【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の課題は、ノズルヘッド部分は、
ノズルヘッド部分のそれぞれの回転軸の回転角に関して、ノズル要素によって発生された流体ジェットが常に非接触で互いに沿って金属表面へ噴射されるように予調整された角度位置で互いに同期して回転すること、を特徴とする、金属の半製品が、搬送方向に、この搬送方向に対して横に相並んで配置され且つ回転軸を中心として回転するノズルヘッド部分に沿って案内され、これら回転するノズルヘッド部分に配置されたノズル要素によって、金属表面に向けられた高圧下にある流体ジェットが発生され、これら流体ジェットが、直接的に隣接する2つのノズルヘッド部分の間の狭隘箇所においても金属表面へまで噴射される、金属の半製品の金属表面のデスケールをするための方法によって解決される。
【0013】
本発明の意味で、同期は、ノズルヘッド部分の間で一旦相応に調整された角度位置が、ノズルヘッド部分の回転中に互いに意図せずに変化しないことを意味する。
【0014】
特に直接的に互いに隣接する2つのノズルヘッド部分の2つのノズル要素が何らかの運転段階で同時に狭隘箇所に位置決めされる危険は、ノズルによって発生された流体ジェットが常に、即ち少なくとも各デスケール段階で、非接触で互いに沿って金属表面へ噴射されるように、ノズルヘッド部分がその角度位置に関して互いに調整されることによって、完全に排除することができる。
【0015】
この場合、ノズルヘッド部分が、付加的に更に互いに同期されて回転する場合には、ノズルヘッド部分がその角度位置に関して互いに変化すること、及び、これが、もはや重要な各運転段階で保証されていないことが、防止される。
【0016】
従って、ノズルユニットのノズルヘッド部分が、一旦調整された角度位置で互いに同期されて回転し、これら角度位置で、接近する2つのノズル要素の、特に直接的に隣接する2つのノズルヘッド部分の流体ジェットが、非接触で互いに沿って金属表面へ噴射できる場合が、有利である。
【0017】
有利には、個々のノズルヘッド部分の回転運動もしくはその駆動手段は、そのために正しい位置で同期されるので、個々のノズルヘッド部分は、常に必要に応じて互いに調整されて回転する。
【0018】
従って、本発明による方法により、例えば相応のロータデスケール時に、従来技術ではこれまでそうであり得たように、個々の流体ジェットが金属表面に衝突する前に相互にマイナスの影響を与え合い、これにより相互に弱め合う又は完全に消し去ることが回避される。このような効果は、特に、直接的に隣接する2つのノズルヘッド部分の間の狭隘箇所において、ノズル要素がこの狭隘箇所に沿って案内される時に、同時に生じる。
【0019】
直接的に相並んで配置された2つのノズルヘッド部分の狭隘箇所に沿ったノズル要素のこのような同時の案内が、これまでは、設定技術及び/又は制御又は調整技術的に、個々のノズルヘッド部分が狭隘箇所を常に交互に通過することが保証されていないことにより、これまではしばしば意図せずに生じた。むしろ、相並んで配置されたノズルヘッド部分は、何らかの方法で相対して回転する。
【0020】
この場合、“常に”との概念は、少なくともデスケールプロセス中に回転可能なもしくは回転するノズルヘッド部分の各運転段階を表す。
【0021】
しかしながら、ここでは、ここのノズルヘッド部分は、同期して正しい位置で相対して回転するので、直接的に隣接するノズルヘッド部分のノズル要素が、同時に狭隘箇所に沿って案内されることが回避されている。
【0022】
その点で、ここでは、金属表面のクリーニング効果が、実質的に改善される。
【0023】
この場合、直接的に隣接する2つのノズルヘッド要素が、同方向又は逆方向に相対して回転するかは、いかなる役割も演じない。何故なら、ノズル要素は、その角度位置に関して、直接的に隣接する2つのノズルヘッド部分の接近する2つのノズル要素
の流体ジェットが非接触で互いに沿って金属表面へ噴射されるように、常に互いに調整されているからである。
【0024】
流体ジェットとして、ここでは、金属表面のデスケール又はその他のクリーニングのために適している限り、種々の媒体を使用することができる。好ましくは、ここでは、流体ジェットとして、高圧水ジェットが使用される。流体ジェットは、円錐ジェット形、楕円ジェット形、フラットジェット形等として発生させることができる。
【0025】
金属表面は、例えば、スケール層を除去すべき熱間圧延された表面である。本発明によって金属表面から、金属表面に付着しているその他の不所望の物質を除去できることがわかる。
【0026】
金属の半製品は、本発明の意味では、大体が、例えばスラブ、薄スラブ、熱間ストリップ、粗ストリップ等のような鍛造又は圧延された金属のストリップ材料である。
【0027】
ノズルユニットの一列に相並んで配置されたノズルヘッド部分は、ここではそれぞれ1つの固有の回転軸を中心として回転可能に支承されている。これら回転軸は、搬送方向に移送される金属の半製品に対して好ましくは垂直に延在する。
【0028】
ノズルヘッド部分のそれぞれに、少なくとも1つのノズル要素が配置され、このノズル要素は、少なくとも1つの流出口を備え、この流出口から、高圧下の液体ジェットが流出する。最も簡単な例では、このような流出口は、本発明の意味のノズル要素であり得る。
【0029】
“狭隘箇所”との概念は、本発明の意味では、直接的に向かい合う2つのノズルヘッド部分の間の最小間隔を有する領域を表し、この領域内で、2つのノズルヘッド部分のノズル要素は、これら両ノズルヘッド部分が相応にそのそれぞれの回転軸を中心として回転する時に、向かい合う、即ち最も接近する。この狭隘箇所は、全ての回転軸を結ぶ結合線上に位置する。即ち、狭隘箇所は、そこで一時的に入り込むように回転される2つのノズル要素によって発生された流体ジェットが金属表面に衝突する前にオーバーラップ又は少なくとも正接することができ、これにより、流体ジェットが、不利なことに相互に邪魔されるように、2つのノズルヘッド部分が密接に相並んで配置された領域を表す。
【0030】
ノズルヘッド部分が、互いに同期された回転数で回転する場合、一旦予調整された角度位置は、確実に維持することができる。
【0031】
ノズルヘッド部分が、同期されて加速される場合、ノズルヘッド部分に関する一旦予調整された角度位置の正確な維持を、付加的に改善することができる。これは、正の加速に対しても、負の加速に対しても当て嵌まる。
【0032】
個々のノズルヘッド部分に関する所望のもしくは必要な角度位置を常に互いに保証できるようにするため、例えば本装置による金属表面の処理の前又は運転中に、ノズルヘッド部分のそれぞれの角度位置が、互いに校正される場合が、有利である。
【0033】
このような校正時に、特に、個々のノズルヘッドの角度位置及び回転数は、直接的に隣接するノズルヘッド部分のノズル要素が狭隘箇所を常に交互に通過するように、互いに調整されるので、ノズル要素によって発生された流体ジェットは、常に非接触で互いに沿って金属表面へ噴射される。
【0034】
その点で、方法の有利なバリエーションでは、直接的に隣接する2つのノズルヘッド部分のノズル要素は、ノズル要素によって発生された流体ジェットが常に非接触で互いに沿って金属表面へ噴射されるように、狭隘箇所を常に交互に通過する。
【0035】
この関係で、直接的に隣接する2つのノズルヘッド部分のノズル要素が、常に時間をずらして狭隘箇所に沿って案内される場合が、有利である。これにより、本発明の意味の2つの流体ジェットの不利な影響は、更に改善されて防止することができる。
【0036】
時間のズレは、所望の降下を得るために、相応に大きく選択する必要があることが、わかる。
【0037】
本発明の課題は、更に、
請求項7の対象による、金属の半製品の金属表面のデスケールをするための
方法を実施するための装置によっても解決される。
これは、ノズルヘッド部分は、ノズルユニットの個々のノズルヘッド部分が常に予調整された角度位置で互いに調整されて配置されているように、機械式及び/又は電子式の相互作用で互いに結合されていること、を特徴とする。
【0038】
原理的に、電子的な連結の場合、例えば金属の半製品の金属表面に対するノズル要素の間隔又はノズル要素に対して相対的な金属の半製品の搬送速度のようなパラメータに依存してそれぞれの有利なクリーニング結果を得るために、金属の半製品の製造プロセスもしくは金属表面のデスケールプロセスの開始時に、回転するノズルヘッド部分の互いの角度位置に関して異なった基本位置を選択することが、特に簡単に可能である。
【0039】
ノズル要素によって発生された流体ジェットが常に非接触で互いに沿って金属表面へ噴射可能であるように、回転する個々のノズルヘッド部分が、その角度位置に関して、常に互いに調整されて配置されていることにより、金属表面に関するクリーニング効果は、実質的に向上される。
【0040】
これは、ここでは、個々のノズルヘッド部分の正確な角度位置が、確実に刻み込まれていることによって保証される。従って、回転する個々のノズルヘッド部分は、一端定義されたその互いの角度位置を維持する。
【0041】
本装置により、特に本方法を有利に実施することができる。
【0042】
実施バリエーションでは、直接的に隣接する2つのノズルヘッド部分のノズル要素は、その角度位置に関して、ノズル要素によって発生された流体ジェットが常に非接触で互いに沿って金属表面へ噴射可能であるように、常に互いに調整されて配置されている。
【0043】
好ましくは、ノズルヘッド部分の個々の角度位置は、直接的に隣接する2つのノズルヘッド部分のノズル要素が常に時間をずらして狭隘箇所の領域へ進入するように、回転角のズレ分だけ回転されるように互いに調整されているので、狭隘箇所では、常に1つのノズル要素だけが、従ってまたつねに1つの流体ジェットだけが、一時的に位置決めされている。
【0044】
特に好ましい実施バリエーションでは、装置が、ノズルヘッド部分を駆動するための駆動ユニットを備え、この駆動ユニットによって、ノズルヘッド部分が、その回転特性に関して同期されるように駆動可能である。
【0045】
“回転特性”との概念は、特に個々のノズルヘッド部分の角加速度及び角速度を意味する。
【0046】
駆動ユニットを異なるように構成できることがわかる。例えば、ノズルヘッド部分のそれぞれに、駆動手段として固有の駆動モータを付設することができる。又は、駆動ユニットは、駆動手段として、相応のギヤユニットを介してノズルヘッド部分と作用結合された1つの駆動モータだけを有する。
【0047】
2つのノズルヘッド部分の間の狭隘箇所の領域内での2つの流体ジェットの負の影響は、直接的に隣接する2つのノズルヘッド部分のノズル要素が、その角度位置に関して、5°より多く又は15°より多く、好ましくは45°だけ互いにずらされて配置されている場合に、常に排除することができる。
【0048】
本発明の課題は、更に、ここで説明した特徴のいずれか1つによるデスケールをするための装置が設けられていること、を特徴とする、金属の半製品の金属表面のデスケールをするための装置を有する、金属の半製品、特に金属のストリップ材料を製造するための設備によって解決される。このように装備された設備により、相応の金属の半製品は、特に高い表面品質を有するように製造することができる。
【0049】
本発明の更なる特徴、効果及び利点は、例えば、ノズル要素によって発生された流体ジェットが常に非接触で互いに沿って金属表面へ噴射可能であるように、回転する個々のノズルヘッド部分が、その角度位置に関して常に互いに調整されるように配置されたデスケール装置を有する、金属の半製品を製造するための設備が図示及び説明されている、添付図及び後続の説明によって説明される。