特許第6302741号(P6302741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6302741
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20180319BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20180319BHJP
   G09G 3/30 20060101ALI20180319BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20180319BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20180319BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20180319BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 624B
   G09G3/20 691D
   G09G3/20 621F
   G09G3/20 642A
   G09G3/30 H
   G02F1/133 550
   G02F1/133 530
   G06F3/041 490
   G06F3/041 512
   G06F3/044 122
   G06F3/041 410
【請求項の数】19
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-106860(P2014-106860)
(22)【出願日】2014年5月23日
(65)【公開番号】特開2015-135462(P2015-135462A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2017年2月8日
(31)【優先権主張番号】特願2013-262679(P2013-262679)
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】寺西 康幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大亮
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−186166(JP,A)
【文献】 特開2013−084168(JP,A)
【文献】 特開2009−294903(JP,A)
【文献】 特開2013−246434(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0082954(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
G02F 1/133
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在し前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ複数の第1配線と、
前記第2方向に延在し前記第1方向に並ぶ複数の第2配線と、
それぞれが前記複数の第1配線のいずれか及び前記複数の第2配線のいずれかと電気的に接続された複数のスイッチ素子と、
それぞれが前記複数のスイッチ素子のそれぞれと電気的に接続された複数の画素電極と、
前記第1方向と前記第2方向とを含む平面に対して平行な第3方向に延在し前記平面に対して平行で前記第3方向と交差する第4方向に並ぶ複数の第3配線と、
前記複数の第2配線と前記複数の第3配線との間に設けられた第1絶縁層と、
前記平面に対して垂直な第5方向において前記第1〜第3配線、前記スイッチ素子及び前記複数の画素電極と離間し前記第4方向に延在し前記第3方向に並ぶ複数の第4配線と、
前記複数の画素電極と前記複数の第4配線との間に設けられ、前記複数の画素電極に与えられる電気信号に基づいて、光学特性の変化と、発光と、の少なくともいずれかの光学動作を行う表示層と、
検出期間において、前記複数の第3配線のうちのいずれかである選択状態の選択第3配線と前記複数の第4配線との間の電気特性を検出する検出動作と、
前記検出期間の後の第1表示期間において前記複数の第1配線の少なくともいずれかに第1走査信号を供給して前記複数の第2配線を表示電位に設定して前記複数の画素電極の電位を制御して前記表示層に前記光学動作を行わせる第1表示動作と、
前記検出期間の前の第2表示期間において前記複数の第1配線の少なくともいずれかに第2走査信号を供給して前記複数の第2配線を前記表示電位に設定し前記複数の画素電極の前記電位を制御して前記表示層に前記光学動作を行わせる第2表示動作と、
前記検出期間の後であって前記第1表示期間の前の表示前期間において、前記複数の第2配線の前記少なくともいずれかを表示前電位に設定する第1電圧印加動作を含む表示前動作と、
を行い、前記表示前電位の絶対値は前記表示電位の絶対値よりも大きい制御部と、
を備え
前記表示前動作は、前記第1電圧印加動作の後に実施する第2電圧印加動作をさらに含み、
前記第2電圧印加動作は、前記複数の第2配線の前記少なくともいずれかを、前記第2表示期間の最後における前記複数の第2配線の最後電位に設定することを含む表示装置。
【請求項2】
前記複数の第2配線のそれぞれにおいて、前記検出期間における該第2配線の電位と前記第1電圧印加動作における前記表示前電位との間の電位差の絶対値は、
該第2配線の前記第2電圧印加動作における電位と前記最後電位との間の電位差の絶対値よりも大きい請求項記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示前電位は、前記最後電位に応じて変化する請求項または記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の第2配線のそれぞれにおいて、前記検出期間における該第2配線の電位と前記表示前電位との間の電位差の絶対値は、
前記検出期間における該第2配線の電位と前記第1表示期間及び前記第2表示期間における該第2配線の電位との間の電位差の絶対値よりも大きい請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示前電位は、前記検出動作における前記複数の第2配線の電位よりも高い請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数の第2配線の前記検出期間における電位は、前記複数の第3配線のうち前記選択第3配線を除く非選択第3配線の検出期間における電位に等しい、請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数の第2配線の前記検出期間における電位は、接地電位に等しい、請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項8】
前記第3方向は、前記第1方向に対して平行である請求項1〜のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項9】
記平面に投影したときに、前記複数の第3配線の1つは、前記複数の第1配線の一部と重なり、前記複数の第3配線の別の1つは、前記複数の第1配線の別の一部と重なる請求項記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3方向は、前記第1方向に対して平行であり、
前記複数の第1配線は、複数のグループに分けられ、前記複数のグループのそれぞれは、互いに隣り合う複数の前記第1配線を含み、
前記平面に投影したときに、前記複数の第3配線のそれぞれは、前記複数のグループのそれぞれと重なり、
前記制御部は、前記検出期間の前の第2表示期間において、前記複数の第1配線のうちの第1グループに含まれる前記第1配線に第2走査信号を供給して前記複数の第2配線に第2表示信号を供給する第2表示動作をさらに行い、
前記第1表示動作は、前記第1表示期間に、前記第1グループの隣の第2グループに含まれる前記第1配線に前記第1走査信号を供給して前記複数の第2配線に第1表示信号を供給することを含む請求項1〜のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項11】
第2絶縁層をさらに備え、
前記複数の第3配線の少なくとも一部は、前記複数の画素電極のいずれかの少なくとも一部と、前記複数の第2配線のいずれかの少なくとも一部と、の間に配置され、
前記第2絶縁層は、前記複数の第3配線の前記少なくとも一部と、前記複数の画素電極のいずれかの前記少なくとも一部と、の間に配置される請求項1〜1のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示層は、液晶を含み、
前記光学動作は、前記光学特性の前記変化を含む請求項1〜1のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項13】
第2絶縁層をさらに備え、
前記複数の第3配線の少なくとも一部は、前記複数の画素電極のいずれかの少なくとも一部と、前記複数の第2配線のいずれかの少なくとも一部と、の間に配置され、
前記第2絶縁層は、前記複数の第3配線の前記少なくとも一部と、前記複数の画素電極のいずれかの前記少なくとも一部と、の間に配置され、
前記複数の画素電極のそれぞれは、前記平面内で互いに離間する複数の部分を含み、
前記表示層は、液晶を含み、前記光学動作は、前記光学特性の前記変化を含み、
前記液晶の配向は、前記平面内で変化する請求項1〜1のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項14】
前記液晶の配向は、前記複数の第3配線の前記少なくとも一部と前記複数の部分とにより生じる前記平面に対して平行な成分を有する電界に応じて変化する請求項1記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1絶縁層は、有機材料を含む請求項1〜1のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1絶縁層は、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂の少なくともいずれかを含む請求項1〜1のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項17】
前記複数の第4配線は、光透過性である請求項1〜1のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項18】
前記複数の画素電極は、第1色用の第1色画素電極と、前記第1色とは異なる第2色用の第2色画素電極と、を含み、
前記複数の第2配線は、前記複数のスイッチ素子のいずれかを介して前記第1色画素電極と電気的に接続される第1色配線と、前記複数のスイッチ素子の別のいずれかを介して前記第2色画素電極と電気的に接続される第2色配線と、を含み、
前記制御部は、前記第1電圧印加動作を前記第1色配線と前記第2色配線とに同時に行う請求項1〜1のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項19】
前記複数の画素電極は、第1色用の第1色画素電極と、前記第1色とは異なる第2色用の第2色画素電極と、を含み、
前記複数の第2配線は、前記複数のスイッチ素子のいずれかを介して前記第1色画素電極と電気的に接続される第1色配線と、前記複数のスイッチ素子の別のいずれかを介して前記第2色画素電極と電気的に接続される第2色配線と、を含み、
前記制御部は、第1期間に前記第1電圧印加動作を前記第1色配線に行い、前記第1期間の後の第2期間に前記第1電圧印加動作を前記第2色配線に行う請求項1〜1のいずれか1つに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶や有機ELなどを用いた表示装置が開発されている。表示装置において、例えば、タッチ入力式の入力機能が設けられる場合がある。表示装置において、均一な表示が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4410488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、表示均一性の高い表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、複数の第1配線と、複数の第2配線と、複数の第3配線と、複数の第4配線と、複数のスイッチ素子と、複数の画素電極と、第1絶縁層と、表示層と、制御部と、を含む表示装置が提供される。前記複数の第1配線は、第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ。前記複数の第2配線は、前記第2方向に延在し、前記第1方向に並ぶ。前記複数のスイッチ素子のそれぞれは、前記複数の第1配線のいずれか及び前記複数の第2配線のいずれかと電気的に接続される。前記複数の画素電極のそれぞれは、前記複数のスイッチ素子のそれぞれと電気的に接続される。前記複数の第3配線は、前記第1方向と前記第2方向とを含む平面に対して平行な第3方向に延在し、前記平面に対して平行で前記第3方向と交差する第4方向に並ぶ。前記第1絶縁層は、前記複数の第2配線と前記複数の第3配線との間に設けられる。前記複数の第4配線は、前記平面に対して垂直な第5方向において前記第1〜第3配線、前記スイッチ素子及び前記複数の画素電極と離間し前記第4方向に延在し前記第3方向に並ぶ。前記表示層は、前記複数の画素電極と前記複数の第4配線との間に設けられ、前記複数の画素電極に与えられる電気信号に基づいて、光学特性の変化と、発光と、の少なくともいずれかの光学動作を行う。前記制御部は、検出期間において、前記複数の第3配線のうちのいずれかである選択状態の選択第3配線と前記複数の第4配線との間の電気特性を検出する検出動作と、前記検出期間の後の第1表示期間において前記複数の第1配線の少なくともいずれかに第1走査信号を供給して前記複数の第2配線を表示電位に設定して前記複数の画素電極の前記電位を制御して前記表示層に前記光学動作を行わせる第1表示動作と、前記検出期間の前の第2表示期間において前記複数の第1配線の少なくともいずれかに第2走査信号を供給して前記複数の第2配線を前記表示電位に設定し前記複数の画素電極の前記電位を制御して前記表示層に前記光学動作を行わせる第2表示動作と、前記検出期間の後であって前記第1表示期間の前の表示前期間において、前記複数の第2配線の前記少なくともいずれかを表示前電位に設定する第1電圧印加動作を含む表示前動作と、を行う。前記表示前電位の絶対値は前記表示電位の絶対値よりも大きい。前記表示前動作は、前記第1電圧印加動作の後に実施する第2電圧印加動作をさらに含む。前記第2電圧印加動作は、前記複数の第2配線の前記少なくともいずれかを、前記第2表示期間の最後における前記複数の第2配線の最後電位に設定することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式的断面図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式的斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る表示装置の特性を例示するグラフ図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る別の表示装置を例示する模式図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る表示装置の駆動装置の動作を例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式的断面図である。
図1に表したように、本実施形態に係る表示装置110においては、第1基板部10uと、第2基板部20uと、表示層30と、が設けられる。この例では、表示層30として、液晶が用いられる。後述するように、表示層30として有機発光層などを用いても良い。表示装置110には、複数の画素35が設けられる。図1は、1つの画素35の部分を例示している。
【0009】
例えば、第1基板部10uとして、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ基板が用いられる。第1基板部10uには、例えば、第1基板10と、ゲート線GL(第1配線L1)と、スイッチ素子11と、信号線SL(第2配線L2)と、コモン線CL(第3配線L3)と、画素電極Pxと、が設けられる。
【0010】
例えば、ゲート線GL及び信号線SLは、例えば、X−Y平面内に延在する。X−Y平面に対して平行な1つの方向がX軸方向である。X−Y平面に対して平行で、X軸方向に対して垂直な方向がY軸方向である。X−Y平面に対して垂直な方向をZ軸方向とする。第1基板部10uは、X−Y平面内に延在する。
【0011】
この例では第1基板10は、光透過性である。第1基板10には、例えば、ガラスまたは樹脂が用いられる。第1基板10の上に、ゲート線GLが設けられる。
【0012】
この例では、スイッチ素子11として、TFTが用いられる。スイッチ素子11は、半導体層12を含む。半導体層12は、第1部分12aと、第2部分12bと、第3部分12cと、を含む。第2部分12bは、X−Y平面内で、第1部分12aと離間する。X−Y平面に投影したときに、第3部分12cは、第1部分12aと第2部分12bとの間に配置される。第1部分12aは、スイッチ素子11のソース及びドレインの一方となる。第2部分12bは、ソース及びドレインの他方となる。第3部分12cは、スイッチ素子11のチャネル部となる。
【0013】
スイッチ素子11は、ゲート11gと、ゲート絶縁膜11iと、をさらに含む。第3部分12cとゲート11gとの間に、ゲート絶縁膜11iが設けられる。この例では、ゲート11gの上に第3部分12cが配置される。この例では、スイッチ素子11は、ゲート下置き構造を有する。実施形態において、スイッチ素子11は、ゲート上置き構造を有しても良い。
【0014】
ゲート線GL及びゲート11gの少なくともいずれかには、第1金属層が用いられる。第1金属層には、例えば、Mo(モリブデン)、MoW(モリブデンタングステン)、Al(アルミニウム)、及び、Cu(銅)の少なくともいずれかが用いられる。例えば、第1金属層は、Moを含む。
【0015】
半導体層12には、例えば、ポリシリコン(多結晶シリコン)、アモルファスシリコン(非晶質シリコン)及び結晶シリコンの少なくともいずれかが用いられる。半導体層12として、酸化物半導体を用いても良い。例えば、半導体層12は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)及び亜鉛(Zn)の少なくともいずれかを含む酸化物を含んでも良い。
【0016】
信号線SLは、第1部分12aと電気的に接続される。この例では、信号線SLの一部(第1接続部15a)が、第1部分12aと電気的に接続される。この例では、第1接続部15aは、第1接続導電部15cにより第1部分12aと電気的に接続される。
【0017】
実施形態において、電気的に接続される状態は、2つの導体が直接接する状態、及び、間に他の導体が挿入されて2つの導体の間に電流が流れる状態を含む。さらに、電気的に接続される状態は、間に素子(例えばスイッチ素子など)が挿入されて2つの導体の間に電流が流れる状態を形成可能な状態を含む。
【0018】
一方、第2部分12bの上に、第2接続導電部15dが設けられる。第2接続導電部15dの上に、第2接続部15bが設けられる。
【0019】
第1接続部15a(信号線SL)、第1接続導電部15c、第2接続部15b及び第2接続導電部15dには、第2金属層が用いられる。第2金属層には、例えば、Al(アルミニウム)及びCu(銅)の少なくともいずれかが用いられる。たとえば、第2金属層は、Alを含む。
【0020】
第1接続部15a(信号線SL)と半導体層12との間、第1接続導電部15cと半導体層12との間、第2接続部15bと半導体層12との間、及び、第2接続導電部15dと半導体層12との間に、層間絶縁層13が設けられる。
【0021】
層間絶縁層13には、例えば、金属酸化物などが用いられる。層間絶縁層13には、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物及びシリコン酸窒化物の少なくともいずれかが用いられる。
【0022】
この例では、コモン線CLが、信号線SLなどの第2金属層の上に設けられる。コモン線CLと信号線SLとの間には、第1絶縁層I1が設けられる。後述するように、表示装置110において、複数の信号線SLが設けられ、複数のコモン線CLが設けられる。このとき、第1絶縁層I1は、複数の信号線SLと複数のコモン線CLとの間に設けられる。
【0023】
第1絶縁層I1は、例えば、平坦化層として機能する。例えば、第1絶縁層I1は、有機材料を含む。第1絶縁層I1は、例えば、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂の少なくともいずれかを含む。第1絶縁層I1として、有機材料を用いることで、高い平坦性が得られる。
【0024】
コモン線CLの上に、画素電極Pxが設けられる。この例では、画素電極Pxは、櫛状であり、画素電極Pxは、帯状の複数の部分Pxsを含む。複数の部分Pxsは、X−Y平面内で互いに離間する。画素電極Pxは、第2接続部15bと電気的に接続される。この例では、画素電極Pxは、第3接続導電部17により、第2接続部15bと電気的に接続される。
【0025】
コモン線CL及び画素電極Pxの少なくともいずれかには、例えば、光透過性の導電層が用いられる。例えば、コモン線CL及び画素電極Pxの少なくともいずれかには、In、Sn、Zn及びTiよりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物が用いられる。コモン線CL及び画素電極Pxには、例えばITO(Indium Tin Oxide)などが用いられる。コモン線CL及び画素電極Pxとして、例えば、光透過性の薄い金属層を用いても良い。
【0026】
複数の画素35のそれぞれに、少なくとも1つのスイッチ素子11と、少なくとも1つの画素電極Pxと、が設けられる。すなわち、複数のスイッチ素子11のそれぞれが、複数の画素35のそれぞれに設けられる。複数の画素電極Pxのそれぞれが、複数の画素35のそれぞれに設けられる。
【0027】
画素電極Pxとコモン線CLとの間には、第2絶縁層I2が設けられる。この例では、複数のコモン線CLの少なくとも一部は、複数の画素電極Pxのいずれかの少なくとも一部と、複数の信号線SLのいずれかの少なくとも一部と、の間に配置される。そして、第2絶縁層I2は、複数のコモン線CLの上記の少なくとも一部と、複数の画素電極Pxのいずれかの上記の少なくとも一部と、の間に配置される。
【0028】
第2絶縁層I2には、例えば、第1絶縁層I1と同じ材料を用いても良い。第2絶縁層I2には、例えば金属化合物(酸化物、窒化物または酸窒化物など)を用いても良い。第2絶縁層I2の材料は任意である。
【0029】
この例では、画素電極Pxの上に第1配向膜18が設けられる。
【0030】
第2基板部20uは、Z軸方向において、第1基板部10uと離間する。この例では、第2基板部20uは、第2基板20と、カラーフィルタ層25と、第2配向膜28と、検出線RL(第4配線L4)と、を含む。検出線RLと第1基板部10uとの間に、第2基板20が設けられる。第2基板20と第1基板部10uとの間に、カラーフィルタ層25が設けられる。カラーフィルタ層25と第1基板部10uとの間に、第2配向膜28が設けられる。
【0031】
この例では、第2基板20は、光透過性である。第2基板10には、例えば、ガラスまたは樹脂が用いられる。
【0032】
検出線RLは、例えば、光透過性である。検出線RLには、In、Sn、Zn及びTiよりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物(例えば、ITOなど)などが用いられる。検出線RLとして、光透過性の薄い金属層を用いても良い。
【0033】
カラーフィルタ層25は、例えば、赤着色層、緑着色層及び青着色層などを含む。赤着色層、緑着色層及び青着色層のそれぞれは、複数の画素35のそれぞれに対応して配置される。カラーフィルタ層25の色は、4色以上でも良い。実施形態において、カラーフィルタ層25は省略しても良い。カラーフィルタ層は、第1基板部10uに設けられても良い。
【0034】
第1配向膜18及び第2配向膜28には、例えば、ポリイミドなどが用いられる。これらの配向膜には、必要に応じて配向処理(例えばラビング処理など)が行われる。
【0035】
第1基板部10uと第2基板部20uとの間に、表示層30が設けられる。後述するように、複数の画素電極Pxと、複数の検出線RLと、が設けられる。表示層30は、複数の画素電極Pxと、複数の検出線RLと、の間に配置される。例えば、第1配向膜18と第2配向膜28との間に、表示層30が配置される。
【0036】
表示層30は、例えば、複数の画素電極Pxに与えられる電気信号に基づいて、光学動作を行う。例えば、表示層30として液晶層が用いられる場合は、光学動作は、光学特性の変化を含む。例えば、表示層30として発光層(例えば有機発光層)が用いられ場合は、光学動作は、発光(光の放出)を含む。すなわち、表示層30は、光学特性の変化と、発光と、の少なくともいずれかの光学動作を行う。
【0037】
表示層30に液晶層が用いられる場合、光学特性の変化が生じる。光学特性は、例えば、複屈折率、旋光性、散乱性、光反射率及び光吸収率の少なくいずれかを含む。例えば、画素電極Pxに与えられる電気信号によって、表示層30(液晶層)における液晶配向が変化し、実効的な複屈折率が変化する。旋光性、散乱性、光反射率及び光吸収率の少なくともいずれかが変化しても良い。
【0038】
この例では、第1偏光層51と第2偏光層52とが設けられる。第1偏光層51と第2偏光層52との間に、第1基板部10uが配置される。第1基板部10uと第2偏光層52との間に、第2基板部20uが配置される。
【0039】
この例では、バックライト部55がさらに設けられる。バックライト部55と第2偏光層52との間に第1偏光層51、第1基板部10u、表示層30及び第2基板部20uが配置される。バックライト部55は、光を放出する。この光は、第1偏光層51、第1基板部10u、表示層30第2基板部20u及び第2偏光層52を通過して、表示装置110の外部に出射する。
【0040】
この例では、画素電極Pxは、帯状の複数の部分Pxsを含む。画素電極Pxと、コモン線CLと、の間に、「横電界」が生じる。横電界は、X−Y平面に対して平行な成分を有する電界である。横電界により、表示層20(液晶層)の液晶分子のダイレクタ(液晶分子の長軸方向)を、X−Y平面内で変化させる。ダイレクタの方向の変化により、例えば、複屈折率及び旋光性の少なくともいずれかが変化する。すなわち、光学特性の変化が生じる。
【0041】
光学特性の変化により、バックライト部55から出射した光の透過率が変化する。画素電極Pxに与えられる電気信号(画像信号)に応じて、光の透過率が変化し、すなわち、明るさが変化する。明るさが変化した光が、表示装置110の上面Ufから出射する。これにより、表示が行われる。
【0042】
図2は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式的斜視図である。
図3は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図2に表したように、本実施形態に係る表示装置110において、複数のゲート線GL(複数の第1配線L1)と、複数の信号線SL(複数の第2配線L2)と、複数のコモン線CL(複数の第3配線L3)と、複数の検出線RL(複数の第4配線L4)と、が設けられる。表示装置110には、図1に例示した、複数のスイッチ素子11と、複数の画素電極Pxと、第1絶縁層I1と、が設けられる。これらは、図2では省略されている。
【0043】
図2に表したように、複数のゲート線GLのそれぞれは、第1方向D1に延在する。複数のゲート線GLは、第2方向D2に並ぶ。第2方向D2は、第1方向D1と交差する。
【0044】
例えば、第1方向D1は、X軸方向である。第2方向D2は、例えば、Y軸方向である。
【0045】
複数のゲート線GLは、例えば、第1ゲート線GL1、第2ゲート線GL2、及び、第nゲート線GLnを含む。ゲート線GLの数は、nである。nは、2以上の整数である。例えば、nは、1920である。実施形態において、nは任意である。
【0046】
複数の信号線SLのそれぞれは、第2方向D2に延在する。複数の信号線SLは、第1方向D1に並ぶ。
【0047】
複数の信号線SLは、例えば、第1信号線SL1、第2信号線SL2、及び、第m信号線SLmを含む。信号線SLの数は、mである。mは、2以上の整数である。例えば、mは、1080×3である。すなわち、例えば、赤画素、緑画素及び青画素の組が1つの要素となる場合、要素の数が1080である。実施形態において、mは任意である。
【0048】
図3に表したように、複数のスイッチ素子11のそれぞれは、複数のゲート線GLのいずれか、及び、複数の信号線SLのいずれかと電気的に接続される。すなわち、スイッチ素子11のゲート11gが、複数のゲート線GLの1つと接続される。スイッチ素子11の半導体層12の第1部分12aが、第1接続部15aを介して、複数の信号線SLの1つと接続される。
【0049】
図3に表したように、複数の画素電極Pxのそれぞれは、複数のスイッチ素子11のそれぞれと電気的に接続される。1つの画素電極Pxは、スイッチ素子11の半導体層12の第2部分12bと、第2接続部15bを介して、電気的に接続される。
【0050】
図3に表したように、コモン線CLと、画素電極Pxと、の間に、表示層30(例えば液晶層)が配置される。表示層30は、負荷容量となる。コモン線CLは、VCOM電位に設定される。この例では、表示層30と並列に、蓄積容量Csが設けられている。蓄積容量Csは、必要に応じて設けられ、省略しても良い。
【0051】
図2に表したように、複数のコモン線CLのそれぞれは、第3方向D3方向に延在する。第3方向D1は、X−Y平面に対して平行である。X−Y平面は、第1方向D1と第2方向D2とを含む平面である。第4方向D4は、X−Y平面に対して平行で、第3方向D3と交差する。この例では、第3方向D3は、第1方向D1に対して平行であり、第4方向D4は、第2方向D2に対して平行である。
【0052】
複数のコモン線CLは、例えば、第1コモン線CL1、第2コモン線CL2、及び、第Nコモン線CLNを含む。コモン線CLの数は、Nである。Nは、2以上の整数である。例えば、Nは、27である。実施形態において、Nは任意である。
【0053】
複数の検出線RLは、第5方向D5において、ゲート線GL、信号線SL、コモン線CL、スイッチ素子11及び複数の画素電極Pxと離間する。第5方向D5は、X−Y平面に対して垂直である。
【0054】
複数の検出線RLは、例えば、第1検出線RL1、第2検出線RL2、及び、第M検出線RLMを含む。検出線RLの数は、Mである。Mは、2以上の整数である。
【0055】
図2においては、ゲート線GLと検出線RLとの間に、信号線SL及びコモン線CLが配置されている。実施形態においては、これらの線の配置(第5方向D5における配置)は種々の変形ができる。
【0056】
ゲート線GL、信号線SL、スイッチ素子11及び画素電極Pxにより、複数の画素35における表示層30(例えば液晶層)の光学動作が制御される。これにより、表示が行われる。表示動作において、コモン線CLが、画素電極Pxの対向電極として利用される。すなわち、スイッチ素子11を介して画素電極Pxに電気信号が供給され、複数の画素電極Pxのそれぞれの電位が制御される。画素電極Pxとコモン線CLとにより生じる電界により液晶の配向が変化して、表示が行われる。
【0057】
一方、複数の検出線RLと、複数のコモン線CLと、により、表示装置110の上面Ufへのタッチ入力が検出される。検出動作においては、例えば、表示装置110の観視者(使用者)の指または入力部材(例えば入力ペンなど)などが表示装置110の上面Ufに接触、または、近接する。検出線RLとコモン線CLとによって形成される電気容量が、上記の接触または近接により変化する。この電気容量の変化を検出することで、タッチ入力が検出される。例えば、静電容量型の検出が行われる。表示装置110は、例えば、入力機能付きの表示装置である。
【0058】
この例では、コモン線CL(第3配線L3)が、表示のための対向電極として用いられつつ、検出のための対向電極Txとしても用いられる。実施形態において、第3配線L3(対向電極Tx)と第4配線L4(検出線RL)とを用いて検出を行い、表示のための対向電極が、第3配線L3とは別に設けられても良い。
【0059】
図2に表したように、ゲート線GLの数(すなわちn)は、コモン線CLの数(すなわち、N)よりも大きい。ゲート線GLの数が大きいことで、高精細の表示が実施できる。一方、入力の解像度は、表示の解像度よりも低くても良い場合が多い。このため、コモン線CLの数は、ゲート線GLの数よりも小さくできる。コモン線CLの数を小さくすることで、検出動作に要する時間を短くでき、違和感のない(少ない)表示が可能になる。
【0060】
例えば、複数のゲート線GLが複数のグループに分けられる。例えば、複数のゲート線GLは、第1グループGLg1、第2グループGLg2、及び、第kグループGLgkなどを含む。複数のグループのそれぞれは、互いに隣り合う複数のゲート線GLを含む。例えば、1つのグループに含まれるゲート線GLの数は、例えばjである。jは、2以上の整数である。
【0061】
例えば、X−Y平面に投影したときに、1つのコモン線CL(例えば、複数のコモン線CLのそれぞれ)は、ゲート線GLの複数のグループのそれぞれと重なる。
【0062】
図3に例示したように、表示装置110に制御部60が設けられる。制御部60の少なくとも一部は、第1基板部10uに設けられても良い。制御部60の少なくとも一部は、表示装置の駆動装置210に含まれても良い。駆動装置210の少なくとも一部が、制御部60に含まれても良い。
【0063】
例えば、制御部60は、ゲート線ドライバ61と、信号線ドライバ62と、制御回路63と、を含む。ゲート線ドライバ61は、複数のゲート線GLと電気的に接続される。信号線ドライバ62は、複数の信号線SLと電気的に接続される。このとき、後述するように、信号線ドライバ62と、複数の信号線SLと、の間に、セレクタ部が設けられても良い。制御回路63は、ゲート線ドライバ61及び信号線ドライバ62と電気的に接続される。制御回路63が入手する電気信号(画像信号を含む)に、適切な信号処理が行われる。信号処理が行われた電気信号が、ゲート線ドライバ61及び信号線ドライバ62に供給される。
【0064】
例えば、制御部60に、コモン線ドライバ65及び検出回路66がさらに設けられても良い。コモン線ドライバ65は、コモン線CLと電気的に接続され、コモン線CLの電位を制御する。例えば、「コモン反転駆動」などが実施されても良い。検出回路66は、検出線RL(図3では図示せず)と電気的に接続される。検出動作においては、コモン線ドライバ65と検出回路66とにより、複数のコモン線CLのそれぞれと、複数の検出線RLのそれぞれと、の間に形成される容量が検出される。
【0065】
図3に例示したように、複数の画素35は、第1色画素35aと、第2色画素35bと、を含む。例えば、複数の画素電極Pxは、第1色用の第1色画素電極Pxaと、第2色用の第2色画素電極Pxbと、を含む。第2色は、第1色とは異なる。複数の信号線SLは、第1色配線SLaと、第2色配線SLbと、を含む。第1色配線SLaは、複数のスイッチ素子11のいずれかを介して第1色画素電極Pxaと電気的に接続される。第2色配線SLbは、複数のスイッチ素子11の別のいずれかを介して第2色画素電極Pxbと電気的に接続される。さらに、第3色画素及び第3画素電極が設けられても良い。これに伴い、第3色配線が設けられても良い。さらに、4色以上の画素35が設けられても良い。以下では、3色の画素35が設けられる場合の例について、説明する。
【0066】
図4は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図4は、制御部60の信号線ドライバ62の例を示している。
図4に表したように、この例では、信号線ドライバ62には、信号線回路部62aと、セレクタ部62bと、が設けられる。信号線回路部62aは、セレクタ部62bを介して、複数の信号線SLと電気的に接続される。
【0067】
セレクタ部62bは、例えば、R色セレクタSELRと、G色セレクタSELGと、B色セレクタSELBと、を含む。例えば、R色は赤色であり、G色は緑色であり、B色は青色である。複数の信号線SLのうちのR色に対応する信号線が、R色セレクタSELRと接続される。複数の信号線SLのうちのG色に対応する信号線が、G色セレクタSELGと接続される。複数の信号線SLのうちのB色に対応する信号線が、B色セレクタSELBと接続される。
【0068】
信号線回路部62aから、画像信号Videoが出力される。画像信号Videoは、複数の色(例えば、赤、緑及び青など)のそれぞれに関する信号を含む。セレクタ部62bの選択動作により、複数の色に関する信号(赤信号SigR、緑信号SigG、及び、青信号SigBなど)が、それぞれの色に対応する信号線SLに供給される。
【0069】
図5は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図5は、表示装置110における表示動作及び検出動作を例示するタイムチャートである。
図5において、横軸は、時間tである。図5には、ゲート線GL、コモン線CL、信号線SL及び検出線RLの電位の例を示している。図5において、高い電位は、低い電位よりも上に位置する。図5は、1つのフレーム期間を例示している。
【0070】
図5に表したように、複数の表示期間DTが設けられる。表示期間DTにおいて表示動作DOが行われる。表示動作DOにおいては、ゲート線GLに供給される信号と、信号線SLに供給される信号と、により、表示が行われる。2つの表示期間DTの間に、検出期間STが設けられる。検出期間STにおいては、検出動作SOが行われる。検出動作SOにおいては、コモン線CLと、検出線RLと、により検出が行われる。本実施形態においては、表示前期間PDTが設けられる。表示前期間PDTは、1つの検出期間STの後で、1つの表示期間DTの前に位置する。表示前期間PDTにおいては、表示前動作PDOが行われる。
【0071】
まず、表示動作DOの例に関して説明する。
例えば、1つの表示期間DTにおいて、第1グループGLg1に含まれるゲート線GL(例えば、第1ゲート線GL1、第2ゲート線GL2、及び、第jゲート線GLjなど)が、順次選択されて、これらのゲート線GLに走査パルス(走査信号)が順次供給される。一方、信号線SLには、画像信号Videoに対応した信号Video1が供給される。走査パルスに応じたスイッチ素子11の動作により、画像信号Videoに応じた信号Video1が、画素電極Pxに供給される。これにより、第1グループGLg1に対応する画素35において、表示が行われる。
【0072】
次の表示期間DTにおいて、第2グループGLg2に含まれるゲート線GL(例えば、第(j+1)ゲート線GLj+1、第(j+2)ゲート線GLj+2、及び、第2jゲート線GL2jなど)が、順次選択されて、これらのゲート線GLに走査パルス(走査信号)信号が順次供給される。一方、信号線SLには、画像信号Videoに対応した信号Video1が供給される。これにより、第2グループGLg2に対応する画素35において、表示が行われる。
【0073】
同様に、第kグループGLgkに含まれるゲート線GL(例えば、第(n−j(k−1)+1)ゲート線GLn−j(k−1)+1、第(n−j(k−1)+2)ゲート線GLn−j(k−1)+2、及び、第nゲート線GLnなど)が、順次選択されて、これらのゲート線GLに走査パルス(走査信号)信号が順次供給される。一方、信号線SLには、画像信号Videoに対応した信号Video1が供給される。これにより、第kグループGLgkに対応する画素35において、表示が行われる。
【0074】
以上により、第1ゲート線GL1〜第nゲート線GLnの走査が行われ、1フレームの表示が行われる。上記の動作が繰り返して行われ、複数のフレームによる表示が行われる。ゲート線GLのそれぞれに対応する画素電極Pxの電位は、1つのフレームの間、実質的に維持される。既に説明した蓄積容量Csは、画素電極Pxの電位を維持し易くする。
【0075】
次に、検出動作SOの例について説明する。
この例では、第1グループGLg1に関する表示動作DOと、第2グループGLg2に関する表示動作DOと、の間に、検出動作SOが行われる。1つの検出動作SOにおいては、例えば、複数の第3配線L3のいずれかが選択される。1つの検出動作SOにおいて、複数の第3配線L3(例えば、全ての第3配線L3)のそれぞれが順次選択されても良い。以下では、1つの検出動作SOにおいて、1つの第3配線L3(例えば、第1コモン線CL1)が選択され、別の検出動作SOにおいて、別の第3配線L3(例えば、第2コモン線CL2)が選択され、同様に、第Nコモン線CLNが順次選択される場合について説明する。
【0076】
選択されたコモン線CLを、「選択第3配線L3sl」ということにする。「選択第3配線L3sl」を除くコモン線CLを、「非選択第3配線L3ns」ということにする。選択第3配線L3には、例えば、高周波信号が印加される。高周波信号は、例えば、0Vと5Vとを繰り返す高周波信号である。高周波信号の周波数は、100kHz以上500Hz程度であり、例えば、約300kHzである。非選択第3配線L3nsは、例えば、非選択電位Vns(例えば0Vなど)に設定される。
【0077】
検出動作SOにおいては、複数の信号線SL(第2配線L2)を第1電位V1に設定する。第1電位V1は、例えば0Vである。第1電位V1は、複数の値を有しても良く、時間的に変化しても良い。例えば、反転駆動を用いる場合などにおいては、第1電位V1は、フレームごと、行ごと、列ごと、画素グループごと、及び、画素ごとの少なくともいずれかによって、変化しても良い。
【0078】
複数の検出線RLのそれぞれと、選択第3配線L3slと、の間に流れる電流信号を検出することで、検出動作SOが行われる。例えば、検出動作SOにおいて、検出線RLが第4電位V4(例えばグランド電位の0V)に設定される。そして、高周波信号が印加されている選択第3配線L3slと、検出線RLと、の間に流れる電流が検出される。
【0079】
本実施形態においては、1つの検出動作SOと、1つの表示動作DOと、の間において、表示前動作PDOが行われる。表示前動作PDOにおいては、コモン線CLの電位が表示前電位Vnpに設定される。一方、表示前動作PDOにおいて、信号線SLに所定の電圧Vpが印加される。この電圧Vpの印加により、表示動作DOの前に、信号線SLの電位を、表示動作DOのときの電位に近づけることができる。電圧Vpの印加を、複数回実施しても良い。電圧Vpは、複数回の印加において、変化させても良い。
【0080】
もし、表示前動作PDOを行わずに、検出動作SOの直後に表示動作DOを行う参考例の場合は、表示が不均一になり易いことが分かった。例えば、検出動作SOにおいては、信号線SLは、所定の第1電位V1(例えば、0Vなど)に設定される。この検出動作SOの直後の表示動作DOにおいて、信号線SLを信号Video1の電位に設定しようとしても、信号線SLの電位の変化に遅れが生じる。この遅れにより、信号線SLの電位が、所望の電位ではなくなり、表示の不均一が生じる。例えば、ゲート線GLの延在方向に沿った、縞が観察される場合があることが分かった。この縞の境界は、例えば、ゲート線GLのグループどうしの境界に生じ易い。
【0081】
例えば、信号線SLとコモン線CLとの間に配置される第1絶縁層I1において、誘電分散が大きい場合がある。例えば、第1絶縁層I1として、有機材料を用いた場合には、第1絶縁層I1において、電子分極に加えて、双極子に起因する分極が生じ易い。例えば、有機材料が、アクリル系やポリイミド系の材料の場合には、官能基に基づく双極子が生じる。このため、第1絶縁層I1において誘電分散が大きくなり、緩和が大きくなる傾向がある。
【0082】
図6は、第1の実施形態に係る表示装置の特性を例示するグラフ図である。
図6は、第1絶縁層I1に用いられる材料の誘電分散の特性を例示している。図7の横軸は、材料に印加される電圧の周波数faである。縦軸は、材料の相対的な誘電率ε1である。相対的な誘電率ε1は、材料に直流電圧を印加したとき(周波数faが0Hzに相当)の誘電率を1として規格化した値である。この例は、第1絶縁層I1の材料が有機材料(アクリル樹脂)を用いた場合の例である。
【0083】
図6に表したように、周波数faが高いと、誘電率ε1が減少する。例えば、周波数faが300kHzの時の誘電率は、直流における誘電率の約0.93倍である。このように、比較的大きい誘電分散が観察される。このように、第1絶縁層I1において、誘電緩和が生じる。第1絶縁層I1において、誘電率(比誘電率)の緩和時間が長い場合がある。
【0084】
例えば、第1絶縁層I1において、緩和時間が長いと、信号線SLとコモン線CLとの間の電位差の変化に、遅れが生じる。これにより、表示の均一性が低下すると考えられる。
【0085】
実施形態においては、表示動作DOを行う前に、表示前動作PDOを行う。この表示前動作PDOにおいて、信号線SLに所定の電圧Vpを印加する。すなわち、表示動作DOの前に、信号線SLの電位を予め変える。これにより、例えば、信号線SLの電位は、表示動作DOのときの電位に予め近づく。その結果、表示が均一にできる。この表示前動作による表示の均一性の向上は、第1絶縁層I1における誘電分散が比較的大きい場合に特に有効であると考えられる。第1絶縁層I1における誘電分散が小さい場合も、上記の表示前動作を行うことで、表示の均一性をより向上できる。
【0086】
上記の表示動作DO、検出動作SO及び表示前動作PDOは、制御部60によって実施される。
【0087】
図7は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図7は、表示装置110における動作の例を示している。図7では、2つの表示動作(第1表示動作DO1及び第2表示動作DO2)と、その間の検出動作SOと、検出動作SOと第1表示動作DO1との間の表示前動作PDOと、の例を示している。
【0088】
図7には、セレクタ部62bのR色セレクタSELR、G色セレクタSELG及びB色セレクタSELBの電位、画像信号Video(信号Video1)、複数の色に関する信号(赤信号SigR、緑信号SigG、及び、青信号SigB)の電位を例示している。
【0089】
図7には、信号線SLとコモン線CLとで形成されるキャパシタの相対的な誘電率ε1が、モデル的に例示されている。図7においては、誘電率ε1は、信号線SLとコモン線CLとの間で形成される第1絶縁層I1を含む容量の変化の時間的な遅れをモデル的に示している。すなわち、誘電率ε1の時間変化は、この容量の変化の遅れに対応している。
【0090】
この例では、第1表示期間DT1の前に、検出期間STが設けられる。検出期間STの前に、第2表示期間DT2が設けられる。検出期間STと第1表示期間DT1との間に、表示前期間PDTが設けられる。
【0091】
第2表示期間DT2の第2表示動作DO2は、例えば、第(i−1)グループGLg(i−1)のゲート線GLによる表示に対応する。第1表示期間DT1の第1表示動作DO1は、例えば、第iグループGLgiのゲート線GLによる表示に対応する。例えば、第2表示動作DO2は、第1グループGLg1のゲート線GLを用いた表示に対応する。第1表示動作DO1は、第2グループGLg2のゲート線GLを用いた表示に対応する。
【0092】
第2表示期間DT2の第2表示動作DO2において、表示する内容に応じた画像信号Videoが、信号線回路部62a(図4参照)から出力される。一方、R色セレクタSELR、G色セレクタSELG及びB色セレクタSELBに、選択パルスが順次供給される。これにより、信号線SLに、赤信号SigR、緑信号SigG、及び、青信号SigBが供給される。これにより、第2表示動作DO2が行われる。
【0093】
検出期間STにおいて検出動作SOが実施される。検出動作SOにおいては、例えば、R色セレクタSELR、G色セレクタSELG及びB色セレクタSELBは、選択状態(高レベル)に設定される。そして、複数の信号線SL(第2配線L2)の少なくともいずれかを第1電位V1(例えば0V)に設定する。そして、複数のコモン線CL(第3配線L3)のうちの選択第3配線L3slと、複数の検出線RL(第4配線L4)と、の間の電気特性を検出する。選択第3配線L3slは、図5に関して説明したように、複数のコモン線CL(第3配線L3)のうちのいずれかであり、選択状態である。検出期間STにおける検出動作SOにより、例えば、タッチ式の入力が検出される。
【0094】
電気特性の検出は、例えば、選択第3配線L3slと、複数の検出線RL(第4配線L4)と、の間に流れる電流の検出を含む。電気特性の検出は、例えば、選択第3配線L3slと、複数の検出線RL(第4配線L4)と、の間のインピーダンスの検出を含む。電気特性の検出は、過去に実施した検出結果と、新たに検出した検出結果と、の差を求めることを含んでも良い。
【0095】
検出期間STの後であり第1表示期間DT1の前の表示前期間PDTにおいて、表示前動作PDOが行われる。表示前動作PDOは、第1電圧印加動作VA1を含む。この例では、表示前動作PDOは、第2電圧印加動作VA2をさらに含む。第1電圧印加動作VA1においては、複数の信号線SL(第2配線L2)の上記の少なくともいずれかを、第2電位V2に設定する。第2電位V2は、表示前電位である。第2電位V2は、第1電位V1とは異なる。第2電圧印加動作VA2においては、複数の信号線SL(第2配線L2)の上記の少なくともいずれかを、電位V2a(電位V2ar、V2ag及びV2abなど)に設定する。
【0096】
例えば、第2電位V2の設定が、図5に関して説明した、信号線SLへの電圧Vpの印加に対応する。この例では、信号線SLへの電圧Vpの印加は、電位V2aの設定もさらに含む。
【0097】
第1表示期間DT1においては、第1表示動作DO1が実施される。第1表示動作DO1においては、複数のゲート線GL(第1配線L1)の少なくともいずれかに、第1走査信号を供給して複数の信号線SL(第2配線L2)に第1表示信号を供給して、複数の画素電極Pxの電位を制御して、表示層30に光学動作を行わせる。第1表示動作DO1においては、複数の信号線SL(第2配線L2)を表示電位(例えば第3電位V3)に設定する。
【0098】
例えば、第1表示動作DO1において、画像信号Videoが、信号線回路部62aから出力され、R色セレクタSELR、G色セレクタSELG及びB色セレクタSELBに選択パルスが順次供給される。これにより、信号線SLに、赤信号SigR、緑信号SigG、及び、青信号SigBが供給される。これにより、第1表示動作DO1が行われる。
【0099】
実施形態においては、表示前動作PDOにおける第1電圧印加動作VA1により、第1表示動作DO1の前に、信号線SLの電位を変える。例えば、信号線SLの電位が、第1表示動作DO1のときの電位に予め近づく。これにより、表示が均一にできる。さらに、第2電圧印加動作VA2により、第1表示動作DO1の前に、信号線SLの電位を予め変える。例えば、信号線SLの電位が、第1表示動作DO1のときの電位に近づく。これにより、表示がより均一にできる。
【0100】
実施形態において、例えば、第2電位V2は、第1電位V1よりも高い。例えば、第1電位V1は、0Vである。第2電位V2は、例えば、約+4Vである。約−4Vでも良い。例えば、第2電位V2(電圧の絶対値)として、表示に用いられる信号電圧の最大値(表示電位の絶対値の最大値)を用いても良い。例えば、表示前動作PDOにおいては、検出動作SOよりも高い電圧が、信号線SLに印加される。表示前電位(第2電位V2)の絶対値は、表示電位(第3電位V3)の絶対値よりも大きい。これらの電位が正である場合、表示前電位は、表示電位よりも高い。
【0101】
例えば、検出動作SOにおいては、非選択第3配線L3ns(複数のコモン線CLのうちの選択第3配線L3slを除く配線)は、非選択電位Vnsに設定される。実施形態において、非選択第3配線L3nsの第1電圧印加動作VA1における電位(表示前電位Vnp)と第2電位V2との間の電位差の絶対値は、|V2−Vnp|である。一方、非選択第3配線L3nsの検出期間STにおける電位(非選択電位Vns)と、第1電位V1との間の電位差の絶対値は、|V1−Vns|である。絶対値|V2−Vnp|は、絶対値は、|V1−Vns|よりも大きく設定される。
【0102】
例えば、非選択電位Vns、表示前電位Vnp及び第1電位V1は、0Vである。一方、第2電位V2は、+4Vである。すなわち、表示前動作PDOにおける信号線SLとコモン線CLとの間の電位差の絶対値が、検出動作SOにおける信号線SLと非選択第3配線L3ns(コモン線CLの一部)との間の電位差の絶対値よりも大きく設定される。信号線SLを、表示前動作PDOの後に行われる第1表示動作DO1のときの電位に予め近づけることができ、誘電緩和による影響を抑制できる。なお、上記の電圧の値は例であり、実施形態において電圧の値は種々の変形が可能である。
【0103】
実施形態において、表示前期間PDTの時間tpdは、例えば、1μs以上10μs以下であり、例えば、3μs以上7μs以下である。時間tpdは、約5μsである。
【0104】
実施形態において、第1電圧印加動作VA1に加えて第2電圧印加動作VA2をさらに実施する場合、第2電圧印加動作VA2における電位V2a(電位V2ar、V2ag及びV2abなど)は、第1電圧印加動作VA1における電位(第2電位V2)と異なっても良い。
【0105】
実施形態において、例えば、第2電圧印加動作VA2における電位V2aは、第2表示期間DT2の最後における信号線SLの電位に応じて変化させても良い。
【0106】
すなわち、図7に例示したように、第1表示動作DO1の他に、検出期間STの前の第2表示期間DT2において、第2表示動作DO2がさらに行われる。この第2表示動作DO2においては、複数のゲート線GL(第1配線L1)の少なくともいずれかに第2走査信号を供給して、複数の信号線SL(第2配線L2)に第2表示信号を供給する。第2表示動作DO2においては、複数の信号線SL(第2配線L2)を表示電位(例えば第3電位V3)に設定する。そして、表示前動作PDOにおける第2電圧印加動作VA1においては、複数の信号線SLの少なくともいずれかを、第2表示期間DT2の最後におけるその複数の信号線SLの第3電位V3(最後電位)に設定する。すなわち、第2電圧印加動作VA2において、第2表示期間DT2の「ラスト1H」の電位に、信号線SLが設定される。この後、第1表示動作DO1が行われる。
【0107】
実施形態において、例えば、第2表示動作DO2が実施されるゲート線GLと、第1表示動作DO1が実施されるゲート線GLと、は、隣り合う。表示前動作PDOにおいて、信号線SLを「ラスト1H」の電位に設定することで、表示がより均一化される。
【0108】
例えば、第1電圧印加動作VA1において設定される第2電位V2は、第2電圧印加動作VA2における電位V2aよりも高く設定されても良い。
【0109】
例えば、非選択第3配線L3ns(複数のコモン線CLのうちの選択第3配線L3slを除く配線)の第1電圧印加動作VA1における電位は、例えば、表示前電位Vnpである。表示前電位Vnpと第2電位V2との間の電位差の絶対値は、|V2−Vnp|である。一方、表示前電位Vnpと上記の第3電位V3との間の電位差は、|V3−Vnp|である。実施形態においては、|V2−Vnp|を|V3−Vnp|よりも大きくする。
【0110】
実施形態において、第2電圧印加動作VA2における電位V2a(電位V2ar、V2ag及びV2abなど)は、例えば第3電位V3(「ラスト1H」の電位)に応じて変化する。一方、第2電位V2は、固定でも良く、第3電位V3に連動して変化しても良い。例えば、第2電位V2(表示前電位)は、第3電位V3(最後電位)に比例して変化しても良い。例えば、第2電位V2の第3電位V3に対する比は、例えば、1以上2以下でも良い。
【0111】
既に説明したように、第2表示動作DO2が、例えば、第(i−1)グループGLg(i−1)(例えば第1グループGLg1)のゲート線GLに対して実施され、第1表示動作DO1が、第iグループGLgi(例えば第2グループGLg2)のゲート線GLに対して実施される。このときに、表示が不均一になり易い。このとき、上記の表示前動作PDOを行うことによって、表示を均一化が効果的に実施できる。
【0112】
すなわち、第3方向D3は、第1方向D1に対して平行である。そして、複数のゲート線GLは、複数のグループに分けられ、複数のグループのそれぞれは、互いに隣り合う複数のゲート線GLを含む。そして、X−Y平面に投影したときに、複数のコモン線CLのそれぞれは、複数のグループのそれぞれと重なる。このとき、制御部60は、第2表示期間DT2において、複数のゲート線GLのうちの第1グループGLg1に含まれるゲート線GLに第2走査信号を供給して複数の信号線SLに第2表示信号を供給する第2表示動作DO2を行う。そして、第1表示動作DO1は、第1表示期間DT1に、第1グループGLg1の隣の第2グループGLg2に含まれるゲート線GLに第1走査信号を供給して複数の信号線SLに第1表示信号を供給することを含む。このときに、上記の検出動作SOと表示前動作PDOとを実施することで、表示の均一化が効果的に実施できる。
【0113】
第1表示動作DO1における第1表示信号は、第2表示動作DO2における第2表示信号と同じである。すなわち、第1表示動作DO1における表示電位は、第2表示動作DO2における表示電位と同じである。第1表示動作DO1における映像は、第2表示動作DO2における映像と同じである。同じ表示内容を表示している2つの期間(第1表示期間DT1と第2表示期間DT2)の間に、検出を行う。第2表示動作DO2の後に、検出を行い、その後、同じ映像の第1表示動作DO1を行う。このとき、検出と第1表示動作DO1との間に、表示前動作PDOを行うことで、第1表示動作DO1における映像表示の応答(復帰)が早くなる。これにより、表示のむらが抑制される。
【0114】
より具体的には、物体の接触または近接を検出するタッチ検出期間と、ディスプレイの映像表示を行う表示期間とを別個に設けている表示装置においては、タッチ検出期間前後の画像表示にスジやむらがでる場合があるため、タッチ検出期間前後に同一の映像を表示することがあるが、タッチ検出期間の信号線の電位を比較的低い電位にしている場合、タッチ検出期間後の映像の復帰が遅くなり表示むらが改善されないことがあるため、上記のような操作を行うことによりこのような表示むらを改善することができる。
【0115】
実施形態において、第1電圧印加動作VA1を、互いに異なる色に対応する複数の信号線SLに同時に実施しても良い。例えば、複数の画素電極Pxに、第1色画素電極Pxaと、第2色画素電極Pxbと、が設けられ、複数の信号線SLに、第1色配線SLaと、第2色配線SLbと、が設けられる(図4参照)。このとき、図7に例示したように、制御部60は、第1電圧印加動作VA1を第1色配線SLaと第2色配線SLbとに同時に行っても良い。
【0116】
実施形態において、第1電圧印加動作VA1を、互いに異なる色に対応する複数の信号線SLに、順次実施しても良い。例えば、制御部60は、第1期間に第1電圧印加動作VA1を第1色配線SLaに行い、第1期間の後の第2期間に第1電圧印加動作VA1を第2色配線に行う。例えば、図7に示した例では、第2電圧印加動作VA2は、異なる色に対応する複数の信号線SLに、順次実施されている。第2電圧印加動作VA2を第1電圧印加動作VA1と見なしても良い。
【0117】
実施形態において、上記のセレクタ部62bは、必要に応じて設けられ、省略しても良い。上記の例では、3色に対応して、R色セレクタSELRと、G色セレクタSELGと、B色セレクタSELBと、の3系統のセレクタが設けられている。セレクタは、2系統でも良く、4系統以上でも良い。
【0118】
上記の例では、表示層30として液晶層が用いられ、さらに、横電界モードの構成が適用されている。すなわち、図1に例示したように、複数のコモン線CLの少なくとも一部は、複数の画素電極Pxのいずれかの少なくとも一部と、複数の信号線SLのいずれかの少なくとも一部と、の間に配置される。そして、第2絶縁層I2は、複数のコモン線CLの上記の少なくとも一部と、複数の画素電極Pxのいずれかの上記の少なくとも一部と、の間に配置される。複数の画素電極Pxのそれぞれは、X−Y平面内で互いに離間する複数の部分Pxsを含む。表示層30は、液晶を含み、光学動作は、光学特性の変化を含む。表示層30の液晶の配向は、X−Y平面内で変化する。例えば、液晶の配向の変化は、複数のコモン線CLの上記の少なくとも一部と、画素電極Pxの上記の複数の部分Pxsと、により生じるX−Y平面に対して平行な成分を有する電界に応じて変化する。
【0119】
例えば、表示層30として、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)モードの液晶を用いても良い。表示層30として、例えば、IPS(インプレーンスイッチング)モードの液晶を用いても良い。
【0120】
例えば、横電界モードの液晶を用いる場合、画素電極Pxの対抗電極(上記の例では、コモン線CL)が、第1基板部10uに設けられる。この構成においては、第2基板部20uに対向電極を設けなくても良い。もし、第2基板部20uに対向電極が設けられると、検出線RLを用いた検出動作が実施し難い場合がある。第1基板部10uに対向電極となるコモン線CLを設けることで、検出動作がし易くなる。
【0121】
さらに、本実施形態において、表示層30は、発光層を含んでも良い。
図8は、第1の実施形態に係る別の表示装置を例示する模式図である。
図8においては、第4配線L4(検出線RL)は、省略されている。
【0122】
本実施形態に係る表示装置120においては、表示層30として、発光層(例えば有機発光層)が用いられる。図8に表したように、この例では、第1配線L1として制御線が用いられる。第2配線L2として、信号線が用いられる。第3配線L3として、画素電極Pxに対向する対向電極が用いられる。スイッチ素子11として、書き込みトランジスタが用いられている。この他、駆動トランジスタ11D、電源線PL及びキャパシタ19が設けられている。
【0123】
1つの画素35には、書き込みトランジスタ(スイッチ素子11)と、駆動トランジスタ11Dと、キャパシタ19と、画素電極Pxと、が設けられる。
【0124】
例えば、書き込みトランジスタのソースに、第2配線L2が接続される。書き込みトランジスタのゲートに第1配線L1が接続される。書き込みトランジスタのドレインに、駆動トランジスタ11Dのゲートが接続される。駆動トランジスタ11Dのドレインは、電源線PLに接続される。電源線PLは、例えば、電源電位Vddに設定される。駆動トランジスタ11Dのゲートに、キャパシタ19の一端が接続される。駆動トランジスタ11Dのドレインに、キャパシタ19の他端が接続される。駆動トランジスタ11Dのソースに画素電極Pxが接続される。画素電極Pxと対向電極(第3配線L3)との間に、表示層30が設けられる。表示層30として有機発光層を用いる場合には、例えば、画素電極Pxはアノードとなり、対向電極はカソードとなる。
【0125】
第1配線L1に順次信号が供給され、書き込みトランジスタ(スイッチ素子11)及び駆動トランジスタ11Dが動作し、第2配線L2に供給される信号に応じた電荷が画素電極Pxに供給される。電荷は、駆動トランジスタ11Dを介して、画素電極Pxに供給される。表示層30は、画素電極Pxの電荷(電位)に応じて、例えば、発光する。これにより、表示が行われる。
【0126】
表示装置120においても、検出期間STにおいて、第3配線L3と第4配線L4との間の電気特性が検出される。そして、表示前期間PDTにおいて、上記の表示前動作PDOが実施される。
これにより、表示均一性の高い表示装置が提供できる。
【0127】
(第2の実施形態)
本実施形態は、表示装置の駆動装置210(図3参照)に係る。
本実施形態に係る表示装置は、例えば入力機能を有する。本実施形態に係る駆動装置210は、第1の実施形態に関して説明した制御部60の少なくとも一部の動作を実施する。
【0128】
図9は、第2の実施形態に係る表示装置の駆動装置の動作を例示するフローチャート図である。
図9に表したように、例えば、駆動装置210は、第2表示期間DT2において第2表示動作DO2を実施し、検出期間STにおいて検出動作SOを実施し(ステップS120)、第1表示期間DT1において第1表示動作DO1を実施し(ステップS140)、表示前期間PDTにおいて表示前動作PDOを実施する(ステップS130)。
【0129】
検出動作SOにおいては、複数の第3配線L3のうちのいずれかである選択状態の選択第3配線L3slと複数の第4配線L4との間の電気特性を検出する。検出動作SOにおいては、例えば、複数の第2配線L2の少なくともいずれかを第1電位V1に設定する。
【0130】
第1表示動作DO1においては、複数の第1配線L1の少なくともいずれかに第1走査信号を供給して複数の第2配線L2に第1表示信号を供給して複数の画素電極Pxの電位を制御して表示層30に光学動作を行わせる。第1表示動作DO1においては、複数の第2配線L2を表示電位(例えば第3電位V3)に設定する。
【0131】
表示前動作PDOにおいては、第1電圧印加動作VA1を実施する(ステップS131)。第1電圧印加動作VA1においては、例えば、複数の第2配線L2の少なくともいずれかを第1電位V1とは異なる表示前電位(第2電位V2)に設定する。表示前電位の絶対値は、表示電位の絶対値よりも大きい。
【0132】
さらに、表示前動作PDOは、既に説明した第2電圧印加動作VA2(ステップS132)を実施しても良い。さらに、第2表示動作DO2(ステップS110)を実施しても良い。
本実施形態によれば、表示均一性の高い表示装置の駆動装置が提供できる。
【0133】
この実施形態は、表示装置の駆動方法として実施しても良い。
【0134】
実施形態によれば、表示均一性の高い表示装置、表示装置の駆動装置、及び、表示装置の駆動方法が提供できる。
【0135】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0136】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置に含まれる配線、スイッチ素子、表示層、絶縁層及び制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0137】
本発明の実施の形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0138】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0139】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0140】
10…第1基板、 10u…第1基板部、 11…スイッチ素子、 11D…駆動トランジスタ、 11g…ゲート、 11i…ゲート絶縁膜、 12…半導体層、 12a…第1部分、 12b…第2部分、 12c…第3部分、 13…層間絶縁膜、 15a…第1接続部、 15b…第2接続部、 15c…第1接続導電部、 15d…第2接続導電部、 17…第3接続導電部、 18…第1配向膜、 19…キャパシタ、 20…第2基板、 20u…第2基板部、 25…カラーフィルタ層、 28…第2配向膜、 30…表示層、 35…画素、 35a…第1色画素、 35b…第2色画素、 51…第1偏光層、 52…第2偏光層、 55…バックライト部、 60…制御部、 61…ゲート線ドライバ、 62…信号線ドライバ、 62a…信号線回路部、 62b…セレクタ部、 63…制御回路、 65…コモン線ドライバ、 66…検出回路、 ε1…誘電率、 110、120…表示装置、 210…駆動装置、 CL…コモン線、 CL1、CL2、CLN…コモン線、 Cs…蓄積容量、 D1〜D5…第1〜第5方向、 DO…表示動作、 DO1、DO2…第1、第2表示動作、 DT…表示期間、 DT1、DT2…、第1、第2表示期間、 GL…ゲート線、 GL1、GL2、GLn…ゲート線、 GLg1、GLg2、GLgk…グループ、 I1、I2…第1、第2絶縁層、 L1〜L4…第1〜第4配線、 L3ns…非選択第3配線、 L3sl…選択第3配線、 PDO…表示前動作、 PDT…表示前期間、 PL…電源線、 Px…画素電極、 Pxa、Pxb…第1、第2色画素電極、 Pxs…部分、 RL…検出線、 RL1、RL2、RLM…検出線、 SELB…B色セレクタ、 SELG…G色セレクタ、 SELR…R色セレクタ、 SL…信号線、 SL1、SL2、SLm…信号線、 SLa、SLb…第1、第2色配線、 SO…検出動作、 ST…検出期間、 SigB…青信号、 SigG…緑信号、 SigR…赤信号、 Tx…対向電極、 Uf…上面、 V1〜V4…第1〜第4電位、 V2a、V2ab、V2ag、V2ar…電位、 VA1、Va2…第1、第2電圧印加動作、 Video…画像信号、 Video1…信号、 Vnp…表示前電位、 Vns…非選択電位、 Vp…電圧、 fa…周波数、 t…時間、 tpd…時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9