(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記システムは、前記1つ以上の回転式要素が回転される期間の少なくとも一部の間、前記調節要素が依然として不動であり、前記調節要素が、前記1つ以上の回転式要素に係合し、かつ前記1つ以上の回転式要素の角度位置を調節するように構成される、請求項2に記載の調節式スターホイールシステム。
前記調節要素は、前記回転式要素のうちの少なくとも1つを回転させ、かつ前記回転式要素のうちの少なくとも1つの角度位置を調節するように、前記回転式要素に対して移動可能であり、前記回転式要素の積み重ね体内の他の回転式要素は依然として不動である、請求項2又は3に記載の調節式スターホイールシステム。
前記スターホイールは、物品搬送平面内で物品を搬送するように構成され、前記回転式要素が回転する前記軸は、前記物品搬送平面に対して垂直な方向に延び、前記回転式要素の積み重ね体内の残りの回転式要素に対して前記1つ以上の個々の回転式要素の回転位置を調節するために、前記調節要素が、前記物品搬送平面に対して垂直な方向において、前記回転式要素の積み重ね体内の前記回転式要素のうちの少なくとも1つと整合し得るように、前記少なくとも1つの調節要素は、前記支持体に結合される、請求項6に記載の調節式スターホイールシステム。
前記調節要素は、少なくとも1つの回転式要素の位置を調節することを少なくとも支援するために、前記調節要素を次の方向のうちの少なくとも1つに移動させて前記回転式要素のうちの前記少なくとも1つに接触させるように、前記支持体に移動可能に結合され、前記方向は、前記回転式要素の前記軸に対して上向き、下向き、内向き、外向き、又は横向きである、請求項6又は7に記載の調節式スターホイールシステム。
前記少なくとも1つの調節要素は、前記支持体に移動可能に連結され、それにより、前記少なくとも1つの調節要素は、前記スターホイールコンベヤの前記軸に対して平行な方向に移動可能となり、それにより、前記少なくとも1つの調節要素は、前記回転式要素の積み重ね体内の前記回転式要素のうちの1つと整合し、次いで前記回転式要素の積み重ね体内の異なる回転式要素と整合するように移動され得る、請求項6〜8のいずれか一項に記載の調節式スターホイールシステム。
複数の調節要素を備え、前記調節要素のうちの少なくとも2つは、前記回転軸に対して平行な方向に離間されることによって、前記回転式要素の積み重ね体内の異なる回転式要素にそれぞれ係合するように配置される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の調節式スターホイールシステム。
前記ロック機構は、前記回転式要素の積み重ね体内の各回転式要素間のクラッチプレートと、前記回転式要素の積み重ね体に隣接して配置された圧縮及び解放機構とを備え、前記圧縮及び解放機構は、前記回転式要素が互いに対して回転することを防止するために、前記軸に対して概ね平行な方向において、前記回転式要素の積み重ね体に圧縮力を加え得て、前記回転式要素のうちの1つ以上を他の回転式要素に対して回転させることが望まれるときにそのような圧縮力を解放し得る、請求項13に記載の調節式スターホイールシステム。
前記圧縮及び解放機構は、前記軸に対して概ね平行な方向において、前記回転式要素の積み重ね体に圧縮力を加えるように配置された少なくとも1つの空気シリンダを備える、請求項14に記載の調節式スターホイールシステム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、自動物品処理ライン用の調節式回転デバイスに関するものであり、より具体的には、異なる物品に適応するように回転デバイスを調節するための調節システム及び方法を対象とする。
【0016】
回転デバイスは、自動処理ライン上で物品を処理するために使用される様々なタイプの回転デバイスのうちのいずれかを含み得る。例えば、ボトルに液体を充填することを伴う自動処理ライン上では、そのような回転デバイスは、限定するものではないが、充填機と、蓋締め機と、ラベル貼り機と、スターホイールコンベヤとを含み得る。説明の目的で、本発明は、調節式スターホイールコンベヤ(「スターホイール」)と共に図示及び記述されている。本発明はスターホイールと共に使用するように限定されるものではなく、任意の好適な回転デバイスと共に(該当する場合)使用され得ることが理解されよう。
【0017】
図1は、弓状経路の周りで3次元的な物品を搬送するための調節式スターホイール22を備える、システム20の非限定的な一変形形態を示す。
図1に示す実施形態では、システムは、調節式スターホイール22と、ガイドレール24Cを備える調節式ガイドレール組立体24と、スターホイール22を回転させるための主駆動モータ26と、異なる2つのタイプの調節システム、つまり、回転調節機構28を備える回転調節システム、並びに、異なるサイズ及び/又は形状の物品10に適応するように調節式スターホイール22を調節するための高度調節機構30を備える高度調節システムとを備える。物品10が
図2に示されている。
【0018】
スターホイールコンベヤ
スターホイールコンベヤ22は、任意の好適な構成を有し得る。スターホイールコンベヤ22は、特定の既知のスターホイール構成を備え得るか、又は本明細書でより詳細に説明するタイプのスターホイールを備え得る。しかしながら、本明細書で説明する調節機構28及び30が、既知の回転デバイス上に据え付けられる場合、本明細書で説明する調節システムと共に使用するのに好適となるように、そのような回転デバイスに対する特定の改良が必要となり得る。これらのデバイスが有するべき性質について、以下で更に詳細に説明する。加えて、回転デバイスが、くびれを有する容器を搬送するために使用されるスターホイール22を備える場合、スターホイール22は、容器のうちの容器のくびれの下の側と接触するように構成されたタイプのものであり、それらのくびれによって容器を保持しないタイプのものであることが望ましくなり得る。したがって、スターホイール22は、物品のくびれと係合する構成要素のないものとなり得る。
【0019】
スターホイール22は、多数の異なるタイプの3次元物品10を搬送するために使用され得る。そのような物品には、限定するものではないが、ボトル、缶、容器、かみそり、かみそり刃ヘッド及びハンドル、タンポンチューブ、防臭剤スティック容器、バッグ、カートン、並びに、中に入れた他の物品を搬送するパック及びキャリアが挙げられる。スターホイール22が、従来の形状の物品(例えば、円筒形、及び/又は対称の物品)を容易に移送し得る一方、
図1に示すスターホイール22は、他のタイプのスターホイールによって移送することが困難である形状を有する物品を移送及び制御するのに特に適している。スターホイール22は、例えば、水平面上では不安定となる、平坦でないか又は丸み付きの底部を有するボトル、容易に倒れる小さな基部を有するボトル、傾斜及び/又は偏心したネックを有するボトル、非対称的なボトル、横断面が一定でないボトルなどを移送するために使用され得る。
【0020】
図1及び2に示す調整式スターホイール22は、比較的少数の可動部品を有し得、多種多様な異なるサイズ及び形状の物品に適応し得る。スターホイールコンベヤ22は、回転式星形ディスク又はプレートの形態をなし得る複数の回転式要素を備える。回転式要素は、概して参照符号32によって指定されている。回転式要素、ディスク32は、回転面において軸線Aを中心として回転可能である。回転式ディスク32は積み重ねられ、軸線Aが通過する共通の中心を有している。物品は通常、基部を所与の平面に置いて搬送される。軸線Aは、物品搬送面及び回転面に対して垂直である。各ディスク32は、軸線Aに対して平行な方向において、ディスク32同士の高度又は間隔に差異を有しており、そのため、各ディスク32は異なる平面に存在する。ディスク32は、軸線Aと整合される駆動軸36を中心として回転可能である。ディスク32の各々は、駆動シャフト36を中心として時計回り及び/又は反時計回りの方向に少なくとも部分的に回転するように構成され得る。
【0021】
回転式要素32は、ディスクの形態をなす要素に限定されない。回転式要素32は、物品のためのポケットを形成するように回転することによって調整されることが可能である任意の好適な構成をなし得る。回転式要素の例は本明細書ではディスクとして説明され得るが、これは単に便宜上のものであり、任意の他の好適な回転式要素の構成が用いられ得ることが理解されよう。スターホイールに対する他の好適な回転式要素の構成の非限定的な例が、米国特許第8,418,836号(パプスドルフ(Papsdorf))に示されている。特定の実施形態では、しかしながら、回転式要素32が、物品用のポケットの構成を設定するために用いられる、キー穴、又は歯車を含んだ穴のないものであることが望ましくなり得る。充填機、蓋締め機、及びラベル貼り機など、他のタイプの回転デバイスは、回転式タレットなど、全く異なるタイプの回転式要素を有し得る。これらの他のデバイスはまた、物品を保持するための異なるタイプの空間又は場所(つまり、ポケット以外)を有し得る。例えば、充填機では、ボトルなどの物品は、プラットフォーム上の空間内に着座し、その頂部及び底部にて締め付けられ得る。「物品を保持するための場所」という句は、本明細書において、概してポケット、又は物品のためのそのような他のタイプの空間を包含するために使用され得る。
【0022】
本明細書における対象の回転デバイスは、少なくとも1つの回転式要素を備える。スターホイール22は、任意の好適な数の回転式要素32を備え得る。特定の実施形態では、スターホイール22が、少なくとも4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又はそれ以上の回転式ディスクを備えることが望ましくなり得る。
図1及び2に示すスターホイール22の変形形態では、スターホイール22は8つの回転式ディスク32を備える。ディスク32は、より具体的には、
図2においては第1のディスク32A、第2のディスク32B、第3のディスク32C、第4のディスク32D、第5のディスク32E、第6のディスク32F、第7のディスク32G、及び第8のディスク32Hとして指定されている。様々な変形例が考えられる。この実施形態の一変形例では、第1のディスク32Aは除かれ得る。
図6に示すように、各ディスクはクラッチプレート34によって分離されている。
【0023】
図面に示されているスターホイール22の変形形態では、回転式要素の積み重ね体をなす様々な回転式要素(例えばディスク)32が通常、少なくとも2つの異なる構成を有する。様々な実施形態では、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上の範囲の任意の好適な数の異なるディスク32の構成であり得、異なるディスク構成は、最大でディスク32の総数に等しい異なるディスク構成であり得る。異なるディスク32は、任意の好適な構成を有し得る。
図3及び4は、8枚のディスクが使用されるこの特定の実施形態では、基本的に2つの異なるディスク構成が存在することを示している。2つの基本的な構成とは、
図3に示すディスク32A及び
図4に示すディスク32Dの構成である。ディスク32A、32B、32G、及び32Hはすべて同じ構成、つまり第1の構成を有し、この第1の構成は、本明細書においてU字形状の構成と呼ばれ得る。ディスク32C、32D、32E、及び32Fはすべて同じ構成、つまり第2の構成を有し、この第2の構成は、本明細書においてV字形状の構成と呼ばれ得る。これらの特定のディスク32は、それらの「歯様」突起部の間に間隙(歯がない場所)を有する円形鋸歯に類似していると考えられ得る。調節式スターホイール22のディスク32は、勿論、薄刃をなす必要はない。実際に、刃を丸めることで、物品に対する引っ掻き及び損傷が防止され得る。
【0024】
図3及び4により詳細に示すように、各ディスク32は、中心軸又は中心62と、周辺部64とを有する。ディスク32は、それらの周辺部64内に少なくとも1つの凹部66を有し得る。いくつかの場合には、ディスク32の中心62は、シャフト36用の開口部68を有する。シャフト36は、比較的小さな直径を有し得るか、又は、直径においてより大きく、凹部66に至るまでディスク32の面積をほぼ満たし得る。後者の場合、結果として、ディスク32はリングに似たものとなる。シャフト36用の、ディスク32の開口部68は円形であっても、又は任意の他の好適な構成をなしてもよい。ディスク32をシャフト36に案内することなくディスク32間の同心性を維持し、トルクを伝達する別の手段を用いる、スターホイール組立体の代替的な構造を作ることが可能である。例えば、
図6Aに示すように、ディスク32は、開口部68の内側でディスク32を支持する3つ以上のピン76などのピンの周りに案内され得るか、又は周辺部64の周りで案内され得る。他の場合には、ディスク32は、シャフト用の開口部を有しなくてもよいが、依然として、中心を通る軸Aを中心として回転可能(独立に、また群として)となり得る。いずれの場合も、ディスク32は、調節のために独立に回転可能であるだけでなく、物品を移送するために群として集合的に回転可能である。
【0025】
少なくとも1つの凹部66を周辺部64に有することに代わって、あるいはそれに加えて、ディスク32は、要素又は突出部70を有し得るが、この要素又は突出部70は、周辺部64に連結されたものであり、周辺部64から外向きに延びてスター構成の「先端部」を形成するものである。ディスク32は、任意の好適な数の先端部を有し得る。本明細書で使用するとき、「連結された」という用語は、ある要素をもう一方の要素に直接固着することによって、要素が別の要素に直接固定される構成、要素を中間部材に固着し、次にその中間部材をもう一方の要素に固着することによって、要素が他の要素に間接的に固定される構成、及びある要素が別の要素と一体である、すなわち、ある要素が基本的にもう一方の要素の一部である構成を包含する。突出部70はしたがって、周辺部64の一部を含むと見なされ得る。「連結される」という用語は、回転デバイスの様々な他の構成要素及びそれに対する調節システムを検討するとき、ある要素が別の要素に移動可能に固定される構成、並びに、2つの要素が結合される(例えば、直接的に又は1つ若しくは複数の他の要素を通じて互いに機械的に結合される)構成をも包含し得る。
【0026】
スター構成を形成する突出部70は、先端部で終端する必要はないが、丸み付きの構成、平坦な構成、又は他の構成をなして終端し得る。しかしながら、スターに似た構成を回転式要素32が有する必要はないことを理解されたい。ディスク32のうちの、凹部66及び/又は周辺部64から外向きに延びる要素70を形成する部分は、搬送されている3次元物品10の少なくとも配置を、また必要な場合には配向を制御することを支援するための、少なくとも1つの制御面又は接触面72を形成する。要素70はまた、制御面72の反対側に反対側部74を有し得る。要素70の反対側部74は、以下でより詳細に説明する回転調節機構28との相互作用を促進するように、ディスクの中心62から概ね外向きに延びる構成を有し得る。「概ね外向きに」という用語は、本明細書で用いられるとき、ディスクの半径を表す線の上における延長を含むが、それに限定はされず、また、ディスク32の半径と任意の好適な角度をなす延長をも含む。
【0027】
制御面72は、ディスク32の周辺部64の上に又はその近くに位置する。様々なディスク32上の各制御面72は共に、搬送されている物品10が中で保持され得る、少なくとも1つのポケット60を形成する。回転式要素32によって形成された任意の好適な数のポケット60が存在し得る。ポケット60の好適な数は、回転式要素32のサイズ及び搬送されている物品10のサイズに応じて、1つ以上のポケットから、最大で60以上のポケットに及び得る。ポケット60の数の通常の範囲は、約4〜15のポケットとなり得る。図面に示す実施形態では、12のポケットが存在する。好適なディスクの制御面の更なる詳細は、米国特許第8,418,836号(パプスドルフ(Papsdorf))に記載されている。
【0028】
図5に示すように、ポケット60は幅Wと深さDを有している。しかしながら、理解されたいこととして、ポケット60の幅W及び深さDは、搬送されている物品10の断面の異なる部分の構成に適応するように、スターホイール22の頂部から底部に向かって、異なるディスク32によって規定される異なる平面において異なり得る。
【0029】
異なる構成を有するディスク32は、任意の好適な順序及び配向で、頂部から底部へと積み重ねられ得る。同一の構成を有するディスク32のうちの2つ以上が、ディスク32の積み重ね体において互いに隣接してもよい。それに代わって、同じ構成を有するディスクが、それらが隣接せず、また異なる構成の少なくとも1つのディスクがそれらの間に存在するように構成されてもよい。同一の構成を有するディスク32は、ディスクの同じ側を上向きにしてもよい。それに代わって、ディスクの構成に応じて、ディスク32のうちの1つ以上が、ディスク32の異なる側が上向きになるように、反転されてもよい。
【0030】
ディスク32は、物品のうちの内向きの側で物品10に係合する(つまり、ディスク32は、物品のうちの、回転軸Aと対向している側に係合する)。図示する実施形態では、ディスク32は、傾きに対する物品10の制御を最大にするように、ディスクの積み重ね体の最上点及び最下点におけるボトルポケットの幅W(32A、32B、32G、及び32H)を表す制御面72を有するように構成されている。いくつかの場合には、物品の高さの底面から10%、15%、20%、又はそれ以上を越える位置で物品に係合するように、回転式要素、ディスク32が配置されることが望ましくなり得る。ポケット(32C、32D、32E、及び32F)の深さDを規定する制御面72を有するディスク32が、中央に置かれる。
【0031】
スターホイール22は、ディスク32などの回転式要素の1つ以上の別個の組立体又は群を備え得る。
図1及び2に示すスターホイール22は、回転式要素32の2つの組立体を備えている。この場合、スターホイールコンベヤ22は、回転式要素32の上部組立体40と、回転式要素32の下部組立体42とを備える。上部組立体40及び下部組立体42はそれぞれ、上部プレートと下部プレートとの間に設置され得る。上部組立体40の上部及び下部プレートは、それぞれ参照符号44A及び44Bで指定されている(
図15を参照)。下部組立体42の上部及び下部プレートは、それぞれ参照符号46A及び46Bで指定されている。スターホイール22は、物品10が移送されるときに物品10を支持するためのベースプレート48を更に備え得る。搬送されている物品10の異なる部分を支持するためなど、任意の好適な目的で、異なる組立体が使用され得る。ディスクの2つの組立体が、例えば、2つの全体的な高度で搬送されている物品10を十分に支持するポケット60を形成し得る。特定の場合には、回転式要素32の異なる組立体はまた、小さな物品から大きな物品まで一定の幅の物品高さに適応する際の更なる柔軟性をもたらすように、回転式要素32の高さを調節するための高度変更機構の一部として使用され得る。
【0032】
回転式要素の上部組立体40及び回転式要素の下部組立体42はそれぞれ、任意の好適な数の回転式要素32を備え得る。好適な数の回転式要素が、各組立体内に1つ以上の回転式要素32を備え得る。例えば、回転式要素の数は、各組立体ごとに、2〜10以上に及び得る。上部組立体40内の回転式要素32の数と下部組立体42内の回転式要素32の数は、同じであっても異なっていてもよい。また、回転式要素32の3つ以上の組立体が、例えば、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の組立体が存在することも考えられる。スターホイール22の特定の変形形態では、組立体のうちの1つ以上における回転式要素32は、回転式要素32がそれを中心として回転する軸Aに対して平行な方向に(例えば、組立体が高さを調節され得るように、
図1の矢印の方向に)、他の組立体に対して移動可能となり得る。各組立体は、物品の位置を最良に支持及び制御するために必要に応じて、相対的な高度に関して個別に調節可能となり得る。その他のあまり望ましくない実施形態では、スターホイールコンベヤ22は、回転式要素32の高さを調節するためのいかなる高度変更機構も伴わずに、回転式要素の単一の組立体のみを備え得る。
【0033】
図2に示すように、この特定の実施形態では、8つのディスク32は、鉛直に積み重ねられた2つの組立体又は4つのディスクのセットとして構成されており、ディスク32A〜32Dは、ディスクの上部セットを形成し、ディスク32E〜32Hはディスクの下部セットを形成している。この場合、各組立体40及び42は、4つのディスク、つまり2つのU字形状ディスクと2つのV字形状ディスクとを含んでいる。この特定のスターホイール22は(ポケット60の構成が設定され、ディスク32がディスク同士の相対的な回転運動を防止するように定位置に固定されているとき)、ボトル10を移送するために時計回りに回転することになる。他の実施形態では、スターホイール22はまた、それに代わって反時計回りの方向にも回転することが可能となり得ることを理解されたい。物品を移送するための、ユニットとしてディスクの組合せ体の全体的な回転は、個々のディスク32の回転と混同されるべきではない。したがって、搬送されている物品10に適合するようにポケット60の構成を設定するために、個々のディスク32の各々は、時計回りの方向と反時計回りの方向の両方にセットに対して少なくとも部分的に回転することが可能となり得ることを理解されたい。
【0034】
図6は、
図1及び2に示すスターホイールの下部組立体42を構成する構成要素を示している。これは、下部組立体42に関する多数の考えられる構成のうちの1つである。この場合、下部組立体42は、クラッチプレート34によって分離される4つの回転式ディスク32E〜32Hを備える。下部組立体42はまた、上部プレート46Aと下部プレート46Bとを備える。下部組立体42は更にロック機構を備え、そのロック機構は少なくとも1つのロック要素50を備え得る。ロック要素50は、下部組立体42の回転式ディスク32の位置が定められると、回転式ディスク32が互いに対して回転することを防止するために、回転式ディスク32を定位置にロックする。下部組立体42の構成要素は、圧縮及び解放機構又はクラッチ器組立体を備えると見なされ得る。上部組立体40は、下部組立体42と同様の構成要素の構成を備え得る。
【0035】
スターホイール22の組立体は、サンドイッチになぞらえられ得るものであり、この中に回転式要素(ディスク)32とクラッチプレート34がある。
図7は、クラッチプレート34の非限定的な一例を示す。
図7に示すように、クラッチプレート34は、その中央に孔52を有し得る。クラッチプレート34のうちの孔52に隣接する部分は、クラッチプレートの中央軸に向かって内向きに突出する少なくとも1つのキー54を有し得る。このキー54は、中央シャフト36に沿って延びる長手方向の溝の中に適合し得る。
図8は、代替的なキー54の構成を有するクラッチプレート34を示す。(更に他の実施形態では、シャフト36は突出部を有し得、クラッチプレート34の中央の孔は、シャフト36上のその突出部と嵌合するように、1つ以上の凹部を周辺部に有し得る。)クラッチプレート34は、したがって、中央シャフト36上へとキー締めされ得、そのため、中央シャフト36が回転するときは常に、クラッチプレート34は回転せざるを得なくなる。回転式要素、つまりディスク32はキー締めされず、そのため、ロック機構が解放されているとき、中央シャフト36が回転している間もディスク32は不動に保持され得、したがってディスク32は旋回しない。これにより、ディスク32の回転の調節が可能となる。クラッチプレート34は、ロック機構50が解放されているときには各ディスク32を互いにスリップさせるが、ロック機構50が係合されているときには各ディスク32が互いに対してスリップすることを防止する材料から作られる。結果として、ロック機構50が作動されているとき、ディスク32はクラッチプレート34と共に回転することになる。
【0036】
図6は、クラッチプレート34とディスク32の交互の積み重ねに関する一実施形態を示す。この交互の構成の利点は、個々のディスク32の相対回転が、上又は下の隣接するディスク32の相対回転を妨害しないことである。交互のクラッチプレート34は、互いに対して回転可能ではない。これにより、単一のディスクの相対回転運動がその上又は下の他のディスク32の相対回転に影響を及ぼすことが防止される。これにより、個々のディスク32の相対回転を独立に調節することが可能となる。
【0037】
ロック機構50は、スターホイールが物品を移送しているときにディスク32が互いに対してスリップすることを防止するための任意の好適な機構を備え得る。ロック機構50は、ディスク32とクラッチプレート34の積み重ね体に対して垂直に圧縮力を加えるタイプのものであり得る。積み重ね体に対して垂直に力を加えるために、任意の好適な機構が使用され得る。この圧縮力は、ディスク32が互い(又は駆動シャフト)に対して回転することを防止する摩擦を発生させる。ロック機構50は、次の位置のうちのいずれかに、つまり、ディスクの積み重ね体の頂部上、ディスクの積み重ね体の中、又はディスクの積み重ね体の下に配置され得る。この場合、ロック要素50は、図示のパンケーキ形の空気シリンダなど、少なくとも1つの空気シリンダを備える。図示の実施形態では、ロック要素50は、上部プレート44Aと最上部のディスク32Aとの間に配置されている。より具体的には、2つ以上の(例えば6つの)パンケーキ形の空気シリンダが、これら2つのプレートの間に設置される。空気シリンダを用いてロックするための軸方向圧縮力を発生させることに加えて、力はそれに代わって、ばね、油圧シリンダ、エアバッグ、磁石、電磁石などを用いても発生され得る。
【0038】
図6に示す実施形態を変形することによって、中央シャフト36に対するディスク32のロックを係合及び係合解除することが可能である。クラッチプレート34の数及び位置を変更することも可能である。例えば、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のクラッチプレート34のみが採用され得る。クラッチプレート34は除かれてもよく、ディスク32を中央シャフト36と結合するのに必要な駆動摩擦力を与えるために、下部プレート44B又は上部プレート44Aだけが使用されてもよい。別の代替的な実施形態では、ディスク32と中央シャフト36との間のロックは、ディスク32の積み重ね体に対して垂直な軸方向の締付けの代わりに、インターロック要素の摩擦力の径方向変位によって達成され得る。
【0039】
調節式スターホイール22は、ボトル10などの、異なる形状を有する物品に適応するように、任意の好適な方式で調節され得る。図示の実施形態では、スターホイールポケット60の幅Wは、ディスク32A、32B、32G、及び32Hを回転させることによって調節され得る。ボトル10などのより幅の広い物品に適応するために、ディスク32A及び32Bは、それらの制御面72が移動して互いに離れるように、反対方向に回転される。スターホイールポケット60の深さDは、ディスク32C、32D、32E、及び32Fを回転させることによって調節される。より深いボトルに適応するために、ディスク32C、32D、32E、及び32Fは、ディスクの傾斜部分が移動して互いに離れて、より深いポケットが生じるように回転される。しばしば、ボトルの断面形状はその高度と共に変化することになる。例えば、
図2に示すように、ボトル10は、より広い底部とより小さい頂部とを有してもよい。この場合、ディスクの上部のセットと下部のセットは、底部に対しては大きなポケットを、頂部に対してはより小さなポケットを生じるように独立に調節され得る。ボトルはまた、鉛直の中央平面に対して非対称的となり得る。この場合、より大きな傾斜の接触面を有するディスク32C、32D、32E、及び32Fは、深さを変化させて非対称的なポケット60を生じるように調節され得る。したがって、8つすべてのディスク32の相対回転を調節することにより、完全に無定形のスターホイールポケット60が形成され、このスターホイールポケット60は、2つの高度で物品10を完全に支持する、実質的にすべての物品形状に順応する。
【0040】
本明細書で説明するスターホイール22では、ポケット60の境界は、異なるディスク上の制御面72の角度変位又は位置を調節するように、ディスク32のうちの少なくとも一部を少なくとも部分的に回転させるだけで構成され得る。制御面は、搬送される3次元の物品の輪郭に概ね従うように構成されるポケット60を形成する。ディスク32の位置は次いで、物品10を移送するためにスターホイールコンベヤ22を回転させる前に固定される。ポケット60の幅W及び深さDを設定するための調節のすべてが、中心軸Aの周りの回転運動によってなされる。スターホイールコンベヤ22はしたがって、ポケットの境界を形成するように内向きにまた外向きに径方向に移動可能である要素のないものとなり得る。スターホイールコンベヤ22はまた、スターホイールの回転の軸以外の位置、又は回転式要素32の位置にある1点の周りを旋回する旋回軸を有する把持器又は要素のないものであってもよい。調節式スターホイールコンベヤ22はしたがって、比較的少数の可動部を有し、またポケットの幅及び深さの調節が単一の機構によって制御され得る。
【0041】
それぞれの上部及び下部組立体40及び42の上部及び下部プレート44A、44B、46A、及び46Bは、ディスク32のうちの突出部70のない部分よりも小さいか又はそれに等しい直径を有し得る。存在する場合、ベースプレート48は通常、ディスク32よりも大きな直径を有する。この実施形態では、上部及び下部プレートとベースプレート48はすべて、ポケットサイズが固定されているとき、スターホイール組立体と共に回転する。しかしながら、ベースプレート48を回転させることは任意であり、また他の実施形態では、回転式ベースプレート48は、平坦な不動プレートによって置き換えられてもよく、この不動プレートは、例えば、スターホイールの残りの部分よりも大きくてもよく、物品10は、そのような不動ベースプレート上でスライドし得る。回転するベースプレート48を設けることは、しかしながら、このスライドを、そしてそれに伴う物品10の底部のあらゆる掻き傷を排除し得ることになる。
【0042】
ディスク32及びプレート(クラッチプレート34、上部及び下部プレート、並びにベースプレート48)は、任意の好適な材料、又は材料の組合せから作製され得る。好適な材料には、限定するものではないが、ステンレス鋼、アルミニウム(例えば、陽極処理アルミニウム)、アセタール樹脂(デュポン(Dupont)社のDELRIN(登録商標)アセタール樹脂など)、ポリカーボネート、及び繊維強化ポリマー(炭素繊維エポキシ積層体など)などの金属及びプラスチックが挙げられる。ディスク32とクラッチプレート34は同じ材料から作製されてもよく、あるいはそれらは異なる材料で作製されてもよい。いくつかの場合には、例えば、ディスク32はステンレス鋼から作製され得、クラッチプレート34はDELRIN(登録商標)アセタール樹脂から作製され得る。ディスク32と各プレートは、任意の好適な既知の製造方法によって、所望の構成で機械加工され、次いでスターホイールコンベヤ22の他の構成要素と共に組み付けられ得る。
【0043】
ディスク32など、回転式要素のうちの少なくとも1つが、時計回りの方向、反時計回りの方向、又は双方向に、周回の少なくとも一部にわたって回転し得る。ディスク32が双方向に回転し得るという事実により、ディスクは、接触又は制御面72を、搬送されている物品と接触させるか又はそれに近接させるように、少なくともわずかに回転することができる。ディスク32は、時計回りの方向と反時計回りの方向の両方に360度、回転することが可能になり得るが、その必要はない。ディスク32は、例えば、制御面72を搬送されている物品と接触させるように、時計回りの方向に360度未満、回転し得る。「接触する」という用語が本明細書で用いられ得るが、多くの場合、ディスク32のうちの1つ以上が実際には物品10と接触しなくてもよいことを理解されたい。そのような場合、ディスク32は、物品10と「近接させられる」だけでもよい。また、いくつかのプロセスで物品10と接触面72との間に大きなクリアランスを設けることが望ましくなり得る。ディスク32は次いで、物品を搬送するために、物品の位置がスターホイールコンベヤにおいて固定されると、反時計回りに回転し得る。それに代わって、ディスク32は、制御面72を搬送されている物品と接触させるように、反時計回りの方向に360度未満、回転し得る。ディスクは次いで、物品を搬送するために、物品の位置がスターホイールコンベヤにおいて固定されると、時計回りに回転し得る。
【0044】
回転式要素を回転させるための機構は、ディスク32などの回転式要素のうちの1つ以上を旋回させるために、駆動シャフト36に連結された(つまり、作動的に結合された)少なくとも1つのモータ26を備え得る。モータ26は、任意の好適なタイプのモータを含み得る。好適なタイプのモータには、限定するものではないが、歯車モータ、サーボモータ、ステッパモータ、直流モータ、油圧モータ、及び空気圧モータが挙げられる。「歯車モータ」という用語は、本明細書で使用されるとき、歯車箱を有するモータを指す。特定の例では、モータはサーボモータを含み得る。モータ26は、任意の好適な位置にあってよい。図示の実施形態では、モータ26は、ディスク32の積み重ね体の下方に配置されている。モータ26はまた、駆動ベルト、タイミングベルト、チェーン、歯車、継手、ユニバーサルジョイント、磁気継手などを含む別の動力伝達手段によって駆動シャフト36に結合され得る。それに代わって、モータは、限定するものではないが、上部プレート44、下部プレート46、ベースプレート48、クラッチプレート34、回転式要素32などを含む、調節式スターホイール22の回転する構成要素のうちのいずれかに直接、結合され得る。これらの代替的な構成のいくつかでは、駆動シャフト36を完全に除き、依然としてスターホイール組立体22を駆動することが可能である。
【0045】
異なるサイズ及び/又は形状の物品に適応するために、調節式スターホイールなどの回転デバイスを調節するための、2つの異なるタイプの調節システムが設けられる。これらは、回転調節システムと高度調節システムとを含む。各調節システムは、独立に用いられ得るが、その場合、調節システムのうちの1つのみが回転デバイスと共に用いられ得る。それに代わって、回転デバイスの異なる態様を調節するために、各調節システムが共に用いられ得る。
【0046】
回転調節システム
スターホイールコンベヤシステム20など、回転デバイスを含んだシステムは、回転調節システムを含み得る。スターホイール22の場合、回転調節システムは、異なるサイズ及び/又は形状の物品に適応するように、スターホイール22のポケット60の構成を調節することを少なくとも支援するために用いられる。回転調節システムは、スターホイール22が、回転式要素32の回転位置を調節するために用いられる1つ以上の個々のモータ(又は駆動モータ以外の付加的なモータ)を有する例に対する代替形態である。
【0047】
回転調節システムは、回転調節機構28を備え得る。回転調節機構28が、存在する唯一の調節機構である場合(又は、以下でより詳細に説明するように、二重の又はそれ以上の目的を果たす場合)、その回転調節機構28は、単純に「調節機構」28と呼ばれてもよい。回転調節機構28は、異なるサイズ及び/又は形状の物品に適応するように、スターホイール22のポケット60の構成を調節し得るか、又は調節することを支援し得る(つまり、調節する上でスターホイールシステム20の他の構成要素と協働し得る)。「少なくとも支援する」という句は、ポケットの構成を調節することと、調節することを支援することの両方を含むことを意図したものである。
【0048】
回転調節機構28は、回転式要素32との動作連通をなし得る。「動作連通」という用語は、本明細書で用いられるとき、回転調節機構28が回転式要素32のうちの1つ以上の回転位置を定めることを少なくとも支援することを可能にする、回転式要素32と回転調節機構28との間の任意のタイプの関係を指す。回転調節機構28は、限定するものではないが、回転式要素と接触すること、摩擦力若しくはトルクを回転式要素32に加えること、回転式要素と接触することなく(噴流、電界、又は磁気引力若しくは反発力などによって)力若しくはトルクを回転式要素に加えること、又は任意の他の好適な機構を含めて、任意の好適な方式で回転式要素32に作用し得る。回転調節機構28はしたがって、機械的機構であってもよい。
【0049】
回転調節機構28は、任意の好適な構成を有する任意の好適なタイプのデバイスであり得る。回転調節機構28は、全体として
図1で参照符号80によって示される少なくとも1つの調節要素を備え得る。
図13に示すように、各回転式要素32に対する最大で1つ以上の調節要素80を含めて、任意の好適な数の調節要素80が存在し得る。
図1の実施形態では、
図9により詳細に示すように、1つ以上の任意選択のハウジング84内に配置され得る2つの調節要素80A及び80Bが存在する。この場合、上部調節要素80Aは、ガイドレール24Cの上方に到達して、上部組立体40内の回転式要素32を調節する。下部調節要素80Bは、ガイドレール24Cの下方に到達して、下部組立体42内の回転式要素32を調節する。調節要素80A及び80Bは、搬送される物品用のポケット60の寸法を定めるように個々の回転式要素32の回転位置を調節することを少なくとも支援するために、回転式要素32のうちの1つ以上に係合するように移動可能となり得る。
【0050】
調節機構28は任意選択の支持体82を更に備えてもよく、少なくとも1つの調節要素80がその支持体82に結合される。支持体82は、回転式要素32に対して所望の高さに調節要素80を保持するための構造をなす。調節要素80は、回転式要素32に対して、固定された高さにあってよく、支持体82に対して移動する能力を与えられる必要はない。他の実施形態では、調節要素80は、支持体82に対して移動可能に結合されてもよい。後者の場合、支持体82は、回転式要素32に隣接する所望の高さに調節要素80を運ぶために、それに沿って調節要素80が回転デバイスの回転軸に対して平行に(例えば、鉛直方向に上方及び下方に)移動し得る構造をなし得る。支持体82は、機械フレームなどの剛性の不動(静止)構造に又は地面に結合され得る。それに代わって、支持体82は、調節式スターホイール22の回転とは独立に移動する、地面に対して移動可能である構造に取り付けられてもよい。いずれの場合も、スターホイール22のいかなる回転も、結果として、スターホイール22と支持体82との相対運動を生じることになる。同様に、回転式要素32のいかなる回転も、結果として、回転式要素32と支持体82に結合された調節要素80との相対運動を生じることになる。
【0051】
支持体82は、任意の好適な構成を有し得る。いくつかの場合(
図11に示すように)、支持体82は、スターホイールシステム20の他の構成要素から分離した、ポスト又はマストなどの構成要素の形態をなし得る。
図1及び2に示すような、また以下でより詳細に説明するような、その他の場合、回転調節機構28は、支持体の機能をもたらすために、スターホイールシステム20の別の構成要素を利用し得る。
【0052】
回転調節機構28は、スターホイール22に対して任意の好適な位置に位置決めされ得る。いくつかの場合には、
図10に示すように、支持体82は、スターホイールの回転式要素32の周辺部64の内側に少なくとも部分的に配置され得る。例えば、支持体82は、スターホイール22の中央に配置され得る。支持体82に適応するために、スターホイール22の中央シャフト36は中空にされてもよく、支持体82は、スターホイール22の中心から上向きに突出してもよく、支持体82及び/又は調節要素80の少なくとも一部分が、回転式要素32に到達するように外向きに延びてもよい。そのような実施形態は、回転調節機構28をスターホイールの外側に配置するには不十分な空間しかスターホイールの回りにない場合に有用となり得る。
【0053】
他の場合には、支持体82の少なくとも一部分が、回転式要素32の周辺部64の少なくとも一部分又はすべての径方向外側又は外向きに配設され得る。そのような回転調節機構28は、外部アームの形態をなすものと考えられ得る。「径方向に」という用語は、本明細書で用いられるとき、軸Aに向かって又は軸Aから離れて延びる方向を指す。「径方向内向きに」という用語は、軸Aに向かう方向を指す。「径方向外向きに」という用語は、軸Aから離れる方向を指す。例えば、
図1及び2に示すように、支持体82は、回転式要素32の周辺部64の完全に外側(径方向外向き)に位する位置に設置され得る。支持体82及び調節要素80の設置は、物品を搬送するために回転式要素32が自在に回転するようなものであるべきである。したがって、これらの構成要素は(少なくとも、本明細書でより詳細に説明するように、調節要素80が後退した後は)、回転式要素32と同じ鉛直方向の高度にあり、かつ回転式要素32の周辺部64の中にあるエリアの外側に、そして、回転式要素の平面内の、搬送されている物品10によって占められている任意の空間、並びに、前述のエリアの上方又は下方の、物品10によって占められている任意の鉛直方向の空間の外側に設置されるべきである。
【0054】
支持体82の設置はまた、多くの場合、ガイドレールシステム24の存在を考慮することを必要とする。ガイドレールシステム24は通常、スターホイール22の周辺部の一部分に沿って配置される。ガイドレールシステム24は、スターホイール22が回転するときに物品10を径方向外向きの方向にポケット60から外に移動させがちである遠心力に対向するための構成要素を、調節式スターホイールコンベヤ22に設けるものである。この目的に好適な他のタイプの構成要素には、限定するものではないが、真空カップ、及びベルトが挙げられる。
【0055】
いくつかの実施形態では、支持体82は、スターホイール22の周辺部のうちの、ガイドレール24から見てスターホイール22の反対側にある部分に沿って配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持体82は、
図1に「X」で示される位置などの場所に配置され得る。
【0056】
他の実施形態では、支持体82は、支持体82の少なくとも一部分がガイドレールシステム24の後方に径方向外向きに配置されるように、スターホイール22の中心から十分外向きに配置され得る。支持体82のこの配置は、調節機構28がガイドレールシステム24と干渉することなくスターホイールの周辺部の回りのほとんどいかなる場所にも配置され得るという利点を有する。
【0057】
更に他の実施形態では、
図1及び9に示すように、回転調節機構28は、ガイドレール24に隣接し得るか、又は更にはガイドレールシステム24の一部分に設置されることも可能である。調節式ガイドレール24が使用される場合、その調節式ガイドレール24は、任意の好適なタイプのものであり得て、任意の好適な構成をなし得る。ガイドレール24の具体的な構成は重要ではない。
図1及び9は、スターホイール22と共に使用するための調節式ガイドレールシステム24の非限定的な一例を示している。
図1及び9に示すガイドレールは、米国特許第8,499,921号(オーンドーフ(Orndorff))に記載されているタイプのものである。他の好適なガイドレールが、米国特許第8,418,836号(パプスドルフ(Papsdorf))に記載されている。
【0058】
図1及び9は、調節要素80A及び80Bが調節式ガイドレールシステム24の一部分の上に装着される実施形態を示している。
図9に示すように、この特定の実施形態では、調節式ガイドレールシステム24は、バックガイドプレート24Aと、共にガイドレール24Cを備える複数のガイド要素24Bと、異なる高さの物品に適応するようにガイドレール24Cを上昇及び降下させる少なくとも1つのガイドレール支持体24Dとを備えている。
図1に示すように、バックガイドプレート24A及びガイドレール24Cを等しく上昇及び降下させるための2つのガイドレール支持体24Dが存在する。
【0059】
図示の実施形態では、調節要素80A及び80Bは、調節式ガイドレールシステム24のバックガイドプレート24A上に装着されている。したがって、調節式ガイドレールシステム24の上昇及び降下はまた、回転調節機構28を鉛直方向に調整することにもなる。実際に、ガイドレール支持体24Dはまた、回転調節機構28に対する支持体82としても働く。ガイドレール支持体24Dは、ガイドレール24Cを上昇及び降下させるための任意の好適な機構を備え得る。一実施形態では、ガイドレール支持体24Dはそれぞれ、ガイドレール24Cを上昇及び降下させるための、ボールねじリニアスライドとモータ24Eとの組合せの形態をなす機構を設けられる。
【0060】
調節要素80は、回転式要素、つまりディスク32のうちの1つ以上と少なくとも一時的に係合するように配置され得るように、移動可能となり得る。調節要素80は、少なくとも回転式要素32の回転位置を調節することを支援し、搬送される物品10用のポケット60の構成の少なくとも一部を定めるために、回転式要素と一時的に係合し得る。
【0061】
調節要素80は、回転式要素32上の調節ゾーンなど、回転式要素32の任意の好適な部分に係合し得る。調節ゾーンは、限定するものではないが、回転式要素の側縁部、物品用のポケットを形成するために使用される任意の既存の突出部70、この目的で回転式要素32(その側部、頂部、又は底部)の中に特定的に押し込まれ得るノッチ(図示せず)、又は回転式要素に結合された(例えば、その中に埋め込まれた)磁石を含めて、回転式要素32の任意の好適な部分を含み得る。図示の実施形態では、調節要素80は、回転式要素、つまりディスク32の側縁部など、回転式要素32の周辺部64の一部分と接触する。これは、ディスク32の次の部分、つまり、ディスク32の側縁部上の制御面72、対向側部74、又は別の好適な部分のいずれかを含み得る。調節要素80が回転式要素32の外側周辺部に係合することに加えて、ディスク68の中心の孔の近傍で回転式要素32の内部の表面又は形体に係合するように調節要素80を構成することも可能である。
【0062】
調節要素80は、任意の好適な構成を有する任意の好適なタイプの要素を含み得る。図示の実施形態では、調節要素80はフィンガの構成をなしている。フィンガは、限定するものではないが、
図1及び2に示すような実質的に直線的構成、又は
図11に示すような湾曲構成を含めて、任意の好適な構成をなし得る。湾曲構成は、調節機構28がガイドレール24Cの径方向外側に設置され得、調節要素80がガイドレール24Cの上方に到達して回転式要素32と接触し得るという利点をもたらす。調節要素80は、所定の時間に単一の回転式要素32にのみ接触するようにサイズを定められ、構成され得る。他の場合、調節要素80は、所定の時間に2つ以上の回転式要素32に接触するようにサイズを定められ、構成され得る。更に他の場合、
図13に示すように、調節機構28は複数の調節要素80を備えてもよく、各調節要素80は、回転式要素の積み重ね体内の対応する回転式要素32に係合するように鉛直に配置され得る。
【0063】
調節要素80は、支持体82に対して移動可能となり得る。調節要素80は、支持体82に対して調節要素80を移動させるために動力を供給するモータなどの動力源との連通(例えば、機械的及び/又は電気的連通)をなし得る。調節要素80は、任意の好適な方式で支持体82に移動可能に結合され得る。図示の実施形態では、調節要素80はそれぞれ、水平に延出及び後退し得る空気シリンダに結合されている。空気シリンダは、従来型のものであり、図示されていない。加えて、サーボ駆動型のボールねじリニアスライドを備えたガイドレール支持体24Dは、調節要素80が鉛直に移動することを可能にする。その結果、調節要素80は、スターホイール22が新しい構成へと切り替えられるように、各回転式要素32の調節のために、各回転式要素32と正確に整合され得る。
【0064】
調節要素80は、スターホイール22に対する回転調節機構28の配置に応じて、回転式要素32のうちの少なくとも1つに係合するように、次の方向、つまり、上向き、下向き、内向き、外向き、横向きのうちの少なくとも1つの方向に移動し得るか、又は、回転式要素32のうちの少なくとも1つに係合するように軸Aに対して周回し得る。調節要素80は、回転式要素32の半径の方向に、内向き及び/又は外向きに移動し得る。しかしながら、理解されたいこととして、回転調節機構28が回転式要素32の外側に配置されている場合、調節要素80が回転調節機構28の基準点から回転式要素32に向かって径方向内向きに移動するとき、調節要素80は、支持体82に向かって、又は支持体82から離れて移動することになる。同様に理解されたいこととして、調節要素80の移動は、回転式要素32の半径の方向において厳密に内向き及び/又は外向きである方向に限定されない。調節要素80は、回転式要素32の軸Aに対して概ね内向き及び/又は概ね外向きである方向に移動し得る。そのような移動は、移動の方向が回転式要素32の半径に対してある角度をなす場合でも、回転式要素32の回転位置を調節する目的に役立ち得る。加えて、調節要素80の運動は、任意の好適なタイプの運動であり得る。好適なタイプの運動には、限定するものではないが、(
図1及び9に示す実施形態におけるような)並進、(
図12及び12Aに示すような)旋回、調節要素80が回転式要素32の突出部70の間の凹部66において上向き及び/又は下向きに移動するような移動、軸Aを中心とする周回、並びに、回転式要素32の回転位置を調節するために用いられ得る任意の他のタイプの運動が挙げられる。
【0065】
図1及び9に示す実施形態では、調節要素80は、回転式要素32に係合するか又は回転式要素32によって係合されるように、回転式要素に向かって内向きに移動する。回転式要素32の位置が定められると、調節要素80は後退し、それによって邪魔にならないように移動され、また回転式要素32が回転し得るようになる。勿論、上記のように、代替的な実施形態では、調節要素80は、調節要素80を外向き及び/又は上方若しくは下方に移動させることによって、調節要素80が回転式要素32と係合し得るように構成され得る。
【0066】
回転調節機構28は、回転式要素32間の相対回転位置を設定するために、スターホイール22などの回転デバイスと協働し得る。図示の実施形態では、支持体82は不動であり、調節要素80は、回転式要素32に係合するように内向きに移動可能である。調節要素80はまた、支持体82に沿って鉛直に移動可能となり得る。個々の回転式要素32の他の回転式要素32及び調節式スターホイール22に対する相対回転位置を調節するために、調節要素80の鉛直高度は、調節される回転式要素32の鉛直高度と対応するように調節される。調節要素80は、回転式要素32に係合するように内向きに延出される。調節要素80は、シャフト36及び調節式スターホイール22(その回転式要素32)の回転に対して依然として不動であり得る。ロック機構がオフにされた状態で、シャフト36と調節式スターホイール22がモータ26によって回転される。調節要素80と係合されている、調節される回転式要素32は、シャフト36、クラッチプレート34、及び回転式要素32の残りを含めて、スターホイール22の他の要素と共に回転しない。この結果、調節されている個々の回転式要素32と回転式要素32の残りとの相対角度変位が調節されることになる。回転式要素32間の相対運動は、ポケット60を調節するために用いられる。調節後にロック機構50を係合することにより、回転式要素32間の更なる相対運動が防止される。調節要素80を径方向外向きに移動させることにより、調節式要素80と回転式要素32とが係合解除される。この方法は、物品10に適応するように所望のポケット形状60を達成するために、必要に応じて、各回転式要素32ごとに反復され得る。
【0067】
回転調節システムはしたがって、回転調節機構28と、回転調節機構28と協働して回転式要素32の回転位置を設定する回転デバイスの構成要素とを備え得る。これらの構成要素は、限定するものではないが、駆動モータ26と、駆動シャフト36と、ロック機構50とを含み得る。
【0068】
回転調節システムの様々な変形形態が可能である。他の実施形態では、回転式要素32が回転されている間はその回転式要素32と接触しているときも依然として不動である調節要素80を有するのではなく、調節機構28は、スターホイール22などの回転デバイスに対して移動可能である構成要素を備えるように構成され得る。例えば、調節要素80は、搬送される物品用のポケット60を形成するように所望の位置に回転式要素32を回転させるために、相対運動を伴ってスターホイール22の周辺部の少なくとも一部分の回りを周回するように構成された支持体上に存在し得る。
【0069】
別の変形形態では、調節機構28は、回転式要素32を回転させるように回転式要素32に対して移動可能となり得、回転式要素(又は回転式要素の積み重ね体)も回転され得て、したがって両方が移動可能となる。そのような場合、調節要素80と回転式要素32は共に、互いに接触(又はさもなければ係合)するように移動して、回転式要素32の位置を設定し得る。例えば、回転調節機構28は、少なくとも部分的に回転式要素32の回りを周回し得、回転式要素32も回転し得る。回転式要素32の位置を設定するとき、調節機構28は、回転式要素32の回転と同じ方向に(つまり、時計回り又は反時計回りに)、又はその反対の方向に周回し得る。回転調節機構28は、回転式要素32と同じ速度で又は異なる速度で移動し得る。
【0070】
図1及び9に示す回転調節機構28を使用してスターホイール22のポケット60の構成を調節するための手順は以下の通りである。
【0071】
ポケット60の境界を設定するための第1のステップは、各回転要素32の実際の位置と、各回転式要素32の所望の回転位置を判定することである。したがって、調節に先立って回転式要素32の相対位置を感知又は測定することが望ましくなり得る。この調節は次いで、回転式要素32間の相対角度と、各回転式要素32ごとに所望の最終的な回転位置を達成するために必要な漸進的調節に基づき得る。それに代わって、回転式要素32のすべてが、初期には「定位置」又は開始位置に移動されてもよい。次いで、回転式要素32を所望の位置に移動させるために、絶対的な調節がなされ得る。
【0072】
回転式要素32の所望の位置が選択され、回転式要素の位置を調節する時間となると、ロック機構50は初期には、回転式要素32間の相対運動を防止するために係合されているべきである。調節要素80は、第1の回転式要素32の高度にまだない場合、第1の回転式要素32Aなど、第1の回転式要素32の高度に移動される。図示の実施形態では、調節要素80は、ガイドレールシステム24の高度を調節することによって、所望の高度に移動される。
【0073】
第1の回転式要素32Aは、駆動モータ26を用いてスターホイール22の構成要素を回転させることによって調節要素80Aとの係合が可能となる角度位置に回転される。調節要素80Aは次いで延出され、そのため、調節要素80Aが第1の回転式要素32Aと係合するようになる。図示の実施形態では、調節要素80Aは、第1の回転式要素32Aの制御面(例えば、直線的縁部の1つ)72のうちの1つに係合する。第1の回転式要素32Aが調節要素80Aと係合した状態では、第1の回転式要素32Aは、時計回り及び反時計回りの方向のいずれか又は両方において、軸Aを中心として回転することを防止される。ロック機構50は次に係合解除されて、回転式要素32間の相対運動を可能にする。スターホイール22用の駆動モータ26が始動され、それにより、調節要素80Aによって係合された第1の回転式要素32Aを除いて、回転式要素32の組立体全体がシャフト36を中心として回転されるようになる。スターホイール22は、所望のポケット60を達成するために、他の回転式要素32に対する第1の回転式要素32Aの所望の角度変位を達成する回転位置に回転される。ロック機構50は次に係合されて、回転式要素32間の相対運動を防止する。調節要素80Aは次いで後退される。
【0074】
調節要素80Aは次いで、第2の回転式要素32Bなどの第2の回転式要素32の高さに上昇(又は降下)される。第2の回転式要素32は、駆動モータ26を用いてスターホイール22を回転させることによって調節要素80との係合が可能となる角度位置に回転される。上部の調節要素80Aは、第2の回転式要素32Bと係合するように延出される。ロック機構50は次に係合解除されて、回転式要素32間の相対運動を可能にする。スターホイール22用の駆動モータ26が始動され、それにより、調節要素80Aによって係合された第2の回転式要素32Bを除いて、回転式要素32の組立体全体がシャフト36を中心として回転されるようになる。スターホイール22は、所望のポケット60を達成するために、他の回転式要素32に対する第2の回転式要素32Bの所望の角度変位を達成する回転位置に回転される。ロック機構50は次に係合されて、回転式要素32間の相対運動を防止する。調節要素80Aは次いで後退される。
【0075】
第2の回転式要素32Bを調節する間に、調節要素80Aによって係合されていない、スターホイール22の回転式要素32が回転することはまた、回転位置が既に設定されている第1の回転式要素32Aを回転させることを含む。この場合、第1の回転式要素32Aと、第1の回転式要素32Aの直下の隣接するクラッチプレート34との間の摩擦により、ロック機構50が係合解除されているときに第1の回転式要素32Aがスターホイール22に対して回転することが防止される。振動を原因とする望ましくない相対運動を防止するために、クラッチプレート34と第1の回転式要素32Aとの境界に中程度から高度な摩擦係数を有する材料を、クラッチプレート34に選択することが望ましくなり得る。0.1超の摩擦係数が推奨される。また、クラッチプレート34と第1の回転式要素32Aとの間(並びに他の回転式要素とクラッチプレートとの間)の垂直力及び対応する摩擦トルクを、ばね、磁石、空気、空気嚢などを利用することによって増大させることが有益となり得る。
【0076】
調節要素80は、調節される回転式要素32と多数の方式で係合し得る。調節要素80は、回転式要素32上の対応するポケットの中へと入り込む突出部であり得る。調節要素80の突出部が回転式要素32上の嵌合ポケットと係合されると、回転式要素32は、調節要素80によって、時計回り又は反時計回りの方向のいずれかにおいて回転を防止される。それに代わって、調節要素80の端部は、回転式要素32上の対応する突出部に嵌合するポケットを組み込み得る。調節要素80のポケットが回転式要素32上の嵌合突出部と係合されると、回転式要素32は、調節要素80によって、時計回り又は反時計回りの方向のいずれかにおいて回転を防止される。それに代わって、調節要素80は、要素74の制御面72又は側部など、回転式要素32の単一の表面に接触する突出部であり得る。この実施形態では、調節要素80のポケットが回転式要素32上の嵌合制御面72と係合されると、回転式要素32は、調節要素80によって、1方向にのみ(時計回り又は反時計回りの方向)回転を防止される。これは望ましいことであるが、それは、制御面72への正確な回転整合がなくても、回転式要素32の凹部66内の任意の箇所で調節要素80を延出させることが可能となるからである。スターホイール22が調節を開始するために回転されるとき、回転式要素32は、制御面22が調節要素80との接触をなすまで、スターホイール22と共に回転する。スターホイール22が以前の方向に引き続き回転するとき、制御面72と接触している調節要素は、回転要素32の更なる回転を防止し、その結果、スターホイール22に対する角度調節がなされることになる。
【0077】
回転式要素32の回転位置はこのようにして、調節要素80によって設定される。しかしながら、回転式要素32の回転位置が設定されると(第1の回転式要素32Aなど)、調節された回転式要素が、依然として制御面72を調節要素80と整合された状態となる必要はない。これは、残りの回転式要素32の回転位置が、既に調節された先の回転式要素32の回転位置に対して設定されるからである。例えば、調節要素80Aは、第1の回転式要素32Aの制御面72Aに係合し、スターホイール22及び回転式要素32の残りに対して、第1の回転式要素32Aの回転位置をある回転位置に定める。次に、スターホイール22の回転式要素32は、第2の回転式要素32Bの制御面72Bが調節要素80Aに係合し、第2の回転式要素32Bがスターホイール22及び回転式要素32の残りに対して調節されるまで、ユニットとして回転される。第2の回転式要素32Bが調節されている間、第1の回転式要素32Aの制御面72Aは、調節要素80Aに対してスターホイール22と共に回転する。
【0078】
したがって、スターホイールを回転させるための主駆動モータ26もまた、スターホイールプレートの相対角度を調節する役割を部分的に持ち、全体的な回転調節システムの一部を構成する。「相対角度」という用語は、本明細書で用いられるとき、ある回転式要素32の半径に沿って、その回転式要素上の所与の点(調節要素が回転式要素に係合する場所など)を通じて延びる線と、別の回転式要素上に引かれた同様の線との間に形成される角度である。回転式要素32間の相対角度は、駆動モータ26が、選択された回転式要素にトルクを加えて回転式要素32間に相対運動と変位を生じさせると、異なる物品に適応するように調節される。調節要素80は、駆動モータ26が残りの回転式要素にトルクを加えている間、選択された回転式要素32の回転を防止し、結果として、選択された回転式要素32と回転式要素の残りのユニットとの間の相対運動と変位を生じることになる。このシーケンスは、8つのすべての回転式要素32が必要に応じて移動され、新たなポケット60の構成が形成されるまで反復される。
【0079】
上記に記載した手順において、選択される第1の回転式要素32は、任意の好適なディスクであってよく、第1の回転式要素32Aである必要はない。例えば、ディスク32Hなどのディスクのうちの1つ以上がシャフト36に固定され得るが、そのため、その回転位置を設定することは必要でなくなる。そのような場合、他のディスク32の回転位置は、第8のディスク32Hの位置に対して設定され得る。勿論、他の実施形態では、調節要素80は、任意の所望の順序で又は同時にディスク32に係合し得る。例えば、上部及び下部の組立体40及び42内のディスクの位置を同時に設定するために、1つの調節要素(上部の調節要素80A)はあるディスク32に接触し、別の調節要素(下部の調節要素80Bなど)は別のディスク32に接触するように、2つ以上の調節要素80が延出され得る。勿論、回転位置は、上部の組立体40内のディスクと下部の組立体42内のディスクとで異なってもよい。
【0080】
組立体40と42の一方又は両方の中のディスク32は次いで、それらの最終位置へとロックされる。ディスクを最終位置へとロックするために、任意の好適な機構が用いられ得る。ロック機構50は、例えば、回転式要素32の表面に対して垂直な方向などに、回転式要素32の積み重ね体に力を加え得る。図示の実施形態では、空気シリンダが使用されている。より具体的には、2つ以上のパンケーキ形空気シリンダ50が、組立体40及び42の各々において上部プレート44A及び46Aと回転式要素32の積み重ね体との間に設置されている。この場合、空気を空気シリンダ50に供給するためのホースを接続するために使用される任意選択の回転継手96がシャフト36に結合され得る。空気が空気シリンダ50に供給されると、空気シリンダは膨張してディスク32を定位置にロックする。代替的な一構成は、圧縮ばねを使用して、回転式要素32とクラッチプレート34との間の軸方向締付け力を維持することである。ばねによって発生される垂直力に打ち勝ち、ロック機構50を係合解除するために、空気圧式又は油圧式のアクチュエータが使用される。したがって、外部の空気圧又は油圧の力が加えられると、ロック機構50は、空気漏れ又は空気圧損失の場合に相対運動を防止する係合又はロック状態となる。空気シリンダを用いてロックするための軸方向圧縮力を発生させることに加えて、力はそれに代わって、ばね、油圧シリンダ、エアバッグ、磁石、電磁石などを用いても発生され得る。
【0081】
任意選択により、調節に続いて回転式要素32の相対位置を感知又は測定することが望ましくなり得る。このことは、回転式要素32の調節が精度に関する所望の許容範囲内で行われたことを確認するために用いられ得る。物品10を搬送する間、又は調節が行われた後の任意の時間に、動作中の回転式要素32の相対位置を感知又は測定することも可能である。物品10を搬送する間に回転式要素32の相対位置がリアルタイムで感知又は測定される場合、ジャム又は設備の故障の結果であり得る、回転式要素32間の望ましくない相対移動を検知することも可能となり得る。この場合、搬送設備は停止され得るか、又は操作者が警告され得る。これらの状況のいずれかでは、回転式要素32の相対位置が所望の許容範囲内にない場合、操作者が警告され得るか、又は調節手順の一部若しくはすべてを反復することによって是正処置が自動的に取られ得る。
【0082】
ポケット60が形成され、物品10がスターホイール22の中に送り込まれると、駆動モータ26はトルクを加え、ディスク32のすべてを一斉に回転させて、物品10を移送する。
【0083】
本明細書で説明する回転調節システムは、いくつかの利点をもたらし得る。マシン上で使用される複数のスターホイールコンベヤが存在し、それらの各々が、異なる物品に適応するためにディスクを変更することを必要とする場合、操作者がマシンの回りを移動し、すべてのスターホイールを調節するのに、最大で20分以上を要し得る。更に、いくつかのマシン上では、スターホイールは、それらの構成を変更するためにアクセスするのが困難となる場所に位置し得る。
【0084】
回転調節システムは、ディスクの各々の位置を設定するために使用される別々のサーボモータを利用するシステムに対して優位性をもたらし得る。各ディスクに1つのモータを用いて複数のモータの必要性を排除することに加えて、この選択肢はまた、各構成要素がモータの各々に電力と制御を伝える必要性を排除するものである。例えば、回転するスターホイール組立体にモータが装着されないので、この設計ではスリップリングは必要とされない。回転調節システムは、あるサイズ及び/又は形状の物品から別の物品への交換又は調節を助けるために、スターホイール22上に既に存在する主駆動モータ26を使用する。既存のサーボモータを使用することは、相当な費用節約及び複雑さの低減となる。所与の製造又は包装ラインにおけるすべてのスターホイール22が、それら自体のサーボモータによって駆動される場合、各回転式要素32は、求められるいかなる位置へも、独立にかつ正確に回転され得る。
【0085】
高度調節システム
回転デバイスはまた、回転式要素が回転する軸に対して平行な方向に回転デバイスの少なくとも1つの回転式要素の高度(つまり変位)を調節するために、高度調節システムを設けられ得る。高度調節システムは、異なるサイズの物品に適応するために、充填機、蓋締め機、ラベル貼り機、又はスターホイールコンベヤなどの回転デバイス上の任意のタイプの回転要素に使用され得る。例えば、スターホイール22の場合、高度調節システムは、より高い又はより低い物品10に適応するために、回転式要素32のうちの少なくとも2つの間の鉛直距離を調節するために使用され得る。
【0086】
高度調節システムは、高度調節機構30(又は「高度変更機構」)を備え得る。高度調節機構30は、ポケット60の構成を調節する回転調節機構28と共にスターホイール22上でも使用される、任意選択の機能であり得る。他の場合、スターホイール22又は他の回転デバイスは、高度調節機構30に前述の回転調節機構28を設けることなく、高度調節機構30のみを設けられ得る。後者の場合、スターホイール22は、ポケットの構成を調節するために、任意の既知の機構(それらが高度調節機構と適合することが条件であるが、多くの場合、それらは適合しない)を利用し得る。
【0087】
スターホイール22の場合、高度調節機構30は、軸Aに対して平行な方向に、任意の2つ以上の個々の回転式要素32又は回転式要素32の任意の2つ以上の群間の距離を調節するように構成され得る。高度調節機構30は、他の回転式要素又は回転式要素のグループが依然として不動である間に1つの回転式要素32(又は回転式要素の群)を移動させるように構成され得る。他の実施形態では、高度調節機構30は、回転式要素又は回転式要素の群の両方を互いに対して移動させることによって、軸Aの方向において回転式要素32間の距離を調節するように構成され得る。
図1に示す例示的なスターホイール22では、上部組立体40の高度は、下部組立体42が依然として不動である間に、高度調節機構30によって変更される。上部組立体40は、任意の好適な距離だけ移動され得る。一例では、上部組立体40は、0mm超から最大で約350mm以上、鉛直に任意の好適な距離だけ移動し得る。
【0088】
高度調節機構30は、1つ以上の構成要素を備え得る。高度調節機構30の少なくとも1つの構成要素を備え得る、次のタイプの機構は、限定するものではないが、ボールねじリニアアクチュエータ、ねじ機構、ピストン機構、リニア駆動機構、ラックピニオンシステム、ばねシステム、又はケーブル/プーリシステムを含む。
【0089】
図1に示す実施形態では、高度調節機構30は、ボールねじリニアアクチュエータ(又は簡潔に「ボールねじ」)100と、サーボモータなどのモータ(又は「高度サーボモータ」)102と、内部シャフト104などのシャフトとを備える。ボールねじリニアアクチュエータ100は、高度サーボモータ102に機械的に結合されている。
図15に示すようなこの実施形態では、スターホイール駆動シャフト36は、中空の(例えば円筒状の)管を備え、この管は、内部シャフト104が駆動シャフト36の内側に(内部38に)嵌合することができる、十分に大きな直径を有する。ボールねじ100は、内部シャフト104に結合されている。
【0090】
図15に示すように、ボールねじ100は、回転継手96を含んだ任意選択の回転継手区間部106を通じて、内部シャフト104の下端部に結合されている。回転継手区間部106は、鉛直ロッドによって結合された2つの離間した水平プレートを備えている。回転式連結要素108が、回転継手96と上部水平プレートとの間に配置されている。回転式連結要素108は回転可能であるが、回転継手96は回転可能ではない。回転継手からパンケーキ形空気シリンダ50に空気を供給するために、空気ホースが回転継手96に連結され得る。内部シャフト104の上端部は、下部組立体40に結合される。すべての回転式要素32の最終位置が設定され、物品を搬送するためにスターホイール22を回転させることが望まれるときに、上部組立体40もまた回転するように、内部シャフト104は駆動シャフト36に結合され得る。
【0091】
高度調節システムの構成要素に関する多くの異なる構成が可能であるが、この場合、スターホイール22用の主駆動モータ26と歯車箱は、駆動シャフト36の軸Aから横方向に偏位され得る。主駆動モータ26は、駆動シャフト36に対して平行である出力シャフト98を有し得る。主駆動モータ26の出力シャフト98は、ベルト110などの任意の好適なリンクデバイスによって、駆動シャフト36に結合され得る。ベルトに対する代替形態の一例が、
図16に示すローラピニオン歯車システム112などの歯車システムである。そのようなローラピニオン歯車システムが、米国ミネソタ州バッドネハイツ(Vadnais Heights)のネクセングループ社(Nexen Group, Inc.)から入手可能である。この場合、駆動シャフト36は、ローラ歯車114の中心にある孔116を通過し、ローラ歯車114は駆動シャフト36に結合される。ピニオン歯車118は、主駆動モータ26のシャフト98に結合される。ベルトシステムが使用されるか、歯車システムが使用されるかにかかわらず、この偏位構成により、高度サーボモータ102と内部シャフト104は互いに整合し、また回転式要素32が回転する軸Aとの整合をなすことが可能となる。
【0092】
他の実施形態では、主駆動モータ26は、回転式要素が回転する軸Aに対して偏位する必要がない。そのような他の実施形態では、主駆動モータ26は、回転式要素32が回転する軸Aとの整合をなし得、高度サーボモータ102は、回転式要素32が回転する軸Aに対して横方向に偏位し得る。更に他の実施形態では、高度調節を内部シャフトによって行うのではなく、高度機構が外部の同心管によって始動され得る。例えば、回転デバイスは、外部の同心管の内側に配置された直結駆動シャフトを使用し得、この直結駆動シャフトは、底部で駆動モータ26に直結される一方の末端部分と、スターホイールの頂部に結合されるもう一方の末端部分とを有する。
【0093】
高度調節システムは、以下のように動作し得る。高度調節を行うことが望まれる場合、信号がコンピュータによって高度サーボモータ102に送られ得る。信号は、ボールねじ100を回すモータ102に起動するように命じる。ボールねじ100の直線運動が、回転継手区間部106を上又は下に押し、それによって内部シャフト104はシャフト36の内側で上又は下にスライドすることになる。これにより、上部組立体40が上昇又は下降する。この実施形態では、駆動シャフト36は、回転するのみであり、上及び下に移動はしない。ボールねじ100及び回転継手区間部106は、シャフト36が回転するときに回転しない。上部組立体40はしかしながら、駆動シャフト36が回転するとき、下部組立体42と一体となって回転する。上部組立体40の所望の高度が到達されると、高度サーボモータ102は電力を遮断され得る。これにより、上部組立体40の高度がロックされる。ボールねじ100は通常、逆転、つまり「逆行」しないので、上部組立体40を定位置にロックするために、別の機構は必要とされない。これが当てはまらない場合、任意選択のモータ遮断が適用され得る。
【0094】
ボールねじ機構100のピッチは比較的、微細となり得るので、ボールねじ100と高度サーボモータ102は、事実上、無限数の高度の微調節を行う能力を上部組立体40にもたらす。高度サーボモータ102を使用してボールねじ100を回すことにより、高度サーボモータ102が何回転したかを追跡し、ボールねじ100の周回ごとの高度変化がいかなるものかを把握することも可能となる。結果として、上部組立体40の高度は、高度サーボモータ102からのフィードバックのみを用いて判定され得る。望まれる場合、上部組立体40を「定」位置に復帰させることも可能である。これにより、スターホイールシステム20は、電力がオフにされるか、又は、ユニットが分解され、わずかに異なる位置で元に戻される場合でも、高度を追跡するための同じ開始点を有することが可能となる。
【0095】
図17〜21は、高度調節機構30の別の例を示している。この場合、高度変更は、
図19及び21に示す内部ねじ機構120によって達成される。上述したボールねじシステムの場合と同様に、内部ねじ機構120は、駆動シャフト36が中空管の形態をなし、内部ねじ機構120が駆動シャフト36の内部38に適合するための空間が存在するときに使用され得る。この場合、内部ねじ機構120は、別々のモータによってではなく、主駆動モータ26によって駆動される。上部組立体40は、内部ねじ120の上に装着され、ねじ120が一方向に回されるとき、上部組立体40は上向きに押される。ねじ120が反対の方向に回されると、上部組立体40は下向きに移動される。このシステムは、上部組立体40が2つ以上の内部ジブ(他の部品を定位置に保持するプレート)で定位置にロックされるがために上部組立体40が下部組立体42に対して回転しないように構成され得る。これらのジブは、上部組立体40を、下部組立体42に対して鉛直にスライドさせるが、回転はさせない。このねじ機構は、先の実施形態におけるボールねじ機構のように、長さに沿った高度の事実上、無限の調節性をもたらす。
【0096】
図17〜18は、高度調節プロセスが、外部構成要素と高度ロックシステムを用いて制御され得ることを示している。「外部構成要素」という用語は、その少なくとも一部分が駆動シャフト36の外面の外側に設置される構成要素を指す。
【0097】
高度調節システム30は、高度調節プロセスを開始する1つ以上の要素を備え得る。高度調節プロセスを開始する要素は、任意の好適な構成を有し得る。
図17、18、及び21は、そのような要素の非限定的な一例が、「フライパンハンドル」132を有する回転式「フライパンプレート」130の形態をなす高度調節開始構成要素であることを示している。フライパンハンドル132は、フライパンプレート130の本体から径方向外向きに延びる。フライパンハンドル132の遠位端部は、調節要素80に係合するための凹部134を中に有する。この例における回転式要素32の上部組立体40は、フライパンプレート130に結合される。高度開始構成要素、つまりフライパンプレート130は、外部構成要素と協働して、高度ロックシステムをロック解除することによって高度変更プロセスを開始する。
【0098】
図示の実施形態では、高度調節機構30の外部構成要素は、ポケットのサイズを設定するための回転調節機構28と類似しているか又は同じ機構を備え得る。特定の例では、回転調節機構28と高度変更システム30は、同じ構成要素のうちのいくつかを利用し得る。高度調節システムはしたがって、支持体82と調節要素80とを備え得る。他の例では、高度調節システム30のそのような構成要素のいずれかが、回転調節システム28の構成要素と異なってもよい。回転式要素32の高度の変更を開始するために、回転式要素32の回転の向きを変更するために使用される調節機構と同じ調節機構を使用する利点は、(別々の調節要素、別々のモータなどを有する必要性を排除するために)構成要素の数を低減することである。しかしながら、他の例では、高度変更は、単に高度を変更するだけの、別々のモータ、空気シリンダ、水圧ラムなどを備える別々の機構を用いて容易に達成され得る。このデバイスは、回転デバイス上に装着され得るか、あるいは回転デバイスから離れて装着されてもよい。高度調節機構30は、高度調節を開始するために調節要素80を固定高度において延出させ得る、単一の径方向作動型の空気圧シリンダを備え得る。このシステムでは、駆動モータのみが主駆動モータ26となる。
【0099】
高度ロックシステムが、
図17〜21に示す内部ねじ機構120を備える高度調節システムと共に使用されることが望ましくなり得る。主駆動モータ26はまた高度調節を行うためにも使用されるので、高度調節を行うためには、上部組立体40を駆動モータ26から係合解除(又は結合解除)することが必要となり得る。そのような例では、上部組立体40が駆動モータ26から係合解除された後、上部組立体40は、内部ねじ機構120を使用して所望の高度に移動される。上部組立体40は次いで、定位置にロックされ、駆動モータ26に再結合される。高度ロック機構はまた、(前述のボールねじの実施形態とは異なり)回転式要素32の高度をロック解除及びロックする能力を有しない任意の高度調節機構30と共に用いると有用となり得る。
【0100】
高度ロック機構は、任意の好適な機構であり得る。高度ロック機構は、次の機能、つまり、高度調節が可能となるように回転式要素32を結合解除又はロック解除すること、及び高度調節後に回転式要素32の位置を固定又はロックすることの1つ以上を実施し得る。高度変更機構はしたがって、回転式要素を回転させるための機構と選択的に係合可能となり得る。好適な高度ロック機構には、限定するものではないが、ばねクラッチ、ラチェットシステム、電磁クラッチ、油圧ピストン、及び空気シリンダが挙げられる。高度ロック機構があるタイプのクラッチを含む例では、高度ロック機構は「高度クラッチ」と呼ばれ得る。
【0101】
図17〜21に示す実施形態では、ばねクラッチシステム140が使用されている(
図20及び21を参照)。ばねクラッチは、任意の好適な構成をなし得る。ばねクラッチは、任意の好適な数のばねを設けられ得る。図示の例では、フライパンプレート130を定位置にロックし、フライパンプレートが回転することを防ぐために、6つの圧縮ばね142が使用されている。ばね142は、高度クラッチプレート144及び146を上向きに押して、それらが回転することを防止する。高度クラッチプレート144及び146は、任意の好適な構成を有し得る。好適な構成は、比較的高い摩擦係数を有する平滑なプレート、又は係合すると互いに対して回転しないように(歯などを用いて)互いにインターロックするように構成されたプレートを含む。4つの小さな空気シリンダ148が、下部クラッチプレート146に少なくとも間接的に結合される。クラッチプレート144及び146がプラスチックである場合、ばね142及び空気シリンダ148によって及ぼされる力を吸収するために、任意選択の補強プレート150が下部クラッチプレート146と空気シリンダとの間に配置され得る。空気が空気シリンダ148に加えられると、空気シリンダ148は、(ばねに打ち勝って)下部クラッチプレート146を上部クラッチプレート144から引き離し、それらのプレート間に空隙を形成する。フライパンプレート130は自在に回転するようになり、高度が調節され得る。
【0102】
(回転デバイスに高度ロック機構が設けられているとき)上部組立体40の高度を変更するための手順は次の通りである。調節要素80は、高度調節開始構成要素(この実施形態では「フライパンプレート」130である)と同じ高度に位するまで上昇される。スターホイール22は、フライパンハンドル132が調節要素80と整合するまで回転される。調節要素80は、フライパンハンドル132の凹部134が係合されるように延出される。調節要素80がフライパンハンドル132に係合するとき、調節要素80と通信するコンピュータプログラムが、ソレノイド弁に信号を送る。これにより、空気シリンダへの空気の供給が開始される。これが起こると、ばねクラッチシステム140が係合解除される。空気シリンダ148はクラッチプレート144と146とを引き離し、それによってフライパンプレート130及びねじ120は自在に回転するようになる。回転式要素32は回転されるが、調節要素80は、フライパンプレート130が回ることを防止する。これにより、ねじ120が組立体の残りに対して回転し、フライパンプレート130は上昇する(又は下向きに移動する)。調節要素80は、フライパンプレート130と係合した状態を維持するために、フライパンプレート130と共に上向き及び下向きに移動する。調節要素80が、高度変化よりも大きい厚さ(例えば鉛直方向の寸法)を有する場合、フライパンプレート130と係合した状態を維持するために調節要素80が上向き又は下向きに移動する必要なしに、フライパンハンドル132及びフライパンプレート130は単純に、調節要素80に沿ってスライドし得る。上部組立体40は、フライパンプレート130と結合され、それによって上向き(又は下向き)にも移動する。正確な高度が達成されると、空気シリンダ148への空気が放出され、ばね142は、クラッチプレート144と146とを再び互いに押し付けて、高度をロックする。調節要素80は次いで後退される。
【0103】
図17及び18に示すように、スターホイールコンベヤ22は、上部組立体40の高度を検知するための機構を更に備え得る。そのような検知機構152は、いくつかの状況下で有用となり得る。1つの状況は、高度変更機構30が上部組立体40の高度を正確に追跡しない場合である。もう1つの状況は、上部組立体40の高度が意図しない変化を受け、そのため、予測される高度に上部組立体40が位しないようになり得ることである。例えば、上部組立体40の高度が(メンテナンスのために手動で、又は大規模な機械的ジャムの間に)移動され得る場合、上部組立体40の高度は検出されることが必要となり得る。多数の代替的なタイプの高度検知機構が存在する。いくつかが以下の通りである。一例では、すべての回転式要素32の位置及び高度を側部から検出する3Dレーザスキャナが設けられ得る。別の例では、上部組立体40の高度及びフライパンハンドル132の向きを判定するために、超音波又はレーザスキャナがフライパンプレート130の上に固定され得る。別の例では、フライパンプレート130に物理的に接触し、次いでフライパンハンドル132の向きを検知するプローブが、フライパンプレートの上に装着され得る。
【0104】
高度調節機構30の多数の他の実施形態が考えられ、非限定的な数の実施形態が本明細書に記載されている。
【0105】
高度変更システム30は、空気駆動式か油圧作動式のいずれかであるピストンを備え得る。そのような作動システムは、例えば、2つ又は3つのピストンシステムの形態で設けられ得る。これは、ねじ機構のように、無限の調節性を有するものではないが、多くの用途に対して、無限の調節性は必要ではない。例えば、高度調節機構30は、高い物品(例えばボトル)と低い物品(ボトル)の設定を提供することのみを必要とし得る。そのようなシステムでは、上部組立体40は、高いボトルに対しては「上に」、低いボトルに対しては「下に」作動されるシリンダ上に装着され得る。
【0106】
高度調節機構が中に適合するように駆動シャフト36が構成されない(シャフト36が中実である場合など)他の実施形態では、他のタイプの高度調節機構30が使用され得る。そのような高度調節機構は、回転式要素32の高度を調節することが依然として可能であり、スターホイール22が動作しているときに回転式要素32をユニットとして回転させる機構を有することが望ましい。回転式要素32の高度は、シャフト36の内側に設置された機構によって調節されなくなるので、シャフト36の外側の場所から高度を調節する機構が用いられる。限定するものではないが、
図17及び18に示す外部構成要素及び高度ロックシステムを含めて、任意の好適な機構が用いられ得る。
【0107】
駆動モータ26及び任意の他のモータ(例えばボールねじモータ)は通常、電流によって給電される。ワイヤが、モータに給電するために、電流源からモータに電流を与え得る。一実施形態において、モータの位置は、制御装置によって制御される。モータ及び/又はディスクの位置のフィードバックをコントローラに伝送するために、付加的なワイヤが用いられ得る。モータを制御するためのシステムは、エンコーダ又はリゾルバなどの測定デバイスによって真のモータ位置のコントローラにフィードバックを提供する閉ループ制御システムの形式をなし得る。しかしながら、他の実施形態では、所望の位置は、位置フィードバックを伴わずに、ステッピングモータなどの開ループデバイスへ命令され得る。コンピュータ及び/又はコントローラが回転デバイスから離れて設置され得、モータと電気的に通信し得る。通信は、無線周波数、光、又は音を用いる無線手段によって、コンピュータとコントローラ又はモータとの間でも可能である。
【0108】
回転デバイスは、新たな形状及び/又はサイズの物品10に合わせて、手動で、少なくとも部分的に自動で、又は望まれる場合は完全に自動で調節され得る。例えば、コンピュータは、ダッソー・システムズ(Dassault Systems)から入手可能なSOLIDWORKS(商標)ソフトウェアなど、計算機援用設計(「CAD」)ソフトウェアプログラムを設けられ得るが、そのCADプログラムは、プログラムに入力された3次元の物品10のデジタル電子表現を有し得るものである。調節式スターホイール(又は他の回転デバイス)のデジタル電子表現もまたプログラムに入力され得る。物品のデジタル入力は、ディスク32の各々に対応する高さ又は高度における、3次元の物品10の寸法を含み得る。ディスク(又は他の回転式要素)の高度に関連する入力はまた、ディスクの高度が調節され得る任意の範囲内の、物品10の寸法を含み得る。ディスク32のデジタル電子表現の相対角度及び高度は、制御面72が物品10のデジタル電子表現と協働することを可能にし、CADソフトウェアにおいて物品を支持するためのポケット60を形成するように調節され得る。制御面72は、所望の動作クリアランスを設け、物品サイズにおける変動を補償するため、物品10の表面から所望の偏位寸法だけ離れるように調節され得る。実際のスターホイール22の回転式要素32の相対角度及び高度は次いで、回転式要素のデジタル電子表現の制御面及び高度の構成と一致するように、CADプログラムを操作する人員によってCADプログラム内で調節され得る。CADプログラムはしたがって、所望の物品の幾何学的形状を支持するようにポケット60を形成するために、CADプログラムを操作する人員によって使用されて、ディスク32の各々に対して必要な回転角度及び高度を判定し得る。
【0109】
コンピュータは、3次元の物品10の寸法に適応するようにポケット60を形成するため、モータ26などの調節機構を制御してスターホイールディスク32の各々の回転(又は角度)位置及び高度を調節する制御システムとの通信をなし得る。ディスクの「角度」位置とは、ディスクが初期の位置に対して回転される角度を指す。CADプログラムは、スターホイールディスク32の各々に対する位置のリストを表す番号の表又はリストを生成するためにも使用され得る。この位置のリストは、各ディスク32の位置を制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)にアップロードされるか又は手動(人間操作者などによって)で入力され得る。プログラマブルロジックコントローラは、電気機械プロセスの自動化のために使用されるデジタルコンピュータである。PLCは、分離したデバイスであってもよく、又はコンピュータに組み込まれてもよい。
【0110】
CADプログラムを使用して回転デバイス調節の設定を判定するプロセスは、更に自動化され得る。例えば、操作者は単純に、SOLIDWORKS(商標)又は他のソフトウェアにおいてマクロを使用してボトルのファイルをコンピュータに入力し得る。それに代わって、ボトルの幾何学的形状を検知するために、3Dスキャナが使用され得る。次いで、その幾何学的形状はCADプログラムにインポートされ得、CADプログラムは、回転式要素に対する設定を自動的に判定し得る。次いで、これらの設定はPLCに送られ、ラインは自動的に切り替えられ得る。そのようなプロセスでは、自動化されたプログラムが、自動的に正しい設定を判定し、ディスク32を回転させる。これは、操作者が電子的にスターホイール22とボトルのモデルを操作して、回転デバイスに対する正しい設定を判定するよりもはるかに迅速となり得る。
【0111】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙された正確な値に厳密に限定されるものとして理解すべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法は、列挙された値と、その値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するように意図されている。例えば、「90度」として開示された寸法は、「約90度」を意味することを意図する。
【0112】
本明細書の全体を通じて与えられるすべての最大の数値限界は、すべてのより小さい数値限界を、あたかもそのようなより小さい数値限界が本明細書に明示的に記載されているかのように含むことは理解すべきである。本明細書全体を通じて与えられるすべての下限数値は、すべてのより大きい下限数値を、あたかもそのような下限数値が本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。本明細書の全体を通じて与えられるすべての数値範囲は、すべてのより狭い数値範囲を、そのようなより広い数値範囲内に入るより狭いすべての数値範囲が、あたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。
【0113】
「発明を実施するための形態」の中で引用されたすべての文献は、関連部分において本明細書に参照により援用されている。いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
【0114】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲では、本発明の範囲内である上記のようなあらゆる変更及び修正を網羅するように意図されている。