特許第6301774号(P6301774)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6301774
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】ガスタービン燃焼器
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20180319BHJP
   F02C 7/232 20060101ALI20180319BHJP
【FI】
   F23R3/28 B
   F23R3/28 D
   F02C7/232 B
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-157350(P2014-157350)
(22)【出願日】2014年8月1日
(65)【公開番号】特開2016-35336(P2016-35336A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2017年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 理
(72)【発明者】
【氏名】和田山 芳英
(72)【発明者】
【氏名】苅宿 充博
(72)【発明者】
【氏名】百々 聡
(72)【発明者】
【氏名】八木 宣夫
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−014297(JP,A)
【文献】 特開2011−058775(JP,A)
【文献】 特開2014−013100(JP,A)
【文献】 特開2014−020353(JP,A)
【文献】 特開2013−245936(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0071377(US,A1)
【文献】 特開昭56−071595(JP,A)
【文献】 特開昭54−069537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/028
F02C 7/232
F23R 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を供給する複数の燃料ノズルと、これらの燃料ノズルの端部を構造的に支持して上流側から流入する燃料を該燃料ノズルに配分する役割を担う燃料ノズルプレートと、燃焼用空気を供給する複数の空気孔を有する空気孔プレートから構成したバーナを備えたガスタービン燃焼器において、
燃料ノズルプレートに燃料ノズルを挿入する燃焼ノズル取り付け用孔を形成し、
燃料ノズルプレートと、燃焼ノズル取り付け用孔に挿入された燃料ノズルとを、この燃料ノズルプレートの上流側から接合して接合部を形成し、
燃料ノズルプレートに形成された燃料ノズルを挿入する燃焼ノズル取り付け用孔の内面と前記燃焼ノズル取り付け用孔に挿入された燃料ノズルの外面との間に燃焼振動の発生によって両者が接触する隙間を形成し、
燃料ノズルと燃焼ノズル取り付け用孔との接触に伴って摩擦力を発生させて前記燃料ノズルに作用する振動を減衰するように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項2】
請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
燃料ノズルプレートに設けた燃焼ノズル取り付け用孔に挿入された燃料ノズルのうち、燃料ノズルプレートの燃焼ノズル取り付け用孔の内部に位置する前記燃料ノズルの上流側部分の外径が、前記燃料ノズルの下流側部分の外径に対して大径となるように形成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項3】
請求項2に記載のガスタービン燃焼器において、
燃料ノズルプレートに設けられた燃料ノズルを挿入する燃焼ノズル取り付け用孔のうち、前記燃焼ノズル取り付け用孔の上流側部分の内径が、前記燃焼ノズル取り付け用孔の下流側部分の内径に対して大径となるように形成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項4】
請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
燃焼ノズルの上流側端部に、燃料ノズルプレートに設けた燃料ノズルを挿入する燃焼ノズル取り付け用孔の内径よりも大きい外径を有するフランジを設けるように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項5】
請求項3に記載のガスタービン燃焼器において、
燃料ノズルプレートに設けられた燃料ノズルを挿入する燃焼ノズル取り付け用孔のうち、前記燃焼ノズル取り付け用孔の上流側部分の内径が前記燃焼ノズル取り付け用孔の下流側部分の内径に対して大径となるように構成した第一の段差部を設けると共に、燃焼ノズル取り付け用孔に挿入された前記燃料ノズルの上流側部分の外形が前記燃料ノズルの下流側部分の外径に対して大径となるように構成した第二の段差部を設け、
前記燃料ノズルの第二の段差部が前記燃焼ノズル取り付け用孔の第一の段差部と当接するように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項6】
請求項3に記載のガスタービン燃焼器において、
燃料ノズルプレートに形成された前記燃焼ノズル取り付け用孔の上流側部分の内径が前記燃焼ノズル取り付け用孔の下流側部分の内径よりも大径となるように形成した第一のテーパー部を設けると共に、燃焼ノズル取り付け用孔に挿入された前記燃料ノズルの上流側部分の外径が前記燃焼ノズル取り付け用孔の下流側部分の外径よりも大径となるように形成した第二のテーパー部を設け、
前記燃料ノズルの第二のテーパー部の外面が前記燃焼ノズル取り付け用孔の第一のテーパー部と当接するように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器において、
燃料ノズルプレートの燃焼ノズル取り付け用孔から下流側に突き出た燃料ノズルの部分の外径が、前記燃料ノズルの下流側端部に向かって小径となるように形成されていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器において、
燃料ノズルの内部に形成された燃料流路内に、流路を狭めるオリフィスを備えたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスタービン燃焼器に係り、特に燃料を噴射する燃料ノズルを備えたガスタービン燃焼器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービン燃焼器では、排ガスが環境に与える負荷の低減を目的として、ガスタービン燃焼器の運転時に排出されるNOxに対して厳しい環境基準が設定されている。
【0003】
NOxの排出量は火炎温度の高温化に伴い増加するため、ガスタービン燃焼器で局所的に高温な火炎の形成を抑制して均一な燃焼を実現させる必要がある。
【0004】
ガスタービン燃焼器で均一な燃焼を行うためには燃料の分散性向上が有効であり、例えば公知例の特開2013−108667号公報に記載されたガスタービン燃焼器の技術では、ガスタービン燃焼器の空気孔プレートの周方向及び半径方向に複数の燃料ノズルをそれぞれ設置することで、燃料の分散性を高めている。
【0005】
また、公知例の特開2013−053814号公報に記載されたガスタービン燃焼器では、燃焼室を形成する燃焼筒の頭部に設けられた予混合型のパイロットバーナと、その外周に配置された予混合型のメインバーナを設置して、空気と燃料の十分な予混合化を図って低NOx化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−108667号公報
【特許文献2】特開2013−053814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された技術のガスタービン燃焼器では、燃料の分散性向上を目的として燃料ノズルの本数を増加させると、燃料ノズル同士の距離もしくは燃料ノズルと付近の壁との距離が短くなるという課題がある。
【0008】
そして、燃料ノズル同士の距離や、燃料ノズルと付近の壁との距離が短くなると、燃料ノズルの周囲の空間が狭隘になるため、特許文献2に記載された技術のガスタービン燃焼器では、燃料ノズルを構造的に支持する燃料ノズルプレートに対して、該燃料ノズルの端部を下流側から接合しようとすると、接合のための十分な空間を確保することができないという課題がある。
【0009】
本発明の目的は、燃焼ノズルの周囲の空間が狭隘であっても、燃焼ノズルと燃料ノズルプレートの接合を容易にして燃焼ノズルと燃料ノズルプレートを接合する精度の向上を図り、構造の信頼性を高めたガスタービン燃焼器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のガスタービン燃焼器は、燃料を供給する複数の燃料ノズルと、これらの燃料ノズルの端部を構造的に支持して上流側から流入する燃料を該燃料ノズルに配分する役割を担う燃料ノズルプレートと、燃焼用空気を供給する複数の空気孔を有する空気孔プレートから構成したバーナを備えたガスタービン燃焼器において、燃料ノズルプレートに燃料ノズルを挿入する燃焼ノズル取り付け用孔を形成し、燃料ノズルプレートと、燃焼ノズル取り付け用孔に挿入された燃料ノズルとを、この燃料ノズルプレートの上流側から接合して接合部を形成し、燃料ノズルプレートに形成された燃料ノズルを挿入する燃焼ノズル取り付け用孔の内面と前記燃焼ノズル取り付け用孔に挿入された燃料ノズルの外面との間に燃焼振動の発生によって両者が接触する隙間を形成し、燃料ノズルと燃焼ノズル取り付け用孔との接触に伴って摩擦力を発生させて前記燃料ノズルに作用する振動を減衰するように構成したことを特徴とする

【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、燃料ノズルの周囲の空間が狭隘であっても、燃焼ノズルと燃料ノズルプレートの接合を容易にして燃焼ノズルと燃料ノズルプレートを接合する精度の向上を図り、構造の信頼性を高めたガスタービン燃焼器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1であるガスタービン燃焼器における燃料及び空気の流れと燃焼過程の概略を示すガスタービン燃焼器の断面図。
図2図1に示した本発明の実施例1であるガスタービン燃焼器におけるバーナ部の構成部品を示す部分断面図。
図3図1に示した本発明の実施例1であるガスタービン燃焼器における燃料ノズルと燃料ノズルプレートの接合方法を示す部分断面図。
図4】比較例のガスタービン燃焼器のバーナ部を構成する燃料ノズルと燃料ノズルプレートの接合方法を示す部分断面図。
図5】本発明の実施例2であるガスタービン燃焼器における燃料ノズルと燃料ノズルプレートの接合方法を示す部分断面図。
図6】本発明の実施例3であるガスタービン燃焼器における燃料ノズルと燃料ノズルプレートの接合方法を示す部分断面図。
図7】本発明の実施例4であるガスタービン燃焼器における燃料ノズルと燃料ノズルプレートの接合方法を示す部分断面図。
図8】本発明の実施例5であるガスタービン燃焼器における燃料ノズルと燃料ノズルプレートの接合方法を示す部分断面図。
図9】本発明の実施例6であるガスタービン燃焼器における燃料ノズルと燃料ノズルプレートの接合方法を示す部分断面図。
図10】本発明の実施例7であるガスタービン燃焼器における燃料ノズルと燃料ノズルプレートの接合方法を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のガスタービン燃焼器の実施例について、図面を用いて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例1であるガスタービン燃焼器が適用されるガスタービンプラントの構成について、図1を用いて説明する。
【0015】
図1に示した実施例1のガスタービン燃焼器が適用されるガスタービンプラント1において、ガスタービンプラント1を構成するガスタービンは、大気より空気2を取り込み圧縮する圧縮機3と、圧縮機3において圧縮した圧縮空気4と燃料5を燃焼させ、高温高圧の燃焼ガス6を生成するガスタービン燃焼器7と、このガスタービン燃焼器7で発生した燃焼ガス6により駆動され、燃焼ガス6のエネルギーを回転動力として取り出すガスタービン8と、ガスタービン8の回転動力を使用して発電する発電機9とから構成される。
【0016】
前記ガスタービン燃焼器7は、ガスタービン燃焼器7の端部に設置されるエンドカバー10と、エンドカバー10に取り付けられる円筒状の前側外筒11と、前側外筒11の後ろ側に取り付けられる長い円筒状の後側外筒12を備えている。
【0017】
前記前側外筒11及び後側外筒12の内側には、複数の空気孔21を形成した円盤状の空気孔プレート13が設置され、この空気孔プレート13の上流側に、燃料を空気孔プレート13に形成された空気孔21に向けて噴出する複数の燃料ノズル15を設けた燃料ノズルプレート14が設置され、この空気孔プレート13の下流側に、その内側に燃料と空気が混合して燃焼させる燃焼室23を形成する長い円筒状のライナ16が設置されている。
【0018】
そして、前記圧縮機3で圧縮された圧縮空気4は、後側外筒12とライナ16との間に形成された円環状の流路17を通り、ガスタービン燃焼器7に形成されたバーナ18に流入する。
【0019】
このバーナ18は、燃料を噴射する複数の燃料ノズル15と、燃料ノズル15の端部を構造的に支持し、上流側から流入する燃料を前記燃料ノズル15に配分する役割を担う燃料ノズルプレート14と、前記複数の燃料ノズル15を備えた燃料ノズルプレート14の下流側に、燃焼用の空気が供給される複数の空気孔21を形成した空気孔プレート13から構成されている。
【0020】
また、圧縮空気4の一部は、ライナ16を冷却するための冷却空気19として前記ライナ16に設けた多数の冷却孔からライナ16内に流入する。
【0021】
ガスタービン燃焼器7に供給される燃料5は、エンドカバー10に設けた燃料供給管20を通って燃料ノズルプレート14に流入し、燃料ノズルプレート14から各燃料ノズル15を通過して空気孔プレート13に形成した複数の空気穴21に向けて噴射される。
【0022】
そして、空気孔プレート13の空気孔21の燃料ノズル側入り口において、燃料ノズル15から噴射された燃料5と、後側外筒12とライナ16との間に形成された円環状の流路17を通って供給された圧縮空気4とが混合されて混合気22となり、この燃料5と圧縮空気4の混合気22が燃焼室23に向かって噴射されて燃焼し、高温の火炎24を形成する。
【0023】
本実施例のガスタービン燃焼器7は、燃料5として天然ガスだけでなくコークス炉ガスや製油所オフガス、石炭ガス化ガスなどの燃料も使用できる。
【0024】
次に、図2に実施例1であるガスタービン燃焼器7のバーナ18の構成を示す。図2に示すように、本実施例のガスタービン燃焼器7に設けられたバーナ18は、空気孔プレート13と、燃料ノズルプレート14、及び燃料ノズル15から構成されている。
【0025】
燃料を噴射する燃料ノズル15の上流側端部40は、燃料ノズルプレート14に対して接合され、その接合部は燃料5が漏洩しないようにシールされている。
【0026】
燃料ノズル15の下流側端部30と、空気孔プレート13の空気孔21は、接合もしくは接触しておらず、圧縮空気4が空気孔プレート13に形成された空気孔21に対して自由に流入することができるように構成されている。
【0027】
そして、燃料ノズル15の上流側端部40と、燃料ノズルプレート14との接合方法は、通常、ボルト締結、溶接、ろう付けなどが利用される。
【0028】
次に実施例1であるガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と、燃料ノズルプレート14との接合方法について、図3及び図4の部分拡大図を用いて説明する。
【0029】
図3の部分拡大図は、本実施例のガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と、燃料ノズルプレート14とを溶接によって接合した場合の接合方法を示している。
【0030】
ただし本実施例は、ガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と、燃料ノズルプレート14とを接合する接合方法について、溶接による接合に限定するものではなく、溶接以外の接合方法も利用できるものである。
【0031】
図3の部分拡大図に示したように、本実施例のガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14との接合方法では、燃料ノズルプレート14に燃料ノズル15を挿入するための燃焼ノズル取り付け用孔44を貫通させて形成し、燃料ノズル15の上流側端部40と、前記燃焼ノズル取り付け用孔44に挿入した燃料ノズルプレート14の上流側端部41との双方に、燃料ノズルプレート14に対して上流側から溶接を施して接合部45を形成し、燃料ノズル15の上流側端部40と燃料ノズルプレート14の上流側端部41との両者を接合するように構成する。
【0032】
図4は、ガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14とを接合する比較例の接合方法を示したものであり、この図4に示した比較例の接合方法では、燃料ノズル15の上流側近傍の側面40bと、燃料ノズルプレート14の下流側端部41bとの双方を、燃料ノズルプレート14に対して下流側から接合部42を形成して接合している。
【0033】
しかしながら、図4に示した燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14を接合する比較例の接合方法では、燃料ノズルプレート14の下流側で、多数の燃料ノズル15が密に配設されていて燃料ノズル15の周囲の空間43が狭隘な場合に、燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14を接合する接合作業を行うための十分な作業空間を燃料ノズルプレート14の下流側に確保することができないという課題がある。
【0034】
また、図4に示した比較例の燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14を接合する比較例の接合方法においては、図4に示した構造から明らかなように、燃料ノズルプレート14の上流側には燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14との接合を行うための作業空間は存在していない。
【0035】
そこで、図3に示した本実施例のガスタービン燃焼器7においては、ガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と、燃料ノズルプレート14との接合方法において、多数の燃料ノズル15が密に配置されている場合であっても、本実施例のガスタービン燃焼器における燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14との接合方法では、燃料ノズルプレート14に燃料ノズル15を挿入するための燃焼ノズル取り付け用孔44を貫通させて形成し、この燃焼ノズル取り付け用孔44に挿入した燃料ノズル15が燃料ノズルプレート14の下流側に突き出るように配設している。
【0036】
そして、この燃焼ノズル取り付け用孔44に挿入した前記燃料ノズル15の上流側端部40と、前記燃料ノズルプレート14の上流側端部41との双方に、燃料ノズルプレート14に対して上流側から溶接を施して接合部45を形成し、燃料ノズル15の上流側端部40と燃料ノズルプレート14の上流側端部41との両者を接合するように構成したものである。
【0037】
即ち、本実施例のガスタービン燃焼器7では、燃料ノズルプレート14の上流側には前記燃料ノズル15が配設されていない構造を採用しているので、燃料ノズルプレート14の上流側では燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14との接合を実施する上で十分に広い作業空間が確保されており、燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14との接合精度が向上すると共に、この接合精度向上に伴なって燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14との接合部の構造信頼性が高くなる。
【0038】
また、本実施例のガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と、燃料ノズルプレート14との接合方法においては、ガスタービン燃焼器7の燃焼室23内で燃料5と圧縮空気4との混合気22が燃焼する際に燃焼振動が発生して燃料ノズル15が該燃料ノズル15の中心軸と直角方向に振動する場合に、前記燃料ノズル15の側面と、燃料ノズルプレート14に燃料ノズル15を挿入するために形成した燃焼ノズル取り付け用孔44の内面とが接触して振動を抑制するので、両者を溶接するために形成した接合部45に作用する負荷を低減することが可能となる。
【0039】
さらには、燃料ノズル15の側面と、燃料ノズルプレート14の燃焼ノズル取り付け用孔44の内面との間に、わずかな隙間を設けるようにすることで、燃料ノズル15の側面と燃料ノズルプレート14の燃焼ノズル取り付け用孔44の内面との間に両者の接触に伴なって摩擦力を発生させることができるので、この摩擦力によって燃料ノズル15に作用する振動を減衰させる効果を得ることが可能となる。
【0040】
本実施例によれば、燃料ノズルの周囲の空間が狭隘であっても、燃焼ノズルと燃料ノズルプレートの接合を容易にして接合の精度向上を図り、構造の信頼性を高めたガスタービン燃焼器が実現できる。
【実施例2】
【0041】
次に本発明の実施例2であるガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と、燃料ノズルプレート14との接合方法について図5の部分拡大図を用いて説明する。
【0042】
図5の部分拡大図は実施例2であるガスタービン燃焼器に設けたバーナ8の構造の詳細を示しており、先に説明した本発明の実施例1のガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14とを接合する接合方法と基本的な構成は類似しているので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0043】
図5の部分拡大図は、実施例2のガスタービン燃焼器7のバーナ18において、燃料ノズル15がその上流側端部40で燃料ノズルプレート14の上流側端部41に対して接合されている様子を示している。
【0044】
図5に示した実施例2のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、燃料ノズルプレート14に貫通して形成された燃焼ノズル取り付け用孔44の上流側に、燃焼ノズル取り付け用孔44の下流側の孔の直径よりも大径に形成された段差部51を設けると共に、前記燃焼ノズル取り付け用孔44の内部に挿入された燃焼ノズル15の上流側端部40に、燃焼ノズル15の下流側の部分の直径よりも大径に形成された段差部50を設け、この燃焼ノズル15の上流側端部40に設けた段差部50が、燃焼ノズル取り付け用孔44の上流側に設けた段差部51と当接するように構成している。
【0045】
そして、燃料ノズル15に設けた大径の前記段差部50の上流側端部40と、燃焼ノズル取り付け用孔44に形成した大径の前記段差部51の上流側に面した前記燃料ノズルプレート14の上流側端部41との双方に、燃料ノズルプレート14に対して上流側から溶接を施して接合部45を形成し、前記燃料ノズル15の上流側端部40と前記燃料ノズルプレート14の上流側端部41との両者を接合している。
【0046】
図5に示した実施例2のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、燃料ノズル15の上流側端部に設けた段差部50の外形が燃料ノズル15の下流側の外径よりも大きな直径を有する構造にすると共に、燃料ノズルプレート14の燃料ノズル取り付け用孔44の上流側に形成した段差部51の内径が燃料ノズル取り付け用孔44の下流側の内径よりも大きな直径を有する構造にすることで、燃料ノズル15に設けた大径の前記段差部50の下面が、燃料ノズル取り付け用孔44に設けた大径の段差部51の下面に当接して、燃料ノズル15が燃料ノズル取り付け用孔44から下流側に抜け落ちることを阻止するように構成されている。
【0047】
上記した構成を採用することによって、燃料ノズル15の上流側端部と、燃料ノズルプレート14に貫通して形成された燃焼ノズル取り付け用孔44の上流側端部との接合部45に損傷が発生して破損した場合においても、燃料ノズル15の上流側端部40に設けた大径の段差部50の下面が、燃料ノズルプレート14に設けた燃料ノズル取り付け用孔44に形成した大径の段差部51の下面と当接して前記燃料ノズル15の移動を阻止するように構成していることから、燃料ノズル15が燃料ノズルプレート14の燃料ノズル取り付け用孔44から下流側に抜け落ちてガスタービン燃焼器の他の部品が損傷することを防止するものである。
【0048】
また、前記段差部50,51は、燃料ノズル15の軸方向52の位置決めを行うことも可能となる。
【0049】
本実施例によれば、燃料ノズルの周囲の空間が狭隘であっても、燃焼ノズルと燃料ノズルプレートの接合を容易にして接合の精度向上を図り、構造の信頼性を高めたガスタービン燃焼器が実現できる。
【実施例3】
【0050】
次に本発明の実施例3であるガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14との接合方法について、図6の部分拡大図を用いて説明する。
【0051】
図6の部分拡大図は、実施例3のガスタービン燃焼器7におけるバーナ18の構造の詳細を示しており、先に示した本発明の実施例1のガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15の上流側端部40と燃料ノズルプレート14の上流側端部41とを接合する接合方法と基本的な構成は類似しているので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0052】
図6に、実施例3のガスタービン燃焼器7におけるバーナ18の構造の詳細を示す。
【0053】
図6に示した実施例3のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、燃料ノズルプレート14に貫通して形成された燃焼ノズル取り付け用孔44に挿入された燃料ノズル15の上流側端部40と、燃料ノズルプレート14の上流側端部41とに、燃料ノズルプレート14の上流側から溶接を施して溶接部45を形成し、燃料ノズル15の上流側端部40がこの接合部45によって燃料ノズルプレート14の上流側端部41に接合されている様子を示している。
【0054】
実施例3のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、燃料ノズルプレート14に貫通して形成された燃焼ノズル取り付け用孔44から下流側に突き出た燃料ノズル15の部分の外形が、根元部から下流側端部30に向かって外径が徐々に小さくなる外形漸減形状部60を有するように形成されている。
【0055】
実施例3のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、燃焼ノズル取り付け用孔44から下流側に突き出た燃料ノズル15の外径が下流側端部30に向かって徐々に小さくなる形状の外形漸減形状部60を有するように形成されていることから、燃料ノズル15の外径が徐々に小さくなっている分だけ燃料ノズル15が軽量化され、この結果、燃焼振動に伴って燃料ノズル15の上流側端部40と燃料ノズルプレート14の上流側端部41を接合する接合部45に作用する負荷を低減することができる。
【0056】
本実施例によれば、燃料ノズルの周囲の空間が狭隘であっても、燃焼ノズルと燃料ノズルプレートの接合を容易にして接合の精度向上を図り、構造の信頼性を高めたガスタービン燃焼器が実現できる。
【実施例4】
【0057】
次に本発明の実施例4であるガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と、燃料ノズルプレート14との接合方法について図7の部分拡大図を用いて説明する。
【0058】
図7の部分拡大図は実施例2のガスタービン燃焼器におけるバーナ8の構造の詳細を示しており、先に示した本発明の実施例2のガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15の上流側端部40と燃料ノズルプレート14の上流側端部41とを接合する接合方法と基本的な構成は類似しているので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0059】
図7に示した実施例4のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、燃料ノズル15の上流側端部に設けた段差部50の外形が燃料ノズル15の下流側の外径よりも大きな直径を有する構造にすると共に、燃料ノズルプレート14の燃料ノズル取り付け用孔44の上流側に形成した段差部51の内径が燃料ノズル取り付け用孔44の下流側の内径よりも大きな直径を有する構造に形成することで、燃料ノズル15に設けた大径の前記段差部50の下面が、燃料ノズル取り付け用孔44に設けた大径の段差部51の下面に当接して、燃料ノズル15が燃料ノズル取り付け用孔44から下流側に抜け落ちを阻止するように構成されている。
【0060】
上記した構成を採用することによって、燃料ノズル15の上流側端部40と、燃料ノズルプレート14の上流側端部41との接合部45に損傷が発生して破損した場合においても、燃料ノズル15に大径に形成した段差部50の下面が、燃料ノズルプレート14に設けた燃料ノズル取り付け用孔44の上流側に大径に形成した段差部51の下面と当接して前記燃料ノズル15の移動を阻止するように構成していることから、燃料ノズル15が燃料ノズルプレート14の燃料ノズル取り付け用孔44から下流側に抜け落ちてガスタービン燃焼器の他の部品が損傷することを防止するものである。
【0061】
更に、燃料ノズル15は、実施例3に記載した燃料ノズル15の形状と同様に、燃料ノズルプレート14に貫通して形成された燃焼ノズル取り付け用孔44から下流側に燃料ノズル15が突き出た部分において、この燃料ノズル15の外形が、根元部から下流側端部30に向かって外径が徐々に小さくなる形状の外形漸減形状部60を有するように形成されている。
【0062】
実施例4のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、燃料ノズルプレート14に形成された燃焼ノズル取り付け用孔44から下流側に突き出た燃料ノズル15の外形が、根元部から下流側端部30に向かって外径が徐々に小さくなる形状の外形漸減形状部60を有するように形成されていることから、燃料ノズル15の外径が徐々に小さくなっている分だけ燃料ノズル15が軽量化されており、この結果、燃焼振動に伴って燃料ノズル15の上流側端部40と燃料ノズルプレート14の上流側端部41を接合する接合部45に作用する負荷を低減することができる。
図7に示した実施例4のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、強度を維持しつつ燃料ノズル15が軽量化され、燃焼振動に伴い燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14とを接合する接合部45に作用する負荷を低減することができる。
【0063】
本実施例によれば、燃料ノズルの周囲の空間が狭隘であっても、燃焼ノズルと燃料ノズルプレートの接合を容易にして接合の精度向上を図り、構造の信頼性を高めたガスタービン燃焼器が実現できる。
【実施例5】
【0064】
次に本発明の実施例5であるガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と、燃料ノズルプレート14との接合方法について図8の部分拡大図を用いて説明する。
【0065】
図8の部分拡大図は実施例5のガスタービン燃焼器7のバーナ18の構造の詳細を示しており、先に示した本発明の実施例1のガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15の上流側端部40と燃料ノズルプレート14の上流側端部41とを接合する接合方法と基本的な構成は類似しているので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0066】
図8に示した実施例5のガスタービン燃焼器7におけるバーナ18において、本実施例のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、燃料ノズルプレート14に貫通して形成された燃焼ノズル取り付け用孔44が途中から上流側に向かって外径が徐々に大きくなるテーパー部70の内壁面を有するように形成されており、この燃焼ノズル取り付け用孔44のテーパー部70の内壁面の形状に対応するように、前記燃焼ノズル取り付け用孔44に挿入される燃料ノズル15の外壁面にも、途中から上流側に向かって外径が徐々に大きくなるテーパー部72の外壁面を有するように形成されている。
【0067】
そして、燃料ノズルプレート14の上流側端部41の近傍に形成したテーパー部70の内壁面と、燃焼ノズル取り付け用孔44に挿入された燃料ノズル15の上流側端部40の近傍に形成されたテーパー部72の外壁面に対して、燃料ノズルプレート14の上流側から溶接を施して溶接部45を形成し、燃料ノズル15がこの接合部45によって燃料ノズルプレート14に接合されている様子を示している。
【0068】
燃料ノズル15の上流側端部40近傍に形成した外径が下流側部分の外径よりも大径となるテーパー部72の外壁面を有するように形成すると共に、燃料ノズルプレート14の上流側端部41近傍となる燃料ノズル取り付け用孔44に形成した内径が下流側部分の内径よりも大径となるテーパー部70の内壁面を有するように形成することで、燃料ノズル15に設けた前記テーパー部72の外壁面が、燃料ノズル取り付け用孔44に設けたテーパー部70の内壁面に当接して、燃料ノズル15が燃料ノズル取り付け用孔44から下流側に抜け落ちを阻止するように構成されている。
【0069】
上記した構成を採用することによって、燃料ノズル15の上流側端部40と、燃料ノズルプレート14の上流側端部41との接合部45に損傷が発生して破損した場合においても、燃料ノズル15の上流側端部40の近傍に形成したテーパー部72の外壁面が、燃料ノズルプレート14の上流側端部41の近傍の燃料ノズル取り付け用孔44に形成したテーパー部70の内壁面と当接して前記燃料ノズル15の移動を阻止するように構成していることから、燃料ノズル15が燃料ノズルプレート14の燃料ノズル取り付け用孔44から下流側に抜け落ちてガスタービン燃焼器の他の部品が損傷することを防止するものである。
【0070】
また、燃料ノズル15にテーパー部72を設けたことによって、燃料ノズルプレート14に形成された燃焼ノズル取り付け用孔44のテーパー部70に対して、燃料ノズル15の軸方向52と、半径方向71の位置決めを行うことができる。
【0071】
本実施例によれば、燃料ノズルの周囲の空間が狭隘であっても、燃焼ノズルと燃料ノズルプレートの接合を容易にして接合の精度向上を図り、構造の信頼性を高めたガスタービン燃焼器が実現できる。
【実施例6】
【0072】
次に本発明の実施例6であるガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と、燃料ノズルプレート14との接合方法について、図9の部分拡大図を用いて説明する。
【0073】
図9の部分拡大図は、実施例6のガスタービン燃焼器7におけるバーナ18の構造の詳細を示しており、先に示した本発明の実施例1のガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14とを接合する接合方法と基本的な構成は類似しているので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0074】
図9に示した実施例6のガスタービン燃焼器7におけるバーナ18の構造において、本実施例のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、燃料ノズルプレート14に貫通して形成された燃焼ノズル取り付け用孔44に挿入された燃料ノズル15の上流側端部40に、該燃料ノズル15の下流側の外径よりも大径に形成したフランジ部80を設けている。
【0075】
そして、燃料ノズルプレート14の上流側端部41と、燃料ノズル15の上流側端部40に設けた大径のフランジ部80に対して、燃料ノズルプレート14の上流側から溶接を施して溶接部45を形成し、燃料ノズル15の上流側端部40の下面がこの接合部45によって燃料ノズルプレート14の上流側端部41に接合されている様子を示している。
【0076】
本実施例では、燃料ノズル15の上流側端部40に設けたフランジ部80の外径を、燃料ノズルプレート14の燃料ノズル取り付け用孔44の内径よりも大径に形成することで、燃料ノズル15の上流側端部40の下面と燃料ノズルプレート14の上流側端部41とを接合する接合部45に損傷が発生した場合においても、燃料ノズル15が燃料ノズルプレート14の燃料ノズル取り付け用孔44から下流側に抜け落ちてガスタービン燃焼器の他の部品が損傷することを防止するものである。
【0077】
また、燃料ノズル15のフランジ部80である該燃料ノズル15の上流側端部40の下面が燃料ノズルプレート14の上流側端部41と接触する接触部81において、燃料ノズル15の軸方向52の位置決めを行うことができる。
【0078】
本実施例によれば、燃料ノズルの周囲の空間が狭隘であっても、燃焼ノズルと燃料ノズルプレートの接合を容易にして接合の精度向上を図り、構造の信頼性を高めたガスタービン燃焼器が実現できる。
【実施例7】
【0079】
次に本発明の実施例7であるガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15と、燃料ノズルプレート14との接合方法について、図10の部分拡大図を用いて説明する。
【0080】
図10の部分拡大図は、実施例7のガスタービン燃焼器におけるバーナ8の構造の詳細を示しており、先に示した本発明の実施例2のガスタービン燃焼器7のバーナ18を構成する燃料ノズル15の上流側端部40と燃料ノズルプレート14の上流側端部41とを接合する接合方法と基本的な構成は類似しているので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0081】
図10に示した実施例7のガスタービン燃焼器7におけるバーナ18の構造において、本実施例のガスタービン燃焼器7のバーナ18では、燃料ノズル15の燃料流路の途中にオリフィス部90を設けており、そして、燃料ノズル15に設けた大径の前記段差部50の上流側端部40と、燃料ノズルプレート14に形成した燃焼ノズル取り付け用孔44に設けた大径の前記段差部51の上流側となる前記燃料ノズルプレート14の上流側端部41との双方に、燃料ノズルプレート14の上流側から溶接を施して接合部45を形成し、前記燃料ノズル15の上流側端部40と前記燃料ノズルプレート14の上流側端部41との両者を接合するように構成している。
【0082】
燃料ノズル15と燃料ノズルプレート14を溶接で接合した場合、図4に示した比較例の接合方法では溶接による熱変形が発生して燃料ノズル15の燃料流路の途中に設けたオリフィス部90の内径が変化することになるが、実施例7のガスタービン燃焼器7におけるバーナ8の構造では、溶接による熱変形の方向が燃料ノズル15の半径方向71ではなく軸方向52であるため、燃料ノズル15のオリフィス部90に生じる変形が小さく抑制され、燃料流量を高い精度で制御できる。
【0083】
本実施例によれば、燃料ノズルの周囲の空間が狭隘であっても、燃焼ノズルと燃料ノズルプレートの接合を容易にして接合の精度向上を図り、構造の信頼性を高めたガスタービン燃焼器が実現できる。
【符号の説明】
【0084】
1:ガスタービンプラント、2:空気、3:圧縮機、4:圧縮空気、5:燃料、6:燃焼ガス、7:ガスタービン燃焼器、8:ガスタービン、9:発電機、10:エンドカバー、11:前側外筒、12:後側外筒、13:空気孔プレート、14:燃料ノズルプレート、15:燃料ノズル、16:ライナ、17:後側外筒とライナの間の流路、18:バーナ、19:冷却するための冷却空気、20:燃料供給管、21:空気孔プレートの空気孔、22:燃料と圧縮機の混合気、23:燃焼室、24:火炎、30:燃焼ノズルの下流側端部、40:燃料ノズルの上流側端部、40b:燃料ノズルの上流側近傍の側面、41:燃料ノズルプレートの上流側端部、41b:燃料ノズルプレートの下流側端部、43:燃料ノズルの周囲の空間、44:燃焼ノズル取り付け用孔、42、45:接合部、50:燃焼ノズルの段差部、51:燃焼ノズル取り付け用孔の段差部、52:燃料ノズルの軸方向、60:外形漸減形状部、70、72:テーパー部、71:燃料ノズルの半径方向、80:燃料ノズルの上流側端部のフランジ部、81:燃料ノズルのフランジ部と燃料ノズルプレートの接触部、90:オリフィス部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10