特許 6302687 遊技機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6302687

(24)【登録日】2018年3月9日

(45)【発行日】2018年3月28日

(54)【発明の名称】遊技機

(51)【国際特許分類】

   A63F 5/04 20060101AFI20180319BHJP

【ＦＩ】

   A63F5/04 516C

   A63F5/04 516F

【請求項の数】1

【全頁数】30

(21)【出願番号】特願2014-16667(P2014-16667)

(22)【出願日】2014年1月31日

(65)【公開番号】特開2015-142633(P2015-142633A)

(43)【公開日】2015年8月6日

【審査請求日】2016年10月13日

(73)【特許権者】

【識別番号】390031772

【氏名又は名称】株式会社オリンピア

(74)【代理人】

【識別番号】100104547

【弁理士】

【氏名又は名称】栗林 三男

(72)【発明者】

【氏名】小島 尚之

(72)【発明者】

【氏名】瀬沼 太郎

(72)【発明者】

【氏名】鈴木 義之

(72)【発明者】

【氏名】佐々木 拓也

(72)【発明者】

【氏名】岡崎 秀明

(72)【発明者】

【氏名】三澤 雄樹

【審査官】 井海田 隆

(56)【参考文献】

【文献】 特開２００２−１３６６５８（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００９−１７８４７６（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１３−０４８６６９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００２−３５５３５９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１０−１１９６２９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１３−２２６１６３（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ６３Ｆ ５／０４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、
複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常の状態より遊技者に有利な有利状態の発生を有利状態抽選の当選により決定する有利状態抽選手段と、
開始操作を契機として、前記複数の前記リールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中の前記リールを停止させる制御を行うとともに、前記役のうちの少なくとも一部である停止操作対応役が当選し、複数種の停止操作態様のうちから決められた前記停止操作態様で前記停止操作が行われた場合に所定の停止図柄組み合わせとなる態様で前記リールを停止させることを可能とするリール制御手段と、
前記有利状態抽選手段で前記有利状態抽選に当選した後に、前記内部抽選により有利状態開始用停止操作対応役が当選したことに基づいて、前記有利状態を開始する有利状態開始制御手段とを備え、
前記リール制御手段は、前記内部抽選により前記有利状態開始用停止操作対応役が当選し、複数種の前記停止操作態様のうちから決められた前記停止操作態様で前記停止操作が行われた場合に、特定の前記停止図柄組み合わせを含む複数種の所定の前記停止図柄組み合わせのうちのいずれかの前記停止図柄組み合わせとするように各リールの停止を制御する遊技機において、
前記開始操作から前記リール毎の前記停止操作のうちの最後に停止させる前記リールの前記停止操作となる最終停止操作までの間で、所定の時間測定開始時から所定の時間測定終了時までにかかる停止操作時間を測定する停止操作時間測定手段と、
前記有利状態開始用停止操作対応役が当選したことに基づいて特定の前記停止図柄組み合わせで前記リールが停止したか否かを判定する特定停止図柄組み合わせ判定手段と、
前記特定停止図柄組み合わせ判定手段により特定の前記停止図柄組み合わせで前記リールが停止したと判定された場合に、当該判定がなされた前記遊技における前記停止操作時間測定手段で測定された前記停止操作時間に基づいて特典を付与する特典付与手段とを備え、
前記有利状態開始制御手段は、前記有利状態開始用停止操作対応役が当選した場合に特定の前記停止図柄組み合わせによる入賞または非入賞に係わらずに、前記有利状態を開始し、
前記特典付与手段は、前記有利状態開始用停止操作対応役が当選した場合に特定の前記停止図柄組み合わせによる入賞があった場合にだけ、前記特典の付与に関する処理を行うことを特徴とする遊技機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、遊技機に関する。

【背景技術】

【0002】

従来から外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機（回胴式遊技機、スロットマシン）が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン（有効ライン）上に表示された図柄組み合わせによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。すなわち、有効ライン上に内部抽選で当選した役に対応する図柄組み合わせで図柄が停止すると役が入賞したことになり、メダルの払い出しなどが行われる。また、役には、入賞するとボーナスゲームを発生させるビッグボーナス等のボーナス役がある。

【0003】

近年では、役の入賞を補助する入賞補助演出を所定条件下で実行することによって、役の入賞確率を変動させ、入賞補助演出が実行可能な遊技区間においてメダル等の遊技媒体を獲得し易くするアシストタイム遊技を行うことができる遊技機が好評を博している。
この手法では、遊技媒体の払い出しに関わる小役の当選確率を変動させずに小役の入賞率を変化させることができるため、遊技機側で遊技媒体の獲得率の調整がし易いという利点がある。

【0004】

スロットマシンにおいては、上述の役の当選後、上述のように有効ライン上に所定の図柄組み合わせで図柄を停止させると役が入賞となる。リールの停止制御においては、役が当選すると、当選した役に対応する図柄組み合わせで有効ライン上に図柄が停止するように図柄を引き込む制御等が行われるが、遊技者の停止操作のタイミングによっては役が入賞しない場合がある。

【0005】

すなわち、スロットマシンにおいては、役の当選が内部抽選により確率的に決定されても、遊技者の停止操作とそれに基づくスロットマシン側の停止制御によっては、入賞しない役があり、遊技者が役の入賞と非入賞とに技術的に介入できるようになっている。

【0006】

なお、役が当選した状態のスロットマシンのリールの停止制御においては、基本的に役が成立するように引き込み制御を行っており、例えば、遊技者の停止操作から１９０ｍｓまでの範囲で、リールの停止を遅らせて有効ライン上に入賞となる図柄を引き込む制御が行われている。

【0007】

この場合に、役が入賞となる場合に、遊技者の停止操作のタイミングが、引き込み制御なしで入賞となる図柄が有効ラインに停止するタイミングに対して早いほど、停止操作から図柄停止までのリールの回転量が多くなる。この停止操作から図柄停止までのリールの回転量が少ないほど、遊技者の停止操作のタイミングの精度が高いことになり、このリールの回転量が少ない場合に、特別な演出が行われたり、通常遊技から特別遊技に移行したり、抽選確率が低確率から高確率になったりする遊技機が知られている（例えば、特許文献１参照）。

【0008】

また、スロットマシンでは、基本的に遊技者の停止操作により回転するリールが停止することによって１回の遊技が終了することになるので、遊技者によって、１回の遊技にかかる時間が異なる。

【0009】

ここで、スロットマシンの稼働率を考慮した場合に、単位時間当たりの遊技数が多いほど稼働率が高くなるので、遊技店における遊技機の稼働率を上げるためには、遊技者が短い時間間隔で遊技を順次開始するとともに速い停止操作を行うことが好ましい。

【0010】

そこで、このような遊技時間に係わる操作に基づいて、遊技者に特典を付与したり、逆に遊技者への利益を減少させたりするような遊技機が知られている。例えば、一部の遊技者は、リールの停止操作として、ストップボタンを押下した際に、長い時間押下した状態を維持した後にストップボタンを離す操作を行う場合があり、この場合も単位時間当たりの遊技回数の減少につながる。このようなストップボタンを長く押す動作を抑制するためにストップボタンの押下時間を測定し、押下時間が所定時間の倍数となる度に、小役の入賞に基づく遊技媒体の払い出し枚数を１つずつ減らすことが提案されている（例えば、特許文献２参照）。

【0011】

また、所謂チャレンジタイムの開始から終了までの消化時間を測定し、この消化時間が短い場合に遊技者に特典を付与する遊技機が提案されている（例えば、特許文献３参照）。
また、遊技者の操作による遊技のスタートからストップまでの消化時間を計測し、この消化時間に応じて、遊技者の遊技レベルを判定し、この遊技レベルに応じて、遊技者に情報を提供する遊技機が提案されている（例えば、特許文献４参照）。

【0012】

また、アシストタイムにおける遊技の消化時間を計測し、消化時間が規定時間より短ければ、アシストタイムとなる遊技回数を増やす遊技機が提案されている（例えば、特許文献５参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0013】

【特許文献1】特開２００２−３３６４２０号公報

【特許文献2】特開２００８−２３７４８３号公報

【特許文献3】特開２００９−１７８４３５号公報

【特許文献4】特開２００９−１７８４７６号公報

【特許文献5】特開２０１０−１２５１８７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0014】

ところで、スロットマシンにおいては、役として、上述のボーナス役があり、ボーナス役が入賞すると、ボーナスゲームが開始される。ここで、上述のアシストタイム遊技を行うアシストタイムの開始に際し、ビッグボーナスが入賞したような演出を行うものが知られている。すなわち、アシストタイムの開始をボーナス役の入賞に見立てた演出を行うようになっている。従来のビッグボーナスの入賞では、複数のリール上に設定された有効ライン上に数字の７を描いた７図柄が並んで停止するものが一般的である。

【0015】

そこで、上述のようにアシストタイム開始をビッグボーナスの入賞に見立てるために、例えば、有効ラインから外れたライン上でかつ遊技者から視認可能なライン上に７図柄を揃わせることが可能な演出を行っている。すなわち、スロットマシンのリールの停止制御において、各リールの停止タイミングが所定範囲の停止タイミングとなっている場合に７図柄が１列に揃うように制御されている。

【0016】

しかし、アシストタイム開始時に上述のように７図柄が１列に揃わなくてもアシストタイムが開始される。したがって、遊技者は、擬似ボーナスゲームの発生に７図柄を揃える必要がないことを知ってしまうと、７図柄を揃えるような停止操作をすることなく、アシストタイムを開始させる場合がある。

【0017】

ここで、スロットマシンの面白さの１つは、当選した役を入賞させるための図柄組み合わせを停止操作のタイミングにより有効ラインに揃えることであり、ボーナス役の図柄組み合わせを有効ラインに揃えることを楽しみにしている遊技者も多くいると思われる。
しかし、上述のように擬似ボーナスの開始時に７図柄を揃える必要がないことが分っているのに、７図柄をわざわざ揃えることに抵抗を感じてしまい、７図柄を揃えることが楽しいのにも関わらず、７図柄をあえて揃えない遊技者もいると思われ、遊技の楽しみが減ってしまうことになる。

【0018】

本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、開始時に特定の停止図柄組み合わせ（停止態様）でリールを停止可能で、かつ、特定の停止図柄組み合わせでリールを停止させることが開始条件ではない有利状態の開始時に、特定の停止図柄組み合わせで各リールの回転を停止できた場合に、リールの停止操作にかかった時間に基づいて遊技者に特典を付与可能とする遊技機を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0019】

前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、
複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常の状態より遊技者に有利な有利状態の発生を有利状態抽選の当選により決定する有利状態抽選手段と、
開始操作を契機として、前記複数の前記リールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中の前記リールを停止させる制御を行うとともに、前記役のうちの少なくとも一部である停止操作対応役が当選し、複数種の停止操作態様のうちから決められた前記停止操作態様で前記停止操作が行われた場合に所定の停止図柄組み合わせとなる態様で前記リールを停止させることを可能とするリール制御手段と、
前記有利状態抽選手段で前記有利状態抽選に当選した後に、前記内部抽選により有利状態開始用停止操作対応役が当選したことに基づいて、前記有利状態を開始する有利状態開始制御手段とを備え、
前記リール制御手段は、前記内部抽選により前記有利状態開始用停止操作対応役が当選し、複数種の前記停止操作態様のうちから決められた前記停止操作態様で前記停止操作が行われた場合に、特定の前記停止図柄組み合わせを含む複数種の所定の前記停止図柄組み合わせのうちのいずれかの前記停止図柄組み合わせとするように各リールの停止を制御する遊技機において、
前記開始操作から前記リール毎の前記停止操作のうちの最後に停止させる前記リールの前記停止操作となる最終停止操作までの間で、所定の時間測定開始時から所定の時間測定終了時までにかかる停止操作時間を測定する停止操作時間測定手段と、
前記有利状態開始用停止操作対応役が当選したことに基づいて特定の前記停止図柄組み合わせで前記リールが停止したか否かを判定する特定停止図柄組み合わせ判定手段と、
前記特定停止図柄組み合わせ判定手段により特定の前記停止図柄組み合わせで前記リールが停止したと判定された場合に、当該判定がなされた前記遊技における前記停止操作時間測定手段で測定された前記停止操作時間に基づいて特典を付与する特典付与手段とを備えることを特徴とする。

【0020】

このような構成によれば、有利状態の開始時に特定の停止図柄組み合わせでリールを停止可能で、かつ、特定の停止図柄組み合わせでリールを停止することが有利状態の開始条件でない場合に、特定の停止図柄組み合わせを発生させることで、リールの停止操作にかかった時間に基づいて遊技者に特典を付与することにより、有利状態開始時に特定の停止図柄組み合わせを狙ってリールの停止操作を行う動機を遊技者に与えることができる。

【0021】

すなわち、有利状態の開始に必要なくても、特定の停止図柄組み合わせを発生させることにより特典が付与される可能性があるので、特定の停止図柄組み合わせとなるようにリールの停止操作を行う遊技者が増えることになる。
この場合に、これら遊技者は、特定の停止図柄組み合わせを発生させるように停止操作を行うことによる本来のスロットマシンの楽しみを得られることになる。

【発明の効果】

【0022】

本発明によれば、有利状態の開始時に発生させることが可能であっても有利状態の開始には必要のない特定の停止図柄組み合わせを発生させることにより、この際の停止操作にかかった時間に基づいて特典が付与されるので、遊技者が特定の停止図柄組み合わせが発生するようにリールの停止操作を行うことを促すことができる。促された遊技者は、特典を付与される可能性が生じるとともに、特定の停止図柄組み合わせを狙って停止操作を行うことで、遊技をより楽しむことができる。

【図面の簡単な説明】

【0023】

【図1】本発明の実施の形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。

【図2】同、遊技機の機能ブロックを説明する図である。

【図3】同、遊技機における内部抽選テーブルを説明する図である。

【図4】同、遊技機における内部抽選での小役の当選態様を説明する図である。

【図5】同、遊技機における内部抽選でのリプレイの当選態様を説明する図である。

【図6】同、遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。

【図7】同、遊技機におけるストップボタンの押下順序と入賞役との関係を説明する図である。

【図8】同、遊技機におけるストップボタンの押下順序と入賞役との関係を説明する図である。

【図9】同、遊技機における停止態様の例を説明する図である。

【図10】同、遊技機における停止態様の例を説明する図である。

【図11】同、遊技機における停止態様の例を説明する図である。

【図12】同、遊技機における停止態様の例を説明する図である。

【図13】同、遊技機における遊技状態の状態遷移図である。

【図14】同、遊技機における演出状態の状態遷移図である。

【発明を実施するための形態】

【0024】

以下、本実施の形態について説明する。なお、以下に説明する本実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施の形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。

【0025】

図１は、本発明の実施の形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施の形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。

【0026】

本実施の形態の遊技機は、収納箱ＢＸ、前面上扉ＵＤ、および前面下扉ＤＤからなる箱形の筐体内に第１リールＲ１〜第３リールＲ３（複数のリール）からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット（図示省略）が収められている。また、本実施の形態の遊技機の筐体内には、ＣＰＵ、ＲＯＭ（情報記憶媒体の一例）、ＲＡＭ等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。

【0027】

図１に示す第１リールＲ１〜第３リールＲ３は、それぞれ外周面が一定の間隔で２１の領域（各領域を「コマ」と称する）に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第１リールＲ１〜第３リールＲ３は、ステッピングモータ（リール駆動手段：図示省略）に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位（所定の回転角度単位、所定の回転量単位）で停止可能に設けられている。すなわち本実施の形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第１リールＲ１〜第３リールＲ３を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第１リールＲ１〜第３リールＲ３が停止する。

【0028】

前面上扉ＵＤと前面下扉ＤＤとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉ＵＤには第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転状態および停止状態を観察可能にする表示窓ＤＷが設けられている。第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止状態では、第１リールＲ１〜第３リールＲ３それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている３つの図柄（上段図柄、中段図柄、下段図柄）を遊技機の正面から表示窓ＤＷを通じて観察できるようになっている。

【0029】

また、本実施の形態の遊技機では、表示窓ＤＷを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組み合わせによって有効ラインが設定される。なお、本実施の形態の遊技機では、１回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が３枚または２枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第１リールＲ１〜第３リールＲ３のそれぞれの上段によって構成される有効ラインＬ１が有効化される。なお、本実施の形態の遊技機では、規定投入数が遊技状態に応じて異なっており、通常状態およびボーナス成立状態については、規定投入数が３枚に設定され、ボーナス状態については、規定投入数が２枚に設定される。

【0030】

遊技結果は、表示窓ＤＷ内の有効ラインに停止表示された図柄組み合わせによって判断され、有効ライン上の図柄組み合わせが予め定められた役に対応した図柄組み合わせである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。

【0031】

また、前面上扉ＵＤには、遊技情報表示部ＤＳが設けられている。遊技情報表示部ＤＳは、ＬＥＤ、ランプ、７セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、１回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。

【0032】

また、前面上扉ＵＤには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイＬＣＤが設けられている。この液晶ディスプレイＬＣＤには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像（または画像）が表示される。また、本実施の形態の遊技機では、前面上扉ＵＤや前面下扉ＤＤに対して、遊技演出を行うためのスピーカ（図示省略）が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。

【0033】

また、前面下扉ＤＤには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット（貯留）されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン（投入操作手段）Ｂ０、第１リールＲ１〜第３リールＲ３を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー（遊技開始操作手段）ＳＬ、ステッピングモータにより回転駆動されている第１リールＲ１〜第３リールＲ３のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン（停止操作手段）Ｂ１〜Ｂ３などが設けられている。

【0034】

本実施の形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口ＭＩに投入するか、ベットボタンＢ０を押下する操作を行うことで、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーＳＬを押下すると、制御基板において第１リールＲ１〜第３リールＲ３をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作が許可（有効化）される。

【0035】

その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下していくと、ストップボタンＢ１〜Ｂ３のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ（停止信号出力手段：例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど）がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。

【0036】

また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンＢ１〜Ｂ３を解放すると、ストップボタンＢ１〜Ｂ３それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。

【0037】

制御基板は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミングおよび解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる。

【0038】

また、前面下扉ＤＤの下部には、メダル払い出し口ＭＯとメダル受け皿ＭＰとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口ＭＯからメダル受け皿ＭＰへ払い出されるようになっている。

【0039】

図２は、本実施の形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施の形態の遊技機は、遊技制御手段（制御基板）１００によって制御される。遊技制御手段１００は、メダル投入スイッチ２１０、ベットスイッチ２２０、スタートスイッチ２３０、ストップスイッチ２４０等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット３１０、ホッパーユニット３２０、表示装置３３０、音響装置３４０等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段１００の機能は各種のプロセッサ（ＣＰＵ、ＤＳＰなど）、ＡＳＩＣ（ゲートアレイなど）、ＲＯＭ（情報記憶媒体の一例）、あるいはＲＡＭなどのハードウェアや、ＲＯＭなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。

【0040】

遊技制御手段１００は、投入受付手段１０５、乱数発生手段１１０、内部抽選手段１２０、リール制御手段１３０、入賞判定手段１４０、払出制御手段１５０、リプレイ処理手段１６０、遊技状態移行制御手段１７０、演出制御手段１８０、記憶手段１９０を含む。

【0041】

投入受付手段１０５は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数（３枚または２枚）に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーＳＬ（遊技開始操作手段）に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお、本実施の形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーＳＬの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。

【0042】

また、本実施の形態の遊技機では、メダル投入口ＭＩにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ２１０が作動することに伴って、投入受付手段１０５が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、本実施の形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンＢ０が押下されると、ベットスイッチ２２０が作動することに伴って、投入受付手段１０５が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。

【0043】

乱数発生手段１１０は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ（所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ）のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施の形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。

【0044】

内部抽選手段１２０は、遊技者がスタートレバーＳＬに対する遊技開始操作（有効化されたスタートレバーＳＬへの最初の押下操作）により作動するスタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。

【0045】

抽選テーブル選択処理では、記憶手段１９０の内部抽選テーブル記憶手段１９１に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施の形態の遊技機では、内部抽選テーブル記憶手段１９１に、図３に示すような３種類の抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣが記憶されている。そして、各抽選テーブルでは、複数の乱数値（例えば、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値）のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ（不当選）が対応付けられている。

【0046】

なお、本実施の形態の遊技機では、小役として、正解ベル、不正解ベル１〜不正解ベル６、特殊小役１、特殊小役２が用意されており、小役の当選態様として、図４に示すように、打順ベル１〜打順ベル１２が設定されている。これらの小役の当選態様は、図４に示すように、複数種類の小役が重複して当選するように同一の乱数値に対して当選態様に応じた複数種類の小役が対応付けられていることを意味している。そして、本実施の形態の打順ベルにおいては、正解ベルが必ず含まれ、正解ベルと重複して当選する不正解ベルと特殊小役の組み合わせが互いに異なっている。

【0047】

また、本実施の形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ１〜リプレイ１５が用意されており、リプレイの当選態様として、図５に示すように、通常リプレイ、打順リプレイ１〜打順リプレイ１１、弱スイカ、強スイカ、弱チャンスリプレイ、強チャンスリプレイが設定されている。これらのリプレイの当選態様は、１回の内部抽選で複数種類のリプレイが重複して当選するように同一の乱数値に対して当選態様に応じた複数種類のリプレイが対応付けられていることを意味する。そして、本実施の形態の遊技機では、図５に示すように、各リプレイの当選態様において、重複して当選するリプレイの組み合わせが互いに異なっている。

【0048】

また、本実施の形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス（ＢＢ）が用意されており、内部抽選テーブルＡでは、ビッグボーナス（ＢＢ）が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルＢおよび内部抽選テーブルＣでは、ビッグボーナス（ＢＢ）が抽選対象から除外されている。

【0049】

また、本実施の形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて内部抽選テーブルＡ〜内部抽選テーブルＣのいずれか１つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。

【0050】

乱数判定処理では、スタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段１１０から乱数値（抽選用乱数）を取得し、取得した乱数値について記憶手段１９０の内部抽選テーブル記憶手段１９１に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。

【0051】

抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態（第１のフラグ状態、オフ状態）から当選状態（第２のフラグ状態、オン状態）に設定する。本実施の形態の遊技機では、２種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した２種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、記憶手段１９０の抽選フラグ記憶手段１９２に格納される。

【0052】

また、本実施の形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ（持越可能フラグ）と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ（持越不可フラグ）とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応付けられる役としては、ビッグボーナス（ＢＢ）があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応付けられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）に当選すると、ビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段１２０は、ビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる２種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。

【0053】

リール制御手段１３０は、遊技者がスタートレバーＳＬへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転駆動を開始し、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が所定速度（約８０ｒｐｍ：１分間あたり約８０回転となる回転速度）で定常回転しているリールに対応するストップボタンＢ１〜Ｂ３（停止操作手段）を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第１リールＲ１〜第３リールＲ３を抽選フラグの設定状態（内部抽選の結果）に応じた態様で停止させる制御を行う。

【0054】

リール制御手段１３０は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下することによりストップスイッチ２４０が作動すると、ストップスイッチ２４０からのリール停止信号に基づいて、リールユニット３１０のステッピングモータへの駆動パルス（モータ駆動信号）の供給を停止することにより、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の各リールを停止させる制御を行う。

【0055】

すなわち、リール制御手段１３０は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の各ボタンが押下される毎に、第１リールＲ１〜第３リールＲ３のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお、本実施の形態の遊技機では、ストップボタンＢ１を押下することが第１リールＲ１を停止させるための操作に対応し、ストップボタンＢ２を押下することが第２リールＲ２を停止させるための操作に対応し、ストップボタンＢ３を押下することが第３リールＲ３を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施の形態の遊技機では、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下順序が変化すると、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止順序が変化する。

【0056】

また、本実施の形態の遊技機では、原則的には、第１リールＲ１〜第３リールＲ３について、ストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下された時点から１９０ｍｓ以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止し、ボーナス状態では、例外的に第１リールＲ１について、ストップボタンＢ１が押下された時点から７５ｍｓ以内に停止し、第２リールＲ２および第３リールＲ３について、ストップボタンＢ２，Ｂ３が押下された時点から１９０ｍｓ以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そして、ストップボタンの押下時点から１９０ｍｓ以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が０コマ〜４コマの範囲（所定の引き込み範囲、第１の引き込み範囲）で決定される。また、ストップボタンの押下時点から７５ｍｓ以内に回転中のリールを停止させる場合には、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が０〜１コマの範囲（所定の引き込み範囲より狭い引き込み範囲、第２の引き込み範囲）で決定される。そして、リール制御手段１３０は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して０コマ〜４コマの範囲内（１９０ｍｓ以内に停止させる場合）、あるいは０コマ〜１コマの範囲内（７５ｍｓ以内に停止させる場合）に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。

【0057】

そして、本実施の形態では、図６に示すように、リールユニット３１０を構成する第１リールＲ１〜第３リールＲ３の外周面に対して、赤７図柄「赤７」、ＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」、特殊図柄「ＳＰ」、リプレイ図柄「ＲＰ」、ベル図柄「ＢＬ」、スイカ図柄Ａ「ＷＭＡ」、スイカ図柄Ｂ「ＷＭＢ」、スイカ図柄Ｃ「ＷＭＣ」、およびスイカ図柄Ｄ「ＷＭＤ」が配列されており、押下検出位置から４コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において４コマ以内の間隔で配列されている図柄（例えば、リプレイ図柄「ＲＰ」やベル図柄「ＢＬ」）について、押下検出位置に関わらずに、任意の表示位置に表示させることができるようになっている。

【0058】

また、リール制御手段１３０は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求める処理（ロジック演算処理）と、記憶手段１９０の停止制御テーブル記憶手段１９３に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理（テーブル参照処理）とを行っている。

【0059】

まず、ロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ２４０の作動時点（ストップボタンの押下が検出された時点）におけるリールの位置である押下検出位置から０コマ〜４コマの範囲内に存在する５コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。なお、ボーナス状態では、第１リールＲ１については押下検出位置から０コマ〜１コマの範囲内に存在する２コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求め、第２リールＲ２および第３リールＲ３については上記と同様に押下検出位置に対応する５コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。

【0060】

特に本実施の形態の遊技機では、「リプレイ＞小役＞ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算処理では、２種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。

【0061】

なお、本実施の形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先度は、有効ライン上に表示可能な図柄組み合わせの数に応じて優先度を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める場合とが存在し、有効ライン上に表示可能な図柄組み合わせの数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組み合わせの数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求め、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置（配当が多い小役を入賞させることができる停止位置）ほど、優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。

【0062】

そして、本実施の形態では、打順ベルが当選した場合に、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下順序に応じたロジック演算が行われる。具体的には、打順ベル１〜打順ベル１２のそれぞれに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる順序が不正解打順として扱われ、本実施の形態ではいずれの打順ベルにおいてもストップボタンＢ１を最初に押下する順序（打順１，２）が不正解打順となっている。そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、メダルの払出数に応じて優先度を求めるロジック演算を行い、メダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、有効ライン上に表示可能な図柄組み合わせの種類に応じて停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算を行い、最も多くの入賞形態を構成する図柄組み合わせを表示させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。なお、本実施の形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、最初のリールを停止させる際にはメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補が最も多くの入賞形態を構成する図柄組み合わせを表示させることができる停止位置の候補となっており、２番目以降に停止するリールにおいても正解打順である場合には引き続きメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が高くなり、２番目以降に停止するリールにおいて不正解打順に転じた場合には最も多くの入賞形態を構成する図柄組み合わせを表示させることができる停止位置の候補の優先度が高くなるようになっている。

【0063】

そして、本実施の形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、メダルの払出数が最も多くなる正解ベルを入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順であってストップボタンＢ１が最初に押下される順序でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組み合わせの数が最も多くなる不正解ベルを入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順であってストップボタンＢ２やストップボタンＢ３が最初に押下される順序でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組み合わせの数が最も多くなる特殊小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。

【0064】

また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段１３０は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。

【0065】

また、本実施の形態の遊技機では、リールユニット３１０がフォトセンサからなるリールインデックス３１５を備えており、リール制御手段１３０は、リールが１回転する毎にリールインデックス３１５で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置（リールインデックス３１５によって検出されるコマ）からの回転角度（ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数）を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段１３０は、ストップスイッチ２４０の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。

【0066】

テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、記憶手段１９０の停止制御テーブル記憶手段１９３に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。

【0067】

ここで、停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ２４０の作動時点（ストップボタンの押下が検出された時点）におけるリールの位置である押下検出位置と、停止位置との対応関係が設定されている。なお、停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と押下検出位置から停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよい。

【0068】

そして、内部抽選で打順ベル１〜打順ベル１２のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図７に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順が設定されており、正解打順いずれと異なる押下順序は不正解打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順ベル１〜打順ベル６のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、正解打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、正解ベルが入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順であってストップボタンＢ１が最初に押下される順序でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、不正解ベルが入賞する場合と、いずれの役も入賞しない場合（取りこぼし）とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順であってストップボタンＢ２やストップボタンＢ３が最初に押下される順序でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、特殊小役１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。また、本実施の形態では、打順ベル７〜打順ベル１２のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、正解打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、正解ベルが入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順であってストップボタンＢ１が最初に押下される順序でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、不正解ベルが入賞する場合と、いずれの役も入賞しない場合（取りこぼし）とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順であってストップボタンＢ２やストップボタンＢ３が最初に押下される順序でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、特殊小役２が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。このように本実施の形態では、打順ベルの当選時に参照される停止制御テーブルにおいて、正解打順では最も多くのメダルが払い出されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順では有効ライン上に表示可能な図柄組み合わせの数が最も多くなるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。

【0069】

なお、本実施の形態では、正解ベルが入賞する場合に、図７（Ｂ）に示すように、各リールの中段の表示位置からなる無効ライン（入賞判定の対象とはならないライン）にベル図柄「ＢＬ」が揃って表示され、いずれかの不正解ベルが入賞する場合に、図７（Ｃ）に示すように、各リールの下段の表示位置からなる無効ラインにベル図柄「ＢＬ」が揃って表示されるようになっている。

【0070】

また、内部抽選で打順リプレイ１が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第１特定打順（スイカ揃いやチャンス目の停止態様（停止図柄組み合わせ態様）を出現可能とする操作順序）に設定され、ストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４が第２特定打順（７揃い、７揃い煽りの停止態様を出現可能とする操作順序）に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２は非特定打順（スイカ揃い、チャンス目、７揃い、７揃い煽りの停止態様を出現させることができない操作順序）として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ１が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第１特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図９（Ａ）〜図９（Ｃ）に示すような水平スイカ揃いの停止態様を伴うリプレイ２、リプレイ３、またはリプレイ６の入賞を優先し、第２特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１１（Ｂ）や図１１（Ｃ）に示すようなシングル７揃いの停止態様を伴うリプレイ６またはリプレイ１０の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ１の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第２特定打順で停止操作が行われた場合に、図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ１０が入賞することが回避されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。また、本実施の形態では、弱スイカの当選時において、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下順序に関わらずに、図９（Ａ）〜図９（Ｃ）に示すような水平スイカ揃いの停止態様を伴ってリプレイ２、リプレイ３、またはリプレイ６を入賞させることができるようになっている。

【0071】

また、内部抽選で打順リプレイ２が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第１特定打順に設定され、ストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４が第２特定打順に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２は非特定打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ２が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第１特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図９（Ｄ）や図９（Ｅ）に示すような斜めスイカ揃いの停止態様を伴うリプレイ４またはリプレイ５の入賞を優先し、第２特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を伴うリプレイ１０の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ２の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第２特定打順で停止操作が行われた場合に、図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ１０を入賞させることができなくても図１１（Ｂ）や図１１（Ｃ）に示すようなシングル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ６やリプレイ１０を入賞させることができるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。また、本実施の形態では、強スイカの当選時において、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下順序に関わらずに、図９（Ｄ）や図９（Ｅ）に示すような斜めスイカ揃いの停止態様を伴ってリプレイ４またはリプレイ５を入賞させることができるようになっている。

【0072】

また、内部抽選で打順リプレイ３が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第１特定打順に設定され、ストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４が第２特定打順に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２は非特定打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ３が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第１特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１０（Ａ）、図１０（Ｂ）、図１０（Ｃ）、および図１０（Ｄ）に示すような弱チャンス目の停止態様を伴うリプレイ７、リプレイ９、およびリプレイ１４の入賞を優先し、第２特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１１（Ｂ）や図１１（Ｃ）に示すようなシングル７揃いの停止態様を伴うリプレイ６またはリプレイ１０の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ３の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第２特定打順で停止操作が行われた場合に、図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ１０が入賞することが回避されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。また、本実施の形態では、弱チャンスリプレイの当選時において、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下順序に関わらずに、図１０（Ａ）、図１０（Ｂ）、図１０（Ｃ）、および図１０（Ｄ）に示すような弱チャンス目の停止態様を伴ってリプレイ７、リプレイ９、およびリプレイ１４を入賞させることができるようになっている。

【0073】

また、内部抽選で打順リプレイ４が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第１特定打順に設定され、ストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４が第２特定打順に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２は非特定打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ４が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第１特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１０（Ｅ）、図１０（Ｆ）、図１０（Ｇ）、および図１０（Ｈ）に示すような強チャンス目の停止態様を伴うリプレイ９、リプレイ１０、リプレイ１２、およびリプレイ１３の入賞を優先し、第２特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を伴うリプレイ１０の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ４の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第２特定打順で停止操作が行われた場合に、図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ１０を入賞させることができなくても図１１（Ｂ）や図１１（Ｃ）に示すようなシングル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ６やリプレイ１０を入賞させることができるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。また、本実施の形態では、強チャンスリプレイの当選時において、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下順序に関わらずに、図１０（Ｅ）、図１０（Ｆ）、図１０（Ｇ）、および図１０（Ｈ）に示すような強チャンス目の停止態様を伴ってリプレイ９、リプレイ１０、リプレイ１２、およびリプレイ１３を入賞させることができるようになっている。

【0074】

また、内部抽選で打順リプレイ５が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第２特定打順に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２とストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４は非特定打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ５が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第２特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１１（Ｄ）に示すような７揃い煽りの停止態様を伴うリプレイ１０の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ５の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第２特定打順で停止操作が行われた場合に、図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ１０が入賞すること、および図１１（Ｂ）に示すようなシングル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ１０が入賞することが回避されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。

【0075】

また、内部抽選で打順リプレイ６が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４とストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第２特定打順に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２は非特定打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ６が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第２特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１１（Ｂ）や図１１（Ｃ）に示すようなシングル７揃いの停止態様を伴うリプレイ６またはリプレイ１０の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ６の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第２特定打順で停止操作が行われた場合に、図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ１０が入賞することが回避されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。

【0076】

また、内部抽選で打順リプレイ７が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４とストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第２特定打順に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２は非特定打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ７が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第２特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を伴うリプレイ１０の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ７の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第２特定打順で停止操作が行われた場合に、図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ１０を入賞させることができなくても図１１（Ｂ）や図１１（Ｃ）に示すようなシングル７揃いの停止態様を伴ってリプレイ６やリプレイ１０を入賞させることができるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。

【0077】

また、内部抽選で打順リプレイ８が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第３特定打順に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２とストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４は非特定打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ８が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第３特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１２（Ｃ）に示すようなバー揃い煽りの停止態様を伴うリプレイ１１の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ８の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第３特定打順で停止操作が行われた場合に、第３リールＲ３を停止させる時点においてＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」を上段の表示位置に引き込めない場合にはリプレイ図柄「ＲＰ」を有効ライン上に引き込み、残りのリールについても上段の表示位置にリプレイ図柄「ＲＰ」を引き込むことによってリプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。

【0078】

また、内部抽選で打順リプレイ９が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第３特定打順に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２とストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４は非特定打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ９が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第３特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１２（Ｃ）に示すようなバー揃い煽りの停止態様を伴うリプレイ１１の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ９の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第３特定打順で停止操作が行われた場合に、第３リールＲ３を停止させる時点においてＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」を上段の表示位置に引き込めない場合にはリプレイ図柄「ＲＰ」を有効ライン上に引き込み、残りのリールについても上段の表示位置にリプレイ図柄「ＲＰ」を引き込むことによってリプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。また、打順リプレイ９の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第３特定打順で停止操作が行われた場合に、図１２（Ａ）に示すような中段バー揃いの停止態様を伴ってリプレイ１３が入賞することや、図１２（Ｂ）に示すような斜めバー揃いの停止態様を伴ってリプレイ１２が入賞することが回避されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。

【0079】

なお、本実施の形態では、打順リプレイ９の当選時には、打順リプレイ８の当選時と同様にバー揃い煽りの停止態様を伴ってリプレイ１１が入賞するが、次回の遊技におけるスタートレバーＳＬに対する遊技開始操作を契機として第１リールＲ１〜第３リールＲ３を通常とは逆方向に回転を開始した後にストップボタンに対する停止操作を無効化したまま遊技者の操作に依らずに斜めバー揃いの停止態様で各リールを一時停止させる逆転バー揃い演出が実行される。このときリール制御手段１３０は、逆回転している各リールに関してリールインデックス３１５で検出される基準位置信号に基づいて、現在の第１リールＲ１〜第３リールＲ３の位置関係を取得し、斜めバー揃いの位置関係となるように調整して一時停止させる。そして、逆転バー揃い演出が完了すると、通常の回転方向で各リールを定常回転させて各リールに対応するストップボタンに対する停止操作が有効化される。

【0080】

また、内部抽選で打順リプレイ１０が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４とストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第３特定打順に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２は非特定打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ１０が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第３特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１２（Ｂ）に示すような斜めバー揃いの停止態様を伴うリプレイ１２の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ１０の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第３特定打順で停止操作が行われた場合に、第２リールＲ２を最初に停止させる際にＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」を中段の表示位置に引き込めない場合にはリプレイ図柄「ＲＰ」を上段の表示位置に引き込み、残りのリールについても上段の表示位置にリプレイ図柄「ＲＰ」を引き込むことによってリプレイ１が入賞し、第３リールＲ３を最初に停止させる際にＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」を上段の表示位置に引き込めない場合にはリプレイ図柄「ＲＰ」を上段の表示位置に引き込み、残りのリールについても上段の表示位置にリプレイ図柄「ＲＰ」を引き込むことによってリプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。

【0081】

また、内部抽選で打順リプレイ１１が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図８に示すように、ストップボタンＢ２を最初に押下する打順３，４とストップボタンＢ３を最初に押下する打順５，６が第３特定打順に設定されており、ストップボタンＢ１を最初に押下する打順１，２は非特定打順として扱われる。そして、本実施の形態では、打順リプレイ１１が当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、第３特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、図１２（Ａ）に示すような中段バー揃いの停止態様を伴うリプレイ１３の入賞を優先し、非特定打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されると、リプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお、打順リプレイ１１の当選時に参照される停止制御テーブルにおいては、第３特定打順で停止操作が行われた場合に、第２リールＲ２を最初に停止させる際にＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」を中段の表示位置に引き込めない場合にはリプレイ図柄「ＲＰ」を上段の表示位置に引き込み、残りのリールについても上段の表示位置にリプレイ図柄「ＲＰ」を引き込むことによってリプレイ１が入賞し、第３リールＲ３を最初に停止させる際にＢＡＲ図柄「ＢＡＲ」を中段の表示位置に引き込めない場合にはリプレイ図柄「ＲＰ」を上段の表示位置に引き込み、残りのリールについても上段の表示位置にリプレイ図柄「ＲＰ」を引き込むことによってリプレイ１が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。

【0082】

入賞判定手段１４０は、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段１９０の入賞判定テーブル記憶手段１９４に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組み合わせが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組み合わせによって、ビッグボーナス（ＢＢ）、リプレイ１〜リプレイ１５、正解ベル、不正解ベル１〜不正解ベル６、特殊小役１、特殊小役２の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。

【0083】

そして、本実施の形態では、正解ベルについて、図６に示すように、第１リールにおいて正解ベルの入賞形態を構成するスイカ図柄Ａ「ＷＭＡ」と第２リールＲ２および第３リールＲ３において正解ベルの入賞形態を構成するリプレイ図柄「ＲＰ」が、押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。

【0084】

また、本実施の形態では、不正解ベル１〜不正解ベル６に対して、第１リールＲ１に共通の図柄（リプレイ図柄「ＲＰ」）が割り当てられている。また、本実施の形態では、正解ベルと特殊小役１に対して、第２リールＲ２に共通の図柄（リプレイ図柄「ＲＰ」）が割り当てられている。また、本実施の形態では、正解ベルと特殊小役２に対して、第３リールＲ３に共通の図柄（リプレイ図柄「ＲＰ」）が割り当てられている。また、本実施の形態では、特殊小役１と特殊小役２に対して、第１リールＲ１に共通の図柄（赤７図柄「赤７」とベル図柄「ＢＬ」）が割り当てられている。

【0085】

また、不正解ベル１〜不正解ベル６については、図６に示すように、第１リールＲ１において各不正解ベルの入賞形態を構成するリプレイ図柄「ＲＰ」が、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているが、第２リールＲ２や第３リールＲ３において各不正解ベルの入賞形態を構成する図柄が引き込み範囲に含まれない押下検出位置が存在するため、ストップボタンＢ２，Ｂ３を適切なタイミングで押下しなければ入賞させることができない役となっている。

【0086】

また、特殊小役１については、図６に示すように、第１リールＲ１において特殊小役１の入賞形態を構成するベル図柄「ＢＬ」と、第２リールＲ２において特殊小役１の入賞形態を構成するリプレイ図柄「ＲＰ」と、第３リールＲ３において特殊小役１の入賞形態を構成するベル図柄「ＢＬ」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。

【0087】

また、特殊小役２については、図６に示すように、第１リールＲ１において特殊小役２の入賞形態を構成するベル図柄「ＢＬ」と、第２リールＲ２において特殊小役２の入賞形態を構成するベル図柄「ＢＬ」と、第３リールＲ３において特殊小役２の入賞形態を構成するリプレイ図柄「ＲＰ」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。

【0088】

そして、本実施の形態の遊技機では、入賞判定手段１４０の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段１５０によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段１６０によってリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段１７０によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。

【0089】

払出制御手段１５０は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット３２０（払出装置）に払い出させる制御を行う。なお、本実施の形態では、１回の遊技でのメダルの払出数に上限（例えば、８枚）が設けられており、払出数の合計が上限を超える場合には、上限に相当する数を遊技におけるメダルの払出数として決定する。

【0090】

ホッパーユニット３２０は、払出制御手段１５０によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット３２０には、メダルを１枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ３２５が備えられており、払出制御手段１５０は、払出メダル検出スイッチ３２５からの入力信号に基づいてホッパーユニット３２０から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。

【0091】

なお、メダルのクレジット（内部貯留）が許可されている場合には、ホッパーユニット３２０によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段１９０のクレジット記憶領域（図示省略）に記憶されているクレジット数（クレジットされたメダルの数）に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。

【0092】

リプレイ処理手段１６０は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理（再遊技処理）を行う。すなわち本実施の形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル（クレジットメダルを含む）を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーＳＬに対する遊技開始操作を待機する。

【0093】

遊技状態移行制御手段１７０は、図１３に示すように、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、１の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち１の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。

【0094】

通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてビッグボーナス（ＢＢ）が当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また、通常状態では、図３に示す内部抽選テーブルＡ〜内部抽選テーブルＣのうち、リプレイの当選確率が約１／７．３に設定され、かつビッグボーナス（ＢＢ）が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルＡを参照した内部抽選が行われる。

【0095】

ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、図３に示す内部抽選テーブルＡ〜内部抽選テーブルＣのうち、リプレイの当選確率が約１／３．８に設定され、かつビッグボーナス（ＢＢ）が抽選対象から除外された内部抽選テーブルＢを参照した内部抽選が行われる。そして、ボーナス成立状態において参照される内部抽選テーブルＢでは、図３に示すように、内部抽選で不当選が発生する確率がきわめて低く、ほぼ毎回の遊技で小役あるいはリプレイが当選するようになっている。

【0096】

また、ボーナス成立状態では、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまでビッグボーナス（ＢＢ）に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段１７０は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。

【0097】

ボーナス状態は、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、図３に示す内部抽選テーブルＡ〜内部抽選テーブルＣのうち、全ての乱数値に対してハズレが対応付けられた内部抽選テーブルＣを参照した内部抽選が行われるが、内部抽選の結果に関わらずに全ての小役についての抽選フラグが強制的に当選状態に設定され、第１リールＲ１については図柄の引き込み範囲が０コマ〜１コマに設定され、第２リールＲ２と第３リールＲ３については図柄の引き込み範囲が０コマ〜４コマに設定されてリールを停止させる制御が行われる。そして、ボーナス状態では、小役の抽選フラグが内部抽選の結果に関わらずに当選状態となる点で、他の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。

【0098】

また、ボーナス状態では、ボーナス状態によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数（例えば、１０枚）を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段１７０は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。

【0099】

演出制御手段１８０は、演出データ記憶手段１９５に記憶されている演出データに基づいて、表示装置３３０（演出装置の一例）を用いて行う表示演出や音響装置３４０（演出装置の一例）を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンＢ０、スタートレバーＳＬ、ストップボタンＢ１〜Ｂ３に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやＬＥＤを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイＬＣＤの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。

【0100】

特に本実施の形態の遊技機では、演出制御手段１８０が、図１４に示すように、通常演出状態と、アシストタイム準備状態（ＡＴ準備状態）と、アシストタイム状態（ＡＴ状態）とを含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させる制御を行う。本実施の形態では、演出状態がＡＴ準備状態、ＡＴ状態（有利状態）に滞在している遊技では、演出制御手段１８０によって、打順ベルの当選時に正解打順を報知することにより正解ベルの入賞を補助する入賞補助演出が行われ、通常演出状態に滞在している遊技よりもメダルが獲得しやすい遊技を行うことができるようになっている。

【0101】

そして、有利状態抽選手段としての演出制御手段１８０は、通常演出状態において内部抽選で弱スイカ、強スイカ、弱チャンスリプレイ、強チャンスリプレイが当選したことを契機としてＡＴ抽選を行う。ＡＴ抽選では、０〜３２７６７までの３２７６８個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段１９６に記憶されているＡＴ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてＡＴ抽選に当選したか否かを判定する。ＡＴ抽選テーブルでは、例えば、０〜３２７６７までの３２７６８個の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応付けられており、ＡＴ抽選で取得した乱数値がＡＴ抽選テーブルにおいて当選に対応付けられている場合に、ＡＴ抽選に当選したと判定される。なお、本実施の形態では、ＡＴ抽選の実行契機となった内部抽選の当選態様に応じてＡＴ抽選の当選確率が異なり、弱スイカ＜弱チャンスリプレイ＜強スイカ＜強チャンスリプレイの順に当選確率が高くなるようにＡＴ抽選が行われる。

【0102】

そして、演出制御手段１８０は、ＡＴ抽選に当選したことに基づいて演出状態をＡＴ準備状態に移行させる。なお、ＡＴ抽選に当選した際に、ＡＴ状態において内部抽選の抽選結果の一部に関して取り扱いが異なる通常モードあるいは特殊モードのいずれに設定するかを決定しており、演出制御手段１８０は、通常モードでＡＴ状態へ移行させる際には図１１（Ｂ）や図１１（Ｃ）に示すようなシングル７揃いの停止態様が出現するように演出の実行制御を行い、特殊モードでＡＴ状態へ移行させる際には図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様が出現するように演出の実行制御を行う。

【0103】

そして、有利状態開始制御手段としての演出制御手段１８０は、ＡＴ準備状態において通常モードでＡＴ状態へ移行させる場合には、打順リプレイ１、打順リプレイ３、あるいは打順リプレイ６のいずれかが当選したことに基づいて第２特定打順を報知する演出を行うとともに、演出状態をＡＴ状態へ移行させる。また、有利状態開始制御手段としての演出制御手段１８０は、ＡＴ準備状態において特殊モードでＡＴ状態へ移行させる場合には、打順リプレイ２、打順リプレイ４、あるいは打順リプレイ７のいずれかが当選したことに基づいて第２特定打順を報知する演出を行うとともに、演出状態をＡＴ状態へ移行させる。なお、本実施の形態では、通常モードでＡＴ状態へ移行させる場合にＡＴ準備状態において打順リプレイ５が当選した場合には非特定打順を報知する演出が行われるが、特殊モードでＡＴ状態へ移行させる場合にＡＴ準備状態において打順リプレイ５が当選した場合には第２特定打順を報知する演出が行われる。すなわちＡＴ準備状態において実行された演出で指示された第２特定打順に沿って停止操作を行って図１１（Ｄ）に示すような７揃い煽りの停止態様が出現した場合には、その後に図１１（Ａ）に示すようなダブル７揃いの停止態様を出現させて特殊モードでのＡＴ状態の遊技を行うことができることを遊技者に報知することができるようになっている。

【0104】

また、本実施の形態では、ＡＴ状態の終了条件となる継続遊技回数が例えば、３０回に設定され、設定された継続遊技回数に相当する値（例えば、３０）がＡＴ状態へ移行させることが決定された際に終了判定カウンタ１９７に設定される。そして、演出制御手段１８０は、ＡＴ状態において、遊技毎にスタートレバーＳＬに対する遊技開始操作を契機として終了判定カウンタ１９７の記憶値から１回分の遊技に相当する一定値（例えば、１）を減算し、ＡＴ状態が終了するか否かを判定する。そして、終了判定カウンタ１９７の記憶値が閾値（例えば、０）に達したことによってＡＴ状態の終了条件が成立すると、演出制御手段１８０は、ＡＴ状態を終了させて演出状態を通常演出状態に復帰させる。

【0105】

また、本実施の形態では、演出制御手段１８０が、ＡＴ状態において内部抽選の結果に応じて上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選すると、ＡＴ状態の終了条件となる継続遊技回数に所与の遊技回数を上乗せし、上乗せされた払出数に相当する値を終了判定カウンタ１９７の記憶値に上乗せする処理を行う。

【0106】

具体的に説明すると、上乗せ抽選では、０〜３２７６７までの３２７６８個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段１９６に記憶されている上乗せ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選テーブルでは、例えば、０〜３２７６７までの３２７６８個の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応付けられており、上乗せ抽選で取得した乱数値が上乗せ抽選テーブルにおいて当選に対応付けられている場合に、上乗せ抽選に当選したと判定され、終了判定カウンタ１９７の記憶値に所与の値が上乗せされる。

【0107】

そして、本実施の形態では、上乗せ抽選の実行契機となった内部抽選の当選態様に応じて上乗せ抽選の当選確率や終了判定カウンタ１９７の記憶値に上乗せされる値が異なり、弱スイカ＝打順リプレイ１＜弱チャンスリプレイ＝打順リプレイ３＜強スイカ＝打順リプレイ２＜強チャンスリプレイ＝打順リプレイ４の順に当選確率が高くなり、弱チャンスリプレイ＝打順リプレイ３＜強チャンスリプレイ＝打順リプレイ４＜弱スイカ＝打順リプレイ１＜強スイカ＝打順リプレイ２の順に終了判定カウンタ１９７の記憶値に上乗せされる値が大きくなるように第３上乗せ抽選が行われる。

【0108】

このように、本実施の形態では、ＡＴ状態において特殊モードである場合には、通常モードである場合とは異なり、弱スイカ、強スイカ、弱チャンスリプレイ、強チャンスリプレイの当選時のみならず打順リプレイ１、打順リプレイ２、打順リプレイ３、打順リプレイ４の当選時においても上乗せ抽選が実行されるため、終了判定カウンタ１９７の記憶値に対する上乗せの機会をより多く得ることができる。

【0109】

また、演出制御手段１８０は、通常演出状態において、第２リールＲ２や第３リールＲ３が最初に停止する場合に遊技者にとって不利益となるペナルティを発生させるペナルティ処理を行う。ペナルティ処理としては、例えば、一定の遊技回数を消化するまでＡＴ抽選の実行を禁止する処理や、一定の遊技回数を消化するまでＡＴ抽選の結果を破棄する処理や、ＡＴ抽選に当選しても一定の遊技回数を消化するまでＡＴ準備状態への移行を保留する処理などを行うことができる。すなわち本実施の形態では、通常演出状態において、ストップボタンＢ２やストップボタンＢ３を最初に押下すると、一定の遊技回数を消化するまでＡＴ状態への移行の機会を失ったり、ＡＴ状態への移行が遅れたりするというペナルティが発生するようになっている。なお、通常演出状態において打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されたことによって正解ベルが入賞することに基づいて、遊技者に不利なペナルティを発生させるようにしてもよい。

【0110】

次に、演出制御手段１８０による７揃え特典付与処理について説明する。
本実施の形態では、演出制御手段１８０により、ＡＴ抽選に当選してＡＴ準備状態となった以降の遊技において、上述のように、通常モードでＡＴ状態へ移行させる場合には、打順リプレイ１、打順リプレイ３、あるいは打順リプレイ６のいずれかが当選したことに基づいて第２特定打順を報知する演出を行うとともに、演出状態をＡＴ状態へ移行させる。また、ＡＴ準備状態において特殊モードでＡＴ状態へ移行させる場合には、打順リプレイ２、打順リプレイ４、あるいは打順リプレイ７のいずれかが当選したことに基づいて第２特定打順を報知する演出を行うとともに、演出状態をＡＴ状態へ移行させる。なお、打順リプレイ、打順ベルのように停止操作対応としての打順で、停止態様が異なる役を停止操作対応役とする。さらに、上述のようにＡＴ準備状態で当選して複数種の打順（複数種の停止操作態様）から決められた所定の打順（決められた所定の停止操作態様）が報知された場合にＡＴ状態に移行する停止操作対応役を有利状態開始用停止操作対応役とする。

【0111】

この場合に、図８に示すように、第２特定打順として、ストップボタンＢ２を最初に押す停止操作態様で停止操作を行うと、すなわち、ストップボタンＢ２、ストップボタンＢ１、ストップボタンＢ３の打順またはストップボタンＢ２、ストップボタンＢ３、ストップボタンＢ１の打順での停止操作態様を行うと、リプレイ１０またはリプレイ６として、図１１（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）に示すように、表示窓ＤＷで視認可能な３つのリールＲ１〜Ｒ３上に赤７図柄が１列または２列に３つ並んだ停止図柄組み合わせが優先して発生するリール停止制御が行われる。

【0112】

赤７図柄が３つ並ぶラインは、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の上段からなる上段ライン（有効ラインＬ１）、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の中段からなる中段ライン、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の下段ラインと、左リール（第１リールＲ１）の上段、中リール（第２リールＲ２）の中段、右リール（第３リールＲ３）の下段からなる右下がり斜めラインと、左リールＲ１の下段、中リールＲ２の中段、右リールＲ３の上段からなる右上がり斜めラインとのうちの有効ラインＬ１を除くいずれかのラインである。また、赤７図柄が並ぶラインは、１本でも２本以上であってもよい。

【0113】

ここで、図６に示すように、第１リールＲ１に、赤７図柄が２つ隣接して配置され、第２リールＲ２に赤７図柄が１つ配置され、第３リールＲ３に赤７図柄が２つ隣接して配置されている。したがって、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の操作タイミングによっては、停止制御によって、赤７図柄を１列に停止させることは不可能であり、偶然赤７図柄が揃う以外は、遊技者が意図して停止操作を行う必要がある。すなわち、赤７図柄が１列（または２列）に揃うように優先して停止制御されても、遊技者が所謂目押しを行わないと、赤７図柄が１列または２列に揃うことが難しくなっている。

【0114】

上述のように、ＡＴ準備状態において、通常モードで打順リプレイ１，３，６のいずれかが当選したことに基づいて第２特定打順を報知する演出を行った場合と、ＡＴ準備状態において、特殊モードで打順リプレイ２，４，７のいずれかが当選したことに基づいて第２特定打順を報知する演出を行った場合に、ＡＴ状態に移行する。

【0115】

この際に、停止操作時間測定手段としての演出制御手段１８０は、ＡＴ準備状態で、遊技者の開始操作としてスタートレバーＳＬが操作されてスタートスイッチ２３０から信号が入力した際に、内部抽選手段１２０により通常モードで打順リプレイ１，３，６が当選した場合と、特殊モードで打順リプレイ２，４，７が当選した場合に、停止操作時間の測定として、最初にストップボタンＢ１〜Ｂ３のいずれかが停止操作（第１停止操作）されてストップスイッチ２４０から信号が入力してから、最後（３番目）となるいずれかのストップボタンＢ１〜Ｂ３が停止操作（第３停止操作）されてストップスイッチ２４０から信号が入力するまでの時間を計測する処理を行う。

【0116】

すなわち、所定の時間測定開始時としての第１停止操作から所定の時間測定終了時としての第３停止操作（最終停止操作）までの時間の測定を行う。なお、所定の時間測定開始時およびその後の所定の時間測定終了時は、スタートレバーＳＬを操作する開始操作に基づいてスタートスイッチ２３０から遊技制御手段１００の演出制御手段１８０に信号が入力するタイミングから、最後（３番目）のストップボタンＢ１〜Ｂ３を操作する最終停止操作に基づいてストップスイッチ２４０から遊技制御手段１００の演出制御手段１８０に信号が入力するタイミングまでの間に設定されればよい。

【0117】

例えば、所定の時間測定開始時は、２番目のストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下によりストップスイッチ２４０から信号が演出制御手段１８０に入力したときであってもよいし、ＡＴ準備状態中にスタートレバーＳＬが操作されてスタートスイッチ２３０から演出制御手段１８０に信号が入力した場合であってもよいし、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の操作が有効化された時点であっても良い。

【0118】

また、例えば、所定の時間測定終了時は、所定の時間測定開始時より後であれば、例えば、２番目のストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下によりストップスイッチ２４０から信号が演出制御手段１８０に入力したときであってもよい。

【0119】

また、打順判定手段としての演出制御手段１８０は、ＡＴ準備状態で、内部抽選手段１２０により通常モードで打順リプレイ１，３，６が当選して第２特定打順が報知される場合と、特殊モードで打順リプレイ２，４，７が当選して第２特定打順が報知される場合に、上述の第２特定打順として、ストップボタンＢ２、ストップボタンＢ１、ストップボタンＢ３の打順またはストップボタンＢ２、ストップボタンＢ３、ストップボタンＢ１の打順でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されたか否かを判定する。

【0120】

また、特定停止図柄組み合わせ判定手段としての演出制御手段１８０は、ＡＴ準備状態で、内部抽選手段１２０により通常モードで打順リプレイ１，３，６が当選し、第２特定打順が報知される場合と、特殊モードで打順リプレイ２，４，７が当選し、第２特定打順が報知される場合において、上述の有効ラインＬ１を除く各ラインのうちの少なくとも１つのラインに特定の停止図柄組み合わせとして赤７図柄が３つ並んだか否かを判定する。

【0121】

演出制御手段１８０により上述のラインの少なくとも１つのラインに赤７図柄が並んだと判定された場合には、特典付与手段としての演出制御手段１８０が測定された停止操作時間に基づいて開始されるＡＴ状態の終了条件としての継続遊技回数の値に遊技回数としての値を上乗せ（加算）するか否かを決定する上乗せ抽選を行う。例えば、上乗せ抽選に当選した場合に、ＡＴ状態開示時に、終了判定カウンタ１９７に記憶されている継続遊技回数の値に、所定の値を上乗せする。

【0122】

上乗せ抽選の方法は、上述のＡＴ状態中に行われる上乗せ抽選と同様に行われる。なお、上乗せ抽選に際しては、上乗せされる遊技回数の値を一定（例えば、１０）とし、上述のように測定された停止操作時間に基づいて抽選確率を異なるものとする。すなわち、上乗せ抽選に用いられる上乗せ抽選テーブルを停止操作時間に応じて異なるものとする。

【0123】

例えば、停止操作時間が１秒未満の場合に、上乗せ抽選の当選確率を５０％とし、１秒から２秒未満の場合に２５％とし、２秒から３秒未満の場合に１０％とし、３秒以上の場合に５％としてもよい。また、停止操作時間が長い場合に、７図柄を揃えられても上乗せ抽選を行わないものとしてもよく、例えば、停止操作時間が５秒以上の場合には、上乗せ抽選を行わないものとしてもよい。

【0124】

上乗せ抽選において、例えば、上乗せ抽選の抽選確率を一定とし、継続遊技回数としての値に、上乗せされる遊技回数としての値を停止操作時間に応じて異なるものとしてもよい。
例えば、上乗せ抽選の抽選確率を３０％とし、停止操作時間が１秒未満の場合に、上乗せされる値を４０とし、１秒から２秒未満の場合に２５とし、２秒から３秒未満の場合に１０とし、３秒以上の場合に５としてもよい。この場合も、停止操作時間が長い場合に、７図柄を揃えられても上乗せ抽選を行わないものとしてもよい。また、上乗せ抽選において、停止操作時間に応じて、上乗せ抽選確率と上乗せされる遊技回数としての値の両方を異なるものとしてもよい。

【0125】

なお、ＡＴ状態等の有利状態の終了条件としては、様々なものがあるとともに様々なものが考えられる。終了条件としては、有利状態中に遊技を実行することに基づいて、増加する数値や減少する数値が閾値となる場合（閾値未満から閾値以上となる場合、または、閾値を超える値から閾値以下となる場合）がある。この場合に、上乗せ抽選では、終了条件の成立を遅らせるように、上述のように増加する数値を減少させたり、減少する数値を増加させたり、閾値を増加または減少させたりするか否かを抽選することになる。

【0126】

例えば、ＡＴ状態等の有利状態の終了条件としては、上述のように所定遊技回数の遊技が行われる場合以外に、閾値としての所定数の遊技媒体の払い出しが行われた場合や、閾値としての所定数のナビが行われた場合、すなわち、有利状態中に正解打順が報知される打順ベル等の打順小役の当選回数が所定当選回数となった場合等がある。有利状態の終了条件が所定数の遊技媒体の払い出しの場合には、上述の上乗せ抽選として、例えば、有利状態が終了となる遊技媒体の所定の払い出し数を上乗せするか否かの抽選を行う。また、有利状態の終了条件が、打順が報知されるとともに打順通りに停止操作することで打順ベル等の打順小役が入賞する場合の打順が報知される有利状態中の打順小役の当選回数（ナビ回数）が所定回数となることの場合には、上乗せ抽選として、例えば、有利状態が終了となるナビ回数を上乗せするか否かの抽選を行うものであってもよい。

【0127】

このような遊技機においては、ＡＴ準備状態からＡＴ状態に移行する際に、赤７図柄をライン上に揃える特定の停止図柄組み合わせを発生させることが可能であっても、ＡＴ準備状態からＡＴ状態への移行に、特定の停止図柄組み合わせを発生させる必要がないが、特定の停止図柄組み合わせを発生させることができれば、停止操作時間に応じて特典が付与される。この特典が付与されることに基づいて、遊技者にＡＴ状態の発生に関係なくとも特定の停止図柄組み合わせを発生させるように誘導することができる。

【0128】

これにより、遊技者は、特典の付与があることを理由として、特定の停止図柄組み合わせが発生するように停止操作を行うことができる。例えば、特定の停止図柄組み合わせを発生させる理由（利益）がないのに、特定の停止図柄組み合わせを発生させることに抵抗を感じている遊技者に対して、特定の停止図柄組み合わせを発生させることに基づいて、特典を付与可能としたことにより、遊技者に特定の停止図柄組み合わせを発生させる理由が提供されることになる。これにより、抵抗なく特定の停止図柄組み合わせとなるように停止操作を行うことができる。すなわち、スロットマシン本来の楽しみの１つである特定の停止図柄組み合わせを目押しにより発生させることを遊技者が抵抗なく楽しむことができる。

【0129】

なお、上述のようにＡＴ準備状態において、ＡＴ状態開始の条件として所定の打順リプレイが当選するとともに所定の打順が報知された場合に、停止操作時間に応じて付与される特典は、上乗せ抽選に限られるものではない。

【0130】

例えば、特定の停止図柄組み合わせとなり、かつ、停止操作時間が所定時間以下の場合に、特典の付与として、上乗せ抽選を行わずに、継続遊技回数の値に所定数を加算するものであってもよい。この場合に、停止操作時間に応じて加算する所定数を異なるものとしてもよい。また、特定の停止図柄組み合わせとなり、かつ、停止操作時間が所定時間以下の場合に、特典の付与として、ＡＴ状態におけるモードが通常モードの場合に特殊モードに格上げするものとしてもよい。

【0131】

また、特典としては、ＡＴ抽選の抽選確率を高くしたり、ＡＴ抽選の契機となる小役の種類を増加させたり、ＡＴ状態中に行われる上乗せ抽選の抽選確率を高くしたり、ＡＴ状態中に行われる上乗せ抽選における上乗せされる遊技回数を増加させたり、上乗せ抽選の契機となる小役の種類を増加させたりするものとしてもよい。

【0132】

また、この実施の形態においては、打順ベルや打順リプレイ等の停止操作対応役の入賞に際し、正解打順を報知するものとし、また、ＡＴ準備状態からＡＴ状態に移行する際に、赤７図柄を有効ラインＬ１以外のライン上に揃える特定の停止図柄組み合わせを発生させる際にも、正解打順を報知するナビを行うようになっているが、報知（ナビ）方法は、これに限られるものではない。例えば、ナビ方法には、正解打順を報知するのではなく、当選した小役やリプレイを報知したり、これら小役やリプレイを入賞させるために有効ラインＬ１上に停止させる図柄（または、図柄の色）を報知するものがある。

【0133】

この場合に、例えば、少なくも１つのリール（例えば、第１リールＲ１）において、有効ラインＬ１に停止した際に３つの操作対応役である各小役（例えば、小役Ａ、小役Ｂ、小役Ｃ）のいずれかの入賞となるそれぞれの停止図柄（例えば、図柄Ａ、図柄Ｂ、図柄Ｃ）が互いに上述の停止制御で引き込み可能なコマ数より離れて配置されている。この場合に、小役Ａが当選している際に、図柄Ｂや図柄Ｃを狙って目押しすると、有効ラインＬ１上に図柄Ａを引き込むことができず、小役Ａを入賞させることができないが、図柄Ａを目押しできれば、上述の停止制御により、図柄Ａが有効ラインＬ１に引き込まれ、小役Ａを入賞させることが可能になる。したがって、小役Ａが当選した際のナビとして遊技者に報知されるのは、当選した小役Ａや当該小役Ａの入賞となる停止図柄である図柄Ａである。

【0134】

すなわち、ナビとして、当選した小役（またはその図柄）が報知されることにより、遊技者に全リールＲ１〜Ｒ３のうちの１つ以上のリールＲ１〜Ｒ３の目押しのタイミングが報知されることになるので、打順に関わらずに目押しのタイミングにより、操作対応役を入賞させることが可能になる。この目押しのタイミングのナビにより、例えば３つの赤７図柄の組み合わせ等の特定の停止図柄組み合わせを揃わせられるようにしてもよい。

【0135】

したがって、特定の停止図柄組み合わせを揃わせる停止操作態様は、打順が報知される上記実施の形態においては、打順と目押し（停止操作のタイミング）とを含む停止操作からなるが、当選した小役やそれに対応する図柄がナビされる場合には、上記停止操作態様が目押しの停止操作だけからなることになる。なお、目押しのタイミングを報知する場合に、当選した小役（リプレイを含む）やその小役を入賞させる図柄以外に、有効ラインＬ１を外れて各リールＲ１〜Ｒ３上に揃う（一列に並ぶ）図柄の組み合わせを報知するものとしてもよい。すなわち、特定の停止図柄組み合わせが赤７図柄が３つ一列に並ぶものである場合に、赤７図柄を報知するものとしてもよい。

【符号の説明】

【0136】

１２０ 内部抽選手段
１３０ リール制御手段
１８０ 演出制御手段（有利状態抽選手段、有利状態開始手段、停止操作時間測定手段、特定停止図柄組み合わせ判定手段、特典付与手段）
Ｒ１〜Ｒ３ リール

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】