特許第6302655号(P6302655)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6302655
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/00 20070101AFI20180319BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20180319BHJP
【FI】
   H02M1/00 F
   H02M7/48 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-253963(P2013-253963)
(22)【出願日】2013年12月9日
(65)【公開番号】特開2015-115974(P2015-115974A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 宏信
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−167641(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0136265(US,A1)
【文献】 特開平11−069840(JP,A)
【文献】 特開平03−285570(JP,A)
【文献】 米国特許第06111328(US,A)
【文献】 米国特許第05132896(US,A)
【文献】 特開平02−294278(JP,A)
【文献】 特開平11−027959(JP,A)
【文献】 特開平09−056169(JP,A)
【文献】 特開2011−030321(JP,A)
【文献】 特開2011−182517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチング素子が直列に接続された1つの素子直列回路と、
全て同じ配線インダクタンスで前記1つの素子直列回路とそれぞれ並列に接続された複数の直流コンデンサとを備え、
前記複数の直流コンデンサは、前記1つの素子直列回路を中心とした円状として前記中心から等距離の円周上に配置されること
を特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記複数の直流コンデンサは、前記1つの素子直列回路から等距離に配置されること
を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記複数の直流コンデンサは、前記1つの素子直列回路に対して対称に配置されること
を特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記複数の直流コンデンサは、前記1つの素子直列回路に対して、片側に寄せられて配置されること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
複数のスイッチング素子を直列に接続して1つの素子直列回路を構成し、
複数の直流コンデンサを、前記1つの素子直列回路と全て同じ配線インダクタンスでそれぞれ並列に接続し、
前記複数の直流コンデンサを、前記1つの素子直列回路を中心とした円状として前記中心から等距離の円周上に配置すること
を含むことを特徴とする電力変換装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電力変換装置として、MMC(modular multilevel converter)が知られている。MMCは、複数のチョッパーセル(単位変換器)で構成された電力変換装置である。チョッパーセルは、IGBT(insulated gate bipolar transistor)などのスイッチング素子と直流コンデンサで構成されている。
【0003】
例えば、あらゆる動作モードにおいて直流コンデンサの電圧を安定に維持しつつ制御可能なMMCが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−182517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、MMCの運転時のセル電圧制御による電圧リプルを抑制するには、直流コンデンサの容量を大きくする必要がある。容量を大きくするには、複数の直流コンデンサを並列に接続する。このとき、スイッチング素子と各直流コンデンサとの間の距離(即ち、配線インダクタンス)にバラつきがあると、スイッチング素子に近い直流コンデンサと遠い直流コンデンサとで、責務(コンデンサ電流)が異なる。また、共振が生じる要因にもなる。直流コンデンサの直流電圧が高い場合には、1つの直流コンデンサの容量が大きくなるため、これらの問題はより重要となる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、複数の直流コンデンサの責務を均等にした電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の観点に従った電力変換装置は、複数のスイッチング素子が直列に接続された1つの素子直列回路と、全て同じ配線インダクタンスで前記1つの素子直列回路とそれぞれ並列に接続された複数の直流コンデンサとを備え、前記複数の直流コンデンサは、前記1つの素子直列回路を中心とした円状として前記中心から等距離の円周上に配置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の直流コンデンサの責務を均等にした電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電力変換装置の構成を示す構成図。
図2】第1の実施形態に係る電力変換装置の回路を示す回路図。
図3】第1の実施形態に係る圧接型の電力変換装置の構成を示す斜視図。
図4】本発明の第2の実施形態に係るモジュール型の電力変換装置の構成を示す構成図。
図5】本発明の第3の実施形態に係る圧接型の電力変換装置の構成を示す模式図。
図6】第3の実施形態に係る電力変換装置の回路を立体的に示す構成図。
図7】本発明の第4の実施形態に係る電力変換装置の構成を示す構成図。
図8】第4の実施形態に係る電力変換装置の回路を立体的に示す回路図。
図9】第4の実施形態に係る圧接型の電力変換装置の構成を示す模式図。
図10】本発明の第5の実施形態に係るモールド型の電力変換装置の構成を示す模式図。
図11】本発明の第6の実施形態に係る圧接型の電力変換装置の構成を示す模式図。
図12】本発明の第7の実施形態に係るモールド型の電力変換装置の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力変換装置3の構成を示す構成図である。図2は、本実施形態に係る電力変換装置3の回路を示す回路図である。なお、図面における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。
【0012】
電力変換装置3は、IGBTスタック1及び2つの直流コンデンサ2a,2bを備える。電力変換装置3は、MMC(modular multilevel converter)を構成するチョッパーセル(単位変換器)である。2つの直流コンデンサ2a,2bは、IGBTスタック1に対して、等距離で左右対称に配置されている。なお、直流コンデンサ2a,2bは、対称に配置されていれば、線対称又は点対称のいずれでもよい。左側の直流コンデンサ2aは、2つの導体Wap,WanでIGBTスタック1に接続されている。右側の直流コンデンサ2bは、2つの導体Wbp,WbnでIGBTスタック1に接続されている。
【0013】
4つの導体Wap,Wan,Wbp,Wbnは、IGBTスタック1と直流コンデンサ2a,2bとのそれぞれの配線インダクタンスが同じになるように形成されている。例えば、4つの導体Wap,Wan,Wbp,Wbnは、同じ形状で同じ材質である。
【0014】
なお、左側の直流コンデンサ2aに接続される2つの導体Wap,Wanの合計の配線インダクタンスと、右側の直流コンデンサ2bに接続される2つの導体Wbp,Wbnの合計の配線インダクタンスが同じであれば、4つの導体Wap,Wan,Wbp,Wbnのそれぞれがどのような形状でどのような材質でもよい。例えば、4つの導体Wap,Wan,Wbp,Wbnは、それぞれ異なる形状で異なる材質でもよい。また、4つの導体Wap,Wan,Wbp,Wbnは、同極性になる導体同士を一体形成にして、2つの導体にしてもよい。具体的には、2つの直流コンデンサ2a,2bにそれぞれ接続される正極側の2つの導体Wap,Wbpを1つの導体にし、2つの直流コンデンサ2a,2bにそれぞれ接続される負極側の2つの導体Wan,Wbnを1つの導体にしてもよい。
【0015】
IGBTスタック1は、2つのIGBT(insulated gate bipolar transistor)11a,11b、2つのダイオード12a,12b、及び2つのゲートドライブ回路13a,13bを備える。2つのIGBT11a,11bは、直列に接続されている。2つのダイオード12a,12bは、それぞれ2つのIGBT11a,11bに逆並列に接続されている。2つのゲートドライブ回路13a,13bは、2つのIGBT11a,11bに対応して設けられている。
【0016】
IGBT11a,11b及びダイオード12a,12bは、半導体素子である。IGBT11a,11bは、ゲートドライブ回路13a,13bから入力されたゲート信号(ゲート電圧)により駆動(スイッチング)するスイッチング素子である。IGBT11a,11bが駆動することにより、電力変換装置3が電力変換を行う。
【0017】
2つの直流コンデンサ2a,2bは、直列に接続された2つのIGBT11a,11bと並列に接続されている。
【0018】
図3は、本実施形態に係る圧接型の電力変換装置3の構成を示す斜視図である。
【0019】
圧接型の電力変換装置3では、3つのヒートシンク4及び2つのIGBTパッケージ5a,5bがIGBTスタック1に設けられている。各IGBTパッケージ5a,5bには、IGBT11a,11b、ダイオード12a,12b、及びゲートドライブ回路13a,13bが1つずつ実装されている。
【0020】
ヒートシンク4は、厚みのある円板形状である。IGBTパッケージ5a,5bは、厚みのある長方形の板形状である。IGBTパッケージ5a,5bの平面部分(最も広い面)は、ヒートシンク4の平面部分(最も広い面で、円状の面)で全て覆われる面積である。2つのIGBTパッケージ5a,5bは、3つのヒートシンク4の2つの間にそれぞれ挟まれるように配置される。IGBTスタック1は、3つのヒートシンク4と2つのIGBTパッケージ5a,5bを交互に重ね合わせたものを圧接した構造になる。各IGBTパッケージ5a,5bは、上下に隣接するヒートシンク4により冷却される。
【0021】
2つの直流コンデンサ2a,2bは、円筒形状である。2つのIGBTパッケージ5a,5bと2つの直流コンデンサ2a,2bを接続する4つの導体Wap,Wan,Wbp,Wbnの形状及び長さは全て同じである。
【0022】
本実施形態によれば、圧接型の電力変換装置3において、2つの直流コンデンサ2a,2bをIGBTスタック1に対して左右対称に配置して、直列に接続されたIGBT11a,11bと各直流コンデンサ2a,2bとの配線インダクタンスを同じにすることで、2つの直流コンデンサ2a,2bの責務(コンデンサ電流)を同じにすることができる。
【0023】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係るモジュール型の電力変換装置3Aの構成を示す構成図である。
【0024】
電力変換装置3Aは、図3に示す第1の実施形態に係る圧接型の電力変換装置3と形状が異なる点以外は、第1の実施形態と同様である。
【0025】
直流コンデンサ2aA,2bAは、第1の実施形態に係る直流コンデンサ2a,2bをそれぞれ直方体形状にしたものである。ヒートシンク4Aは、第1の実施形態に係る3つのヒートシンク4を1つにし、直方体形状にしたものである。IGBTパッケージ5a,5bは、ヒートシンク4Aの上に配置されている。IGBTスタック1Aは、ヒートシンク4A及びIGBTパッケージ5a,5bにより構成される。4つの導体WapA,WanA,WbpA,WbnAは、第1の実施形態に係る4つの導体Wap,Wan,Wbp,Wbnを板状のバスバーにしたものである。
【0026】
2つの直流コンデンサ2aA,2bAは、第1の実施形態と同様に、IGBTスタック1Aに対して等距離で左右対称に配置されている。2つの直流コンデンサ2aA,2bA及び2つのIGBTパッケージ5a,5bにそれぞれ設けられた4つの導体WapA,WanA,WbpA,WbnAを接続するための端子は、同一平面上に位置するように設けられている。4つの導体WapA,WanA,WbpA,WbnAは、全て同じ形状で同じ材質である。これにより、IGBTスタック1Aと直流コンデンサ2aA,2bAとのそれぞれの配線インダクタンスは、同じになる。なお、4つの導体WapA,WanA,WbpA,WbnAは、第1の実施形態と同様に、IGBTスタック1Aと直流コンデンサ2aA,2bAとのそれぞれの配線インダクタンスが同じになるのであれば、それぞれが異なる形状で異なる材質でもよい。また、4つの導体WapA,WanA,WbpA,WbnAは、同極性になる導体同士を一体形成して、2つの導体にしてもよい。
【0027】
本実施形態によれば、モジュール型の電力変換装置3Aにおいて、第1の実施形態と同様に、2つの直流コンデンサ2aA,2bAをIGBTスタック1Aに対して左右対称に配置して、各直流コンデンサ2aA,2bAの配線インダクタンスを同じにすることで、2つの直流コンデンサ2aA,2bAの責務を同じにすることができる。
【0028】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る圧接型の電力変換装置3Bの構成を示す模式図である。図6は、本実施形態に係る電力変換装置3Bの回路を立体的に示す構成図である。
【0029】
電力変換装置3Bは、図3に示す第1の実施形態に係る電力変換装置3の2つの直流コンデンサ2a,2bの配置を変えたものである。2つの直流コンデンサ2a,2bは、IGBTスタック1から等距離で片側に寄せて配置されている。図5及び図6では、2つの直流コンデンサ2a,2bは、右側に配置されている。即ち、2つのIGBT11a,11bが直列に接続された回路と2つの直流コンデンサ2a,2bをそれぞれ結んだ2つの線で成す角θが180度未満となる。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0030】
4つの導体Wap,Wan,Wbp,Wbnは、第1の実施形態と同様に、各直流コンデンサ2a,2bの配線インダクタンスが同じになるように設けられている。2つの直流コンデンサ2a,2bは、IGBTスタック1から等距離に配置されているため、4つの導体Wap,Wan,Wbp,Wbnを同形状で同材質にすれば、各直流コンデンサ2a,2bの配線インダクタンスは同じになる。
【0031】
電力変換装置3Bの直流コンデンサ2a,2bが設けられていない側(図5及び図6では、左側)は、IGBTスタック1にアクセスするための開口部(扉など)が設けられる。直流コンデンサ2a,2bが反対側に設けられているため、IGBTスタック1のメンテナンスなどの作業をするための空間が広く確保できる。
【0032】
本実施形態によれば、2つの直流コンデンサ2a,2bをIGBTスタック1から等距離に配置して、各直流コンデンサ2a,2bの配線インダクタンスを同じにすることで、2つの直流コンデンサ2a,2bの責務を同じにすることができる。
【0033】
また、2つの直流コンデンサ2a,2bをIGBTスタック1に対して片側に寄せて配置することで、IGBTスタック1にアクセスし易くなり、メンテナンスなどの作業性を向上させることができる。
【0034】
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る電力変換装置3Cの構成を示す構成図である。図8は、本実施形態に係る電力変換装置3Cの回路を立体的に示す回路図である。図9は、本実施形態に係る圧接型の電力変換装置3Cの構成を示す模式図である。
【0035】
電力変換装置3Cは、図1に示す第1の実施形態に係る電力変換装置3において、2つの直流コンデンサ2c,2dを追加したものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0036】
2つの直流コンデンサ2a,2bが、IGBTスタック1に対して左右対称に設けられているのに対して、2つの直流コンデンサ2c,2dは、上下対称に設けられている。2つの直流コンデンサ2c,2dは、左右対称に設けられた2つの直流コンデンサ2a,2bと同様に設けられている。
【0037】
各直流コンデンサ2a〜2dにそれぞれ接続される2つの導体Wap〜Wdnの合計の配線インダクタンスは、全て同じになるように、各直流コンデンサ2a〜2dが導体Wap〜Wdnで配線されている。なお、全ての直流コンデンサ2a〜2dの配線インダクタンスが同じであれば、第1の実施形態と同様に、導体Wap〜Wdnは、それぞれ形状及び材質がどのようなものでもよい。
【0038】
図8は、電力変換装置3Cの回路を立体的に示したものである。4つの直流コンデンサ2a〜2dを、IGBTスタック1を中心として等距離に四方に配置して、各直流コンデンサに接続される導体Wap〜Wdnの配線インダクタンスが同じになるようにする。電力変換装置3Cの外形を模式的に示すと、図9のようになる。
【0039】
本実施形態によれば、圧接型の電力変換装置3Cにおいて、4つの直流コンデンサ2a〜2dをIGBTスタック1から等距離に四方に配置して、各直流コンデンサ2a〜2bの配線インダクタンスを同じにすることで、4つの直流コンデンサ2a〜2dの責務を同じにすることができる。
【0040】
(第5の実施形態)
図10は、本発明の第5の実施形態に係るモールド型の電力変換装置3Dの構成を示す模式図である。
【0041】
電力変換装置3Dは、第4の実施形態に係る圧接型の電力変換装置3Cをモールド型に変えたものである。4つの直流コンデンサ2a〜2dは、ドーナツ形状に封止材6で封止されている。ドーナツ形状の真ん中に、IGBTスタック1が配置されている。その他の点は、第4の実施形態と同様である。
【0042】
本実施形態によれば、モールド型の電力変換装置3Dにおいて、第4の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
(第6の実施形態)
図11は、本発明の第6の実施形態に係る圧接型の電力変換装置3Eの構成を示す模式図である。
【0044】
電力変換装置3Eは、第4の実施形態に係る圧接型の電力変換装置3Cに、4つの直流コンデンサ2e,2f,2g,2hを追加したものである。4つの直流コンデンサ2e〜2hは、四方に配置された4つの直流コンデンサ2a〜2dのそれぞれの間に、IGBTスタック1から等距離に配置されている。即ち、8つの直流コンデンサ2a〜2hは、IGBTスタック1を中心として円周上に配置されている。その他の点は、第4の実施形態と同様である。
【0045】
本実施形態によれば、8つの直流コンデンサ2a〜2hを用いた電力変換装置3Eにおいても、全ての直流コンデンサ2a〜2hをIGBTスタック1を中心として円周上に等距離に配置することで、第4の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、2以上のいくつの直流コンデンサでも、IGBTスタック1を中心として円周上に等距離に配置して、本実施形態と同様に構成することで、第4の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0046】
(第7の実施形態)
図12は、本発明の第7の実施形態に係るモールド型の電力変換装置3Fの構成を示す模式図である。
【0047】
電力変換装置3Fは、図11に示す第6の実施形態に係る圧接型の電力変換装置3Eをモールド型に変えたものである。8つの直流コンデンサ2a〜2hは、ドーナツ形状に封止材6で封止されている。ドーナツ形状の真ん中に、IGBTスタック1が配置されている。その他の点は、第6の実施形態と同様である。
【0048】
本実施形態によれば、モールド型の電力変換装置3Fにおいて、第6の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
なお、各実施形態では、圧接型、モジュール型、又はモールド型のいずれか1つの構造で説明したが、いずれの構造に変更してもよい。また、IGBTに限らず、スイッチング素子であれば何でもよい。さらに、スイッチング素子の数及び直流コンデンサの数は、2以上であればいくつにしてもよい。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…IGBTスタック、2a,2b…直流コンデンサ、3…電力変換装置、Wap,Wan,Wbp,Wbn…導体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12