特許第6301754号(P6301754)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6301754板材及びこれを備えた建設機械のアタッチメント並びにアタッチメントの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6301754
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】板材及びこれを備えた建設機械のアタッチメント並びにアタッチメントの製造方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/38 20060101AFI20180319BHJP
【FI】
   E02F3/38 A
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-131277(P2014-131277)
(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公開番号】特開2016-8472(P2016-8472A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】山口 拓則
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 伸志
(72)【発明者】
【氏名】福田 智宙
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0021264(US,A1)
【文献】 特開2013−006215(JP,A)
【文献】 特開2004−136311(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/144037(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0078072(US,A1)
【文献】 特開平11−021939(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/001211(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/38
B23K 31/00−31/02
B23K 31/10−33/00
B23K 37/00−37/08
C21D 7/00−8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向に対向する一対の板材と、前記板材の第一縁部同士を連結する第一連結部材と、前記第一縁部と反対側の前記板材の第二縁部同士を連結する第二連結部材とを有し、前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントを製造するために、前記第一連結部材及び前記第二連結部材に溶接される前記板材であって、
前記板材は、複数の板材片と、第一縁板片と、を有し、前記複数の板材片が前記軸方向に沿って一列に配置された状態で前記複数の板材片のうちの互いに隣接するもの同士が溶接されているとともに前記第一縁板片が前記複数の板材片の全てに亘って当該複数の板材片の縁部に固定されていることにより構成されたものであり
前記複数の板材片の少なくとも1つには、前記板材片同士の溶接部に沿って少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部が設けられており、
前記第一縁板片は、前記板材において前記第一縁板片と前記第一連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する、板材。
【請求項2】
前記第一縁板片は、前記複数の板材片の縁部に溶接され、
前記複数の板材片には、前記第一縁板片と前記複数の板材片との溶接部に沿って縁側ピーニング処理部が設けられており、
前記第一縁板片は、前記板材において前記第一縁板片と前記第一連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記縁側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する、請求項1に記載の板材。
【請求項3】
前記第一縁板片の厚みは、前記複数の板材片の厚みよりも大きい、請求項1又は2に記載の板材。
【請求項4】
前記複数の板材片は、当該複数の板材片の厚み方向の両側位置に形成された隅肉溶接部によって前記第一縁板片に溶接されている、請求項3に記載の板材。
【請求項5】
前記板材は、前記複数の板材片の全てに亘って当該複数の板材片の縁部に固定されているとともに前記板材の第二縁部を構成する第二縁板片をさらに備え、
前記第二縁板片は、前記板材において前記第二縁板片と前記第二連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の板材。
【請求項6】
軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントであって、
前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向に対向する一対の板材と、
前記板材の第一縁部同士を連結するように前記第一縁部に溶接された第一連結部材と、
前記板材の第二縁部同士を連結するように前記第二縁部に溶接された第二連結部材とを備え、
前記一対の板材の各々は、請求項1〜5の何れ1項に記載の板材である、建設機械のアタッチメント。
【請求項7】
軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向に対向する一対の板材と、前記板材の第一縁部同士を連結する第一連結部材と、前記第一縁部と反対側の前記板材の第二縁部同士を連結する第二連結部材とを有し、前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントを製造するための方法であって、
複数の板材片を前記軸方向に沿って一列に配置した状態で前記複数の板材片のうちの互いに隣接するもの同士を溶接するとともに、前記板材の第一縁部を構成するための第一縁板片を前記複数の板材片の全てに亘って当該複数の板材片の縁部に固定することにより、前記一対の板材の各々を準備する準備工程と、
前記一対の板材の各々に対し、前記板材片同士の溶接部に沿って少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部を前記複数の板材片の少なくとも1つに形成する処理施工工程と、
前記処理施工工程後の前記一対の板材の第一縁部同士を連結するように前記第一縁部に前記第一連結部材を溶接するとともに、前記一対の板材の第二縁部同士を連結するように前記第二縁部に前記第二連結部材を溶接する溶接工程とを含み、
前記準備工程では、前記板材において前記第一縁板片と前記第一連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する前記第一縁板片を準備する、建設機械のアタッチメントの製造方法。
【請求項8】
前記準備工程では、前記第一縁板片を前記複数の板材片の縁部に溶接し、
前記処理施工工程では、前記第一縁板片と前記複数の板材片との溶接部に沿って前記複数の板材片に縁側ピーニング処理部を形成し、
前記第一縁板片は、前記板材において前記第一縁板片と前記第一連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記縁側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する、請求項7に記載の建設機械のアタッチメントの製造方法。
【請求項9】
前記準備工程では、前記複数の板材片の厚みよりも大きな厚みを有する前記第一縁板片を準備する、請求項7又は8に記載の建設機械のアタッチメントの製造方法。
【請求項10】
前記準備工程では、前記複数の板材片の厚み方向の両側位置で、当該複数の板材片と前記第一縁板片とを隅肉溶接する、請求項9に記載の建設機械のアタッチメントの製造方法。
【請求項11】
前記準備工程では、前記板材の第二縁部を構成するための第二縁板片を前記複数の板材片の全てに亘って当該複数の板材片の縁部に固定し、
前記第二縁板片は、前記板材において前記第二縁板片と前記第二連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する、請求項7〜10の何れか1項に記載の建設機械のアタッチメントの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の機体に対して変位可能に取り付けられるアタッチメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、軸方向に延びるとともに軸方向と直交する方向において閉断面を有するアタッチメントが知られている。
【0003】
アタッチメントは、軸方向に延びるとともに軸方向と直交する方向に対向する一対の板材と、板材の第一縁部同士を連結するための第一連結部材と、第一縁部と反対側の第二縁部同士を連結するための第二連結部材とを有する。
【0004】
この種のアタッチメントにおいて、両板材は、アタッチメントの強度及び剛性の確保、並びにアタッチメントの軽量化を目的として軸方向に複数の板材片に分割され、これらの板材片同士が溶接されることにより板材が製造される。
【0005】
例えば、特許文献1に記載のブーム(アタッチメント)は、軸方向に延びる左右一対のウェブ板(板材)と、上及び下のフランジ板(第一連結部材及び第二連結部材)とを備えている。ウェブ板の各々は、軸方向に溶接された第1〜第5ウェブ材(板材片)によって構成されている。
【0006】
また、特許文献1に記載のブームは、次のような方法で製造される。
【0007】
まず、第1〜第5ウェブ材を軸方向に順次突合せ溶接することによりウェブ板を製造する。このように製造されたウェブ板を一対準備し、当該一対のウェブ板が対向した状態で当該ウェブ板同士を連結するようにウェブ板の上縁部に上のフランジ板を溶接する。次いで、ウェブ板同士を連結するようにウェブ板の下縁部に下のフランジ板を溶接する。
【0008】
しかし、上述のように複数の板材片を溶接することによって板材を製造する場合、板材片における溶接部の止端部近傍の疲労強度が低下し、アタッチメントの変形時、特に軸方向と直交する方向の曲げ変形時にアタッチメントの強度が不足するという問題がある。
【0009】
これを解決するために、溶接後の板材片に対し、疲労強度を向上するためにピーニング処理が施されることがある。ピーニング処理は、板材片に対して圧縮残留応力を導入するための処理である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2012/144037号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、ピーニング処理が施された両板材には、上述のように、その後、第一連結部材及び第二連結部材が溶接される。
【0012】
この溶接時の熱は、板材片における第一連結部材又は第二連結部材の近傍の範囲に伝達し、この熱によって板材片が焼きなまされることにより当該板材片に導入された圧縮残留応力が開放されてしまう。
【0013】
この場合、ピーニング処理による疲労強度向上の効果が板材片から消失し、板材の強度が低下してしまう。
【0014】
本発明の目的は、連結部材への溶接時における強度低下を抑制することができる板材及びこれを備えた建設機械のアタッチメント並びに板材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明は、軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向に対向する一対の板材と、前記板材の第一縁部同士を連結する第一連結部材と、前記第一縁部と反対側の前記板材の第二縁部同士を連結する第二連結部材とを有し、前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントを製造するために、前記第一連結部材及び前記第二連結部材に溶接される前記板材であって、前記板材は、複数の板材片と、第一縁板片と、を有し、前記複数の板材片が前記軸方向に沿って一列に配置された状態で前記複数の板材片のうちの互いに隣接するもの同士が溶接されているとともに前記第一縁板片が前記複数の板材片の全てに亘って当該複数の板材片の縁部に固定されていることにより構成されたものであり、前記複数の板材片の少なくとも1つには、前記板材片同士の溶接部に沿って少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部が設けられており、前記第一縁板片は、前記板材において前記第一縁板片と前記第一連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する、板材を提供する。
【0016】
また、本発明は、軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向に対向する一対の板材と、前記板材の第一縁部同士を連結する第一連結部材と、前記第一縁部と反対側の前記板材の第二縁部同士を連結する第二連結部材とを有し、前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントを製造するための方法であって、複数の板材片を前記軸方向に沿って一列に配置した状態で前記複数の板材片のうちの互いに隣接するもの同士を溶接するとともに、前記板材の第一縁部を構成するための第一縁板片を前記複数の板材片の全てに亘って当該複数の板材片の縁部に固定することにより、前記一対の板材の各々を準備する準備工程と、前記一対の板材の各々に対し、前記板材片同士の溶接部に沿って少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部を前記複数の板材片の少なくとも1つに形成する処理施工工程と、前記処理施工工程後の前記一対の板材の第一縁部同士を連結するように前記第一縁部に前記第一連結部材を溶接するとともに、前記一対の板材の第二縁部同士を連結するように前記第二縁部に前記第二連結部材を溶接する溶接工程とを含み、前記準備工程では、前記板材において前記第一縁板片と前記第一連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する前記第一縁板片を準備する、建設機械のアタッチメントの製造方法を提供する。
【0017】
本発明によれば、第一連結部材と板材片との間に第一縁板片が介在することにより、第一縁板片と第一連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる板材の領域に板材片側ピーニング処理部を配置することができる。
【0018】
図6に示すように、ピーニング処理の効果は、第一連結部材との溶接時に板材においてピーニング処理が施された部分の温度が400℃を超えると、急激に低下することが確認されている。
【0019】
そのため、本発明によれば、板材片側ピーニング処理部により板材片同士の溶接部において板材の疲労強度を向上することができるとともに、この疲労強度の向上効果が第一連結部材の溶接時に低下するのを抑制することができる。
【0020】
したがって、板材片側ピーニング処理部による板材片の疲労強度の向上効果を有効利用することにより、適所に配置される板材片を薄くしてアタッチメントの軽量化を図るという所期の目的を達成することができる。
【0021】
ここで、第一縁板片が複数の板材片に溶接される場合、上記のように薄く形成された板材片の第一縁板片との溶接部において疲労強度が不足するおそれがある。
【0022】
そこで、前記板材において、前記第一縁板片は、前記複数の板材片の縁部に溶接され、前記複数の板材片には、前記第一縁板片と前記複数の板材片との溶接部に沿って縁側ピーニング処理部が設けられており、前記第一縁板片は、前記板材において前記第一縁板片と前記第一連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記縁側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有することが好ましい。
【0023】
また、前記アタッチメントの製造方法において、前記準備工程では、前記第一縁板片を前記複数の板材片の縁部に溶接し、前記処理施工工程では、前記第一縁板片と前記複数の板材片との溶接部に沿って前記複数の板材片に縁側ピーニング処理部を形成し、前記第一縁板片は、前記板材において前記第一縁板片と前記第一連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記縁側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有することが好ましい。
【0024】
これらの態様によれば、縁側ピーニング処理部によって板材片における第一縁板片に対する溶接部の疲労強度を向上することができるとともに、縁側ピーニング処理部による疲労強度向上の効果を第一縁板片と第一連結部材との溶接後においても維持することができる。
【0025】
したがって、板材片の薄さを維持しながら当該板材片における第一縁板片に対する溶接部の疲労強度も十分に確保することができる。
【0026】
ここで、第一縁板片の厚みは板材片の厚みと同等又はこれよりも小さくすることもできるが、この場合、板材に曲げ方向の荷重が与えられたときに第一縁板片に生じる応力が大きくなり、第一縁板片における第一連結部材に対する溶接部の疲労強度が不足するおそれがある。
【0027】
そこで、前記板材において、前記第一縁板片の厚みは、前記複数の板材片の厚みよりも大きいことが好ましい。
【0028】
また、前記建設機械のアタッチメントの製造方法において、前記準備工程では、前記複数の板材片の厚みよりも大きな厚みを有する前記第一縁板片を準備することが好ましい。
【0029】
これらの態様によれば、板材に曲げ方向の荷重が与えられたときに第一縁板片に生じる応力を低減することができるので、第一縁板片における第一連結部材に対する溶接部の疲労強度の不足を抑制することができる。
【0030】
したがって、第一縁板片における第一連結部材に対する溶接部に疲労強度を向上処理するための処理(例えば、ピーニング処理)を施す手間を軽減することができる。
【0031】
前記板材において、前記複数の板材片は、当該複数の板材片の厚み方向の両側位置に形成された隅肉溶接部によって前記第一縁板片に溶接されていることが好ましい。
【0032】
また、前記建設機械のアタッチメントの製造方法において、前記準備工程では、前記複数の板材片の厚み方向の両側位置で、当該複数の板材片と前記第一縁板片とを隅肉溶接することが好ましい。
【0033】
これらの態様によれば、板材に曲げ方向の荷重が与えられた場合に当該板材に生じる引張応力及び圧縮応力を板材片の厚み方向の両側位置に設けられた隅肉溶接部によって確実に支持することができるため、第一縁板片と板材片とを確実に固定することができる。
【0034】
ここで、前記板材は、前記複数の板材片の全てに亘って当該複数の板材片の縁部に固定されているとともに前記板材の第二縁部を構成する第二縁板片をさらに備え、前記第二縁板片は、前記板材において前記第二縁板片と前記第二連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有することが好ましい。
【0035】
また、前記建設機械のアタッチメントの製造方法において、前記準備工程では、前記板材の第二縁部を構成するための第二縁板片を前記複数の板材片の全てに亘って当該複数の板材片の縁部に固定し、前記第二縁板片は、前記板材において前記第二縁板片と前記第二連結部材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記少なくとも1つの板材片側ピーニング処理部を配置することができる大きさを有することが好ましい。
【0036】
これらの態様によれば、第二連結部材と板材片との間に第二縁板片が介在することにより、第二縁板片と第二縁板片との溶接時の温度が400℃以下となる板材の領域に板材片側ピーニング処理部を配置することができる。
【0037】
そのため、第一連結部材側だけではなく第二連結部材側についても板材片側ピーニング処理部による板材の疲労強度の向上効果が低下するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、連結部材への溶接時における強度低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の第1実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を示す側面図である。
図2図1に示すブームの側面図である。
図3図2に示すブームの一部を拡大して示す側面図である。
図4図3のIV−IV線断面図である。
図5図4の一部を拡大して示す断面図である。
図6】連結部材の溶接前のピーニング処理部における側板の硬度に対する連結部材の溶接後のピーニング処理部における側板の硬度の比率を示すグラフである。
図7】本発明の第2実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0041】
<第1実施形態(図1図6)>
図1を参照して、本発明の実施形態に係る油圧ショベル1は、一対のクローラ2aを有する下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3に対して変位可能に取り付けられた作業機4とを備えている。
【0042】
作業機4は、上部旋回体3に対して上げ下げ可能に取り付けられたブーム(アタッチメント)5と、ブーム5の先端部に対して回転可能に取り付けられたアーム6と、アーム6の先端部に対して回転可能に取り付けられたバケット7とを備えている。
【0043】
また、作業機4は、上部旋回体3に対してブーム5を上げ下げ駆動するブームシリンダ8と、ブーム5に対してアーム6を回転駆動するアームシリンダ9と、アーム6に対してバケット7を回転駆動するバケットシリンダ10とを備えている。
【0044】
図2及び図4を参照して、ブーム5は、軸方向D1に延びるとともに軸方向D1と直交する方向において閉断面を有する。なお、軸方向D1は、側面視(図2)においてブーム5の高さ範囲(後述する第一連結部材13と第二連結部材12との間の範囲)の中央を通る軸線に沿った方向である。
【0045】
具体的に、ブーム5は、軸方向D1に延びるとともに軸方向D1と直交する方向に対向する一対の側板(板材)11と、側板11の第一縁部(図の下縁部)同士を連結する第一連結部材13と、側板11の第二縁部(図の上縁部)同士を連結する第二連結部材12と、ブームシリンダ8の先端部を取り付けるためのボス14と、アームシリンダ9の基端部を取り付けるためのブラケット15とを備えている。
【0046】
ボス14は、当該ボス14が両側板11を貫通した状態で両側板11に固定(溶接)されている。ブラケット15は、第二連結部材12の外側面に固定(溶接)されている。ボス14は、軸方向D1においてブラケット15よりもブーム5の基端側に配置されている。
【0047】
両側板11は同様の構成を有するため、以下、一方の側板11について説明し、他方の側板11の説明を省略する。
【0048】
図2に示すように、側板11は、軸方向D1に溶接された4枚の側板片(板材片)16〜19と、側板片16〜19の両縁部の各々に固定された縁板片20、21とを備えている。
【0049】
側板片16〜19は、軸方向D1に沿って一列に配置されているとともに、側板片16〜19の互いに隣接するもの同士が溶接されている。具体的に、側板片16の先端部と側板片17の基端部とが互いに突合せ溶接され、側板片17の先端部と側板片18の基端部とが互いに突合せ溶接され、側板片18の先端部と側板片19の基端部とが互いに突合せ溶接されている。側板片16と側板片17との境界線(溶接線W1)は、ブーム5におけるボス14よりも基端側の位置に設けられている。側板片17と側板片18との境界線(溶接線W2)は、ブーム5におけるボス14よりも先端側の位置に設けられている。側板片18と側板片19との境界線(溶接線W3)は、ブーム5における溶接線W2の先端側の位置に設けられている。以下、溶接線W1〜W3のうちの主に溶接線W2に関する構成について説明する。
【0050】
図3及び図4を参照して、側板片18は、ブーム5の軽量化を図るために後述する側板片17よりも薄い板材によって構成されている。側板片18には、当該側板片18の疲労強度を向上するために側板片側ピーニング処理部(板材片側ピーニング処理部)R1が溶接線W2に沿って設けられている。なお、ピーニング処理部とは、ピーニング処理によって側板片16〜19において圧縮残留応力が導入された部分を意味する。後述する縁側ピーニング処理部についても同様である。
【0051】
縁板片21は、側板片16〜19の全てに亘って当該側板片16〜19の縁部(図の下縁部)に固定されているとともに側板11の第一縁部(図の下縁部)を構成する(以下、縁板片21を第一縁板片21ともいう)。
【0052】
具体的に、第一縁板片21の厚みは、側板片16〜19の厚みよりも大きく設定されている。第一縁板片21の端面(図の上端面)は、側板片16〜19の厚み方向の両側位置に設けられた隅肉溶接部W6、W7によって当該側板片16〜19の端面(図の下端面)に溶接されている。また、側板片16〜19の両側面には、当該側板片16〜19の疲労強度を向上するための縁側ピーニング処理部R4、R5が隅肉溶接部W6、W7に沿って設けられている。
【0053】
一方、縁板片20は、側板片16〜19の全てに亘って当該側板片16〜19の縁部(図の上縁部)に固定されているとともに側板11の第二縁部(図の上縁部)を構成する(以下、縁板片20を第二縁板片20ともいう)。
【0054】
具体的に、第二縁板片20の厚みは、側板片16〜19の厚みよりも大きく設定されている。第二縁板片20の端面(図の上端面)は、側板片16〜19の厚み方向の両側位置に設けられた隅肉溶接部W4、W5によって当該側板片16〜19の端面(図の上端面)に溶接されている。また、側板片16〜19の両側面には、当該側板片16〜19の疲労強度を向上するための縁側ピーニング処理部R2、R3が隅肉溶接部W4、W5に沿って設けられている。
【0055】
このように構成された一対の側板11の第一縁部の端面(図の下端面)は、隅肉溶接部W9によって第一連結部材13の端面(図の上端面)に溶接されている。一方、一対の側板11の第二縁部の端面(図の上端面)は、隅肉溶接部W8によって第二連結部材12の端面(図の下端面)に溶接されている。これにより、軸方向D1と直交する方向において閉断面を有するブーム5が形成されている。
【0056】
ここで、側板11に対する連結部材12、13の溶接時の熱は、側板11における両連結部材12、13の近傍の範囲に伝達される。この熱が所定温度以上になると、ピーニング処理による側板11の疲労強度向上の効果が急激に減少する。以下、図6を参照して、ピーニング処理に対する熱影響について説明する。
【0057】
図6は、連結部材12、13の溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度と、連結部材12、13の溶接後のピーニング処理部における側板11の硬度との比率を示すグラフである。なお、硬度及び疲労強度は、高強度鋼を除き、一般に比例する関係にあるため、図6において側板11の硬度を比較することにより当該側板11の疲労強度の比率を確認することができる。
【0058】
図6においては、連結部材12、13の溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度が基準(100%)として設定されている。ピーニング処理部における側板11の硬度は、ピーニング処理前の側板11の硬度に対し約5%向上している。
【0059】
また、連結部材12、13の溶接時に100℃以上400℃以下となるピーニング処理部における側板11の硬度は、連結部材12、13の溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度以上の硬度を維持している。ここで、連結部材12、13の溶接時に200℃以上400℃以下となるピーニング処理部における側板11の硬度が連結部材12、13の溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度を超えている理由は、側板11にひずみ時効が生じているためであると考えられる。
【0060】
一方、連結部材12、13の溶接時に500℃以上となるピーニング処理部における側板11の硬度は、連結部材12、13の溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度よりも低くなっている。
【0061】
そこで、図3及び図4に示されるピーニング処理部R1〜R5は、連結部材12、13の溶接時に側板11において温度が400℃以下となる領域に設けられている。
【0062】
具体的に、図5に示すように、第一連結部材13と第一縁板片21との間の隅肉溶接部W9の止端部から予め設定された距離K1だけ離れた領域に側板片側ピーニング処理部R1(図3参照)及び縁側ピーニング処理部R4、R5が配置されるように第一縁板片21の幅寸法(図の上下寸法)が設定されている。なお、距離K1は、隅肉溶接部W9の止端部から、側板11において第一連結部材13の溶接時に400℃以下となる位置として予め特定された位置までの距離である。同様に、側板片側ピーニング処理部R1(図3参照)及び縁側ピーニング処理部R2、R3は、第二連結部材12と第二縁板片20との間の隅肉溶接部W8から予め設定された距離K1だけ離れた領域に設けられている。
【0063】
以下、図2図4を参照して、ブーム5の製造方法について説明する。
【0064】
まず、一対の側板11を準備する(準備工程)。
【0065】
具体的に、準備工程では、側板片16〜19を軸方向D1に沿って一列に配置するとともに、この状態で、側板片16〜19のうちの互いに隣接するもの同士を溶接する。次いで、上述した第一縁板片21及び第二縁板片20を準備する。そして、第一縁板片21を全ての側板片16〜19に亘って当該側板片16〜19の縁部(図の下縁部)に対し隅肉溶接部W6、W7により溶接する。また、第二縁板片20を全ての側板片16〜19に亘って当該側板片16〜19の縁部(図の上縁部)に対し隅肉溶接部W4、W5により溶接する。
【0066】
次に、準備工程で準備された側板11に対してピーニング処理を施す(処理施工工程)。
【0067】
処理施工工程では、側板片17、18同士の溶接部(溶接線W2)に沿って側板片側ピーニング処理部R1を形成するとともに、隅肉溶接部W4、W6に沿って側板片16〜19に縁側ピーニング処理部R2、R4を形成する。また、隅肉溶接部W5、W7に沿って側板片16〜19に縁側ピーニング処理部R3、R5を形成する。
【0068】
次に、処理施工工程後の側板11の第一縁部(図の上縁部)同士を連結するように第一縁部に第一連結部材13を溶接するとともに、側板11の第二縁部(図の下縁部)同士を連結するように第二縁部に第二連結部材12を溶接する(溶接工程)。

【0069】
この溶接工程では、連結部材12、13の溶接時の熱が側板11に伝達するが、両縁板片20、21によって溶接時に400℃以下となる側板11の領域にピーニング処理部R1〜R5が配置されているため、側板11の疲労強度の向上効果を維持することができる。
【0070】
以上説明したように、連結部材12、13と側板片16〜19との間に縁板片20、21が介在することにより、縁板片20、21と連結部材12、13との溶接時の温度が400℃以下となる側板11の領域に側板片側ピーニング処理部R1を配置することができる。
【0071】
図6に示すように、ピーニング処理の効果は、連結部材12、13との溶接時に側板11においてピーニング処理が施された部分の温度が400℃を超えると、急激に低下することが確認されている。
【0072】
そのため、側板片側ピーニング処理部R1により側板片16〜19同士の溶接部において側板11の疲労強度を向上することができるとともに、この疲労強度の向上効果が連結部材12、13の溶接時に低下するのを抑制することができる。
【0073】
したがって、側板片側ピーニング処理部R1による側板片16〜19の疲労強度の向上効果を有効利用することにより、適所に配置される側板片16〜19を薄くしてブーム5の軽量化を図るという所期の目的を達成することができる。
【0074】
また、第1実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
【0075】
第1実施形態によれば、縁側ピーニング処理部R2〜R5によって側板片16〜19における縁板片20、21に対する溶接部の疲労強度を向上することができるとともに、縁側ピーニング処理部R2〜R5による疲労強度向上の効果を縁板片20、21と連結部材12、13との溶接後においても維持することができる。
【0076】
したがって、側板片16〜19の薄さを維持しながら当該側板片16〜19における縁板片20、21に対する溶接部の疲労強度も十分に確保することができる。
【0077】
第1実施形態によれば、縁板片20、21の厚みが側板片16〜19の厚みよりも大きいため、側板11に曲げ方向の荷重が与えられたときに縁板片20、21に生じる応力を低減することができる。これにより、縁板片20、21における連結部材12、13に対する溶接部の疲労強度の不足を抑制することができる。
【0078】
具体的に、ブーム5を上下方向に曲げる方向の荷重が当該ブーム5に与えられると、図4に示すブーム5の断面において、両連結部材12、13が互いに近づき、かつ、両側板11の中央部が互いに離れるようにブーム5が変形しようとする。この際、両側板11には曲げ方向の力が与えられるが、上述のように縁板片20、21の厚みが側板片16〜19の厚みよりも大きくすることにより、縁板片20、21における連結部材12、13に対する溶接部の疲労強度の不足を抑制することができる。
【0079】
したがって、縁板片20、21における連結部材12、13に対する溶接部に疲労強度を向上処理するための処理(例えば、ピーニング処理)を施す手間を軽減することができる。
【0080】
ここで、上記のように側板11に曲げ方向の荷重が与えられた場合、側板11の厚み方向の一方側(ブーム5の閉断面の内側)には引張応力が生じるとともに側板11の厚み方向の他方の側(ブーム5の閉断面の外側)には圧縮応力が生じる。
【0081】
そこで、第1実施形態のように、側板片16〜19がその厚み方向の両側に形成された隅肉溶接部W4〜W7によって縁板片20、21に溶接されていることにより、隅肉溶接部W4〜W7によって側板11に生じる引張応力及び圧縮応力を確実に支持することができる。これにより、縁板片20、21と側板片16〜19とを確実に固定することができる。
【0082】
<第2実施形態(図7)>
第1実施形態に係るブーム5では、縁板片20、21の厚みが側板片16〜19の厚みよりも大きく設定されているが、縁板片の厚みは側板片16〜19の厚みと同等又はこれよりも小さくすることもできる。
【0083】
図7に示す第2実施形態に係るブーム5において、第一縁板片22は、側板片16〜19の厚みと同等の厚みを有している。第一縁板片22は、側板片16〜19(図7では側板片17のみを示す)に対して突合せ溶接部W10によって溶接されている。
【0084】
第2実施形態では、第1実施形態と比較して第一縁板片22の厚みが小さくされているため、側板11に曲げ方向の荷重が与えられたときに第一縁板片22に生じる応力が大きくなる。
【0085】
そこで、第一縁板片22の両側面には、突合せ溶接部W10に沿ってピーニング処理部R6、R7が設けられている。これにより、第一縁板片22の疲労強度を向上することができる。
【0086】
また、側板片16〜19(図7では側板片17のみを示す)の両側面には、縁側ピーニング処理部R8、R9が設けられている。これにより、側板片16〜19の疲労強度も向上することができる。
【0087】
そして、ピーニング処理部R6〜R9は、連結部材13の溶接時に側板11において温度が400℃以下となる領域に設けられている。
【0088】
具体的に、第一連結部材13と第一縁板片22との間の隅肉溶接部W9の止端部から予め設定された距離K1だけ離れた領域にピーニング処理部R6〜R9が配置されるように第一縁板片22の幅寸法(図の上下寸法)が設定されている。
【0089】
これにより、第一連結部材13の溶接後においてもピーニング処理部R6〜R9による疲労強度向上の効果を維持することができる。
【0090】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、例えば、次の態様を採ることもできる。
【0091】
前記実施形態では、ブーム5の側方に向く側板11を板材の一例として説明したが、板材は側方を向くものに限定されず、例えば、上又は下に向くものであってもよい。
【0092】
前記実施形態において、側板片側ピーニング処理部R1は、溶接線W2に沿って側板片18に形成されているが、側板片17に形成されていてもよい。ただし互いに隣接する側板片のうちの厚みの小さいものに側板片側ピーニング処理部が設けられていることが好ましい。
【0093】
また、側板片16、17の少なくとも一方に溶接線W1に沿って側板片側ピーニング処理部を設けることもでき、側板片18、19の少なくとも一方に溶接線W3に沿って側板片側ピーニング処理部を設けることもできる。
【0094】
前記実施形態では、側板片16〜19の第一縁部及び第二縁部に縁板片が設けられている例について説明したが、第一縁部又は第二縁部のみに縁板片が設けられていてもよい。
【0095】
ただし、少なくとも側板11(ブーム5)の下側に位置する第一縁部に第一縁板片が設けられていれば、以下の効果を得ることができる。
【0096】
油圧ショベル1による掘削作業を行う場合、ブーム5には、当該ブーム5の先端部が上向きに変位するような曲げ変形が生じる。この曲げ変形により、側板11の第一連結部材13との溶接部近傍には側板11の第二連結部材12との溶接部近傍と比較して大きな引張応力が発生する。この場合、前記引張応力は、側板片16〜19同士の溶接個所に対して不利に働き、ブーム5の寿命を短くするおそれがある。そこで、側板11の下側に第一縁板片を設けることにより、側板片16〜19同士の溶接個所の下端部まで確実にピーニング処理による疲労強度向上効果を発揮させることができるため、ブーム5の寿命を延ばすことができる。
【0097】
前記実施形態では、図面における側板11の上縁部を第一縁部とし、図面における側板11の下縁部を第二縁部として説明したが、第一縁部及び第二縁部の向きは限定されない。
【0098】
本発明のアタッチメントは、ブーム5に限定されない。例えば、アーム6をアタッチメントとして製造することもできる。
【符号の説明】
【0099】
D1 軸方向
R1 側板片側ピーニング処理部(板材片側ピーニング処理部の一例)
R2〜R5、R8、R9 縁側ピーニング処理部
W1〜W3 溶接線(側板片同士の溶接部の一例)
W4〜W7 隅肉溶接部(側板片と縁板片との溶接部の一例)
W8、W9 隅肉溶接部(側板と連結部材との溶接部の一例)
W10 突合せ溶接部(側板片と縁板片との溶接部の一例)
1 油圧ショベル(建設機械の一例)
5 ブーム(アタッチメントの一例)
11 側板(板材の一例)
12 第二連結部材
13 第一連結部材
16〜19 側板片
20 第二縁板片
21、22 第一縁板片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7