特許第6302005号(P6302005)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6302005
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】針保護デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20180319BHJP
   A61M 5/31 20060101ALI20180319BHJP
【FI】
   A61M5/32 500
   A61M5/31 500
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-123671(P2016-123671)
(22)【出願日】2016年6月22日
(62)【分割の表示】特願2014-137852(P2014-137852)の分割
【原出願日】2008年3月3日
(65)【公開番号】特開2016-165617(P2016-165617A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2016年7月21日
(31)【優先権主張番号】07/01530
(32)【優先日】2007年3月2日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】597136216
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・フランス・エス.エー.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ボネット
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0062108(US,A1)
【文献】 特開平10−305098(JP,A)
【文献】 特開平10−295814(JP,A)
【文献】 米国特許第03390759(US,A)
【文献】 米国特許第06551286(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/31− 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端に形成されたハブ部を有する針アセンブリまたは注入デバイスの前記ハブ部に設けられた針用の保護デバイスであって、
内側コアである遠位側の第1部分、
近位側の第2部分、および、
前記内側コアである遠位側の第1部分から外方に延在し、前記内側コアである遠位側の第1部分を前記近位側の第2部分に接続する少なくとも2つのリッジ、
を含む外側ケースであって、前記内側コアである遠位側の第1部分、前記近位側の第2部分および前記少なくとも2つのリッジによって複数の窓開口が画成されている外側ケースと、
該外側ケースに係合し、少なくとも前記ハブ部を受容するように構成された内側空洞を有する内側ケースと、
を具え、
該内側ケースと前記外側ケースとが一体の部材として機能するように、前記内側ケースが前記外側ケースに固定されて係合していることを特徴とする保護デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも2つのリッジから内方に延在して、前記内側コアである遠位側の第1部分に隣接するレリーフ構造をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項3】
前記内側コアである遠位側の第1部分および前記近位側の第2部分の少なくとも一方が実質的に円筒形状であることを特徴とする請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項4】
前記内側コアである遠位側の第1部分が実質的に円錐形状であることを特徴とする請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項5】
前記近位側の第2部分が環状リングであることを特徴とする請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項6】
前記内側ケースの前記内側空洞の少なくとも一部分が、前記外側ケースの前記複数の窓開口の少なくとも1つと位置合わせされていることを特徴とする請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項7】
前記針アセンブリからの前記保護デバイスの取り外しに応じて、前記内側ケースが、前記複数の窓開口の少なくとも1つに隣接する領域において、半径方向に変形することを特徴とする請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項8】
前記内側ケースの内壁から延在して、前記内側ケースを前記針アセンブリまたは前記注入デバイスに取り外し可能に固定するための少なくとも1つの突起をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの突起の少なくとも一部分が、前記外側ケースの前記複数の窓開口の少なくとも1つと位置合わせされていることを特徴とする請求項8に記載の保護デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの突起が不連続の環状当接部を含むことを特徴とする請求項8に記載の保護デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの突起が連続した環状当接部を含むことを特徴とする請求項8に記載の保護デバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの突起が少なくとも第1のリテーナおよび第2のリテーナを含むことを特徴とする請求項8に記載の保護デバイス。
【請求項13】
前記針アセンブリからの前記保護デバイスの取り外しに応じて、前記ハブ部が前記少なくとも1つの突起と接触し、前記複数の窓開口の少なくとも1つに隣接する領域において、前記内側ケースを半径方向に変形させることを特徴とする請求項8に記載の保護デバイス。
【請求項14】
前記内側ケースおよび前記外側ケースは、互いに固定して係合するための協働当接部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項15】
前記協働当接部材は、前記外側ケースの前記前記近位側の第2部分から延在するフックおよび前記内側ケースから延在する当接部を含むことを特徴とする請求項14に記載の保護デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入デバイスあるいはアセンブリの針を保護するデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願において、ピースあるいはデバイスの遠位端とはユーザの手から最も遠い端部を言うものとして理解すべきであり、近位端とはユーザの手に最も近い端部を言うものとして理解すべきである。同様に、本願において、「遠位方向」とは注入の方向を言うものとして理解すべきであり、近位方向とは注入の方向とは反対の方向を言うものとして理解すべきである。
【0003】
例えば注射器などの注入デバイスは、針が存在していることから、使用の前後に注意深く取り扱わなければならない。針の突き刺しによる不慮の負傷の危険を最小限にするために、注射器は一般に、針の尖鋭端を覆う針シールドをもつハブを装備している。針シールドは、針の尖鋭端を露出させるべく使用に先立って取り外される。かかるシールドは、針の尖鋭端を保護するための、また注入デバイスの使用前に針を無菌状態に保つための機能も果たす。
【0004】
注射器ハブと針シールドとの間にシールが存在していることから、注射器からの針シールドの取り外しによって注射器内に収容されている薬液の一部の吸出(aspiration)が引き起こされることがあり、この吸出分は注入の損失となるものである。薬剤を標準容量分(すなわちミリリットル単位で)注入する場合、かかる現象はさほど重要ではない。針シールドの取り外しを通じて吸出される量は、一般には、注入されるべき薬液の完全な用量に対して無視できる量であるからである。
【0005】
しかしながら、一般的には0.5〜3mmの範囲の短い針が注射器に設けられ、かつ比較的少ない用量の薬液が注射器内に移送されて患者に注入されるような皮内注入を行う場合、いかなる量であっても、薬液の吸出は、企図されている用量に対しかなりの損失を意味する。かかる皮内注入を正確に行う場合、例えばワクチン注射を行う場合に関して言えば、投与されるのに必要な容量の安定性を確保することが特に重要である。かかる吸出は注入の再現性を阻害するものともなる。薬液のいくらかの吸出によって用量が一貫しなくなり得るからである。
【0006】
針シールドは、概ね柔軟な部分と概ね剛性のある部分とを有している。概ね柔軟な部分によって、少なくとも封止線に沿った注射器との密封結合が可能となり、概ね剛性のある部分によって、不慮の針の突き刺しに対する保護が行われるとともに、ユーザが注射器から針シールドを取り外すために把持可能な表面が提供される。
【0007】
従って、注入デバイスや、注入デバイスまたはアセンブリに組み立てられることが企図された針アセンブリの針に対する針シールドなどの保護デバイスには、これが注入を実行するための注入デバイスの使用に先立って注入デバイスから取り外される際に、薬液の吸出を制限ひいては阻止するものであることが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、注入デバイスまたはアセンブリから取り外される際の薬液の吸出を制限する保護デバイスを提供することによって、この問題を解決する。本発明の保護デバイスは、固定された針(すなわち注射器から取り外し不能に固定された針)を有する注入デバイスや、例えばルアー結合(Luer connection)によって取り付けられた針アセンブリなどの取り外し可能な針を有する注入デバイスに用いることができるものである。加えて、本発明は特に、例えば皮内注射など少用量を供給することが企図された注入デバイスに有用なものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、針または針アセンブリまたは注入デバイスを保護するためのデバイスに係る。針アセンブリまたは注入デバイスは、遠位端に形成されたハブ部を有し、該ハブ部に針が設けられる。保護デバイスは、
第1材料で形成された外側ケースと、
該第1材料とは異なる第2材料で形成された内側ケースであって、前記ハブ部の少なくとも一部をシール状態で受容し、内壁を有する空洞を画成する内側ケースと、
前記保護デバイスを少なくとも1つの封止線に沿って前記アセンブリまたは注入デバイスに対し取り外し可能に係合および固定するべく、前記空洞に形成された取り付け手段と、
前記保護デバイスが前記注入デバイスから取り外される際に、前記空洞の変形を制限するように構成された吸出制限手段と、
を具える。本発明保護デバイスは、
前記取り付け手段が、前記内壁に形成されて前記空洞内に張り出す第1リテーナと、前記内壁に形成されて前記空洞内に張り出す第2リテーナとを具え、前記第1リテーナおよび前記第2リテーナは前記アセンブリまたは前記注入デバイスの一部と弾性的および取り外し可能に係合して前記保護デバイスを固定するように構成され、前記第1リテーナおよび前記第2リテーナは、少なくともその形状または寸法の一部が、前記ハブ部とともに前記封止線を形成するようにされていることを特徴とする。
【0010】
従って、保護デバイスの引き抜き時の空洞の変形が制限され、柔軟な部分により形成される封止線の、ハブに対する剛性のある部分の移動と同時の移動が生じる。また、封止線が残らないという事実によって、空洞内に真空が生じている間の時間を制限でき、従って液体吸出の恐れを制限できる。さらに詳述されるように、有利には、針の先端の、これがプラグ接続される(plugged in)柔軟な部分からの引き抜きに先立って、封止線とハブとの接触が破られる。
【0011】
確かに、注入デバイスまたはアセンブリに配置されたとき、本発明の保護デバイスは、その柔軟な部分を貫く針の先端を封止する。従来の注射器においては、針シールドが注射器から取り外されるとき、封止線は所定位置に残ったままとなる傾向があり、針シールドの柔軟な部分は変形し、展張する。針シールドと注射器ハブとの間に存在する緊密性によって、この変形が針を取り囲む空洞内に真空を生じさせる。真空の生成により、注射器のバレル内に収容された薬液の吸出が生じる。有利には、本発明は吸出を制限する手段を提供するものであり、これは、特にユーザが針シールドを注射器から取り外すときに針シールドの概ね剛性のある部分および概ね柔軟な部分が確実に一緒に移動するようにすることによって、針のまわりに真空が生じる時間を制限するよう機能する。よって、封止線はもはや作動せず、これは、針先端自体が概ね柔軟な部分とシール結合する状態とならなくなる前に起こる。それにより、針のまわりの空洞に真空が生じている時間が制限され、ひいては薬液の吸出が制限される。
【0012】
本発明に係る保護デバイスは、使用に先立って保護デバイスを取り外す過程で薬液の損失が生じることなく、低用量の薬液を注入するべく企図された注入デバイスの針を保護するのに用いられる。加えて、本発明の保護デバイスによって、低用量の薬液注入の再現性が向上する。
【0013】
本発明の一実施形態においては、前記取り付け手段は、前記ハブ部とともに前記封止線を形成するために前記内壁に形成されて前記空洞内に張り出す第1バルジを具える。
【0014】
本発明の他の実施形態においては、前記取り付け手段は、前記内壁に形成された不連続の環状当接部を具える。
【0015】
本発明の一実施形態においては、前記吸出制限手段は係合手段を具え、該係合手段は、前記内側ケースおよび前記外側ケースを互いに係合させることで、前記保護デバイスがアセンブリまたは前記注入デバイスから分離される際に、前記内側ケースおよび前記外側ケースが共に移動するように構成されている。
【0016】
本発明の一実施形態においては、前記係合手段は前記外側ケースに形成されたフックおよび前記空洞に形成された当接部を具え、前記フックが前記当接部に係合して、前記保護デバイスが前記アセンブリまたは注入デバイスから取り外される際に、前記外側ケースに対する前記封止線の相対移動を制限する。フックは、例えば、保護デバイス軸に垂直な当接面を呈する、もしくは三角形状を有するものとすることができる。
【0017】
有利には、本発明に係る保護デバイスにより、注入デバイスに対する保護デバイスの遠位方向への移動によって、針の尖鋭端のエリア内に真空が生成されている間の時間が最小限ないしは抑制される。特に、吸出制限手段および取り付け手段により、アセンブリあるいは注入デバイスのハブ部と針シールドとの間の封止線は、ユーザが針シールドをアセンブリあるいは注入デバイスから取り外し始めたときに、迅速に無効化される。
【0018】
本発明の一実施形態においては、前記外側ケースおよび前記内側ケース(30)が一体の部分をなしている。
【0019】
本発明の好適実施形態においては、前記外側ケースおよび前記内側ケースは、2材料のコ・インジェクション(bi-material co-injection)法およびバイ・インジェクション(bi-injection)法の一方により形成されている。前記第1材料は前記第2材料より剛性が高い。
【0020】
好ましくは、前記第1材料をポリプロピレンあるいは同様の特性および特徴を有する他の材料とすることができる。かかる材料によって、保護デバイスが取り外されるときに、前記外側ケースおよび前記内側ケースがともに移動できるようになる。例えば、前記第1材料が半剛体(semi-rigid)であってもよい。特に、外側ケースを半剛体の性質を持つものとすることによって、ユーザが外側ケースの遠位把持ゾーンを引くとき、前記内側ケースが外側ケースとともに引かれ、保護デバイスの全体(すなわち外側および内側ケースの双方)が注入デバイスに対し遠位方向に移動する。
【0021】
好ましくは、前記第2材料が熱可塑性エラストマー(TPE)である。
【0022】
前記第2材料に変形可能な性質を持たせることで、保護デバイスがアセンブリあるいは注入デバイスに取り付けられ、またはこれから取り外されるとき、特に注入デバイスまたはアセンブリのハブ部が保護デバイスの環状当接部と接触するときに、内側ケースが半径方向に変形できるものとなる。
【0023】
本発明の一実施形態においては、前記外側ケースは内側当接面を有し、前記内側ケースは、前記ハブ部が前記空洞に受容されるときに前記針の先端を実質的に受容する前記空洞に形成される針プラグ(36)を有する。
【0024】
本発明の一実施形態においては、前記取り付け手段はさらに第2バルジを具え、該第2バルジは少なくともその形状またはその寸法の1つが前記第1バルジとは異なっており、前記第2バルジは前記内側の空洞のまわりに非連続に存在している。
【0025】
本発明の一実施形態においては、同一の横平面に配置された少なくとも2つの第1または第2バルジが具えられる。
【0026】
本発明の他の実施形態においては、異なる横平面に配置された少なくとも2つの第1または第2バルジが具えられる。
【0027】
前記第1および/または第2バルジが互いに等間隔に配置されているものとすることができる。
【0028】
本発明の一実施形態においては、前記第1または第2バルジの少なくとも1つが、前記保護デバイスの長手軸に対して所定角度βをなす近位面を有し、前記所定角度βが35゜〜60゜の範囲のである。
【0029】
本発明の一実施形態においては、前記第1または第2バルジの少なくとも1つが、前記保護デバイスの長手軸に対して所定角度αをなす遠位面を有し、前記所定角度αが20゜〜40゜の範囲のである。
【0030】
本発明の一実施形態において、前記第1または第2バルジの少なくとも1つが、水滴を半分にした断面形状を有し、該形状の最も広い部分が前記保護デバイスの遠方端を向いている。
【0031】
本発明の一実施形態においては、前記第1および/または第2バルジは、矩形、三角形、長円形、十字形、星形またはその他の幾何学的形状を含む群から選択される形状を前記空洞に形成する。
【0032】
本発明の一実施形態においては、前記第1リテーナは、前記内側空洞内に第1所定距離Dbだけ半径方向に張り出すビード部を少なくとも具え、前記第2リテーナは、前記内側空洞内に前記第1所定距離Dbとは異なる第2所定距離Dpだけ半径方向に延在する突起を少なくとも具えている。
【0033】
前記第1リテーナは、前記内側空洞内に第1所定長Hbだけ軸方向に延在するビード部を少なくとも具えていてもよく、前記第2リテーナは、前記内側空洞内に前記第1所定長Hbより大きい第2所定長Hpだけ軸方向に延在する突起を少なくとも具えていていてもよい。
【0034】
本発明の一実施形態においては、前記第1または第2リテーナは連続的な環状ビード部を具える。
【0035】
本発明の他の形態は、ハブ部と、該ハブ部に設けられた針(2)とを具え、上述の保護デバイスをさらに具えたアセンブリである。
【0036】
アセンブリの好適実施形態においては、前記針が前記針プラグに組み込まれたときの前記針の先端は前記内側当接面から距離Yにあり、該距離Yが0.5mm以上である。
【0037】
本発明の他の形態は、アセンブリおよび保護デバイスによって形成される構造である。アセンブリは、ハブ部およびこれに設けられる針を含み、保護デバイスは、ハブ部を受容する空洞を画成し、ハブ部とともに少なくとも1つの封止線を形成する少なくとも1つのケースを含み、空洞は、その内部にハブ部が受容されるとき、針先端を封止状態で受容するための針プラグを形成するものであり、アセンブリおよび保護デバイスは、保護デバイスがアセンブリから引き抜かれるとき、針および針プラグの緊密性が確保されなくなる前に封止線が無効化されるよう設計されていることを特徴とする。
【0038】
本発明の他の形態は、ハブ部と、該ハブ部に設けられた針とを具え、上述の保護デバイス(10)をさらに具えた注入デバイスである。
【0039】
有利な実施形態では、本発明注入デバイスは、注入工程を通じて注入されることを目的とした液体製品が充填されたリザーバを具え、該リザーバには、前記注入工程に先立って、200マイクロリットル未満の容量の液体製品が含まれていることを特徴とする。
【0040】
本発明の他の利点および変形例は、以下の記載および添付の図面を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明に係る保護デバイスを受容するようにされた針を備える注入デバイスの断面を示す図である。
図2】本発明に係る保護デバイスを半分に破断した状態で示す斜視図である。
図3図2に係る保護デバイスの外側ケースの斜視図である。
図4図2に係る保護デバイスの内側ケースの斜視図である。
図5図2に係る保護デバイスの全体の上面図である。
図6図2に係る保護デバイスの全体の底面図である。
図7】本発明の保護デバイスを注入デバイスに組み付けたときの、図5のA−A線に沿って示した断面図である。
図8】本発明の保護デバイスを注入デバイスに組み付けたときの、図5のB−B線に沿って示した断面図である。
図9図8に係る保護デバイスを注入デバイスから部分的に取り外す際の断面図である。
図10】本発明に係る保護デバイスの内側ケースの他の実施形態を示す断面図である。
図11図10に係る保護デバイスの内側ケースの近位端側の底面図である。
図12】A、BおよびCは、それぞれ、図10の保護デバイスの内側ケースの変形例を示す斜視図、長手軸方向に沿って破断した斜視図、および半分に破断した状態の底面図である。
図13】A、BおよびCは、それぞれ、図10の保護デバイスの内側ケースの変形例を示す斜視図、長手軸方向に沿って破断した斜視図、および半分に破断した状態の底面図である。
図14】A、BおよびCは、それぞれ、図10の保護デバイスの内側ケースの変形例を示す斜視図、長手軸方向に沿って破断した斜視図、および半分に破断した状態の底面図である。
図15】A〜Dは、本発明に係る保護デバイスの内側ケースの他の実施形態を示す図11と同様な断面図である。
図16】本発明に係る保護デバイスの内側ケースのさらに他の実施形態を示す断面図である。
図17】本発明に係る保護デバイスの内側ケースのさらに他の実施形態を示す断面図である。
図18】A〜Hは、本発明に係る保護デバイスの内側ケースの他の実施形態を示す図15A図15Dと同様な断面図である。
図19】本発明の他の実施形態を示すための図5のA−A線に沿った断面図である。
図20】本発明の他の実施形態を示すための図5のB−B線に沿った断面図である。
図21図19図20の実施形態の外側ケースの斜視図である。
図22図19図20の実施形態の外側ケースを破断して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は例えば注射器などの注入デバイス1を示し、針2を備えるとともに、本発明に係る保護デバイスを受容するよう形状および寸法が定められている。図1に示す例において、針2は短く、好ましくは0.5mm〜3mmの範囲である。かかる針の長さは真皮層への注入(皮内注射とも参照される)を実施するために用いられるものである。
【0043】
図1の注入デバイス1は、開放された近位端12と、実質的に閉塞された遠位端13と、それらの間に延在して注入デバイス1のリザーバ3を画成する側壁11とを有する。リザーバ3は、注入デバイス1内に薬液(liquid medicament)を収容するべく形状および寸法が定められている。注入デバイス1はまた、その遠位端にネック部7を含んでおり、これはリザーバ3に対して狭隘なものとなっている。注入デバイス1はまた、その遠位端にハブ部6を含んでおり、これは、リザーバ3内に延在して連通する針2を受容するべく形状および寸法が定められている。従って、針2は通路5を形成し、薬液4はリザーバ3から通路を通って流れ、注入部位(例えば患者の皮膚)に注入可能である。
【0044】
また、図1に示す注入デバイスすなわち注射器1はプランジャロッド9を含み、これはその端部に設けられたプランジャ8を有している。プランジャ8は側壁11の内面に沿ってリザーバ3内で摺動し、薬液4をリザーバ3から針2を通して放出させる。
【0045】
図2は本発明の実施形態に係る保護デバイス10を示す。本発明の保護デバイス10は外側ケース20および内側ケース30を具え、2材料のコ・インジェクション法(bi-material co-injection process)またはバイ・インジェクション法(bi-injection process)を用いて形成されている。外側ケース20は、内側ケース30を作製する材料よりも剛性のある材料で作製されている。好ましくは、外側ケース20はポリプロピレンで作製され、内側ケース30はTPE(Thermo Plastic Elastomer;熱可塑性エラストマー)などの変形可能な材料で作製される。
【0046】
図3および図4は、明確化のために分離させた状態で外側ケース20および内側ケース30をそれぞれ示している。
【0047】
図2を参照するに、内側ケース30は内壁34を有し、これは、後述するように、注入デバイス1のハブ部6を受容するべく形状および寸法が定められている。
【0048】
空洞32の内壁34には、不連続な環状当接部の形態40である少なくとも1つのバルジが形成されている。環状当接部40によって、本発明の保護デバイス10を注入デバイス1に取り外し可能に取り付けるための手段が提供される。あるいは、環状当接部40を連続的なものとしてもよい。さらに、内壁34をハブ部6のまわりで弾性変形可能なものとすることで、封止ゾーン、少なくとも封止線が形成されるようにする。
【0049】
図3を参照するに、外側ケース20は遠位の把持ゾーン21を具え、保護デバイス10を、例えばこれが取り付けられている注入デバイス1から取り外す目的で、ユーザが把持することができる。図3に示される例においては、この把持ゾーンに3つのリッジを具えることで、ユーザの把持性を向上している。外側ケース20はまた3つの窓部23を具える。後述するように、3つの窓部23は、保護デバイス10が取り外される際に内側ケース30が半径方向に変形できるようにするためのものである。
【0050】
図2を参照するに、外側ケース20はまた、図に例示するように三角形状をもつ環状斜面の形態のフック50を具える。フック50は他の形状を有していてもよく、例えば保護デバイス10の軸に垂直な当接面を呈するものであってもよい。このフック50は、保護デバイス10が注入デバイス1から取り外される際に内側ケース30および外側ケース20が共に、すなわち一体となって移動するようにする目的で、内側ケース30と相互作用する。従って、保護デバイス10を注入デバイス1から取り外す際にユーザが外側ケース20を把持するとき、外側ケース20および内側ケース30が共に、封止線を残すことなく実質的に一体となって移動する。これにより、内側ケース30の軸方向に沿った伸びや変形が最小限となる。フック50は、ここで説明したように外側ケース20および内側ケース30が実質的に一体となるよう保持することを確実にする保持手段として機能する。
【0051】
図5および図6は、それぞれ。本発明の保護デバイス10の上面図および底面図である。図7および図8は、注入デバイス1に取り付けられた本発明に係る保護デバイス10を示している。図7において保護デバイス10は図5のA−A線に沿った断面で示されている一方、図8図5のB−B線に沿った断面を示している。図7および図8に示すように、保護デバイス10は注入デバイス1の遠位端上に取り外し可能に嵌合し、針2、ハブ部6およびネック部7が空洞32内に収納されるようになっている。好ましくは、環状当接部40は、少なくともその一部がネック部7もしくはその近傍に置かれる。針2の遠位の先端(すなわち尖鋭な先端)は内側ケース30内に好ましく収納され、尖鋭な先端の鋭さと無菌状態とが維持されるようになっている。加えて、針2の尖端が本発明の保護デバイス10によって安全に保持および遮蔽され、不慮の突き刺しによる負傷が防止されるようになっている。
【0052】
図8および図9に示すように、外側ケース20は近位方向に向く面28を持つ内側当接面24を有し、内側ケース30は空洞32を画成してそこに嵌めこまれる針プラグ36を有している。図8に示すように、針プラグ36は、内側当接面24の近位方向を向く面28から距離Xをもって配置された、近位方向を向く面38を有している。この距離Xは、注入デバイス1のハブ部6が空洞32内に受容された際に針2の尖端を実質的に受容し、針2の尖端が当接面24の近位方向を向く面28から距離Yを確実に置くようにするのに十分な長さである。図7図9の例において、距離XおよびYは各々約5mmである。
【0053】
注入デバイス1の使用に先立ち、ユーザは本発明の保護デバイス10を取り外し、針の尖鋭端を露出させ、針2により形成される通路5を開くことでリザーバ3からの薬液の流れが許容されるようにしなければならない。好ましくは、ユーザは遠位の把持ゾーンないしはその近傍を把持し、前記外側ケース20を遠位方向に引く。上述のように、フック50は内側ケース30および外側ケース20間の概ね一体の関係を確保しており、両者は、本発明の保護デバイス10が注入デバイス1から取り外されるときに、本質的に1つのピースとして移動するようになっている。また、フック50は内側ケース30および外側ケース20間の概ね一体の関係を保持しており、両者間の展張が低減されて封止線の移動が生じるようになっている。リザーバ3内には皮内注射用に比較的少量の薬液が備えられていることから、本発明の保護デバイス10が注入デバイス1から取り外される際の内側ケース30の伸びを最小限にし、保護デバイス10が注入デバイス1から取り外される際の薬液の吸出を制限することが強く要望される。
【0054】
保護デバイス10を取り外す過程で、注入デバイス1のハブ部6は不連続な環状当接部40と接触し、変形することによって、内側ケース30の半径方向外方への変形を生じさせる。この半径方向の変形が概ね図9に示されており、さらに外側ケース20に形成される窓部23がこの変形を円滑にする(例えば図3を参照)。
【0055】
そのような注入デバイス1からの保護デバイス10の取り外しは、注入デバイス1から離れる保護デバイス10の遠位方向への移動により生じる空間70内に真空を生成し得る。その真空はまた、リザーバ3から針2を通る薬液の吸出を生じさせ得る。この望ましくない効果を防ぐために、本発明は、真空状態を迅速に破るべく機能する不連続な環状当接部40を好ましく備えている。従って、保護デバイス10の取り外しによって生じる吸出は、針2を通る有意の量の薬剤の引き出しを生じさせるには十分でないものとなる。この観点において、保護デバイス10が注入デバイス1から取り外されるとき、針2の尖端と針プラグ36との緊密性が確保されなくなる前に封止線が無効化されるよう、保護デバイス10および注入デバイス1の寸法を定めることが有利である。
【0056】
図10および図11を参照するに、本発明保護デバイス10の内側ケース30の他の実施形態が示されている。図1図9と同じ要素には同じ参照符号が付されている。
【0057】
図10の内側ケース30は第1リテーナを具え、これは、壁34に形成されてその内面34aから空洞32内に張り出す環状ビード部を形成している。環状ビード部41は前記空洞32の全体の周りに連続したものであってもよい。
【0058】
内側ケースはまた第2リテーナを具え、これは環状ビード部41から空洞32内に張り出す突起42を形成している。図10に示されるように、環状ビード部41および突起42は同じ横平面P1内に配置されている。
【0059】
図11は、図10の横平面P1に沿った図10の内側ケース30の断面図であり、図11においては壁34の内面34aが破線で示されている。この図から明らかなように、環状ビード部41は、前記内面34aから半径方向に、前記空洞32内に第1所定距離Dbだけ張り出している。突起42は、前記内面34aから半径方向に、前記空洞32内に第2所定距離Dpだけ張り出しており、これは前記第1所定距離Dbよりも大きい。
【0060】
さらに、図10から明らかなように、環状ビード部41は、前記空洞32内に軸方向に第1所定長Hb延在し、突起42は、前記空洞32内に軸方向に第2所定長Hp延在しており、これは前記第1所定長よりも大きい。
【0061】
図10に示されるように、突起42は、内側ケース30の長手軸AA’に対して角度αをなす遠位面42aと、長手軸AA’に対して角度βをなす近位面42bとを有している。角度αは好ましくは20゜〜40゜の範囲である。図示の例では、角度αの値は30゜である。角度βは好ましくは35゜〜60゜の範囲である。図示の例では、角度βの値は45゜である。
【0062】
本発明の他の実施形態として、内側ケース30は、図10を参照して説明した第1の環状ビード41および第1の突起42に加えて、1以上の付加的な環状ビードおよび/または突起を具えていてもよい。付加的な環状ビードおよび/または突起の形状や寸法は、前記第1の環状ビード41および前記第1の突起42と同じものでも異なったものでもよい。それらは、第1の環状ビード41および/または第1の突起42のように同じ横平面に配置されるものでもよいし、異なる横平面に配置されるものでもよい。
【0063】
図12A図14Cはそのような付加的な突起を具える他の実施形態の説明図である。これらのすべての図においても、図10と同じ要素には同じ参照符号が付されている。
【0064】
図12A図12Cには、図10の内側ケースの他の実施形態が示され、互いに等間隔を置いた複数の突起42が設けられている。図示の例において、内側ケース30は、1つの環状ビード41と、それと同一の横平面に配置された4つの突起42(その一部が図示されている)と、を具えている。
【0065】
図13A図13Cには、図10の内側ケース30の他の実施形態が示され、互いに等間隔を置いた複数の突起42が設けられている。図示の例において、内側ケース30は、1つの環状ビード41と、それと同一の横平面に配置された4つの突起42(その一部が図示されている)と、を具えている。図13A図13Cにおける内側ケース30の突起42は、水滴を半分にした(half a drop of water)ような形状を有し、当該水滴の最も広い部分が内側ケース30の遠位端30bを向くようにされている。
【0066】
図14A図14Cには、図10の内側ケース30の他の実施形態が示され、少なくとも1つの突起42と、少なくとも1つの環状ビード41とが設けられている。
【0067】
それぞれの形状と、環状ビードおよび/または突起の数とに従って、前記環状ビードおよび/または突起は、適切な矩形、三角形、長円形(oblong format)、十字形、星形またはその他の幾何学的形状を含む群から選択される形状を空洞に形成し、所要の機能および特性を提供するようにすることができる。
【0068】
第1環状ビード41、第1突起42および付加的な環状ビードおよび/または突起は、注入デバイスの一部に弾性的および解除可能に係合して、それに対する保護デバイス10の固定を行うことができるように設計される。
【0069】
図15Aは、図11と同様な断面図であり、本発明の保護デバイスの内側ケースの他の実施形態を示し、この例では前記保護デバイスが少なくとも1つの第1バルジ43を具えている。図15Aの実施形態は2つの第1バルジ43を具えている。2つの第1バルジ43は、この図から明らかなように径方向に対向しているが、その他の配置もまた本発明の範囲および精神の意図するところであり、これらに含まれるものである。
【0070】
図16は、本発明の保護デバイス10の内側ケース30の他の実施形態を示し、ここでは内側ケース30が等しい4つの第1バルジ43(図ではそのうち3つのみが示されている)を具えている。これらは壁34の内面に形成され、内側空洞32内に張り出している。図16において、図10におけるものと同じ要素は同じ参照符号が付されている。図16の横平面P1に沿った内側ケース30の断面図である図15Bからさらに明らかなように、第1バルジ43は同じ横平面P1内に等間隔に配置され、水滴を半分にした形状を有している。その半水滴の最も広い部分は内側ケース30の遠位端30bに向いている。このバルジ43の特別な形状により、第1バルジ43の遠位面43aは内側ケース30の長手方向軸に対してほぼ30゜の角度αをなし、近位面43bは内側ケース30の長手方向軸に対してほぼ45゜の角度βをなしている。このため、ニードルハブ(不図示)に対する保護デバイス10の装着および取り外しが容易となる。
【0071】
図17は、図16の内側ケース30のさらに他の実施形態を示し、2つの第1バルジ43および4つの第2バルジ44を具えている。これらは壁34の内面に形成され、内側空洞32内に張り出している。第1バルジ43および第2バルジ44は、針アセンブリ(不図示)の一部に弾性的および解除可能に係合して、それに対する保護デバイス10の固定を行うことができるように設計される。図17において、図16におけるものと同じ要素は同じ参照符号が付されている。図17の横平面P1に沿った内側ケース30の断面図である図15Cからさらに明らかなように、第1バルジ43は径方向に互いに対向するように第1横平面P1内に配置され、周方向に不連続な突起を形成している。図17の横平面P2に沿った内側ケース30の断面図である図15Dからさらに明らかなように、第2バルジ44は第2横平面P2内に等間隔に配置されている。このように第1バルジ43および第2バルジ44を異なる横平面P1およびP2に配置することで、針ハブ6のより大きな部分に均等な保持力を分布させ、かつ、保護デバイス10の取り外しに要する力を増すことなく、針アセンブリに対し内側ケース30をより良好に維持できるようになる。
【0072】
図18A図18Hは、図15A図15Dと同様な断面図であり、本発明の保護デバイス10の内側ケース30の他の実施形態を示し、これらにおいて第1バルジ43は所定の幾何学的形状をなしている。特に、
図18Aにおいては、第1バルジ43が空洞32に長円形状の開口を形成し、
図18B図18Eおよび図18Gにおいては、第1バルジ43が空洞32に正方形に同等もしくはほぼ同等の開口を形成し、
図18Cおよび図18Dにおいては、第1バルジ43が空洞32に三角形にほぼ同等の開口を形成し、
図18Fにおいては、第1バルジ43が空洞32に星形にほぼ同等の開口を形成し、
図18Hにおいては、第1バルジ43が空洞32に十字形にほぼ同等の開口を形成する、
ものとなっている。第2バルジ44についても、上述の所定の幾何学的形状の1つを形成するものとすることができる。
【0073】
図19図22は本発明の保護デバイス10の他の実施形態を示し、外側ケース20は、内側コア25と、その近位端にあるレリーフ構造26とを具えている。図1図9におけるものと同じ要素は同じ参照符号が付されている。内側コア25は、内側ケース30の材料に対する当接面を針プラグ36の近傍で提供する。図9および図22に示すように、針プラグ36は当接面24から距離Xをもって配置される近位方向を向く面38を有する。距離Xは、針(不図示)と当接面24との接触が生じることなく針を覆うに十分な大きさとされるが、保護デバイス10が針アセンブリ上に取り付けられときの内側ケース材の圧縮を低減する目的でその大きさが制限される。これは、針プラグ36に針を組み込む際の精度および信頼性を改善する。さらに、距離Xは、針プラグ36に必要な材料の量を低らし、これにより成形時の沈降(sinking)が低減される。この例においては、少なくとも0.5mmの針の先端と当接面24との間に距離Y(不図示)を残す目的で、距離Xは2、3mm(few milimeters)とされている。
【0074】
内側コア25の近位端に設けられるレリーフ構造(図21参照)は、内側ケースの材料のインジェクション過程でのリッジ22の潰れを防止する上で有利に働く。図19図22の保護デバイス10は、外側ケース20および内側ケース30の転位(transfer)を伴わずにコ・インジェクションを行うことによって製造することができる。あるいは、図19図22の保護デバイス10は、外側ケース20および内側ケース30の転位を伴ってコ・インジェクションを行うことによって製造することもできる。また、レリーフ構造26が存在することによって、空洞内の内側ケースの材料の量を低減することができ、これにより空洞の寸法安定性の向上を改善することができる。
【0075】
ここに記載され、説明され、特許が請求される本発明に係る保護デバイスは、従って、非常に低用量の薬液の注入(すなわち皮内注射)を目的とした注入デバイスまたはアセンブリの針の尖鋭性(sharpness)の保護および無菌性(sterility)の確保を可能とするものである。本発明の保護デバイスは、使用に先立ってこれが注入デバイスから取り外される際の、前記薬液用量の有意の部分が損失するリスクをなくすことができる。
【0076】
技術分野における当業者にとっては、ここに提供した開示から、本発明の範囲および精神から逸脱することなく種々の部分に関していくらかの代替および変形を行い得ることが自明であろう。例えば、注入デバイスの一例として注射器が説明されたが、明らかに本発明は、針が固定されまたは固定可能で、薬剤を患者に注入するのに使用される現在公知の、または今後開発されるいかなる注入デバイスにも向いたものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図22