特許第6302019号(P6302019)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6302019情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6302019
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20180319BHJP
【FI】
   G06Q40/08
【請求項の数】14
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-170316(P2016-170316)
(22)【出願日】2016年8月31日
(65)【公開番号】特開2018-36922(P2018-36922A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2017年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 裕之
(72)【発明者】
【氏名】常本 由起子
(72)【発明者】
【氏名】北村 沙織
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−016783(JP,A)
【文献】 特開平09−330364(JP,A)
【文献】 特開2002−140527(JP,A)
【文献】 特開2001−344422(JP,A)
【文献】 特開平10−254951(JP,A)
【文献】 特開2007−265258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの保険に関する入出金データであってユーザが管理する口座における入出金に関する入出金データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された入出金データに基づいて入出金状況に変化があると判定された場合に、変化後の入出金データと保険に対する支出に関する統計情報との比較に基づき保険に関する所定の処理を行う制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記取得部により取得された入出金データに基づいてこれまでの出金データから変化があると判定された場合に、変化後の出金データと保険に対する支出に関する統計情報との比較結果に基づいて、前記ユーザに対して保険に関する情報を提示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記取得部により取得された入出金データに基づいてこれまでの出金データから変化があると判定された場合に、変化後の出金データと前記保険に対する支出に関する統計情報であって前記ユーザの属性情報に応じた統計情報との比較結果に基づいて、前記ユーザに対して保険に関する提案を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記取得部により取得された入出金データに基づいてこれまでの出金データから変化があると判定された場合に、変化後の出金データに基づいて、前記ユーザが登録している保険に関する情報を更新する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記取得部により取得された入出金データの中に新たに発生した入金データが含まれることにより入金状況に変化があると判定された場合に、当該入金データに基づいて、前記ユーザに対して所定の情報を提示する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記所定の情報として、保険に関する情報または投資に関する情報を提示する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、保険に関する統計情報を取得し、
前記制御部は、前記取得部により取得された統計情報に変化があると判定された場合に、前記ユーザに対して保険に関する情報を提示する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記取得部により取得された統計情報であって現時点での統計情報が、過去の統計情報と比較して所定の変化があると判定された場合に、前記ユーザに対して保険に関する提案を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記ユーザから保険に関する登録情報を取得し、
前記制御部は、前記取得部により取得された登録情報に含まれる保険料と、保険料に関する統計情報との比較結果に基づいて、前記ユーザに対して保険に関する情報を提示する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
保険に関する統計情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された統計情報に変化があると判定された場合に、変化後の統計情報とユーザの保険に関する入出金データであってユーザが管理する口座における入出金に関する入出金データとの比較に基づき当該ユーザに対して保険に関する情報を提示する制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ユーザの保険に関する入出金データであってユーザが管理する口座における入出金に関する入出金データを取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された入出金データに基づいて入出金状況に変化があると判定された場合に、変化後の入出金データと保険に対する支出に関する統計情報との比較に基づき保険に関する所定の処理を行う制御工程と
を含んだことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
保険に関する統計情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された統計情報に変化があると判定された場合に、変化後の統計情報とユーザの保険に関する入出金データであってユーザが管理する口座における入出金に関する入出金データとの比較に基づき当該ユーザに対して保険に関する情報を提示する制御工程と
を含んだことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
ユーザの保険に関する入出金データであってユーザが管理する口座における入出金に関する入出金データを取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された入出金データに基づいて入出金状況に変化があると判定された場合に、変化後の入出金データと保険に対する支出に関する統計情報との比較に基づき保険に関する所定の処理を行う制御手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項14】
保険に関する統計情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された統計情報に変化があると判定された場合に、変化後の統計情報とユーザの保険に関する入出金データであってユーザが管理する口座における入出金に関する入出金データとの比較に基づき当該ユーザに対して保険に関する情報を提示する制御手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、インターネットを介した情報提供が盛んに行われている。例えば、ユーザに関する情報を分析することによって、ユーザに適した情報が提供されるようになってきている。
【0003】
例えば、引用文献1には、保険契約者に近い家族構成や世帯年収の人達と、その保険契約者との保険種類や保険会社、保障内容等の違いを提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−97501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、保険に関する情報提供に対するユーザの満足度を高めることができるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、保険情報管理サーバは、保険契約者のプロフィール情報および加入保険情報を記憶しておき、家族構成・世帯年収といった保険契約者のプロフィール情報を検索条件として保険種類や保険会社、保障内容等の加入保険情報を抽出し、保険契約者に提示する。
【0006】
このような上記の従来技術では、保険契約者に対して、その保険契約者に近いプロフィールの人達がどのような保険に加入しているか等を提示することができたとしても、保険に関する情報提供に対するユーザの満足度を高めることができるとは限らない。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、保険に関する情報提供に対するユーザの満足度を高めることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願にかかる情報処理装置は、ユーザの保険に関する入出金データを取得する取得部と、前記取得部により取得された入出金データに基づいて入出金状況に変化があると判定された場合に、保険に関する所定の処理を行う制御部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、保険に関する情報提供に対するユーザの満足度を高めることができるといった効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態にかかる情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態にかかる情報処理の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態にかかる情報処理装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態にかかる契約情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態にかかるユーザ情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態にかかる統計情報記憶部の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態にかかる情報処理装置による情報処理手順を示すフローチャートである。
図9図9は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための(以下、「実施形態」と呼ぶ)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0012】
〔1.情報処理〕
まず、図1を用いて、実施形態にかかる提示処理の一例について説明する。図1および図2は、実施形態にかかる情報処理の一例を示す図である。実施形態にかかる提示処理は、図1および図2に示す情報処理装置100によって行われる。
【0013】
端末装置10は、ユーザによって利用される端末装置であり、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。例えば、端末装置10は、情報処理装置100から受け付けた保険に関する情報を表示する。端末装置10は、以下に示すアプリケーションに従って、保険に関する情報提供を行う。
【0014】
情報処理装置100は、ユーザの保険に関する入出金データを取得し、取得した入出金データに基づき入出金状況に変化があると判定した場合に、保険に関する所定の処理を行うサーバ装置である。具体的には、情報処理装置100は、取得した入出金データのうち出金データに変化があると判定した場合には、その出金データと保険の支出関する統計情報との比較を行う。そして、情報処理装置100は、比較結果に基づいて、ユーザに対して保険に関して提案する提案情報を提示する。
【0015】
また、情報処理装置100は、取得した入出金データの中に新たに発生した入出金データが含まれることにより入金状況に変化があると判定した場合には、この新たに発生した入金データに基づいて、ユーザに対して所定の情報を提示する。
【0016】
情報処理装置100は、ユーザにより登録された保険に関する登録情報を更新する機能も有する。例えば、実施形態にかかる情報処理装置100は、上記のような各種情報提示を行うとともに、所定のアプリケーションの管理および制御も行うものとする。例えば、情報処理装置100は、ユーザが加入済みの保険に関する情報をユーザ操作に応じて様々な態様で表示させるといった制御を端末装置10に実行させるアプリケーション(以下、「保険管理アプリ」と表記する場合がある)を提供する。
【0017】
また、情報処理装置100は、端末装置10にインストールされる保険管理アプリを起動して、ユーザによって登録された保険に関する契約情報を自装置内に記憶する。そして、情報処理装置100は、上記のように出金データに変化がある場合には、例えば、変化後の出金データに基づいて、記憶している契約情報を自動で更新する。なお、保険に関する契約情報とは、ユーザが保険会社と契約を交わしている各種情報であり、例えば、個人情報、保険の種別、保険料、保障内容等である。
【0018】
ここで、不図示であるが保険管理アプリがインストールされることにより端末装置10が実行する処理について一例を示す。まず、保険管理アプリは、端末装置10にインストールされることで、ユーザに操作に応じて、かかるユーザが加入済みの保険に関する情報をより見易い態様で表示させるといった制御を端末装置10に実行させる。
【0019】
例えば、端末装置10は、ユーザU1の操作に応じて、情報処理装置100にログインしたとする。このような状態で、端末装置10は、ユーザU1から加入済みの保険に関する情報として、例えば、ユーザU1が保険会社と契約を交わしている契約情報の入力を受け付ける。かかる契約情報には、ユーザU1の個人情報、ユーザU1が加入済みの保険の種別、ユーザU1が加入済みの保険について支払っている保険料、ユーザU1が加入済みの保険による保障内容等が含まれる。また、個人情報には、住所、氏名、年齢、性別、家族構成、年収等が含まれる。なお、このような個人情報は、ユーザ(かかる例では、ユーザU1)の属性情報に相当する。
【0020】
端末装置10は、ユーザU1から受け付けた契約情報を情報処理装置100に送信する。これにより情報処理装置100に契約情報が記憶されることにより、ユーザU1による契約情報の登録が完了する。そして、契約情報の登録が完了した状態において、端末装置10は、ユーザU1の操作に応じて、適宜、契約情報を情報処理装置100から取得し、取得した情報を整理して見易い態様で配置したウェブページ(「ウェブページW1」とする)を表示する。
【0021】
例えば、端末装置10は、情報処理装置100から取得した契約情報に基づいて、ユーザU1およびユーザU1の家族(例えば、妻子)の総年収額に対して、ユーザU1の家族それぞれが支払っている年間の保険料を合計した合計保険料が占める割合である保険料割合を算出する。また、端末装置10は、ユーザU1の家族それぞれが支払っている年間の保険等も算出する。
【0022】
そして、端末装置10は、上記のように算出した保険料割合や、家族それぞれの年間保険料が一覧表示されるようなウェブページW1を生成し、生成したウェブページW1を表示する。なお、このような端末装置10の処理は、情報処理装置100によって行われてもよい。例えば、情報処理装置100は、記憶している契約情報に基づいて、同様にしてウェブページW1を生成し、生成したウェブページW1を端末装置10に配信してもよいが、本実施形態では、端末装置10によって行われるものとする。
【0023】
さて、以下では、情報処理装置100によって行われる情報処理について具体的に説明する。以下では、情報処理装置100によって利用される各記憶部についても説明するが、ここでは説明を簡単にするために各記憶部に記憶されるデータの一部を省略し、詳細については後程説明する。
【0024】
まず、図1を用いて、出金データに変化がある場合の情報処理について説明する。情報処理装置100は、保険管理アプリがインストールされている端末装置10から受け付けた契約情報を契約情報記憶部121およびユーザ情報記憶部122に記憶している。情報処理装置100によって、これら記憶部に契約情報が記憶されることで、ユーザによる契約情報の登録が完了する。
【0025】
例えば、情報処理装置100は、契約情報に含まれる各種情報のうち保険に関する情報を契約情報記憶部121に記憶し、ユーザの個人情報をユーザ情報記憶部122に記憶する。なお、この例に限らず、契約情報記憶部121およびユーザ情報記憶部122は、一つの記憶部で構成されてもよい。例えば、契約情報記憶部121にユーザの個人情報も記憶されることで、情報処理装置100は、ユーザ情報記憶部122を有しなくてもよい。
【0026】
ここで、図1の例では、契約情報記憶部121は、ユーザID「U1」に、保険会社「HK1」、加入保険「生命保険PL1−1」、保険料「10,000円/月」、保障内容「入院時10,000円/日、20万円/手術」を対応付けて記憶している。かかる例は、ユーザU1が、保険会社「HK1」が提供する「生命保険PL1−1」に加入済みであり、「生命保険PL1−1」によって保障される保障内容が「入院時10,000円/日、20万円/手術」である例を示す。
【0027】
また、図1の例では、ユーザ情報記憶部122は、ユーザID「U1」に、住所「ADD1」、年齢「35歳」、性別「男」、年収「550万」を対応付けて記憶している。かかる例は、ユーザU1が、住所「ADD1」に在住、「35歳男性」、年収「550万」である例を示す。
【0028】
このような状態において、情報処理装置100は、外部サーバ30が有する口座情報記憶部X1にアクセスし、口座情報記憶部X1に記憶される入出金データを取得する(ステップS11)。外部サーバ30は、例えば、家計簿の管理を行うアプリケーション(「家計簿アプリ」とする)を提供するサーバ装置である。外部サーバ30は、ユーザ登録された銀行との連携を実現している。したがって、外部サーバ30は、ユーザがどのような用件でどれだけの金額を入金したか、あるいは、出金したかといった銀行とのやり取りである入出金状況を示す入出金データを口座情報記憶部X1に記憶している。このため、情報処理装置100は、例えば、外部サーバ30と連携することで、ユーザの入出金データを取得することができる。
【0029】
図1の例では、口座情報記憶部X1は、ユーザID「U1」に、支払金額「10,000円」、概要「HK1」、日時「2016年4月20日」を対応付けて記憶している。かかる例は、ユーザU1が、「2016年4月20日」において、保険会社「HK1」に対して保険料「10,000円」を支払った例を示す。つまり、口座情報記憶部X1に記憶される支払金額は「出金データ」に相当する。
【0030】
また、図1の例では、口座情報記憶部X1は、ユーザID「U1」に、預り金額「150,000円」、概要「HK1」、日時「2016年8月10日」を対応付けて記憶している。かかる例は、ユーザU1が、「2016年8月10日」において、保険会社「HK1」から保険金額「150,000円」を受け取った例を示す。つまり、口座情報記憶部X1に記憶される預り金額は「入金データ」に相当する。
【0031】
なお、図1では、説明を簡単にするために口座情報記憶部X1には、保険に関する入出金データのみ記憶されている例を示す。しかしながら、口座情報記憶部X1には、その他の入出金データとして、例えば、クレジットカード利用で商品購入したことによる出金データや、他口座から自口座への振込みによる入金データ等も記憶されてよい。
【0032】
そして、情報処理装置100は、口座情報記憶部X1から取得した入出金データに基づいて入出金状況に変化があるか否かを判定する(ステップS12)。例えば、情報処理装置100は、最新の入出金データがこれまでの入出金データと比較して変化しているか否かを判定する。図1の例では、ユーザU1の最新の出金データが「支払金額:25,000円」となっている。これに対し、ユーザU1のこれまでの出金データは「支払金額:10,000円」で統一されている。したがって、情報処理装置100は、ユーザU1の出金データが「10,000円」から「25,000円」に変化した、すなわち出金状況に変化があると判定する。
【0033】
ここで、出金データが変化したことから、ユーザによる保険料の契約変更が示唆される。また、さらに、ユーザによる加入保険のプランの変更や、保険会社の変更等も示唆される。図1に示す口座情報記憶部X1の例では、ユーザU1について保険会社は「HK1」で同一で、出金データにのみ変化があることから、ユーザU1が保険料を契約変更したことが示唆される。
【0034】
そして、このように契約情報が変更されたのであれば、ユーザU1は、保険管理アプリを用いて登録している契約情報を変更すべきである。そうでないと、例えば、ユーザU1が自身の保険情報を確認しようとした際に、古い契約情報に基づく保険情報が表示されてしまうからである。
【0035】
このような観点から、情報処理装置100は、契約情報を最新の状態に変更する旨の通知をユーザU1の端末装置10に送信する(ステップS13)。一例を示すと、情報処理装置100は、「契約情報(保険料)を変更されました場合には、ご登録されている契約情報を最新の状態に更新してください」といった情報を通知する。
【0036】
そして、ユーザU1は、確かに契約情報を変更していた場合には、保険管理アプリを起動して、変更後の契約情報を入力する。例えば、ユーザU1は、契約情報として保険料を「25,000円/月」に変更していた場合には、保険料「25,000円/月」を入力する。かかる場合、端末装置10は、この変更後の契約情報を情報処理装置100に送信する(ステップS14)。そして、情報処理装置100は、端末装置10から変更後の契約情報を受け付けると、契約情報記憶部121において現在記憶されている契約情報から、変更後の契約情報へと更新する(ステップS15)。例えば、情報処理装置100は、ユーザU1に対応付けて記憶されている保険料を「10,000円/月」から「25,000円/月」へと更新する。
【0037】
さて、ユーザU1の出金データに変化があったことから、ユーザU1が契約情報のうち保険料を変更したことが判明した。しかし、変化後の出金データ(ユーザU1による変更後の保険料)がユーザU1に最適なものであるとは限らない。そこで、情報処理装置100は、変化後の出金データと保険に対する支出に関する統計情報とを比較する。そして、情報処理装置100は、その比較結果に基づいて、ユーザU1に対して保険に関する情報を提示する。例えば、情報処理装置100は、変化後の出金データと保険に対する支出に関する統計情報であってユーザU1の属性情報に応じた統計情報との比較結果に基づいて、ユーザU1に対して保険に関する情報を提示する。
【0038】
まず、情報処理装置100は、ユーザ情報記憶部122を参照しユーザU1の属性情報を取得すると、取得した属性情報に応じた統計情報を統計情報記憶部123から取得する(ステップS16)。図1に示すように情報処理装置100は、統計情報記憶部123をさらに有する。統計情報記憶部123は、各種保険に関する統計情報を記憶する記憶部である。図1では、統計情報記憶部123によって「生命保険における年代別の平均保険料」が統計情報として記憶されている例を示す。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、「生命保険における年齢別の平均保険料の2000年代での推移」といったものが統計情報として記憶されてもよい。
【0039】
つまり、このような保険に関する統計情報は数多く存在し、情報処理装置100は、外部の期間(例えば、所定の保険会社)によって集計されたものを統計情報記憶部123に記憶してよい。また、情報処理装置100は、自装置を管理する管理会社によって独自に集計された統計情報を記憶してもよい。
【0040】
そして、情報処理装置100は、変化後の出金データ、すなわちユーザU1によって変更された保険料と、ユーザU1の属性情報に応じた統計情報とを比較し、その保険料が統計情報より高いか否かを判定する(ステップS17)。例えば、情報処理装置100は、ユーザU1によって変更された保険料と、ユーザU1の属性情報(35歳)に対応する人達が生命保険においてどれ位の保険料を支払っているかといったことを示す平均保険料とを比較する。
【0041】
図1に示す統計情報記憶部123の例では、年代「35歳〜39歳」に平均保険料「22,000円」が対応付けられている。したがって、情報処理装置100は、ユーザU1によって変更された保険料「25,000円」と、平均保険料「22,000円」とを比較する。かかる場合、情報処理装置100は、比較によりユーザU1が平均保険料「22,000円」より高い保険料を払っていると判定する。なお、情報処理装置100は、単に統計情報より高いか否かを判定するのではなく、統計情報より所定額以上か否かを判定してもよい。
【0042】
統計によって得られている平均保険料より高い保険料を支払っているということは、ユーザU1は、一般的な保険料より高い保険料を支払っている可能性がある。したがって、情報処理装置100は、ユーザU1に対して、加入済みの保険「生命保険PL1−1」を見直すよう提案する(ステップS18)。
【0043】
また、情報処理装置100は、ユーザU1に対して他の生命保険を提案してもよい。例えば、情報処理装置100は、ユーザU1が加入済みの生命保険PL1−1より保険料が安く、かつ、保証内容が充実した生命保険を提案してよい。
【0044】
なお、情報処理装置100がユーザに対して情報提示することは、情報処理装置100がユーザの端末装置10に情報を送信することで、端末装置10の画面に情報を表示させることに相当する。例えば、情報処理装置100は、メール送信により情報を表示させてもよいし、プッシュ通知により情報を表示させてもよい。また、情報処理装置100は、保険管理アプリが起動された際のウェブページ内に情報表示してもよい。
【0045】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、入出金データを取得する。そして、情報処理装置100は、取得した入出金データのうち出金データに変化があることにより、出金状況に変化があると判定した場合には、ユーザが保険会社との契約情報を変えた可能性があることから、保険管理アプリにユーザが登録している契約情報を、その変えた後の契約情報に変更するよう通知する。このような通知に応じて、ユーザから契約情報の変更を受け付けた場合には、情報処理装置100は、契約情報記憶部121の記憶情報を受け付けた契約情報に更新する。
【0046】
また、このようなことから情報処理装置100は、ユーザによって確かに契約情報が変えられたことの確証を得ると、変更後の契約情報(例えば、保険料)がユーザに適したものであるか否かを比較によって判定する。具体的には、情報処理装置100は、変化後の出金データと保険に関する統計情報とを比較する。そして、情報処理装置100は、比較結果に基づいて、ユーザに対して保険に関する情報を提示する(見直し提案する)。例えば、情報処理装置100は、比較によりユーザが一般よりも高い保険料を支払っているといったことが判明すると、ユーザに保険見直しを提案する。
【0047】
これにより、情報処理装置100は、ユーザが保険について検討しているタイミングで保険料を再度見直すべきといった動機付け、加入済みの保険自体を見直すべきといった動機付けを行うことができるため、ユーザに対して損のない保険を選択させることができる。また、このようなことから情報処理装置100は、保険に関する情報提供に対するユーザの満足度を高めることができる。
【0048】
さて、ここまで情報処理装置100が、出金データに変化がある場合にユーザへの通知を行い、ユーザが保険会社との契約情報を変更した確証が得られると、統計情報との比較を行い比較結果に基づいて情報提示する例を示した。しかし、情報処理装置100は、出金データに変化がある場合にユーザへの通知を行わず、変化後の出金データに基づいて、契約情報記憶部121の内容を自動で更新してもよい。そして、情報処理装置100は、これまで説明してきたように変化後の出金データと統計情報との比較結果に基づいて、ユーザに情報提示してよい。
【0049】
次に、図2を用いて、入金データに変化がある場合の情報処理について説明する。図2に示す各種記憶部は、図1に示したものと共通であるため説明を省略する。このような状態において、情報処理装置100は、外部サーバ30が有する口座情報記憶部X1にアクセスし、口座情報記憶部X1に記憶される入出金データを取得する(ステップS21)。
【0050】
そして、情報処理装置100は、口座情報記憶部X1から取得した入出金データに変化があるか否かを判定する(ステップS22)。例えば、情報処理装置100は、最新の入出金データがこれまでに入出金データと比較して変化しているか否かを判定する。図2の例では、ユーザU1の最新の入金データとして「預り金額:150,000円」が発生している。これにより情報処理装置100は、入金データに変化があると判定する。つまり、情報処理装置100は、新たな入金データが発生した場合に、入金データに変化がある、すなわち入金状況に変化があると判定する。
【0051】
ここで、新たな入金データが発生するといった状況について説明する。最も代表的なものは、ユーザが加入している保険会社から、ユーザへと保険金が支払われることである。例えば、怪我や病気等により医療保険が支払われる、死亡により生命保険が支払われる、また、特定の期間(例えば、10年)毎に一定金額が無条件で支払われる、といったものである。
【0052】
このように入金データの発生は、ユーザへと保険金が支払われることであるが、保険金が支払われる機会は、決して多くない。しかしながら、一度にかなり大きな金額が支払われる場合が多い。そして、大きな金額が支払われたのであれば、それをうまく運用すべきである。したがって、情報処理装置100は、新たな入金データが発生した場合、すなわちユーザに保険金が支払われた場合には、その保険金の運用を提案する。具体的には、情報処理装置100は、入金データに基づいて、その入金データに相当する金額の運用として、よりユーザに適した運用を提案する。例えば、情報処理装置100は、運用として、保険に関する運用方法または投資に関する運用方法を提示する。
【0053】
ここでは、保険に関する運用方法提案の一例について説明する。例えば、情報処理装置100は、ユーザ情報記憶部122を参照しユーザU1の属性情報を取得すると、取得した属性情報に応じた統計情報を統計情報記憶部123から取得する(ステップS23)。
【0054】
そして、情報処理装置100は、ユーザU1が支払っている保険料と、ユーザU1の属性情報に応じた統計情報とを比較し、その保険料が統計情報より低いか否かを判定する(ステップS24)。具体的には、情報処理装置100は、「生命保険PL1−1」においてユーザU1が支払っている保険料「10,000円」と、ユーザU1の属性情報(35歳)に対応する人達が生命保険においてどれ位の保険料を支払っているかといったことを示す平均保険料とを比較する。
【0055】
図2に示す統計情報記憶部123の例では、年代「35歳〜39歳」に平均保険料「22,000円」が対応付けられている。したがって、情報処理装置100は、ユーザU1が支払っている保険料「10,000円」と、平均保険料「22,000円」とを比較する。かかる場合、情報処理装置100は、比較によりユーザU1が平均保険料「22,000円」より低い保険料を払っていると判定する。なお、情報処理装置100は、単に統計情報より低いか否かを判定するのではなく、統計情報より所定額以下であるかを判定してもよい。
【0056】
統計によって得られている平均保険料より低い保険料を支払っているということは、ユーザU1は、一般的な保険料より低い保険料を支払っている可能性がある。このうえに、さらにユーザU1は、保険金額「150,000円」を受け取ることになるので、資金に余裕ができることになる。この余裕ができた分を他の保険へと使用することができれば、ユーザU1の万が一の備えが充実することになる。資金に余裕ができたユーザU1は、保険金額「150,000円」を他の保険へと使用することが、保険金額「150,000円」の最適な運用方法であると考えられる。したがって、情報処理装置100は、ユーザU1に対して、現在加入している保険とは異なる他の保険を提案する(ステップS25)。
【0057】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、入出金データを取得する。そして、情報処理装置100は、新たな入金データが発生したことにより入金状況に変化があると判定した場合には、その入金データに対応する金額の運用を提案する。これにより、情報処理装置100は、ユーザに対して資金を有効利用させることができる。
【0058】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、図3を用いて、実施形態にかかる情報処理システムの構成について説明する。図3は、実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理システム1には、端末装置10と、外部サーバ30と、情報処理装置100とが含まれる。端末装置10、外部サーバ30と、情報処理装置100とは、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、図3に示した情報処理システム1には、複数台の端末装置10、複数台の外部サーバ30、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0059】
図1では、外部サーバ30は、家計簿の管理を行うアプリケーションを提供するサーバ装置である例を示した。しかしこの例に限らず、外部サーバ30は、ユーザの入出金に関する情報を有するサーバ装置、あるいは、ユーザの入出金に関する情報を取得可能なサーバ装置であればいかなるサーバ装置であってもよい。例えば、情報処理装置100を管理する管理会社と連携するカード会社のサーバ装置であってもよい。
【0060】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100について説明する。図4は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0061】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10や外部サーバ30との間で情報の送受信を行う。
【0062】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、契約情報記憶部121と、ユーザ情報記憶部122と、統計情報記憶部123とを有する。
【0063】
(契約情報記憶部121について)
契約情報記憶部121は、ユーザが加入済みの保険に関する情報、すなわちユーザが保険会社と交わしている各種契約情報を記憶する記憶部である。例えば、情報処理装置100は、保険管理アプリを介して、各ユーザから契約情報の登録を受け付けることにより、受け付けた情報を契約情報記憶部121に記憶する。
【0064】
ここで、図5に実施形態にかかる契約情報記憶部121の一例を示す。図5の例では、契約情報記憶部121は、「ユーザID」、「保険会社」、「保険種別」、「加入保険」、「保険料」、「保証内容」といった項目を有する。
【0065】
「ユーザID」は、ユーザまたはユーザの端末装置10を識別するための識別情報を示す。「保険会社」は、ユーザが加入している保険会社の名称を示す。「保険種別」は、ユーザが加入済みの保険の種別を示す。「加入保険」は、ユーザが加入済みの保険の概要(プラン名等)を示す。「保険料」は、加入済みの保険においてユーザが支払っている保険料を示す。「保障内容」は、加入済みの保険により保障される事項を示す。
【0066】
すなわち、図5の例では、ユーザU1が、保険会社「HK1」が提供する「生命保険PL1−1」に加入済みであり、「生命保険PL1−1」によって保障される保障内容が、保険料「25,000円」のプランで「入院時10,000円/日、20万/手術」である例を示す。
【0067】
(ユーザ情報記憶部122について)
ユーザ情報記憶部122は、ユーザに関する属性情報を記憶する記憶部である。例えば、ユーザ情報記憶部122は、保険管理アプリを用いてユーザにより登録された属性情報を記憶する。ここで、図6に実施形態にかかるユーザ情報記憶部122の一例を示す。図6の例では、ユーザ情報記憶部122は、「住所」、「氏名」、「年齢」、「性別」、「年収」、「家族構成」、「関連ユーザ」といった項目を有する。
【0068】
「ユーザID」は、ユーザまたはユーザの端末装置10を識別するための識別情報を示す。「住所」はユーザの現住所を示す。「氏名」はユーザの氏名を示す。「年齢」はユーザの年齢を示す。「性別」はユーザの性別を示す。「年収」はユーザの年収を示す。「家族構成」はユーザの家族構成を示す。「関連ユーザ」はユーザと関連性を有するユーザの識別情報を示す。ユーザと関連性を有するユーザは、例えば、家族関係にあるユーザを示す。
【0069】
すなわち、図6の例では、ユーザU1は、住所「ADD1」に住んでおり、年齢「35歳」、性別「男」、年収「550万」、家族構成「妻、子1人」であることを示す。また、ユーザU1の関連ユーザが「ユーザU4」である例を示す。例えば、ユーザU1の妻であるユーザU4も保険管理アプリを使用している場合、図6に示すようにユーザU1に対応付けてユーザU4が記憶される。
【0070】
(統計情報記憶部123について)
統計情報記憶部123は、各種保険に関する統計情報を記憶する記憶部である。ここで、図7に実施形態にかかる統計情報記憶部123の一例を示す。図7の例では、統計情報記憶部124は、死亡時どれほどの保険金額を受け取ることのできる生命保険に加入しているかを年代別にまとめた統計情報123−1、死亡時どれほどの保険金額を受け取ることのできる生命保険に加入しているかを家族構成別にまとめた統計情報123−2、入院日額がどれほどの医療保険に加入しているかを年収別にまとめた統計情報123−3を有する例を示す。
【0071】
なお、図7に示す各統計情報は、保険に関する統計情報のうちのほんの一例に過ぎない。例えば、統計情報記憶部123は、図1に示すような「生命保険における年代別の平均保険料」を統計情報として記憶してもよいし、「生命保険における年齢別の平均保険料の2000年代での推移」といったものを統計情報として記憶してもよい。
【0072】
また、例えば、情報処理装置100は、契約情報記憶部121およびユーザ情報記憶部122に記憶される情報を用いて、各種統計情報を算出し、算出した統計情報を統計情報記憶部123に記憶してもよい。
【0073】
(その他の記憶部について)
図示しないが、情報処理装置100は、各保険会社の保険商品を記憶する記憶部を有してもよい。例えば、情処理示装置100は、自装置を管理する管理会社と提携している保険会社の保険商品を記憶する。例えば、情報処理装置100は、投資信託に関する各種銘柄を記憶する記憶部を有してもよい。
【0074】
図4に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0075】
図4に示すように、制御部130は、受付部131と、取得部132と、判定部133と、比較部134と、提示制御部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0076】
(受付部131について)
受付部131は、ユーザが加入済みの保険に関する契約情報を受け付ける。例えば、受付部131は、保険管理アプリを介して、契約情報の登録を受け付ける。また、受付部131は、受け付けた情報を契約情報記憶部121に記憶する。また、受付部131は、契約情報に含まれるユーザの属性情報(個人情報)をユーザ情報記憶部122に記憶する。
【0077】
(取得部132について)
取得部132は、ユーザの保険に関する入出金データを取得する。例えば、取得部132は、外部サーバ30が有する口座情報記憶部X1に定期的にアクセスし、口座情報記憶部X1に記憶される入出金データを取得する。取得部132は、取得した入出金データを情報処理装置100内の所定の記憶部に記憶させてもよいし、一時的な記憶部に格納し、図1および図2で示した処理が終了した後削除してもよい。なお、取得部132が、取得した入出金データを情報処理装置100内の所定の記憶部に記憶させる場合、情報処理装置100は、例えば、図1に示すような口座情報記憶部X1を有することになる。
【0078】
また、例えば、外部サーバ30は、保険会社に対するユーザの保険料支払いや(出金データ)、保険会社から保険金の受け取り(入金データ)が新たに発生すると、その旨を情報処理装置100に通知してもよい。かかる場合、取得部132は、口座情報記憶部X1にアクセスし、入出金データを取得する。
【0079】
また、取得部132は、ユーザにより登録された保険に関する契約情報を取得する。例えば、後述する提示制御部135によるユーザへの情報通知に従い、かかるユーザによって契約変更後の契約情報として契約変更後の保険料が送信された場合に、取得部132は、かかる契約変更後の保険料を取得する。そして、提示制御部135は、取得部132によって取得された契約変更後の保険料を用いて契約情報記憶部121を更新する。
【0080】
(判定部133について)
判定部133は、取得部132によって取得された入出金データに基づいて、入出金状況に変化があるか否かを判定する。例えば、判定部133は、取得部132により取得された入出金データのうち、日時の最も新しい入出金データ、すなわちユーザと保険会社との間で最近に行われた取引を示す入出金データがこれまでの入出金データと比較して変化しているか否かといった入出金状況の変化を判定する。
【0081】
図1に示す口座情報記憶部X1の例では、ユーザU1について、「日時」の最も新しい出金データが「支払金額:25,000円」となっている。これに対し、ユーザU1のこれまでの出金データは「支払金額:10,000円」で統一されている。したがって、判定部133は、ユーザU1の出金データが「10,000円」から「25,000円」に変化したと判定する。
【0082】
また、図2に示す口座情報記憶部X1の例では、ユーザU1について、「日時」の最も新しい入金データとして「預り金額:150,000円」が発生している。これにより判定部133は、入金データに変化があると判定する。つまり、判定部133は、新たな入金データが発生した場合に、入金データに変化があると判定する。
【0083】
(比較部134について)
比較部134は、入出金データのうち出金データに変化があると判定された場合に、変化後の出金データと保険に対する支出に関する統計情報とを比較する。例えば、比較部134は、変化後の出金データと、保険に対する支出に関する統計情報であってユーザの属性情報に応じた統計情報と比較し、出金データに対応する保険料が統計情報に対応する保険料より所定額以上であるか否かを判定する。
【0084】
出金データに変化があると判定された場合における比較部134による比較処理について、図1の例を用いて説明する。図1に示すように、判定部133によりユーザU1の出金データが「10,000円」から「25,000円」に変化したと判定されたとする。これは、ユーザU1によって保険料「10,000円」から保険料「25,000円」へと契約変更されたことを示す。また、後述する提示制御部135によるユーザU1への情報通知に従い、ユーザU1によって保険管理アプリに登録している契約情報が登録し直されたとする。
【0085】
かかる場合、まず、比較部134は、ユーザU1の属性情報をユーザ情報記憶部122から取得する。ここでは、説明を簡単にするために比較部134は、ユーザU1の属性情報として年齢「35歳」を取得したものとする。しかしながら、比較部134は、年齢以外にも、例えば、図6に示す各種属性情報を取得して、取得した属性情報に対応する統計情報を、入金データとの比較に用いてよいのはいうまでもない。
【0086】
また、比較部134は、ユーザU1の属性情報(年齢「35歳」)に対応する統計情報を統計情報記憶部123から取得する。図1に示す統計情報記憶部123の例では、比較部134は、属性情報(年齢「35歳」)に対応する統計情報として、年代「35歳〜39歳」に対応付けられる平均保険料「22,000円」を取得する。そして、比較部134は、ユーザU1による変更後の保険料「25,000円」と、平均保険料「22,000円」とを比較する。
【0087】
なお、上記例では、比較部134が、単に保険料の比較を行う例を示した。しかし、比較部134は、総合的な比較を行ってもよい。例えば、比較部134は、ユーザU1が契約している保険におけるコストパフォーマンスと、統計情報から算出されたコストパフォーマンスとを比較してもよい。コストパフォーマンスの算出は任意の手法が用いられてよい。
【0088】
一般に、ユーザが支払う保険料に対して、保険会社から支払われる保険金が高いほどコストパフォーマンスは高いといえる。さらに、ユーザが支払う保険料に対して、保証内容に対するユーザの満足度が高いほど(例えば、保障内容が手厚い)コストパフォーマンスは高いといえる。したがって、例えば、比較部134は、ユーザの契約情報に基づいて、保険料、保険金、保証内容に対するユーザ満足度をそれぞれ数値化(スコア付)し、これらのスコアを総合したユーザ側の総合スコアを算出する。また、比較部134は、ユーザの属性情報に対応する統計情報に基づいて、保険料、保険金、保証内容に対するユーザ満足度をそれぞれ数値化(スコア付)し、これらのスコアを総合した統計情報側の総合スコアを算出する。
【0089】
そして、比較部134は、ユーザ側の総合スコアと統計情報側の総合スコアとを比較し、ユーザ側の総合スコアが統計情報側の総合スコアより高いか否かを判定する。比較部134によりユーザ側の総合スコアの方が高いと判定された場合には、現在ユーザが加入している保険のコストパフォーマンスは、一般的な保険のコストパフォーマンスより高いことを示す。このため、例えば、後述する提示制御部135による保険見直しの提案はなされなくてよい。一方、比較部134によりユーザ側の総合スコアの方が低いと判定された場合には、現在ユーザが加入している保険のコストパフォーマンスは、一般的な保険のコストパフォーマンスより低いことを示す。このため、例えば、提示制御部135による保険見直しの提案が行われる。
【0090】
(提示制御部135について)
提示制御部135は、入出金データに変化があると判定された場合に、保険に関する所定の処理を行う。具体的には、提示制御部135は、入出金データのうち出金データに変化がある場合に、変化後の出金データと保険に関する統計情報との比較結果に基づいて、ユーザに対して保険に関する情報を提示する。
【0091】
例えば、提示制御部135は、出金データに変化があると判定された場合に、ユーザが登録している保険に関する情報を更新する。また、提示制御部135は、出金データに変化がある場合に、変化後の出金データと保険に関する統計情報であってユーザの属性情報に応じた統計情報との比較結果に基づいて、ユーザに対して保険に関する提案を行う。一方、提示制御部135は、出金データに変化があると判定された場合には、その入金データに基づいて、ユーザに対して所定の情報を提示する。例えば、提示制御部135は、保険に関する情報または投資に関する情報を提示する。
【0092】
まず、出金データに変化がある場合におけるデータ更新処理および提示処理について、図1の例を用いて説明する。まず、これまで説明してきたように、ユーザU1について、判定部133により出金データ「10,000円」から「25,000円」といったように、出金データに変化があると判定されたとする。
【0093】
このような出金データの変化は、ユーザU1が保険会社との契約情報として、例えば、保険料を変えたことを示唆する。したがって、提示制御部135は、保険管理アプリを用いて登録している契約情報を、この変更後の契約情報に登録しなおすよう指示する旨の通知をユーザU1の端末装置10に送信する。
【0094】
ユーザU1は、確かに契約情報を変更していた場合には、保険管理アプリを起動して、変更後の契約情報を入力する。例えば、ユーザU1は、契約情報として保険料を「25,000円/月」に変更していた場合には、保険料「25,000円/月」を入力することにより登録をし直す。かかる場合、端末装置10は、この変更後の契約情報を情報処理装置100に送信する。これにより、提示制御部135は、端末装置10から変更後の契約情報が取得されると、契約情報記憶部121において現在記憶されている契約情報から、変更後の契約情報へと更新する。例えば、提示制御部135は、ユーザU1に対応付けて記憶されている保険料を「25,000円/月」へと更新する。
【0095】
このように提示制御部135による更新が終了すると、上述したように比較部134によって、ユーザU1による変更後の保険料と統計情報との比較が行われる。そして、提示制御部135は、また、この比較結果に基づいて、ユーザU1への保険に関する提案を行う。例えば、比較部134は、ユーザU1による変更後の保険料「25,000円」が、平均保険料「22,000円」に対して所定額以上であると判定したとする。
【0096】
かかる場合、提示制御部135は、加入済みの保険「生命保険PL1−1」を見直すよう提案する。また、提示制御部135は、他の保険への加入を提案してもよい。例えば、提示制御部135は、他の保険への加入を提案する場合、ユーザU1の属性情報に対応する統計情報に基づいて、ユーザU1により適した保険を選択してよい。
【0097】
さて、ここまで出金データに変化がある場合におけるデータ更新処理および提示処理について説明した。次に、入金データに変化がある場合における提示処理について、図2の例を用いて説明する。まず、ユーザU1について新たな入金データとして「預り金額:150,000円」が発生したことにより、判定部133によって入金データに変化があると判定されたとする。かかる場合、提示制御部135は、ユーザU1にとっての新たな資金「150,000円」が有効活用されるよう、資金「150,000円」を元にした保険への加入、あるいは、資金「150,000円」を元本とした投資信託を提案する。
【0098】
例えば、提示制御部135は、ユーザU1の保険加入状況やユーザU1の属性情報に基づいて、新たな保険への加入や投資信託を提案する。以下では、かかる場合において提示制御部135によって提案される情報の一例を示す。
【0099】
例えば、提示制御部135は、ユーザU1が生命保険に加入済みであれば、ユーザU1の老後の備えができるよう資金「150,000円」を元本とした投資信託を提案する。このとき提示制御部135は、単に投資信託への提案を行うだけでもよいし、ユーザU1に適した投資信託の銘柄を紹介してもよい。例えば、提示制御部135は、「150,000円」で購入可能な投資信託の銘柄を紹介してもよい。
【0100】
また、提示制御部135は、図2のステップS24で示したように、ユーザU1が支払っている保険料と、ユーザU1の属性情報に応じた統計情報とを比較し、その保険料が統計情報より低いか否かを判定する。そして、提示制御部135は、低いと判定された場合には、万が一の備えができるよう新たな保険を提案する。なお、ここでの比較処理は、比較部134によって行われてもよい。
【0101】
また、提示制御部135は、ユーザU1の年齢が所定年齢以下である場合には、年齢が若いうちから資産を増やしておくことが重要との観点から、投資を提案する。また、提示制御部135は、ユーザU1の年齢が所定年齢以上である場合には、子や孫のためとなる備えができるよう学資保険、あるいは、こども保険への加入を提案する。
【0102】
また、提示制御部135は、ユーザU1の属性情報としてユーザU1の貯蓄額を特定可能な場合、特定した貯蓄額が、例えば、ユーザU1と同年代の統計にみられる貯蓄額より高ければ、ユーザU1は資金に余裕があると判定する。これにより、提示制御部135は、投資に関する提案を行う。
【0103】
〔4.処理手順〕
次に、図8を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100が実行する情報処理の手順について説明する。図8は、実施形態にかかる情報処理装置100による情報処理手順を示すフローチャートである。
【0104】
まず、情報処理装置100の取得部132は、ユーザ毎に、当該ユーザの入出金データを取得する(ステップS101)。次に、判定部133は、取得部132によって取得された入出金データに基づいて、出金データまたは入金データに変化があるか、すなわち入出金状況に変化があるか否かを判定する(ステップS102)。例えば、判定部133は、各ユーザについて最近の出金データがこれまでの出金データと比較して変化している場合に、出金データに変化がある(出金状況に変化がある)と判定する。また、判定部133は、各ユーザについて新たな入金データが発生している場合に、入金データに変化がある(入金状況に変化がある)と判定する。なお、不図示であるが、入出金データに変化がない場合には、判定部133は、変化があると判定するまで待機する。
【0105】
次に、判定部133により出金データに変化があると判定された場合について説明する。かかる場合、提示制御部135は、出金データに変化があると判定された対象のユーザに対して、保険会社との契約情報(特に、保険料)を変更したのであれば、登録している契約情報(保険料)を契約変更後の保険料に登録し直すよう指示する旨の情報を通知する(ステップS201)。なお、このような通知は、提示制御部135ではなく他の処理部(例えば、通知部)によって行われてもよい。
【0106】
ここで、提示制御部135は、保険料の登録し直しとして、契約変更後の保険料がユーザから取得されたか否かを判定する(ステップS202)。提示制御部135は、契約変更後の保険料が取得された場合には(ステップS202;Yes)、契約情報記憶部121においてこれまで記憶していた保険料を契約変更後の保険料に更新する(ステップS203)。一方、提示制御部135は、契約変更後の保険料が取得されない場合には(ステップS202;No)、取得されるまで待機する。なお、提示制御部135は、ユーザに通知が行われてから所定期間経過しても、ユーザから契約変更後の保険料が取得されない場合には、契約変更が行われていないものと判断し処理を終了してよい。
【0107】
次に、提示制御部135は、ユーザによる契約変更後の保険料と、当該ユーザの属性情報に応じた統計情報とを比較し、統計情報によって示される保険料に対して契約変更後の保険料が所定額以上であるか否かを判定する(ステップS204)。提示制御部135は、所定額以上である場合には(ステップS204;Yes)、対象となる現在加入している保険を見直すよう提案する(ステップS205)。提示制御部135は、所定額以上でない場合には(ステップS204;No)、処理を終了する。
【0108】
なお、提示制御部135は、ユーザによる契約変更後の保険料と、当該ユーザの属性情報に応じた統計情報とを比較し、統計情報によって示される保険料に対して契約変更後の保険料が所定額より低いと判定した場合においても保険の見直しを提案してもよい。
【0109】
例えば、統計情報によって示される保険料に対してユーザが加入している保険の保険料が所定額より低い場合、ユーザが加入している保険の保障内容が不十分である可能性がある。実施形態にかかる情報処理装置100は、このようにユーザが加入している保険の保障内容が不十分である場合もいても見直し提案をすることができるため、保険に関する情報提供に対するユーザの満足度を高めることができる。
【0110】
なお、提示制御部135は、判定部133により出金データに変更があると判定された段階で、ユーザが保険料を契約変更したと判断してもよい。かかる場合、提示制御部135は、ステップS201でのユーザへの通知は行わずして、自動で契約情報記憶部121に記憶される保険料を、変化後の出金データに対応する金額へと変更してもよい。これにより、情報処理装置100は、ユーザによる登録変更の手間を省くことができるため、ユーザの満足度を高めることができる。
【0111】
次に、判定部133により入金データに変化があると判定された場合について説明する。かかる場合、提示制御部135は、ユーザに資産の余裕ができたと判断し、資産運用に関する提案を行う(ステップS301)。例えば、提示制御部135は、保険への加入や投資に関する提案を行う。
【0112】
〔5.変形例〕
上記実施形態にかかる情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0113】
〔5−1.統計情報の変化に対応〕
上記実施形態では、情報処理装置100の取得部132が、ユーザの入出金データを取得する例を示した。しかし、取得部132は、ユーザに直接的には関係しないユーザの周りの情報として、保険に関する統計情報を取得してもよい。そして、判定部133は、取得部132に取得された統計情報に変化があるか否かを判定する。例えば、判定部133は、取得部132により取得された現時点での統計情報が、過去の統計情報と比較して所定の変化があるか否かを判定する。そして、提示制御部135は、判定部133により統計情報に変化があると判定された場合に、ユーザに対して保険に関する情報を提示する。
【0114】
この点について一例を用いて説明する。例えば、統計情報記憶部123には、2000年〜最新の2016年までにおける「地震保険」に対する加入率の移り変わりといった統計情報が記憶されているとする。かかる場合、判定部133は、最新の2016年における加入率が、過去の年の最も低い加入率と比較して所定割合以上増加しているか否かを判定する。そして、例えば、判定部133により所定割合以上増加していると判定された場合には、提示制御部135は、ユーザへの「地震保険」への加入を提案する。このとき提案対象となるユーザは、例えば、契約情報記憶部121に記憶されている全ユーザであってもよいし、判定部133が比較において所定の属性情報に応じた統計情報を用いた場合には、その属性情報に対応するユーザであってもよい。
【0115】
また、提示制御部135は、加入を提案するだけでなく統計情報も提示してもよい。例えば、提示制御部135は、「地震保険への加入率は年々増加傾向にあり、2016年現在、30代男性加入率5%です」といった統計情報を提示してよい。
【0116】
このように、実施形態にかかる情報処理装置100は、統計情報について比較を行い、統計情報に変化がある場合に、その統計情報の変化に関係するユーザに対して保険に関する情報を提示する。これにより、情報処理装置100は、ユーザに対して保険加入や見直しを行う動機付けを与えることができる。
【0117】
〔5−2.情報共有〕
上記実施形態では、比較部134が、入出金データに変化があると判定されたユーザについて、統計情報との比較を行い、比較結果に基づいて、かかるユーザに対して保険に関する情報を提示する例を示した。しかし、比較部134は、所定のユーザと関係性を有する他のユーザについて入出金データに変化があると判定された場合に、変化後の入出金データと、かかる所定のユーザの属性情報に応じた統計情報とを比較する。そして、提示制御部135は、比較部134による比較結果に基づいて、かかる所定のユーザに対して保険に関する情報を提示する。この点について、一例を用いて説明する。
【0118】
かかる例では、ユーザU1およびU4を用いて説明する。ユーザU1およびU4は、互いに関係性を有する。例えば、ユーザU1およびU4は、夫婦関係にあり、ユーザU4は、ユーザU1の妻であるものとする。このように、情報処理装置100は、どのユーザとどのユーザが家族関係、あるいは、夫婦関係であるかといったことをユーザ情報記憶部122から特定可能である。これは、例えば、ユーザが保険管理アプリに個人情報を登録する際、家族関係、あるいは、夫婦関係にあるユーザの登録も行うためである。図6に示すユーザ情報記憶部122の例では、ユーザU1にユーザU4が対応付けられているため(関連ユーザ)、このような情報から情報処理装置100は、ユーザU1とU4とは夫婦関係にあることを特定する。
【0119】
このような状態において、判定部133は、ユーザU4の出金データに変化があると判定したとする。一方で、ユーザU1の出金データには変化がないとする。そして、これまでの例では、次に、比較部134が、ユーザU4における変化後の出金データ(契約変更後の保険料)と、ユーザU4の属性情報に応じた統計情報とを比較する。しかし、比較部134が、ユーザU4における変化後の出金データ(契約変更後の保険料)と、ユーザU1の属性情報に応じた統計情報とを比較する。そして、提示制御部135は、比較結果に基づいて、ユーザU1に保険に関する提案を行う。なお、比較部134は、ユーザU4における変化後の出金データ(契約変更後の保険料)と、ユーザU4の属性情報に応じた統計情報とを比較することで、保険の提案のみユーザU1に対して行われてもよい。
【0120】
このように、実施形態にかかる情報処理装置100は、所定のユーザと関係性を有する他のユーザについて入出金データに変化がある場合にも、当該所定のユーザに対して保険に関する提案を行う。これにより、情報処理装置100は、保険に関する情報を提示する機会を増やすことができる。
【0121】
〔6.プログラム〕
また、上述してきた実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図9は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0122】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0123】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0124】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0125】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0126】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0127】
〔7.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0128】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0129】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0130】
〔8.効果〕
実施形態にかかる情報処理装置100は、取得部132と、提示制御部135とを有する。取得部132は、ユーザの保険に関する入出金データを取得する。提示制御部135は、取得部132により取得された入出金データに基づいて入出金状況に変化があると判定された場合に、保険に関する所定の処理を行う。
【0131】
このように、情報処理装置100は、入出金データが変化したことをきっかけに保険に関する所定の処理を行うため、例えば、保険に関する情報提供に対するユーザの満足度を高めることができる。
【0132】
また、提示制御部135は、取得部132により取得された入出金データに基づいてこれまでの出金データから変化があると判定された場合に、変化後の出金データと保険に対する支出に関する統計情報との比較結果に基づいて、ユーザに対して保険に関する情報を提示する。
【0133】
出金データに変化があることは、ユーザによって保険料が契約変更されたことを示唆する。したがって、情報処理装置100は、契約変更後の保険料と保険に関する統計情報との比較結果に基づいて、保険の提示を行うことができるため、契約変更後の保険料を再度見直すきっかけを与えることができる。
【0134】
また、提示制御部135は、取得部132により取得された入出金データに基づいてこれまでの出金データから変化があると判定された場合に、変化後の出金データと保険に対する支出に関する統計情報であってユーザの属性情報に応じた統計情報との比較結果に基づいて、ユーザに対して保険に関する提案を行う。
【0135】
このように、情報処理装置100は、ユーザの属性情報に応じた統計情報との比較を行うため、ユーザの支払っている保険料が一般的な保険料と比較してどのような位置付けにあるかを精度よく判定することができるため、よりユーザに適した保険を提示することができる。
【0136】
また、提示制御部135は、取得部132により取得された入出金データに基づいてこれまでの出金データから変化があると判定された場合に、変化後の出金データに基づいて、ユーザが登録している保険に関する情報を更新する。
【0137】
これにより、情報処理装置100は、ユーザが契約変更した場合に、変更後の契約情報を、例えば、アプリに登録し直す手間を省くことができるため、ユーザの満足度を高めることができる。
【0138】
また、提示制御部135は、取得部132により取得された入出金データの中に新たに発生した入金データが含まれることにより入金状況に変化があると判定された場合に、当該入金データに基づいて、ユーザに対して所定の情報を提示する。
【0139】
これにより、情報処理装置100は、ユーザの資産が増えたと判断することができるため、増えた分の資産を有効活用させることができる。
【0140】
また、提示制御部135は、所定の情報として、保険に関する情報または投資に関する情報を提示する。
【0141】
これにより、情報処理装置100は、資産を有効活用させることができる。
【0142】
また、取得部132は、保険に関する統計情報を取得し、提示制御部135は、取得部132により取得された統計情報に変化があると判定された場合に、ユーザに対して保険に関する情報を提示する。
【0143】
例えば、ユーザは、周りが保険への関心が高まっていることを知ると、自身も保険へ加入しようといった意志や、加入している保険を見直そうとする意志が強くなる。したがって、情報処理装置100は、統計情報の変化に応じて提示を行うことにより、ユーザに対して保険加入や見直しを行う動機付けを与えることができる。
【0144】
また、提示制御部135は、取得部132により取得された統計情報であって現時点での統計情報が、過去の統計情報と比較して所定の変化があると判定された場合に、ユーザに対して保険に関する提案を行う。
【0145】
これにより、情報処理装置100は、ユーザに対して保険加入や見直しを行う動機付けを与えることができる。
【0146】
また、取得部132は、ユーザから保険に関する登録情報を取得し、提示制御部135は、取得部132により取得された登録情報に含まれる保険料と、保険料に関する統計情報との比較結果に基づいて、ユーザに対して保険に関する情報を提示する。
【0147】
例えば、ユーザは、情報処理装置100からの通知を受け、保険料等の契約変更を行っている場合には、契約変更後の保険料に登録し直す。つまり、取得部132は、ユーザから契約変更後の保険料を取得することができる。そして、提示制御部135は、この契約変更後の保険料と統計情報との比較に基づいて、保険に関する情報を提示することができるため、情報処理装置100は、ユーザに契約変更が行われた確証があるうえで、情報提示することができる。言い換えれば、情報処理装置100は、ユーザが契約変更を行っていないにも拘わらず、むやみに保険に関する提示を行ってしまうといったことを防止することができる。
【0148】
実施形態にかかる情報処理装置100は、取得部132と、提示制御部135とを有する。取得部132は、保険に関する統計情報を取得する。提示制御部135は、取得部132により取得された統計情報に変化があると判定された場合に、ユーザに対して保険に関する情報を提示する。
【0149】
これにより、情報処理装置100は、統計情報の変化に応じて提示を行うことにより、ユーザに対して保険加入や見直しを行う動機付けを与えることができる。
【0150】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0151】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0152】
1 情報処理システム
10 端末装置
100 情報処理装置
121 契約情報記憶部
122 ユーザ情報記憶部
123 統計情報記憶部
132 取得部
133 判定部
134 比較部
135 提示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9