特許第6302562号(P6302562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6302562
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】ガスコンロのエコノマイザ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/04 20060101AFI20180319BHJP
   F24C 15/10 20060101ALI20180319BHJP
【FI】
   F24C3/04 K
   F24C15/10 V
【請求項の数】9
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-544077(P2016-544077)
(86)(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公表番号】特表2017-516048(P2017-516048A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】CN2015077649
(87)【国際公開番号】WO2016172842
(87)【国際公開日】20161103
【審査請求日】2016年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】516191847
【氏名又は名称】鄒 荷輝
【氏名又は名称原語表記】ZOU,HEHUI
(73)【特許権者】
【識別番号】516191858
【氏名又は名称】袁 燦▲しん▼
【氏名又は名称原語表記】YUAN,Canxin
(73)【特許権者】
【識別番号】516191869
【氏名又は名称】袁 燦▲いう▼
【氏名又は名称原語表記】YUAN,Canyu
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鄒 荷輝
(72)【発明者】
【氏名】袁 燦▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】袁 燦▲いう▼
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−351573(JP,A)
【文献】 実公昭35−020769(JP,Y1)
【文献】 米国特許第01984708(US,A)
【文献】 中国実用新案第2872154(CN,Y)
【文献】 中国実用新案第201434437(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/04
F24C 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スコンロから生じる鍋具の底部に吸収されていない持出される熱エネルギーを集めることを司る熱気流入口が底部に設けられている断熱リング(10)を備え、前記断熱リング(10)の内面に鋸歯形状の火炎集中層(20)が設けられており、前記火炎集中層(20)と前記断熱リング(10)の内面との間に防火領域(30)が設けられており、前記火炎集中層(20)と前記鍋具の外面との間に熱気流と鍋具の接触面積を増やすための熱気流の経路(40)が設けられており、前記熱気流の経路(40)と鍋の外面が一定の角度を成しており、かつ前記熱気流の経路(40)は水平面と一定の角度を成しており、前記防火領域(30)は底部が閉鎖され、その頂部が開口されており、前記熱気流の経路(40)の底部及び頂部はともに開口されていることを特徴とする、ガスコンロのエコノマイザ。
【請求項2】
前記火炎集中層(20)が複数の鋸歯形状のリブから接続構成され、複数の前記鋸歯形状のリブは前記断熱リング(10)の底部から同じ方向に沿って前記断熱リング(10)の頂部に回転上昇されることを特徴とする、請求項1に記載のエコノマイザ。
【請求項3】
前記複数の鋸歯形状のリブのそれぞれは、接続される第1のフランジ(21)と第2のフランジ(22)とを備えることを特徴とする、請求項2に記載のエコノマイザ。
【請求項4】
前記第1のフランジ(21)の幅と前記第2のフランジ(22)の幅とが等しいことを特徴とする、請求項3に記載のエコノマイザ。
【請求項5】
前記第1のフランジ(21)の幅と前記第2のフランジ(22)の幅とが等しくないことを特徴とする、請求項3に記載のエコノマイザ。
【請求項6】
前記第1のフランジ(21)と前記第2のフランジ(22)とが前記断熱リング(10)の内面に溶接されることを特徴とする、請求項3に記載のエコノマイザ。
【請求項7】
複数の前記第1のフランジ(21)、前記第2のフランジ(22)と前記断熱リング(10)の内面で構成されるエリアは前記防火領域(30)であることを特徴とする、請求項5に記載のエコノマイザ。
【請求項8】
隣接する二つの前記鋸歯形状のリブの第1のフランジ(21)及び第2のフランジ(22)と前記鍋具の外面との間に構成されるエリアは前記火炎集中層、即ち熱気流の経路(40)であることを特徴とする、請求項5に記載のエコノマイザ。
【請求項9】
前記断熱リングの形状と前記鍋具の形状とが適合していることを特徴とする、請求項1に記載のエコノマイザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスコンロを用いた鍋具の省エネアクセサリの技術分野に関し、より具体的には、ガスコンロのエコノマイザに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ガスコンロはすでに広く用いられる家庭用やビジネス用の調理器具となっている。従来のガスコンロの鍋具は、熱エネルギーを利用する手段が主として二つある。一つは、ガスコンロの燃焼による火炎(即ちエネルギー)を介して直接鍋底に作用するとともに、熱放射線を吸収することであり、もう一つは、メッシュ状の耐熱板が用いられ、ガス燃焼により赤っぽくなり、鍋底に放射することである。しかし、この二種類の手段はすべて熱エネルギーの利用率が高くなく、熱損失が大きいというディメリットがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の解決しようとする技術課題は、従来技術の上記欠陥について、熱エネルギーが十分に鍋具に吸収されることを促進できるガスコンロのエコノマイザを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、その技術課題を解決するための技術方案としては、以下の通りである。
【0005】
底部にはガスコンロから生じる鍋具の底部に吸収されていない持出される熱エネルギーを集めることを司る熱気流入口が設けられている断熱リングを備え、前記断熱リングの内面に鋸歯形状の火炎集中層が設けられており、前記火炎集中層と前記断熱リングの内面との間に防火領域が設けられており、前記火炎集中層は熱気流と鍋具との接触面積を増やすための熱気流の経路であり、前記熱気流の経路と鍋の外面が一定の角度を成しており、水平面との間に一定の角度を成しており、前記防火領域は底部が閉鎖され、頂部が開口されており、前記熱気流の経路の底部及び頂部がともに開口されていることを特徴とする、ガスコンロのエコノマイザを提供する。
【0006】
本発明のエコノマイザにおいて、前記火炎集中層が複数の鋸歯形状のリブから接続構成され、複数の前記鋸歯形状のリブは前記断熱リングの底部から同じ方向に沿って前記断熱リングの頂部に回転上昇される。
【0007】
本発明のエコノマイザにおいて、前記複数の鋸歯形状のリブのそれぞれは、接続される第1のフランジと第2のフランジとを備える。
【0008】
本発明のエコノマイザにおいて、前記第1のフランジの幅と前記第2のフランジの幅とが等しい。
【0009】
本発明のエコノマイザにおいて、前記第1のフランジの幅と前記第2のフランジの幅とが等しくない。
【0010】
本発明のエコノマイザにおいて、前記第1のフランジと前記第2のフランジとが前記断熱リングの内面に溶接される。
【0011】
本発明のエコノマイザにおいて、複数の前記第1のフランジ、前記第2のフランジと前記断熱リングの内面で構成されるエリアは前記防火領域である。
【0012】
本発明のエコノマイザにおいて、隣接する二つの前記鋸歯形状のリブの第1のフランジ及び第2のフランジと前記鍋具の外面との間に構成されるエリアは前記火炎集中層、即ち熱気流の経路である。
【0013】
本発明のエコノマイザにおいて、前記断熱リングの形状と前記鍋具の形状とが適合している。
【発明の効果】
【0014】
本発明の有益な効果は、防火領域と火炎集中層、即ち熱気流の経路とが同時に設けられている断熱リングを用いることで、熱気流と断熱リングとの間の直接的な接触を遮断し、即ち熱気流と断熱リングとの間の熱交換を遮断し、熱気流が持出される熱エネルギーは熱気流の経路を介して出るしかなく、且つ、熱気流の経路の特別な設計により熱気流が持出される熱エネルギーは殆ど鍋具に戻ることである。効果的に省エネするとともに、炭酸ガス、二酸化硫黄等の有害ガスの排出を削減し、さらに調理時間を減らし、調理効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
次に添付図面及び実施例を参照して本発明をさらに説明する。添付図面においては、
図1図1は本発明に係る好ましい実施例のエコノマイザの概略斜視図である。
図2図2は本発明に係る好ましい実施例のエコノマイザの平面図である。
図3図3図2におけるA部分の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の好ましい実施例のガスコンロのエコノマイザの構造は図1図2に示す通りであり、同時に図3を参照してもよく、底部には開口が設けられている断熱リング10(この断熱リングはガスコンロから生じる鍋底に吸収されていない熱気流が持出す熱エネルギーを集めることを司る)を備え、断熱リング10の形状と鍋具の形状とが適合しており(例えば、碗状)、断熱リング10の内面に鋸歯形状の火炎集中層20が設けられており、火炎集中層20は熱気流と鍋具との接触面積を増やすための熱気流の経路40であり、熱気流の経路40と鍋具の外面が一定の角度を成しており、水平面との間に一定の角度を成しており、防火領域は底部31が閉鎖され、頂部が開口されており、熱気流の経路40の底部及び頂部がともに開口されている。このように火炎が防火領域30を通ることを防ぎ、すべて熱気流の経路40内を経由して徐々に上昇していく。これにより鍋具が十分に熱エネルギーを吸収でき、省エネするとともに、さらに調理効率を向上することができる。同時に防火領域30の設置により断熱リング10と熱気流との間に直接発生する熱交換を遮断し、断熱リングの外部温度が高過ぎて調理者に不必要な火傷を負わせることを防ぎ、利用される場合、より安全になる。より大切なのは熱エネルギーが断熱リングを介して放射することを防ぐことである。
【0017】
さらに、図1図2に示すように、上記実施例における火炎集中層20が複数の鋸歯形状のリブにより接続して構成され、複数の鋸歯形状のリブは断熱リング10の底部から同じ方向に沿って断熱リング10の頂部に回転上昇される。このように、複数の鋸歯形状のリブと鍋具の外面との間に複数の回転上昇する熱気流の経路40が形成され、熱気流の経路の回転上昇により、火炎の上昇速度を低減し、熱気流と鍋具との間に行われる熱交換の時間と面積を増やし、熱交換の効率を向上する効果を奏し、熱エネルギーの利用率を向上させ、鍋具が十分に熱エネルギーを吸収できるようになる。
【0018】
好ましくは、図1に示すように、上記実施例における各鋸歯形状のリブは接続される第1のフランジ21と第2のフランジ22とを備え、第1のフランジ21と第2のフランジ22とが交差して鋭角をなす。第1のフランジ21と第2のフランジ22の接続により、またそれぞれ断熱リング10の内面との接続により複数の鋸歯形状のリブが形成され、鍋具に向かうリブ間のエリアが火炎集中層20を構成する。断熱リングに向かうリブ間のエリアが防火領域30を構成し、当該防火領域30を介して火炎の高温が直接断熱リング10の外面に伝達されることを防止でき、断熱リング10の外部温度が高過ぎて調理者に不必要な火傷を負わせることを防ぎ、エコノマイザを利用する場合、より安全になる。
【0019】
具体的には、上記実施例において、図1図3に示すように、鋸歯形状のリブの第1のフランジ21と第2のフランジ22の一側とが接続され、また接続されていない一側が断熱リング10の内面に溶接される。隣接する二つの鋸歯形状のリブの第1のフランジ21及び第2のフランジ22と鍋具の外面との間に構成されるエリアは火炎集中層、即ち熱気流の経路40であり、複数の第1のフランジ21及び第2のフランジ22と断熱リング10の内面とが構成されるエリアは防火領域30である。
【0020】
以上より、本発明は防火領域30と火炎集中層の熱気流の経路40とが同時に設けられている断熱リング10を用いることで、熱気流が熱気流の経路40において上昇し、熱気流と鍋具との接触時間と接触面積を増やし、バーナーによる火炎の熱エネルギーを活用し、防火領域の設置により熱エネルギーが持出される熱気流と断熱リングとの間の直接的な熱交換を効果的に遮断することで、熱エネルギーは螺旋状に上昇する熱気流の経路を介して鍋具に戻るしかない。これにより鍋具が十分に熱エネルギーを吸収でき、省エネするとともに、有害ガスの排出を削減し、さらに調理効率を向上することができる。
【0021】
なお、当業者にとって、上記の説明に従い変形または変換を行うことが可能であり、これらの変形と変換はすべて本発明の添付する特許請求の範囲に属すべきものである。
図1
図2
図3