【実施例1】
【0021】
実施例1の麺類浸漬用具は、主としてまっすぐな乾麺を茹でる前に水に浸漬し、水を切って、茹で鍋の中に投入するためのもので、
図1に示すように、開口2の一部に弧状の切り欠き部3を有する円筒状の容器1と、その切り欠き部3と対向する開口縁4のほぼ半周部分に取り付けたベロ部5からなっている。
円筒状の容器1は、透明な硬質プラスチック製であり、まっすぐな乾麺の長さ以上の深さとなるように、通常は20cm〜30cmの高さを有しており、底部6の中央部に開口側へ盛り上がっている膨出部7が設けられている。
ベロ部5は、水及びお湯を透過し、水及びお湯に溶解しない柔軟な素材であるポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン又はこれらを複合させた繊維の不織布により形成されている。
また、ベロ部5は、長さがまっすぐな乾麺の長さ程度、幅が開口縁4の長さの半分程度の長方形又は長方形の一方の短辺を弧状とした形状である。
【0022】
実施例1の麺類浸漬用具を使用して、まっすぐな乾麺を水に浸漬し、水切りし、茹でる手順は以下のとおりである。
(1)円筒状の容器1に10℃〜40℃の水を張る。
(2)まっすぐな乾麺を、その先端が底部の周囲にまんべんなく分散して配置されるように投入する。
(3)乾麺の太さに応じて、30分〜6時間水に浸漬する(太いほど長時間とする)。
(4)容器1を切り欠き部3側に傾けて容器1内の水の一部を排出する。なお、この手順は省略しても良い。
(5)ベロ部5の端を片手で持ち、容器1を他方の手で持って切り欠き部3と逆側に傾け、容器1内の水を排出しつつ、浸漬した乾麺をベロ部5の上に載せて水切りする。その際、切り欠き部付近から箸等を差し込んで掻き出しても良い。
(6)浸漬した乾麺をベロ部5で包んで軽く麺をもむ。なお、この手順は省略しても良い。
(7)浸漬した乾麺をベロ部5の上に載せたまま、加熱中の鍋又は釜に入っているお湯の中に投入する。
(8)麺が全てお湯の中に没した後、ベロ部5を引き抜く。
(9)火力に応じて麺を30秒〜1分間茹で、箸や穴杓子等で取り上げ又はざるに移す。
【実施例2】
【0023】
実施例2の麺類浸漬用具は、主としてまっすぐな乾麺を茹でる前に水に浸漬し、水を切って、茹で鍋の中に投入するためのもので、
図2に示すように、開口12の一部に弧状の切り欠き部13を有する袋状の本体部11と、その切り欠き部13と対向する開口縁14から延出しているベロ部15からなっている。
袋状の本体部11及びベロ部15は、一体に形成されており、水及びお湯を透過し、水及びお湯に溶解しない柔軟な素材であるポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン又はこれらを複合させた繊維の不織布製である。
袋状の本体部11は、まっすぐな乾麺の長さ以上、通常は20cm〜30cmの長さであり、畳んだ時には
図3に示すように幅が10cm程度の長方形となる。底部16は開口側に折り返され、折り返し部の側端17の近傍がシールされている。
また、ベロ部15は、長さがまっすぐな乾麺の長さ程度、幅が本体部11の幅程度の長方形又は長方形の一方の短辺を弧状とした形状である。
そして、袋状の本体部11は
図3のように折り畳めるようにしてあり、ベロ部15も開口縁14付近で折り畳めるようにしてある。
【0024】
実施例2の麺類浸漬用具を使用して、まっすぐな乾麺を水に浸漬し、水切りし、茹でる手順は以下のとおりである。
(1)袋状の本体部11を広げ、まっすぐな乾麺を、その先端が底部の周囲にまんべんなく分散して配置されるように投入する。
(2)まっすぐな乾麺の長さより深い鍋又は釜等に10℃〜40℃の水を張り、乾麺を投入した本体部11を入れ、ベロ部15を鍋又は釜等の上縁に引っ掛けて外側に垂らす。
(3)乾麺の太さに応じて、30分〜6時間水に浸漬する(太いほど長時間とする)。
(4)ベロ部15を持ち上げて本体部11を引き上げ、浸漬した乾麺を水切りする。
(5)ベロ部15の端を片手で持ち、本体部11の切り欠き部13がある側の底部16を他方の手で持ち、底部16を持ち上げて本体部11を傾け、浸漬した乾麺をベロ部15の上に載せる。その際、切り欠き部付近から箸等を差し込んで掻き出しても良い。
(6)浸漬した乾麺をベロ部15で包んで軽く麺をもむ。なお、この手順は省略しても良い。
(7)浸漬した乾麺をベロ部15の上に載せたまま、加熱中の鍋又は釜に入っているお湯の中に投入する。
(8)麺が全てお湯の中に没した後、ベロ部15を引き抜く。
(9)火力に応じて麺を30秒〜1分間茹で、箸や穴杓子等で取り上げ又はざるに移す。
【0025】
実施例1、2の麺類浸漬用具に関する変形例を列記する。
(1)実施例1の容器1は円筒状であるが、円筒状に限らず、だ円筒状、角筒状、底面積の小さい円錐台状又は角錐台状であっても良い。
また、実施例1の容器1は、まっすぐな乾麺の長さ以上の高さを有しているが、まっすぐな乾麺を水に浸漬する必要がない場合(半生麺や折れ曲がった乾麺等の場合)、水に浸漬する麺類を全部収容できる大きさを有していれば、どのような形状及び高さであっても良い。
(2)実施例1の容器1には底部6の中央部に開口側へ盛り上がっている膨出部7が一つ設けられているが、この膨出部7は一つに限らず、底部6に複数設けたものであっても良く、複数の膨出部の周囲を凹ませることで、乾麺の先端をよりまんべんなく分散して配置することができる。
(3)実施例1の容器1は開口2の一部に弧状の切り欠き部3を有しているが、この切り欠き部3は必ずしも必要ない。
(4)実施例1の容器1は透明な硬質プラスチック製であるが、透明である必要は必ずしもなく、材質も硬質プラスチックに限らず、ガラス、陶器、金属、木、竹等、どんなものであっても良い。
(5)実施例1及び2のベロ部5、15は、水及びお湯を透過し、水及びお湯に溶解しない柔軟な素材であるポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン又はこれらを複合させた繊維の不織布により形成されているが、不織布に限らず、紙又は木綿、麻、耐熱温度が120℃以上の化学繊維等からなる布により形成されていても良い。
(6)実施例1及び2のベロ部5、15は、長さがまっすぐな乾麺の長さ程度、幅が開口縁4、14の長さの半分程度の長方形又は長方形の一方の短辺を弧状とした形状であるが、水に浸漬した後の麺類を載せることができる大きさであればどのような形状であっても良い。
(7)実施例2の本体部11は、袋状で畳んだ時には長方形となるが、長方形に限らず、正方形や底部16側が短辺の台形となるものであっても良い。
また、本体部11は、まっすぐな乾麺の長さ以上の長さを有しているが、まっすぐな乾麺を水に浸漬する必要がない場合(半生麺や折れ曲がった乾麺等の場合)、水に浸漬する麺類を全部収容できる大きさを有していれば、どのような形状及び長さであっても良い。
(8)実施例2では、折り返し部の側端17の近傍をシールしているが、シールは側端17のみに施しても良いし、本体部11と共に施しても良い。
また、側端17へのシールに加えて又は代えて、折り返し部の下端近傍にシールを施しても良い。下端近傍へのシールは、本体部の表側と裏側で別々に施す必要がある。
(9)実施例2の本体部11は、開口12の一部に弧状の切り欠き部13を有しているが、この切り欠き部13は必ずしも必要ない。
また、切り欠き部13の中央部から底部16に向かってミシン目を入れておいても良く、切り欠き部13を有しない場合には、開口縁14の中央部から底部16に向かってミシン目を入れておいても良い。
このミシン目は、浸漬した乾麺をベロ部15の上に載せるに際して、ミシン目に沿って本体部11を切り裂き、そこから箸等を差し込むことで、浸漬した乾麺を本体部11からベロ部15へ移動させ易くするために設けてある。
(10)実施例2の本体部11は、ベロ部15と一体に形成されており、水及びお湯を透過し、水及びお湯に溶解しない柔軟な素材であるポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン又はこれらを複合させた繊維の不織布製であるが、必ずしもベロ部15と一体に形成する必要はなく、別々に形成してベロ部15を切り欠き部13がない側の開口縁14に接続するようにしても良い。その場合、本体部11はお湯の中に投入しないので、水を透過し、水に溶解しない柔軟な素材であれば良い。