特許第6302258号(P6302258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6302258
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/20 20120101AFI20180319BHJP
【FI】
   B65B9/20
【請求項の数】6
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-7890(P2014-7890)
(22)【出願日】2014年1月20日
(65)【公開番号】特開2015-137104(P2015-137104A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2017年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】安田 隆広
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
【審査官】 谷川 啓亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−352287(JP,A)
【文献】 特開2006−232384(JP,A)
【文献】 特開2005−075401(JP,A)
【文献】 特開2006−036328(JP,A)
【文献】 特開2007−62806(JP,A)
【文献】 特開2006−290403(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0228288(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/20 − 9/24
B65B 47/00 − 47/10
B65B 51/00 − 51/32
B65B 57/00 − 57/20
B65B 59/00 − 65/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムから袋を製袋し、前記袋の内部に被包装物を包装する製袋包装機であって、
前記フィルムを横シールする一対のシール部材と、
一方のシール部材を支持し回転させる第1回転軸を有する第1回転体と、
他方のシール部材を支持し回転させる第2回転軸を有する第2回転体と、
前記シール部材の一方に固定され、前記フィルムの横シール部分を溶断する溶断部材と、
前記第2回転軸に接近又は離反する方向に移動可能な前記第1回転軸を、不動の前記第2回転軸に向かって押すことで、一対の前記シール部材が、その間に前記フィルムを挟み込んで横シールし、前記溶断部材が前記横シール部分に接触し、前記横シール部分を溶断するように、一方の前記シール部材に、他方の前記シール部材に対する加圧力を付与する加圧機構と、
前記フィルム又は前記被包装物に関するエラー情報に基づいて、前記加圧機構に前記加圧力の付与を中止させる制御部と、
を備えた製袋包装機。
【請求項2】
前記制御部が前記加圧機構に前記加圧力の付与を中止させた場合に、前記シール部材は前記フィルムを横シールし、前記溶断部材は前記横シール部分を溶断しない、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記加圧機構は圧縮空気が供給されるシリンダチューブを有するエアシリンダを含み、
前記制御部は、前記シリンダチューブを大気開放させることで、前記加圧機構に前記加圧力の付与を中止させる、
請求項1又は2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記エラー情報は、前記被包装物の重量エラー、前記被包装物の金属混入エラー、前記フィルムの横シール時の噛み込みエラー、前記フィルムの印字位置エラー、および前記フィルムの供給異常エラーに関する情報の少なくとも1つを含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記エラー情報を受け付ける、エラー情報受付部を更に備えた、
請求項1から4のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記エラー情報を検知する、エラー情報検知部を更に備えた、
請求項1から5のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対のシール部材によりフィルムの被シール部分を挟み込んで横シールを行い、横シール部分を、エアシリンダ等の駆動部により駆動される刃物を用いて切断することで、各袋を分離する製袋包装機が知られている(例えば、特許文献1(特開2002−104327号公報))。
【0003】
このような製袋包装機では、刃物を駆動する駆動部を制御することで、ある袋に異常があった場合に、異常のある袋を連包排出することが可能である。なお、連包排出とは、袋を切り離さず、2つ以上の袋が連なった状態で製袋包装機から排出することを意味する。異常のある袋を連包排出することで、異常のある袋と、異常の無い袋とを容易に識別可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに対し、刃物だけを駆動するための駆動部を有さず、一対のシール部材が横シール時にフィルムを挟み込む加圧力を利用して、シール部材に固定された刃物で各袋を分離する製袋包装機がある。このような製袋包装機では、刃物の動きを制御できないため、異常のある袋があっても、異常のある袋を連包排出できない。そのため、製袋包装機の後段に、異常のある袋を識別する機器が必要となり、製袋包装機を有する製造システムが全体として複雑化し、高コストとなっている。
【0005】
本発明の課題は、シール部材に固定された刃物で、一対のシール部材が横シール時にフィルムを挟み込む加圧力を利用して横シール部分を切断し、各袋を分離する製袋包装機であって、袋の連包排出が可能な製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る製袋包装機は、フィルムから袋を製袋し、袋の内部に被包装物を包装する。製袋包装機は、一対のシール部材と、第1回転体と、第2回転体と、溶断部材と、加圧機構と、制御部と、を備える。一対のシール部材は、フィルムを横シールする。第1回転体は、一方のシール部材を支持し回転させる第1回転軸を有する。第2回転体は、他方のシール部材を支持し回転させる第2回転軸を有する。溶断部材は、シール部材の一方に固定され、フィルムの横シール部分を溶断する。加圧機構は、第2回転軸に接近又は離反する方向に移動可能な第1回転軸を、不動の第2回転軸に向かって押すことで、一対のシール部材が、その間にフィルムを挟み込んで横シールし、溶断部材が横シール部分に接触し、横シール部分を溶断するように、一方のシール部材に、他方のシール部材に対する加圧力を付与する。制御部は、フィルム又は被包装物に関するエラー情報に基づいて、加圧機構に加圧力の付与を中止させる。
【0007】
ここでは、溶断部材の溶断の駆動力となる、加圧機構によるシール部材への加圧力の付与が、フィルム又は被包装物に関するエラー情報に基づいて中止される。そのため、フィルム(すなわち袋自体)又は被包装物に異常がある袋を、製袋包装機から連包排出することが可能である。その結果、製袋包装機から排出される袋の中から、異常のある袋を容易に識別することができる。
【0008】
また、本発明に係る製袋包装機では、制御部が加圧機構に加圧力の付与を中止させた場合に、シール部材はフィルムを横シールし、溶断部材は横シール部分を溶断しないことが望ましい。
【0009】
ここでは、加圧機構による加圧力の付与が中止された場合に、横シール部分が溶断されないため、異常のある袋を製袋包装機から連包排出できる。
【0010】
特に、ここでは、加圧機構による加圧力の付与が中止されても、フィルムが横シールされる程度にしかシール部材間の圧力が低減されない。そのため、溶断部材がフィルムの横シール部分を切断して連包排出する状態と、溶断部材がフィルムの横シール部分を切断して各袋を分離する状態と、を素早く切り替えることができる。
【0011】
また、本発明に係る製袋包装機では、加圧機構は圧縮空気が供給されるシリンダチューブを有するエアシリンダを含むことが望ましい。制御部は、シリンダチューブを大気開放させることで、加圧機構に加圧力の付与を中止させることが望ましい。
【0012】
ここでは、シリンダチューブを大気開放することで、短時間で加圧機構に加圧力の付与を中止させることができる。そのため、製袋包装機の処理速度が比較的大きい(単位時間あたりに包装される袋の数が比較的多い)場合でも、フィルム(すなわち袋自体)又は被包装物に異常のある袋を、製袋包装機から連包排出することが容易である。
【0013】
また、本発明に係る製袋包装機では、エラー情報は、被包装物の重量エラー、被包装物の金属混入エラー、フィルムの横シール時の噛み込みエラー、フィルムの印字位置エラー、およびフィルムの供給異常エラーに関する情報の少なくとも1つを含むことが望ましい。
【0014】
ここでは、フィルム又は被包装物に上記のようなエラーが発生した場合に、異常のある袋を、製袋包装機から連包排出することができる。
【0015】
また、本発明に係る製袋包装機は、エラー情報を受け付ける、エラー情報受付部を更に備えることが望ましい。
【0016】
これにより、製袋包装機外の各種機器の情報に基づいて、異常のある袋を、製袋包装機から連包排出することができる。
【0017】
また、本発明に係る製袋包装機は、エラー情報を検知する、エラー情報検知部を更に備えることが望ましい。
【0018】
これにより、各種異常を検知して、異常のある袋を、製袋包装機から連包排出することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る製袋包装機では、溶断部材の溶断の駆動力となる、加圧機構によるシール部材への加圧力の付与が、フィルム又は被包装物に関するエラー情報に基づいて中止される。そのため、フィルム(すなわち袋自体)又は被包装物に異常がある袋を、製袋包装機から連包排出することが可能である。その結果、製袋包装機から排出される袋の中から、異常のある袋を容易に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装機を含む計量包装装置の斜視図である。
図2図1に係る製袋包装機のブロック図である。
図3図1に係る製袋包装機の製袋包装ユニットの概略構成を示す斜視図である。
図4図3に係る製袋包装ユニットの横シール機構を図3における右方向から見た側面図である。
図5図4に係る横シール機構のシールジョーの軌跡を図3における右方向から見た側面図である。
図6図4に係る横シール機構の加圧機構を図3における右後方から見た斜視図である。
図7図4に係る横シール機構のシールジョーがシール動作(フィルムの溶断を含む)を行っている状態を図3における右方向から見た側面図である。
図8A図6に係る加圧機構の模式図である。加圧機構により、一方のシールジョーに、他方のシールジョーに対する加圧力が付与されている状態を描画している。
図8B図6に係る加圧機構の模式図である。加圧機構によるシールジョーへの加圧力の付与が中止されている状態を描画している。
図9】変形例Gに係る、フィルム検知センサを備える製袋包装機の横シール機構を、図3における右方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面を参照しながら、本発明に係る製袋包装機の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0022】
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る製袋包装機3を含む、計量包装装置1の斜視図である。図2は、製袋包装機3のブロック図である。
【0023】
計量包装装置1は、主に、組合せ計量機2と、製袋包装機3とを有する(図1参照)。製袋包装機3は、製袋包装ユニット3aと、フィルム供給ユニット3bと、コントローラ30と、を主に有する(図2参照)。
【0024】
組合せ計量機2は、製袋包装機3の製袋包装ユニット3aの上方に配置される。組合せ計量機2では、物品C(製袋包装機3の被包装物)の重量が複数の計量ホッパで計量され、これらの計量値の合計が所定の重量範囲になるように計量ホッパの組み合わせが選択される。選択された計量ホッパ内の物品Cは、組合せ計量機2から、下方に配置された製袋包装ユニット3aに排出される。
【0025】
なお、組合せ計量機2から、所定の重量範囲を外れる重量の物品Cが製袋包装ユニット3aに排出される場合がある。このような事態は、例えば、組合せ計量機2において、どの計量ホッパの物品Cを組み合わせても、計量値の合計が所定の重量範囲を超える場合に発生する。組合せ計量機2から、所定の重量範囲を外れる重量の物品Cが製袋包装ユニット3aに排出される場合には、組合せ計量機2の図示しないコントローラから、製袋包装機3のコントローラ30に対して、物品Cの重量エラーを知らせる信号が送信される。
【0026】
製袋包装機3の製袋包装ユニット3aは、組合せ計量機2から物品Cが供給されるタイミングにあわせて、袋Bを製袋し、袋Bの内部に物品Cを包装する。製袋包装機3のフィルム供給ユニット3bは、製袋包装ユニット3aに、袋Bを製袋するためのフィルムFを供給する。
【0027】
計量包装装置1には、組合せ計量機2および製袋包装機3を操作するための操作スイッチ4が設けられる。また、計量包装装置1には、組合せ計量機2および製袋包装機3の動作状態を表示し、組合せ計量機2および製袋包装機3に対する様々な設定の入力等を受け付ける、タッチパネル式ディスプレイ5が設けられる。操作スイッチ4やタッチパネル式ディスプレイ5は、図示しない組合せ計量機2のコントローラと、製袋包装機3のコントローラ30と、に接続されている。操作スイッチ4およびタッチパネル式ディスプレイ5は、組合せ計量機2および製袋包装機3に対する指示や、組合せ計量機2および製袋包装機3に関する設定を受け付ける入力部として機能する。また、タッチパネル式ディスプレイ5は、組合せ計量機2および製袋包装機3に関する情報を表示する出力部として機能する。
【0028】
なお、本実施形態では、操作スイッチ4およびタッチパネル式ディスプレイ5が、組合せ計量機2および製袋包装機3で共用されるが、これに限定されるものではなく、機器別に操作スイッチおよびタッチパネル式ディスプレイが設けられてもよい。
【0029】
コントローラ30は、操作スイッチ4やタッチパネル式ディスプレイ5から入力された操作および設定に従って、製袋包装機3を制御する。コントローラ30は、製袋包装機3に設置されている各種センサにより把握された情報や、組合せ計量機2のコントローラから受信した情報を用いて、製袋包装機3を制御する。
【0030】
(2)詳細構成
製袋包装機3について詳細に説明する。
【0031】
なお、以下の説明では、方向や各構成の配置を説明するために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合があるが、ここでは、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」および「右」を図3のように規定する。特記しない場合には、図3の規定に従って、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する。また、以下の説明では、「上流」および「下流」という表現を使用する場合があるが、特記しない場合には、「上流」および「下流」はフィルムFの搬送方向を基準とする。
【0032】
(2−1)製袋包装ユニット
製袋包装ユニット3aは、上方に配置される組合せ計量機2から物品Cが供給されるタイミングにあわせて、フィルムFから袋Bを製袋し、袋Bの内部に、被包装物としての物品Cを包装する。
【0033】
製袋包装ユニット3aは、主に、成形機構13(図3参照)と、プルダウンベルト機構14(図3参照)と、縦シール機構15(図3参照)と、横シール機構17(図3参照)と、ロータリエンコーダ40(図2参照)と、金属検知器18(図2参照)と、を有する。
【0034】
成形機構13は、フィルム供給ユニット3bから搬送されてくるシート状のフィルムFを筒状に成形する。プルダウンベルト機構14は、筒状となったフィルムF(以下、筒状フィルムFcとよぶ)を下方に搬送する。縦シール機構15は、筒状フィルムFcの重ね合わせ部分(合せ目)を縦方向にシールする。横シール機構17は、下方に向かって搬送される筒状フィルムFcを搬送方向と交差する方向に沿ってシール(横シール)することで、袋Bの上下端を封止する。また、横シール機構17は、後述するシールジョー51b,52bに設けられたナイフ72a(図7参照)により、横シール済みの袋Bを筒状フィルムFcから切り離す。筒状フィルムFcから切り離された包装済みの袋Bは、製袋包装機3の下方から排出される。ロータリエンコーダ40は、後述する横シール機構17の第1回転体50aの第1回転軸53aの移動量(第1回転軸53aの、後述する横シール機構17の第2回転体50bの第2回転軸53bに対する相対移動量)を測定する。金属検知器18は、成形機構13のチューブ13bの上端よりも上方に配置され、チューブ13bに供給される物品Cに金属が混入しているか否かを検知する。
【0035】
以下に、成形機構13と、プルダウンベルト機構14と、縦シール機構15と、横シール機構17と、ロータリエンコーダ40とについて更に説明する。
【0036】
(2−1−1)成形機構
成形機構13は、チューブ13bと、フォーマ13aとを有する。
【0037】
チューブ13bは、筒状の部材であり、上下端が開口している。チューブ13bの上端の開口に、組合せ計量機2で組合せ計量された物品Cが投入される。
【0038】
フォーマ13aは、チューブ13bを取り囲むように配置されている。フィルム供給ユニット3bのフィルムロールから繰り出されてきたシート状のフィルムFは、フォーマ13aとチューブ13bとの間を通るときに筒状に成形される。成形機構13のチューブ13bおよびフォーマ13aは、製造する袋Bの大きさに応じて取り替えることができる。
【0039】
(2−1−2)プルダウンベルト機構
プルダウンベルト機構14は、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFcを吸着して下方に連続搬送する。プルダウンベルト機構14は、図3に示すように、チューブ13bの左右にチューブ13bを挟むように配置された、一対のベルト14cを有する。筒状フィルムFcは、吸着機能を有するベルト14cが駆動ローラ14aおよび従動ローラ14bによって駆動されることで、下方に搬送される。なお、図3では、駆動ローラ14aを回転させるローラ駆動モータの図示を省略している。
【0040】
(2−1−3)縦シール機構
縦シール機構15は、筒状フィルムFcを縦方向(図3中では上下方向)に熱シールする。
【0041】
縦シール機構15は、チューブ13bの正面側に配置されている(図3参照)。縦シール機構15は、図示されない駆動機構により、チューブ13bに近づくように、あるいは、チューブ13bから遠ざかるように前後方向に駆動される。縦シール機構15が、駆動機構によりチューブ13bに近づくように駆動されることで、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFcの重なり部分(合せ目)が、縦シール機構15とチューブ13bとの間に挟まれる。縦シール機構15は、筒状フィルムFcの重なり部分を、チューブ13bとの間で挟んだ状態で加熱し、縦方向に熱シールする。
【0042】
(2−1−4)横シール機構
横シール機構17は、後述するように、一対のシールジョー51(シールジョー51aおよびシールジョー51b)、又は、一対のシールジョー52(シールジョー52aおよびシールジョー52b)により、下向きに搬送される筒状フィルムFcの被シール部分を、筒状フィルムFcの搬送方向と交差する方向(ここでは左右方向)に沿って挟み込み、横方向に熱シールする。
【0043】
横シール機構17は、主に、第1回転体50a、第2回転体50b、および加圧機構56を有する(図4参照)。
【0044】
第1回転体50aは、筒状フィルムFcの正面側に配される(図4では左側)。第2回転体50bは、筒状フィルムFcの背面側に配される(図4では右側)。加圧機構56は、後述するように、筒状フィルムFcが、一対のシールジョー51、又は、一対のシールジョー52の間で挟み込まれて横シールされるように、一方のシールジョー51a,52aに、他方のシールジョー51b,52bに対する加圧力を付与する。具体的には、加圧機構56は、一方のシールジョー51a,52aに、他方のシールジョー51b,52bに対する加圧力が付与されるように、第1回転体50aの第1回転軸53aを、第2回転体50bの第2回転軸53bに向かって(後方に向かって)押圧する。図4では、第1回転軸53aが第2回転軸53bに向かって押圧される向きが、矢印Aで描画されている。また、後述するように、一対のシールジョー51,52のそれぞれ一方(シールジョー51b,52b)には、溶断部材としてのナイフ72aが設けられている(図7参照)。加圧機構56が、シールジョー51a,52aに、シールジョー51b,52bに対する加圧力を付与することで、ナイフ72aが筒状フィルムFcの横シール部分に接触し、筒状フィルムFcの横シール部分を溶断する。
【0045】
(2−1−4−1)回転体
第1回転体50aおよび第2回転体50bについて詳しく説明する。
【0046】
(2−1−4−1−1)第1回転体
第1回転体50aは、主に、第1回転軸53a、一対のレバー54a、一対のレバー55a、シールジョー51a、およびシールジョー52aを有する(図4参照)。
【0047】
第1回転軸53aは、左右方向に延びる、第1回転体50aの回転軸である。第1回転体50aは、側面視において、第1回転軸53aを回転軸として、回転中心C1を中心として回転する(図4参照)。
【0048】
一対のレバー54aは、第1回転軸53aの長手方向の両端付近(左右方向の両端付近)にそれぞれ接続されている。各レバー54aは、第1回転軸53aから、第1回転軸53aの半径方向に延びる。レバー54aの一方は、第1回転軸53aから、他方のレバー54aと同方向に、並行して延びる。
【0049】
一対のレバー55aは、第1回転軸53aの長手方向の両端付近(左右方向の両端付近)にそれぞれ接続されている。各レバー55aは、第1回転軸53aから、第1回転軸53aの半径方向に延びる。レバー55aの一方は、第1回転軸53aから、他方のレバー55aと同方向に、並行して延びる。
【0050】
なお、第1回転軸53aの右端付近に接続されたレバー54aとレバー55aとは、側面視において、第1回転体50aの回転中心C1に対して点対称に延びる(図4参照)。言い換えれば、第1回転軸53aの右端付近に接続されたレバー54aとレバー55aとは、側面視において、第1回転体50aの回転中心C1に対して反対方向に延びる(図4参照)。また、第1回転軸53aの左端付近に接続されたレバー54aとレバー55aとは、側面視において、第1回転体50aの回転中心C1に対して点対称に延びる。言い換えれば、第1回転軸53aの左端付近に接続されたレバー54aとレバー55aとは、側面視において、第1回転体50aの回転中心C1に対して反対方向に延びる。
【0051】
シールジョー51aは、一対のシールジョー51の一方を構成する。シールジョー51は、シール部材の一例である。シールジョー51aは、左右方向を長手方向とするシール面511aを有する(図7参照)。
【0052】
シールジョー51aは、後述するシールジョー51bと対となって機能し、筒状フィルムFcの被シール部分をシールする。より具体的には、シールジョー51は、シールジョー51aの左右方向を長手方向とするシール面511aと、後述するシールジョー51bの左右方向を長手方向とするシール面511bと、により筒状フィルムFcの被シール部分を挟み込み、左右方向に横シールする(図7参照)。
【0053】
シールジョー51aは、シール面511aの長手方向(左右方向)における両端が、第1回転軸53aから延びるレバー54aの端部と、それぞれ接続されている。上記のようにレバー54aは第1回転軸53aに接続されていることから、シールジョー51aは、一対のレバー54aを介して、シール面511aの長手方向(左右方向)における両端で第1回転軸53aにより支えられている。
【0054】
シールジョー52aは、一対のシールジョー52の一方を構成する。シールジョー52は、シール部材の一例である。シールジョー52aは、左右方向を長手方向とするシール面(図示せず)を有する。
【0055】
シールジョー52aは後述するシールジョー52bと対となって機能し、筒状フィルムFcの被シール部分をシールする。より具体的には、シールジョー52は、シールジョー52aの左右方向を長手方向とするシール面と、後述するシールジョー52bの左右方向を長手方向とするシール面(図示せず)とにより筒状フィルムFcの被シール部分を挟み込み、左右方向に横シールする。
【0056】
シールジョー52aは、シール面の長手方向(左右方向)における両端が、第1回転軸53aから延びるレバー55aの端部と、それぞれ接続されている。上記のようにレバー55aは第1回転軸53aに接続されていることから、シールジョー52aは、一対のレバー55aを介して、そのシール面の長手方向(左右方向)における両端で第1回転軸53aにより支えられている。また、レバー54aとレバー55aとが、側面視において、第1回転体50aの回転中心C1に対して反対方向に延びることから、シールジョー52aは、シールジョー51aと、第1回転体50aの回転中心C1回りに180°離れた位置に配置される。
【0057】
(2−1−4−1−2)第2回転体
第2回転体50bは、主に、第2回転軸53b、一対のレバー54b、一対のレバー55b、シールジョー51b、およびシールジョー52bを有する(図4参照)。
【0058】
第2回転軸53bは、左右方向に延びる、第2回転体50bの回転軸である。第2回転体50bは、側面視において、第2回転軸53bを回転軸として、回転中心C2を中心として回転する(図4参照)。
【0059】
一対のレバー54bは、第2回転軸53bの長手方向の両端付近(左右方向の両端付近)にそれぞれ接続されている。各レバー54bは、第2回転軸53bから、第2回転軸53bの半径方向に延びる。レバー54bの一方は、第2回転軸53bから、他方のレバー54bと同方向に、並行して延びる。
【0060】
一対のレバー55bは、第2回転軸53bの長手方向の両端付近(左右方向の両端付近)にそれぞれ接続されている。各レバー55bは、第2回転軸53bから、第2回転軸53bの半径方向に延びる。レバー55bの一方は、第2回転軸53bから、他方のレバー55bと同方向に、並行して延びる。
【0061】
なお、第2回転軸53bの右端付近に接続されたレバー54bとレバー55bとは、側面視において、第2回転体50bの回転中心C2に対して点対称に延びる(図4参照)。言い換えれば、第2回転軸53bの右端付近に接続されたレバー54bとレバー55bとは、側面視において、第2回転体50bの回転中心C2に対して反対方向に延びる(図4参照)。また、第2回転軸53bの左端付近に接続されたレバー54bとレバー55bとは、側面視において、第2回転体50bの回転中心C2に対して点対称に延びる。言い換えれば、第2回転軸53bの左端付近に接続されたレバー54bとレバー55bとは、側面視において、第2回転体50bの回転中心C2に対して反対方向に延びる。
【0062】
シールジョー51bは、一対のシールジョー51の一方を構成する。シールジョー51bは、左右方向を長手方向とするシール面511bを有する(図7参照)。シールジョー51bは,前述のようにシールジョー51aと対となって機能し、筒状フィルムFcの被シール部分をシールする。
【0063】
シールジョー51bは、シール面511bの長手方向(左右方向)における両端が、第2回転軸53bから延びるレバー54bの端部と、それぞれ接続されている。上記のようにレバー54bは第2回転軸53bに接続されていることから、シールジョー51bは、一対のレバー54bを介して、シール面511bの長手方向(左右方向)における両端で第2回転軸53bにより支えられている。
【0064】
シールジョー52bは、一対のシールジョー52の一方を構成する。シールジョー52bは、左右方向を長手方向とするシール面(図示せず)を有する。シールジョー52bは前述のようにシールジョー52aと対となって機能し、筒状フィルムFcの被シール部分をシールする。
【0065】
シールジョー52bは、シール面の長手方向(左右方向)における両端が、第2回転軸53bから延びるレバー55bの端部と、それぞれ接続されている。上記のようにレバー55bは第2回転軸53bに接続されていることから、シールジョー52bは、一対のレバー55bを介して、そのシール面の長手方向(左右方向)における両端で第2回転軸53bにより支えられている。また、レバー54bとレバー55bとは、側面視において、第2回転体50bの回転中心C2に対して反対方向に延びることから、シールジョー52bは、シールジョー51bと、第2回転体50bの回転中心C2回りに180°離れた位置に配置されている。
【0066】
(2−1−4−1−3)第1および第2回転体の動作
第1回転体50aは、第1回転軸53aが駆動モータ(図示せず)により駆動されることで、側面視において、回転中心C1を中心として回転させられる(図5参照)。第2回転体50bは、第2回転軸53bが駆動モータ(図示せず)により駆動されることで、側面視において、回転中心C2を中心として回転させられる(図5参照)。これにより、シールジョー51aとシールジョー52aとは回転中心C1を中心として、シールジョー51bとシールジョー52bとは回転中心C2を中心として、円軌道に沿って回転させられる(図5参照)。なお、第1回転体50aは、右側から見た場合、回転中心C1を中心に時計周りに回転させられる(図5参照)。言い換えれば、シールジョー51aおよびシールジョー52aは、右側から見た場合、回転中心C1を中心に時計周りに回転させられる。一方、第2回転体50bは、右側から見た場合、回転中心C2を中心に反時計周りに回転させられる(図5参照)。言い換えれば、シールジョー51bおよびシールジョー52bは、右側面から見た場合、回転中心C2を中心に反時計周りに回転させられる。
【0067】
第1回転体50aは、横シール方向において(左右方向において)、その両端を、水平移動板61(図4参照)により支持されている。より具体的には、第1回転体50aの第1回転軸53aの左右方向における両端は、水平移動板61により支持されている。一方、第2回転体50bは、横シール方向において(左右方向において)、その両端を、固定板62(図4参照)により支持されている。より具体的には、第2回転体50bの第2回転軸53bの左右方向における両端は、固定板62により支持されている。固定板62は、製袋包装ユニット3aのフレーム63(図6参照)に固定されている。
【0068】
水平移動板61は、加圧機構56によって、固定板62に向かって押圧される(図4の矢印A参照)。その結果、水平移動板61に支持された第1回転軸53aは、加圧機構56によって、固定板62に支持された第2回転軸53bに向かって押圧される。
【0069】
(2−1−4−2)加圧機構
加圧機構56は、空気圧を利用して、一対のシールジョー51の、一方のシールジョー51aに、他方のシールジョー51bに対する加圧力を付与する。また、加圧機構56は、一対のシールジョー52の、一方のシールジョー52aに、他方のシールジョー52bに対する加圧力を付与する。加圧機構56により、一方のシールジョー51a,52aに、他方のシールジョー51b,52bに対する加圧力が付与されることで、一対のシールジョー51,52が、その間に筒状フィルムFcを挟み込んで横シールする。また、加圧機構56により、シールジョー51a,52aに、シールジョー51b,52bに対する加圧力が付与されることで、シールジョー51b,52bに固定されたナイフ72aが横シール部分に接触し、筒状フィルムFcの横シール部分を溶断する。以下に、具体的に説明する。
【0070】
図8Aおよび図8Bは、加圧機構56の模式図である。図8Aおよび図8Bでは、第1回転軸53aに支持されるシールジョー52a、および、第2回転軸53bに支持されるシールジョー52bについては省略して描画している。図8Aは、加圧機構56によりシールジョー51aに、シールジョー51bに対する加圧力が付与されている状態を描画している。図8Bは、加圧機構56によるシールジョー51aへの加圧力の付与が中止されている状態を描画している。
【0071】
加圧機構56は、図8Aのように、主に、エアシリンダ80、第1連結ロッド81、連結プレート82、第2連結ロッド83、電磁弁90、および電空比例弁91を有している。
【0072】
エアシリンダ80は、圧縮空気が供給されるシリンダチューブ80aと、シリンダチューブ80a内に配置されるピストン80bと、を有する(図8A参照)。
【0073】
シリンダチューブ80aには、外部の圧縮空気源100(例えばエアコンプレッサ)から、開度調整可能な電空比例弁91と、電磁弁90と、を経て圧縮空気が供給される。電磁弁90は、圧縮空気源100からシリンダチューブ80aへと圧縮空気が流れる第1状態と、シリンダチューブ80aが大気開放される(シリンダチューブ80aの内部を周辺の大気と連通させる)第2状態とを切り替え可能な弁である。
【0074】
シリンダチューブ80a内に配置されたピストン80bは、エアシリンダ80から後方に向かって延びる第1連結ロッド81を介して、連結プレート82と接続されている。連結プレート82は、第2連結ロッド83の後方側端部と接続されている。第2連結ロッド83は、連結プレート82と水平移動板61とを接続する棒状部材である。加圧機構56は、4本の第2連結ロッド83を有する。図6のように、2本の第2連結ロッド83は、連結プレート82の右上角付近および右下角付近から、前方に向かって並行して延びる。図示されていないが、残り2本の第2連結ロッド83は、連結プレート82の左上角付近および左下角付近から、前方に向かって並行して延びる。連結プレート82の右側端部付近から前方に向かって延びる2本の第2連結ロッド83は、第1回転体50aの右側に配置される水平移動板61と接続されている。また、連結プレート82の左側端部付近から前方に向かって延びる2本の第2連結ロッド83は、第1回転体50aの左側に配置される水平移動板61と接続されている。第2連結ロッド83は、固定板62とは接続されておらず、固定板62をスライド自在に貫通して延びる。第2連結ロッド83の連結プレート82と反対側の端部(前方側端部)近傍は、製袋包装ユニット3aのフレーム63と固定されたロッド支持部材83a(図6参照)により、摺動自在に支持される。第2連結ロッド83がロッド支持部材83aにより摺動自在に支持されているため、第2連結ロッド83と接続された水平移動板61は、固定板62に接近又は離反する方向に移動可能である。言い換えれば、水平移動板61に支持される第1回転軸53aは、固定板62に支持される第2回転軸53bに接近又は離反する方向に移動可能である。
【0075】
電磁弁90が第1状態にある場合には、圧縮空気源100からシリンダチューブ80a内に圧縮空気が供給され、シリンダチューブ80a内のピストン80bは、空気圧により後方に押圧される(図8Aの矢印A参照)。圧縮空気がピストン80bを後方に押圧する力は、第1連結ロッド81を介して連結プレート82に伝えられ、結果として連結プレート82が後方に向かって押圧される。連結プレート82に作用する力は、第2連結ロッド83を介して水平移動板61に伝えられ、水平移動板61が、固定板62に接近する方向に押圧される。そして、水平移動板61に支持される第1回転軸53aも、固定板62に支持される第2回転軸53bに接近する方向に押圧される。その結果、一対のシールジョー51が横シールを行う際に、加圧機構56により、第1回転軸53aにレバー54aを介して取り付けられたシールジョー51aに、シールジョー51bに対する加圧力が付与される。また、一対のシールジョー52が横シールを行う際に、加圧機構56により、第1回転軸53aにレバー55aを介して取り付けられたシールジョー52aに、シールジョー52bに対する加圧力が付与される。ここで、シールジョー51a,52aに付与される加圧力は、一対のシールジョー51,52が、その間に筒状フィルムFcを挟み込んで横シール可能で、かつ、シールジョー51b,52bに固定されたナイフ72aが筒状フィルムFcの横シール部分を溶断可能な大きさの力である。
【0076】
なお、シールジョー51又はシールジョー52により筒状フィルムFcの横シールおよび溶断が行われる際、第1回転軸53aは、加圧力と、シールジョー51b,52bからシールジョー51a,52aに作用する力とのバランスにより、第2回転軸53bに接近又は離反する方向に若干程度(数百μm程度)移動する。後述するように、ロータリエンコーダ40は、第1回転軸53aの第2回転軸53bに対する相対移動量を計測する。
【0077】
電磁弁90が第2状態にある場合には、圧縮空気源100からシリンダチューブ80aへの圧縮空気の供給が中止され、シリンダチューブ80aが大気開放されることで、シールジョー51aおよびシールジョー52aへの加圧力の付与が中止される。具体的には、シリンダチューブ80aが大気開放されることで、シリンダチューブ80a内の圧力が、シールジョー51bおよびシールジョー52bに固定されたナイフ72aにより、筒状フィルムFcが溶断されない圧力まで低減される。ナイフ72aにより筒状フィルムFcが溶断されないシリンダチューブ80a内の圧力は、製袋包装機3の設置時や、メンテナンス時等に測定される。
【0078】
電磁弁90が第2状態に切り替えられ、シリンダチューブ80aが大気開放される場合にも、シリンダチューブ80a内の圧力は大気圧までは低下していない。そのため、シールジョー51aとシールジョー51bとの間、又は、シールジョー52aとシールジョー52bとの間で、筒状フィルムFcの横シールが、少なくとも部分的に行われる。シリンダチューブ80a内の圧力を大気圧まで低下させないことで、電磁弁90を第1状態に戻した時に、比較的短時間で、シリンダチューブ80a内の圧力を、ナイフ72aにより筒状フィルムFcを溶断可能な圧力に戻すことができる。
【0079】
加圧機構56が、シールジョー51a,52aに、シールジョー51b,52bに対する加圧力を付与するか、あるいは、加圧力の付与を中止するかは、後述する加圧機構制御部30aが、電磁弁90の状態を、第1状態と第2状態との間で切り替えることで制御される。
【0080】
(2−1−4−3)シールジョーによるシール動作
シールジョー51によるシール動作について説明する。より具体的には、シールジョー51によるシール動作中の、シールジョー51による筒状フィルムFcの横シールと、横シール済みの袋Bの筒状フィルムFcからの切り離しについて説明する。なお、ここでは、加圧機構制御部30aにより電磁弁90の状態が第1状態に切り替えられ、加圧機構56がシールジョー51aにシールジョー51bに対する加圧力を付与している状態における、シールジョー51のシール動作について説明する。
【0081】
第1回転体50aおよび第2回転体50bが回転し(回転方向は、図5の二点鎖線部に示した矢印参照)、加圧機構56により第1回転軸53aが第2回転軸53bに向かって押圧されることで(押圧方向は、図5の第1回転体50aの下方に示した矢印A参照)、シールジョー51aおよびシールジョー51bは、シールジョー51aのシール面511aおよびシールジョー51bのシール面511bの間で、下向きに搬送される筒状フィルムFcを挟み込んで加圧する(図7参照)。なお、シール面511aおよびシール面511bは、図7に示したように、互いに噛み合うセレーション512aおよびセレーション512bをそれぞれ有する。シールジョー51は、シール面511aが有するセレーション512aの歯と、シール面511bが有するセレーション512bの歯とが噛み合うようにして筒状フィルムFcを挟み込み、筒状フィルムFcを加圧する。シールジョー51aおよびシールジョー51bには、内部にヒータ71(図7参照)が設けられており、このヒータ71によってシール面511aおよびシール面511bを加熱する。筒状フィルムFcがシール面511aおよびシール面511bによって挟み込まれた状態で、シール面511aおよびシール面511bが加熱されると、筒状フィルムFcの被シール部分が熱シールされる。なお、下向きに搬送される筒状フィルムFcは、下流側(搬送方向の前方側)から、上流側(搬送方向の後方側)に向かって、順番に熱シールされる。
【0082】
シールジョー51bには、シール面511bの短手方向(シール面511bの長手方向と直交する方向)における中央付近に、袋Bを筒状フィルムFcから切り離すための溶断部材としてのナイフ72aが取り付けられ、固定されている。ナイフ72aは、シールジョー51aとシールジョー51bとによるシール動作時に、シールジョー51a側に刃先が突出するように取り付けられている(図7参照)。シールジョー51aにはシール面511aの短手方向(シール面511aの長手方向と直交する方向)における中央付近に、シールジョー51bからシールジョー51aに向かって突出するナイフ72aが噛み合う溝72bが形成されている。ナイフ72aは、斜刃に形成されており、横シール方向(左右方向)の一端側から他端側に向かって、筒状フィルムFcの横シール部分を溶断する。その結果、横シール済みの袋Bが、筒状フィルムFcから切り離される。
【0083】
シールジョー51bのシール面511bの短手方向における中央付近にナイフ72aが取り付けられているため、シールジョー51は、1回のシール動作として、
(1)筒状フィルムFcを横シール
(2)(1)で横シールを行った位置より上流側において、ナイフ72aを用いて横シールした袋Bを筒状フィルムFcから切断
(3)(2)でナイフ72aにより切断した位置より上流側において、筒状フィルムFcを横シール
をこの順番で行う。ただし、(1)〜(3)により横シール又は筒状フィルムFcの切断が行われるタイミングは、他の(1)〜(3)が行われるタイミングと一部が重なっていてもよい。つまり、(1)の横シールが完全には終了していないタイミングで、(2)の筒状フィルムFcの切断が開始されてもよく、(2)の筒状フィルムFcの切断が終了していない状態で、(3)の横シールが開始されてもよい。
【0084】
シールジョー52による筒状フィルムFcの横シールと、シールジョー52における、横シール済みの袋Bの筒状フィルムFcからの切り離しについては、シールジョー51についてと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0085】
(2−1−5)ロータリエンコーダ
ロータリエンコーダ40(図4参照)は、製袋包装ユニット3aのフレーム63に固定されている。ロータリエンコーダ40の回転軸は、第2連結ロッド83が前後方向に動くことで回転するように、第2連結ロッド83の前方側(連結プレート82と接続されている側とは反対側)の端部と係合している。ロータリエンコーダ40は、2台設けられている。1台のロータリエンコーダ40の回転軸は、4本の第2連結ロッド83のうち、右側上方に配される第2連結ロッド83の端部と係合している。他の1台のロータリエンコーダ40の回転軸は、左側上方に配される第2連結ロッド83の端部に係合している。なお、これに限定されるものではなく、1台のロータリエンコーダ40の回転軸は、右側下方に配される第2連結ロッド83の端部と係合し、他の1台のロータリエンコーダ40の回転軸は、左側下方に配される第2連結ロッド83の端部に係合していてもよい。
【0086】
ロータリエンコーダ40は、ロータリエンコーダ40の回転軸の回転角度を計測することで、横シール時の第2連結ロッド83の前後方向の移動量を計測する。なお、第2連結ロッド83の前後方向の移動量は、第2連結ロッド83と接続された水平移動板61に取り付けられた第1回転軸53aの、固定板62に取り付けられた第2回転軸53bに対する移動量と等しい。つまり、ロータリエンコーダ40は、ロータリエンコーダ40の回転軸の回転角度を計測することで、横シール時の、第1回転軸53aが第2回転軸53bに対して接近又は離反する方向の、第1回転軸53aの第2回転軸53bに対する移動量を測定する。
【0087】
なお、ここでは、ロータリエンコーダ40により、第1回転軸53aの右側に配置された水平移動板61に接続された第2連結ロッド83の移動量と、第1回転軸53aの左側に配置された水平移動板61に接続された第2連結ロッド83の移動量と、が測定される。言い換えれば、ロータリエンコーダ40により、右側端部側における第1回転軸53aの第2回転軸53bに対する移動量(右側移動量)と、左側端部側における第1回転軸53aの第2回転軸53bに対する移動量(左側移動量)と、が測定される。そのため、第1回転軸53aの左右端部のいずれかだけが第2回転軸53bに対して接近又は離反する場合にも、これを検知し、移動量を測定することができる。
【0088】
(2−2)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット3bは、製袋包装ユニット3aの成形機構13に対してシート状のフィルムFを供給するユニットである。フィルム供給ユニット3bは、製袋包装ユニット3aに隣接して設けられている。フィルム供給ユニット3bにはフィルムFが巻かれたロールがセットされ、このロールからフィルムFが繰り出される。
【0089】
フィルム供給ユニット3bには、製袋包装ユニット3aによりフィルムFから袋Bが製袋された時に、袋Bの適切な位置に模様や文字が印字(印刷)されるか(フィルムFの印字位置に異常がないか)を検知するための印字位置検知センサ3baが設けられている。印字位置検知センサ3baは、例えば、フィルムFに付されたレジマークを検知するマークセンサや、フィルムFに付されたレジマークや、模様や文字をカメラで撮像し、撮像した画像に基づいて印字位置を検知するセンサ等である。ただし、印字位置検知センサ3baはこのような方式のセンサに限定されるものではなく、フィルムFの印字位置を検知可能な各種センサが用いられればよい。
【0090】
(2−3)コントローラ
コントローラ30は、主に、CPUと、ROM、RAM等の記憶媒体とから構成される。コントローラ30は、製袋包装機3の各構成と接続されている。具体的には、コントローラ30は、主に、プルダウンベルト機構14、縦シール機構15、加圧機構56を含む横シール機構17、ロータリエンコーダ40、金属検知器18、フィルム供給ユニット3bと接続されている(図2参照)。また、コントローラ30は、操作スイッチ4およびタッチパネル式ディスプレイ5と接続されている。コントローラ30は、記憶媒体に記憶されたプログラムを実行することで、操作スイッチ4やタッチパネル式ディスプレイ5から入力された指令や情報に基づいて、製袋包装機3を制御する。
【0091】
コントローラ30は、例えば、製袋包装機3が以下のような動作を行うよう、製袋包装機3を制御する。
【0092】
コントローラ30は、成形機構13にフィルムFが供給されるように、フィルム供給ユニット3bを制御する。また、コントローラ30は、成形機構13で筒状に形成されたフィルムF(筒状フィルムFc)が下方に搬送されるようプルダウンベルト機構14を制御し、搬送される筒状フィルムFcの合せ目が縦方向にシールされるよう縦シール機構15を制御する。また、コントローラ30は、組合せ計量機2から排出された物品Cがチューブ13bの下側の開口から排出されるタイミングに合わせて、下方に向かって搬送される筒状フィルムFcが横方向にシールされ、シール済みの袋Bが上流側の筒状フィルムFcから切り離されるように、横シール機構17を制御する。
【0093】
また、コントローラ30は、機能部として、加圧機構制御部30aと、噛み込み判定部30bと、異常信号受信部30cと、を有する。
【0094】
(2−3−1)加圧機構制御部
加圧機構制御部30aは、加圧機構56の動作、具体的には、電磁弁90および電空比例弁91の動きを制御する。
【0095】
加圧機構制御部30aは、通常時(後述するようなエラーが発生していない状態)には、電磁弁90を第1状態(圧縮空気源100からシリンダチューブ80aに圧縮空気が流れる状態)に制御する。また、加圧機構制御部30aは、シリンダチューブ80a内に所定の圧力で圧縮空気が供給されるよう電空比例弁91を制御する。なお、通常時には、シールジョー51,52が筒状フィルムFcを横シール可能で、かつ、シールジョー51b,52bに固定されたナイフ72aが筒状フィルムFcを溶断可能な加圧力を、シールジョー51a,52aに付与できる圧力に、シリンダチューブ80a内の圧力が制御される。
【0096】
加圧機構制御部30aは、エラー時には、電磁弁90を第1状態から第2状態(シリンダチューブ80aから大気に空気が流れる状態)に切り替える制御を行い、加圧機構56が、シールジョー51a,52aに、シールジョー51b,52bに対する加圧力を付与することを中止させる。
【0097】
ここでは、エラー時とは、フィルムF又は物品Cに関するエラーの発生時を意味する。つまり、加圧機構制御部30aは、フィルムF又は物品Cに関するエラー情報に基づいて、加圧機構56が、シールジョー51a,52aに、シールジョー51b,52bに対する加圧力を付与することを中止させる。フィルムF又は物品Cに関するエラーの発生時とは、具体的には以下の様な時である。
(1)後述する異常信号受信部30cが、組合せ計量機2のコントローラから、所定の重量範囲を外れる重量の物品Cが、組合せ計量機2から製袋包装ユニット3aに排出される旨の信号(物品Cの重量エラーを知らせる信号)を受信した場合。
(2)金属検知器18が、コントローラ30に物品Cに金属が混入している旨の信号(物品Cの金属混入エラーを知らせる信号)を送信した場合。
(3)後述する噛み込み判定部30bが、筒状フィルムFcの横シール時の噛み込みエラーを検知した場合。
(4)フィルム供給ユニット3bの印字位置検知センサ3baが、コントローラ30にフィルムFの印字位置に異常がある旨の信号(フィルムFの印字位置エラーを知らせる信号)を送信した場合。
【0098】
なお、金属検知器18、噛み込み判定部30b、および、印字位置検知センサ3baは、エラー情報を検知するエラー情報検知部の一例である。また、異常信号受信部30cは、エラー情報を受け付けるエラー情報受付部の一例である。
【0099】
加圧機構制御部30aは、上記の(1)〜(4)の場合に、電磁弁90を第1状態から第2状態に切り替えて、加圧機構56が、シールジョー51a,52aに、シールジョー51b,52bに対する加圧力を付与することを中止させ、エラーが発生している袋Bについては連包排出されるよう制御する。加圧機構制御部30aは、エラーの発生している袋Bを連包排出後、引き続いてエラーの発生していない袋Bを排出する際には、再び電磁弁90を第1状態に切り替えて、加圧機構56がシールジョー51a,52aに加圧力を付与するよう制御する。
【0100】
なお、電磁弁90を第1状態から第2状態に切り替えるタイミングや、電磁弁90を第2状態で維持する時間等は、エラー発生時に、ナイフ72aにより筒状フィルムFcが溶断されず、エラー後の通常の横シール時に、ナイフ72aにより筒状フィルムFcが溶断されるように、予め設定される。
【0101】
(2−3−2)噛み込み判定部
噛み込み判定部30bは、ロータリエンコーダ40の計測する第1回転軸53aの第2回転軸53bに対する移動量(右側移動量および左側移動量)に基づいて、シールジョー51,52による横シール時の、筒状フィルムFcの被シール部分における噛み込みエラーの発生の有無を判定する。
【0102】
具体的には、噛み込み判定部30bは、噛み込みがある場合には、噛み込みがない場合に比べて、第1回転軸53aが、第2回転軸53bから離れるように移動するということを利用して、噛み込みエラーの発生の有無を判定する。より具体的には、噛み込み判定部30bは、計測された移動量を、予め測定しておいた噛み込みが発生していない状態における移動量と比較することで、筒状フィルムFcの被シール部分における噛み込みエラーの発生の有無を判定する。
【0103】
筒状フィルムFcの被シール部分における噛み込みは、例えば、被シール部分に、物品Cが挟まった場合や、筒状フィルムFcの切断カスが挟まった場合に発生する。
【0104】
(2−3−3)異常信号受信部
異常信号受信部30cは、組合せ計量機2のコントローラから送信される、物品Cの重量エラーを知らせる信号(組合せ計量機2から適切な重量範囲を外れる重量の物品Cが排出される旨を知らせる信号)を受信する。加圧機構制御部30aは、異常信号受信部30cが受信した物品Cの重量エラーを知らせる信号に基づいて、上記のように加圧機構56を制御する。
【0105】
(3)特徴
本実施形態に係る製袋包装機3の特徴について以下に説明する。
【0106】
なお、ここでは、説明の都合上、一対のシールジョー51(シールジョー51a,51b)を用いて製袋包装機3の特徴を説明しているが、一対のシールジョー52を用いても、同じように製袋包装機3の特徴を説明できる。
【0107】
(3−1)
本実施形態に係る製袋包装機3は、フィルムFから袋Bを製袋し、袋Bの内部に被包装物である物品Cを包装する。製袋包装機3は、一対のシールジョー51と、溶断部材としてのナイフ72aと、加圧機構56と、加圧機構制御部30aと、を備える。一対のシールジョー51は、筒状フィルムFcを横シールする。ナイフ72aは、シールジョー51bに固定され、筒状フィルムFcの横シール部分を溶断する。加圧機構56は、一対のシールジョー51が、その間に筒状フィルムFcを挟み込んで横シールし、ナイフ72aが横シール部分に接触し、横シール部分を溶断するように、一方のシールジョー51aに、他方のシールジョー51bに対する加圧力を付与する。加圧機構制御部30aは、フィルムF又は物品Cに関するエラー情報に基づいて、加圧機構56に加圧力の付与を中止させる。
【0108】
ここでは、ナイフ72aの溶断の駆動力となる、加圧機構56によるシールジョー51aへの加圧力の付与が、フィルムF又は物品Cに関するエラー情報に基づいて中止される。そのため、フィルムF(すなわち袋B自体)又は被包装物である物品Cに異常がある袋Bを、製袋包装機3から連包排出することが可能である。その結果、製袋包装機3から排出される袋Bの中から、異常のある袋Bを容易に識別することができる。
【0109】
(3−2)
本実施形態に係る製袋包装機3では、加圧機構制御部30aが加圧機構56に加圧力の付与を中止させた場合に、シールジョー51は筒状フィルムFcを横シールし、ナイフ72aは横シール部分を溶断しない。
【0110】
ここでは、加圧機構56が、シールジョー51aに対する加圧力の付与を中止した場合に、横シール部分が溶断されないため、異常のある袋Bを製袋包装機3から連包排出できる。
【0111】
特に、ここでは、加圧機構56による加圧力の付与が中止されても、筒状フィルムFcが横シールされる程度にしか、シールジョー51間の圧力が低減されない。そのため、ナイフ72aが筒状フィルムFcの横シール部分を切断して連包排出する状態と、ナイフ72aが筒状フィルムFcの横シール部分を切断して各袋Bを分離する状態と、を素早く切り替えることができる。
【0112】
(3−3)
本実施形態に係る製袋包装機3では、加圧機構56は圧縮空気が供給されるシリンダチューブ80aを有するエアシリンダ80を含む。加圧機構制御部30aは、シリンダチューブ80aを大気開放させることで、加圧機構56に加圧力の付与を中止させる。
【0113】
ここでは、シリンダチューブ80aを大気開放することで、短時間で加圧機構56に加圧力の付与を中止させることができる。そのため、製袋包装機3の処理速度比較的大きい(単位時間あたりに包装される袋Bの数が比較的多い)場合でも、フィルムF(すなわち)袋B自体又は物品Cに異常のある袋Bを、製袋包装機3から連包排出することが容易である。
【0114】
ただし、これに限定されるものではなく、加圧機構制御部30aは、例えば電空比例弁91を制御することで、加圧機構56に加圧力の付与を中止させてもよい。ただし、短時間で加圧機構56に加圧力の付与を中止させる上では、シリンダチューブ80a内の圧縮空気を、電磁弁90を用いて大気開放することが望ましい。
【0115】
(3−4)
本実施形態に係る製袋包装機3では、加圧機構制御部30aが加圧機構56に加圧力の付与を中止させる際に用いるエラー情報に、物品Cの重量エラー、物品Cの金属混入エラー、筒状フィルムFcの横シール時の噛み込みエラー、およびフィルムFの印字位置エラーに関する情報を含む。
【0116】
ここでは、フィルムF又は物品Cに上記のエラーが発生した場合に、異常のある袋Bを、製袋包装機3から連包排出することができる。
【0117】
なお、製袋包装機3では、加圧機構制御部30aが、上記の全てのエラー情報に基づいて加圧機構56に加圧力の付与を中止させる必要はない。例えば、加圧機構制御部30aは、上記の一部のエラー情報に基づいて、加圧機構56に加圧力の付与を中止させるものであってもよい。
【0118】
(3−5)
本実施形態に係る製袋包装機3は、エラー情報を受け付けるエラー情報受付部として、異常信号受信部30cを備える。
【0119】
これにより、製袋包装機3外の組合せ計量機2からの、物品Cの重量エラー情報を用いて、異常のある袋Bを製袋包装機3から連包排出することができる。
【0120】
(3−6)
本実施形態に係る製袋包装機3は、エラー情報を検知するエラー情報検知部として、金属検知器18、印字位置検知センサ3ba、および噛み込み判定部30bを有する。
【0121】
これにより、フィルムFや物品Cの異常を検知して、袋B自体や内部の物品Cに異常のある袋Bを、製袋包装機3から連包排出することができる。
【0122】
(4)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、互いに矛盾のない範囲で、複数の変形例が適宜組み合わされてもよい。
【0123】
(4−1)変形例A
上記実施形態では、シールジョー51b,52bにナイフ72aが固定され、シールジョー51a,52aに加圧機構56による加圧力が付与されるが、これに限定されるものではない。例えば、シールジョー51a,52aにナイフ72aが固定され、シールジョー51b,52bに加圧機構56による加圧力が付与されてもよい。また、例えば、ナイフ72aが固定されたシールジョー51b,52bに、加圧機構56による加圧力が付与されてもよい。また、例えば、加圧機構56による加圧力が付与されるシールジョー51a,52aに、ナイフ72aが固定されてもよい。
【0124】
(4−2)変形例B
上記実施形態では、加圧機構56は圧縮空気を用いてエアシリンダ80を駆動するものであるが、これに限定されるものではない。例えば、加圧機構56は、油圧により駆動される機構であってもよく、電動ボールねじのようにモータにより駆動される機構であってもよい。
【0125】
(4−3)変形例C
上記実施形態では、製袋包装機3が金属検知器18を備えるが、これに限定されるものではなく、組合せ計量機2が金属検知器18を備えていてもよい。この場合には、金属検知器18が物品Cに金属が混入していることを検知した場合、例えば、組合せ計量機2のコントローラから、異常信号受信部30cにエラー情報が送信されればよい。
【0126】
(4−4)変形例D
上記実施形態では、電磁弁90によりシリンダチューブ80aを大気開放しているが、これに限定されるものではない。例えば、シリンダチューブ80a内の空気を吸引する真空ポンプが設けられ、加圧機構制御部30aは、エラー情報に基づいて真空ポンプを起動し、これによりシリンダチューブ80aから空気を排気してもよい。これにより、シリンダチューブ80aを大気開放するよりも早く、加圧機構56が、シールジョー51a,52aに、シールジョー51b,52bに対する加圧力を付与することを中止させることができる。
【0127】
(4−5)変形例E
上記実施形態では、シリンダチューブ80a内の圧力が、ナイフ72aにより筒状フィルムFcが溶断されない圧力まで低減されるが、これに限定されるものではない。例えば、シリンダチューブ80a内の圧力は、大気圧まで、あるいは、変形例Dのように、真空ポンプ等を用いることで大気圧より低い圧力まで低減されてもよい。これにより、ナイフ72aによる溶断をより確実に防止可能である。また、この場合には、シールジョー51又はシールジョー52により、筒状フィルムFcがほとんど横シールされない。
【0128】
ただし、ナイフ72aが筒状フィルムFcの横シール部分を切断して連包排出する状態と、ナイフ72aが筒状フィルムFcの横シール部分を切断して各袋Bを分離する状態と、を素早く切り替えるためには、エラー発生時に、シリンダチューブ80a内の圧力は、筒状フィルムFcが溶断されない、大気圧より高い圧力まで低減されることが望ましい。
【0129】
(4−6)変形例F
上記実施形態に係る横シール機構17では、シールジョー51aおよびシールジョー51bと、シールジョー52aおよびシールジョー52bとが、交互に筒状フィルムFcを挟み込んで横シールを行うが、これに限定されるものではない。
【0130】
例えば、製袋包装機3では、第1回転体50aにシールジョー51aだけが設けられ、第2回転体50bにシールジョー51bだけが設けられ、シールジョー51だけを用いて横シールが行われてもよい。また、例えば、製袋包装機3は、3組以上のシールジョーを有し、これらを代わる代わる用いて、筒状フィルムFcの横シールを行うものであってもよい。
【0131】
(4−7)変形例G
上記実施形態では、加圧機構制御部30aは、フィルムF又は物品Cに関するエラー情報として、物品Cの重量エラー、物品Cの金属混入エラー、筒状フィルムFcの横シール時の噛み込みエラー、フィルムFの印字エラーに関する情報に基づいて、加圧機構56が、シールジョー51a,52aに、シールジョー51b,52bに対する加圧力を付与することを中止させるが、これに限定されるものではない。
【0132】
例えば、製袋包装機3は、図9のように、横シール機構17の上方に、エラー情報検知部としてフィルム検知センサ19を備えてもよい。フィルム検知センサ19は、例えば光電センサである。フィルム検知センサ19は、筒状フィルムFcが存在するか(筒状フィルムFcの供給異常エラーが発生していないか)を検知する。加圧機構制御部30aは、上記実施形態におけるエラー情報に代えて、又は、上記実施形態におけるエラー情報に加えて、フィルム検知センサ19が送信する、筒状フィルムFcの供給異常エラーを知らせる信号に基づいて、加圧機構56が、シールジョー51a,52aに、シールジョー51b,52bに対する加圧力を付与することを中止させてもよい。
【0133】
このように構成されることで、例えば、筒状フィルムFcが意図せず切断され、横シール機構17の近傍に配置される図示しないフィルムしごき機構等に筒状フィルムFcが巻き付いた場合に、シールジョー51,52が、筒状フィルムFcが巻き付いたフィルムしごき機構を挟み込んで破損すると、いう問題を防止できる。なお、フィルムしごき機構とは、筒状フィルムFcの横シール部分に付着した物品Cのかけら等を除去し、横シール部分の噛み込みを抑制する機構である。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明に係る製袋包装機は、シール部材に固定された刃物で、一対のシール部材が横シール時にフィルムを挟み込む加圧力を利用して横シール部分を切断し、各袋を分離する製袋包装機であって、袋の連包排出が可能な製袋包装機として有用である。
【符号の説明】
【0135】
3 製袋包装機
3ba 印字位置検知センサ(エラー情報検知部)
18 金属検知器(エラー情報検知部)
19 フィルム検知センサ(エラー情報検知部)
30a 加圧機構制御部(制御部)
30b 噛み込み判定部(エラー情報検知部)
30c 異常信号受信部(エラー情報受付部)
51(51a,51b) シールジョー(シール部材)
52(52a,52b) シールジョー(シール部材)
56 加圧機構
72a ナイフ(溶断部材)
80 エアシリンダ
80a シリンダチューブ
B 袋
C 物品(被包装物)
F フィルム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0136】
【特許文献1】特開2002−104327号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9