【文献】
NEC Group,PDCCH Structure for LTE-Advanced System,3GPP TSG-RAN WG1#57 R1-091692,2009年 4月28日
【文献】
ETRI,Explicit carrier activation/deactivation,3GPP TSG-RAN WG2♯68bis R2-100148,2010年 1月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
常にアクティブ化されているプライマリ・コンポーネント・キャリアに対して追加される、少なくとも一つのセカンダリ・コンポーネント・キャリアの各々のアクティブ化/非アクティブ化状態を示すビットの集合を含むMAC制御要素(MAC control element)を生成し、前記少なくとも一つのセカンダリ・コンポーネント・キャリアの各々は、前記ビットの集合に含まれる一つのビットと対応しており、前記一つのビットは対応するセカンダリ・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきか又は非アクティブ化されるべきかのいずれかを示し、前記ビットの集合に含まれるいずれかのビットが、対応するコンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきことを示す場合は、前記ビットの集合は、サウンディング基準信号(SRS)の送信を要求するSRS送信要求及びパワー・ヘッドルーム(PHR)の報告要求をさらに示し、
前記生成されたMAC制御要素を送信する、
通信方法。
前記プライマリ・コンポーネント・キャリア及び前記少なくとも一つ以上のセカンダリ・コンポーネント・キャリアの各々は、複数のサブキャリアを含むコンポーネント・キャリアである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の通信方法。
常にアクティブ化されているプライマリ・コンポーネント・キャリアに対して追加される、少なくとも一つのセカンダリ・コンポーネント・キャリアの各々のアクティブ化/非アクティブ化状態を示すビットの集合を含むMAC制御要素(MAC control element)を生成し、前記少なくとも一つのセカンダリ・コンポーネント・キャリアの各々は、前記ビットの集合に含まれる一つのビットと対応しており、前記一つのビットは対応するセカンダリ・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきか又は非アクティブ化されるべきかのいずれかを示し、前記ビットの集合に含まれるいずれかのビットが、対応するコンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきことを示す場合は、前記ビットの集合は、サウンディング基準信号(SRS)の送信を要求するSRS送信要求及びパワー・ヘッドルーム(PHR)の報告要求をさらに示す生成部と、
前記生成されたMAC制御要素を送信する送信部と、
を具備する通信装置。
前記プライマリ・コンポーネント・キャリア及び前記少なくとも一つ以上のセカンダリ・コンポーネント・キャリアの各々は、複数のサブキャリアを含むコンポーネント・キャリアである、
請求項5から7のいずれか一項に記載の通信装置。
常にアクティブ化されているプライマリ・コンポーネント・キャリアに対して追加される、少なくとも一つのセカンダリ・コンポーネント・キャリアの各々のアクティブ化/非アクティブ化状態を示すビットの集合を含むMAC制御要素(MAC control element)を生成し、前記少なくとも一つのセカンダリ・コンポーネント・キャリアの各々は、前記ビットの集合に含まれる一つのビットと対応しており、前記一つのビットは対応するセカンダリ・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきか又は非アクティブ化されるべきかのいずれかを示し、前記ビットの集合に含まれるいずれかのビットが、対応するコンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきことを示す場合は、前記ビットの集合は、サウンディング基準信号(SRS)の送信を要求するSRS送信要求及びパワー・ヘッドルーム(PHR)の報告要求をさらに示す、生成処理と、
前記生成されたMAC制御要素を送信する送信処理と、
を制御する集積回路。
【背景技術】
【0002】
<ロング・ターム・エボリューション(LTE)>
WCDMA(登録商標)無線アクセス技術に基づく第3世代モバイル・システム(3G)が、全世界で大規模に展開されている。この技術を強化しまたは進歩させる第1ステップは、高速下りリンク・パケット・アクセス(HSDPA)と、高速上りリンク・パケット・アクセス(HSUPA)とも称する機能強化された上りリンクを導入し、非常に競争力のある無線アクセス技術を与えることである。
【0003】
さらに増加するユーザ需要に備え、新しい無線アクセス技術に対して競争力を持つために、3GPPは、ロング・ターム・エボリューション(LTE)と呼ばれる新しいモバイル通信システムを導入した。LTEは、次の10年間の高速のデータ・トランスポートおよび媒体トランスポートならびに大容量の音声サポートに関するキャリアの必要を満足するために設計されている。高いビット・レートを提供する能力が、LTEの主要な手段である。
【0004】
拡張UMTS地上波無線アクセス(UTRA)およびUMTS地上無線アクセス・ネットワーク(UTRAN)と呼ばれるロング・ターム・エボリューション(LTE)のワーク・アイテム(WI)仕様は、リリース8(LTE)として最終化される予定である。LTEシステムは、短待ち時間および低コストと共にフルIPベース機能性を提供する、効率的なパケットベースの無線アクセスおよび無線アクセス・ネットワークを表す。詳細なシステム要件を与える。LTEでは、所与のスペクトルを使用する柔軟なシステム展開を達成するために、1.4MHz、3.0MHz、5.0MHz、10.0MHz、15.0MHz、および20.0MHzなどのスケーラブルな複数の送信帯域幅が指定される。下りリンクでは、直交周波数分割多重(OFDM)ベースの無線アクセスが、低シンボル・レートに起因する多経路干渉(MPI)に対するその固有のイミュニティ、サイクリック・プレフィックスの使用、および異なる送信帯域幅配置に対するその親和性のゆえに、採用された。上りリンクでは、大面積カバレージのプロビジョニングが、ユーザ機器(UE)の制限された送信電力を考慮して、ピーク・データ・レートの改善より優先されたので、シングル・キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)ベースの無線アクセスが採用された。多重入力・多重出力(MIMO)チャネル伝送技法を含む多数の主要なパケット無線アクセス技術が使用され、非常に効率的な制御シグナリング構造が、LTE(リリース8)で達成される。
【0005】
<LTEアーキテクチャ>
全体的なアーキテクチャを
図1に示し、E−UTRANアーキテクチャのより詳細な表現を、
図2に示す。E−UTRANは、E−UTRAユーザ・プレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)とユーザ機器(UE)に向かう制御プレーン(RRC)プロトコル終端とを提供するeノードBからなる。eノードB(eNB)は、物理(PHY)レイヤ、媒体アクセス制御(MAC)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、ならびにユーザプレーン・ヘッダ圧縮および暗号化の機能性を含むパケット・データ制御プロトコル(PDCP)レイヤをホスティングする。eノードB(eNB)は、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC)機能性をも提供する。eノードB(eNB)は、無線リソース管理、アドミッション制御、スケジューリング、ネゴシエートされた上りリンク・サービス品質(QoS)の実施、セル情報ブロードキャスト、ユーザ・プレーン・データおよび制御プレーン・データの暗号化/暗号化解除、ならびに上りリンク/下りリンク・ユーザ・プレーン・パケット・ヘッダの圧縮/圧縮解除を含む多数の機能を実行する。eノードBは、X2インターフェースによってお互いに相互接続される。
【0006】
eノードBは、S1インターフェースによってEPC(発展型パケット・コア)に、より具体的にはS1−MMEによってMME(無線通信移動管理装置)に、およびS1−Uによってサービング・ゲートウェイ(SGW)にも接続される。S1インターフェースは、MME/サービング・ゲートウェイとeノードBとの間の多対多関係をサポートする。SGWは、eノードB間ハンドオーバ中にユーザ・プレーンのモビリティ・アンカとして、およびLTEと他の3GPP技術との間のモビリティのアンカとしても働き(S4インターフェースを終端し、2G/3GシステムとPDN GWとの間のトラフィックを中継し)ながら、ユーザ・データ・パケットをルーティングし、転送する。アイドル状態のユーザ機器について、SGWは、下りリンク・データ経路を終端し、ユーザ機器に関して下りリンク・データが到着する時にページングをトリガする。SGWは、ユーザ機器コンテキスト、たとえばIPベアラ・サービスのパラメータ、ネットワーク内部ルーティング情報を管理し、格納する。SGWは、合法的傍受(lawful interception)の場合にユーザ・トラフィックの複製をも実行する。
【0007】
MMEは、LTEアクセス・ネットワークの主要な制御ノードである。MMEは、再送信を含む、アイドル・モード・ユーザ機器の追跡およびページング手順の責任を負う。MMEは、ベアラ・アクティブ化/非アクティブ化プロセスに用いられ、初期アタッチ時およびコア・ネットワーク(CN)ノード・リロケーションを伴うLTE内ハンドオーバの時に、ユーザ機器のSGWを選択する責任をも負う。MMEは、ユーザを認証する(HSSと相互作用することによって)責任を負う。非アクセス層(NAS)シグナリングは、MMEで終端し、MMEは、一時アイデンティティを生成し、ユーザ機器に割り当てる責任をも負う。MMEは、サービス・プロバイダの公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)にキャンプするためのユーザ機器の許可をチェックし、ユーザ機器ローミング制限を実施する。MMEは、NASシグナリングに関する暗号化/完全性保護のネットワーク内の終端点であり、セキュリティ鍵管理を処理する。シグナリングの合法的傍受も、MMEによってサポートされる。MMEは、LTEアクセス・ネットワークと2G/3Gアクセス・ネットワークとの間のモビリティの制御プレーン機能をも提供し、SGSNからのS3インターフェースは、MMEで終端する。MMEは、ローミング・ユーザ機器のホームHSSに向かうS6aインターフェースをも終端する。
【0008】
<LTE(リリース8)のコンポーネント・キャリア構造>
3GPP LTE(リリース8)の下りリンク・コンポーネント・キャリアは、時間周波数領域でいわゆるサブフレームに副分割される。3GPP LTE(リリース8)では、各サブフレームは、
図3に示されている2つの下りリンク・スロットに分割され、第1の下りリンク・スロットは、第1のOFDMシンボル内に制御チャネル領域(PDCCH領域)を含む。各サブフレームは、時間領域で所与の個数のOFDMシンボルからなり(3GPP LTE(リリース8)では12個または14個のOFDMシンボル)、OFDMシンボルのそれぞれは、コンポーネント・キャリアの全帯域幅にまたがる。したがって、OFDMシンボルは、それぞれ、
図4にも示されているように、
【数1】
個のサブキャリア上で送信される複数の変調シンボルからなる。
【0009】
たとえば3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)で使用されているように、複数キャリア通信システム、たとえばOFDMを使用すると仮定すると、スケジューラによって割り当てることのできるリソースの最小単位は、1「リソース・ブロック」である。物理リソース・ブロックは、
図4に例示されているように、時間領域では
【数2】
個の連続するOFDMシンボル、周波数領域では
【数3】
個の連続するサブキャリアとして定義される。したがって、3GPP LTE(リリース8)では、物理リソース・ブロックは、時間領域の1スロット、周波数領域の180kHzに対応する
【数4】
個のリソース要素からなる(下りリンク・リソース・グリッドに関するさらなる詳細については、たとえば、http://www.3gpp.orgから入手可能であり、参照によって本明細書に組み込まれている3GPP TS 36.211、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical Channels and Modulation(Release 8)」、version 8.9.0または9.0.0、セクション6.2を参照されたい)。
【0010】
<レイヤ1/レイヤ2(L1/L2)制御シグナリング>
スケジューリングされたユーザにその割当状況、トランスポート・フォーマット、および他のデータ関連情報(たとえば、HARQ情報、transmit power control(TPC)コマンド)について知らせるために、L1/L2制御シグナリングが、データと一緒に下りリンク上で送信される。L1/L2制御シグナリングは、ユーザ割当がサブフレームごとに変化する可能性があると仮定して、サブフレーム内で下りリンク・データと多重化される。ユーザ割当をTTI(送信時間間隔)を基礎として実行することもでき、TTI長がサブフレームの倍数であることに留意されたい。TTI長は、あるサービス・エリア内ですべてのユーザについて固定される場合があり、異なるユーザについて異なる場合があり、あるいは、ユーザごとに動的である場合さえある。一般に、L1/2制御シグナリングは、TTIごとに1回送信されることだけを必要とする。L1/L2制御シグナリングは、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信される。3GPP LTEでは、上りリンク・スケジューリング許可または上りリンク・リソース割当とも称する上りリンク・データ送信の割当も、PDCCH上で送信されることに留意されたい。
【0011】
スケジューリング許可に関して、L1/L2制御シグナリング上で送信される情報を、次の2つのカテゴリに分離することができる。
【0012】
Cat 1情報を搬送する共用制御情報(SCI)
L1/L2制御シグナリングの共用制御情報部分は、リソース割当(表示)に関連する情報を含む。共用制御情報は、通常は次の情報を含む。
【0013】
−リソースに割り当てられるユーザ(1つまたは複数)を示すユーザ・アイデンティティ。
−ユーザ(1つまたは複数)が割り当てられるリソース(リソース・ブロック(RB))を示すRB割当情報。割り当てられるリソース・ブロックの個数を、動的とすることができる。
−複数のサブフレーム(またはTTI)にまたがる割当が可能である場合には、割当の持続時間(任意選択)。
【0014】
他のチャネルのセットアップおよび下りリンク制御情報(DCI)(下を参照されたい)のセットアップに依存して、共用制御情報は、さらに、上りリンク送信のACK/NACK、上りリンク・スケジューリング情報、DCIに関する情報(リソース、MCSなど)などの情報を含むことができる。
【0015】
Cat 2/3情報を搬送する下りリンク制御情報(DCI)
L1/L2制御シグナリングの下りリンク制御情報部分は、Cat 1情報によって示されるスケジューリングされたユーザに送信されるデータの送信フォーマットに関連する情報(Cat 2情報)を含む。さらに、再送信プロトコルとして(ハイブリッド)ARQを使用する場合には、Cat 2情報は、HARQ(Cat 3)情報を搬送する。下りリンク制御情報は、Cat 1に従ってスケジューリングされたユーザによって復号されることだけを必要とする。下りリンク制御情報は、通常は次に関する情報を含む。
【0016】
−Cat 2情報: 変調方式、トランスポート・ブロック(ペイロード)サイズまたは符号化レート、MIMO(多重入力・多重出力)関連情報など。トランスポート・ブロック(またはペイロード・サイズ)または符号レートのいずれかをシグナリングすることができる。どの場合でも、これらのパラメータを、変調方式情報およびリソース情報(割り当てられたリソース・ブロックの個数)を使用することによって、お互いから計算することができる。
−Cat 3情報: HARQ関連情報、たとえば、ハイブリッドARQプロセス番号、冗長性バージョン、再送信シーケンス番号
【0017】
下りリンク制御情報は、全体的なサイズおよびそのフィールドに含まれる情報において異なる複数のフォーマットで現れる。LTE リリース8/9(3GPP LTE)に関して現在定義されている異なるDCIフォーマットは、3GPP TS 36.212、「Multiplexing and channel coding(Release 9)」、version 8.8.0または9.0.0、セクション5.3.3.1(http://www.3gpp.orgから入手可能であり、参照によって本明細書に組み込まれている)に詳細に記載されている。
【0018】
下りリンクおよび上りリンクのデータ送信
下りリンク・データ送信に関して、L1/L2制御シグナリングは、下りリンク・パケット・データ送信と一緒に、別々の物理チャネル(PDCCH)上で送信される。このL1/L2制御シグナリングは、通常は次に関する情報を含む。
【0019】
−データが送信される物理リソース(1つまたは複数)(たとえば、OFDMの場合にはサブキャリアまたはサブキャリアブロック、CDMAの場合には符号)。この情報は、UE(受信器)が、データが送信されるリソースを識別することを可能にする。
【0020】
−ユーザ機器が、L1/L2制御シグナリング内にキャリア指示フィールド(CIF)を有するように構成される時には、この情報は、特定の制御シグナリング情報が対象としているコンポーネント・キャリアを特定する。これは、別のコンポーネント・キャリアを対象とした割当を、ある1つのコンポーネント・キャリアで送信することを可能にする(「クロスキャリア・スケジューリング」)。この他方のクロススケジューリングされるコンポーネント・キャリアは、たとえば、PDCCHのないコンポーネント・キャリアであり得る。すなわち、クロススケジューリングされるコンポーネント・キャリアは、L1/L2制御シグナリングを全く搬送しない。
【0021】
−送信に使用されるトランスポート・フォーマット。これは、データのトランスポート・ブロック・サイズ(ペイロード・サイズ、情報ビット・サイズ)、MCS(変調および符号化スキーム)レベル、スペクトル効率、符号レートなどであり得る。この情報は(通常は、リソース割当(たとえば、ユーザ機器に割り当てられたリソース・ブロックの個数)と一緒に)、ユーザ機器(受信器)が、復調、デレートマッチング、および復号プロセスを開始するために、情報ビット・サイズ、変調方式、および符号レートを識別することを可能にする。変調方式を、明示的にシグナリングすることができる。
【0022】
−ハイブリッドARQ(HARQ)情報
・HARQプロセス番号: ユーザ機器が、データがマッピングされるハイブリッドARQプロセスを識別することを可能にする。
・シーケンス番号または新データ・インジケータ(NDI): ユーザ機器が、送信が新しいパケットまたは再送信されたパケットであるかどうかを識別することを可能にする。ソフト合成がHARQプロトコル内で実施される場合には、シーケンス番号または新データ・インジケータは、HARQプロセス番号と一緒に、復号の前のPDUの送信のソフト合成を可能にする。
・冗長性および/またはコンステレーション・バージョン: どのハイブリッドARQ冗長性バージョンが使用されるのか(デレートマッチングに必要)および/またはどの変調コンステレーション・バージョンが使用されるのか(復調に必要)をユーザ機器に知らせる。
【0023】
−UEアイデンティティ(UE ID): L1/L2制御シグナリングがどのユーザ機器に向けたものであるのかを知らせる。通常の実施態様では、この情報は、他のユーザ機器がこの情報を読み取るのを防ぐために、L1/L2制御シグナリングのCRCをマスクするのに使用される。
【0024】
上りリンク・パケット・データ送信を可能にするために、L1/L2制御シグナリングは、下りリンク(PDCCH)で送信され、送信詳細についてユーザ機器に知らせる。このL1/L2制御シグナリングは、通常、次に関する情報を含む。
【0025】
−ユーザ機器がデータを送信しなければならない物理リソース(1つまたは複数)(たとえば、OFDMの場合にはサブキャリアまたはサブキャリアブロック、CDMAの場合にはコード)。
【0026】
−ユーザ機器が、L1/L2制御シグナリング内にキャリア指示フィールド(CIF)を有するように構成される時には、この情報は、特定の制御シグナリング情報が対象としているコンポーネント・キャリアを特定する。これは、別のコンポーネント・キャリアを対象とした割当を、ある1つのコンポーネント・キャリアで送信することを可能にする。この他方のクロススケジューリングされるコンポーネント・キャリアは、たとえば、PDCCHのないコンポーネント・キャリアであり得る。すなわち、クロススケジューリングされるコンポーネント・キャリアは、L1/L2制御シグナリングを全く搬送しない。
【0027】
−上りリンク許可のためのL1/L2制御シグナリングは、上りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされたDLコンポーネント・キャリアで、または、複数のDLコンポーネント・キャリアが同一のULコンポーネント・キャリアにリンクされる場合には複数のDLコンポーネント・キャリアのうちの1つで、送信される。
【0028】
−ユーザ機器が送信に使用しなければならないトランスポート・フォーマット。これは、データのトランスポート・ブロック・サイズ(ペイロード・サイズ、情報ビット・サイズ)、MCS(変調および符号化スキーム)レベル、スペクトル効率、符号レートなどとすることができる。この情報は(通常は、リソース割当(たとえば、ユーザ機器に割り当てられたリソース・ブロックの個数)と一緒に)、ユーザ機器(送信器)が、変調、レートマッチング、および符号化プロセスを開始するために、情報ビット・サイズ、変調方式、および符号レートを選ぶことを可能にする。いくつかの場合に、変調方式を、明示的にシグナリングすることができる。
【0029】
−ハイブリッドARQ情報
・HARQプロセス番号: ユーザ機器がどのハイブリッドARQプロセスからデータを選択しなければならないのかをユーザ機器に知らせる。
・シーケンス番号または新データ・インジケータ(NDI): 新しいパケットを送信しまたはパケットを再送信するようにユーザ機器に命ずる。ソフト合成がHARQプロトコル内で実施される場合には、シーケンス番号または新データ・インジケータは、HARQプロセス番号と一緒になって、復号の前にプロトコル・データ・ユニット(PDU)のための送信のソフト合成を可能にする。
・冗長性および/またはコンステレーション・バージョン: どのハイブリッドARQ冗長性バージョンを使用すべきなのか(レートマッチングに必要)および/またはどの変調コンステレーション・バージョンを使用すべきなのか(変調に必要)をユーザ機器に知らせる。
【0030】
−UEアイデンティティ(UE ID): どのユーザ機器がデータを送信しなければならないのかを知らせる。通常の実施態様では、この情報は、他のユーザ機器がこの情報を読み取るのを防ぐために、L1/L2制御シグナリングのCRCをマスクするのに使用される。
【0031】
上で言及した情報を上りリンク・データ送信および下りリンク・データ送信で正確にどのように送信すべきかに関する複数の異なる特色がある。さらに、上りリンクおよび下りリンクでは、L1/L2制御情報は、追加情報をも含むことができ、あるいは、情報の一部を省略することができる。たとえば、
−同期HARQプロトコルの場合に、HARQプロセス番号は、必要ではない場合がある、すなわち、シグナリングされない。
−チェース・コンバイニング(Chase Combining)が使用される(必ず同一の冗長性および/またはコンステレーション・バージョン)場合あるいは冗長性および/またはコンステレーション・バージョンのシーケンスが事前に定義される場合には、冗長性および/またはコンステレーション・バージョンが、必要ではなく、したがってシグナリングされない場合がある。
−電力制御情報が、さらに、制御シグナリングに含まれる場合がある。
−たとえばプリコーディングなど、MIMO関連制御情報が、さらに、制御シグナリングに含まれる場合がある。
−マルチコードMIMO送信の場合に、マルチコードのトランスポート・フォーマットおよび/またはHARQ情報が含まれる場合がある。
【0032】
LTEにおいてPDCCHでシグナリングされる上りリンク・リソース割当(物理上りリンク共用チャネル(PUSCH))については、LTE上りリンクには同期HARQプロトコルが使用されるので、L1/L2制御情報は、HARQプロセス番号を含まない。上りリンク送信に使用されるHARQプロセスは、タイミングによって与えられる。さらに、冗長性バージョン(RV)情報が、トランスポート・フォーマット情報と共に合同で符号化される、すなわち、RV情報が、トランスポート・フォーマット(TF)フィールドに組み込まれることに留意されたい。トランスポート・フォーマット(TF)すなわち変調および符号化スキーム(MCS)フィールドそれぞれは、たとえば、32個のエントリに対応する5ビットのサイズを有する。3つのTF/MCSテーブル・エントリが、冗長性バージョン(RV)1、2、または3を示すために予約される。残りのMSCテーブル・エントリは、暗黙のうちにRV0を示すMCSレベル(TBS)をシグナリングするのに使用される。PDCCHのCRCフィールドのサイズは、16ビットである。
【0033】
LTEではPDCCHでシグナリングされる下りリンク割当(PDSCH)については、冗長バージョン(RV)は、別々に2ビット・フィールド内でシグナリングされる。さらに、変調オーダー情報が、トランスポート・フォーマット情報と共に合同で符号化される。上りリンクの場合に似て、PDCCHでシグナリングされる5ビットMSCフィールドがある。エントリのうちの3つは、トランスポート・フォーマット(トランスポート・ブロック)情報を提供せずに明示的な変調オーダーをシグナリングするために予約される。残りの29のエントリについて、変調オーダーおよびトランスポート・ブロック・サイズ情報がシグナリングされる。
【0034】
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)は、L1/L2制御シグナリング、すなわち送信電力制御コマンドと、下りリンク・データ送信または上りリンク・データ送信のリソースを割り当てるスケジューリング許可とを搬送する。より正確には、下りリンク制御チャネル情報(すなわち、それぞれ、DCI内容またはL1/L2制御シグナリング情報)は、それに対応する物理チャネルであるPDCCHにマッピングされる。この「マッピング」は、下でより詳細に説明するように、RNTIを用いてマスクされる下りリンク制御チャネル情報に基づいて計算されるCRCである下りリンク制御チャネル情報のCRCアタッチメントの決定を含む。下りリンク制御チャネル情報およびそのCRCアタッチメントは、その後、PDCCHで送信される(3GPP TS 36.212、セクション4.2および5.3.3を参照されたい)。
【0035】
各スケジューリング許可は、制御チャネル要素(Control Channel Element(CCE))に基づいて定義される。各CCEは、1組のリソース要素(RE)に対応する。3GPP LTEでは、1つのCCEは、9個のリソース要素グループ(REG)からなり、1つのREGは、4つのREからなる。
【0036】
PDCCHは、あるサブフレーム内の最初の1つから3つまでのOFDMシンボルで送信される。下りリンク共有物理チャネル(PDSCH)の下りリンク許可については、PDCCHは、同一サブフレーム内の(ユーザ)データのためにPDSCHリソースを割り当てる。あるサブフレーム内のPDCCH制御チャネル領域は、1組のCCEからなり、サブフレームの制御領域内のCCEの総数は、時間および周波数制御リソース全体に分散される。複数のCCEを組み合わせて、制御チャネルの符号化レートを効果的に下げることができる。CCEは、異なる符号化レートを達成するために木構造を使用する所定の形で組み合わされる。
【0037】
3GPP LTE(リリース8/9)では、PDCCHは、1つ、2つ、4つ、または8つのCCEをアグリゲートすることができる。制御チャネル割当に使用可能なCCEの数は、キャリア帯域幅、送信アンテナの個数、制御に使用されるOFDMシンボルの個数、およびCCEサイズなどを含む複数の因子からなる関数である。複数のPDCCHを1つのサブフレーム内で送信することができる。
【0038】
DCIの形の下りリンク制御チャネル情報は、あるRNTI(Radio Network Terminal Identifier)のための下りリンク・スケジューリング情報または上りリンク・スケジューリング情報、非周期的CQI報告の要求、または上りリンク電力制御コマンドをトランスポートする。RNTIは、データまたは情報を特定のユーザ機器に向けるために、3GPP LTE(リリース8/9)などの3GPPシステムで一般的に使用される一意識別子である。RNTIは、DCIを用いて計算されたCRCをRNTIでマスクすることによって、PDCCH内に暗黙のうちに含められる。この動作の結果が、上で言及したCRCアタッチメントである。ユーザ機器の側では、データのペイロード・サイズの復号が成功した場合に、ユーザ機器は、そのユーザ機器宛のDCIを検出する。このDCIの検出は、「マスクされない」CRC(すなわち、RNTIを用いたマスキングを除去した後のCRC)を用いている、復号されたペイロード・データのCRCが成功であるかどうかをチェックすることによって行う。CRC符号のマスキングは、たとえば、RNTIを用いてCRCをスクランブルすることによって実行される。
【0039】
3GPP LTE(リリース8)では、次の異なるDCIフォーマットが定義されている。
【0040】
−上りリンクDCIフォーマット:
・フォーマット0は、UL SCH割当の送信に使用される
・フォーマット3は、2ビット電力調整と共にPUCCHおよびPUSCHのTPCコマンドの送信に使用される(複数のUEがアドレッシングされる)
・フォーマット3Aは、単一ビット電力調整と共にPUCCHおよびPUSCHのTPCコマンドの送信に使用される(複数のUEがアドレッシングされる)
【0041】
−下りリンクDCIフォーマット:
・フォーマット1は、SIMO動作のDL SCH割当の送信に使用される
・フォーマット1Aは、SIMO動作のDL SCH割当のコンパクト送信に使用される
・フォーマット1Bは、連続的なリソース割当の可能性のある、閉ループ単一ランク送信をサポートするのに使用される
・フォーマット1Cは、ページング、RACH応答、および動的BCCHスケジューリングの、下りリンク送信のためのものである
・フォーマット1Dは、プリコーディングおよび電力オフセット情報を伴う1つのPDSCH符号語のコンパクト・スケジューリングに使用される
・フォーマット2は、閉ループMIMO動作のDL−SCH割当の送信に使用される
・フォーマット2Aは、開ループMIMO動作のDL−SCH割当の送信に使用される
【0042】
下りリンクでのLTE物理チャネル構造、PDSCHフォーマット、およびPDCCHフォーマットに関するさらなる情報については、Stefania Sesia他、「LTE − The UMTS ロング・ターム・エボリューション」、Wiley & Sons Ltd.、ISBN 978−0−47069716−0、2009年4月、セクション6および9を参照されたい。
【0043】
<ユーザ機器でのPDCCHのブラインド復号>
3GPP LTE(リリース8/9)では、ユーザ機器は、いわゆる「ブラインド復号」を使用してPDCCH内のDCIを検出することを試みる。これは、下りリンクでシグナリングされるPDCCHのCCEアグリゲーションサイズまたは変調・符号化方式を示す関連する制御シグナリングがないことを意味するが、ユーザ機器は、CCEアグリゲーションサイズと変調・符号化方式とのすべての可能な組合せについてテストし、RNTIに基づくPDCCHの成功の復号を確認する。複雑さをさらに制限するために、LTEコンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内に、ユーザ機器がPDCCHを検索するための共通および専用の検索空間が、定義されている。
【0044】
3GPP LTE(リリース8/9)では、PDCCHペイロード・サイズは、1つのブラインド復号の試みで検出される。ユーザ機器は、下の表1で強調されているように、すべての構成された送信モードについて2つの異なるペイロード・サイズを復号することを試みる。表1は、DCIフォーマット0、1A、3、および3Aのペイロード・サイズXが、送信モード構成にかかわりなく同一であることを示す。他のDCIフォーマットのペイロード・サイズは、送信モードに依存する。
【0045】
【表1】
【0046】
したがって、ユーザ機器は、第1のブラインド復号の試みでDCIのペイロード・サイズをチェックすることができる。さらに、ユーザ機器は、処理量の増加を抑制するために、DCIフォーマットの所与のサブセットのみを検索するようにさらに構成される。
【0047】
<媒体アクセス層(MAC)>
MAC層は、3GPP LTE無線プロトコル・スタック内のレイヤ2のサブレイヤの1つである。MAC層は、トランスポート・ブロックとしても知られるMAC PDU(プロトコル・データ・ユニット)を構成(解体)することによって、論理チャネルとトランスポート・チャネルとの間で多重化(多重分離)を実行する。MAC PDUは、送信器内の1つまたは複数の論理チャネルを介して受信されたMAC SDU(サービス・データ・ユニット)から構成される。受信器側では、MAC PDUは、受信されたMAC PDUから再構成される。
【0048】
トランスポート・ブロック(MAC PDU)は、ヘッダおよびペイロードからなる。MAC SDUを除けば、ペイロードは、MAC制御要素およびパディングからなることができる。
【0049】
MAC制御要素
MACレベルでのピア・ツー・ピア・シグナリングのために、MAC制御要素(CE)が使用される。MAC制御要素は、上で説明したMAC PDUのペイロードの一部とすることができ、MACヘッダ内の特定の論理チャネルID(LCID)によって識別される。
【0050】
MAC CEには複数のタイプがある。その一部は、ユーザ機器からeNodeBへのシグナリングのために上りリンク・トランスポート・ブロック内にのみ含まれ、他のタイプは、eNodeBからユーザ機器へのシグナリングのために下りリンク・トランスポート・ブロック内にのみ含まれる。下りリンクで送信される特殊なLCIDおよび対応するMAC制御要素を、表2にリストする。
【0051】
【表2】
【0052】
上りリンクで送信される特殊なLCIDおよび対応するMAC制御要素を、表3にリストする。
【0053】
【表3】
【0054】
<サウンディング基準信号(SRS)>
サウンディング基準信号は、上りリンクで送信される。これらは、復調基準信号(DM RS)と一緒に、コヒーレント復調のためのチャネル推定ならびに上りリンク・スケジューリングのためのチャネル品質推定を可能にするために上りリンクに含まれる。
【0055】
DM RSは、上りリンク・データの送信に関連するが、SRSは、データ送信には関連せず、主に、スケジューリングするeNodeBによる周波数選択的スケジューリングを可能にするためのチャネル品質推定に使用される。さらに、SRSを使用して、電力制御の質を高め、またはデータ送信の初期変調および符号化方式(MCS)を判断する際にeNodeBをサポートすることができる。上位層シグナリングによって構成される場合に、SRSは、上りリンク・サブフレーム内の最後のSC−FDMAシンボル内で送信される。SRSがユーザ機器によってその中で送信されるサブフレームは、セル固有ブロードキャスト・シグナリングによって示され、無線フレーム内の15個の可能なサブフレームの組から選択される。物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)上のデータ送信は、SRS送信のために指定されたサブフレーム内では許可されず、これは、すべての可能なサブフレームがSRS送信のために構成される時にSRSオーバーヘッドを7%にセットする。上で述べたように、SRS構成は、上位層シグナリングを使用してeNodeBによって行われる。この構成は、とりわけ、他のパラメータの中でSRSの持続時間および周期性を決定する。
【0056】
<Further Advancements for LTE(LTE−A)>
IMT−Advancedの周波数スペクトルは、World Radiocommunication Conference 2007(WRC−07)で決定された。IMT−Advancedの全体的な周波数スペクトルが決定されたが、実際の使用可能周波数帯域幅は、各地域または国によって異なる。しかし、使用可能周波数スペクトル概要が決定された後に、無線インターフェースの標準化が、3rd Generation Partnership Project(3GPP)で開始された。3GPP TSG RAN #39会議では、「Further Advancements for E−UTRA(LTE−Advanced)」に関するスタディ・アイテム(Study Item)記述が、3GPPで承認された。このスタディ・アイテムは、たとえばIMT−Advancedでの要件を満たし、E−UTRAの進歩のために考慮すべき技術要素をカバーするものである。LTE−Aについて現在考慮されている2つの主要な技術要素を、次で説明する。
【0057】
<より広い帯域幅をサポートするためのLTE−Aでのキャリア・アグリゲーション>
キャリア・アグリゲーション(CA)では、複数のコンポーネント・キャリア(CC)が、100MHzまでのより広い送信帯域幅をサポートするためにアグリゲートされる。少なくとも上りリンクおよび下りリンクでアグリゲートされるコンポーネント・キャリアの個数が同一である時に、すべてのコンポーネント・キャリアを、3GPP LTE リリース8/9互換になるように構成することができる。これは、必ずしも、すべてのコンポーネント・キャリアが3GPP LTE(リリース8/9)互換である必要があることを意味するのではない。
【0058】
ユーザ機器は、1つまたは複数のコンポーネント・キャリア上で同時に受信しまたは送信することができる。何個のコンポーネント・キャリア上で同時受信/送信が可能であるのかは、ユーザ機器の能力に依存する。
【0059】
3GPP LTE(リリース8/9)互換ユーザ機器は、CCの構造が3GPP LTE(リリース8/9)仕様に従うならば、単一のCC上でのみ受信し、送信することができるが、キャリア・アグリゲーションのための受信能力および/または送信能力を有する3GPP LTE−A(リリース10)互換ユーザ機器は、複数のコンポーネント・キャリア上で同時に受信し、かつ/または送信することができる。
【0060】
キャリア・アグリゲーションは、連続するコンポーネント・キャリアと連続しないコンポーネント・キャリアとの両方についてサポートされ、各コンポーネント・キャリアは、3GPP LTE(リリース8/9)数秘術(numerology)を使用すると、周波数領域で最大110個のリソース・ブロックに制限される。
【0061】
同一のeノードB(基地局)から発する、おそらくは上りリンクおよび下りリンクで異なる帯域幅を有する異なる個数のコンポーネント・キャリアをアグリゲートするように、3GPP LTE−A(リリース10)互換ユーザ機器を構成することが可能である。構成できる下りリンク・コンポーネント・キャリアの個数は、UEの下りリンク・アグリゲーション能力に依存する。逆に、構成できる上りリンク・コンポーネント・キャリアの個数は、UEの上りリンク・アグリゲーション能力に依存する。下りリンク・コンポーネント・キャリアより多数の上りリンク・コンポーネント・キャリアを用いてUEを構成することは、可能ではない可能性がある。通常のTDDの配置では、上りリンクおよび下りリンクのコンポーネント・キャリアの個数および各コンポーネント・キャリアの帯域幅は、同一である。同一のeノードBから発するコンポーネント・キャリアが、同一のカバレージを提供する必要はない。
【0062】
連続してアグリゲートされるコンポーネント・キャリアの中心周波数の間の間隔は、300kHzの倍数でなければならない。これは、3GPP LTE(リリース8/9)の100kHz周波数ラスタと互換にするためであり、かつ、15kHz間隔を有するサブキャリアの直交性を維持するためである。アグリゲーション・シナリオに依存して、n×300kHz間隔は、連続するコンポーネント・キャリアの間に少数の未使用サブキャリアを挿入することによって容易に実現できる。
【0063】
複数キャリアのアグリゲーションの性質は、MACレイヤまでしか及ばない。上りリンクと下りリンクとの両方について、アグリゲートされるコンポーネント・キャリアごとにMACで要求される1つのHARQエンティティがある。(上りリンクのSU−MIMOの不在の下で)コンポーネント・キャリアあたり多くとも1つのトランスポート・ブロックがある。トランスポート・ブロックおよびその潜在的HARQ再送信は、同一のコンポーネント・キャリアにマッピングされる必要がある。
【0064】
アクティブ化されたキャリア・アグリゲーションを有するレイヤ2構造を、それぞれ下りリンクおよび上りリンクについて
図5および
図6に示す。
【0065】
キャリア・アグリゲーションが構成される時に、ユーザ機器は、ネットワークと1つの無線リソース制御(RRC)接続をもつだけである。1つのセル「特殊なセル」が、セキュリティ入力および非アクセス層(NAS)モビリティ情報(たとえば、TAI)を提供する。接続モードのユーザ機器あたり特殊なセルが1つだけある。
【0066】
特殊なセルへのRRC接続確立の後に、コンポーネント・キャリアの再構成、追加、および除去をRRCによって実行することができる。LTE内ハンドオーバ時に、RRCは、ターゲット・セル内での使用のためにコンポーネント・キャリアを追加し、除去し、または再構成することもできる。新しいコンポーネント・キャリアを追加する時に、専用RRCシグナリングが、3GPP LTE(リリース8/9)でのハンドオーバと同様に、コンポーネント・キャリア送信/受信に必要なコンポーネント・キャリアのシステム情報を送信するのに使用される。
【0067】
ユーザ機器が、キャリア・アグリゲーションを用いて構成される時には、常にアクティブである上りリンク・コンポーネント・キャリアおよび下りリンク・コンポーネント・キャリアの1つの対がある。その対の下りリンク・コンポーネント・キャリアは、「DLアンカ・キャリア(anchor carrier)」とも称される場合がある。同一のことが、上りリンクにもあてはまる。
【0068】
キャリア・アグリゲーションが構成される時に、ユーザ機器は複数のコンポーネント・キャリアにまたがって同時にスケジューリングされ得るが、どの時にもせいぜい1つのランダム・アクセス手順が進行中でなければならない。クロスキャリア・スケジューリングは、コンポーネント・キャリアのPDCCHが別のコンポーネント・キャリア上でリソースをスケジューリングすることを可能にする。こうするために、コンポーネント・キャリア識別フィールドが、それぞれのDCIフォーマットに導入される。
【0069】
上りリンク・コンポーネント・キャリアと下りリンク・コンポーネント・キャリアとの間でリンクすることは、クロスキャリア・スケジューリングがない時に、許可が適用される上りリンク・コンポーネント・キャリアを識別することを可能にする。
【0070】
上りリンク・コンポーネント・キャリアへの下りリンク・コンポーネント・キャリアのリンケージは、必ずしも1対1である必要がない。言い替えると、複数の下りリンク・コンポーネント・キャリアが、同一の上りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクすることができる。下りリンク・コンポーネント・キャリアは、同時に1つの上りリンク・コンポーネント・キャリアだけにリンクすることができる。
図7および8に、下りリンク・コンポーネント・キャリアと上りリンク・コンポーネント・キャリアとの間の可能なリンケージを例示的に示す。
図7では、すべての下りリンク・コンポーネント・キャリアが、同一の上りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされるが、
図8では、下りリンク・コンポーネント・キャリア1および2が、上りリンク・コンポーネント・キャリア1にリンクされ、下りリンク・コンポーネント・キャリア3が、上りリンク・コンポーネント・キャリア2にリンクされる。
【0071】
<DRXおよびキャリア・アグリゲーション>
ユーザ機器の適度なバッテリ消費を提供するために、3GPP LTE(リリース8/9)ならびに3GPP LTE−A(リリース10)は、不連続受信(DRX)の概念を提供する。
【0072】
この概念について、次の用語が、DRXに関するユーザ機器の状態を記述する。
−オン持続時間: DRXからウェイク・アップした後に、ユーザ機器がPDCCHを受信するために待つ、下りリンク・サブフレーム単位での持続時間。ユーザ機器がPDCCHを成功して復号する場合には、ユーザ機器は、アウェイクしたままになり、インアクティビティ・タイマを始動する。
−インアクティビティ・タイマ: PDCCHの最後の成功の復号(これに失敗する場合にはDRXに再入する)からの、ユーザ機器がPDCCHを成功して復号するために待つ、下りリンク・サブフレーム単位の持続時間。ユーザ機器は、最初の送信の間に限ってPDCCHの単一の成功の復号の後にインアクティビティ・タイマを再始動しなければならない(すなわち、再送信の間には再始動しない)。
−アクティブ時間: ユーザ機器がアウェイクしている総持続時間。これは、DRXサイクルの「オン持続時間」、インアクティビティ・タイマが満了していない間にユーザ機器が連続受信を実行している時間、およびユーザ機器が1つのHARQ RTT(ラウンド・トリップ時間)の後に下りリンク再送信を待っている間に連続受信を実行している時間を含む。上記に基づいて、最小アクティブ時間はオン持続時間と等しい長さを有し、最大アクティブ時間は未定義(無限)である。
【0073】
ユーザ機器あたり1つのDRXサイクルだけが存在する。すべてのアグリゲートされたコンポーネント・キャリアは、このDRXパターンに従う。
【0074】
さらなるバッテリ節約最適化を可能にするために、コンポーネント・キャリアのアクティブ化/非アクティブ化のさらなるステップが導入される。本質的に、下りリンク・コンポーネント・キャリアを、3つの状態のうちの一つをとることができる。すなわち、非構成の状態、構成されたが非アクティブ化された状態、およびアクティブの状態うちの1つである。下りリンクSCellがアクティブではない時(すなわち、構成されたが非アクティブ化された時、または非構成の時)には、ユーザ機器は、対応するPDCCHまたはPDSCHを受信する必要がなく、CQI測定を実行することを要求されない。逆に、下りリンクSCellがアクティブである時には、ユーザ機器は、PDSCHおよびPDCCHを受信しなければならず(存在する場合に)、CQI測定を実行できると期待される。上で説明したように、下りリンク・コンポーネントでPDCCHおよびPDSCHを受信させるために、コンポーネント・キャリアを構成した後に、下りリンク・コンポーネント・キャリアは、構成されているが非アクティブ状態から、アクティブ状態に遷移される必要がある。
【0075】
しかし、上りリンクでは、ユーザ機器は、対応するPDCCH上でスケジューリングされる(すなわち、上りリンク・コンポーネント・キャリアの明示的なアクティブ化がない)時に、任意の構成された上りリンク・コンポーネント・キャリア上のPUSCH上で送信できることを必ず要求される。
【0076】
ユーザ機器電力節約のために、追加のコンポーネント・キャリアを効率的で高速な形で非アクティブ化でき、アクティブ化できることが非常に重要である。バースト的データ送信を用いる場合、高ビット・レートの利益を利用でき、かつ、バッテリ保護をサポートできるように、追加のコンポーネント・キャリアをすばやくアクティブ化でき、非アクティブ化できることが、必須である。前に説明したように、ユーザ機器は、構成されたが非アクティブ化された下りリンク・コンポーネント・キャリアに対してCQI測定を実行せず、報告せず、RSRP(基準信号受信電力)測定およびRSRQ(基準信号受信品質)測定などの無線リソース管理関連測定だけを実行し、報告する。したがって、下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化する時には、eノードBが、効率的な下りリンク・スケジューリングのために適当なMCSを選択できるようになるために、新たにアクティブ化されたコンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のCQI情報をすばやく獲得することが重要である。CQI情報がなければ、eノードBは、ユーザ機器の下りリンク・チャネル状態に関する知識を持たず、下りリンク・データ送信についてどちらかといえば保守的なMCSを選択するのみである可能性があり、これは、リソース利用の非効率性につながる。
【0077】
CQI情報をすばやく獲得するために、eノードBは、上りリンク・スケジューリング許可によって非周期的CQIをスケジューリングすることができる。非周期的CQIは、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)上で送信される。したがって、構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化するために、eノードBは、本質的に、下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化コマンドを伝えるための1つの下りリンクPDCCHおよび非周期的CQIの送信のために上りリンク・リソースをスケジューリングする1つの上りリンクPDCCHという2つの許可(PDCCH)をUEに発行する必要がある。さらに、両方のPDCCHは、ユーザ機器が正しい下りリンク・コンポーネント・キャリアすなわちアクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリアについてCQI情報を測定し、報告することを保証するために、それぞれ同一のTTIで送信され、受信されなければならない。
【0078】
非周期的CQIの正しい受信は、下りリンク・アクティブ化コマンドの肯定応答として働くことができる。すなわち、非周期的CQIが受信された時に、eノードBは、ユーザ機器が下りリンクPDCCHで示される下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化し終えたと仮定する。
【0079】
明らかに、上で説明したコンポーネント・キャリア・アクティブ化方法の主な欠点は、下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化するために2つのPDCCHが必要であることである。さらに、2つのPDCCHが同時に受信/送信される必要があるという事実に起因して、PDCCH消失によりある種のエラー・ケースが発生する可能性がある。
【0080】
下りリンク「アクティブ化」PDCCHだけが失われる場合には、ユーザ機器は、下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化しない。しかし、受信されたCQI情報に基づいて、eNBは、下りリンク・アクティブ化が成功したと誤って仮定する。非周期的CQIを要求する上りリンクPDCCHだけが失われる第2のエラー・ケースでは、eノードBは、CQIを獲得せず、下りリンク・アクティブ化が失敗したと誤って仮定する。
【0081】
非周期的CQIを要求する上りリンクPDCCHだけが失われる第2のエラー・ケースでは、eノードBは、CQIを獲得せず、下りリンク・アクティブ化が失敗したと誤って仮定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0083】
本発明の1つの目的は、上で説明された問題のうちの少なくとも1つを克服することである。さらに、本発明のもう1つの目的は、コンポーネント・キャリアの効率的で耐性のある(非)アクティブ化を可能にすることである。
【0084】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【課題を解決するための手段】
【0085】
本発明の主たる一態様は、常にアクティブ化されているプライマリ・コンポーネント・キャリアに対して追加される、少なくとも一つのセカンダリ・コンポーネント・キャリアの各々のアクティブ化/非アクティブ化状態を示すビットの集合を含むMAC制御要素(MAC control element)を生成し、前記少なくとも一つのセカンダリ・コンポーネント・キャリアの各々は、前記ビットの集合に含まれる一つのビットと対応しており、前記一つのビットは対応するセカンダリ・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきか又は非アクティブ化されるべきかのいずれかを示し、前記ビットの集合に含まれるいずれかのビットが、対応するコンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきことを示す場合は、前記ビットの集合は、サウンディング基準信号(SRS)の送信を要求するSRS送信要求及びパワー・ヘッドルーム(PHR)の報告要求をさらに示し、前記生成されたMAC制御要素を送信する、通信方法である。
【0086】
本発明の第1の態様は、少なくとも1つのコンポーネント・キャリアのアクティブ化状態を制御するためのコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを通信するシグナリング・フォーマットの提供である。提案されるフォーマットは、たとえばモバイル端末識別子(ID)を含めることにより、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの予定された受信者の識別子を含む。このモバイル端末ID(UE IDとも称する)は、たとえば、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのフィールド内で明示的にシグナリングされ得る。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの所期の受信者を示すことを考慮して、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージに基づいて計算されるCRCを、コンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子を用いてスクランブルすることができる。下でさらに詳細に概要を示すように、これは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化のための無線ネットワーク一時識別子がモバイル端末ごとの単位でモバイル端末に割り当てられる解決策と比較して、それほど多くない無線ネットワーク一時識別子(その総数は、無線ネットワーク一時識別子のために費やされるビット数によって制限される)という利益を有する。
【0087】
さらに、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマットを、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)にマッピングされる下りリンク制御チャネル情報の新しいフォーマットと考えることができる。したがって、コンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子の使用は、下りリンク制御チャネル情報のフォーマットがコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージであることを示す。さらに、それぞれのコンポーネント・キャリアにリンクされるコンポーネント・キャリア固有の無線ネットワーク一時識別子(1つまたは複数)を使用する場合には、キャリア固有の無線ネットワーク一時識別子(1つまたは複数)は、アクティブ化されまたは非アクティブ化されるコンポーネント・キャリアをも示す。したがって、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージならびにCRCアタッチメント(すなわち、所定の無線ネットワーク一時識別子を用いてスクランブルされた、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのためのCRC)はコンポーネント・キャリアのアクティブ化状態をモバイル端末に示す。すなわち、コンポーネント・キャリアのどれが(非)アクティブ化されるのかを示す。
【0088】
本発明のもう1つの第2の態様は、トランスポート・ブロックの一部として物理下りリンク共用チャネル上で送信されるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージによってモバイル端末によって構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する機構を提案することである。本発明のこの態様によれば、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、モバイル端末によって構成されたそれぞれの下りリンク・コンポーネント・キャリアについて、それぞれのコンポーネント・キャリアのアクティブ化状態を示す(非)アクティブ化情報を含む。この形で、モバイル端末は、それぞれの下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態の変化を認識でき、それらをそれに応じてアクティブ化しまたは非アクティブ化することができる。1つの例示的実施態様では、コンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化情報を、MAC制御要素内で、すなわちMACシグナリングによって提供することができる。
【0089】
さらに、それでも本発明のこの第2の態様に従って、(非)アクティブ化情報を、その個々のビットがビットマップのそれぞれのビットに関連するそれぞれの構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態を示すビットマップの形で提供することができる。
【0090】
本発明の第1および第2の態様に従って、モバイル端末のために構成された常にアクティブである下りリンク・コンポーネント・キャリアがある場合に、(非)アクティブ化情報は、そのような「常にアクティブ」のコンポーネント・キャリアのアクティブ化状態を示す必要がない、ということに留意されたい。ここで、「常にアクティブ」の下りリンク・コンポーネント・キャリアは、本明細書では下りリンク・プライマリ・コンポーネント・キャリア(primary component carrier)(PCC)とも称される。
【0091】
本発明のさらなる態様は、上りリンクでのサウンディング基準信号(SRS)のシグナリングをトリガすることである。このために、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを送信する異なる構造および機構を再利用する、SRS(非)アクティブ化メッセージが本明細書で説明されるさまざまな実施形態に従って定義される。たとえば、SRS(非)アクティブ化メッセージは、モバイル端末のために構成された上りリンク・コンポーネント・キャリアのSRS送信のアクティブ化状態を示したSRS(非)アクティブ化情報をも含み得る。このSRS(非)アクティブ化情報は、その個々のビットがビットマップのそれぞれのビットに関連する、それぞれの構成された上りリンク・コンポーネント・キャリア上のアクティブ化状態SRSシグナリングを示すビットマップの形で提供され得る。代替案では、SRS(非)アクティブ化メッセージ内のビットマップのビットを、それぞれの構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアに関連すると考えることもでき、ビットマップの個々のビットの論理値は、ビットマップ内の所定のビットに関連するそれぞれの下りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア上のSRSシグナリングのアクティブ化状態を示すことに留意されたい。SRS(非)アクティブ化メッセージを、物理上りリンク共用チャネル上のトランスポート・ブロックの一部としてシグナリングすることができ、あるいは、本発明の第1の態様に従って、本明細書で説明されるように物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)にマッピングされる下りリンク制御チャネル情報の新しいフォーマットとしてシグナリングすることができる。
【0092】
さらに、SRS(非)アクティブ化情報を、単一のメッセージ内で、構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化/非アクティブ化するための(非)アクティブ化情報と一緒に送信することもできる。たとえば、SRS(非)アクティブ化情報およびコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化情報を、物理下りリンク共用チャネルのトランスポート・ブロックの一部として単一のMAC制御要素内でシグナリングすることができ、あるいは、本発明の第1の態様に従って、本明細書で説明されるように物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)にマッピングされる下りリンク制御チャネル情報の新しいフォーマットで一緒にシグナリングすることができる。
【0093】
本発明の1つの例示的実施形態によれば、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する方法が提供される。この方法によれば、モバイル端末は、物理下りリンク共用チャネル上で、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを含むトランスポート・ブロックを受信する。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、複数のビットからなるビットマップの形で(非)アクティブ化情報を含む。ビットマップのビットのそれぞれは、構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアのそれぞれの1つに関連し、各ビットの論理値は、関連する下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されまたは非アクティブ化されるかどうかを示している。さらに、モバイル端末は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージから得た(非)アクティブ化情報に従って、構成されたコンポーネント・キャリアをアクティブ化しまたは非アクティブ化する。
【0094】
本発明のもう1つの実施形態による1つの例示的実施態様では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、MAC制御要素である。
【0095】
オプションで、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを、モバイル端末に送信される他の論理チャネル・データと一緒にトランスポート・ブロックに多重化することができる。
【0096】
本発明のもう1つの実施形態では、複数の構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアのうちの1つは、下りリンク・プライマリ・コンポーネント・キャリアである。このプライマリ・コンポーネント・キャリアを、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージによってアクティブ化しまたは非アクティブ化することはできない。したがって、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの(非)アクティブ化情報は、モバイル端末のプライマリ・コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態の表示を含む必要がない。
【0097】
1つの例示的実施態様では、基地局は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを含むトランスポート・ブロックが、モバイル端末の下りリンク・プライマリ・コンポーネント・キャリア上でモバイル端末によって受信されることを保証することができる。
【0098】
オプションで、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、さらに、構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアにそれぞれリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つでサウンディング基準信号(SRS)の送信を開始することを、基地局がモバイル端末に要求することを可能にするSRS情報を含むことができる。より詳細な実施態様では、SRS情報は、複数のビットからなるビットマップの形で提供される。SRS情報内のビットマップのビットのそれぞれは、上りリンク・コンポーネント・キャリアのそれぞれの1つに関連し、ビットマップのビットのそれぞれの論理値は、SRSを関連する上りリンク・コンポーネント・キャリア上でモバイル端末によって送信しなければならないかどうかを示している。
【0099】
本発明のもう1つの実施形態は、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する方法を提供している。この方法によれば、モバイル端末は、基地局からサブフレームを受信し、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージおよびそのCRCアタッチメントを得るために、受信したサブフレーム内の構成された1つの下りリンク・コンポーネント・キャリア上の制御シグナリング領域内でブラインド復号を実行する。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージおよびそのCRCアタッチメントは、PDCCHと考えてよい。CRCアタッチメントは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCを含み、このCRCは、ターゲット・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のアクティブ化状態をシグナリングするのに使用されるコンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてスクランブルされる。
【0100】
モバイル端末は、コンポーネント・キャリア固有または無線セル固有の無線ネットワーク一時識別子を使用してCRCアタッチメントのCRCをチェックする。これは、たとえば、モバイル端末が、コンポーネント・キャリア固有または無線セル固有の無線ネットワーク一時識別子を用いてCRCをスクランブル解除することと、その後、結果のスクランブル解除されたCRCを、受信され復号された下りリンク制御チャネル情報(CRCなし)からローカルに生成されたCRCと比較することとによって実現することができる。
【0101】
一致の場合すなわちCRCチェックに合格する場合には、モバイル端末は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージからモバイル端末識別子(たとえば、UE IDまたはモバイル端末固有RNTI)を判定する。モバイル端末識別子に基づいて、モバイル端末は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがそのモバイル端末宛であるかどうかを検証する。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがそのモバイル端末宛である場合には、モバイル端末は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージから得られた(非)アクティブ化情報、および/または、CRCアタッチメントをスクランブルするための無線ネットワーク一時識別子の使用に暗黙の(非)アクティブ化情報に従って、構成されたコンポーネント・キャリアをアクティブ化しまたは非アクティブ化する。
【0102】
さらに、本発明のもう1つの実施形態によれば、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化するもう1つの方法が使用される。この方法によれば、基地局は、サブフレームをモバイル端末に送信する。サブフレームは、構成された1つの下りリンク・コンポーネント・キャリア上の制御シグナリング領域内に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージおよびそのCRCアタッチメント(すなわち、PDCCH)を有する。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、意図された受信器(モバイル端末)にメッセージをアドレッシングするために、少なくともモバイル端末識別子を示す。CRCアタッチメントは、基地局のプロセッサによってコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージに関して計算され、ターゲット・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のアクティブ化状態をシグナリングするのに使用されるコンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてその後にスクランブルされた、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCを有する。
【0103】
本発明のさらなる実施形態では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、複数の構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアのどれがそれぞれアクティブ化されまたは非アクティブ化されるのかを示す。したがって、本発明のこの実施形態では、(非)アクティブ化される構成されたコンポーネント・キャリアの表示は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのキャリア表示フィールド内に含められ得る。
【0104】
さらに、もう1つの例示的実施形態では、示されたコンポーネント・キャリアの状態は、CRCをスクランブルするのに使用されたRNTIに暗黙のものである。この実施形態では、下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態をシグナリングするために使用される2つの無線セル固有無線ネットワーク一時識別子が存在し得る。無線ネットワーク一時識別子の一方は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内で示される構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つのアクティブ化を示しており、他方の無線ネットワーク一時識別子は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内で示される構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つの非アクティブ化を示している。
【0105】
本発明のもう1つの実施形態による代替実施態様では、(非)アクティブ化されるコンポーネント・キャリアは、CRCをスクランブルするために使用されたRNTIに暗黙のものである。この実施形態では、各構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアが、コンポーネント・キャリア固有の無線ネットワーク一時識別子にリンクされると仮定することができる。したがって、CRCをスクランブルするために使用されたコンポーネント・キャリア固有の無線ネットワーク一時識別子は、少なくとも、アクティブ化されまたは非アクティブ化される構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアを暗黙のうちに示す。
【0106】
この実施形態の変形形態では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、CRCをスクランブルするために使用されたコンポーネント・キャリア固有の無線ネットワーク一時識別子にリンクされた、アクティブ化されまたは非アクティブ化される構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されまたは非アクティブ化されるかどうかを示す。
【0107】
この実施形態のさらなる変形形態では、各構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアは、2つのコンポーネント・キャリア固有無線ネットワーク一時識別子にリンクされることができ、CRCをスクランブルするのに使用されたコンポーネント・キャリア固有無線ネットワーク一時識別子は、少なくとも、構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアと、それがアクティブ化されまたは非アクティブ化されるかどうかと、を示す。したがって、この変形形態では、コンポーネント・キャリアの表示およびそのアクティブ化状態が、CRCをスクランブルするのに使用されたRNTIに暗黙のものである。
【0108】
本発明のもう1つの実施形態では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、示された構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアをそれぞれアクティブ化しまたは非アクティブ化するようにモバイル端末に要求するアクティブ化フラグを有する。
【0109】
1つのさらなる例示的実施形態では、サブフレームの制御シグナリング領域内で受信されるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、モバイル端末の下りリンク・プライマリ・コンポーネント・キャリア上で受信される。
【0110】
本発明のもう1つの実施形態では、下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化は、アクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリアに関するモバイル端末によるパワー・ヘッドルーム報告の送信をトリガする。たとえば、モバイル端末は、下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化に応答して、アクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリアに関するパワー・ヘッドルーム報告を送信し得る。パワー・ヘッドルーム報告は、リンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリアの次の上りリンク・リソース割当によってモバイル端末に割り当てられるリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア上で割り当てられたリソース上のリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア上でモバイル端末によって送信される。
【0111】
本発明のさらなる実施形態では、モバイル端末は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージが、下りリンク・コンポーネント・キャリアの非アクティブ化を示す場合に、示されたコンポーネント・キャリアを非アクティブ化する。しかし、この非アクティブ化は、即座にではなく、
−トランスポート・ブロックを送信するのに使用されるHARQプロトコルが、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの受信の時に非アクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリア上での送信について保留中であるトランスポート・ブロックの成功の復号を肯定応答する時、または
−非アクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリア上の送信について保留中であるトランスポート・ブロックのHARQプロトコルの再送信の最大回数に達する時、
に実行される。
【0112】
この状況で、送信について保留中のトランスポート・ブロックは、非アクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリア上で個々のHARQプロセス内で送信される、下りリンク・コンポーネント・キャリアの非アクティブ化コマンドの受信の時に現在送信される(トランスポート・ブロックの再送信が保留中である)1つまたは複数のトランスポート・ブロックを参照する。
【0113】
それに加えてまたはその代わりに、本発明のもう1つの実施形態によれば、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、セットされた時に、示された構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア上でのサウンディング基準信号(SRS)の送信を開始するようにモバイル端末に要求するSRSフラグを有する。オプションで、SRSフラグは、セットされない時に、示された構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア上でのサウンディング基準信号(SRS)の送信を止めるようにモバイル端末に要求することができる。
【0114】
アクティブ化フラグまたはSRSフラグのうちの少なくとも1つに加えて、またはその代わりに、本発明のさらなる実施形態によるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、セットされた時に、1つまたは複数の示された構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアに関するチャネル品質フィードバックを要求するCQI要求フラグを有する。
【0115】
この実施形態の変形形態では、モバイル端末が、示された下りリンク・コンポーネント・キャリアのチャネル品質フィードバックを送信するように要求される場合に、モバイル端末は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージによって示される下りリンク・コンポーネント・キャリアごとにチャネル品質測定を実行し、1つまたは複数の示された下りリンク・コンポーネント・キャリアのチャネル品質フィードバックを基地局に送信する。
【0116】
チャネル品質フィードバックは、たとえば、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)または物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)上の事前に構成された上りリンク・リソース上またはその代わりに周期的チャネル品質フィードバックのためにRRCによって構成された物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)上の上りリンク・リソース上で送信され得る。
【0117】
1つの例示的実施態様では、チャネル品質フィードバックは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを含むサブフレームを受信してから4サブフレームまたは4ms後に送信される。
【0118】
上の例では、チャネル品質フィードバックを、非周期的チャネル品質フィードバックとすることができる。そのような非周期的チャネル品質フィードバックをトリガすることに加えてまたはその代替としてあるいはその代わりに、CQIフラグを使用して、周期的チャネル品質フィードバックの送信を開始するためにモバイル端末をトリガすることができる。したがって、モバイル端末が、示された下りリンク・コンポーネント・キャリアのチャネル品質フィードバックを送信するように要求される場合に、モバイル端末は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージによって示される下りリンク・コンポーネント・キャリアごとにチャネル品質測定を周期的に実行することができ、上りリンク・リソース上、たとえば周期的チャネル品質フィードバックのためにRRCによって構成された物理上りリンク制御チャネル上で、1つまたは複数の示された下りリンク・コンポーネント・キャリアのチャネル品質フィードバックを基地局に周期的に送信することができる。
【0119】
さらに、受信されたサブフレームのPDCCH上でシグナリングされる制御チャネル情報のフォーマットを検出するための、モバイル端末のブラインド復号の試みを増やさないようにするために、本発明のもう1つの実施形態では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマット(DCIフォーマットと考えることができる)は、モバイル通信システムで定義される少なくとも1つの他の下りリンク制御情報フォーマットと同一のサイズ(ビット数)を有する。たとえば、3GPP LTE−A(リリース10)システムまたはその後継物で本発明を実施する時に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマットは、3GPP LTE(リリース8/9)または3GPP LTE−A(リリース10)のDCIフォーマット0/1Aと同一のサイズを有することができる。さらにコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマットのサイズは、オプションで、コンポーネント・キャリア帯域幅に依存することができる。コンポーネント・キャリア帯域幅は、たとえば、そのアクティブ化状態がコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージおよび/もしくはそのCRCアタッチメントによってシグナリングされるコンポーネント・キャリアの帯域幅、またはコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがシグナリングされるコンポーネント・キャリアの帯域幅とすることができる。
【0120】
本発明のもう1つの実施形態では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの受信は、モバイル端末によって肯定応答される。これは、たとえば、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの送信に対する相対的な所定のタイミングで上りリンクでACK/NACKをシグナリングすることによって実現することができる。その代わりに、肯定応答を、示された下りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)上のチャネル品質フィードバックの形で送信することもできる。この後者のオプションは、たとえば、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内のCQIフラグが、モバイル端末からのチャネル品質フィードバックをトリガする場合に有用であり得る。
【0121】
本発明のさらなる態様は、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する異なる方法のハードウェアおよび/またはソフトウェアでの実施である。これに関して、そのような方法を実行しまたはその実行に関係する異なる装置が提供される。
【0122】
かくして、本発明の一実施形態は、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化するモバイル端末を提供する。モバイル端末は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを含むトランスポート・ブロックを物理下りリンク共用チャネル上で受信する受信器であり、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、複数の構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアのどれがモバイル端末によってそれぞれアクティブ化されまたは非アクティブ化されるのかを示す(非)アクティブ化情報を含む、受信器と、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージから得られた(非)アクティブ化情報に従って、構成されたコンポーネント・キャリアをアクティブ化しまたは非アクティブ化するプロセッサとを含む。
【0123】
さらに、本発明の実施形態によれば、モバイル端末は、本明細書で説明するさまざまな実施形態のうちの1つに従って、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する方法を実行するように構成され/手段を含み、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、物理下りリンク共用チャネル上でトランスポート・ブロックの一部として送信される。
【0124】
本発明のもう1つの実施形態は、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で使用されるモバイル端末を提供する。モバイル端末は、基地局からサブフレームを受信する受信器と、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージおよびそのCRCアタッチメントを得るために受信されたサブフレーム内で構成された1つの下りリンク・コンポーネント・キャリア上の制御シグナリング領域内でブラインド復号を実行する処理手段であり、CRCアタッチメントは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCを含み、CRCは、ターゲット・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のアクティブ化状態をシグナリングするのに使用されるコンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてスクランブルされる、処理手段とを含む。ブラインド復号は、たとえば、モバイル端末の復号器および復調器の動作を含むこともできる。
【0125】
モバイル端末のプロセッサは、コンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子を使用してCRCアタッチメントのCRCをさらにチェックする。上で述べたように、CRCのこのチェックは、たとえば、コンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子を使用してCRCアタッチメントのCRCをスクランブル解除することと、その後、スクランブル解除されたCRCを、受信され復号された下りリンク制御チャネルからモバイル端末のプロセッサによって(ローカルに)生成されたCRCと比較することとによって実施することができる。
【0126】
一致の場合すなわちCRCチェックに合格する場合には、モバイル端末は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージからモバイル端末識別子を判定する。さらに、プロセッサは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがモバイル端末宛であるかどうかを、モバイル端末識別子に基づいて検証する。したがって、モバイル端末は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがモバイル端末宛である場合に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージから得られた(非)アクティブ化情報および/またはCRCアタッチメントをスクランブルするための無線ネットワーク一時識別子の使用に暗黙の(非)アクティブ化情報に従って、構成されたコンポーネント・キャリアをアクティブ化しまたは非アクティブ化することができる。
【0127】
本発明のもう1つの実施形態では、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内でモバイル端末の構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する基地局が提供される。基地局は、少なくともモバイル端末のモバイル端末識別子を有するコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを生成するプロセッサを含む。プロセッサは、さらに、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCを判定し、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCアタッチメントを得るために、ターゲット・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のアクティブ化状態をシグナリングするのに使用されるコンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてCRCをスクランブルする。さらに、基地局は、サブフレーム内の下りリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内でコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージおよびそのCRCアタッチメントをモバイル端末に送信する送信器をも含む。
【0128】
本発明は、さらに、本明細書で説明されるコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する方法のソフトウェアでの実施に関する。したがって、本発明の1つのさらなる実施形態は、モバイル端末のプロセッサによって実行される時に、モバイル端末に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを含むトランスポート・ブロックを物理下りリンク共用チャネル上で受信することであり、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、複数の構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアのどれがモバイル端末によってそれぞれアクティブ化されまたは非アクティブ化されるのかを示す(非)アクティブ化情報を含む、ものであることと、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージから入手された(非)アクティブ化情報に従って構成されたコンポーネント・キャリアをアクティブ化しまたは非アクティブ化することとによって、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化させる命令を格納するコンピュータ可読媒体を提供する。
【0129】
本発明のさらなる実施形態は、モバイル端末のプロセッサによって実行される時に、モバイル端末に、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する異なる方法のうちの1つを実行させる命令を格納するコンピュータ可読媒体に関する。一例では、モバイル端末に、たとえば、基地局からサブフレームを受信させ、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージおよびそのCRCアタッチメントを得るために、受信したサブフレーム内の構成された1つの下りリンク・コンポーネント・キャリア上の制御シグナリング領域内でブラインド復号を実行させることができる。CRCアタッチメントは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCを含み、CRCは、ターゲット・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のアクティブ化状態をシグナリングするのに使用されるコンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてスクランブルされる。
【0130】
前記実行される命令によって、モバイル端末に、さらに、コンポーネント・キャリア固有または無線セル固有の無線ネットワーク一時識別子を使用してCRCアタッチメントのCRCをチェックさせることができる。CRCチェックに合格する場合には、モバイル端末に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージからモバイル端末識別子(たとえば、UE IDまたはモバイル端末固有RNTI)を判定させる。さらに、命令は、モバイル端末のプロセッサによって実行される時に、モバイル端末に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがモバイル端末宛であるかどうかをモバイル端末識別子に基づいて検証させ、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがモバイル端末宛である場合に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージから得られる(非)アクティブ化情報および/またはCRCアタッチメントをスクランブルするための無線ネットワーク一時識別子の使用に暗黙の(非)アクティブ化情報に従って、構成されたコンポーネント・キャリアをアクティブ化させまたは非アクティブ化させる。
【0131】
もう1つの実施形態は、基地局のプロセッサによって実行される時に、基地局に、コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用する通信システム内で構成されたコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する異なる方法のうちの1つを実行させる命令を格納するコンピュータ可読媒体に関する。一例では、基地局に、たとえば、少なくともモバイル端末のモバイル端末識別子を含むコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを生成させることができる。基地局のプロセッサによる命令の実行は、さらに、基地局に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCを判定させ、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCアタッチメントを得るためのターゲット・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のアクティブ化状態をシグナリングするのに使用されるコンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いて、CRCをスクランブルさせることができる。さらに、基地局に、そのプロセッサによる命令の実行によって、サブフレーム内の下りリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内でコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージおよびそのCRCアタッチメントをモバイル端末に送信もさせる。
【0132】
次では、本発明を、添付図面および線図を参照して、より詳細に説明する。図内の類似する詳細または対応する詳細は、同一の符号を用いてマークされる。
【発明を実施するための形態】
【0134】
以下の段落では、本発明のさまざまな実施形態を説明する。例示のみのために、実施形態のほとんどは、上の背景技術セクションで議論した3GPP LTE(リリース8)およびLTE−A(リリース10)モバイル通信システムによる直交単一キャリア上りリンク無線アクセス方式に関連して概要を示される。本発明を、たとえば前に説明した3GPP LTE(リリース8)およびLTE−A(リリース10)通信システムなどのモバイル通信システムに関連して有利に使用することができるが、本発明が、この特定の例示的通信ネットワークでの使用に限定されないことに留意されたい。
【0135】
上の背景技術セクションで与えた説明は、本明細書で説明される主として3GPP LTE(リリース8)およびLTE−A(リリース10)固有の例示的実施形態をよりよく理解するためのものであることが意図されており、本発明は、モバイル通信ネットワーク内のプロセスおよび機能について述べられた特定の実施態様に限定して理解されるべきではない。
【0136】
アクティブ化される下りリンク内のコンポーネント・キャリアを示す1つの可能な実施態様は、3GPP LTE−A(リリース10)の下りリンクDCIフォーマット内のCIFフィールドの使用である。CIFフィールドが、構成されたが非アクティブ化された下りリンク・コンポーネント・キャリアを指す場合には、この下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化される。しかし、この手法を、コンポーネント・キャリアを非アクティブ化するのに単純な形で使用することはできない。さらに、CIFフィールドは、DCIフォーマットの必須部分ではない可能性がある。
【0137】
構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化するもう1つの解決策は、3GPP LTE(リリース8/9)の半持続的スケジューリング(SPS)アクティブ化および非アクティブ化と同様の機構を使用することである。各ユーザ機器は、UE固有のRNTI(SPS−C−RNTI)を割り当てられる。DCI CRCがSPS−C−RNTIを用いてスクランブルされる場合に、このDCIは、アクティブ化メッセージまたは非アクティブ化メッセージとして解釈される。この機構を、下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化および非アクティブ化に使用することもできる。しかし、これは、キャリア・アグリゲーションが構成される各ユーザ機器のために、新しい別々のRNTIが必要になるという欠点をもつ可能性がある。RNTIの総数が、65536までに制限され、その多くが、非キャリア・アグリゲーション目的に必要であり(たとえば、C−RNTI、SPS−C−RNTIなど)、キャリア・アクティブ化でのユーザ機器の個数が、大きいピーク個数をサポートしなければならないので、そのような要件を課さない他の方法を見つけることが有益である。
【0138】
構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する、本発明の第1の態様に従うもう1つの解決策であり、少なくとも1つのコンポーネント・キャリアのアクティブ化状態を制御するためのコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを通信するシグナリング・フォーマットが提供される。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージに関する提案される新しいフォーマットは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの予定受信者を明示的に識別できるようにする。たとえば、この識別は、モバイル端末識別子(ID)をコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージに含めることによって実現され得る。このモバイル端末ID(UE IDとも称する)は、たとえば、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのモバイル端末識別子フィールド内でシグナリングされる。1つの例示的実施態様では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内で示されるモバイル端末IDは、たとえばモバイル端末のC−RNTIなどのモバイル端末固有識別子である。
【0139】
コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの予定受信者を示すコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを考慮すると、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCをモバイル端末固有識別子を用いてスクランブルすることによってコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの予定受信者を曖昧さなしに識別することは、もはや必要ではない。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマットを、下りリンク制御情報(DCI)フォーマットと考えることができる。物理層では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、モバイル端末への送信のために物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)にマッピングされる下りリンク制御チャネル情報である。
【0140】
本発明の第1の態様に従って、CRCは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージに基づいて計算され、基地局でスクランブルされる。スクランブリングは、コンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子を使用して基地局で実行される。上で示したように、これは、構成されたコンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化状態を制御するために予約される必要がある無線ネットワーク一時識別子(1つまたは複数)の個数が有効に減らされることを意味する。
【0141】
前の段落で述べたように、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマットを、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)にマッピングされる下りリンク制御チャネル情報の新しいフォーマットと考えることができる。したがって、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCをスクランブルするのに使用されるコンポーネント・キャリア固有またはセル固有の無線ネットワーク一時識別子(1つまたは複数)は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージである下りリンク制御チャネル情報のフォーマットを示す。
【0142】
さらに、それぞれのコンポーネント・キャリアにリンクされるコンポーネント・キャリア固有の無線ネットワーク一時識別子(1つまたは複数)を使用する場合に、キャリア固有の無線ネットワーク一時識別子(1つまたは複数)は、アクティブ化されまたは非アクティブ化されるコンポーネント・キャリアをも示す。したがって、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージならびにCRCアタッチメント(すなわち、所定の無線ネットワーク一時識別子を用いてスクランブルされた、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRC)は、コンポーネント・キャリアの所望のアクティブ化状態をモバイル端末に示す、すなわち、コンポーネント・キャリアのどれが(非)アクティブ化されるのかを示す。
【0143】
構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する、本発明の第2の態様に従うさらなる解決策では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)内のトランスポート・ブロック内で提供される。したがって、トランスポート・ブロックは、PDSCH上のスケジューリングされた送信(の一部)としてモバイル端末に送信される。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、論理チャネルの他のデータと共にトランスポート・ブロックに多重化され得る。さらに、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージに、オプションで、論理チャネル識別子(LCID)を割り当てることができる。
【0144】
本発明の第1の態様に従う解決策と同様に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、モバイル端末によって構成されたそれぞれの下りリンク・コンポーネント・キャリアについて、それぞれのコンポーネント・キャリアのアクティブ化状態を示し、モバイル端末がそれぞれの下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態の変化を認識することを可能にする(非)アクティブ化情報を含む。1つまたは複数の下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態のそのような変化の検出は、モバイル端末に、それに応じて構成された下りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)をアクティブ化させまたは非アクティブ化させる。1つの例示的実施態様では、コンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化情報を、MAC制御要素内ですなわちMACシグナリングによって提供することができる。
【0145】
さらに、本発明のこの第2の態様に従って、(非)アクティブ化情報を、ビットマップの形で提供することができる。ビットマップの個々のビットは、ビットマップのそれぞれのビットに関連するそれぞれの構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態を示す。
【0146】
本発明のさらなる態様は、上りリンクでサウンディング基準信号(SRS)のシグナリングをトリガすることである。これは、個々のシグナリング・メッセージによって、または構成されたコンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化と一緒に行うことができる。個々のシグナリング・メッセージを使用する場合に、SRS(非)アクティブ化メッセージは定義され得る。SRS(非)アクティブ化メッセージは、本明細書で説明するさまざまな実施形態によるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを送信するための異なる構造および機構を再利用することができる。たとえば、SRS(非)アクティブ化メッセージは、モバイル端末のために構成された上りリンク・コンポーネント・キャリアのSRS送信のアクティブ化状態を示したSRS(非)アクティブ化情報を含み得る。
【0147】
このSRS(非)アクティブ化情報を、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化情報と同様に構造化することができる。たとえば、SRS(非)アクティブ化情報を、ビットマップの形で提供することができる。このビットマップの個々のビットは、ビットマップのそれぞれのビットに関連するそれぞれの構成された上りリンク・コンポーネント・キャリア上のアクティブ化状態SRSシグナリングを示すことができる。代替案では、SRS(非)アクティブ化メッセージ内のビットマップのビットを、それぞれの構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアに関連すると考えることもでき、ビットマップの個々のビットの論理値は、ビットマップ内の所定のビットに関連するそれぞれの下りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア上のSRSシグナリングのアクティブ化状態を示す。
【0148】
SRS(非)アクティブ化メッセージは、本発明の第2の態様に従う実施形態で説明されるように物理上りリンク共用チャネル上でトランスポート・ブロックの一部としてシグナリングすることができ、あるいは、本発明の第1の態様に従う実施形態で説明されるように物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)にマッピングされる下りリンク制御チャネル情報の新しいフォーマットとしてシグナリングすることができる。
【0149】
さらに、SRS(非)アクティブ化情報を、単一のメッセージ内で、構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化/非アクティブ化するための(非)アクティブ化情報と一緒に送信することもできる。本発明の1つの例示的実施形態では、SRS(非)アクティブ化情報およびコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化情報は、物理下りリンク共用チャネルのトランスポート・ブロックの一部としてMAC制御要素内でシグナリングされる。さらなる例示的実施形態では、SRS(非)アクティブ化情報およびコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化情報は、本発明の第1の態様に従って本明細書で説明されるように、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)にマッピングされる下りリンク制御チャネル情報の新しいフォーマットで一緒にシグナリングされる。
【0150】
コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化の原理を、下りリンクおよび上りリンクのコンポーネント・キャリアのアクティブ化および非アクティブ化に適用できることに留意されたい。これに関して、本発明の例示的実施形態および実施態様で、コンポーネント・キャリアは、非構成の状態、構成されたが非アクティブ化された状態、およびアクティブの状態という3つのアクティブ化状態のうちの1つであると定義できると仮定されることにさらに留意されたい。さらに、常にアクティブである、モバイル端末のために構成された下りリンク(および/または上りリンク)コンポーネント・キャリアがある場合に、(非)アクティブ化情報が、そのような「常にアクティブ」のコンポーネント・キャリアについてアクティブ化状態を示す必要はないことに留意することも重要である。「常にアクティブ」のコンポーネント・キャリアを、本明細書でプライマリ・コンポーネント・キャリア(PCC)とも称する。
【0151】
下りリンク・コンポーネント・キャリアを例示的に考慮すると、下りリンク・コンポーネント・キャリアが、構成されたが非アクティブ化された時には、ユーザ機器は、対応するPDCCHまたはPDSCHを受信する必要はなく、CQI測定を実行することも要求されない。逆に、下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブである時には、ユーザ機器は、PDSCHおよびPDCCH(存在する場合に)を受信しなければならず、CQI測定を実行できると期待される。コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)の構成の後には、そのコンポーネント・キャリア(1つまたは複数)は、構成されたが非アクティブ化された状態である。下りリンク・コンポーネント・キャリア上でのPDCCHおよびPDSCHの受信を可能にするために、下りリンク・コンポーネント・キャリアは、構成されたが非アクティブ化された状態からアクティブ状態に遷移される必要がある。コンポーネント・キャリアの構成は、暗黙のうちにまたは明示的にコンポーネント・キャリアをアクティブ化することができ、その場合に、コンポーネント・キャリアは、処理リソースおよび/またはシグナリングを節約するために、アクティブ(「構成され、アクティブ」)状態から構成されたが非アクティブ化された状態に遷移される必要がある。
【0152】
上りリンク・コンポーネント・キャリアが構成されアクティブ化されている時には、その上りリンク・コンポーネント・キャリアは、ACK/NACK、サウンディング基準シンボル、スケジューリング要求、および非周期的CQI報告などのシグナルおよびチャネルの送信に適格と仮定される。逆に、下りリンク・コンポーネント・キャリアが構成されたが非アクティブ化された状態である時には、上りリンク・コンポーネント・キャリアは、完全にミュートされ、上記などの上りリンク・シグナルおよびチャネルの送信に適格ではないと仮定される。
【0153】
したがって、本明細書で説明される本発明のさまざまな実施形態による新しく提案されるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化は、構成されたが非アクティブ化された状態とアクティブ状態(「構成されアクティブ化された」)との間の状態遷移を示すのに利用され得る。
【0154】
上で概要を示したように、本発明の一態様は、1つまたは複数の上りリンクまたは下りリンクのコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化する新しいコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの提案である。下りリンクおよび/または上りリンクでキャリア・アグリゲーションを使用する3GPPベースのシステムでの本発明の概念の実施に関する本発明の一実施形態によれば、新しいコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのフォーマットは、DCIフォーマットである。新しいコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、少なくとも、たとえば新しいコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの宛先であるユーザ機器のC−RNTIなどのターゲットUE IDを含む。さらに、新しいコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージが関係するコンポーネント・キャリア(1つまたは複数)が、新しいコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCをスクランブルするのに使用されるRNTIに暗黙のものではない場合には、新しいコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、ターゲット・コンポーネント・キャリアIDをさらに含む。CQI要求フラグを含む本発明の一実施形態によるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの例を、
図16に示す。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内で使用可能な残りのビットは、下で述べるようにモバイル端末にさらなる情報または要求をシグナリングするのに使用され得る、あるいは、パディングまたは予約済みビットを充てんされ得る。
【0155】
このターゲット・コンポーネント・キャリアIDを、たとえば、新しいコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのフィールド内でシグナリングすることができ、このフィールドは、このメッセージによってアクティブ化/非アクティブ化できない、下りリンク/上りリンク内の1つの常にアクティブのコンポーネント・キャリア、いわゆるアンカ・キャリアがあることを考慮すると、
【数5】
ビットのサイズを有する。ここで、Nは、構成された下りリンク/上りリンク・コンポーネント・キャリアの個数であり、
【数6】
は、天井関数すなわち、x以上で最小の正の整数である。したがって、通常の下りリンク・シナリオについて、N=5個までの構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアがあり、そのうちの1つがアンカ・キャリアと定義され、その結果、合計2ビットが、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内でターゲット・コンポーネント・キャリアIDのために必要になると仮定することができる。
【0156】
さらに、本発明のさらなる態様および実施形態によれば、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを下りリンク制御チャネル情報としてPDCCHにマッピングする時に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCをスクランブルするのに、ユーザ機器固有のRNTIは使用されない。これが可能になるのは、ターゲットUE IDがコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのペイロードの一部であるからである。代わりに、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージなどのコンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化に関するメッセージをシグナリングするのに使用されるRNTI(1つまたは複数)は、セル固有RNTIまたはコンポーネント・キャリア固有RNTIのいずれかである。
【0157】
CRCのスクランブリングが、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージなどのコンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化に関するメッセージのシグナリングのために定義された単一のセル固有RNTIを使用する場合には、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのペイロードは、さらに、どのコンポーネント・キャリアについて(非)アクティブ化コマンドを適用しなければならないのかの情報を含む。この目的のために、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、アクティブ化されまたは非アクティブ化されなければならない下りリンクまたは上りリンクの1つまたは複数のコンポーネント・キャリアを示すために、1つまたは複数のターゲット・コンポーネント・キャリアIDを含み得る。基地局は、RRCシグナリングによって、たとえばコンポーネント・キャリア構成メッセージの一部として、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化のためのセル固有RNTIをモバイル端末に示すことができる。
【0158】
コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内で示される1つまたはすべてのコンポーネント・キャリアを(同時に)アクティブ化しまたは非アクティブ化しなければならない場合には、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、1つまたは複数のコンポーネント・キャリアがアクティブ化されまたは非アクティブ化されるかのどちらであるのかを示すために、追加のアクティブ化/非アクティブ化フラグを含み得る。複数のターゲット・コンポーネント・キャリアIDおよび単一のアクティブ化/非アクティブ化フラグを含む本発明のさらなる実施形態によるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのもう1つの例を、
図11に示す。
【0159】
さらなる実施形態による代替実施態様では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、ターゲット・コンポーネント・キャリアID内で示されるターゲット・コンポーネント・キャリアIDごとにアクティブ化/非アクティブ化フラグを含む。この形で、基地局は、ターゲット・コンポーネント・キャリアID(1つまたは複数)によって示されるそれぞれのコンポーネント・キャリア(1つまたは複数)を個別にアクティブ化しまたは非アクティブ化するためにモバイル端末を制御することができる。ターゲット・コンポーネント・キャリアIDおよび対応するアクティブ化/非アクティブ化フラグが、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの2つのフィールドと考えられるかどうか、またはこの2つの情報が単一のシグナリング・コンポーネント・キャリア・アクティブ化/非アクティブ化フィールド内で提供されるかどうかは、定義の問題であることに留意されたい。複数のターゲット・コンポーネント・キャリアIDおよびアクティブ化/非アクティブ化フラグを含む本発明の一実施形態によるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの例を、
図12に示す。
【0160】
さらに、本発明のもう1つの実施形態では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージなど、コンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化に関するメッセージのシグナリングのために定義される2つのセル固有RNTIがある。この場合に、2つのRNTIの一方(アクティブ化RNTI)を、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内で1つまたは複数のターゲット・コンポーネント・キャリアIDによって示されるコンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のアクティブ化を示すのに使用することができる。同様に、2つのRNTIの他方(非アクティブ化RNTI)を、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内で1つまたは複数のターゲット・コンポーネント・キャリアIDによって示されるコンポーネント・キャリア(1つまたは複数)の非アクティブ化を示すのに使用することができる。したがって、この例示的実施態様では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのペイロード内に追加のアクティブ化/非アクティブ化フラグは不要である。基地局は、RRCシグナリングによって、たとえばコンポーネント・キャリア構成メッセージの一部として、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化およびそのそれぞれの機能(アクティブ化/非アクティブ化)についてアクティブ化RNTIおよび非アクティブ化RNTIをモバイル端末に示すことができる。ターゲット・コンポーネント・キャリアIDを含むがアクティブ化/非アクティブ化フラグを含まない本発明の実施形態によるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの例を、
図13に示す。
【0161】
本発明のもう1つの実施形態では、上で説明したように、1つまたは2つのセル固有RNTIを使用することができる。ターゲット・コンポーネント・キャリアIDによって(およびそれぞれのアクティブ化/非アクティブ化フラグを使用することによって)アクティブ化される個々のコンポーネント・キャリアを示すのではなく、ビットマスクが、各構成された下りリンク/上りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態を示すために、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内でシグナリングされる。下りリンク/上りリンク・コンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化に関するコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの例を、
図18に示す。ビットマスクは、CCビットマスク・フィールド内に含まれる。ビットマスクは、N−1ビットからなり、Nは、構成された下りリンク/上りリンク・コンポーネント・キャリアの個数である。N=5個の構成されたコンポーネント・キャリアがある場合には、ビットマスクは、4ビットのサイズを有する。接続モードのモバイル端末について上りリンクおよび下りリンクに常に1つのアクティブ下りリンク・コンポーネント・キャリアがあると仮定する場合に、N−1ビットだけが必要であることに留意されたい。ビットマスクのビットのそれぞれは、下りリンク/上りリンク内の対応する構成されたコンポーネント・キャリアにリンクされる。ビットマスクのビットの論理値1は、そのビットに関連する構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブであることを示すことができ、ビットマスクのビットの論理値0は、そのビットに関連する構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアが構成されたが非アクティブ化されたことを示すことができる(またはその逆)。本発明のこの実施形態による(非)アクティブ化メッセージの使用は、単一のDCIペイロードが複数のコンポーネント・キャリアを同時にアクティブ化し、非アクティブ化することができるという利益を有する。
【0162】
ビットマスクのビット(またはビットマスク・フィールドのコードポイント)とコンポーネント・キャリアとの間のそれぞれの関連付けを、たとえば、モバイル端末上位層、たとえばRRCの構成メッセージごとに構成することができる。
【0163】
本発明のさらなる実施形態によれば、コンポーネント・キャリア固有RNTIは、CRCをスクランブルするのに使用される。この実施形態では、下りリンクまたは上りリンクの構成されたコンポーネント・キャリアのそれぞれは、特定のRNTIを割り当てられる。コンポーネント・キャリア固有RNTIを、セルごとに定義することもでき、その結果、コンポーネント・キャリア固有RNTIを、セル固有RNTIのサブクラスと考えることができるようになる。異なるモバイル端末が、1つの基地局によって制御される1つのセル内で異なるアンカ・キャリアを有することができるので、アンカ・キャリアにコンポーネント・キャリア固有RNTIを割り当てることもできることに留意されたい。
【0164】
モバイル端末に、コンポーネント・キャリアRNTIとコンポーネント・キャリアとの対応を、基地局によって知らせることができる。対応情報を、たとえば、RRCシグナリングを介して、たとえばコンポーネント・キャリア構成メッセージの一部としてモバイル端末にシグナリングすることができる。コンポーネント・キャリア固有RNTI(1つまたは複数)の使用の1つの利益は、コンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化のためにコンポーネント・キャリア固有RNTI(1つまたは複数)を監視するように構成されていないモバイル・ノードが、破壊されたDCIメッセージの場合にコンポーネント・キャリアを誤って(非)アクティブ化できないことである。さらに、コンポーネント・キャリア固有RNTI(1つまたは複数)に加えて、(非)アクティブ化メッセージ内のターゲットUE IDも一致しなければならず、その結果、コンポーネント・キャリアの誤った(非)アクティブ化は、より可能性が低くなる。
【0165】
この場合に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのCRCをスクランブルするのに基地局によって使用されるコンポーネント・キャリア固有RNTIは、既に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの(非)アクティブ化コマンドが関係するコンポーネント・キャリアを、モバイル端末に示す。したがって、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、この場合にはターゲット・コンポーネント・キャリアIDを含まないものとすることができる。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、それでも、コンポーネント・キャリア固有RNTIによって示されるコンポーネント・キャリアについてセットされるアクティブ化状態を示すために、アクティブ化/非アクティブ化フラグを含むことができる。本発明の実施形態によるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの例、CRCをスクランブルするのに使用されるコンポーネント・キャリア固有RNTIに暗黙の下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化/非アクティブ化フラグを、
図14に示す。
【0166】
もう1つの代替実施形態では、提案されるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージなど、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化関連メッセージのCRCをスクランブルするためにコンポーネント・キャリアごとに定義される2つのコンポーネント・キャリア固有RNTIがある。上の例と同様に、2つのコンポーネント・キャリア固有RNTIの一方(アクティブ化RNTI)は、コンポーネント・キャリア固有RNTIにリンクされたコンポーネント・キャリアをアクティブ化することを示しており、2つのコンポーネント・キャリア固有RNTIの他方(非アクティブ化RNTI)は、コンポーネント・キャリア固有RNTIにリンクされたコンポーネント・キャリアを非アクティブ化することを示している。この形で、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化関連メッセージを正しい受信者(ユーザ機器)に向けるためにUE IDをシグナリングする必要だけがあるものとすることができ、(非)アクティブ化されるコンポーネント・キャリアは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化関連メッセージのCRCをスクランブルするためのRNTIの使用に暗黙のものである。この場合に、基地局が、RRCシグナリングによって、たとえばコンポーネント・キャリア構成メッセージの一部として、異なるコンポーネント・キャリアのアクティブ化RNTIと非アクティブ化RNTIとの対応を示すこともできることに留意されたい。ターゲットUE IDだけを含み、オプションでさらなる情報および要求(拡張使用)を含む本発明の実施形態によるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの例を、
図15に示す。
【0167】
セル固有またはコンポーネント・キャリア固有のRNTI(1つまたは複数)が使用されるかどうかにかかわりなく、これらのRNTIを、RRCシグナリングまたはキャリア・アグリゲーション・モードに関する制御情報を送信する他の手段によってモバイル端末にシグナリングすることができる。具体的には、コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)がそれに対して「構成される」と考えられなければならない端末を構成する時に、モバイル端末は、1つまたは複数のそのような構成されたコンポーネント・キャリアについてどのRNTI(1つまたは複数)を使用すべきかをも通知される。
【0168】
さらに、下りリンクでOFDMを使用する3GPPベースの通信システムでは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージが、1つまたは複数のユーザ機器への下りリンク・コンポーネント・キャリア上のサブフレーム内で送信されるPDCCHのペイロード(DCI)を形成していると仮定することができ、ユーザ機器は、PDCCH上のサブフレーム内でシグナリングされる異なるDCIフォーマットに対してブラインド復号を実行する。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマットについて通信システム内で定義される少なくとも1つの他のDCIフォーマットと同一のサイズを使用し、セル固有またはコンポーネント・キャリア固有のRNTI(1つまたは複数)によって暗黙のこのフォーマットを使用することによって、モバイル端末のブラインド復号の労力を増やさないことが可能である。
【0169】
したがって、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのフォーマットが、所定のサイズを有すると仮定されるので、UE IDと、ターゲット・コンポーネント・キャリアID(1つまたは複数)およびアクティブ化フラグなどのコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化関連情報とをシグナリングするのに必要ではない残りのビットを、たとえば、さらなる情報または要求をモバイル端末にシグナリングするのに使用することができる。セル固有またはコンポーネント・キャリア固有のRNTI(1つまたは複数)をどのように使用できるのかを説明する上で説明した異なる例で、いくつかが、ターゲット・コンポーネント・キャリアID(1つまたは複数)および/またはアクティブ化/非アクティブ化フラグ(1つまたは複数)のシグナリングを避けることを可能にし、その結果、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化関連情報のサイズを最小化することが(または回避することすら)できるようになることに留意されたい。さらに、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマットのサイズは、一定(固定)あるいは、コンポーネント・キャリア帯域幅に依存するかのいずれかとすることができる。たとえば、(非)アクティブ化されるコンポーネント・キャリアの帯域幅、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがシグナリングされる下りリンク内のコンポーネント・キャリアの帯域幅、またはコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがシグナリングされる下りリンクのリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリアに依存することができる。
【0170】
1つの例示的実施態様では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマットのサイズは、3GPP LTE(リリース8/9)または3GPP LTE−A(リリース10)のDCIフォーマット0/1Aのサイズに対応している。フォーマット・サイズは、オプションで、コンポーネント・キャリア帯域幅に依存することができる。
【0171】
この場合において、表4に、コンポーネント・キャリア帯域幅に依存する3GPP LTE(リリース8/9)のフォーマット0/1Aのサイズ(本明細書で前に述べた3GPP TS 36.212から既知の)を示す。
【0173】
3GPP LTE−A(リリース10)で定義されているように、CIFフィールドがこれらのフォーマット0/1Aに追加される場合には、3GPP LTE−A(リリース10)のフォーマット0/1Aのサイズは、CIFフィールドを考慮に入れるためにさらなる追加の3ビットを有する。
【0174】
したがって、上述の異なる例から明白であるように、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内でシグナリングされる必要がある最小の情報は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの予定受信者を識別するためのターゲットUE IDである。ターゲットUE IDが、行き先ユーザ機器のC−RNTIである場合には、これは、ターゲットUE IDのために16ビットが必要であることを意味する。ターゲット・コンポーネント・キャリアIDごとに、追加の
【数7】
ビットが必要である。各アクティブ化/非アクティブ化フラグは、1つの追加ビットを必要とする。
【0175】
たとえば、DCIフォーマットを識別するために1つの単一のセル固有RNTIを使用する場合に、N=5個の構成されたコンポーネント・キャリアがあり、そのうちのN−1=4個が、ターゲット・コンポーネント・キャリアIDフィールド内で示される必要があり(アンカ・キャリアは常にアクティブ状態である)、1つのコンポーネント・キャリアのアクティブ化状態だけがシグナリングされると仮定すると、これは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのDCIペイロードが、セル固有RNTI(ターゲットUE ID)に16ビット、ターゲット・コンポーネント・キャリアの表示(ターゲット・コンポーネント・キャリアID)に2ビット、およびアクティブ化/非アクティブ化フラグ((非)アクティブ化フラグ)の1ビットを必要とし、合計19ビットになることを意味する。したがって、1.4MHzの最小コンポーネント・キャリア帯域幅を仮定すると、少なくとも2つの「余分な」ビットが、将来の使用のために使用可能である。アクティブ化/フラグを、DCIフォーマットおよびアクティブ化状態を識別するための2つのセル固有RNTIの使用に起因して省略できる場合には、3つの追加ビットさえ、1.4MHzの最小コンポーネント・キャリア帯域幅について未使用になる。
【0176】
本発明のもう1つの実施形態では、本発明の第2の態様に従って、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)上でトランスポート・ブロック内で提供される。たとえば、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化しおよび非アクティブ化するためのMACシグナリング・メッセージであり得る。1つの例示的実施態様では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、特定のLCIDによって識別される新しいMAC制御要素の形で提供される。この新しいMAC制御要素は、モバイル端末のどの構成された下りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)がアクティブ化されかつ/または非アクティブ化されなければならないのかの(非)アクティブ化情報を担持する。
【0177】
コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのMAC制御要素を、オクテット整列させる、すなわち、8ビット(1バイト)の倍数からなるものとすることができる。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化のMAC制御要素の実際のサイズは、ユーザ機器内で構成できる下りリンク・コンポーネント・キャリアの個数によって判定することができる。たとえば3GPP LTE−A(リリース10)システムのように、常にアクティブのプライマリ・コンポーネント・キャリアが提供される場合には、下りリンク・コンポーネント・キャリアのこの個数は、ユーザ機器内で構成できるセカンダリ・コンポーネント・キャリア(secondary component carrier)の個数である。
【0178】
1つの例示的実施形態では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内の(非)アクティブ化情報は、ビットマップとして提供される。ビットマップの各ビットは、下りリンク・コンポーネント・キャリア(または、プライマリ・コンポーネント・キャリアが提供される場合にはセカンダリ・コンポーネント・キャリア)のうちの1つのアクティブ化/非アクティブ化フラグを表す。たとえば、0をセットされたビットは、対応するコンポーネント・キャリアが非アクティブ化されることを意味することができ、1をセットされたビットは、コンポーネント・キャリアのアクティブ化を意味することができ、またはその逆である。
【0179】
代替案では、ビットマップのビットは、それぞれのビットに関連するコンポーネント・キャリアのアクティブ化状態をも示すことができる。たとえば、0をセットされたビットは、対応するコンポーネント・キャリアのアクティブ化状態が、構成されたが非アクティブ化された状態であることを意味することができ、1をセットされたビットは、コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態が、アクティブ状態(「構成されアクティブ化された」)であることを意味することができ、またはその逆である。この場合に、モバイル端末は、コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態の変化があるかどうかを判定し、それに応じてそれぞれのコンポーネント・キャリアをアクティブ化しまたは非アクティブ化する。区別される必要がある下りリンク・コンポーネント・キャリアの個数が9つ未満である場合には、ペイロードの1オクテットだけが、ビットマップをシグナリングするのに必要である。
【0180】
たとえば、現在、3GPP LTE−A(リリース10)に関する3GPP標準化では、下りリンクで最大5つのコンポーネント・キャリアをアグリゲートできると仮定される。この5つの下りリンク・コンポーネント・キャリアのうちの1つは、下りリンク・プライマリ・コンポーネント・キャリアとして指定され、常にアクティブであり、したがってアクティブ化しまたは非アクティブ化することができない。これは、ユーザ機器内で構成でき、したがってアクティブ化/非アクティブ化できる、下りリンクの4つの追加の下りリンク・セカンダリ・コンポーネント・キャリア(SCC)を残す。したがって、本発明の1つの例示的実施形態では、ビットマップは、最大4つの下りリンク・セカンダリ・コンポーネント・キャリアに対応する4ビットのサイズを有する。これは、ユーザ機器によるSRSおよび/またはパワー・ヘッドルーム報告(PHR)の送信をトリガするのに使用できる、MAC制御要素内のさらなるシグナリングのための4つの追加ビットを残す。
【0181】
PDCCH上の送信のためおよび3GPP LTE−A(リリース10)での使用のための新しいDCIフォーマットを定義している、ある例示的なコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを、
図25に示す。本明細書で提案される他のDCIの例示的フォーマットと同様に、このメッセージは、ターゲット・ユーザ機器の1つの識別を含む。さらに、ビットマップを形成する4つのフラグが提供される。フラグのそれぞれは、それぞれの下りリンク・コンポーネント・キャリアに関連し、上で概要を示したようにその(非)アクティブ化に使用される。この4ビットビットマップが、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを実施するのに使用されるMAC制御要素のペイロードをも形成できることに留意されたい。
【0182】
さらに、ビットマップの各ビットとそれが参照する対応するコンポーネント・キャリアとの間に1対1マッピングがあることを保証することは、有利であり得る。このタイプの対応は、たとえば、RRCを介して送信されるコンポーネント・キャリア構成メッセージ内で使用されるコンポーネント・キャリア・インデックス(CI)を使用することによって実現することができる。たとえば、ビットマップの最高ビット(第1ビット)が、最高(または最低)のコンポーネント・キャリア・インデックスを参照することができ、ビットマップの2番目に高いビット(第2ビット)が、2番目に高い(2番目に低い)コンポーネント・キャリア・インデックスを参照することができるなどである。この形で、ビットマップ内の個々のビット位置とそれらが参照するコンポーネント・キャリアとの間の1対1対応を確立することができる。
【0183】
上で述べたように、たとえばMAC制御要素の形のコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、下りリンク・コンポーネント・キャリアのうちの1つのPDSCH内のトランスポート・ブロックに含まれる。したがって、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの受信について、ユーザ機器は、(非)アクティブ化情報を「得る」ために、トランスポート・ブロックを成功して復号する必要がある。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを含むトランスポート・ブロック(ならびにPDSCH上の他のトランスポート・ブロック)を、その配送およびユーザ機器での復号の成功を保証するために、HARQプロトコルを使用して送信することができる。トランスポート・ブロックがユーザ機器の復号器によって成功して復号されない場合には、トランスポート・ブロック(コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを含む)のHARQ再送信は、eNodeBによる(非)アクティブ化コマンドの実際の発行とその(非)アクティブ化コマンドのユーザ機器での受信との間の時間を増やす。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化にMAC制御要素を使用する場合に、これは、ユーザ機器のスケジューリングおよび電力節約に対して悪影響を伴う可能性があり、アクティブ化および非アクティブ化の遅れを意味する可能性がある。
【0184】
再送信の可能性を最小にし、したがって上で述べた可能な悪影響を避けるために、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの送信を、たとえば、下りリンク・コンポーネント・キャリアのうちで最も信頼できるものに制限することができる。実際の配置では、この最も信頼できるコンポーネント・キャリアを、ほとんどの場合に、ユーザ機器のプライマリ・コンポーネント・キャリア(PCC)とすることができる。PCCは、無線リンク障害(RLF)にも関連し、したがって、PCCは、信頼できるコンポーネント・キャリアである必要がある。というのは、そうでなければ、ユーザ機器がネットワークへの信頼できる接続を確立できないからである。さらに、PCCは、常にアクティブである、すなわち非アクティブ化されまたはアクティブ化されることができない唯一のコンポーネント・キャリアである。したがって、1つの実施態様の例では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、eNodeBによって、ユーザ機器のPCC上でユーザ機器に送信される。したがって、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化がMAC制御要素として実施される場合には、PCCへのコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのMAC制御要素の送信は、ユーザ機器のセカンダリ・コンポーネント・キャリアの遅れたアクティブ化および非アクティブ化の機会を減らす。
【0185】
上のセクションでは、L1シグナリング(すなわち、PDCCH上の新しいDCIフォーマット)またはL2シグナリング(すなわち、たとえばMAC制御要素の形で、PDSCH上のトランスポート・ブロック内でコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージをシグナリングする)のいずれかを使用する構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化を説明した。次の考慮事項は、本発明の両方の態様にあてはまる。
【0186】
eNodeBが、構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアを非アクティブ化する時に、ユーザ機器は、非アクティブ化コマンド(コンポーネント・キャリア非アクティブ化メッセージ)の受信の直後に、示されたコンポーネント・キャリアを非アクティブ化することができる。HARQプロトコルを使用するトランスポート・ブロックの送信(すなわち、HARQプロセスのうちの1つが、非アクティブ化コマンドを受信した時にPDSCH上でトランスポート・ブロックを(再)送信する)が終了していない、すなわち、再送信がトランスポート・ブロックについてまだ保留中である場合に、ユーザ機器が、構成されたコンポーネント・キャリアの非アクティブ化メッセージを受信する場合には、コンポーネント・キャリアの即座の非アクティブ化は、HARQ再送信を停止させ、トランスポート・ブロックは失われる。
【0187】
レイヤ2のHARQプロトコルは、eNodeB内でも終端されるので、eNodeBは、構成された下りリンク・コンポーネント・キャリア上のユーザ機器の進行中のHARQ再送信を知っており、したがって、トランスポート・ブロックがまだユーザ機器によって成功して受信されていない、すなわち、まだユーザ機器によって(肯定的に)肯定応答されていない場合に、コンポーネント・キャリアを非アクティブ化しないものとすることができる。しかし、これは、非アクティブ化がおそらくは1つのシグナリング・メッセージ内で送信される時であっても、異なる下りリンク・コンポーネント・キャリア上のHARQ動作とHARQプロトコルのHARQプロセスとが整列されていない可能性があるので、eNodeBが、コンポーネント・キャリアごとに個々の非アクティブ化メッセージを送信する必要がある可能性があることを暗示する。
【0188】
したがって、本発明のもう1つの実施形態では、eNodeBが、トランスポート・ブロックの消失を引き起こさずに複数の非アクティブ化コマンドを1つのシグナリング・メッセージ内に組み合わせることを可能にするために、ユーザ機器は、所定の構成されたコンポーネント・キャリアの非アクティブ化コマンドを受信した直後に、コンポーネント・キャリアを非アクティブ化するのではない。そうではなく、ユーザ機器は、コンポーネント・キャリアのHARQプロトコル状況を判定し(すなわち、まだ保留中のトランスポート・ブロック(1つまたは複数)の再送信(1つまたは複数)があるかどうかを判定し)、保留中の送信が成功して終了した(すなわち、ユーザ機器によって(肯定的に)肯定応答されたか、保留中の送信について再送信の最大回数に達した)時にコンポーネント・キャリアを非アクティブ化する。
【0189】
下りリンク・コンポーネント・キャリア非アクティブ化のこの動作は、eNodeBが、非アクティブ化されるコンポーネント・キャリア上の進行中の送信のそれぞれに関する肯定応答を待つ必要がなく、その結果、コンポーネント・キャリアの実際の非アクティブ化コマンドが、ユーザ機器が最後の送信の肯定応答を待つ必要がないので数サブフレーム(TTI)だけより早く発生し得ることに関しても有利である。
【0190】
特に、(非)アクティブ化シグナリングがMACシグナリングによって行われる時に、これは、ユーザ機器での電力節約に有益である。
【0191】
以下の段落では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマットの設計に関する異なる例示的な実施態様および実施形態を、さらに詳細に述べる。
【0192】
コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ・フォーマット(すなわちDCIフォーマット)の1つの例示的実施態様では、モバイル端末によって構成された1つの下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化状態を制御するのに使用される。この実施形態では、たとえば
図9または
図10に示された「余分な」ビット/フラグのうちの1つが、制御される下りリンク・コンポーネント・キャリアのチャネル品質フィードバックを送信するようにモバイル端末に要求するのに使用される。これは、下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化される(構成されたがアクティブ化された状態→アクティブ状態)状況で特に適する可能性がある。このために、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージは、そのペイロード内に、セットされた時にコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージによってアクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリアのチャネル品質フィードバックの提供をトリガする「CQI要求フラグ」を含む。CQI要求フラグを含む本発明の一実施形態によるコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの例を、
図16に示す。
【0193】
本発明の実施形態による1つのより詳細な実施態様例では、CQI、PMI(プリコーディング行列インジケータ)、またはRI(ランク・インジケータ)の形でのチャネル品質フィードバックを、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)のリソース上で送信することができる。3GPP LTE−A(リリース10)などの3GPPベースのシステムでの実施態様を考慮する場合には、単一のリソース・ブロックが複数のユーザ機器からのPUCCHを共有するので、可能なPUCCHペイロードが非常に制限される可能性がある。したがって、チャネル品質フィードバックは、たとえば、Rank=1送信を仮定して広帯域CQI/PMIをシグナリングすることができる。
【0194】
チャネル品質フィードバック・メッセージの送信を、さらに、基地局によって、それぞれモバイル端末がコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを成功して受信したことまたはモバイル端末がコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内に含まれるアクティブ化コマンドを実行し終えたことの肯定応答と考えることができる。
【0195】
さらに、チャネル品質フィードバック(たとえば、CQI/PMI)を、モバイル端末によって、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを含むサブフレーム(PDCCH)の受信から既知のタイム・インターバル(たとえば、4ms)後に送信することができる。FDDモードの3GPP LTE(リリース8/9)では、サブフレーム(PDCCH)の受信と対応する上りリンク送信との間のタイム・スパンが、4msである(TDDについてはより複雑なタイム・スパン判定)。代替案では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを含むサブフレーム(PDCCH)の受信と上りリンクでのチャネル品質フィードバックの送信との間のタイム・スパンを、RRCシグナリングによって構成することができる。たとえば、モバイル端末がそれぞれの下りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)をアクティブ化した後に適度な正確さのCQI/PMIを得るために正確なチャネル品質測定を実行することを可能にするために、モバイル端末に、チャネル品質フィードバックを送信するために4msより多く(たとえば、8msまたは12ms)を与えることが望ましい。
【0196】
チャネル品質フィードバックの送信のための上りリンク・リソースに関して、PUCCH上のリソースは、たとえば、周期的CQI報告のためにモバイル端末に与えられるものと同一のPUCCHリソースとすることができる。このPUCCHリソースは、基地局によって、下りリンク/上りリンク・コンポーネント・キャリアを構成する時にRRCシグナリングを介して構成され得る。
【0197】
代替案では、チャネル品質フィードバックを、たとえばRRCコンポーネント・キャリア構成メッセージの一部として、基地局によって事前に決定されるPUCCHリソースまたはPUSCHリソース上で送信することもできる。さらなる代替案は、チャネル品質フィードバックを送信するための上りリンク・リソースが、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのペイロード内で使用可能な「余分な」ビットのうちの1つまたは複数によって示されることである。この実施態様は、複数のビットが未使用であり、上りリンクでフィードバック・リソースを指定するのに使用可能であり得る、大きいコンポーネント・キャリア帯域幅の場合(上で
図9および表4に関して述べた)に有利に活用することができる。2つの後者の代替案は、RRCコンポーネント・キャリア構成メッセージがチャネル品質フィードバック(CQI/PMI/RI)のための上りリンク・リソースの組を構成し、(非)アクティブ化メッセージが使用可能な構成された上りリンク・リソースから1つを選択するフィードバック・リソース・フィールドを含むという点で組み合わせることもできる。CQI要求フラグおよびCQIフィードバック・リソース・フィールドを含む拡張されたコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの例を、
図17に示す。
【0198】
さらに、チャネル品質フィードバック用の上りリンク・リソースが、シグナリングされるか事前に構成される場合に、チャネル品質フィードバックは、好ましくは、構成された非周期的CQIモードおよび/またはコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージによって示される下りリンク・コンポーネント・キャリアの構成された下りリンク送信モードに従って判定される。
【0199】
さらに、もう1つの実施形態では、チャネル品質フィードバックは、割り当てられた上りリンク・リソース上の、HARQフィードバック(ACK/NACK)、SR、またはSRSなどのさらなる物理層メッセージまたはシグナルと多重化され得る。トランスポート・ブロック・データなしで物理層メッセージだけが上りリンク・リソース上でシグナリングされる場合には、HARQプロセス(HARQプロトコル)を送信に使用する必要はなく、その結果、HARQ関連制御情報(NDI、HARQプロセスIDなど)を、送信のためにシグナリングする必要がなくなる可能性がある。
【0200】
本発明のもう1つの実施形態では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを、下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクションに関するコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージが受信されるサブフレームに関して周期的チャネル品質フィードバック(周期的CQI/PMI/RI送信)をトリガ/アクティブ化するのに使用することができる。
【0201】
本発明のこの実施形態では、3GPP LTE(リリース8/9)から既知の手順が再利用される。したがって、周期的CQI/PMI/RIは、基本的に、条件
(N
Subframe−N
OFFSET,CQI)mod N
Periodicity=0 (2)
を満足するサブフレーム番号を有するサブフレーム内で送信される。ここで、
【数8】
であり、n
fは、システム・フレーム番号であり、n
s={0,1,…,19}は、フレーム内のスロット・インデックスである。ここでの関係が、タイミング原理を説明するための単純化された機構であるが、タイミングをわずかにより複雑にする特殊なケースがあることに留意されたい(さらなる詳細については、3GPP TS 36.213、「Physical layer procedures」、version 8.8.0(リリース8)または9.0.1(リリース9)、セクション7.2.2を参照されたい。この文書は、http://www.3gpp.orgで入手可能であり、これらのセクションは、参照によって本明細書に組み込まれる)。
【0202】
本発明の一実施形態では、基地局からのコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージが、セットされたCQIフラグを含む場合に、モバイル端末は、(非)アクティブ化メッセージのサブフレームに対する相対的なk個のサブフレームの所定のオフセットで単一の(非周期的)CQI報告(ワンタイム(One−time)CQI)を提供しており、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージによってアクティブ化されるコンポーネント・キャリアのために構成されたサブフレーム内およびPUCCHリソース上で周期的CQI報告のシグナリングを開始する。この手順を視覚化する本発明のこの実施形態による例示的シナリオを、
図22に示す。
図22では、CCアクティブ化メッセージによる下りリンク(DL)コンポーネント・キャリア(CC)2(DL CC2)のアクティブ化の後に、CQI報告(DL CC2のワンタイムCQI)は、CQI要求フラグが含まれ、セットされるDL CC2のCCアクティブ化メッセージが受信されてからk=4サブフレーム後に送信され、DL CC2の後続CQI報告は、上りリンク・リソース上でパラメータN
OFFSET,CQIによって示されるサブフレーム番号内で、周期的CQI報告のために構成された周期性N
Periodicityを伴ってシグナリングされる。さらに、基地局が、CQI要求フラグが含まれ、セットされていないDL CC2のCC非アクティブ化メッセージをシグナリングする時に、モバイル端末は、もう一度DL CC2を非アクティブ化し、周期的CQI報告を停止する。
【0203】
本発明のもう1つの実施形態では、N
OFFSET,CQIを計算する新しい形が使用され、その結果、モバイル端末の最初の周期的CQI報告は、コンポーネント・キャリア・アクティブ化メッセージに対して相対的に所定のオフセットkで送信される。したがって、上で示した3GPP LTE(リリース8/9)の周期的CQI報告手順では、CQI/PMI/RIの送信は、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを含むサブフレームのサブフレーム番号にかかわりなく、システム全体のサブフレーム番号に依存する。できる限り早く周期的CQI/PMI/RI報告を開始するために、この実施形態では、条件が、次のように変更される。周期的CQI/PMI/RIは、そのサブフレーム番号が3GPP TS 36.213から既知の上の(更新された)条件(2)および(3)を満足しているが、サブフレーム番号0を参照するのではなくコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがその中で受信されたサブフレーム番号を参照するように、すなわち
N
OFFSET,CQI=mod(N
Subframe,Activation+k,N
Subframe,Max+1) (4)
になるようにオフセットN
OFFSET,CQIの定義を変更するサブフレーム内で送信される。ここで、N
Subframe,Activationは、その中でコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがアクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリアのCQI/PMI/RI報告をトリガする(アクティブ化する)サブフレームのサブフレーム番号であり、N
Subframe,Maxは、最大のサブフレーム・インデックスである。3GPP LTE(リリース8/9)では、システム・フレーム番号は、0から1023までの範囲にわたり、各システム・フレームは、スロット0から19までを含み、その結果、
【数9】
すなわちN
Subframe,Max=10239である。条件(4)では、N
Subframe,Activationに加算されるオフセットkを、たとえば構成可能または静的とすることができる。
【0204】
一例では、最も早いチャネル品質フィードバック送信が、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがアクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のCQI/PMI/RI報告をトリガする(アクティブ化する)サブフレームのサブフレーム番号より4サブフレーム後に発生することを保証するために、k=4である。しかし、チャネル品質フィードバックがより大きいオフセットを伴って(すなわち、より後に)提供される場合には、前に述べたようにパラメータkを増やすことが必要になる。たとえば、k∈{4,6,8,10,12}である。
【0205】
図23は、更新された周期的CQI報告手順を使用する、セットされたCQI要求フラグを含むコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの受信に応答する本発明のこの実施形態によるモバイル端末の挙動を例示的に強調したものである。基地局が、サブフレーム番号N
Subframe,Activationで受信されたCCアクティブ化メッセージによってDL CC2をアクティブ化した時に、オフセットN
OFFSET,CQIは、条件(4)に従ってセットされると仮定され、周期的CQI報告のために構成されたPUCCHリソース上でCCアクティブ化メッセージを受信してからkサブフレーム後(ここではそれぞれ4サブフレームまたは4ms後)にDL CC2のCQI報告を送信する。その後、モバイル端末は、基地局のCC非アクティブ化メッセージがDL CC2を非アクティブ化するまで、周期的CQI報告のために構成された周期性N
Periodicityを伴ってDL CC2の周期的CQI報告を提供する。
【0206】
前の段落で述べた変更された周期的CQI/PMI/RI報告手順の利益は、最初のCQI/PMI/RI報告が、下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化した後の非常に早くに受信されること(基地局のスケジューラがアクティブ化された下りリンク・コンポーネント・キャリア上の送信をスケジューリングするのに役立つ可能性がある)と、後続CQI報告が構成された周期性に従って送信されることとである。
【0207】
周期的CQI/PMI/RI報告の構成に依存して、どの種類の送信ランク(送信ランクは、MIMO送信用のプリコーダ行列次元を決定する)が使用されるのかが不明瞭であることが発生する可能性があるので、好ましくは、最初のそのような周期的CQI/PMI報告は、Rank=1を仮定する広帯域CQI/PMI報告からなる。代替案では、下りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のアクティブ化の後の最初のCQI/PMI/RI報告は、ランク・インジケータ(RI)からなり、これに、前の段落で述べた周期的CQI/PMI/RI構成に従って送信される次の報告内のCQI/PMIが続く。
【0208】
周期的CQI/PMI/RI報告が少なくとも3GPP TS 36.213、セクション7.2.2による広帯域CQI/PMIおよびサブバンドCQIとして構成されるケースは、必要な変更を加えた上述のタイミング・オフセットおよび最初のCQI/PMI/RI報告内容原理を適用して処理することができる。具体的には、アクティブ化の後の最初のCQI報告としてサブバンドCQIを送信することを避けなければならない。
【0209】
CQI要求フラグに加えてまたはその代わりに、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの未使用ビット(拡張使用)を、上りリンクでのサウンディング基準シンボル(SRS)またはパワー・ヘッドルーム報告(PHR)の送信をトリガするのに使用することもできる。
【0210】
本発明のさらなる実施形態では、「SRS要求」フラグを、
図19に示されているようにコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージに含めることができる。SRS要求フラグは、基地局によってセットされた時に、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージによってアクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)にリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)上でサウンディング基準シンボル(SRS)の送信を開始するようにモバイル端末に要求する。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージが、上りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)をアクティブ化する場合には、モバイル端末は、アクティブ化される上りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)上でのサウンディング基準シンボル(SRS)の送信を開始する。CQIではなくSRSをトリガすることは、チャネルが相反的であると仮定でき、その結果、SRSに基づく上りリンクのチャネル推定を下りリンクのチャネル推定にも使用できる時分割複信(TDD)システムの場合に、特に有益である。
【0211】
CQI要求フラグの包含と同様に、SRS要求フラグの包含は、コンポーネント・キャリア・アクティブ化を示すコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内に有利に含められる。非アクティブ化の場合に、いずれかのフラグのビットを、他のシグナリングのために予約することができる。代替案では、SRS要求フラグ(または複数ビットを有するSRSフィールド)が、コンポーネント・キャリアを非アクティブ化するコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内に存在することもでき、モバイル端末が、非アクティブ化されたあるコンポーネント・キャリア上でこれまでに送信された信号を引き続き期待しまたは送信しなければならない場合に新しいコンポーネント・キャリアを指すのに使用され得る。
【0212】
さらなる代替実施態様では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内のSRS要求フラグおよびCQI要求フラグのビットを、(非)アクティブ化コマンドの受信と(非)アクティブ化コマンドの実行との間のタイム・オフセットを示すのに使用することができる。余分なビットの代替使用は、コマンドの受信が受信器によって肯定応答されなければならないかどうかをシグナリングすることである(下で説明する)。
【0213】
上で説明したSRSイネーブリング/ディスエーブリングのシグナリングを、本発明の第2および第3の態様に従って、MACシグナリングを使用して実現することもできる。上りリンクSRS(1つまたは複数)内のどのコンポーネント・キャリア(1つまたは複数)がユーザ機器によって送信されなければならないのかを示すSRS情報、たとえば、SRS(1つまたは複数)の(非)アクティブ化を示すSRS情報を、たとえば、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージについて説明したものと同様に、新しいMAC制御要素内で提供することができる。このMAC制御要素は、上で説明した下りリンク・コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化用のMAC制御要素と同様のビットマップを含む。ビットマップ内の各ビットは、SRS送信が開始/停止されなければならないユーザ機器の1つの上りリンク・コンポーネント・キャリアを参照する。代替案では、ビットマップのビットを、構成された下りリンク・コンポーネント・キャリアのそれぞれの1つに関連すると考えることができる。この場合に、SRSの(非)アクティブ化を示す所定の下りリンク・コンポーネント・キャリアのビットは、ユーザ機器に、所定の下りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア上でのSRSの送信を(非)アクティブ化させる。たとえば、0をセットされたビットマップのビットは、それぞれ周期的SRSの送信を停止するために関連する(リンクされた)上りリンク・コンポーネント・キャリア上で周期的SRSを送信しないことを示すことができ、1をセットされたビットは、関連する(リンクされた)上りリンク・コンポーネント・キャリア上で周期的SRS送信をアクティブ化することを示す(またはその逆)。
【0214】
下りリンク・コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化に関するMAC制御要素内に未使用の十分なビットがある場合には、これらのビットを、上で説明したようにSRS(非)アクティブ化に使用することができる。上述した例では、下りリンク内にアグリゲートされる5つの下りリンク・コンポーネント・キャリアがあり、そのうちの4つの下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化しまたは非アクティブ化することができる(すなわち、1つのPCCおよび4つのSCCが提供される)と仮定すると、4ビットが、下りリンク・セカンダリ・コンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化のために必要である。MAC制御要素が1オクテットのサイズを有することを考慮すると、これは、上で説明したようにビットマップがSRS(非)アクティブ化をシグナリングするために使用できる、使用されていない追加の4ビットを残す。
【0215】
ユーザ機器による同時の下りリンク・コンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化およびSRS送信の(非)アクティブ化を可能にする例示的なMAC制御要素を、
図24に示す。オクテットの最初の4ビットは、下りリンク・コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化に関するビットマップを定義し、その第2の4ビットは、ユーザ機器によるSRS送信の(非)アクティブ化に関するビットマップを定義する。SCCの(非)アクティブ化とSRS送信の(非)アクティブ化とに関する両方のビットマップを1つのMAC制御要素内に組み合わせることの利益は、リンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)上の周期的SRS送信が、下りリンクSCCアクティブ化と同時に開始できることである。これは、両方の機能が別々のMAC制御要素内でシグナリングされる時に発生する可能性のある遅延を避け、オーバーヘッドを減らす。コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化とSRSイネーブリング/ディスエーブリングとの両方を、それでも、それらが同一のMAC制御要素内でシグナリングされる時であっても独立にシグナリングできることに留意されたい。
図26に、ユーザ機器による同時の下りリンク・コンポーネント・キャリアの(非)アクティブ化およびSRS送信の(非)アクティブ化を可能にする新しいDCIフォーマットの形のコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージのもう1つの例示的実施態様を示す。基本的に、
図24に示されたビットマスクは、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを受信するユーザ機器の表示と一緒に、このコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内でシグナリングされる。
【0216】
本発明のもう1つの実施形態では、下りリンク・コンポーネント・キャリアが基地局によってアクティブ化される場合に、下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化は、モバイル端末によるパワー・ヘッドルーム報告(PHR)をトリガする。モバイル端末は、このリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリアの次の上りリンク許可によって割り当てられるリソース上で、トリガされたPHR報告を基地局に送信することができる。これは、基地局が、リンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア上でのモバイル端末の次の上りリンク送信内で、リンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリアの経路損状況について知らされることを保証する。これは、リンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリアが、リンクされた下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化の前に、少なくともより長い時間期間に使用されていなかった可能性が最も高いので、有益である可能性がある。モバイル端末からのパワー・ヘッドルーム報告は、基地局がスケジューリング判断を改善することを可能にする。
【0217】
その代わりに、本発明のもう1つの実施形態では、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化に応答する詳細なCQI報告、SRS送信、PHR報告などは、RRCシグナリングを使用して基地局によって構成されることもでき、あるいは、所定の構成(基地局およびモバイル端末に既知)を使用することができる。
【0218】
(非)アクティブ化コマンドの検出の成功時に、移動局は、上りリンクで確認メッセージ(肯定応答)を送信することによって、(非)アクティブ化コマンドの実行を確認することができる。本発明の一実施形態では、次の方法が、それぞれコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージの復号の成功または(非)アクティブ化コマンドの実行を肯定応答するのに使用される。
【0219】
−コンポーネント・キャリアの非アクティブ化の場合の肯定応答(3GPP用語法で「HARQ−ACK」とも称する)の送信。ここで、肯定応答送信用のリソースは、3GPP TS 36.213、セクション10で定義される下りリンク・データ送信(PDSCH)の場合にHARQ−ACKを送信するための3GPP LTE(リリース8/9)の原理に従う。短く言うと、HARQ−ACK用のPUCCHリソースは、(非)アクティブ化メッセージが送信されるPDCCHリソースに従って決定される。この場合に、eNodeBは、HARQ−ACKが期待されるリソース上で送信されたか否かをチェックするために電力検出を行うことができる。
【0220】
−すばやいCQIを要求しないコンポーネント・キャリアのアクティブ化の場合の肯定応答(3GPP用語で「HARQ−ACK」とも称する)の送信。ここで、肯定応答送信用のリソースは、3GPP TS 36.213、セクション10で定義される下りリンク・データ送信の場合にHARQ−ACKを送信するための3GPP LTE(リリース8/9)の手順に従う。この場合に、eNBは、HARQ−ACKが期待されるリソース上で送信されたか否かをチェックするために電力検出を行うことができる。
【0221】
−コンポーネント・キャリアのアクティブ化およびコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ内でセットされたCQI要求フラグの場合のCQI報告の送信。この場合に、eNodeBは、CQI報告が期待されるリソース上で送信されたか否かをチェックするために電力検出を行うことができる。
【0222】
−コンポーネント・キャリアのアクティブ化の場合のPHRのトリガ。
【0223】
−上で示したように、肯定応答用のPUCCHフィードバック・リソースを、たとえば、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージがたとえばDCIフォーマット1A(コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージと同一のサイズを有することができる)によってPDSCH送信をスケジューリングするかのように、3GPP LTE(リリース8/9)手順で提供されるものと同一の形でモバイル端末によって判定することができる。さらに、eNodeBは、ユーザ機器が肯定応答(HARQ−ACK)またはCQI報告のどちらを送信するのかを知っているので、eNodeBは、肯定応答またはCQI報告がユーザ機器から期待されるそれぞれの上りリンク・リソースを監視することができる。
【0224】
オプションで、ユーザ機器は、3GPP TS 36.213、セクション10で定義される下りリンク・データ送信の場合に、HARQ−NACKを送信するための3GPP LTE(リリース8/9)のコンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージ手順を復号し終えていない場合に、NACK(HARQ NACK)を送信することもできる。
【0225】
図20に、アクティブ化RNTIおよび非アクティブ化RNTIが、それぞれコンポーネント・キャリアのアクティブ化または非アクティブ化のために構成される、本発明の例示的実施形態による例示的シナリオを示す。この例では、CCアクティブ化メッセージ(アクティブ化RNTI)によるコンポーネント・キャリアのうちの1つのアクティブ化の時に、ユーザ機器は、CCアクティブ化メッセージの復号の成功を肯定応答するために、HARQ−ACKをeNodeBに同期してシグナリングする。HARQ−ACKは、CCアクティブ化メッセージ(すなわち、これを含むPDCCH)に対する所定のオフセットを用いて、たとえば4ms後に送信される。同様に、基地局がCC非アクティブ化メッセージ(非アクティブ化RNTI)によってコンポーネント・キャリアをもう一度非アクティブ化する時に、ユーザ機器は、やはり4ms後に上りリンクで同期して送信されるHARQ−ACKによって非アクティブ化をもう一度肯定応答する。
【0226】
図21に、アクティブ化RNTIおよび非アクティブ化RNTIが、それぞれコンポーネント・キャリアのアクティブ化または非アクティブ化のために構成される、本発明のさらなる例示的実施形態によるもう1つの例示的シナリオを示す。さらに、CCアクティブ化メッセージ(アクティブ化RNTI)によるコンポーネント・キャリアのうちの1つのアクティブ化は、アクティブ化された下りリンク・コンポーネント・キャリアのチャネル品質フィードバックをシグナリングするようにユーザ機器にさらに要求する(CCアクティブ化メッセージ内でセットされたCQI要求フラグ)。したがって、ユーザ機器は、CCアクティブ化メッセージに対する相対的な既知のタイミング、ここではCCアクティブ化メッセージの受信から4ms後に、CWI報告をeNodeBにシグナリングし、これによってCCアクティブ化メッセージの復号の成功を肯定応答する。基地局がCC非アクティブ化メッセージ(非アクティブ化RNTI)によってコンポーネント・キャリアをもう一度非アクティブ化する時に、ユーザ機器は、4ms後に上りリンクで同期して送信されるHARQ−ACKによって非アクティブ化をもう一度肯定応答する。
【0227】
eNodeBが、上りリンク容量および下りリンク容量を同時に増やすつもりである場合には、本発明のさらなる実施形態で、基地局は、さらに、現在上りリンク送信に使用されていない上りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされた下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化することができる。eNodeBで使用可能な、非アクティブまたは構成されたが非アクティブ化された上りリンク・コンポーネント・キャリアのチャネル品質に関する情報はない。その結果、本発明のこの実施形態では、下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化は、さらに、アクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)にリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)上のサウンディング基準信号(SRS)送信をトリガする。この場合に、追加のSRS要求フラグが不要である可能性があるが、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージによってアクティブ化される下りリンク・コンポーネント・キャリアにリンクされた上りリンク・コンポーネント・キャリア上のSRSのシグナリングの開始は、下りリンク・コンポーネント・キャリアのアクティブ化に応答するモバイル端末のデフォルト挙動とすることができる。
【0228】
同様に、CQI報告に関して、SRSの送信も、すべての場合に有益/必要ではない。したがって、eNodeBが、下りリンク・コンポーネント(1つまたは複数)をアクティブ化する時にSRS送信をイネーブル/ディスエーブルすることが可能でなければならない。これは、ユーザ機器がSRSを送信することを要求されるかどうかを示すフラグを(非)アクティブ化メッセージに含めることによって達成することができる。そのようなSRSを1回限りまたは周期的にどちらにしなければならないのかを、さらに、構成し、指定し、またはシグナリングすることができる。どの場合でも、さらなる「余分な」ビットを使用して、帯域幅、櫛などのSRSパラメータのうちの1つまたは複数を定義することができる(3GPP LTE(リリース8/9)SRSパラメータを参照されたい)。
【0229】
もちろん、コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを、CQI要求フラグの同時送信、PHRおよび/またはSRS要求フラグのトリガを可能にするように設計することもできる。
【0230】
ユーザ機器がPDCCHを監視する時には、必ず、モバイル端末がPDCCHを誤って検出する、ある確率(誤警報率(false alarm rate))があり、PDCCHのCRC検査は、PDCCHがこのユーザ機器宛ではない場合であっても正しい可能性がある。すなわち、CRCは、RNTI不一致(意図されないユーザ)がある場合であっても合格する。このいわゆる誤警報は、無線チャネルによって引き起こされる送信誤りとRNTI不一致との2つの影響がお互いに打ち消し合う場合に発生する可能性がある。偽陽性に復号されるPDCCHの確率は、CRC長に依存する。CRC長が長いほど、CRC保護されたメッセージが誤って正しく復号される確率が下がる。16ビットのCRCサイズを用いると、誤警報確率は、1.5・10
−5になる。
【0231】
ユーザ機器が、ある下りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)の非アクティブ化を示す下りリンク・コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージを有するPDCCHを誤って検出する場合に、ユーザ機器は、これらの示された下りリンク・コンポーネント・キャリア(1つまたは複数)のPDCCH/PDSCHの監視を停止し、CQI測定値の報告をも停止する。したがって、そのようなユーザ機器挙動の深刻な結果を考慮すると、誤警報確率を下げることが望ましい。
【0232】
仮想CRCの各ビットが、偽警報の危険性を有すると仮定することができる。その一方で、使用される各追加のRNTIは、偽警報の危険性を線形に増やす。たとえば、4つのコンポーネント・キャリア固有アクティブ化RNTIおよび4つのコンポーネント・キャリア固有非アクティブ化RNTIを使用する場合に、偽警報の危険性は、単一CC−RNTIの場合より8倍高い。その一方で、全体で8つのCC−RNTIを使用することは、DCIペイロード内にターゲットCC IDフィールドを含めることも、アクティブ化/非アクティブ化フィールドを含めることも必要としない。上で述べた例示的実施態様のほとんどで、最大のターゲット・コンポーネント・キャリアIDサイズは、4ビットである。その結果、ターゲット・コンポーネント・キャリアIDフィールドを伴わない8つのコンポーネント・キャリアRNTIの使用は、4ビットのターゲット・コンポーネント・キャリアIDフィールドを伴う単一のCC−RNTIが使用される時の危険性と比較して、
【数10】
=0.5倍の偽警報の危険性をもたらす。欠点は、RNTIの増やされたコストと、複数の(非)アクティブ化メッセージが、同時に複数のコンポーネント・キャリアを(非)アクティブ化するために要求されるという制限とである。
【0233】
したがって、本発明の一実施形態では、下りリンク・コンポーネント・キャリア(非)アクティブ化メッセージが、偽警報の危険性を下げるために仮想CRCとして使用できる1つまたは複数の余分なビット(CRCフィールド内の)を含むことが提案される。これらの追加のビット(1つまたは複数)には、モバイル端末によって検証される既知の事前定義の値がセットされる。
【0234】
本発明のもう1つの実施形態は、ハードウェアおよびソフトウェアを使用する、上で説明されたさまざまな実施形態の実施に関する。本発明のさまざまな実施形態を、コンピューティング・デバイス(プロセッサ)を使用して実施しまたは実行できることができる。コンピューティング・デバイスまたはプロセッサは、たとえば、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイスなどとすることができる。本発明のさまざまな実施形態を、これらのデバイスの組合せによって実行しまたは実施することもできる。
【0235】
さらに、本発明のさまざまな実施形態を、プロセッサによってまたは直接にハードウェアで実行される、ソフトウェア・モジュールによって実施することもできる。また、ソフトウェア・モジュールとハードウェア実装との組合せが可能である。ソフトウェア・モジュールを、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、たとえばRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、レジスタ、ハード・ディスク、CD−ROM、DVD、その他に格納することができる。
【0236】
さらに、本発明の異なる実施形態の個々の特徴を、個別にまたは任意の組合せで別の発明の主題にすることができることに留意されたい。
【0237】
当業者は、幅広く説明された本発明の趣旨または範囲から逸脱しない限り、特定の実施形態に示された本発明に対して多数の変更および/または修正を行うことができることを了解するであろう。したがって、本実施形態は、すべてにおいて例示的であり、制限的ではないと考えられなければならない。