【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、針または針アセンブリまたは注入デバイスを保護するためのデバイスに係る。針アセンブリまたは注入デバイスは、遠位端に形成されたハブ部を有し、該ハブ部に針が設けられる。保護デバイスは、
第1材料で形成された外側ケースと、
該第1材料とは異なる第2材料で形成された内側ケースであって、前記ハブ部の少なくとも一部をシール状態で受容し、内壁を有する空洞を画成する内側ケースと、
前記保護デバイスを少なくとも1つの封止線に沿って前記アセンブリまたは注入デバイスに対し取り外し可能に係合および固定するべく、前記空洞に形成された取り付け手段と、
前記保護デバイスが前記注入デバイスから取り外される際に、前記空洞の変形を制限するように構成された吸出制限手段と、
を具える。本発明保護デバイスは、
前記取り付け手段が、前記内壁に形成されて前記空洞内に張り出す第1リテーナと、前記内壁に形成されて前記空洞内に張り出す第2リテーナとを具え、前記第1リテーナおよび前記第2リテーナは前記アセンブリまたは前記注入デバイスの一部と弾性的および取り外し可能に係合して前記保護デバイスを固定するように構成され、前記第1リテーナおよび前記第2リテーナは、少なくともその形状または寸法の一部が、前記ハブ部とともに前記封止線を形成するようにされていることを特徴とする。
【0010】
従って、保護デバイスの引き抜き時の空洞の変形が制限され、柔軟な部分により形成される封止線の、ハブに対する剛性のある部分の移動と同時の移動が生じる。また、封止線が残らないという事実によって、空洞内に真空が生じている間の時間を制限でき、従って液体吸出の恐れを制限できる。さらに詳述されるように、有利には、針の先端の、これがプラグ接続される(plugged in)柔軟な部分からの引き抜きに先立って、封止線とハブとの接触が破られる。
【0011】
確かに、注入デバイスまたはアセンブリに配置されたとき、本発明の保護デバイスは、その柔軟な部分を貫く針の先端を封止する。従来の注射器においては、針シールドが注射器から取り外されるとき、封止線は所定位置に残ったままとなる傾向があり、針シールドの柔軟な部分は変形し、展張する。針シールドと注射器ハブとの間に存在する緊密性によって、この変形が針を取り囲む空洞内に真空を生じさせる。真空の生成により、注射器のバレル内に収容された薬液の吸出が生じる。有利には、本発明は吸出を制限する手段を提供するものであり、これは、特にユーザが針シールドを注射器から取り外すときに針シールドの概ね剛性のある部分および概ね柔軟な部分が確実に一緒に移動するようにすることによって、針のまわりに真空が生じる時間を制限するよう機能する。よって、封止線はもはや作動せず、これは、針先端自体が概ね柔軟な部分とシール結合する状態とならなくなる前に起こる。それにより、針のまわりの空洞に真空が生じている時間が制限され、ひいては薬液の吸出が制限される。
【0012】
本発明に係る保護デバイスは、使用に先立って保護デバイスを取り外す過程で薬液の損失が生じることなく、低用量の薬液を注入するべく企図された注入デバイスの針を保護するのに用いられる。加えて、本発明の保護デバイスによって、低用量の薬液注入の再現性が向上する。
【0013】
本発明の一実施形態においては、前記取り付け手段は、前記ハブ部とともに前記封止線を形成するために前記内壁に形成されて前記空洞内に張り出す第1バルジを具える。
【0014】
本発明の他の実施形態においては、前記取り付け手段は、前記内壁に形成された不連続の環状当接部を具える。
【0015】
本発明の一実施形態においては、前記吸出制限手段は係合手段を具え、該係合手段は、前記内側ケースおよび前記外側ケースを互いに係合させることで、前記保護デバイスがアセンブリまたは前記注入デバイスから分離される際に、前記内側ケースおよび前記外側ケースが共に移動するように構成されている。
【0016】
本発明の一実施形態においては、前記係合手段は前記外側ケースに形成されたフックおよび前記空洞に形成された当接部を具え、前記フックが前記当接部に係合して、前記保護デバイスが前記アセンブリまたは注入デバイスから取り外される際に、前記外側ケースに対する前記封止線の相対移動を制限する。フックは、例えば、保護デバイス軸に垂直な当接面を呈する、もしくは三角形状を有するものとすることができる。
【0017】
有利には、本発明に係る保護デバイスにより、注入デバイスに対する保護デバイスの遠位方向への移動によって、針の尖鋭端のエリア内に真空が生成されている間の時間が最小限ないしは抑制される。特に、吸出制限手段および取り付け手段により、アセンブリあるいは注入デバイスのハブ部と針シールドとの間の封止線は、ユーザが針シールドをアセンブリあるいは注入デバイスから取り外し始めたときに、迅速に無効化される。
【0018】
本発明の一実施形態においては、前記外側ケースおよび前記内側ケース(30)が一体の部分をなしている。
【0019】
本発明の好適実施形態においては、前記外側ケースおよび前記内側ケースは、2材料のコ・インジェクション(bi-material co-injection)法およびバイ・インジェクション(bi-injection)法の一方により形成されている。前記第1材料は前記第2材料より剛性が高い。
【0020】
好ましくは、前記第1材料をポリプロピレンあるいは同様の特性および特徴を有する他の材料とすることができる。かかる材料によって、保護デバイスが取り外されるときに、前記外側ケースおよび前記内側ケースがともに移動できるようになる。例えば、前記第1材料が半剛体(semi-rigid)であってもよい。特に、外側ケースを半剛体の性質を持つものとすることによって、ユーザが外側ケースの遠位把持ゾーンを引くとき、前記内側ケースが外側ケースとともに引かれ、保護デバイスの全体(すなわち外側および内側ケースの双方)が注入デバイスに対し遠位方向に移動する。
【0021】
好ましくは、前記第2材料が熱可塑性エラストマー(TPE)である。
【0022】
前記第2材料に変形可能な性質を持たせることで、保護デバイスがアセンブリあるいは注入デバイスに取り付けられ、またはこれから取り外されるとき、特に注入デバイスまたはアセンブリのハブ部が保護デバイスの環状当接部と接触するときに、内側ケースが半径方向に変形できるものとなる。
【0023】
本発明の一実施形態においては、前記外側ケースは内側当接面を有し、前記内側ケースは、前記ハブ部が前記空洞に受容されるときに前記針の先端を実質的に受容する前記空洞に形成される針プラグ(36)を有する。
【0024】
本発明の一実施形態においては、前記取り付け手段はさらに第2バルジを具え、該第2バルジは少なくともその形状またはその寸法の1つが前記第1バルジとは異なっており、前記第2バルジは前記内側の空洞のまわりに非連続に存在している。
【0025】
本発明の一実施形態においては、同一の横平面に配置された少なくとも2つの第1または第2バルジが具えられる。
【0026】
本発明の他の実施形態においては、異なる横平面に配置された少なくとも2つの第1または第2バルジが具えられる。
【0027】
前記第1および/または第2バルジが互いに等間隔に配置されているものとすることができる。
【0028】
本発明の一実施形態においては、前記第1または第2バルジの少なくとも1つが、前記保護デバイスの長手軸に対して所定角度βをなす近位面を有し、前記所定角度βが35゜〜60゜の範囲のである。
【0029】
本発明の一実施形態においては、前記第1または第2バルジの少なくとも1つが、前記保護デバイスの長手軸に対して所定角度αをなす遠位面を有し、前記所定角度αが20゜〜40゜の範囲のである。
【0030】
本発明の一実施形態において、前記第1または第2バルジの少なくとも1つが、水滴を半分にした断面形状を有し、該形状の最も広い部分が前記保護デバイスの遠方端を向いている。
【0031】
本発明の一実施形態においては、前記第1および/または第2バルジは、矩形、三角形、長円形、十字形、星形またはその他の幾何学的形状を含む群から選択される形状を前記空洞に形成する。
【0032】
本発明の一実施形態においては、前記第1リテーナは、前記内側空洞内に第1所定距離Dbだけ半径方向に張り出すビード部を少なくとも具え、前記第2リテーナは、前記内側空洞内に前記第1所定距離Dbとは異なる第2所定距離Dpだけ半径方向に延在する突起を少なくとも具えている。
【0033】
前記第1リテーナは、前記内側空洞内に第1所定長Hbだけ軸方向に延在するビード部を少なくとも具えていてもよく、前記第2リテーナは、前記内側空洞内に前記第1所定長Hbより大きい第2所定長Hpだけ軸方向に延在する突起を少なくとも具えていていてもよい。
【0034】
本発明の一実施形態においては、前記第1または第2リテーナは連続的な環状ビード部を具える。
【0035】
本発明の他の形態は、ハブ部と、該ハブ部に設けられた針(2)とを具え、上述の保護デバイスをさらに具えたアセンブリである。
【0036】
アセンブリの好適実施形態においては、前記針が前記針プラグに組み込まれたときの前記針の先端は前記内側当接面から距離Yにあり、該距離Yが0.5mm以上である。
【0037】
本発明の他の形態は、アセンブリおよび保護デバイスによって形成される構造である。アセンブリは、ハブ部およびこれに設けられる針を含み、保護デバイスは、ハブ部を受容する空洞を画成し、ハブ部とともに少なくとも1つの封止線を形成する少なくとも1つのケースを含み、空洞は、その内部にハブ部が受容されるとき、針先端を封止状態で受容するための針プラグを形成するものであり、アセンブリおよび保護デバイスは、保護デバイスがアセンブリから引き抜かれるとき、針および針プラグの緊密性が確保されなくなる前に封止線が無効化されるよう設計されていることを特徴とする。
【0038】
本発明の他の形態は、ハブ部と、該ハブ部に設けられた針とを具え、上述の保護デバイス(10)をさらに具えた注入デバイスである。
【0039】
有利な実施形態では、本発明注入デバイスは、注入工程を通じて注入されることを目的とした液体製品が充填されたリザーバを具え、該リザーバには、前記注入工程に先立って、200マイクロリットル未満の容量の液体製品が含まれていることを特徴とする。
【0040】
本発明の他の利点および変形例は、以下の記載および添付の図面を用いて説明される。