(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0015】
太陽電池装置101は、
図1に示されるように、太陽電池架台50と複数の太陽電池モジュール51とによって構成されている。なお、太陽電池装置101は、太陽電池アレイ等と呼ばれる場合もある。
【0016】
太陽電池架台50は、
図2に示されるように、太陽電池モジュール51を支持するためのものであり、棒状部材1、支柱2、梁3、ブレース4、基台5及び支柱固定材6から構成されている。なお、各部材の詳細は後述する。
【0017】
太陽電池モジュール51は、ガラス板と、ガラス板の裏面に電気的に直列または並列に接続された複数の太陽電池セルとを備え、全体として板状に形成され、太陽電池セルの受光面に太陽光が照射されると発電するように構成されている(不図示)。また、太陽電池モジュール51は、通常、太陽光が照射される受光面が南上方を向くように設置されている。
【0018】
太陽電池モジュール51は、効率的に発電するためには、受光面が太陽光の照射向きに対して垂直になるように設置することが好ましい。このため、一実施形態に係る太陽電池装置101では、太陽電池モジュール51が南上方を向くように太陽電池架台50に傾斜角度θを設けて設置している。
【0019】
なお、太陽電池モジュール51の種類は特に限定されることはなく、例えば、フレーム付き太陽電池モジュールであっても良いし、フレームレス太陽電池モジュールであっても良い。また、太陽電池モジュール51は、太陽電池パネル、ソーラーパネル等と呼ばれる場合もある。
【0020】
<第1実施形態>
第1実施形態では、太陽電池モジュール51を設置するための太陽電池架台50について説明する。
【0021】
[太陽電池架台の構成]
第1実施形態に係る太陽電池架台50の構成について、
図2から
図9を参照しながら説明する。
【0022】
図2は、第1実施形態に係る太陽電池架台50の斜視図である。
【0023】
太陽電池架台50は、太陽電池モジュール51が載置される棒状部材1と、棒状部材1の長手方向の2点を支持する支柱2と、支柱2を補強する梁3、ブレース4と、支柱2を設置する基台5と、支柱2を基台5に固定する支柱固定材6とを備えている。
【0024】
以下、太陽電池架台50を構成する各部材について説明する。
【0025】
図3及び
図4は、第1実施形態に係る棒状部材1の断面図であり、
図5及び
図6は、第1実施形態に係る棒状部材1の斜視図である。
【0026】
棒状部材1は、例えば、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber-Reinforced Plastics)やアルミニウムを成型することで所望の形状に加工される。棒状部材1は、太陽電池モジュール51が載置される上面側の載置面1aと、載置面1aと反対側の下面側に棒状部材1を支持する支柱2が嵌合される嵌合部1eとを備えている。
【0027】
棒状部材1の載置面1aの横幅中央には、棒状部材1の長手方向(
図2のY方向)に所定の長さを有する突起1bが形成されている。また、突起1bの長手方向に沿う左右側面の両側には、第1の載置面1cと第2の載置面1dが設けられている。
【0028】
突起1bは、載置面1aの横幅中央に突出しているため、太陽電池モジュール51を棒状部材1の第1の載置面1c及び第2の載置面1dに載置する場合に、太陽電池モジュール51が棒状部材1の短手方向(
図2のX方向)の位置を規制すると共に、太陽電池モジュール51をスライドさせる際のガイドとして機能する。
【0029】
突起1bは、
図5に示されるように連続した帯状に突出する形状であっても良く、
図6に示されるように島状に離れて形成された突起1b−1が複数存在する形態であっても良い。好ましくは、突起1bは連続した帯状に突出する形状であるほうが良い。突起1bを連続した帯状に突出する形状にすることで、位置決め機能を持たせることができる。
【0030】
棒状部材1の嵌合部1eは、
図3から
図6に示されるように、互いの内側を対向させるように載置面1aの反対側の下面より垂下方向に起立する一対の突出部1fより形成されており、棒状部材1を支持する支柱2が嵌合される。更に、嵌合部1eには、ボルト等を挿通するための嵌合部の孔1hが設けられている。
【0031】
なお、嵌合部1eは、
図3に示されるように突出部1fの下端より水平方向に延在するフランジ1gを設けた構造であってもよく、
図4のようにフランジ1gを設けない構造であっても良い。
【0032】
また、棒状部材1は、上記載置面1aに突起1bと一対の突出部1fとを一体成型した構成であるので、上下方向の風圧にも耐えうる強固な強度を有している。
【0033】
棒状部材1の突起1bには、
図7に示されるように、太陽電池モジュール51を取り付けるための取付手段7が設けられている。第1実施形態では、取付手段7として、高ナットを用いているが、これに限定されるものではない。
【0034】
取付手段7は、太陽電池モジュール51の厚みに応じて長さ(高さ)を決定すればよい。例えば、厚みの小さい太陽電池モジュール51を取り付ける際には長さの短いものを選択し、厚みの大きい太陽電池モジュール51を取り付ける際には長さの長いものを選択することで、様々な厚みの太陽電池モジュール51を取り付けることが可能である。
【0035】
以上、棒状部材1の構造について説明したが、棒状部材1の材料は特に限定されることはなく、例えば、FRP等の非金属部材、又は、アルミニウム、ステンレス、鉄等の金属部材を用いることができる。なかでも成型性、耐食性および耐久性の観点からFRPが好ましい。
【0036】
FRPは、ガラス繊維や炭素繊維等をプラスチック材に充填することで強度を向上させた複合材料であり、充填する繊維の種類、プラスチック材の種類は特に限定されない。
【0037】
また、棒状部材1は、一体成型したものであっても良く、複数の部材を組み合わせて加工したものであっても良い。
【0038】
支柱2は、長さの異なる一対の角型部材から構成されており、全長の短い支柱2を前支柱2a、全長の長い支柱2を後支柱2bとする。このとき、前支柱2aと後支柱2bの長さを変えることで、太陽電池モジュール51を取り付ける水平面(設置面)に対して所定の傾斜角度θに調整することが可能である。また、支柱2の両側面には、
図8に示されるように、ボルト等を挿通するための支柱の孔2cが設けられている。
【0039】
図2に示されるように、梁3及びブレース4は、太陽電池架台50の補強部材である。
【0040】
基台5は、設置場所に太陽電池架台50を設置する際の基礎となる部材であり、所定の長さを有するブロック状
に形成されている。基台5の材質は特に限定されることはなく、コンクリートやFRP等を用いることができる。
【0041】
以上、太陽電池架台50を構成する各部材について説明したが、以下では、太陽電池架台50の全体構成を説明する。
【0042】
図2に示されるように、2つの基台5は互いに平行となるように棒状部材1の全長に対応させて所定の間隔を空けて配置されている。一方の基台5a(
図2の前側)の上には、複数の前支柱2aが支柱固定材6によって固定され、互いに等間隔となるように配置されている。また、他方の基台5b(
図2の後ろ側)の上には、複数の後支柱2bが支柱固定材6によって固定され、互いに等間隔となるように配置されている。
【0043】
後支柱2bには、梁3及びブレース4が取り付けられている。
【0044】
また、前支柱2aと後支柱2bとを一対とする支柱2の上端部に1つの棒状部材1の嵌合部1eを嵌めることにより、棒状部材1が配置される。
図8に示されるように、嵌合部1eに支柱2を嵌合させる際に、嵌合部の孔1hと支柱の孔2cの位置を合わせた後、
図9に示されるように、それぞれの孔に側方からボルト10を挿通し、ナット11で固定することで、棒状部材1と支柱2とが固定される。
【0045】
更に、他の複数の前支柱2a及び後支柱2bに対しても同様に棒状部材1が固定されている。
【0046】
以上に説明したように、第1実施形態に係る太陽電池架台50によれば、太陽電池モジュール51の左右の位置決めが容易に行える構成となっている。
【0047】
なお、基台5の形状及び数量は限定されることはなく、例えば、各支柱2に基台5を1つずつ設けるような構成であっても良い。このように各支柱2に基台5を1つずつ設けることで、部材重量を更に低減することが可能となる、狭小箇所への設置が可能となる、耐荷重が低い場所への設置が可能となる等のメリットがある。
【0048】
更には、基台5を設けずに設置場所に支柱2を直接埋め込む構成とすることも可能である。基台5を設けずに設置場所に支柱2を直接埋め込む構成とすることで、例えば、設置場所が平地ではなく、斜面であっても取り付けることが可能になる。
【0049】
また、後支柱2bにのみ梁3とブレース4を設けたが、本発明はこれに限らず、前支柱2aに梁3とブレース4を設けても良く、前支柱2aと後支柱2bの両方に設けても良い。また、前支柱2aと後支柱2bのいずれにも設けない構成であっても良い。
【0050】
更に、支柱2と基台5とを固定する際に、支柱固定材6を用いる態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、支柱2の下端にボルト等の部材が設けられていて、支柱2を基台5に直接取り付ける構成としても良い。これによれば、更に部材点数を削減することが可能となる。
【0051】
<第2実施形態>
第2実施形態では、太陽電池架台50を用いて太陽電池モジュール51を設置した太陽電池装置101及び太陽電池装置101の施工方法について説明する。
【0052】
[太陽電池装置]
本発明の第2実施形態に係る太陽電池装置101について、
図10から
図14を参照しながら説明する。
【0053】
第2実施形態に係る太陽電池装置101は、第1実施形態に係る太陽電池架台50に太陽電池モジュール51を載置し、取付手段7と固定具8とによって棒状部材1に太陽電池モジュール51が固定されるものである。
【0054】
固定具8は、例えば、
図10に示されるように、互いに隣接する4枚の太陽電池モジュール51を同時に固定するための固定具8Aがある。固定具8Aは、多角形板状であり、中央部に取付手段7が挿通する挿通孔8aが設けられている。また、固定具8の上面は平らな形状を有しており、下面は太陽電池モジュール51の角部を位置決めする突状又は十字状の突起形状8bを有している。
【0055】
上記第2実施形態では、固定具8Aは、FRPにより成型されており、軽量である、熱伝導率が小さい、耐候性、耐久性、耐蝕性に優れている、線膨張率が小さく温度変化が大きい場所でも変形しにくい、といった特性を有する。なお、固定具8Aは、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄等の金属部材であっても良い。
【0056】
図11は1枚の太陽電池モジュール51が棒状部材1に載置されていることを示す斜視図である。
【0057】
図11に示されるように、太陽電池モジュール51は、所定の間隔をあけて互いに平行に配置された棒状部材1の第1の載置面1c及び第2の載置面1dの上に載置される。また、突起1bにより、太陽電池モジュール51は左右方向の位置決めがなされている。このとき、太陽電池モジュール51の左右両側の側縁部51aは、棒状部材の第1の載置面1c及び第2の載置面1dによって支持されている。
【0058】
図12は、太陽電池装置101の一部分における拡大斜視図である。
【0059】
図12に示されるように、棒状部材1が所定の間隔をあけて互いに平行に、3つ配置されている(
図12の左側から順に1A、1B、1Cとする)。太陽電池モジュール51は、棒状部材1Bの長手方向(
図12のY方向)に隣接して、棒状部材1Bの第1の載置面1c側に第1、第2の太陽電池モジュール51A、51Bが載置されている。また、第1、第2の前記太陽電池モジュール51A、51BとX方向に隣接して、棒状部材1Bの第2の載置面1d側に互いに隣接するように第3、第4の太陽電池モジュール51C、51Dが載置されている。
【0060】
更に、4枚の太陽電池モジュール51の各角部が、取付手段7と固定具8Aによって同時に固定されている。具体的には、4枚の太陽電池モジュール51の各角部が固定具8Aの裏面に設けられた突起形状8bによって位置決めされている。また、
図13に示されるように、取付手段7に、固定具8Aに設けられた挿通孔8aを嵌め、更にボルト等を用いることによって、固定具8Aが取付手段7に締結されている。
【0061】
以上の構成と同様に、複数の太陽電池モジュール51が太陽電池架台50に取り付けられ、太陽電池装置101が構成されている。
【0062】
以上に説明したように、第2実施形態に係る太陽電池装置101によれば、太陽電池モジュール51の左右の位置決めを容易に行うことができる。
【0063】
また、取付手段7と固定具8Aとによって、太陽電池モジュール51を位置決めし、上方から押さえつける構造であることから、強風等の風圧によって外れるおそれがない。
【0064】
更には、太陽電池モジュール51を棒状部材1の第1の載置面1cと第2の載置面1dの上に載置し、取付手段7と固定具8Aとで固定する構成であることから、太陽電池モジュール51の厚みを問わず、太陽電池モジュール51を設置することが可能である。
【0065】
なお、第2実施形態では、固定具8Aの形状を一例として説明したが、固定具8の形状は、
図10に示した形状に限定されるものではなく、例えば、
図14に示されるように、互いに隣接する2枚の太陽電池モジュール51を固定するための固定具8Bを用いても良い。
【0066】
固定具8Bは、例えば、板金をプレス加工して成型したものであり、2枚の太陽電池モジュール51の隣接するそれぞれの周縁部(辺)の中間部分を位置決めする突起形状8bを有しており、2枚の太陽電池モジュール51が同時に固定できる。周縁部(辺)の中間部分とは、周縁部(辺)の角部と角部との間の領域を表す。
【0067】
なお、部材点数を削減できるという観点からは、4枚の太陽電池モジュール51を1つの固定具8で同時に固定できる形状が好ましい。
【0068】
[太陽電池装置の施工方法]
第2実施形態に係る太陽電池装置101の施工方法を
図1、
図2及び
図15に基づいて説明する。第2実施形態では、棒状部材1の長手方向(
図1のY方向)に4枚、棒状部材1の短手方向(
図1のX方向)に7枚の合計28枚の太陽電池モジュール51を取り付ける場合の手順を説明する。
【0069】
なお、取り付ける太陽電池モジュール51の枚数は、これに限定されるものではなく、設置場所の広さに合わせて任意の枚数を選択することができる。
(手順P1)地上面に基礎部として、角柱の基台5を互いに平行となるように2箇所に設置する。
(手順P2)一方の基台5aに支柱固定材6を用いて、8つの前支柱2aを互いに等間隔となるように固定する。
(手順P3)他方の基台5bに支柱固定材6を用いて、8つの後支柱2bを互いに等間隔となるように固定する。このとき、第2実施形態では、太陽が通過する際の日射方向角度に応じて太陽電池モジュール51に傾斜を持たせて設置するため、前支柱2aの全長よりも後支柱2bの全長が長いものを用いた。なお、前支柱2aの全長及び後支柱2bの全長はこれに限定されるものではなく、設置場所や設置角度によって任意に選択することができる。
(手順P4)後支柱2bに梁3及びブレース4を取り付ける。
(手順P5)基台5の短手方向(
図2のY方向)に取り付けられた一対の前支柱2aと後支柱2bの上端に棒状部材1の下面側を嵌めることにより、棒状部材1を取り付ける。このとき、棒状部材1の嵌合面には、支柱2に取り付けるための嵌合部1eが設けられているので、嵌合部1eを支柱2の上端に嵌合することで取り付けることができる。
(手順P6)嵌合部1e及び支柱2には、それぞれお互いをボルト及びナットで固定するための嵌合部の孔1h、支柱の孔2cが設けられており、嵌合部の孔1hと支柱の孔2cとの相対的位置を合わせることで所定の位置に配置することが可能である。
(手順P7)嵌合部1eに支柱2を嵌合させた後に、これらの孔にボルト10を挿通し、ナット11で固定することによって、棒状部材1と支柱2とを固定する(
図9参照)。
(手順P8)棒状部材1の下端部にモジュール受け材9(
図15参照)を取り付ける。モジュール受け材9は、太陽電池モジュール51を載置した際に、太陽電池モジュール51が滑落することを防止するためのストッパーである。なお、モジュール受け材9の形状は特に限定されるものではなく、太陽電池モジュールが滑落することを防止できるような形状であれば良い。
(手順P9)棒状部材1に取付手段7を取り付ける。
(手順P10)他の7対の支柱2及び他の7つの棒状部材についても、手順P5から手順P9と同様の取り付けを行う。
【0070】
以上の手順により、28枚の太陽電池モジュール51を取り付けることが可能な
図2に示す太陽電池架台50が形成される。
【0071】
続いて、
図15を参照しながら、太陽電池架台50に、固定具8Aを用いて、太陽電池モジュール51を取り付ける手順を説明する。
図15において、(1)から(21)は太陽電池モジュール51の取り付け順番を示している。
(手順P11)最下段に取り付ける7枚の太陽電池モジュール51を(1)から(7)の順に載置する。具体的には、(1)から(7)の太陽電池モジュール51を、一対の棒状部材1の突起1bをガイドとして、一対の棒状部材1の載置面1a(1c、1d)に載置し、棒状部材1の長手方向(
図15のY方向)の上部から下部にスライドさせる。太陽電池モジュール51は、モジュール受け材9に接するところまでスライドさせて停止させる。
(手順P12)下から2段目に取り付ける7枚の太陽電池モジュール51を(8)から(14)の順に載置する。具体的には、(8)から(14)の太陽電池モジュール51を、一対の棒状部材1の突起1bをガイドとして、一対の棒状部材1の載置面1aに載置し、棒状部材1の長手方向(
図15のY方向)の上部から下部にスライドさせ、最下段の太陽電池モジュール51と固定具8Aの裏面に設けられた突起形状8bにより太陽電池モジュール51の位置決めを行い、太陽電池モジュール51を取付手段7と固定具8Aを用いて棒状部材1に固定する。
(手順P13)下から3段目に取り付ける7枚の太陽電池モジュール51を(15)から(21)の順に載置する。具体的には、(15)から(21)の太陽電池モジュール51を、一対の棒状部材1の突起1bをガイドとして、一対の棒状部材1の載置面1aに載置し、棒状部材1の長手方向(
図15のY方向)の上部から下部にスライドさせ、下から2段目の太陽電池モジュール51と固定具8Aの裏面に設けられた突起形状8bにより太陽電池モジュール51の位置決めを行い、太陽電池モジュール51を取付手段7と固定具8Aを用いて棒状部材1に固定する。
(手順P14)上記手順P13と同様の方法で、下から4段目の22枚目から28枚目の太陽電池モジュール51を取り付ける(不図示)。
【0072】
以上の手順によって、28枚の太陽電池モジュール51が太陽電池架台50に固定される(
図1参照)。なお、この施工手順は一例であり、各工程の施工の順序を変更することも可能である。
【0073】
上記のとおり、第2実施形態に係る太陽電池装置101の施工方法においては、太陽電池モジュール51を一対の棒状部材1の間に載置するだけで、太陽電池モジュール51の左右の位置決めが可能である。更には、取付手段7と固定具8Aとによって棒状部材1に太陽電池モジュール51を固定することで、太陽電池モジュール51の左右の位置決めに加えて上下の位置決めも同時に行うことができる。
【0074】
このため、容易に太陽電池モジュール51を所定の位置に載置し、固定することができると共に、太陽電池モジュール51の配線を行った後に太陽電池モジュール51を取り付けることが可能である。なお、配線は、太陽電池モジュール51の受光面と反対側の下面側に設けられている。
【0075】
以上のことから、太陽電池モジュール51の受光面からの作業のみで太陽電池モジュール51を太陽電池架台50に固定することができるので、太陽電池架台50の下側に潜り込んで作業をする必要がない。したがって、低姿勢での作業を極力無くし、安全に太陽電池モジュール51の取付け作業を行うことができ、作業効率が向上し、施工時間を短縮することができる。
【0076】
また、棒状部材1の下端部はモジュール受け材9が存在するので、棒状部材1に載置された太陽電池モジュール51が滑落することはない。
【0077】
更には、太陽電池モジュール51を棒状部材1に載置し、固定具8で固定しているだけの取付け方法であることから、太陽電池モジュール51が故障した場合の交換等が容易であり、メンテナンス性に優れている。すなわち、特定の1枚又は複数の太陽電池モジュール51が故障し、交換が必要となった場合においても、特定の1枚又は複数の太陽電池モジュール51のみを取り外して交換することが可能である。
【0078】
<第3実施形態>
第3実施形態では、複数の太陽電池装置101を備える太陽光発電システム100について説明する。
【0079】
[太陽光発電システムの構成]
図16は、第3実施形態に係る太陽光発電システム100の構成を示す概略図である。
図16に示されるように、太陽電池発電システムは、複数の太陽電池装置101(太陽電池架台50を含む)、接続箱102、パワーコンディショナ装置103及び変圧装置104を備えている。
【0080】
複数の太陽電池装置101は、それぞれ第2実施形態で説明した太陽電池装置101から構成されており、それぞれの太陽電池装置101が太陽エネルギーを直流電力に変換して、直流電力を接続箱102に供給する。第2実施形態に係る太陽電池装置101を複数用いることで、太陽光発電システム100の施工性を大幅に改善することができる。
【0081】
なお、複数の太陽電池装置101は、すべてが第2実施形態に係る太陽電池装置101から構成されていることに限定されず、第2実施形態で説明した太陽電池装置101を少なくとも1つ含んでいれば良い。好ましくは、太陽光発電システム100の施工性をより改善するために、第2実施形態の太陽電池装置101を多く用いることが良い。
【0082】
接続箱102は、複数の太陽電池装置101から集められた直流電力をパワーコンディショナ装置103に供給する。
【0083】
パワーコンディショナ装置103は、接続箱102から供給された直流電圧を三相交流(例えば200V)に変換して出力する。この交流電力は、パワーコンディショナ装置103の出力端と接続された変圧装置104により変圧されて出力される。なお、パワーコンディショナ装置103は、インバーター装置と呼ばれることもある。
【0084】
第3実施形態のその他の構造及びその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0085】
なお、太陽光発電システム100は第3実施形態に限定されず、例えば、パワーコンディショナ装置103が接続箱102の機能を有している一体型であっても良い。また、パワーコンディショナ装置103が変圧装置104の機能を有している一体型であっても良い。更には、パワーコンディショナ装置103が接続箱102及び変圧装置104の両方の機能を有している一体型であっても良い。
【0086】
以上、太陽電池架台50、太陽電池装置101、太陽電池装置101の施工方法及び太陽光発電システム100を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。