【実施例】
【0087】
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1の電子デバイスの製造方法に用いることのできるフォトマスクの一態様を示す。
図1(a)は、このフォトマスクが有する、透光部11、半透光部12、遮光部13を含む、第1転写用パターンを、平面視で示し、この一点鎖線部の断面を、
図1(b)に示す。
【0088】
図1に示すフォトマスクは、透明基板10上に半透光膜20と遮光膜30とをこの順に成膜したフォトマスクブランクを用意し、この半透光膜20と遮光膜30とをそれぞれ、フォトリソグラフィ工程によってパターニングして形成したものである。従って、透光部11においては透明基板10が露出し、半透光部12は透明基板10上に半透光膜パターン21が形成されてなり、遮光部13は半透光膜パターン21と遮光膜パターン31とが積層されてなる。
【0089】
尚、半透光膜20と遮光膜30との積層順は逆であっても良い。その場合は、透明基板10上に成膜した遮光膜30をパターニングしたのち、半透光膜20を成膜し、パターニングして本発明のフォトマスクを製造することができる。
【0090】
本発明のフォトマスクに適用する遮光膜30は、表面に反射防止機能を有する反射防止層を備えていても良い。以下の実施例においても同様である。
【0091】
ここで、フォトマスクを構成する透明基板10としては、表面を研磨した石英ガラス基板などが用いられる。大きさは特に制限されず、当該マスクを用いて露光する基板(例えばフラットパネルディスプレイ用基板など)に応じて適宜選定される。例えば一辺300mm以上の矩形基板が用いられる。
【0092】
尚、実施例1で用いたフォトマスクでは、遮光膜30としてCrを素材としたものとし、表面にCr酸化物の反射防止層を設けたものを使用し、また、半透光膜20素材としては、MoSiを用いた。すなわち、遮光膜30と半透光膜20とは互いにエッチング選択性を有し、一方の膜のエッチング剤(エッチング液、又はエッチングガス)に対して、他方が耐性を有するものであることが、
図1のフォトマスクの製造には適している。互いに、エッチング選択性を有しない場合には、両膜の間にエッチングストッパ膜を設けることが可能である。
【0093】
図1(c)には、
図1(a)に示すような本発明のフォトマスクを露光機にセットし、露光光を照射したときの、
図1(a)に示す一点鎖線上の透過光量分布を示す。被転写体上のレジスト膜は、この分布に従った光量の照射を受けることになる。
図1(c)に示す水平の破線は、レジスト材料の有する感光性の閾値を示す。以下の例においても同様である。
【0094】
以下に、このフォトマスクを用いて、実施例1の電子デバイスを製造する工程を、
図1〜
図4を用いて説明する。
【0095】
図2は、被転写体上において行われる、第1薄膜パターン形成工程を示す。ここでは、表示装置に使用するTFTアレイにおいて、画素電極のレイヤと、ソース・ドレインのレイヤを連結する、コンタクトホール90を形成する(
図4(c)参照)。但し、本発明はこの用途に限定されず、多層構造の配線において、上層側と下層側とを連結するコンタクトホール90に適用することができる。
【0096】
このコンタクトホール90は、1.5〜5μm程度の径をもつものであることができ、ここでは2.5μmの径で、得ようとする電子デバイスの絶縁層(例えばパッシベーション層)を穿って形成される。また、ソース・ドレイン・レイヤにおいては、一辺が7μmの略正方形の接続部及びそれに連結する配線部をもち、この接続部中央に、上記コンタクトホール90が配置されるように設計されている。尚、接続部の寸法は、おおよそ3〜10μm程度の一辺を有する範囲であるときに、本発明の効果が顕著である。
【0097】
図2(a)に示すとおり、まず、基板50(以下、「デバイス基板50」とも言う)上に成膜した第1薄膜60上に、第1レジスト膜40aを形成する。この第1レジスト膜40aはポジレジストである。そして、この第1レジスト膜40aに対して、
図1に示すフォトマスクを用いて露光し、第1転写用パターンを転写する。露光に用いる露光装置としては、LCD用の露光装置を用い、i線〜g線の波長域を含む光源を用いた。次いで、第1レジスト膜40aの現像を行った(
図2(b−1)平面図、
図2(b−2)断面図)。ここで、フォトマスクの半透光部12に対応する領域と、遮光部13に対応する領域において、レジスト残膜値が異なるレジストパターン41aが得られる。そして、このレジストパターン41aをエッチングマスクとして、第1薄膜60をエッチングする(
図2(c))。すなわち、レジストが残留している部分のみを残して、第1薄膜60が除去され、第1薄膜パターン61が形成される。この第1薄膜パターン61は、得ようとする電子デバイスの接続部を含む形を有している。第1レジストパターン41aは、剥離除去される(
図2(d−1)平面図、(d−2)断面図)。
【0098】
次に、得られた第1薄膜パターン61を含む、デバイス基板50の全面に、第2薄膜70を形成する(
図4(a−1)平面図、
図4(a−2)断面図)。尚、ここでは、第2薄膜70として感光性(ネガ型)の材料の第2薄膜70bを用いる。
【0099】
そして、第2薄膜70bをパターニングして、第2薄膜パターン71bを形成する。すなわち、
図3(
図1のフォトマスクと同一)を用いて、その第1転写用パターンを、上記第2薄膜70bに露光する。用いる露光機は、上記と同様のものを使用することができる。そして、
図4(b−1)及び
図4(b−2)に示すように、フォトマスクの遮光部13に対応する領域の第2薄膜70bが抜きパターンとなるように、光量を調整する。これによって、第2薄膜70b中に、微細な径(1.5〜5μm程度)の第2薄膜パターン71b(コンタクトホールパターン)が形成される。
【0100】
尚、上記では第2薄膜70が感光性(ネガ型)である場合について説明したが、感光性を有しない材料からなる第2薄膜70の場合には、第2薄膜70上に第2レジスト膜(ネガ型)を形成し、この第2レジスト膜をパターニングした後に、得られたレジストパターンをマスクとして第2薄膜をエッチングし、第2薄膜パターンを形成してもよい。
【0101】
上記から明らかなとおり、第1薄膜60と第2薄膜70のパターニングは、互いに異なる形状のパターンとなすためのパターニングであるにもかかわらず、同一のフォトマスクを用いる。つまり、同一の転写用パターンを用いて2回の露光を行うが、その薄膜形成工程の条件が異なることにより、接触部のパターンと、ホールパターンを、異なるレイヤに形成できるのである。
【0102】
ここで、フォトマスクの第1転写用パターンには、その製造工程(具体的には描画工程)において生じた、描画ずれ成分が存在する場合を想定する。すなわち、第1転写用パターンは、その描画データに示された、理想的な座標上に展開された2次元のパターンとは、完全に一致していない場合がある。但し、第1転写用パターン上の任意の座標において、仮想的な理想座標からのずれ成分があっても、第1薄膜パターン61と第2薄膜パターン71において、この座標はいずれも同一方向へも同一量のずれが生じるのみであるから、その相互の間に、重ね合わせずれを生じさせない。
【0103】
尚、第1転写用パターンは、遮光部13、半透光部12、透光部11を有するマスクであって、その製造工程においては、2回の描画を必要とする。この2回の描画工程において、描画するパターン(具体的には、半透光膜パターン21と遮光膜パターン31)相互に、重ねあわせずれが生じることを抑止することが望まれる。すなわち、半透部12、遮光部13のエッジは、1度の描画工程により画定されたものであることが望ましい。このようなフォトマスクの製造方法については後述する。
【0104】
上記により、第1薄膜パターン61と第2薄膜パターン71との重ね合わせ精度が極めて高い、電子デバイスを製造することが可能である(
図4(c))。
【0105】
<実施例2>
実施例2においては、実施例1と同様に、同一のフォトマスクを用いて、第1薄膜60及び第2薄膜70のパターニングを行い、実施例1と同様の電子デバイスを形成する。但し、フォトマスクの有する第1転写用パターンの形状と、被転写体上に形成する第1レジスト、第2薄膜70の感光性に関して、実施例1と相違する。
【0106】
ここで用いるフォトマスクの第1転写用パターンとしては、
図5に示すものを用いる(これは後述の、
図7のフォトマスクと同一である)。
図5(a)は平面図、
図5(b)は断面図、
図5(c)は露光光の透過光量分布を示す。
【0107】
図7に示すフォトマスクは、実施例1のフォトマスクと同様に、透明基板10上に半透光膜20と遮光膜30をこの順に成膜したフォトマスクブランクを用意し、この半透光膜20と遮光膜30とをそれぞれ、フォトリソグラフィ工程によってパターニングして形成したものである。従って、透光部11においては透明基板10が露出し、半透光部12は透明基板10上に半透光膜パターン21が形成されてなり、遮光部13は半透光膜パターン21と遮光膜パターン31とが積層されてなる。
【0108】
尚、半透光膜20と遮光膜30との積層順は逆であっても良い点も、実施例1と同様である。遮光膜30及び半透光膜20の素材も実施例1と同様にした。
【0109】
このフォトマスクを用いて、実施例2の電子デバイスを製造する工程を、
図5〜
図8を用いて説明する。形成しようとする第1薄膜パターン61及び第2薄膜パターン71は、実施例1と同じである。また、工程においても実施例1と同様の部分は省略して記載する場合がある。
【0110】
図6は、被転写体上において行われる、第1薄膜パターン形成工程を示す。
【0111】
図6(a)に示すとおり、まず、デバイス基板50上に成膜した第1薄膜60上に、第1レジスト膜40bを形成する。この第1レジスト膜40bはネガレジストである。そして、この第1レジスト膜40bに対して、
図5に示すフォトマスクを用いて露光し、第1転写用パターンを転写する。露光装置は実施例1と同様である。
【0112】
次いで、レジストの現像を行った(
図6(b−1)平面図、
図6(b−2)断面図)。ここで、フォトマスクの半透光部12に対応する領域と、透光部11に対応する領域とにおいて、レジスト残膜値が異なる第1レジストパターン41bが得られる。そして、この第1レジストパターン41bをエッチングマスクとして、第1薄膜60をエッチングする(
図6(c))。すなわち、レジストが残留している部分のみを残して、第1薄膜60が除去され、第1薄膜パターン61が形成される。この第1薄膜パターン61は、得ようとする電子デバイスの接続部を含む形を有している。第1レジストパターン41bは、剥離除去される(
図6(d−1)平面図、
図6(d−2)断面図)。
【0113】
次に、得られた第1薄膜パターン61を含む、デバイス基板50の全面に、第2薄膜70を形成する(
図8(a−1)平面図、
図8(a−2)断面図)。尚、ここでは、第2薄膜70として感光性(ポジ型)の材料の第2薄膜70aを用いる。
【0114】
そして、第2薄膜70aをパターニングして、第2薄膜パターン71aを形成する。すなわち、
図7(
図5のフォトマスクと同一)を用いて、その第1転写用パターンを、上記第2薄膜70aに露光する。用いる露光機は、上記と同様である。そして、
図8(b−1)及び
図8(b−2)に示すように、フォトマスクの遮光部13に対応する領域の第2薄膜70aが抜きパターンとなる。
【0115】
尚、実施例1と同様、上記では第2薄膜70が感光性をもたない材料の場合には、第2薄膜上に第2レジスト膜(ポジ型)を形成し、この第2レジスト膜をパターニングした後に、得られたレジストパターンをマスクとして第2薄膜をエッチングし、第2薄膜パターンを形成してもよい。
【0116】
上記から明らかなとおり、実施例2に置いても、第1薄膜60と第2薄膜70aのパターニングは、互いに異なる形状のパターンとなすためのパターニングであるにもかかわらず、同一のフォトマスクを用いる。このため、第1薄膜パターン61と第2薄膜パターン71aの重ね合わせ精度が極めて高い、電子デバイスを製造することが可能である(
図8(c))。
【0117】
<参考例>
尚、上記実施例1、実施例2に用いるフォトマスクは、遮光部11、半透光部12、及び透光部11を含む転写用パターンを備える(
図1(a)、
図5(a)参照)、いわば多階調フォトマスクである。このようなフォトマスクを製造する過程では、上記にて言及したとおり、基板上に形成した半透光膜と遮光膜に対し、それぞれフォトリソグラフィ工程を適用してパターニングを施す。しかしながら、この2回のフォトリソグラフィにおける描画工程で、位置ずれが生じてしまえば、フォトマスク自体がアライメントエラー成分EMをもつものとなってしまうリスクがある。
【0118】
この点について、本発明者は、以下の方法によって、2回のフォトリソグラフィ工程に、相互の位置ずれが生じない多階調フォトマスクを製造できることを見出している。
【0119】
アライメントエラーのないマスク製造方法1は、
露光光透過率が互いに異なる下層膜と上層膜とがそれぞれパターニングされてなる下層膜パターンと上層膜パターンとが積層されて透明基板上に設けられた転写用パターンを備えるフォトマスクの製造方法であって、
前記透明基板上に、互いにエッチング選択性のある材料からなる前記下層膜と前記上層膜とを積層し、更に第1次レジスト膜を形成したフォトマスクブランクを用意する工程と、前記第1次レジスト膜に対して第1次描画を行うことにより、前記上層膜パターンと、前記下層膜パターンの領域を画定する暫定パターンとを形成するための第1次レジストパターンを形成する工程と、
前記第1次レジストパターンをマスクとして、前記上層膜をエッチングする第1次エッチング工程と、
形成された前記上層膜パターンと前記暫定パターンとを含む全面に第2次レジスト膜を形成する工程と、
前記第2次レジスト膜に対して第2次描画を行うことにより、前記下層膜パターンを形成するための第2次レジストパターンを形成する工程と、
前記暫定パターンと前記第2次レジストパターンとをマスクとして、前記下層膜をエッチングする、第2次エッチング工程と、
前記第2次レジストパターンをマスクとして、前記暫定パターンをエッチング除去する第3次エッチング工程とを有する、ことを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
【0120】
上記アライメントエラーのないマスク製造方法1は、より具体的には、以下のようなアライメントエラーのないマスク製造方法2として利用できる。
【0121】
アライメントエラーのないマスク製造方法2は、
遮光部、半透光部、及び透光部を含む転写用パターンを備えるフォトマスクの製造方法であって、
透明基板上に、互いにエッチング選択性のある材料からなる半透光膜と遮光膜とを積層し、更に第1次レジスト膜を形成したフォトマスクブランクを用意する工程と、
前記第1次レジスト膜に対して第1次描画を行うことにより、前記遮光部と、前記半透光部を画定する暫定パターンとを形成するための第1次レジストパターンを形成する工程と、前記第1次レジストパターンをマスクとして、前記遮光膜をエッチングする第1次エッチング工程と、
形成された前記遮光部と前記暫定パターンとを含む全面に第2次レジスト膜を形成する工程と、
前記第2次レジスト膜に対して第2次描画を行うことにより、前記半透光部を形成するための第2次レジストパターンを形成する工程と、
前記暫定パターンと前記第2次レジストパターンとをマスクとして、前記半透光膜をエッチングする、第2次エッチング工程と、
前記第2次レジストパターンをマスクとして、前記暫定パターンをエッチング除去する第3次エッチング工程とを有する、ことを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
【0122】
上記2つの方法(アライメントエラーのないマスク製造方法(1)及び(2))においては、更に以下のようにすることが好ましい。
(1)前記第2次レジストパターン形成工程において、前記暫定パターンの一部分が、前記第2次レジストパターンのエッジから露出するように、前記第2次描画を行い、
前記暫定パターンのエッチング除去工程においては、前記第2次レジストパターンのエッジから一部分露出した状態の前記暫定パターンに対して、ウェットエッチングを施す。
(2)前記暫定パターンの幅を2μm以下とする。
(3)前記転写用パターンを、ホールパターン又はドットパターンとする。
(4)前記第2次レジストパターン形成工程において、前記暫定パターンの、前記透光部側のエッジが、0.1〜1.0μmの幅で露出するように、前記第2次描画を行うことを特徴とする。
【0123】
このようなフォトマスクの製造方法の実施態様について、
図19及び
図20を用いて説明する。
【0124】
ここで形成するフォトマスクの転写用パターンは、
図21に示すようなものであることができる。転写用パターンに含まれる、遮光部、及び半透光部(結果として当然透光部も)の相互のアライメントエラーが発生しているか否かを評価するために、
図21に示すD1、D2の寸法を用いて判定することができる。下記の参考実施態様では、このうち、
図21(A)、すなわち、透光部に囲まれた半透光部、半透光部に囲まれた遮光部を有する転写用パターンを、アライメントエラーを生じさせずに製造する方法を示す。
【0125】
図19及び
図20においては、下層膜パターンとして半透光部が形成され、上層膜パターンとして遮光部が形成される場合を例にとって説明する。また、
図19、
図20においても、上側に平面図を示し、下側にその断面図を示す。更に、レジスト膜が最上層にある場合、模式的に、下に隠れた遮光膜が透けて見えているように描かれている。
【0126】
まず、
図19(A)〜(C)及び
図20(D)に示すように、遮光膜をパターニングする第1次フォトリソグラフィ工程を行う。
【0127】
図19において、まず、透明基板上に、半透光膜と遮光膜がこの順に積層され、更にその上に第1次レジスト膜(ここではポジ型レジストからなる)が形成された、フォトマスクブランクを用意する(
図19(A)参照)。ここで、半透光膜と遮光膜とは、互いにエッチング選択性をもつものとする。すなわち、半透光膜のエッチャントに対して遮光膜は耐性をもち、遮光膜のエッチャントに対して半透光膜は耐性をもつ。尚、具体的素材については、既述のものとすることができる。
【0128】
次に、第1次描画を行い、現像することにより、第1次レジストパターンを形成する。この第1次レジストパターンは、遮光部の領域を画定する。更に、半透光部となる領域内において、半透光部の外縁を画定する、遮光膜からなる暫定パターンを形成するための部分も、第1次レジストパターンに含まれる(
図19(B)参照)。
【0129】
この暫定パターンは、後工程でエッチング除去されるものである。好ましくは、等方性エッチングの作用が優れているウェットエッチングによって除去されることが好ましい。従って、暫定パターンの幅は、この除去工程に過大な時間を要せず、確実に除去可能な程度の幅とすることが望まれる。具体的には、2μm以下の幅であることが好ましい。
【0130】
更に、この暫定パターンは、2回の描画工程に由来するアライメントずれ量を吸収できるものとする。従って、生じ得るアライメントずれの大きさを基に決定することが望ましい。従って、アライメントずれの最大値が±0.5μmであるとすると、暫定パターンの幅は、0.5〜2μmが好ましく、0.5〜1.5μmの幅がより好ましく、更には0.5〜1.0μmが好ましい。
【0131】
そして、第1次レジストパターンは、上記のように遮光部を形成する部分と、暫定パターンを形成する部分をと含むことから、第1次描画の際の描画データを、これに基づいて決定する。
【0132】
以上ように、暫定パターンの幅を、アライメントずれの最大値に応じて適切に定める(例えば、2μm以下)ことによって、暫定パターンを除去するエッチング工程(第3次エッチング工程)において、過大な時間や手間を要することがないので、効率的なフォトマスクの製造が実現できる。
【0133】
次に、第1次レジストパターンをエッチングマスクとして、遮光膜をエッチングする(第1次エッチング)。ここで、遮光部の領域が画定し、更に、暫定パターンによって、このあとパターニングされる半透光部の外縁が画定することとなる(
図19(C)参照)。引き続いて、
図20に進み、第1次レジストパターンを剥離する。(
図20(D)参照)以上により、遮光膜をパターニングする第1次フォトリソグラフィ工程が終了する。
【0134】
次に、基板上の全面に再度レジスト膜を塗布する(
図20(E)参照)。そして、第2次描画と現像を行い、第2次レジストパターンを形成する(
図20(F)参照)。この第2次レジストパターンは、透光部となる部分を露出させるものである。
【0135】
この第2次レジストパターンは、上記第1次レジストパターンを形成する際の描画工程とは異なる描画工程によって形成されるため、上記第1次レジストパターンの位置に対して、位置ずれをゼロとして形成することは実質的に不可能である。しかしながら、本発明によれば、このアライメント変動にもかかわらず、形成される最終的な転写用パターンにおいて、設計値からのずれをゼロとすることができる。
【0136】
すなわち、第2次レジストパターンは、透光部となる領域を露出させ、半透光部となる領域を覆うものであるところ、半透光部と透光部の境界となる部分においては、半透光部側に、暫定パターンの幅に応じた所定のマージン寸法(例えば、0.1〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.8μm)だけ小さい寸法のレジストパターンとする。すなわち、レジストパターンのエッジを、半透光部側(
図20(F)の断面J−Jで左側)に後退させる。このため、上記暫定パターンの、透光部側のエッジ(又は、少なくとも透光部側の側面)が第2次レジストパターンのエッジから、わずかに露出している(
図20(F)参照)。
【0137】
従って、第2次描画の際にはこの点を考慮した、描画データを用いる。例えば、暫定パターンの幅の中央に、レジストパターンのエッジが位置する設計で、第2次レジストパターンを形成することができる。
【0138】
このように、暫定パターンの透光部側のエッジが、所定(例えば、0.1〜1.0μm)の幅で露出するようにすることにより、異なるフォトリソグラフィ工程の間のアライメントずれを確実に吸収できるとともに、暫定パターンを除去するエッチング工程(第3次エッチング工程)において、過大な時間や手間を要しないようにすることができる。
【0139】
この暫定パターンの透光部側のエッジは、第1次エッチング工程で画定された半透光部の正確な外縁となる部分であるから、この部分を、エッチングマスクとして、第2次レジストパターンとともに用い、半透光膜のエッチャントを用いて半透光膜のエッチング(第2次エッチング)を行う(
図20(G)参照)。ここで、暫定パターンは遮光膜によって形成されているから、半透光膜のエッチャントに接触しても、消失することは無い。
【0140】
次に、第2次レジストパターンを残存させたままで、遮光膜のエッチャントを用いて、暫定パターンを除去する(第3次エッチング工程)。尚、既に形成された遮光部は、第2次レジストパターンにより保護されているので、暫定パターン除去時に損傷することはない。ここでは、暫定パターンの側面からサイドエッチングすることが効果的であるので、ドライエッチングではなく、等方性エッチングの作用が優れているウェットエッチングを用いることが好ましい。そして、暫定パターンを消失させる。この時、半透光膜は、遮光膜のエッチャントに対して耐性をもつので、消失することはない(
図20(H)参照)。そして、最後に第2次レジストパターンを剥離する(
図20(I)参照)。
【0141】
以上のように、
図19及び
図20に示す工程により得られたフォトマスクは、設計通り、半透光部の中心に遮光部が配置されている。すなわち、それぞれ異なる描画工程で形成された遮光膜パターンと半透光膜パターンのエッジが、X方向、Y方向にシフトするという、従来の不都合が生じず、設計通りの位置となる。
【0142】
第2次描画の際に、第1次描画との相対的な位置ズレが生じたとしても、暫定パターンの一部が、第2次レジストパターンのエッジから、少なくとも一部露出した状態となる。換言すれば、上記相対的な位置ズレが生じた場合でも、暫定パターンの側面が第2次レジストパターンのエッジから露出した状態となるように、暫定パターンの寸法が選択されている。よって、暫定パターンにより、確実に半透光部の外縁を画定することができるので、第1次レジストパターンで形成された設計通りの配置が実現できる。また、第2次レジストパターンにより遮光部が保護され、エッチング選択性により半透光部に影響を与えることなく、暫定パターンをエッチング除去(第3次エッチング工程)できるので、暫定パターンを除去するための更なるフォトリソグラフィ工程を必要としない。尚、暫定パターンを除去するために、更にもう一度フォトリソグラフィ工程を繰り返しても良い。
【0143】
以上のように、本発明では、複数回の描画を必要とするフォトマスクにおいて、転写用パターンが備える各領域のアライメントが正確に行われ、更に、フォトリソグラフィ工程の実施回数を抑制可能な、転写用パターンを備えるフォトマスクの製造方法を提供できる。
【0144】
また、暫定パターンの一部分が第2次レジストパターンのエッジから露出するように形成され、一部分が露出した暫定パターンに対して、ウェットエッチングが有する等方性エッチングの作用によって、暫定パターンの全体を除去することができる。よって、フォトリソグラフィ工程の実施回数を確実に抑制することができる。
【0145】
本発明においては、上記の参考例に記載した方法で、実施例1及び実施例2に記載した多階調フォトマスクの第1転写用パターンを形成することができる。この場合、第1転写用パターンに含まれる、遮光部、半透光部のエッジは、いずれも、第1次描画によって画定されている。これによって、転写用パターンが備える各領域のアライメントが正確に行われ、更に、フォトリソグラフィ工程の実施回数を抑制可能な、転写用パターンを備えるフォトマスクの製造方法を提供できる。
<実施例3>
図9は、本発明の他の態様によるフォトマスクであって、実施例3の電子デバイスを製造する工程に用いるフォトマスクの一例を示す。
【0146】
このフォトマスクは、透明基板10上に半透光膜20を形成し、更に遮光膜30を形成したフォトマスクブランクを用意し、遮光膜30をパターニングすることによって得られた第1転写用パターンを備える。膜素材は、実施例1と同様である。
【0147】
この第1転写用パターンは、第1薄膜パターン61を形成するためのもので、ソース・ドレインのレイヤにおける接続部を形成する一方、第1薄膜パターン61形成後に、追加工を施すことによって第2薄膜パターン71の形成に用いる、第2転写用パターンとすることができる。
【0148】
第1転写用パターンには、遮光部13と半透光部12とを有する。そして、その遮光部13の領域内に、微細幅(ここでは幅1μm)のスリット状の半透光部12(マークパターン80)が形成され、このスリット状の半透光部12によって囲まれた遮光部13が存在する(
図9(a)平面図、(b)断面図)。本態様では、スリット状の半透光部12は、得ようとする電子デバイスのコンタクトホールパターンの外周に対応する形状をもち、1μmの幅でそのコンタクトホールパターンを取り囲むような4角形をなしている。
【0149】
マークパターン80は、半透光部として形成されているが、透光部として形成してもよい。前者の方が、解像しにくい点でより好ましい。
【0150】
以下に、このフォトマスクを用いて、実施例1と同様の、実施例3の電子デバイスを製造する工程を、
図9〜12を用いて説明する。但し、第1薄膜パターン形成工程で用いたフォトマスクに追加工を施して、第2薄膜パターン形成工程に用いる点で、実施例1と相違する。
【0151】
図10は、第1薄膜パターン形成工程を示す。
図10(a)に示すとおり、まず、デバイス基板50上に成膜した第1薄膜60上に、第1レジスト膜40aを形成する。この第1レジスト膜40aはポジレジストである。そして、この第1レジスト膜40aに対して、
図9に示すフォトマスクを用いて露光し、第1転写用パターンを転写する。露光装置は実施例1と同様のものを使用できるが、露光時間を所定量延長することによって、フォトマスクへの照射光量を増加することが好ましい。次いで、レジストの現像を行った(
図10(b−1)平面図、
図2(b−2)断面図)。
【0152】
ここで、照射光量を増したために、フォトマスクの半透光部12に対応する領域の第1レジスト膜40aは、十分に感光し、現像によって溶出する。一方、遮光部13に対応する領域の第1レジスト膜40aは、所定の残膜が残った、第1レジストパターン41aが形成された。尚、幅1μmの半透光部12は、露光装置の解像限界以下の線幅であるために、第1レジスト膜40aを減膜させることが殆どできず、実質的に転写しない。
【0153】
そして、この第1レジストパターン41aをエッチングマスクとして、第1薄膜60をエッチングする(
図10(c))。すなわち、レジストが残留している部分のみを残して、第1薄膜60が除去され、第1薄膜パターン61が形成される。この第1薄膜パターン61は、得ようとする電子デバイスの接続部を含む形を有している。第1レジストパターン41aは、剥離除去される(
図10(d−1)平面図、(d−2)断面図)。
【0154】
次に、得られた第1薄膜パターン61を含む、デバイス基板50全面に、第2薄膜70を形成する(
図12(a−1)平面図、
図12(a−2)断面図)。尚、ここでは、第2薄膜70として感光性(ポジ型)の材料の第2薄膜70aを用いる。
【0155】
そして、第2薄膜70aをパターニングして、第2薄膜パターン71aを形成する。このとき、
図9のフォトマスクに対して追加工を施した
図11のフォトマスクを用いる。この追加工は、微細幅のスリット状に形成された半透光部12に囲まれた位置にある遮光部13を除去し、透光部11に変換する。すなわち、スリット状の半透光部12に周囲を囲まれた遮光部13をなす遮光膜30をエッチング除去し、更にそこに露出した半透光膜20も、エッチング除去する。そして透明基板10が露出した、透光部11が形成される。この透光部11は、電子デバイスにおけるホールパターンを形成するための形状と大きさを有する。尚、追加工プロセスの詳細は、後述する。
【0156】
上記追加工によって、
図9のフォトマスクの第1転写用パターンは、
図11のフォトマスクの第2転写用パターンに変換される。但し、第2転写用パターンにおける、遮光部13のエッジは、第1転写用パターンに存在したエッジ(微細幅の半透光部12に隣接していたエッジも含む)であるから、第2転写パターンの有するパターンのエッジ(特に遮光部13のエッジ)は、上記変換の過程で新たに形成されたエッジではない。
【0157】
第2転写用パターンを、上記第2薄膜70aに転写する際、用いる露光機は、上記と同様のものを使用することができる。そして、
図12の(b−1)及び(b−2)に示すように、フォトマスクの透光部11に対応する領域の第2薄膜70aが抜きパターンとなるように、光量を調整する。これによって、第2薄膜パターン71a(コンタクトホールパターン)が形成される。
【0158】
尚、上記では第2薄膜70が感光性(ポジ型)である場合について説明したが、感光性をもたない材料からなる第2薄膜70の場合には、第2薄膜70上に第2レジスト膜(ポジ型)を形成してフォトリソグラフィ工程を行って良いことは、第1実施例と同様である。
【0159】
上記から明らかなとおり、第1薄膜60及び第2薄膜70のパターニングは、互いに異なる形状のパターンとなすためのパターニングである。それにもかかわらず、そのパターニングに用いられたフォトマスク上の転写用パターンは、追加工によって変換されたものであるが、ただ1回のフォトリソグラフィ工程(すなわち1回の描画工程)によって画定された転写用パターンである。このため、たとえ、フォトマスクの第1転写用パターンが、その製造工程(描画工程)において生じた、描画ずれ成分を含んでいたとしても、第1薄膜パターン61及び第2薄膜パターン71において、その成分は同一であるから、重ね合わせによるアライメントエラーを生じさせない。
【0160】
結果として、第1薄膜パターン61と第2薄膜パターン71の重ね合わせ精度が極めて高い、電子デバイスを製造することが可能である(
図4(c))。
【0161】
<実施例4>
実施例3において行った、フォトマスクの追加工について、実施例4として説明する。
【0162】
図13((a−1)平面図、(a−2)断面図)は、実施例3で用いた、第1転写用パターンを有するフォトマスクである。第1薄膜パターン形成工程の後、微細幅の半透光部からなるマークパターンに囲まれた遮光部13(以下、除去パターンとも言う)の遮光膜と、その下層側にある半透光膜を除去する必要がある。この工程は、以下のように行うことができる。
【0163】
まず、第1転写用パターンを含む、透明基板10の全面にレジストを塗布し、追加工用レジスト膜45を形成する(
図13(b−1)平面図、(b−2)断面図)。次に、描画機を用いて描画を行い、現像することによって、除去パターン部分を露出し、それ以外の遮光部13を覆う追加工用レジストパターン46を形成する(
図13(c))。
【0164】
尚、このとき、描画パターンとしては、除去パターン以外の部分の遮光部13を確実に覆う必要がある。しかしながら、除去パターン以外の遮光部13の寸法に追加工用レジストパターン46のエッジ位置が一致するような描画を行っても、既に第1転写用パターンの描画がなされた同一透明基板10上に、新たに描画を行うのであるから、重ね合わせによる相互のずれによって、そのエッジ位置が正確に一致しないリスクがある。エッジ位置にずれが生じれば、除去パターン以外の遮光部13(つまり第2転写用パターンにおける遮光部13のエッジ)が、追加工用レジストパターン46から一部露出し、エッチングの際に溶出してしまう可能性がある。
【0165】
そこで、形成される追加工用レジストパターン46のエッジ位置が、微細幅のスリット状の半透光部12の領域内となるように、描画データを調整する。尚、描画機に起因する座標ずれは最大0.5μm程度であるから、微細幅の半透光部12が、1μmの幅であれば、確実に追加工用レジストパターン46のエッジを、その半透光部12(マークパターン80)の線幅内に位置させることができる。
図13(c)では、追加工用レジストパターン46が、微細幅の半透光部12の内側に距離d1だけ入り込んだ様子を示している。
【0166】
このため、描画データとしては、追加工用レジストパターン46のエッジを、除去パターン側に向かって0.5μm拡張するサイジングを行う(アライメントマージンを0.5μm付加する)。つまり、この部分において、第2転写用パターンの設計上の寸法より、0.5μm分だけ、微細幅半透光部12側にシフトさせるような描画を行う。
【0167】
これによって、除去パターンは確実に追加工用レジストパターン46から露出する一方、除去パターン以外の遮光部13(第2転写用パターンの遮光部13)は、確実に追加工用レジストパターン46に覆われる。
【0168】
尚、このサイジングの寸法は、描画機の有する座標ずれ成分の大きさを考慮して決定することができる。但し、座標ずれの最大値が±Xμm(例えば±5μm)であれば、サイジングをXμm(例えば5μm)とすればよい。但し、この寸法は、第1転写用パターンに形成するべき、微細幅の半透光部12の幅を2Xμmとすることにつながる。そして、この半透光部12の幅が大きすぎると、露光機によって解像可能な線幅に近づいてしまう。従って、ここでは、Xとして、0.3〜0.8μm程度とすることが好ましいと言える。
【0169】
次いで、形成された追加工用レジストパターン46をエッチングマスクとして、除去パターンをエッチング除去する(
図13(d))。ここでは、遮光膜素材用のエッチング剤(遮光膜素材がCrを主成分とするものであれば、Cr用のエッチング剤)を用いる。
【0170】
この後、露出した半透光膜20を除去するためのエッチングを行う(
図13(e))。例えば半透光膜20がMoSiを主成分とするものであれば、MoSi用のエッチング剤を用いる。このとき、上記遮光膜30のエッチングに用いた追加工用レジストパターン46を除去することなく、そのまま、エッチング剤のみ変更して、半透光膜20を除去することが好ましい。
【0171】
このとき、
図13(e)に示すように、追加工用レジストパターン46のエッジは、上記サイジングを行った0.5μm分大きくなっているから、第2転写パターンにおける透光部11に半透光膜20の一部が残ってしまうリスクが生じ得る。しかしながら、半透光部12のエッチングに対して、ウェットエッチングを適用すれば、
図12(e)に図示するとおり、サイドエッチングが進むことによって、半透光膜20が十分にエッチングされる。更に、オーバーエッチングを行えば、より確実に、コンタクトホールパターン形成用の遮光部13が得られる。このことは、得ようとする電子デバイスのアライメントエラーを低減しようとする本発明の課題を、更に高いレベルに到達させる可能性を示唆している。
【0172】
すなわち、実施例1〜3において検証したとおり、フォトマスクに起因するアライメントエラーEM成分を理論上ゼロにすることが可能であれば、最終的に得られる電子デバイスのアライメントエラーは、従来考えられなかった程度に圧縮し得ることになる。
【0173】
<実施例5>
実施例3において行った、フォトマスクの追加工について、更に他の態様を実施例5として説明する。
【0174】
図14((a−1)平面図、(a−2)断面図)は、実施例3で用いた、第1転写用パターンを有するフォトマスクである。第1薄膜パターン形成工程の後、微細幅の半透光部からなるマークパターンに囲まれた遮光部13(以下、「除去パターン」とも言う。)の遮光膜及びその下層側にある半透光膜を除去する必要がある。この工程は、以下のように行うことができる。
【0175】
まず、実施例4と同様に、第1転写用パターンを含む、透明基板10の全面にレジストを塗布し、追加工用レジスト膜45を形成する(
図14(b−1)平面図、(b−2)断面図)。次に、実施例4と同様に、描画機を用いて描画を行い、現像することによって、除去パターン部分を露出し、それ以外の遮光部13を覆う追加工用レジストパターン46を形成する(
図14(c))。
【0176】
次いで、実施例4と同様に、形成された追加工用レジストパターン46をエッチングマスクとして、除去パターンをエッチング除去する(
図14(d))。ここでは、遮光膜素材用のエッチング剤(遮光膜素材がCrを主成分とするものであれば、Cr用のエッチング剤)を用いる。
【0177】
次いで、実施例5のフォトマスクの追加工では、追加工用レジストパターン46を剥離する(
図14(e))。この後、第2転写用パターンにおける透光部11を形成するために、半透光膜20を部分的に除去する。
【0178】
具体的には
図14(f)に示すように、フォトマスクの全面に新たな追加工用レジスト膜47を形成し、更に、描画機を用いて描画する。この描画用データにおいては、追加工用レジストパターン48のエッジが、第2転写用パターンの遮光部13のエッジ位置に対して、0.5μm後退するようなサイジングをする(アライメントマージンを0.5μm削減する)(
図14(g))。これにより、
図14(g)に示すとおり、追加工用レジストパターン48のエッジが、遮光部13のエッジからd2分だけ後退する。このようにして形成された追加工用レジストパターン48をマスクとして、半透光膜20をエッチングすれば、既に第1転写パターンとして形成されている遮光部13のエッジが、エッチングマスクとして機能することから、この下層側にある半透光膜20のみが除去され、第2転写用パターンにおけるホールパターンが正確に形成される。
【0179】
すなわち、実施例4及び実施例5においては、フォトマスクの追加工によって描画工程が増加するにもかかわらず、この新たな描画によって、フォトマスクのパターン重ね合わせるに起因するアライメントエラー成分(EM)が発生しない手法を示すものである。
【0180】
<比較例1>
従来方法により、実施例1と同様の電子デバイスを製造する方法について、
図15及び
図16を用いて説明する。
【0181】
図15の(a)は、透明基板10上に形成した遮光膜30を公知の方法によりパターニングしたもので、接続部を含む遮光部13(第1転写用パターン)を備える。このバイナリマスクをMask Aとする。
【0182】
これを用いて、まずデバイス基板50上に接続部を形成する。すなわち、
図16(a−1)に示すように、デバイス基板50上に第1薄膜60を形成し、更に第1レジスト膜40a(ポジ型)を形成する。そして、Mask Aを用いて、露光機により第1転写用パターンを露光する。露光機は上記実施例と同様である。そして、
図16(b−1)及び(b−2)に示すように、第1レジスト膜40aを現像し、得られた第1レジストパターン41aをマスクとして、第1薄膜60をエッチングする(
図16(c))。
【0183】
第1レジストパターン41aを剥離すると、
図16(d−1)及び(d−2)に示す、接続部を有する、第1薄膜パターン61が完成する。
【0184】
次に、上記第1薄膜パターン61を含む、デバイス基板50全面に、第2薄膜70aを形成する。この第2薄膜70aは、ポジ型の感光性を有する材料の第2薄膜70aからなる(
図18(a−1)平面図、
図18(a−2)断面図)。
【0185】
そして、
図17に示す、第2のマスク(Mask B)を用いて、露光機によって露光する。このMask Bは、ホールパターンを形成するための、第2転写用パターンを備えるバイナリマスクである。
【0186】
露光後、現像すると、第2薄膜70aにコンタクトホール90が形成される(
図18(c))。
【0187】
但し、Mask Aと、Mask Bは、それぞれ、別の工程で形成されたフォトマスクであり、個々の製造に際して行われたフォトリソグラフィ工程(特に描画工程)に生じた座標ずれの傾向は、たとえ同一の描画機を用いたとしても、完全に一致することはない。
図18(c)では、x方向にΔx及びy方向にΔyの座標ずれが生じた様子を示している。
【0188】
例えば、Mask Aが有する第1転写用パターン上の任意の座標が、設計座標に対して+Mμmの位置にずれ、Mask Bが−Mμmの位置にずれたとすれば、重ね合わせ時に生じるアライメントエラーとしては、2Mμmとなる。すなわち、この方法で製造された電子デバイスには、2つのパターンの重ね合わせに起因するアライメントエラーのEM成分が電子デバイスの精度を劣化させることが避けらないこととなる(
図18(c))。