【実施例】
【0030】
以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。
図1は本発明の実施例に係る蓋部91を外した使用時のお絵描き台玩具100の外観斜視図である。
図2は本発明の実施例に係る蓋部91付きのお絵描き台玩具100の外観斜視図である。
図3は本発明の実施例に係るお絵描き台玩具100の蓋部91の内方のポケット92を示す図である。
【0031】
お絵描き台玩具100は、
図1に示すように、お絵描きの学習として、キャラクター等の書かれた原紙をフレーム10中央に位置するトレース台とされる平滑部40の上に置き、さらにその原紙の上に用紙を置いて、その両方の紙をトレース領域の周縁に配置されるストッパ18,19及びバネで下方に付勢されている用紙保持具17で固定させ、その用紙に写し絵を描くときに、スイッチ15を操作して照明を点灯させて原紙の背後から光を効果的に拡散させた面発光による光をあてて、簡単に写し絵を描くためのトレース台である。
【0032】
そして、お絵描き台玩具100は、幼児のお絵描きの学習に役立つ知育玩具のトレース台として使用された状態で、トレース台とされる平滑部40を覆うように別体である蓋部91を上方から取り付け、側方にある蓋部取り外しボタン93で蓋部91を本体に固定することができる。これにより、お絵描き台玩具100は、持ち運びの際にトレース台を傷つける等を防止することができる。
【0033】
そして、お絵描き台玩具100の蓋部91には、
図3に示すように、内方に写し絵用のキャラクター等の書かれた原紙を格納可能とするポケット92を備える。ポケット92は、蓋部91内方で10mm程の厚み空間を有して用紙を格納できるケースとされていて、入口を半円に切り欠いた形状とされている。これにより、写し絵用の切り抜き等をポケット92に入れておけば紛失等を防止できる。
【0034】
次に、お絵描き台玩具100の内部構造について図を用いて説明する。
図4は本発明の実施例に係るお絵描き台玩具100の分解斜視図である。
図5は本発明の実施例に係るお絵描き台玩具100の板体20の表裏面を示す斜視図である。
【0035】
お絵描き台玩具100は、
図4に示すように、フレーム10と筐体90との内部に、表面をトレース台とされ裏面側で光錯乱構造を有する板体20、反射板60、発光ダイオード50等を備える。
【0036】
フレーム10は、軽量な硬質樹脂製の板状であって、上方でトレース台周縁のフレームを形成するものであり、筐体90は、下方で内蔵部品を収納する土台を形成するために格子状に多数のリブが内壁面に形成されているものであり、この両者で挟むようにしてお絵描き台玩具100は形成されており、内部に幾つかの照明部材が格納されている。
【0037】
板体20の表面は、お絵描き台玩具100の用紙置き場として、さらにトレース台領域として、背面から照明光を発する部分である。板体20は、厚さ5mm程の硬質で頑丈な透明樹脂であるアクリル材等からなる略長方形の板体である。板体20は、
図5(a)に示すように、表面が透明又は半透明なトレース台とされる平滑部40と、板体20の周縁にフレーム10と係合するフレーム係止部41を有するものである。また、板体20は、表面の周縁部にストッパ係止部42と用紙保持具17を取り付けるための切り欠き43を備えており、ストッパ18,19及び用紙保持具17の部材をフレーム10の裏面と板体20の周縁とで挟み込むようにして保持している。
【0038】
そして、板体20は、
図5(b)に示すように、周縁部にリブ25を形成するようにして、裏面の略全面を周囲から窪ませ、裏面の周縁内部には光錯乱構造を形成する縦に溝を切って形成させる凹凸部30を長手方向で一面に多数配列させている。さらにこの凹凸部30の表面処理として、照明光の拡散機能を図って梨地処理21を施してある。そして、板体20の裏面は、長方形の長手方向に平行とされる凹凸部30を一面に形成しておくことにより、板体20の両サイドの凹凸部30の側面から照射される複数の光源からの光を乱反射させる働きを有する。
【0039】
そして、凹凸部30は、板体20の周縁では、5mm毎に約1mm幅で1mm深さの溝を切って形成させ、板体20の中央では、5mm毎に約2.5mm幅で1mm深さの溝を切って形成させている。これにより、フレーム10の周縁に位置する光源からの距離が遠くて光が届きにくい板体20の中央近傍でも溝幅を広くすることで、板体20の表面と平行に近い光線を反射して板体表面を透過する光の量を板体中央部近くで増加させ、光量をあげることができる。
【0040】
また、板体20は、裏面全面の凹凸部30を梨地処理21とすることで、照明光を拡散させる働きを有するとともに、板体20を表面から見たときに透けて見える裏面の凹凸部30による長手方向の線を目立たなくさせる。
【0041】
さらに、裏面の略全面をリブよりも後退させ、反射板60との間に僅かな空間を形成しているため、裏面で反射板方向に乱反射された光が、反射板60で反射され、再度裏面を透過するときに散乱させて、板体表面を透過する光を一律に均一化させることができる。
【0042】
そして、板体20は、一方の面の凹凸部30を形成するにあたって、例えば、簡単な形状にして比較的精度を必要としない金型による射出成形で製造することにより、製造を容易として安価なものとしている。
【0043】
発光ダイオード50は、お絵描き台玩具100の光源であって、
図4に示したように基板上に等間隔で複数実装されるチップタイプの高輝度な白色LEDからなり、お絵描き台玩具100の内部でお絵描き台玩具100の長手方向の対向する夫々の周縁に配置させている。また、発光ダイオード50は、板体20の端面から光を照射するように配置させている。白色光を発光させる発光ダイオード50を用いることにより、発光寿命が長いお絵描き台玩具100とすることができる。
【0044】
反射板60は、ガラス材又は金属材にアルミニウムを表面に蒸着させて形成したアルミシート等からなる平面ミラーであって、板体20と合せて、発光ダイオード50の照射光を効率よく面発光に変換させるものである。
【0045】
また、お絵描き台玩具100は、
図4に示したように内部に電池の電池収納室80を有し、電池収納室80は、発光ダイオード50を点灯させるための主電源となる単一電池、単二電池又は単三電池などの所定の汎用電池を複数本、収納させるものである。そして、電池収納室80は、筐体90内で唯一肉厚部分とされており、
図7に示すように下方に突出されて脚部95を形成し、お絵描き台玩具100自体を傾斜させている。
【0046】
なお、お絵描き台玩具100は、収納された電池を主電源として、所定の回路により定電流、定電圧を構成して、スイッチ15のON−OFF操作に基づいて、複数の発光ダイオード50を一斉に点灯消灯させる。
【0047】
次に、お絵描き台玩具100において、面発光を可能とする内部の構造について図を用いて説明する。
図6は、本発明の実施例に係るお絵描き台玩具100の短手方向の断面図である。
図7は、本発明の実施例に係るお絵描き台玩具100の長手方向の断面図である。
【0048】
お絵描き台玩具100は、
図6に示すように発光ダイオード50を板体20のエッジ近傍に配置させ、筐体内部を反射板60と板体20とからなる部品数の少ない構成で製造を容易として、面発光を可能としている。
【0049】
具体的には、玩具の両サイドの長手方向の内方に配置した発光ダイオード50の射出光を板体20の側面から夫々入射させることにより、光が板体20の内部や反射板60との間に形成された空間を進行するとき、凹凸部30の凹凸面や凹凸境界面に到達した光は、凹凸面により上方であるトレース台の方向又は下方に位置する反射板60の方向へと反射される。
【0050】
そして、板体20の裏面と反射板60との間には空間を設けておくことにより、凹凸部30で反射された下方光が反射板60で反射され、凹凸部30表面の梨地処理21までの距離が生じて光の拡散効果を発生させる。
【0051】
また、板体20の側面から入射されて板体20の内部や下方空間を進む光は、板体20の側面から中央に進む光につれて、板体20の表面と平行に近くなり、表面から上方に透過する光量が減衰されることとなるも、凹凸部30の溝の幅を広げることで、乱反射を効率よく行い光量をあげており、又、発光ダイオード50の直近の輝点部分の光は、フレーム10の周縁部で遮光させているため、トレース領域を比較的均質に面発光させることができる。
【0052】
また、お絵描き台玩具100は長手方向の断面においては、
図4及び
図7に示したように、発光ダイオード50が筐体90内部の長手方向において、夫々等間隔に配置されているものである。
【0053】
なお、発光ダイオード50は、長手方向で等間隔で密集するように配置すれば、トレース台領域の照明光をより均一光とし、トレース台領域の明度斑を軽減させることができる。
【0054】
なお、トレース台の周縁には、対向するようにストッパ18,19と、用紙保持具17と、を備えることから、写し絵を描く作業をするときに、不用意に用紙が移動することを防止することができる。
【0055】
また、筐体90が
図7に示したように下方に脚部95を有して、トレース台が僅かに傾斜していることから、子供が写し絵を描きやすいトレース台とされている。
【0056】
以上のように本実施例によれば、幼児のお絵描きの学習に役立つ知育玩具のトレース台として、部品数を軽減しながら面発光を可能とし、しかも、軽量で持ち運びに便利なお絵描き台玩具100を提供することができる。
【0057】
さらに、本実施例によれば、板体20の凹凸部30は、板体20の周縁では凹部の幅を短くして凸部の幅を長くされており、板体20の中央では凹部と凸部の幅が略均等とされることから、筐体の長手方向の周縁に位置する光源から距離が遠い中央近傍でも板体20表面を透過して光量を多くして明るくすることができる。