、一対の突出爪部75の配置位置は、単に、負極外部接続バスバー40に近い位置とされてもよし、あるいは、単に、正極外部接続バスバー50に近い位置とされてもよい。
【0030】
また、一対の突出爪部75は、後述する外部接続バスバー保持部2の第2プロテクタ部20の一対の係止穴26を貫通し第2プロテクタ部20に係止する。これによって、第2プロテクタ部20は絶縁プロテクタ71Aに係合される。突出爪部75は「第1係合部」の一例である。
【0031】
2−2.外部接続バスバー保持部の構成
外部接続バスバー保持部2は、
図6に示されるように、外部接続バスバープロテクタ5、負極外部接続バスバー(「第1外部接続バスバー」の一例)40、および正極外部接続バスバー(「第2外部接続バスバー」の一例)50を備える。外部接続バスバープロテクタ5は、個別に形成された第1プロテクタ部10、第2プロテクタ部20、および中間プロテクタ部30を含む。第1プロテクタ部10および第2プロテクタ部20は、中間プロテクタ部30によって連結されて、一体化されている。
【0032】
負極外部接続バスバー40は、蓄電素子群60の、外部に電力を出力するための一対の出力電極端子(OUTP、OUTN)の内、負極出力端子OUTNに接続される(
図1参照)。
【0033】
負極外部接続バスバー40は、複数の蓄電素子61の並び方向(
図6の矢印X方向)に延びる薄板で長尺状の形状を成す。詳しくは、負極外部接続バスバー40は、
図6に示されるように、蓄電素子群60の負極出力端子OUTNに接続される第1電極接続部40A、蓄電素子群60から電力を供給される外部機器に接続される第1外部接続部40B、および第1電極接続部40Aと第1外部接続部40Bの間に位置する中間部40Cを含む。中間部40Cは、
図6に示されるように、第1電極接続部40Aから第1外部接続部40Bに延伸する形状を有している。
【0034】
第1電極接続部40Aには、負極外部接続バスバー40を負極出力端子OUTNに接続するための貫通孔41が形成されている。また、第1外部接続部40Bには、負極外部接続バスバー40を外部機器接続用バスバー(「外部接続部品」の一例」)92に接続するための第1接続端子部42が鉛直方向に屈曲されて形成されている。第1接続端子部42には外部機器接続用バスバー92に接続するための貫通孔42Aが形成されている(
図7参照)。
【0035】
すなわち、負極外部接続バスバー40は、
図6に示されるように、複数の蓄電素子の並び方向に延びる形状を有し、その一端である第1電極接続部40Aが負極出力端子OUTN(第1出力電極端子)に接続され、その他端である第1外部接続部40Bが、詳細には第1外部接続部40Bの第1接続端子部42が外部機器接続用バスバー92にボルト止めされる(
図8参照)。負極外部接続バスバー40は、「第1外部接続バスバー」の一例である。
【0036】
正極外部接続バスバー50は、
図6に示されるように、蓄電素子群60の正極出力端子OUTPに接続される第2電極接続部50A、および蓄電素子群60から電力を供給される外部機器に接続される第2外部接続部50Bを含む。第2電極接続部50Aには、正極外部接続バスバー50を正極出力端子OUTPに接続するための貫通孔51が形成されている。
【0037】
また、第2外部接続部50Bには、
図6に示されるように、正極外部接続バスバー50を外部機器に接続するための第2接続端子部52が鉛直方向に屈曲されて形成されている。第2接続端子部52には外部機器接続用バスバー91に接続するための貫通孔52Aが形成されている(
図7参照)。
【0038】
すなわち、第2外部接続バスバー50の一端である第2電極接続部50Aが正極出力端子OUTP(第2出力電極端子)に接続され、他端である第2外部接続部50Bが、詳細には第2外部接続部50Bの第2接続端子部52が外部機器接続用バスバー91にボルト止めされる(
図8参照)。正極外部接続バスバー50は、「第2外部接続バスバー」の一例である。
なお、これに限られず、逆に、「第1外部接続バスバー」が正極外部接続バスバーとされ、「第2外部接続バスバー」が負極外部接続バスバーとされてもよい。すなわち、蓄電素子群60の蓄電素子61の配置に応じて、第1外部接続バスバー40が正極外部接続バスバーとされ、第2外部接続バスバー50が負極外部接続バスバーとされてもよい。
【0039】
第1プロテクタ部10は、合成樹脂等の絶縁部材から成り、
図6に示されるように、バスバー保持部11、第1係止部12、延設部14、および係止片15等を含む。
【0040】
バスバー保持部11は、負極外部接続バスバー40の一端である第1電極接続部40Aを絶縁保持する。詳しくは、負極外部接続バスバー40の中間部40Cの一部も保持する。
【0041】
第1係止部12は、
図6に示されているように、中間プロテクタ部30の幅に対応して一対設けられており、中間プロテクタ部30を介して負極外部接続バスバー40を係止する。
【0042】
延設部14は、バスバー保持部11から負極外部接続バスバー40の中間部30Cの幅方向、言い換えれば、蓄電素子の並び方向と垂直方向に延設されており、その先端部に係止片15が形成されている。係止片15は、上記した蓄電素子61に形成された係止溝66(
図2参照)と係合することによって、第1プロテクタ部10を、言い換えれば、外部接続バスバー保持部2を蓄電素子群60に結合させる。
【0043】
第2プロテクタ部20は、第1プロテクタ部10と同様に、合成樹脂等の絶縁部材から成り、
図6に示されるように、第1バスバー保持部21、第2係止部22、第2バスバー保持部23、延設部24、および二個の係止片25A,25B、等を含む。第2プロテクタ部20は、
図6に示されるように、第1プロテクタ部10とは所定の間隔をおいて配置されている。
【0044】
第1バスバー保持部21は、負極外部接続バスバー40の他端部である第1外部接続部40Bを絶縁保持する。詳しくは、後述する中間プロテクタ部30を介して、負極外部接続バスバー40の中間部40Cの一部も保持する。
【0045】
第2係止部22は、
図6に示されているように、中間プロテクタ部30の幅に対応して一対設けられており、中間プロテクタ部30を介して負極外部接続バスバー40を係止する。
【0046】
第2バスバー保持部23は、正極外部接続バスバー50を保持する。延設部24は、第1バスバー保持部21から負極外部接続バスバー40の中間部30Cの幅方向((
図6の矢印X方向と垂直方向)に延設されており、その両端部には係止片25A,25B(第1係止片)が形成されている。詳しくは、
図6に示されるように、係止片25Aは、負極外部接続バスバー40と正極外部接続バスバー50との間に位置し、係止片25Bは、負極外部接続バスバー40の外側(
図6の下側)に位置する。なお、各係止片25A,25Bの位置は、
図6に示される位置に限られない。各係止片25A,25Bは、上記した蓄電素子61に形成された係止溝66(
図2参照)と係合することによって、第2プロテクタ部20を、言い換えれば、外部接続バスバー保持部2を蓄電素子群60に結合させる。
【0047】
このように、第2プロテクタ部は、第1プロテクタ部10と離間して配置され、複数の蓄電素子の並び方向(
図6の矢印X方向)と垂直方向の一端部に負極外部接続バスバー(第1外部接続バスバー)40の他端を保持し、同垂直方向の他端部に正極外部接続バスバー(第2外部接続バスバー)50を保持する。
【0048】
また、第2プロテクタ部20は、上記した絶縁プロテクタ71Aの一対の突出爪部(第1係合部)75と係合する一対の係止穴(「第1被係合部」の一例)26を含む。詳しくは、一対の係止穴26は、延設部24の底部24Aにおいて、上記一対の突出爪部75に対応した位置に形成されている(
図7参照)。
【0049】
中間プロテクタ部30は、弾性変形する合成樹脂等の絶縁部材から成り、本実施形態においては、押し出し成形によって形成される。中間プロテクタ部30は、第1プロテクタ部10と第2プロテクタ部20との間において、負極外部接続バスバー40の中間部40Cを保持する。その際、中間プロテクタ部30の端部30Aによって負極外部接続バスバー40の上面の一部を覆うようにして、負極外部接続バスバー40を保持する。中間プロテクタ部30の一端が第1係止部12によって第1プロテクタ部10に保持され、中間プロテクタ部30の他端が第2係止部22によって第2プロテクタ部20に保持されている。
【0050】
3.蓄電モジュールの組立方法
上述した本実施形態の蓄電モジュール100を組み立てる際には、まず、2つの絶縁プロテクタ(71A,71B)を、係合部78および係合受け部79によって互いに連結する。次に、バスバー80を各絶縁プロテクタ71のバスバー保持部72内に収容する。
【0051】
このようにして組み立てられたバスバー保持モジュール70は、蓄電素子群60の電極配置面62に載置される。次いで、ボルト82を、バスバー80の接続孔81を介して蓄電素子61のボルト孔64と結合させる。これによって、隣り合う蓄電素子61の正極端子63Aと負極端子63Bとが接続されるとともに、バスバー保持モジュール70が蓄電素子群60に取付けられる。
【0052】
次いで、負極外部接続バスバー40および正極外部接続バスバー50が取付けられた状態の外部接続バスバー保持部2を、バスバー保持モジュール70の上方から蓄電素子群60に取付ける。その際、外部接続バスバー保持部2の各係止片15、25A,25Bを、バスバー保持モジュール70の開口部74を介して、蓄電素子61の係止溝66に係合させる。その際、外部接続バスバー保持部2の第2プロテクタ部20の一対の係止穴26に、絶縁プロテクタ71Aの一対の突出爪部75を貫通させて、第2プロテクタ部20の延設部24の底部24Aに係止させる(
図10参照)。それによって、第2プロテクタ部20が絶縁プロテクタ71Aに係合される。すなわち、外部接続バスバー保持部2がバスバー保持モジュール70に係合される。なお、負極外部接続バスバー40を外部接続バスバー保持部2に取付ける前に、負極外部接続バスバー40の中間部40Cに、中間プロテクタ部30が取付けられる。
【0053】
また、ボルト82を、負極外部接続バスバー40の貫通孔41を介して、蓄電素子群60の負極出力端子OUTNのボルト孔64と結合させるとともに、ボルト82を、正極外部接続バスバー50の貫通孔51を介して、蓄電素子群60の正極出力端子OUTPのボルト孔64と結合させる。これによって、外部接続バスバー保持部2が、バスバー保持モジュール70の上から蓄電素子群60に取付けられる。このようにして、
図1に示すような蓄電モジュール100が完成する。
【0054】
この蓄電モジュール100には、さらに、
図8および
図9に示されるように、第1接続端子部42には外部機器接続用バスバー92が、第2接続端子部52には外部機器接続用バスバー91が、それぞれボルト95によってボルト止めされる(
図9参照)。
【0055】
4.実施形態の効果
上記実施形態では、第2プロテクタ部20に保持される第2外部接続バスバー50の他端に、外部機器接続用バスバー(外部接続部品)91がボルト止めされる構成において、外部接続バスバー保持部2がバスバー保持モジュール70の上方に配置された状態において、正極外部接続バスバー50よりも負極外部接続バスバー40に近い位置に、第2プロテクタ部20に係合する一対の突出爪部(第1係合部)75が絶縁プロテクタ71Aに配置されている。また、一対の突出爪部75に対応して、一対の係止穴26が第2プロテクタ部20に形成されている。
そのため、外部機器接続用バスバー91が第2外部接続バスバー50の他端52にボルト止めされる際にトルク負荷が発生する場合であっても、トルク負荷による回転力によって第2プロテクタ部20が移動することが抑制される。それによって、トルク負荷の影響が第2プロテクタ部20を介して長尺状の負極外部接続バスバー40に及ぶことが、抑制される。その結果、負極外部接続バスバー40と負極出力端子OUTN(63B)との接続の信頼性を維持できる。
【0056】
すなわち、ボルト止めされる際のボルト95の回転に伴って発生するトルク負荷(
図9参照)によって、第2プロテクタ部20の第2バスバー保持部23から離れた位置にある第1バスバー保持部21に回転力が働くこととなる。そのため、突出爪部(第1係合部)75および係止穴(第1被係合部)26が設けられていない場合、その回転力によって第1バスバー保持部21が浮き上がることが考えられる。第1バスバー保持部21が浮き上がると、それに伴って、長尺状の負極外部接続バスバー40にねじれ力が加わることとなり、そのねじれ力が、負極外部接続バスバー40と負極出力端子OUTN(63B)との接続部に加わることとなる。それによって、接続部の信頼性に影響が及ぶことが、懸念される。しかしながら、本実施形態によれば、一対の突出爪部75および一対の係止穴26によって第1バスバー保持部21の浮上が抑制されることによって、そのようなねじれ力が負極外部接続バスバー40と負極出力端子OUTNとの接続部に加わることとが、抑制される。
【0057】
また、上記実施形態では、第1係止片(25A,25B)によって第2プロテクタ部20が蓄電素子61に係合される。それによって、第2プロテクタ部20が蓄電素子61に係合されるため、上記トルク負荷の影響が第2プロテクタ部20を介して長尺状の負極外部接続バスバー40に及ぶことが、さらに抑制される。
【0058】
また、上記実施形態では、さらに、第2係止片15によって第1プロテクタ部10が蓄電素子61に係合される。そのため、負極外部接続バスバー40と負極出力端子OUTNとの接続部の安定性が向上される。それによって、負極外部接続バスバー40と負極出力端子OUTNとの接続の信頼性が向上する。
【0059】
また、上記実施形態では、絶縁プロテクタ71Aに形成された一対の突出爪部75が第1係合部を構成し、第2プロテクタ部20に形成された一対の係止穴26が第1被係合部を構成する。そのため、第2プロテクタ部20をバスバー保持モジュール70に係合するための第1係合部および1被係合部を簡易な構成で実現できる。
【0060】
<他の実施形態>
本明細書に開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0061】
(1)上記実施形態では、2つの絶縁プロテクタ71のうち一方の絶縁プロテクタ71Aに一対の突出爪部75を設ける例を示したが、これに限られない。
図11に示されるように、他方の絶縁プロテクタ71Bにも一対の突出爪部75(第2係合部)を設けるようにしてもよい。その際、
図12に示されるように、第1プロテクタ部10の延設部14にも一対の係止穴26(第2被係合部)を設けるようにすればよい。また、その際、一対の突出爪部75を、絶縁プロテクタ71Bにおいて、係止片15よりも負極外部接続バスバー40に近い位置に設けるようにするのが、好ましい。
【0062】
なお、このように一対の係止穴(第2被係合部)26を第1プロテクタ部10に設ける場合、
図12に示されるように、延設部14において、係止片15よりも負極外部接続バスバー40に近い位置に設けることに限られない。例えば、係止穴(第2被係合部)26を、逆に、負極外部接続バスバー40よりも係止片15に近い位置に設けるようにしてもよいし、あるいは延設部14には設けずに、第1プロテクタ部10の他の場所に設けるようにしてもよい。要は、第1プロテクタ部10は、第2係合部75と係合する第2被係合部26を含む構成であればよい。
【0063】
また、第1,2係合部および第1,2被係合部の構成は、一対の突出爪部75および一対の係止穴26の構成に限られない。例えば、第1,2係合部を係止穴によって構成し、第1,2被係合部を突出爪部によって構成するようにしてもよい。また、突出爪部75および係止穴26の個数も一対に限られず、例えば、それぞれ1個あるいは3個であってもよい。
【0064】
(2)上記実施形態では、第1プロテクタ部10に係止片15を設け、第2プロテクタ部20に係止片15A,15Bを設ける例を示したが、これに限られない。例えば、係止片15あるいは係止片15Aは省略されてもよい。あるいは、全ての係止片15,15A,15Bが省略されてもよい。
【0065】
(3)上記実施形態では、バスバー80の蓄電素子61の電極端子63への接続、負極外部接続バスバー40の負極出力端子OUTN(63B)への接続、および正極外部接続バスバー50の正極出力端子OUTP(63A)への接続は、ボルト82を用いたボルト止めによって行われる例を示したが、これに限られない。各接続は、例えば、レーザ溶接によって行われてもよい。その場合、各ボルト止め用の貫通孔は省略される。この場合であっても、長尺状の外部接続バスバーと蓄電素子群の出力電極端子との接続の信頼性を維持できる。
【0066】
(4)上記実施形態において、第1プロテクタ部10および第2プロテクタ部20の平面形状は
図6に示したものに限られない。例えば、第1プロテクタ部10は第1係止部12を有し、第2プロテクタ部20は第2係止部22を有する構成としたが、第1係止部12および第2係止部22は省略されてもよい。
【0067】
(5)上記実施形態では、外部接続バスバー保持部2の外部接続バスバープロテクタ5は、第1プロテクタ部10、第2プロテクタ部20、および中間プロテクタ部30の3個の個別のプロテクタから構成され、第1プロテクタ部10と第2プロテクタ部20とが、中間プロテクタ部30によって結合されることによって、外部接続バスバープロテクタ5が一体化されている構成を示したが、外部接続バスバープロテクタ5の構成は、この構成に限られない。例えば、外部接続バスバープロテクタ5は、
図6に示される平面形状の第1プロテクタ部10、第2プロテクタ部20、および中間プロテクタ部30が一体化された、1個の合成樹脂製のプロテクタによって構成されてもよい。この場合であっても、中間プロテクタ部に相当する部分の長さ(形状)を変更することによって、蓄電素子群60の電力取り出しの任意の位置に対応できる。
また、外部接続バスバープロテクタ5が分割されて構成される場合、プロテクタの個数は3個に限られず、例えば、2個あるいは4個であってもよい。
また、係止穴(被係合部)26が第2プロテクタ部20に設けられる例を示したが、これに限られず、係止穴26は、外部接続バスバープロテクタ5のいずれかの箇所に設けられればよい。その際、係止穴26の位置に対応して、絶縁プロテクタに突出爪部(係合部)75が設けられればよい。
【0068】
(6)上記実施形態では、負極外部接続バスバー(第1外部接続バスバー)40は、長尺状の形状として、複数の蓄電素子61の並び方向に延びる形状を成す例を示したが、これに限られない。負極外部接続バスバーは、例えば、複数の蓄電素子61の並び方向と垂直方向に延びる形状であってもよい。
【0069】
(7)上記実施形態では、突出爪部(第1係合部)75は、正極外部接続バスバー(第2外部接続バスバー)50よりも負極外部接続バスバー(第1外部接続バスバー)40に近い位置に配置され、第2プロテクタ部20の第1係止片(25A)は、負極外部接続バスバー40よりも正極外部接続バスバー50に近い位置に設けられる例を示したが、これに限られない。例えば、逆に、突出爪部75は、負極外部接続バスバー40よりも正極外部接続バスバー50に近い位置に配置され、第1係止片(25A)は、正極外部接続バスバー50よりも負極外部接続バスバー40に近い位置に設けられるようにしてもよい。ここで、第1係合部75および第1係止片25は、負極外部接続バスバー(第1外部接続バスバー)40と正極外部接続バスバー(第2外部接続バスバー)50との間に配置されることが好ましい。
【0070】
なお、さらに、第1係合部75および第1係止片25は、第1外部接続バスバーと第2外部接続バスバーとの間に配置されることにも限られない。例えば、第1係合部75は第1外部接続バスバーと第2外部接続バスバーとの間に配置され、第1係止片25は、第1外部接続バスバーの外側(
図6における負極外部接続バスバー40の下側)に配置されるようにしてもよいし、あるいはその逆であってもよい。また、第1係合部75および第1係止片25の双方が、第1外部接続バスバーと第2外部接続バスバーの何れか一方の外側に配置されるようにしてもよい。
【0071】
(8)上記実施形態では、
図6に示されるように、第2係止片15が、第1プロテクタ部10の延設部14の先端部に形成される例を示したが、第2係止片15の形成位置は、これに限られない。例えば、第2係止片15は、延設部14の基端部に設けられてもよく、あるいは延設部14にではなく、第1プロテクタ部10の他の場所に設けられてもよい。要は、第2係止片15が第1プロテクタ部10にも設けられていればよい。
【解決手段】接続モジュール1は、バスバー保持モジュール70と、バスバー保持モジュール70の上方に配置される外部接続バスバー保持部2とを含む。バスバー保持モジュール70は、複数のバスバー80を保持する絶縁プロテクタ71を含む。外部接続バスバー保持部2は、長尺状の形状を有する第1外部接続バスバー40と、外部接続部品がボルト止めされる第2外部接続バスバー50と、外部接続バスバープロテクタ5とを含む。絶縁プロテクタ71は、外部接続バスバープロテクタ5と係合する第1係合部75を含み、外部接続バスバープロテクタ5は、第1係合部75と係合する第1被係合部26を含む。