(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通信制御手段は、前記複数の通信用ケーブルのうちの少なくとも何れかを前記休止状態に設定しているときに、前記通信エラーの発生状況が第二の基準を満たす場合、前記休止状態に設定した前記通信用ケーブルのうちの少なくともいずれかについて、前記休止状態を解除し、前記休止状態が解除された前記通信用ケーブルを使用して、前記通信を行うように制御する、
請求項1に記載の通信制御装置。
前記通信制御手段は、前記複数の通信用ケーブルのうちの少なくとも何れかを休止状態に設定、あるいは、前記休止状態に設定した前記通信用ケーブルのうちの少なくともいずれかについて前記休止状態を解除することを指示する命令情報を入力し、前記命令情報に基づいて動作する、
請求項2乃至6のいずれか一項に記載の通信制御装置。
【背景技術】
【0002】
通信技術の進展に伴い、高速通信に関する標準化された新しい技術が、次々と登場してきている。例えば、10Gb(ギガビット)Ethernet(登録商標)は、その1つである。10GbEthernet(イーサネット)において使用される10GBASE−Tケーブルは、4本(4対)のツイストペアケーブルを1本のケーブルとして束ねたケーブル(本願では、以降、集合型ケーブルと称する)である。ツイストペアケーブル(本願では、以降、ペアケーブルと称する)は、電線を2本対で撚り合わせた通信用ケーブルであり、単なる2本対の平行線と比較して、ノイズの影響を受けにくいという特性を有する。10GBASE−Tケーブルは、このようなペアケーブルを4本使用することにより、高速通信を実現する。
【0003】
また、このような複数のペアケーブルを使用した通信において、使用するペアケーブルの本数を動的に制御する技術が開発されている。例えば、EEE(Energy Efficient Ethernet)はそのような技術の1つであり、省電力イーサネットとも呼ばれている。EEEは、例えば、ネットワークのトラフィックが少ない場合、複数のペアケーブル(レーン)のうちの少なくともいずれかを停止することによって、通信における消費電力を削減する。
【0004】
このような技術に関連する技術の一例として、特許文献1には、低速イーサネットのトラフィック量を監視し、トラフィック量に応じて、40Gbイーサネットや100Gbイーサネットインタフェースが使用するレーン数を増減するイーサネット転送装置が開示されている。この装置は、使用レーンを休止したのち、対向装置におけるイーサネットインタフェースの使用レーンを休止させることによりレーン数を削減する。この装置は、不使用レーンを復旧したのち、対向装置におけるイーサネットインタフェースの不使用レーンを復旧させることによりレーン数を増加する。
【0005】
また、特許文献2には、EEE技術が適用されたイーサネットネットワークにおいて発生するサイレント障害に関する障害原因と障害発生地点を特定するネットワーク装置が開示されている。この装置は、イーサネットインタフェースがサポートしているレーン数、帯域幅、および、使用中のレーン数に関する情報を運用保守管理フレームに載せる。この装置は、遠隔に位置するネットワーク運用管理システムから、障害が発生しているサービスの区間におけるインタフェースの状態を確認し、イーサネットインタフェースの速度変更が不能に陥っているか否かを監視する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
図1は、本願発明の第1の実施形態に係る通信制御装置10を概念的に示すブロック図である。通信制御装置10は、例えば、サーバ装置あるいはクライアント端末装置等の情報処理装置に搭載されるネットワークインタフェースカードであり、他の情報処理装置との間で行われる通信を制御する。
【0016】
通信制御装置10は、検出部11、設定部12、制御部13、データ量測定部14、温度測定部15、表示部16、信号処理部17、コントローラインタフェース部18、及び、MDI(Medium Dependent Interface)19を備えている。検出部11、設定部12、制御部13、データ量測定部14、温度測定部15における温度測定制御機能、表示部16、信号処理部17、及び、コントローラインタフェース部18は、電子回路の場合もあれば、コンピュータプログラムとそのコンピュータプログラムに従って動作するプロセッサによって実現される場合もある。
【0017】
MDI19は、10Gbイーサネットケーブル30を接続可能なポートであり、例えばRJ(Registered Jack)−45コネクタである。
【0018】
図2に、10Gbイーサネットケーブル30の構成を例示する。
図2に例示する通り、10Gbイーサネットケーブル30は、ペアケーブル31乃至34が束ねられた集合型ケーブルである。ペアケーブル31乃至34は、電線を2本対で撚り合わせた通信用ケーブルである。ペアケーブル31乃至34の帯域は、各々、2.5Gb/s(秒)である。したがって、10Gbイーサネットケーブル30の帯域は、10Gb/sである。
【0019】
図1に示す信号処理部17は、MDI19を介して受信した信号を、アナログ信号から、通信制御装置10が搭載された情報処理装置が処理可能なデジタル信号に変換する。信号処理部17は、受信した信号において、ノイズ等により発生したエラーを訂正する。信号処理部17は、一般的なネットワークインタフェースカードでは、例えば、DSP(Digital Signal Processor)に内蔵されている。
【0020】
コントローラインタフェース部18は、通信する信号を、シリアル信号からパラレル信号へ、あるいは、パラレル信号からシリアル信号へ変換する。コントローラインタフェース部18は、通信制御装置10が搭載された情報処理装置が備えるCPU(Central Processing Unit)あるいはI(Input)/O(Output)コントローラとの通信を制御する。
【0021】
データ量測定部14は、MDI19を介して受信した信号のデータ量を測定し、測定したデータ量を設定部12へ入力する。
【0022】
温度測定部15は、温度センサ(不図示)を備え、当該温度センサによって、通信制御装置10における所定の箇所(例えば集積回路の表面)の温度を測定する。温度測定部15は、測定した温度を、設定部12へ入力する。
【0023】
検出部11は、MDI19を介して受信した信号において、ノイズ等により発生したエラーを検出する。検出部11は、エラーを検出したことを、設定部12、及び、表示部16に通知する。
【0024】
表示部16は、検出部11により検出されたエラーの発生状況を、端末装置20における表示画面(不図示)に表示する。
【0025】
設定部12は、検出部11から通知されたエラーの発生頻度(エラーレート)が、判定基準テーブル120が示す判定基準を満たすか否かを判定する。判定基準テーブル120は、例えば、設定部12が備えるメモリに格納されている。
【0026】
図3に、判定基準テーブル120の構成を例示する。本実施形態に係る通信制御装置10は、10Gbイーサネットケーブル30を介した通信について、判定基準テーブル120が示す、4つの動作状態を切り替えることができる。
図3に示す4ペア動作は、ペアケーブル31乃至34を全て使用して通信を行う動作状態を示す。
図3に示す3ペア動作は、ペアケーブル31乃至34のうちのいずれか3つを使用して通信を行う動作状態を示す。
図3に示す2ペア動作は、ペアケーブル31乃至34のうちのいずれか2つを使用して通信を行う動作状態を示す。
図3に示す1ペア動作は、ペアケーブル31乃至34のうちのいずれか1つを使用して通信を行う動作状態を示す。
【0027】
図3に示す休止状態設定エラーレートは、各動作状態において、設定部12が、ペアケーブル31乃至34のうち動作している状態にあるペアケーブルの何れかを、休止状態に設定するか否かを判定する基準となる、エラーレートに関する閾値を表す。設定部12は、例えば、4ペア動作の状態において、エラーレートが値A以上の場合、動作している状態にあるペアケーブル31乃至34のうちのいずれかを休止状態に設定する。設定部12は、例えば、3ペア動作の状態において、エラーレートが値B以上の場合、ペアケーブル31乃至34のうち動作している状態にある3つのペアケーブルのいずれかを休止状態に設定する。設定部12は、例えば、1ペア動作の状態において、エラーレートが値D以上の場合、ペアケーブル31乃至34のうち動作している状態にある1つのペアケーブルを休止状態に設定する。この場合、ペアケーブル31乃至34が全て休止状態になるので、設定部12は、通信リンクの切断を、制御部13に指示する。尚、
図3に示す値A乃至Dは、値A<値B<値C<値Dを満たす数値である。
【0028】
図3に示す休止状態解除エラーレートは、各動作状態において、設定部12が、ペアケーブル31乃至34のうち休止状態にあるペアケーブルの何れかについて、休止状態を解除するか否かを判定する基準となる、エラーレートに関する閾値を表す。設定部12は、例えば、3ペア動作の状態において、エラーレートが値X以下の場合、休止状態にあるペアケーブル31乃至34のうちのいずれかについて、休止状態を解除する。設定部12は、例えば、1ペア動作の状態において、エラーレートが値Z以下の場合、ペアケーブル31乃至34のうち休止状態にある3つのペアケーブルのいずれかについて、休止状態を解除する。尚、
図3に示す値X乃至Zは、値X<値Y<値Zを満たす数値である。
【0029】
設定部12は、データ量測定部14により測定されたデータ量に基づき、ペアケーブル31乃至34について、休止状態に設定、あるいは、休止状態を解除する。設定部12は、当該データ量が小さくなるに従い、ペアケーブル31乃至34を、順次、休止状態に設定し、当該データ量が大きくなるに従い、ペアケーブル31乃至34のうち休止状態にあるペアケーブルについて、順次、休止状態を解除する。設定部12は、データ量に関して、判定基準テーブル12と同様の判定基準テーブルを備え、当該判定基準テーブルに基づいて、上述の通り動作してもよい。設定部12は、あるいは、データ量測定部14により測定されたデータ量に応じた、複数の判定基準テーブル120を備え、エラーレート及びデータ量に関連付けされた閾値に基づいて、ペアケーブル31乃至34に関する状態の設定を行ってもよい。この場合、値A乃至D、及び、値X乃至Zは、当該データ量が大きいほど、大きな値に設定される。
【0030】
設定部12は、温度測定部15により測定された温度に基づき、ペアケーブル31乃至34について、休止状態に設定、あるいは、休止状態を解除する。設定部12は、当該温度が高くなるに従い、ペアケーブル31乃至34を、順次、休止状態に設定し、当該温度が低くなるに従い、ペアケーブル31乃至34のうち休止状態にあるペアケーブルについて、順次、休止状態を解除する。設定部12は、温度に関して、判定基準テーブル12と同様の判定基準テーブルを備え、当該判定基準テーブルに基づいて、上述の通り動作してもよい。設定部12は、あるいは、温度測定部15により測定された温度に応じた、複数の判定基準テーブル120を備え、エラーレート及び温度に関連付けされた閾値に基づいて、ペアケーブル31乃至34に関する状態の設定を行ってもよい。この場合、値A乃至D、及び、値X乃至Zは、当該温度が高いほど、小さな値に設定される。
【0031】
設定部12には、例えば、ユーザが端末装置20の表示画面に表示されたエラーの発生状況を見て、端末装置20を使用して入力した命令情報が入力される。当該命令情報は、ペアケーブル31乃至34のうちの少なくとも何れかを休止状態に設定、あるいは、休止状態に設定されたペアケーブルのうちの少なくとも何れかについて休止状態を解除することを指示する情報である。設定部12は、入力された命令情報の内容に従い、ペアケーブル31乃至34に関する状態の設定を行う。
【0032】
制御部13は、ペアケーブル31乃至34のうち、設定部12によって休止状態に設定されたペアケーブルを使用せずに、10Gbイーサネットケーブル30を介した通信を行うように制御する。制御部13は、例えば、EEEにおけるLow Power Idle信号を休止信号として定義し、休止状態に設定されたペアケーブルに出力する信号の波形を、通常信号の波形から休止信号の波形に切り替えることにより、当該ペアケーブルを使用せずに通信を行うように制御する。
【0033】
制御部13は、ペアケーブル31乃至34のうち休止状態にあるペアケーブルについて、設定部12によってその休止状態が解除された場合、当該ペアケーブルを使用して、10Gbイーサネットケーブル30を介した通信を行うように制御する。制御部13は、例えば、当該ペアケーブルに出力する信号の波形を、休止信号の波形から通常信号の波形に切り替えることにより、当該ペアケーブルを使用した通信を行うように制御する。
【0034】
次に
図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係る通信制御装置10の動作(処理)について詳細に説明する。
【0035】
検出部11は、i(iは1乃至4のいずれかの整数)ペア動作の状態で行われる通信において、発生した通信エラーを検出する(ステップS101)。設定部12は、通信エラーレートが、iペア動作に関する休止状態設定エラーレート以上であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0036】
通信エラーレートが、iペア動作に関する休止状態設定エラーレート以上である場合(ステップS103でYes)、処理は、ステップS104へ進む。
【0037】
「i=1」である場合(ステップS104でYes)、設定部12は、通信リンクの切断を制御部13に指示する(ステップS114)。制御部13は通信リンクを切断し(ステップS115)、全体の処理は終了する。
【0038】
「i=1」でない場合(ステップS104でNo)、設定部12は、ペアケーブル31乃至34のうち、動作している状態にあるいずれかのペアケーブルを、休止状態に設定する(ステップS105)。制御部13は、新たに休止状態に設定されたペアケーブルを使用しない通信制御を開始する(ステップS106)。処理は、iから1を減算し(ステップS107)、ステップS101へ戻る。
【0039】
通信エラーレートが、iペア動作に関する休止状態設定エラーレート以上でない場合(ステップS103でNo)、処理は、ステップS108へ進む。
【0040】
「i=4」である場合(ステップS108でYes)、処理はステップS101へ戻る。
【0041】
「i=4」でない場合(ステップS108でNo)、設定部12は、通信エラーレートが、iペア動作に関する休止状態解除エラーレート以下であるか否かを判定する(ステップS109)。通信エラーレートが、iペア動作に関する休止状態解除エラーレート以下でない場合(ステップS110でNo)、処理はステップS101へ戻る。
【0042】
通信エラーレートが、iペア動作に関する休止状態解除エラーレート以下である場合(ステップS110でYes)、設定部12は、ペアケーブル31乃至34のうち、休止状態にあるいずれかのペアケーブルの休止状態を解除する(ステップS111)。制御部13は、休止状態が解除されたペアケーブルを使用した通信制御を開始する(ステップS112)。処理は、iに1を加算し(ステップS113)、ステップS101へ戻る。
【0043】
本実施形態に係る通信制御装置10は、複数の通信用ケーブルを束ねた集合型ケーブルを使用して行われる通信において発生する通信エラーを、確実に低減することができる。その理由は、通信制御装置10が以下の通りに動作するからである。
すなわち、
・検出部11は、ペアケーブル31乃至34を束ねた10Gbイーサネットケーブル30を使用して行われる通信において、発生した通信エラーを検出する。
・設定部12は、当該通信エラーの発生状況が判定基準テーブル120が示す判定基準を満たす場合、ペアケーブル31乃至34のうちの少なくとも何れかを休止状態に設定する。
・制御部13は、設定部12によって休止状態に設定されたペアケーブルを使用せずに、当該通信を行うように制御する。
【0044】
以下に、本実施形態に係る通信制御装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0045】
10GBASE−Tケーブルのような複数のペアケーブルを束ねた集合型ケーブルでは、ペアケーブル間におけるクロストークなどによるノイズが発生する。このようなノイズは、一般的に通信速度が速くなるほど発生頻度は高くなる。このようなノイズによる通信エラーが発生した場合、受信側装置は、当該通信エラーを訂正する処理を行う必要があるので、通信性能が低下する。したがって、大量の情報を高速に通信することが日常的に行われている現代社会においては、このような通信エラーの発生を低減することが課題である。
【0046】
このような課題に対して、本実施形態に係る通信制御装置10では、検出部11は、10Gbイーサネットケーブル30を使用して行われる通信において、ペアケーブル間におけるクロストークなどに起因して発生した通信エラーを検出する。設定部12は、通信エラーレートが判定基準テーブル120が表す休止状態設定エラーレート以上である場合、ペアケーブル31乃至34のうちの少なくとも何れかを休止状態に設定することにより、動作している状態にあるペアケーブルの本数を削減する。制御部13は、設定部12によって休止状態に設定されたペアケーブルを使用せずに、当該通信を行うように制御する。これにより、本実施形態に係る通信制御装置10は、複数のケーブルを束ねた集合型ケーブルを使用して行われる通信において発生する通信エラーを、確実に低減することができる。尚、本実施形態に係る検出部11は、通信エラーレートではなく、例えば、通信エラーの累積発生回数等に基づいて、ペアケーブル31乃至34を休止状態に設定してもよい。
【0047】
また、本実施形態に係る設定部11は、通信エラーレートが判定基準テーブル120が表す休止状態解除エラーレート以下である場合、ペアケーブル31乃至34のうち、休止状態にあるペアケーブルの少なくとも何れかの休止状態を解除することにより、動作している状態にあるペアケーブルの本数を増加する。すなわち、本実施形態に係る通信制御装置10は、通信エラーの発生状況が改善したにもかかわらず、動作している状態にあるペアケーブルの本数が少ない状態(すなわち、通信性能が低下した状態)が継続することを防止する。これにより、本実施形態に係る通信制御装置10は、通信エラーの発生状況に応じて、適切な性能の通信環境を提供することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る設定部11は、データ量測定部14による測定結果をふまえて、ペアケーブル31乃至34に関する休止状態の設定及び解除を行うことができる。これにより、本実施形態に係る通信制御装置10は、例えば、休止状態の設定及び解除を行う際の通信エラーレートに関する閾値を、データ量が大きいほど大きくするというような、通信状態に合わせた、より柔軟な制御を行うことができる。尚、通信制御装置10は、データ量測定部14を備えない場合もある。
【0049】
また、本実施形態に係る設定部11は、温度測定部15による測定結果をふまえて、ペアケーブル31乃至34に関する休止状態の設定及び解除を行うことができる。これにより、本実施形態に係る通信制御装置10は、例えば、休止状態の設定及び解除を行う際の通信エラーレートに関する閾値を、温度が高いほど小さくするというような、自装置の状態に合わせた、より柔軟な制御を行うことができる。尚、通信制御装置10は、温度測定部15を備えない場合もある。
【0050】
さらに、本実施形態に係る設定部12は、ユーザが端末装置20を使用して入力した、ペアケーブル31乃至34の状態を設定することを指示する命令情報の内容に従い動作することができる。この場合、ユーザは、例えば、ケーブルの種類、あるいは、通信制御装置10が設置されたフロア環境(ノイズ発生源の有無など)等に応じて、当該命令情報を入力する。ユーザは、あるいは、表示部16により端末装置20に表示された、検出部11により検出されたエラーの発生状況に基づいて、当該命令情報を入力する。したがって、本実施形態に係る通信制御装置10は、ペアケーブル31乃至34に関する休止状態の設定及び解除について、ユーザの意向をふまえた、より柔軟な制御を行うことができる。
【0051】
なお、本実施形態に係る通信制御装置10は、10Gbイーサネットケーブル30とは異なる仕様の集合型ケーブルを使用した通信を制御してもよい。その場合、その集合型ケーブルが束ねるペアケーブルの本数は4つに限定されない。またその集合型ケーブルが束ねる通信用ケーブルは、電線を2本対で撚り合わせたペアケーブルとは異なる仕様のケーブルであってもよい。
【0052】
<第2の実施形態>
図5は、本願発明の第2の実施形態に係る通信制御装置40の構成を概念的に示すブロック図である。
【0053】
本実施形態に係る通信制御装置40は、検出部41、及び、通信制御部42を備えている。
【0054】
検出部41は、複数の通信用ケーブル51−1乃至51−n(nは2以上の任意の整数)を束ねた集合型ケーブル50を使用して行われる通信において、発生した通信エラーを検出する。
【0055】
通信制御部42は、当該通信エラーの発生状況が第1の基準420を満たす場合、複数の通信用ケーブル51−1乃至51−nのうちの少なくとも何れかを休止状態に設定する。通信制御部42は、休止状態に設定した通信用ケーブルを使用せずに、当該通信を行うように制御する。
【0056】
本実施形態に係る通信制御装置40は、複数の通信用ケーブルを束ねた集合型ケーブルを使用して行われる通信において発生する通信エラーを、確実に低減することができる。その理由は、通信制御装置40が以下の通りに動作するからである。
すなわち、
・検出部41は、通信用ケーブル51−1乃至51−nを束ねた集合型ケーブル50を使用して行われる通信において、発生した通信エラーを検出する。
・通信制御部42は、当該通信エラーの発生状況が第1の基準420を満たす場合、通信用ケーブル51−1乃至51−nのうちの少なくとも何れかを休止状態に設定する。通信制御部42は、休止状態に設定した通信用ケーブルを使用せずに、当該通信を行うように制御する。
【0057】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において
図1、及び、
図5に示した各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、
図1、及び、
図5において、少なくとも、下記構成は、ソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・検出部11、及び、41
・設定部12、及び、42
・制御部13、及び、43
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、
図6を参照して説明する。
【0058】
図6は、本願発明の各実施形態に係る電子機器温度制御装置を実行可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、
図6は、
図1、及び、
図5に示した通信制御装置を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
【0059】
図6に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・外部装置との通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・入出力インタフェース909。
【0060】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。
【0061】
そして、上述した実施形態を例に説明した本願発明は、
図6に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(
図1、及び、
図5)における、検出部11及び41、設定部12及び42、及び、制御部13及び43、或いはフローチャート(
図4)の機能である。本願発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0062】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本願発明を説明した。しかしながら、本願発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本願発明は、本願発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。