【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題は、ロータワインダが、共通のロータ軸を中心として回転可能な2つのロータ側方部品を有し、これらロータ側方部品が、その間に回転駆動されるワインダマンドレルを保持し得るように、ロータ軸の軸方向に互いに間隔を置いて配置されている、ロータワインダによってストリップ材料をコイルへ巻くための装置において、この装置が、ロータワインダ外に、互いに依存せずに揺動可能な2つの揺動部品を有し、これら揺動部品が、2つのロータ側方部品に対して旋回可能に支承され、揺動部品のそれぞれが、軸方向移動装置を有し、この軸方向移動装置によって、それぞれの揺動部品に保持されたワインダマンドレルが、軸方向に移動可能であること、を特徴とする装置によって解決される。
【0012】
ロータワインダ外で互いに依存せずに揺動可能で、2つのロータ側方部品に対して旋回可能に支承された2つの揺動部品により、ワインダマンドレルの特に有利なハンドリングが得られ、即ち、例えば、第2のワインダマンドレルは、第1のワインダマンドレルがロータワインダ内で使用状態にある間に、より正確に言えば、第1のワインダマンドレルにストリップ材料が巻き取られる間に、ほぼ任意にロータワインダに対して旋回し得る。更に、ワインダマンドレルは、ロータワインダ内へ挿入すること、又はロータワインダから引き抜くことができ、これにより、それぞれロータワインダ外に存在するワインダマンドレルは、異なる位置の間を回転し得るが、他方のワインダマンドレルは、巻きに使用中である。軸方向移動装置により、それぞれのワインダマンドレルは、属すべき揺動部品に対して軸方向に構造的に簡単に支承し得る。これにより、本装置におけるワインダマンドレルの操作は、更に自動化及び簡素化し得る。
【0013】
“ストリップ材料”との概念は、本発明の意味で、その製造プロセスの進行中にコイル、フープ等に巻き取られるような帯状のフラット製品を表す。これら帯状のフラット製品は、好ましくはスチール又は非鉄金属から成る圧延ストリップであり得る。
【0014】
“ワインダマンドレル”との概念は、ここでは、巻くべきストリップ材料を直接的に巻き取る回転部品を表す。又は、予めスリーブ要素がワインダマンドレルに装着され、このスリーブ要素上に、次に、巻くべきストリップ材料が、ワインダマンドレルの回転下で巻き取られる。
【0015】
ワインダマンドレルは、ここでは一体的に形成され、その点で、従来技術において部分的に慣用であるような端面側で向かい合うように保持される2つのワインダマンドレル半部分から成るのではない。
【0016】
“ロータワインダ”との概念は、従来技術における“ターニングワインダ”又は“カルーセルワインダ”との概念と同一視すべきである。
【0017】
“コイル”と“フープ”との概念は、本発明の意味では同義語で使用される。
【0018】
“巻く”との概念は、ストリップ材料をワインダマンドレルにコイルへ巻き取ることも、このようなワインダマンドレルからコイルを巻き解くことも含む。
【0019】
その点で、ストリップ材料をコイルへ巻き取るための本発明による装置は、例えば圧延設備等の出側だけでなく、コイルからストリップをために圧延設備等の入側にも配置し得る。その点で、本装置は、製造設備の異なった場所で及び異なった目的のために使用し得る。
【0020】
ロータワインダ外で互いに依存せずに揺動可能な2つの揺動部品により、ここでは、ローラワインダの回転に依存せずに作業する引渡し装置が提供され、この引渡装置によって、ワインダマンドレルは、例えば第1の作業位置から少なくとも1つの別の作業位置へ、ロータワインダを回転せずに移送可能である。
【0021】
例えば、第1の作業位置は、コイルが巻き始められる本装置の巻始め位置の横の位置である。別の位置は、例えば巻き始められたコイルが巻き終えられる巻き位置の横の位置である。
【0022】
“巻き位置”との概念は、ここでは、ワインダマンドレルにコイルへ巻き取られるストリップ材料が巻き終えられる、ロータワインダ内のそれぞれのワインダマンドレルの位置を表す。これとは違い、巻始め位置は、その位置で、ストリップ材料がそれぞれのワインダマンドレルに巻き始められるに過ぎない位置であると言える。
【0023】
本引渡し装置は、引渡し装置もしくはその揺動部品がロータワインダのロータ軸と一致する旋回軸を備える場合に、非常に良好に本装置に統合し得る。
【0024】
更に、引渡し装置もしくはその揺動部品が、ロータワインダと共に回転可能に支承されている場合が、有利である。これにより、引渡し装置内に支承されたワインダマンドレル自身が、ローラワインダの回転中に、引渡し装置にもしくは揺動要素の1つに保持されつづけ得る。
【0025】
更に、2つの揺動部品が、回転可能なロータ側方部品に依存せずにそれぞれ少なくとも180°だけロータワインダのロータ軸を中心として旋回可能である場合が、特に有利である。これにより、揺動部品に保持されたワインダマンドレルは、例えば巻き位置から巻き始め位置へ移送し得るが、そのために、ロータワインダが回転する必要はない。
【0026】
有利には、揺動部品のそれぞれは、固有の揺動駆動ユニットを備える。
【0027】
更に、それぞれ1つのワインダマンドレルを2つのロータ側方部品のワインダマンドレル保持部外でロータワインダに対して並進的に移動可能に保持するために、2つの揺動部品が、それぞれ、軸方向にそれぞれの揺動部品に沿って延在する好ましくは直線的に形成されたガイド軌道を有する保持部を有する場合は、信頼性のある操作のために有利である。
【0028】
既に説明したように、揺動部品のそれぞれが、軸方向移動装置を有し、この軸方向移動装置によって、それぞれのワインダマンドレルが、ワインダマンドレルの駆動ピンを駆動側で駆動される保持手段の収容要素内へ挿入するために、ロータ軸の軸方向に軸方向に移動可能である場合が、有利である。
【0029】
例えば、軸方向移動装置によって、各揺動部品において、構造的に簡単に、例えば駆動される保持手段の収容要素に対する相対的な並進的な移動のために揺動部品によって保持されるそれぞれのワインダマンドレルを軸方向にロータ軸の方向にその運転位置へ又は運転位置外へ移動するワインダマンドレル用の移動メカニズムが実現され得る。
【0030】
軸方向移動装置は、異なるように形成し得る。軸方向移動要素が、ガイド軌道を備え、このガイド軌道が、好ましくは直線的に、軸方向にそれぞれの揺動部品に沿って延在する場合が、特に有利である。この場合、揺動要素は、トラバース要素を提供し、このトラバース要素に沿って、ガイド軌道が延在する。好ましくは、ガイド軌道は、ロータワインダのロータ軸に至る。
【0031】
更に、軸方向移動装置が、キャリッジ部品を有し、このキャリッジ部品が、ガイド軌道に沿って並進的に移動され得る場合が、有利である。
【0032】
この場合、キャリッジ部品駆動装置は、異なるように形成し得る。キャリッジ部品駆動装置は、それぞれの揺動部品内か、キャリッジ部品自身内に収容されている。
【0033】
キャリッジ部品内に、それぞれのワインダマンドレルの外面領域を半径方向に拡開するためのもしくは予め拡開された外面領域を更正するための拡開メカニズムも配置されている場合が、構造的に有利である。
【0034】
いずれにしても、キャリッジ部品が、持続的にワインダマンドレルと結合されている場合が、有利である。好ましくは、キャリッジ部品は、ワインダマンドレルの機能部品である。
【0035】
別の重要な特徴は、一方の揺動要素は、この揺動要素に付設されたワインダマンドレルが特にその駆動側の第1の終端でもってこれに付属するワインダマンドレル駆動装置の被動要素と作用結合されている場合に、ロータワインダのロータ側方部品と共に及び同期して回転することに見られる。しかしながら、ワインダマンドレルが被動要素から解放されており、軸方向にロータワインダの隣に移動されている場合には、このワインダマンドレルを有する揺動部品は、ロータワインダの両ロータ側方部品に依存せずに回転し得る。
【0036】
本発明の課題は、更に、コイルの巻始めのために、第1のワインダマンドレルが、第1の旋回可能な揺動部品によって、まず、巻始め位置の軸方向隣の位置へ旋回され、次いで、第1の軸方向移動装置によって、ロータ軸の軸方向に巻始め位置へ移動され、コイルが、巻始め位置で、ロータワインダの第1と第2のロータ側方部品の間に保持された第1のワインダマンドレルに巻き始められ、巻き始められたコイルが、次いで、巻終えのために、ロータワインダによって巻始め位置からロータワインダの巻き位置へ回転される、ロータ軸を中心として回転可能なロータワインダによってストリップ材料をコイルへ巻くための方法において、特に、第1の揺動部品が、ロータワインダ外で回転し、第1のワインダマンドレルが、第1の揺動部品によって、ロータワインダ外で巻始め位置の軸方向隣の位置へ旋回され、ワインダマンドレルが、次いで、第1のワインダマンドレルの駆動側の第1の終端を第1のロータ側方部品に配置されたワインダマンドレル駆動装置の被動要素と作用結合し、かつ第1のワインダマンドレルの第2の終端を第2のロータ側方部品に保持するように、第1の軸方向移動装置によって第1の揺動部品に対して相対的にロータ軸の軸方向に第1と第2のロータ側方部品の間へ移動されること、を特徴とする方法によって解決される。
【0037】
本発明により、ストリップ材料をコイルへ巻くための巻きプロセスは、著しく加速されている。何故なら、ここのプロセス経過が、部分的に平行に装置において行なわれ得るからである。
【0038】
有利な第1の方法バリエーションは、第1のワインダマンドレルが、巻始め位置から巻き位置へ回転される時に、第1のワインダマンドレルを軸方向に巻始め位置へ移動させた第1の揺動部品が、ロータワインダと同期してロータ軸を中心として同方向に共に回転するとの構成を備える。これにより、第1のワインダマンドレルは、作用接触状態に留まり、これにより、本方法は、更に簡素化され得る。
【0039】
更に、巻終え後、第1のワインダマンドレルが、巻き終えられたコイルから軸方向に引き抜かれ、横方向にロータワインダ外で、巻き位置へ共に回転された第1の揺動部品上に一時停止される場合が、有利である。これにより、コイルは、特に簡単な方法で、更なる搬送のために巻き位置から解放し得る。
【0040】
ストリップ材料が、巻終え後に切り離され、巻終え後のコイルが、一直線にロータワインダから搬出される場合は、方法が、更に簡素化され得る。
【0041】
別のコイルの巻始め過程は、巻き始められたコイルを有する第1のワインダマンドレルが、ロータワインダによって巻始め位置から巻き位置へ回転される間又は回転された後に、ロータワインダ外に支承された第2のワインダマンドレルが、ロータワインダ外に配置された第2の揺動部品によって、巻始め位置の軸方向隣の位置へ配置される場合に、既に装置によって準備し得る。
【0042】
第1の揺動部品が、反対の回転方向で巻き位置へ回転される間に、第2のワインダマンドレルを有する第2の揺動部品が、巻き位置の軸方向隣の位置から巻始め位置の軸方向隣の位置へ回転される場合は、巻始めプロセスは、簡素化し得る。
【0043】
別のプロセス最適化は、コイルが第1のワインダマンドレル上で巻き終えられる間又は巻き終えられた後に、第2のコイラマンドレルが第2の軸方向移動装置によって第2の揺動部品に対して相対的にロータ軸の軸方向にロータワインダ外から第1と第2のロータ側方部品の間の巻始め位置へ移動され、第2のワインダマンドレルの駆動側の第1の終端が、第2のロータ側方部品に配置された別のワインダマンドレル駆動装置の被動要素と作用結合され、第2のワインダマンドレルの第2の終端が、第1のロータ側方部品に保持される場合に、得られる。
【0044】
高い装入量は、新しいコイルが、ここで説明したステップを繰り返して巻かれ、第2の装置、特に第2のワインダマンドレルが、第1の装置の位置へ移動する場合及びその逆が行なわれる場合に、得られる。
【0045】
本発明により、高生産性のロータワインダを、構造的に非常に簡単に構成し、ワインダマンドレルを、完全に取外し可能にロータワインダに配置し得る。
【0046】
有利には、ロータ側方部品のそれぞれに、ワインダマンドレル駆動装置によって駆動される保持手段も、駆動されない、即ちワインダマンドレル駆動装置によって駆動されない保持手段も配置さされ、これにより、ロータワインダを、構造的に非常に簡単に構成し、ワインダマンドレルを、完全に取り外し可能にロータワインダに配置し得る。これにより、全く新しい設備コンセプトが生じる。
【0047】
これにより、特に、ストリップ材料をコイルへ巻くための装置の駆動側と操作側の間のこれまでの区別がなくなり、これにより、特に、ロータワインダは、対称に構成し得る。これにより、ストリップ材料を巻くための装置内に生じる力及びモーメントは、実質的に良好に制御及び受止めし得る。その点で、一方では、巻くべき広幅のストリップ及び/又は高いストリップ張力が、本発明による装置によって実現され得る。
【0048】
更に、ワインダマンドレルは、最初から、即ち、新しいコイルの巻始め時には既に、その両端を、即ち駆動側及び支持もしくは支承側を、相応に形成されたワインダマンドレル保持部内で、ロータ側方部品に支承され、従って支持されている。従って、一方では安定したフープアイ(コイル内側部分)を、他方では高強度のストリップ材料を、高いストリップ張力で巻くために、十分高いストリップ張力のできるだけ迅速な上昇が保証されている。
【0049】
この関係で、ロータワインダが、ワインダマンドレルにストリップを巻き取るための巻始め位置を備え、この巻始め位置で、ワインダマンドレルが、終端側を両側から2つのロータ側方部品の相対する2つのワインダマンドレル保持部内に保持されている場合が、有利である。
【0050】
更に、個々の部品もしくは部品群への良好なアプローチ性が付与され、これにより、例えば簡素化された整備及び場合によっては修理が得られる。
【0051】
更に、大きいストリップ幅のための潜在能力は、好ましくは、より小さいワインダマンドレル直径と関係して高められる。
【0052】
本装置は、特に、ワインダマンドレルが、これらワインダマンドレルを装置の操作のために両ロータ側方部品から完全に解離して取外し得るように、ロータ側方部品の取外し可能に支承されているとの抜群な特徴によっても際立っている。装置の操作は、例えば、相応のスリーブがワインダマンドレルに装着された後に、ストリップ材料を巻きえるスリーブの提供を含む。又は、操作は、例えばワインダマンドレルからの巻かれたコイルの引抜きを含む。
【0053】
本装置は、例えば、コイルのハンドリング、即ち巻き終えられたコイルの搬出を圧延ライン内で行ない得る、及び、スリーブを有する又は有しない一貫したワインダマンドレルにコイルを巻始め及び巻終え得る圧延トレインの出口に存在する。即ち、コイルは、例えばチェーン要素の形態の簡単な搬送装置上への降下だけを必要とする。
【0054】
駆動される保持手段も、駆動されない保持手段も、ロータ側方部品に配置された、それぞれの保持マンドレルを固定するためのワインダマンドレル保持部の構成要素である。
【0055】
“駆動される保持手段”との概念は、本発明の意味では、ロータ側方部品におけるワインダマンドレル保持部を表し、このワインダマンドレル保持部は、ワインダマンドレル駆動装置の駆動トレインの被動要素を有し、このワインダマンドレル保持部によって、ワインダマンドレル駆動装置によって駆動されるワインダマンドレルの相応に形成された終端が、ロータ側方部品に支承されている。
【0056】
これに応じて、“駆動されない保持手段”との概念は、本発明の意味では、同じロータ側方部品における別のワインダマンドレル保持部を表し、このワインダマンドレル保持部によって、別のワインダマンドレルの相応に形成された別の駆動されない終端が、ワインダマンドレル駆動装置との相互作用を回避しつつこのロータ側方部品に支承されている。即ち、駆動されない保持手段は、この保持手段がワインダマンドレルの一方を回転させるようには、駆動されていない。むしろ、この保持手段は、それぞれのワインダマンドレルの別の終端を支承するだけか、もしくは、この保持手段は、別の終端を支持するだけで、この場合、結合されたワインダマンドレルと共に回転するだけである。
【0057】
これまで公知の解決策とは異なり、ワインダマンドレルは、これらワインダマンドレルが装置を操作するために両ロータ側方部品から完全に取外し可能であるように、2つのロータ側方部品においてワインダマンドレル保持部内に解離可能に支承されている場合が、有利である。操作は、例えばストリップ材料を巻きえる、ワインダマンドレルに装着されたスリーブの提供を含む。又は、操作は、例えばワインダマンドレルからの巻かれたコイルの引抜きを含む。
【0058】
別の有利な実施バリエーションは、第1のロータ側方部品の駆動される保持手段と第2のロータ側方部品の駆動されない保持手段並びに第1のロータ側方部品の駆動されない保持手段と第2のロータ側方部品の駆動される保持手段が相対して配置されているように、2つのロータ側方部品が、180°だけロータ軸周りに互いに変位されて配置されているとの構成を備える。これにより、本ロータワインダは、構造的に特に簡単に対称に準備し得る。
【0059】
2つのロータ側方部品が、少なくともその実質的な機能要素に関して同一に形成されている場合、異なる部品又は部品群の数は、有利に更に低減し得る。これにより、予備部品の貯蔵の低減も得られる。この場合、同一性は、実質的にロータ側方部品の重要な機能部品もしくは機能領域に適用される。
【0060】
特にロータワインダの安定性は、ロータワインダの2つのロータ側方部品の保持手段が、ロータ軸の軸方向に互いに位置不動に配置されている場合に、更に改善し得る。しかしながら、これは、強制的ではない。
【0061】
ロータワインダは、ロータ側方部品のそれぞれの駆動される保持手段と駆動されない保持手段がロータ軸から半径方向に間隔を置いてロータ軸の異なる側に配置されている場合に、更に簡素化し得る。
【0062】
両ロータ側方部品に配置された保持手段とこれらに保持されるワインダマンドレルが、解離可能なカップリング装置によって、相互作用的に不動に、しかしながら解離可能に互いに結合されている場合に、両ロータ側方部品へのもしくはからのワインダマンドレルの特に迅速な取付け及び取外しが可能である。
【0063】
多様な形態のこのようなカップリング装置があり得ることがわかる。以下には、これに関するクイックカップリング式の保持手段がどのように実現され得るか、いくつかの例が説明されている。
【0064】
駆動される保持手段が、ワインダマンドレルの駆動ピン部分を噛合い係合式及び/又は摩擦係合式にワインダマンドレル駆動装置の駆動トレインと不動に、しかしながら解離可能にカップリングし得る収容要素を有する場合に、ワインダマンドレルは、駆動側で、迅速に駆動トレインの被動要素と連結もしくはこの被動要素から解結され得る。場合によっては、ワインダマンドレルは、拡開ディスクによっても挟持し得る。
【0065】
ワインダマンドレルは、駆動される保持手段が、ワインダマンドレルの駆動ピン部分を不動に、しかしながら解離可能に挟持し得るクランプユニットを、ロータ側方部品に有する場合に、被動要素に信頼性をもって固定し得る。
【0066】
駆動ピンに相対するワインダマンドレルの自由端は、駆動されない保持手段が駆動ピンに相対するワインダマンドレルの軸受箇所を不動に、しかしながら解離可能に挟持し得る別のクランプ要素を、ロータ側方部品に有する場合に、駆動されない保持手段に信頼性をもって固定し得る。
【0067】
装置は、2つのロータ側方部品が共通の駆動ユニットを備える場合に、構造的に更に簡素化し得る。
【0068】
更に、本装置は、それぞれのワインダマンドレルの自由端の保持もしくは支承をするためのワインダマンドレル保持部によって際立っている。この自由端は、ワインダマンドレルの駆動側の終端に相対する。しかしながら、駆動されない保持手段は、ワインダマンドレルを、既にその巻始め位置で、駆動されないそのワインダマンドレル側に支持し、従って、巻付け時だけでなく、既に巻始め時に、張力下で、スラスト軸受の機能を満足する。相応のワインダマンドレル保持部は、ここでは、本来の円形のワインダマンドレルと揺動部品上のそのガイドとの間の結合のために、また、ロータ側方部品における駆動されない保持手段と移動メカニズム用の作用点とに有利には解離可能に固定するために、使用される。付加的に、ワインダマンドレル保持部は、ワインダマンドレルを運転位置に案内及びロックする。
【0069】
更に、装置の機能は、装置がスリーブハンドリングシステムを備える場合に、更に改善し得る。スリーブハンドリング部は、両ワインダマンドレルの、次のワインダマンドレルとして巻始め位置へ旋回されるものに新しいスリーブを提供するために使用される。コイルが、巻終えられワインダマンドレルが、コイルのアイから引き戻されたら、新しいスリーブは、中間位置もしくは停止位置で待機する。引き戻されたワインダマンドレルは、揺動部品によってこの中間位置へ旋回し、スリーブは、ワインダマンドレルに装着される(引渡し位置)。その後、スリーブは、ワインダマンドレルと共に巻始め位置へ旋回する。揺動子上の“駆動側”の一方のワインダマンドレルと“操作側”の他方のワインダマンドレルが旋回するので、スリーブハンドリングシステムは、少なくとも1つの停止位置、例えば圧延ライン内の停止位置と、少なくとも2つの引渡し位置、即ちそれぞれのワインダマンドレルにおける引渡し位置とを有する。スリーブハンドリングシステムは、構造的に実質的に非常に簡単に、スリーブを収容するための強度を有するハーフシェルを有する移動装置によって補足し得る。ハーフシェルの代わりに、例えばトング等のような他の部品も適用し得る。異なる直径を有する異なるスリーブタイプの使用時に、収容部は、垂直に位置決め可能にし得る。スリーブハンドリング部を備えるために設備レイアウトに起因して違う引渡レベルが必要とされる場合でも、同じ機能が必要とされる。このようなスリーブハンドリングシステムは、既によく知られており、従って、ここでは個別には説明されない。
【0070】
この関係で、ワインダマンドレルが、巻終えられたコイルから引き抜かれ、横方向でロータワインダ外に一時停止され、巻終えられたコイルが、一直線にロータワインダから搬出される場合が、有利である。相応の中間位置での一時停止時に、例えば前記のスリーブハンドリングシステムは、良好に使用し得る。
【0071】
ストリップ材料を巻くためのこの種の装置を有利に発展させる強調すべき別の特徴から、多数の付加的な利点が得られる。
【0072】
この関係で、特に、既にコイルの巻始め時に常に両ロータ側方部品に支持される、一貫した、従って最も安定したワインダマンドレルの使用を可能にする、装置の有利な対称のデザインを挙げられることができる。これは、特にベルトラッパーが引き戻されている場合でも、約三巻の巻付け以後には既に、巻始めが十分なストリップ張力下で行ない得ることを意味する。これは、ワインダマンドレルが、操作側の自由に突出するその終端を付加的な支持軸受内でスラスト軸受けされる時に初めて、即ち巻き位置へのロータワインダの回転後に初めて、十分なストリップ張力が上昇され得る通常のターニングワインダに比して重要な利点である。
【0073】
更に、ワインダマンドレルの本来の回転駆動装置は、常にワインダマンドレルの簡単な支承部の反対側に存在する。これは、拡開メカニズムもしくは駆動されない保持手段が存在する拡開側と、駆動される保持手段が存在する駆動側とが、ワインダマンドレルに関して常に反対側に配置されていることを意味する。これにより、特にワインダマンドレルのコンパクトな構造が得られる。
【0074】
更に、ワインダマンドレルは、相応のワインダマンドレル保持部の駆動される保持手段に迅速に連結し得るように、特に駆動側に、例えばフラットピン又は星状に形成された駆動ピンの形態のカップリング装置を備える。その点で、ロータ側方部品は、挿入されるワインダマンドレルを迅速に固定し、駆動出力を確実に伝達し、必要に応じて再び解離し得るように、このようなカップリング装置を備える。
【0075】
揺動部品の180°の旋回からロータワインダの360°のフルの回転を解結することにより、有利には、高価で整備を必要とし易い回転式オイル供給部を組み込む必要性もなくなる。
【0076】
更に、ワインダマンドレル保持部における保持手段の間の迅速に解離可能な作用結合部によって、即ち、一方では解離可能な駆動結合部と、他方ではワインダマンドレルの相対する解離可能な自由な支承部と、ワインダマンドレルとによって、ワインダマンドレル迅速交換に関してこれまで知られてない潜在能力を生じさせることが可能である。
【0077】
特に、破損、ワインダマンドレル直径の交換、又は例えばゴムコーティングを有する特殊マンドレルの組込みに応じたワインダマンドレルの迅速な交換が、本装置によって得られる。
【0078】
更に、装置がコイルのアイからワインダマンドレルを引き抜く際にテレスコープ状になるコイル内側部分を回避するためのコイルストッパを有する場合が、有利である。コイルストッパは、構造的に既に公知のデザインに対応している。
【0079】
更に、装置は、好ましくはそれ自身公知の押付けローラを有し、この押付けローラは、最後のコイル部分を巻始める際にコイル表面にストリップ材料を押し付けるために使用され得る。これにより、特に巻くために必要なストリップ張力が解除された時に、ストリップ材料の自由端が折り返されることが、防止される。
【0080】
また、装置は、それ自身公知のベルトラッパーを備え得る。ベルトラッパーは、巻き位置でのストリップ材料始端の巻始めを支援する。ベルトラッパーは、ストリップ材料が巻始め位置に移動されている場合に、好ましくは運転位置へ移動されている。この場合、ベルトラッパーは、ガイド及びコントロールデスクによってストリップ材料を支持及びガイドする。巻始め過程で、ワインダマンドレル−場合によっては装着されかつ挟持されたスリーブを有する−は、ベルトラッパーのベルトが走行するのと同じ速度で回転し、これにより、ストリップ材料の最初のコイル部分をワインダマンドレルもしくはスリーブの周囲に固定することを援助する。約3巻の巻付け後、ベルトラッパーは、ワインダマンドレルから取り外され、本来の巻付け過程が、ストリップ張力下で始まる。
【0081】
加えて、装置は、更にコイルハンドリングシステム又はフープハンドリングシステムを備え得る。巻終えられたコイルの搬出は、一直線に行なわれる。即ち、コイルは、適当な降下装置によって、簡単に構成された、例えばチェーンの形態の搬送装置上への降下だけを必要とする。これにより、コイルリフト車を介する高価なコイルハンドリングを省力し得る。
【0082】
本装置により、多数の利点が、即ち、例えば、通常のカルーセルワインダを有する従来の装置の場合にはそうであるよりも迅速なコイル逐次時間が、得られ、これにより、設備能力の完全利用が全体として得られ、これとも結びついた生産増加が得られる。加えて、本装置は、簡単な部品の使用によって際立っており、即ち、特に、設置された構成要素、部品及び/又は部品群の簡素化が得られ、これにより、整備要求、停止時間及び投資コストを、著しく低減し得る。更に、できるだけ迅速な張力上昇と、これに起因して安定したコイルアイもしくはフープアイも得られ、これにより、後続プロセス時、例えばベルアニール時のコイルアイもしくはフープアイの縮小の危険を低減し得る。適切に形成した時の本装置によって、設備の潜在能力の拡大が、一般的に得られ、特に、より大きいストリップ材料幅、より高いストリップ張力、より小さいワインダマンドレル直径、製品固有のワインダマンドレルの使用、生産進行時の著しく短縮されたワインダマンドレル交換時間等が得られる。
【0083】
加えて、本装置は、更に、装置が、従来のカルーセルワインダよりも整備し易いことによって際立っている。付加的に、実質的に対称の配置によって際立っており、これは、ロータワインダの両側で少なくとも十分同じ部品の利用がえられ、これにより、予備部品の貯蔵の低減も得られる。本装置が最も簡単なギヤユニットタイプを備えることが、特に有利である。加えて、非常に簡単なスリーブタイプが提供される。本装置により、連続運転中の特に簡単なストリップサンプルの取出しが、インライン検査のためにも可能になる。その上、より高い駆動トルクの伝達が可能であり、これは、特に、今後使用される高強度のストリップ材料や、ジャンボコイル等に対しても有利である。
【0084】
ここで説明した装置により、特に、ワインダマンドレル及びその駆動側のギヤユニット軸受の設計が、従ってロータワインダ全体の設計が、技術的に論じ尽くされているとの欠点が克服され得る。
【0085】
本発明の更なる特徴、効果及び利点が、模範的にストリップ材料をコイルへ巻くための本発明による装置と、このために可能な第1のプロセス進行が図示及び説明された添付図及び後続の説明により説明される。装置の説明される構成要素は、明瞭さのために全ての図で繰り返して符号付け及び説明される必要はない。
【0086】
本発明の課題は、更に、コイルの巻解きのためにも使用される本発明による装置の請求した使用によって解決される。この解決策の利点は、予め請求した装置及び請求した巻取り方法に関して述べた利点と一致する。