(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
逆截頭円錐形状の上下開口のケーシングを共通中心軸を以って立設し、該共通中心軸に沿って回転軸を設け、上記ケーシング内に上記回転軸と共に回転する分散板を設け、当該分散板に複数の分散羽根を配設し、上記ケーシングの上部開口から該ケーシング内に投入される廃棄物を、上記分散羽根の回転により当該ケーシングの内周側面の方向に飛ばし得るように構成し、
上記分散板より低位置の上記ケーシングにおいて、上記ケーシング内で旋回気流を発生させるための空気噴射部を設け、
上記ケーシング内の上記内周側面の方向に飛んだ上記廃棄物の内、軽量物を上記旋回気流によって上方に吹き飛ばし、上記上部開口から上記ケーシング外部に排出し得るように構成し、
上記廃棄物の内、重量物は上記ケーシングの下部開口から下方に排出し得るように構成し、
上記ケーシングを、上記共通中心軸に沿って側面の傾斜角度が異なる複数の逆截頭円錐形状のケーシングにより構成し、
上記分散羽根により上記廃棄物が飛ばされる位置に対応するケーシングの側面の傾斜角度は、他の位置のケーシングの側面の傾斜角度に比べて緩やかであることを特徴とする旋回気流による選別装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1の装置は、上部の投入口からケーシング内に投入された廃材を内筒の上端部に衝突させ散乱させることにより、重量物と軽量物とを分離する構成であるが、より高い精度にて重量物と軽量物とを選別するためには、軽量物を空気流により飛ばす前に、重量物と軽量物とを確実に分離し得る技術が望まれている。
【0006】
上記特許文献2の装置は、直線コンベアの進行方向に対して直交する方向に空気を噴射するものであるから、ハードプラスチックに空気が当たる面が一方向である。従って、上記特許文献1と同様に、選別精度を高めるためには、確実かつ効率的に重量物と軽量物とを分離することが課題となる。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、建築廃材等の廃棄物中の重量の大きいがれき類、砕石等の破砕物(重量物)と、軽いプラスチック類(プラスチックチップ、板等)、木片等(軽量物)とを確実に分離し、精度よく選別することができる旋回気流による選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明は、
第1に、逆截頭円錐形状の上下開口のケーシングを共通中心軸を以って立設し、該共通中心軸に沿って回転軸を設け、上記ケーシング内に上記回転軸と共に回転する分散板を設け、当該分散板に複数の分散羽根を配設し、上記ケーシングの上部開口から該ケーシング内に投入される廃棄物を、上記分散羽根の回転により当該ケーシングの内周側面の方向に飛ばし得るように構成し、上記分散板より低位置の上記ケーシングにおいて、上記ケーシング内で旋回気流を発生させるための空気噴射部を設け、上記ケーシング内の上記内周側面の方向に飛んだ上記廃棄物の内、軽量物を上記旋回気流によって上方に吹き飛ばし、上記上部開口から上記ケーシング外部に排出し得るように構成し、上記廃棄物の内、重量物は上記ケーシングの下部開口から下方に排出し得るように構成し、
上記ケーシングを、上記共通中心軸に沿って側面の傾斜角度が異なる複数の逆截頭円錐形状のケーシングにより構成し、上記分散羽根により上記廃棄物が飛ばされる位置に対応するケーシングの側面の傾斜角度は、他の位置のケーシングの側面の傾斜角度に比べて緩やかであることを特徴とする旋回気流による選別装置により構成される。
【0009】
上記回転軸は回転シャフト(11)により構成することができる。上記ケーシングは例えば下部ケーシング(3)、中間ケーシング(4)、上部ケーシング(5)により構成することができる。上記空気噴射部は例えば複数の空気導入管(9)及びケーシングに形成された複数の貫通孔(6f)により構成し、ケーシング外部からケーシング内部に空気を噴射して旋回気流(B’)を発生させても良いし(
図3参照)、上記ケーシング内中央部に複数の空気噴射ノズル(21)を設け、これら空気噴射ノズル(21)からケーシング内周側面の方向に旋回気流(F’)を発生させても良い(
図7参照)。上記分散羽根に衝突した廃棄物は、当該分散羽根の回転によりケーシングの内周側面の方向に飛ばされるが、廃棄物の重量物と軽量物はその重量差に基づく軌跡差を以って飛ばされ、従ってケーシング内の全周に亘って軌跡差によって重量物と軽量物を空間的に分離することができる。ケーシング内周側面の近傍まで飛ばされた軽量物は上向き旋回気流によって上方に飛ばされ、上記ケーシングの上部開口からケーシング外部に排出される。上記重量物は上記分散羽根によって飛ばされた後、その重量によって下方に落下し、ケーシング下部開口から下方に排出し得る。このように、回転する分散板によって、逆截頭円錐形状のケーシング内の全周に亘って重量物と軽量物の分離作用を行うことができるため、重量物と軽量物とを精度良く選別することができる。
廃棄物が飛ばされる位置におけるケーシング側面の傾斜角度を緩やかにすることにより、より小さな力で軽量物をケーシング側面の内周側面に沿って上昇に持ち上げることができ、非常に効率的な選別装置を実現し得る。
【0010】
第2に、
逆截頭円錐形状の上下開口のケーシングを共通中心軸を以って立設し、該共通中心軸に沿って回転軸を設け、上記ケーシング内に上記回転軸と共に回転する分散板を設け、当該分散板に複数の分散羽根を配設し、上記ケーシングの上部開口から該ケーシング内に投入される廃棄物を、上記分散羽根の回転により当該ケーシングの内周側面の方向に飛ばし得るように構成し、上記分散板より低位置の上記ケーシングにおいて、上記ケーシング内で旋回気流を発生させるための空気噴射部を設け、上記ケーシング内の上記内周側面の方向に飛んだ上記廃棄物の内、軽量物を上記旋回気流によって上方に吹き飛ばし、上記上部開口から上記ケーシング外部に排出し得るように構成し、上記廃棄物の内、重量物は上記ケーシングの下部開口から下方に排出し得るように構成し、上記空気噴射部は、上記ケーシング内の上記分散板の下方位置における上記回転軸の周りに設けられ、上記ケーシングの外部方向に向かう空気を噴射する複数の空気噴射ノズルにより構成し、これらの空気噴射ノズルから空気を噴射することにより、上記ケーシングの上記内周側面の方向に上記旋回気流を発生させるものであることを特徴とす
る旋回気流による選別装置により構成される。
【0011】
上記外部方向とは、上記空気噴射ノズルからケーシングの内周側面に向かう方向をいう。このように構成すると、ケーシング内に、回転軸の周りから外部方向に向かう旋回気流を容易に発生させることができる。
【0012】
第3に、
逆截頭円錐形状の上下開口のケーシングを共通中心軸を以って立設し、該共通中心軸に沿って回転軸を設け、上記ケーシング内に上記回転軸と共に回転する分散板を設け、当該分散板に複数の分散羽根を配設し、上記ケーシングの上部開口から該ケーシング内に投入される廃棄物を、上記分散羽根の回転により当該ケーシングの内周側面の方向に飛ばし得るように構成し、上記分散板より低位置の上記ケーシングにおいて、上記ケーシング内で旋回気流を発生させるための空気噴射部を設け、上記ケーシング内の上記内周側面の方向に飛んだ上記廃棄物の内、軽量物を上記旋回気流によって上方に吹き飛ばし、上記上部開口から上記ケーシング外部に排出し得るように構成し、上記廃棄物の内、重量物は上記ケーシングの下部開口から下方に排出し得るように構成し、上記ケーシングの上記上部開口に上記軽量物の回収用円筒を接続し、当該回収用円筒の側面の排出口から上記軽量物を排出し得るように構成したものであることを特徴とす
る旋回気流による選別装置により構成される。
【0013】
このように構成すると、上記旋回気流により上記ケーシングの上部開口に到達した軽量物を、上記回収用円筒を通過して上記排出口からケーシング外部に排出することができる。
【0014】
第4に、
逆截頭円錐形状の上下開口のケーシングを共通中心軸を以って立設し、該共通中心軸に沿って回転軸を設け、上記ケーシング内に上記回転軸と共に回転する分散板を設け、当該分散板に複数の分散羽根を配設し、上記ケーシングの上部開口から該ケーシング内に投入される廃棄物を、上記分散羽根の回転により当該ケーシングの内周側面の方向に飛ばし得るように構成し、上記分散板より低位置の上記ケーシングにおいて、上記ケーシング内で旋回気流を発生させるための空気噴射部を設け、上記ケーシング内の上記内周側面の方向に飛んだ上記廃棄物の内、軽量物を上記旋回気流によって上方に吹き飛ばし、上記上部開口から上記ケーシング外部に排出し得るように構成し、上記廃棄物の内、重量物は上記ケーシングの下部開口から下方に排出し得るように構成し、上記ケーシングの上記上部開口の上縁部を上記上部開口に沿って開放し、上記上部開口からケーシング外部に排出される上記軽量物の受部を、上記上部開口の外周側面に接続したものであることを特徴とす
る旋回気流による選別装置により構成される。
【0015】
このように構成すると、上記ケーシングの上部開口の上縁部の例えば全周から、軽量物を当該ケーシング外に排出することができ、上記上縁部の外側に配置された受部によって軽量物を効率的に回収することができる。
【0016】
第5に、逆
截頭円錐形状の上下開口のケーシングを共通中心軸を以って立設し、該共通中心軸に沿って回転軸を設け、上記ケーシング内に上記回転軸と共に回転する分散板を設け、当該分散板に複数の分散羽根を配設し、上記ケーシングの上部開口から該ケーシング内に投入される廃棄物を、上記分散羽根の回転により当該ケーシングの内周側面の方向に飛ばし得るように構成し、上記分散板より低位置の上記ケーシングにおいて、上記ケーシング内で旋回気流を発生させるための空気噴射部を設け、上記ケーシング内の上記内周側面の方向に飛んだ上記廃棄物の内、軽量物を上記旋回気流によって上方に吹き飛ばし、上記上部開口から上記ケーシング外部に排出し得るように構成し、上記廃棄物の内、重量物は上記ケーシングの下部開口から下方に排出し得るように構成し、上記空気噴射部は、上記ケーシング側面に該ケーシング内部に連通する複数の空気導入管を設け、上記空気導入管を介して上記ケーシング内に空気を噴射する構成とし、これらの空気導入管から上記ケーシングの内部方向に空気を噴射することにより、上記旋回気流を発生させるものであり、さらに、上記ケーシング内の上記分散板の下方位置における上記回転軸の周りにも上記空気噴射部が設けられ、この回転軸の周りの上記空気噴射部は上記ケーシングの外部方向に向かう空気を噴射する複数の空気噴射ノズルにより構成し、これらの空気噴射ノズルから空気を噴射することにより、上記ケーシングの上記内周側面の方向に上記旋回気流を発生させるものであることを特徴とする旋回気流による選別装置により構成される。
【0017】
このように構成すると、空気導入管により、ケーシング側面からケーシング内に空気を導入することにより同ケーシング内に形成された旋回気流を、上記ケーシング内部に配置された空気噴射ノズルからケーシング内周側面の方向に噴射された空気によって形成された旋回気流により補助することができる。これにより、例えば木片等の比較的重量大の軽量物を確実に上方に飛ばすことができる
【0018】
第6に、
上記分散板は上記共通中心軸を中心とする円盤であり、当該円盤と上記ケーシング内周側面との間に円環状空間を形成し、上記空気噴射部から噴射された上記旋回気流は、上記円環状空間を通って上記ケーシングの上記上部開口に至るものであることを特徴とする上記第1〜5の何れかに記載の旋回気流による選別装置により構成される。
【0019】
このように構成すると、上記旋回気流は狭い上記円環状空間を通過して上記ケーシングの上部開口に向かうので、上記円環状空間を通過した後もその流速が低下することなく、ケーシング内周側面に沿う旋回気流を維持し得る。よって、例えば木片等の比較的重量大の軽量物であっても確実に上方に吹き飛ばすことができる。
【0020】
第7に、
上記分散板は、上記回転軸に沿って上下方向に位置調整可能としたものであることを特徴とする上記第1〜
6の何れかに記載の旋回気流による選別装置により構成される。
【0021】
このように構成すると、上記分散板を上下方向に位置調整することにより、分散板とケーシング内周側面との間に形成される円環状空間の幅を調整することができる。例えば、軽量物として木片等を含まず、比較的軽い軽量物のみである場合は、上記分散板の位置を上方位置として円環状空間の幅を広く構成し、例えば木片等の比較的重量大の軽量物を含む場合は、上記分散板の位置を低下させ円環状空間の幅を狭くすることにより、旋回気流の流速を高め、重量物と軽量物の選別精度を向上させることができる。
【0022】
第8に、
上記分散板は、その回転数を変更可能に構成したものであることを特徴とする上記第1〜7の何れかに記載の旋回気流による選別装置により構成される。
【0023】
このように構成すると、分散板の回転数を、廃棄物の種類、処理量、粒度等に応じて最適の値に調節することができ、より精度の高い選別を行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ケーシング内において、回転する分散板(分散羽根)によって、逆截頭円錐形状のケーシング内の全周に亘って重量物と軽量物の空間的な分離作用を行うことができるため、重量物と軽量物とを精度良く選別することができる。
【0029】
また、ケーシング内の旋回気流は狭い円環状空間を通過してケーシングの上部開口に向かうので、円環状空間を通過した後もその流速が極力低下することなく、ケーシング内周側面に沿う良好な旋回気流を維持し得る。よって、例えば木片等の比較的重量大の軽量物であっても確実に上方に吹き飛ばすことができる。
【0030】
また、分散板を上下方向に位置調整することができるので、選別すべき廃棄物における重量物と軽量物との比率、種類等、廃棄物の性状等に応じて、適切な位置に分散板を配置して、精度の高い選別動作を行うことができる。
【0031】
また、分散板の回転数を、廃棄物の種類、処理量、粒度等に応じて最適の値に調節することができ、より精度の高い選別を行うことができる。
【0032】
また、廃棄物が飛ばされる位置におけるケーシング側面の傾斜角度を緩やかにすることにより、より小さな力で軽量物をケーシング側面の内周側面に沿って上方に持ち上げることができ、非常に効率的な選別装置を実現し得る。
【0033】
また、旋回気流により上記ケーシングの上部開口に到達した軽量物を、回収用円筒を通過して排出口からケーシング外部に確実に排出することができる。
【0034】
また、ケーシングの上部開口の上縁部の周囲から、軽量物を当該ケーシング外に排出することができ、上記上縁部の外側に配置された受部によって軽量物を効率的に回収することができる。
【0035】
また、ケーシングの内部方向に向かう旋回気流を、ケーシング内周側面の方向(外部方向)に向かう旋回気流により補助することができ、これにより、例えば木片等の比較的重量大の軽量物を確実に上昇に飛ばすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係る旋回気流による選別装置について詳細に説明する。
【0038】
図1は同上選別装置の側面図、
図2は同上選別装置の平面図である。これらの図において、1は逆截頭円錐形状のケーシング2を中央に支持する機枠であり、平面視正方形の上部機枠1aと(
図2、
図3参照)、当該上部機枠1aの4つのコーナ部各々から垂直下方に設けられた4本の脚部1bとから構成されており、上記上部機枠1aが水平状態となるように地面G上に立設されている。上記上部機枠1aの各片(四辺)の中央部には、後述の下部ケーシング3を固定支持するための支持台板1c(4か所)が各々固定されている。1dは上記各支持台板1cの下部補強板である。また、上記上部機枠1aの正方形の対角線の中心に、後述の逆截頭円錐形状のケーシング2の共通中心軸Cが位置している。
【0039】
尚、以下の説明において、
図9に示すように円錐形の頭部を水平にカットして上下開口とし、上下を逆にした形状を「逆截頭円錐形状」といい、下方の径小の開口を下部開口、上方の径大の開口を上部開口という。また、円錐の側面(母線M)の傾斜角度は、上記下部開口を含む水平面から母線Mの立ち上がり角度θにより表現する。よって、角度θが大きい場合は母線(側面)の傾斜角度が急な逆截頭円錐形状となり、角度θが小さい場合は母線(側面)の傾斜角度が緩やかな逆截頭円錐形状となる。
【0040】
上記機枠1の中央部に、共通中心軸Cを中心とする上下開口の逆截頭円錐形状のケーシング2が固定されている。当該ケーシング2は、その外周面の傾斜角度の異なる複数(本実施形態では3つ)の逆截頭円錐形状のケーシング3,4,5を接続することにより構成されている。
【0041】
具体的には、上記共通中心軸Cを中心軸とする上下開口の逆截頭円錐形状の下部ケーシング3と、上記下部ケーシング3の円環状上部フランジ3aに円環状下部フランジ4aを以って接続され、上記共通中心軸Cを中心とする上下開口の逆截頭円錐形状の中間部ケーシング4と、該中間部ケーシング4の円環状上部フランジ4eに円環状下部フランジ5aを以って接続され、上記共通中心軸Cを中心軸とする上下開口の逆截頭円錐形状の上部ケーシング5とから構成されている。
【0042】
上記下部ケーシング3は、上記3つのケーシング中、中間の傾斜角度θ1(θ1<θ2、θ1>θ3)の側面を有している。その円環状上部フランジ3aより若干低位置の外周面における互いに90度隔てた同一高さの4か所から、外周方向に支持板7(4か所、
図2参照)が水平に突設されており、これら支持板7の裏面が対向する上記支持台板1c上に載置され、支持板7と上記支持台板1cとが各々ボルト及びナットにより固定されている。これにより、当該下部ケーシング3は共通中心軸Cを中心として上記機枠1に水平に固定されている。また、これらの支持板7上面と上記円環状上部フランジ3a裏面との間には、半径方向に延びる各一対の補強板8が設けられている。
【0043】
この下部ケーシング3の下部開口3b近傍の外周面には当該ケーシング3内部に貫通する案内管3cが接続されており、当該案内管3c内部には、後述のタイミングベルト17が挿通される。また、当該下部ケーシング3の内部中央には、後述の回転シャフト11(
図4参照)を回転自在に支持するための円筒ケース12が設けられている。
【0044】
この円筒ケース12は、
図5に示すように、下部ケーシング3の上部開口3dの直径に沿って設けられた支持杆3e,3e’によりその円筒の中心が上記共通中心軸Cと一致するように固定支持されている。3f,3fは上記支持杆3e,3e’上に設けられた保護板であり、上方から落下してくる重量物が上記支持杆3e,3e’に直接衝突することを防止して上記支持杆3e,3e’を保護するものである。
【0045】
上記中間ケーシング4は、その下部開口4bの直径が上記下部ケーシング3の上部開口3dの直径と同一であり、上記下部開口4bに設けられた円環状下部フランジ4aと上記下部ケーシング3の上部円環状フランジ3aとをボルト及びナットにより締結することで、共通中心軸Cを中心として上記下部ケーシング3の上部開口3dに接続されている。この中間ケーシング4の側面の傾斜角度θ2は最大であり(θ2>θ1、θ2>θ3)、上記3つのケーシング中、最も急な傾斜の側面を有している。
【0046】
この中間ケーシング4の略中間位置には、該ケーシング4の外周側面を全周に亘り包囲する環状の空気導入ダクト6が取り付けられている。この空気導入ダクト6は、上記中間ケーシング4の中間位置の直径より径大であって、当該中間ケーシング4を包囲する内筒6a(
図2参照)と、当該内筒6aより径大で当該内筒6aを取り囲む外筒6bと、上記内筒6aと上記外筒6bの上下開口を閉鎖する円環状上蓋6c及び円環状下蓋6dとから構成されており、上記円環状上蓋6cと上記円環状下蓋6dの各内周縁は、上記中間ケーシング4の外周面に気密状態で溶接等により接続されている。かかる構成により、上記空気導入ダクト6内部には上記中間ケーシング4を包囲する環状空気通路6eが形成されている。
【0047】
上記外筒6bの一端部には上記環状空気通路6eに空気を導入する空気導入口6gが形成されており、図示しない送風ファンから所定風量の空気を水平方向(矢印A方向)に導入し得るように構成されている。
【0048】
上記内筒6aには、上記中間ケーシング4の外周面に向けて平面視右回りに傾斜した複数の空気導入管9(本実施形態では8本)が等間隔で設けられており(
図3参照)、当該空気導入管9の各先端部は上記中間ケーシング4の外周に各々設けられた空気導入用の貫通口6f(8か所)を介して中間ケーシング4内に開口している。従って、上記環状空気通路6eは上記各空気導入管9を介して中間ケーシング4内部に連通している。
【0049】
従って、上記空気導入口6gから上記環状空気通路6e内に所定風量の空気を導入すると、当該空気は、上記環状空気通路6eを介して、上記複数の空気導入管9から中間ケーシング4内に、該ケーシング4の内周側面4dに沿う右回りの旋回方向(
図3、矢印B方向)に導入され、上記中間ケーシング4内において、該ケーシング4内周側面4dに沿う上向き旋回気流B’を形成し得るように構成されている。尚、上記ケーシング4は、上側に径大となっており、かつ、当該ケーシング4に接続された上記ケーシング5も同じく上側に径大となっていることにより、当該ケーシング4内に導入された空気は、抵抗が少ない上部開口4c,5cの方向、即ち上向きの旋回気流B’となって上昇する。さらに、この効果を高めるために、空気導入管9を若干上向きにすることもできる(例えば、上記導入管9を水平から45度の範囲内の角度で上向きに設置する)。
【0050】
また、上記旋回気流は、後述の分散板15(下部位置H2)の外周縁と上記上部ケーシング5の内周側面5dとの間に形成された比較的狭い円環状空間S1(幅t1)を通過して上方に抜けていくため、側面の傾斜の最も急な中間ケーシング4から、傾斜の最も緩やかな上部ケーシング5に移行してもその流速が低下することはない。
【0051】
上記上部ケーシング5は、その下部開口5bの直径が上記中間ケーシング4の上部開口4cの直径と同一であり、上記下部開口5bに設けられた円環状下部フランジ5aと上記中間ケーシング4の円環状上部フランジ4eとをボルト及びナットにより締結することで、共通中心軸Cを中心として上記中間ケーシング4の上部開口4cに接続されている。この上部ケーシング5の側面の傾斜角度θ3は最も小であり(θ3<θ2、θ3<θ1)、上記3つのケーシング中、最も緩やかな傾斜の側面を有している。この上部ケーシング5の上部開口5cの直径は、当該ケーシング2中最も大きく、上方に広く開口した状態となっている。
【0052】
次に、上記ケーシング2内部中央部に、上記共通中心軸Cを中心として回転可能に設けられた分散機構10の構成について説明する(
図1、
図4、
図6参照)。この分散機構10は、上記共通中心軸Cと中心軸を共通する回転シャフト11の上端部に、回転シャフト11と共に矢印D方向に回転可能、かつ上下方向に位置調整可能に設けられた分散板15を具備している。
【0053】
上記回転シャフト11は、
図6に示すように、上記下部ケーシング3の内部に固定された上記円筒ケース12内において、上下2か所のベアリング12a,12bにより、矢印D方向に回転自在に支持され、かつ上記シャフト11と一体の上記ベアリング12aの下部を、上記円筒ケース12内周の段部12cに係止することにより、垂直方向には固定された状態で当該段部12cによって垂直に支持され、これにより上記シャフト11の先端部は上記中間ケーシング4の上部開口4c近傍の位置まで達している(
図4参照)。
【0054】
上記回転シャフト11の先端部11bには、分散板15の中央支持筒15aの下端15bの開口15b’が挿通され、上記中央支持筒15aの内周側面15cと上記シャフト11の先端部11b外周面11b’との間に、ボルト挿入による軸方向荷重によって半径方向の面圧を発生し、半径方向に締結する公知のリング状締結具18(例えば実開昭54−118971号公報の締結具)を介挿し、当該リング状締結具18によって上記シャフト11の先端部11bと上記中央支持筒15aの下端15b(内周側面15c)とを締結する。これにより、上記回転シャフト11と上記中央支持筒15a及び上記分散板15は一体に回転するように構成される。
【0055】
上記中央支持筒15aの上端部には、上記共通中心軸Cを中心とする円盤からなる分散板15が水平に固定されており、当該分散板15の上面には、90度毎の角度差を以って長方形状の4枚の分散羽根16が垂直に起立状態で固定されている(
図2参照)。これらの分散羽根16は当該分散板15を回転させることで、上方から投入されてくる廃棄物を半径方向外方(上部ケーシング5の内周側面5dの方向)に飛散させるものである。
【0056】
上記円筒ケース12の上端部には、さらに上記回転シャフト11の周りを包囲し、上記共通中心軸Cを中心軸とする上下方向案内用の円筒ケース13が接続固定されており、当該円筒ケース13の上端部13aは上記回転シャフト11の上端部11b近傍まで達している。
【0057】
そして、上記分散板15の裏面には、上記共通中心軸Cを中心とし、上記中央支持筒15aの外側を包囲する上下方向案内用の下端開口円筒19が固定されており、当該円筒の下端には環状部材20が固定されている。
図4又は
図6の分散板15の実線位置(上部位置H1)においては、当該円筒19の下端開口20a内に、上記円筒ケース13の先端部13aが若干挿入された状態となっている。この状態において、上記回転シャフト11を回転することにより、上記シャフト11と共に上記中央支持筒15a及び上記円筒19、さらに上記分散板15を回転させることができる。
【0058】
上記分散板15は、上記リング状締結具18のボルトを緩めて上記回転シャフト11と上記中央支持筒15aとの締結を解除した状態で、当該分散板15を下降させ、上記環状部材20を上記回転シャフト11の段部11cに当接させ、上記リング状締結具18を再び締結することにより、
図4又は
図6の二点鎖線位置(下部位置H2)に位置させることができる。このとき、上記円筒ケース13は、上記中央支持筒15aと上記円筒19の間に挿入された状態となる。当該位置H2においては、上記円筒ケース13の先端部13aが上記分散板15の裏面近傍に位置する。この状態においても、上記回転シャフト11を回転することにより、上記シャフト11と共に上記中央支持筒15a及び上記円筒19、さらに上記分散板15を回転させることができる。勿論、分散板15を、上記上部位置H1と上記下部位置H2の中間の任意の位置に固定することも可能である。当該分散板15の上下方向の位置は、分離すべき廃棄物の性状等によって最適位置を選択するものである。
【0059】
上記回転シャフト11の下端は、上記下部ケーシング3の下部開口3b近傍に位置しており、当該回転シャフト11の下端にはプーリ11aが接続されている。上記プーリ11aにはタイミングベルト17が掛け回されており(
図1参照)、当該ベルト17の他端は下部ケーシング3側面の上記案内管3cよりケーシング3外部に導出され、上記機枠1に隣接して設けられた駆動モータMのプーリ22に掛け回されている。従って、上記回転シャフト11は上記駆動モータMの回転により上記タイミングベルト17、プーリ11aを介して、上記共通回転軸Cを中心として矢印D方向に回転駆動され、これにより上記分散板15も上記共通中心軸Cを中心に矢印D方向に回転し得るように構成されている。尚、
図6中、12dは上記プーリ11aの保護カバー、25aは上記下端開口20aに設けられ該下端開口20aと上記円筒ケース13外周との間のシール部材、25b,25cは上記回転シャフト11外周と上記円筒ケース12内面との間のシール部材である。
【0060】
上記分散板15の直径T1は(
図4参照)、上記上部ケーシング5の下部開口5b(上記中間ケーシング4の上部開口4c)の直径T2より径小であり、上記分散板15が下部位置H2に位置している状態おいて、上記分散板15の外周縁と上記上部ケーシング5の下部開口5bの位置の内周側面5d(中間ケーシング4の上部開口4cの位置の内周側面4e)との間には幅t1の円環状空間S1が形成されるように構成されている。
【0061】
また、上記分散板15が上部位置H1に位置している状態おいては、上記分散板15の外周縁と上記上部ケーシング5の上記分散板15の位置の内周側面5dとの間には幅t2の円環状空間S2が形成されるように構成されている。
【0062】
従って、上記中間ケーシング4から上記上部ケーシング5に向かう旋回気流は、上記分散板15の位置に応じて、狭い円環状空間S1又はS2、或いはその中間の円環状空間を通過して上昇するため、上記上部ケーシング5の側面の傾斜が緩やかであっても、その流速が極力低下することなく、高い流速を保ったまま上方への旋回気流を形成することができる。
【0063】
また、上記中間ケーシング4から、狭い空間である上記円環状空間S1又はS2を通過する旋回気流B’は、噴流に近い状態となって傾斜角度の緩やかな上記上部ケーシング5に移行していくため、当該旋回気流B’はコアンダ効果によって傾斜の急な上記中間ケーシング4の内周側面4dから、傾斜の緩やかな上記上部ケーシング5の内周側面5dに回り込むため、上記旋回気流B’は上記上部ケーシング5に移行しても上記内周側面5dに沿う高密度の空気流を維持することができる。
【0064】
23は、上記上部ケーシング5の上面を覆う軽量物の回収用円筒であり、上記上部ケーシング5の上部開口5cと同一の直径を有し、上記共通中心軸Cを中心とした円筒により構成され、上記上部ケーシング5の上部開口5cに溶接等により接続されている。この回収用円筒23の上面側は中央部に上記共通中心軸Cを中心とする上面開口の投入円筒23bを有する上蓋23aにより閉鎖されており、上記投入円筒23bから上部ケーシング5内部中央の上記分散板15上に廃棄物を投入し得るように構成されている。
【0065】
上記回収用円筒23の側面には排出口23cが一体に設けられており、上記上部ケーシング5内周に沿った旋回気流に沿って上昇してきた軽量物を矢印E方向に排出し得るように構成されている(
図2参照)。
【0066】
上記排出された軽量物はホース等により所定位置に誘導され回収ボックスに回収される。
【0067】
本発明は上述のように構成されているので、次に本発明の機能を説明する。
尚、本実施形態においては、廃棄物は建築廃材であり、重量物としてはコンクリート塊、土砂等の重量物を含み、軽量物としては、プラスチック片、木片、プラスチックフィルム等を含み、これらの重量物と軽量物を分離するものとする。
【0068】
ここでは、まず、軽量物としては比較的重い木片等を含む場合を説明する。この場合、分散板15は
図1における二点鎖線位置(下部位置H2)に位置しているものとする。そして、駆動モータMを駆動して上記分散板15を所定の回転速度にて矢印D方向に回転させる。上記分散板15を下部位置H2に位置させると、上記円環状空間S1の面積が最も小さくなるので、円環状空間S1から上部ケーシング5の内周側面に沿う旋回気流の流速を最も速くすることができる。よって、木片等の比較的重い軽量物を上方に持ち上げるのに適している。
【0069】
図示しない送風ファンから所定風量の空気を空気導入口6g内に矢印A方向に噴射導入する。すると、上導入された空気は、上記環状空気通路6e内を右回りに進み、上記8個の空気導入管9から上記中間ケーシング4内に導入され、当該ケーシング4内に導入された空気は、上記ケーシング4の内周側面4dに沿って右回り(矢印B方向)の旋回気流B’を形成し、当該右回り旋回気流B’を形成しながら幅t1の上記円環状空間S1を通って上部ケーシング5内に導入される。
【0070】
このとき、上記旋回気流B’は、上記中間ケーシング4内に導入された後、幅t1の狭い円環状空間S1を通過して上部ケーシング5に移行するので、側面の傾斜が最も急な当該中間ケーシング4から、側面の傾斜の最も緩やかな上部ケーシング5に移行しても、コアンダ効果によって当該上部ケーシング5に移行後も流速が極力低下することなく、該上部ケーシング5内周側面5dに沿った直径の大きい右回り旋回気流を維持し、当該上部ケーシング5の上部開口5cに到達し、さらに回収用円筒23内を旋回して排出口23cから外部に排出される。
【0071】
かかる状態において、建築廃材を上記回収用円筒23の投入円筒23bよりケーシング2内に投入する。
【0072】
すると、建築廃材は、回転中の分散板15の上部に落下供給される。上記分散板15に衝突した建築廃材は、矢印D方向に回転中の分散羽根16に衝突し、回転方向に沿って(水平な半径方向、矢印D方向、内周側面5dの方向)に飛ばされる(
図2、
図3の軌跡D1,D2参照)。
【0073】
このとき、コンクリート塊、土砂等の重量物は、上記分散羽根16との衝突により、例えば
図2(
図3)の軌跡D1のように、長い距離を飛んで上部ケーシング5の内周側面5d近傍に到達し、即ち、より遠くに飛ばされ、一方、プラスチック片、木片、プラスチックフィルム等の軽量物は、上記分散羽根16との衝突により、例えば
図2(
図3)の軌跡D2のように、重量物よりは短い距離を飛んで上記上部ケーシング5の内周側面5d近傍に到達し、即ち、重量物と比較して近くに飛ばされ、かかる軌跡差により重量物と軽量物が分離され、重量物と軽量物との間に空気層が形成される。このように、重量物と軽量物の比重差(重量差)に基づく軌跡差を利用して、重量物と軽量物とを空間的に分離する。
【0074】
かかる廃棄物の分離作用は、上記分散板15の回転によって上記上部ケーシング5(ケーシング2)の内周の全周(360度)に亘って行われるので、軽量物と重量物の分離を確実に、かつ効率的に行うことができる。
【0075】
上記上部ケーシング5の内周側面5dに到達した重量物(コンクリート塊、土砂等)又は到達する前の重量物は、その重量により、旋回気流によって上方に飛ばされることなく、上記円環状空間S1を介して下方に落下する。即ち、上記中間ケーシング4及び下部ケーシング3を介して、下部開口3bから下方に落下し、上記下部開口3b下方に蓄積される(
図1重量物24参照)。このとき、重量物と軽量物の分離が、上記回転する上記分散板15によって確実に行われているので、重量物と一緒に軽量部が下方に落下することを効果的に防止することができる。
【0076】
上記分散羽根16に衝突し、上記軌跡D2に沿って上部ケーシング5の内周側面5dに飛ばされた軽量物は、上部ケーシング5の内周側面5dに沿う右回り旋回気流B’によって、当該旋回気流と共に上部ケーシング5の上方に飛ばされ、上記旋回気流と共に上記上部ケーシング5の上部開口5cから上記回収用円筒23に到達し、当該回収用円周23の内周側面を右回りに旋回しながら、排出口23cから外部に排出される。
【0077】
上記排出口23cには回収ホース等が接続されており、該回収ホースの他端部に設置された回収ボックスに上記軽量異物を収集することができる。
【0078】
上記上部ケーシング5の側面の傾斜角度(θ3)が中間ケーシング4の傾斜角度(θ2)、下部ケーシング3の傾斜角度(θ1)より緩やかであるので、当該内周側面5dに到達した軽量物の落下方向に作用する力(上部ケーシング5の側面(内周側面5d)に沿う下向きの力)を低減することができ、より低い流速の旋回気流B’によって軽量物を上方に運ぶことができる。従って、上記上部ケーシング5の側面の傾斜角を緩やかにすることにより、木片等の比較的重い軽量物であっても、上記旋回気流B’によって効果的に上方に運ぶことができる。
【0079】
尚、ケーシングの側面の傾斜角度が緩やかになると、旋回気流はケーシングの内周側面から中心軸方向に分散して空気密度が低下する傾向にあるが、本発明では中間ケーシング4と上部ケーシング5の間に、上記分散板15を設けて狭い円環状空間S1,S2を形成し、当該円環状空間S1,S2を旋回気流が通過するように構成することにより、コアンダ効果によって旋回気流の分散を防止し、傾斜角度が緩やかな上記上部ケーシング5に移行しても内周側面5dに沿う空気密度の高い(流速の高い)旋回気流B’を維持することができ、これにより、比較的重量の大きい軽量物を容易に上昇させることができるように構成している。
【0080】
このように分散板15を下部位置H2に固定することにより、木片等の比較的重い軽量物を含む建築廃材を、コンクリート塊等の重量物と軽量物に精度良く分離することができる。
【0081】
次に、建築廃材に木片等の比較的重い軽量物を含まず、プラスチックフィルム等の軽量物とコンクリート塊等の重量物とを分離する場合は、上記分散板15の位置を上部位置H1(
図1、
図4参照)に固定する。このようにすると、上記分散板15の外周縁と上記上部ケーシング5の内周側面5dとの間の幅t2は、上記下部位置H2における上記幅t1の場合より広くなり、円環状空間S2の面積が拡大するので、上記上部ケーシング5の内周側面5dを上昇する旋回気流の流速は若干低下する。しかしながら、プラスチックフィルム等の重量の軽い軽量物を上方に吹き上げることは可能である。
【0082】
上記分散板15を上記上部位置H1に固定した場合において、上方から投入される建築廃材の内、コンクリート塊等の重量物は上記軌跡D1に沿って上部ケーシング5内部の中間位置の内周側面5d方向に飛ばされ、一方、プラスチックフィルム等の軽量物は分散羽根16により上記軌跡D2に沿って上記ケーシング5の中間位置の上記内周側面5dに到達する。従って、両者の軌跡差により、上記上部ケーシング5の全周(360度)に亘って軽量物と重量物の分離作用が働き、上記と同様に、重量物は落下して下部ケーシング3の下部開口3bより下方に落下する。
【0083】
一方軽量物は、上記内部ケーシング5の中間位置の内周側面5dから、上記右回り旋回気流B’によって上方に飛ばされ、当該旋回気流と共に上記回収用円筒23に到達し、当該回収用円周23の内周側面を右回りに旋回しながら、上記排出口23cから外部に排出される。
【0084】
このように、木片等の比較的重い軽量物を含まない場合は、上記分散板15の位置を上部位置H1とすることにより、適切に重量物と軽量物とを選別することができる。
【0085】
勿論、上記空気導入口6gに導入される空気の風量を増加又は減少させることにより、上記ケーシング2内に供給される旋回気流の流速を上昇又は低下させることができ、軽量物の中に木片等の比較的重量の大の軽量物が含まれ、分離精度を向上させる場合は、空気風量を増加させることも可能である。
【0086】
また、上記分散板15の位置は、対象とする廃棄物の性状等により、上記上部位置H1と下部位置H2の中間の適所に設定しても良い。さらに、分散板15の位置を固定した状態で、導入される空気の圧力を上昇又は低下することにより、調整することもできる。
さらに、廃棄物の処理量や、性状等により、駆動モータMの回転数を変えることにより、上記分散羽根16の回転数を変化させることもできる。例えば、処理量が多い場合、回転数を上げて分散範囲を広げることにより重量物と軽量物の分散性を維持することができる。また、重量物と軽量物の大きさが異なる場合や比重が大きく異なる場合には、回転数を調整することにより、両者の軌跡差を大きくすることができ、より精度の高い選別を行うことができる。尚、回転数は「0」から重量物が上部ケーシング5の最上部に届かない範囲で、処理量や廃材に含まれる重量物と軽量物の性状差や含有割合に合わせて変えることができる。
【0087】
図7(a)(b)に示すものは、本発明の「他の実施形態」であり、上記実施形態と対応部分には同一符号を付している。上記実施形態と異なる点は、上記ケーシング2内における中央部分に、当該中央部分から外部方向に向けて空気を噴射する空気噴射ノズル21を設けたものである。さらに、この「他の実施形態」では、逆截頭円錐形状のケーシング2は、上記実施形態(
図1)の上部ケーシング5に対応するものであるが、空気導入ダクト6は当該ケーシング5の側面に設けており、当該ケーシング5側面に開口した複数の空気導入口6fから当該ケーシング5内に空気を矢印B方向に噴射して(
図7(a)参照)、上向きの右回り旋回気流B’を形成している。上記上部ケーシング5の下部開口5bは短い円筒5’を接続して下方に開口している。
【0088】
上記空気噴射ノズル21は、上記分散板15の裏面側における当該分散板15の面積より下方のエリアI(上方から落下してくる廃棄物が当たらないエリアI)において、回転シャフト11の周りに円周方向に8個の空気噴射ノズル21を等間隔に設け、これらノズル21から上部ケーシング5の内周側面5dの方向(若干上向きの外方向、円環状空間S1又はS2の方向)に、右回りの空気を矢印F方向に噴射し、各空気流によって右回りの旋回気流F’を発生させるものである。尚、上記空気噴射ノズル21には図示しない送風ファンから送風管を介して空気を導入する。
【0089】
この空気噴射ノズル21から噴射される旋回気流F’は、上記空気導入ダクト6による右回りの旋回気流B’を補助する役割を有しており、木片等の比較的重量のある軽量物を確実に上昇させる機能を有している。尚、上記空気噴射ノズル21を
図1の実施形態の中間ケーシング4における上記分散板15の下方エリアに設けても良い。
【0090】
従って、当該「他の実施形態」においては、上記上部ケーシング5の内周側面5dに沿う旋回気流B’と共に、上記内部の空気噴射ノズル21から上記環状空間S1又はS2(外部方向)に向けての旋回気流F’を発生させる。この状態において、投入円筒23bから比較的重い軽量物(木片等)を含む廃棄物を投入すると、上記実施形態と同様に、廃棄物が回転中の分散板15の分散羽根16に衝突し、重量物と軽量物が共に上部ケーシング5の内周側面5d方向に飛ばされ、それらの軌跡差によってコンクリート塊等の重量物と木片等の軽量物が空間的に分離状態となる。このような軽量物と重量物との分離作用は、上記実施形態と同様に、上記上部ケーシング5の内周側面5dの全周(360度)に亘って行われる。
【0091】
その後、軽量物は上記上部ケーシング5の内周側面に沿った右向き旋回気流B’及びF’によって上方に飛ばされ、上記上部ケーシング5上部の回収用円筒23の上記排出口23cから外部に排出される。重量物は上記ケーシング5の下部開口5bから下方に落下していく。
【0092】
このようにケーシングの内部の中央部分に補助用の空気噴射ノズル21を設けて、当該ノズル21からの空気によってケーシング4(5)内周側面の方向に旋回気流を噴射することによって、上記ケーシング4(5)の側面から当該ケーシング4(5)内に噴射され、当該ケーシング4(5)の内周側面4d(5d)に沿って発生する旋回気流を補助することができ、これにより木片等の比較的重量の大きい軽量物とコンクリート塊等の重量物とを精度良く選別することができる。尚、
図7中矢印Gは旋回気流を示す。
【0093】
図8に示すものは、上記廃棄物回収円筒23の「他の実施形態」であり、上記上部ケーシング5の上記上部開口5cの上縁部5fを全周に亘り開放し、上記上部開口5cの全周から該ケーシング5外部に軽量物が排出されるように構成したものである(矢印J参照)。そして、上記上部ケーシング5の上記上縁部5fから外部に排出される上記軽量物の受部としての底板23dを、上記上部開口5cの外周側面5d’に接続形成したものである。
【0094】
より具体的には、上記廃棄物回収円筒23の直径を上記上部ケーシング5の上部開口5cより径大とし、その円筒23の外周側面23eの下端を上記上縁部5fより低位置に延長し、上記外周側面23eの下端外周部(全周)と上記外周側面5d’(全周)とを円環状の受部としての底板23dにて閉鎖する。
【0095】
このように構成すると、上記上部ケーシング5の上部開口5cの上縁部5fの全周から、軽量物を当該ケーシング5外に排出することができ、上記上縁部5fの外側に配置された受部としての上記底板23dによって軽量物を回収することができる。尚、上記底板23dに移行した軽量物は上記外周側面23eの一端に設けられた排出口23cからケーシング外部に排出することができる。尚、上記上縁部5fの開口は必ずしも全周でなくても良く、一部を開口する構成でも良い。
【0096】
また、上記旋回気流を発生させるためには、
図1のようにケーシング2の外側からケーシング内部方向に空気を導入することにより行っても良いし(旋回気流B’のみ、内部の空気噴射ノズル21はなし)、
図7に示すようにケーシングの内部に設置した空気噴射ノズル21からケーシングの内周側面の方向(外部方向)に空気を噴射することにより行っても良く(旋回気流F’のみ、ケーシング外部からの空気の導入はなし)、さらにはこれらの空気噴射(貫通孔6fからの空気の噴射による旋回気流B’と、空気噴射ノズル21からの空気の噴射による旋回気流F’)を同時に行っても良い。
【0097】
以上のように、本発明によれば、ケーシング2内において、回転する分散板15(分散羽根16)によって、逆截頭円錐形状のケーシング2内の全周に亘って重量物と軽量物の空間的な分離作用を行うことができるため、重量物と軽量物とを精度良く選別することができる。
【0098】
また、ケーシング2内の旋回気流B’は狭い円環状空間S1,S2を通過してケーシングの上部開口5cに向かうので、円環状空間S1,S2を通過した後もその流速が低下することを極力抑えることができ、ケーシング2内周側面(5d等)に沿う良好な旋回気流を維持し得る。よって、例えば木片等の比較的重量大の軽量物であっても確実に上方に吹き飛ばすことができる。
【0099】
また、分散板15を上下方向に位置調整することができるので、選別すべき廃棄物における重量物と軽量物との比率、種類等、廃棄物の性状等に応じて、適切な高さに分散板15を配置して、精度の高い選別動作を行うことができる。
【0100】
また、廃棄物が飛ばされる位置におけるケーシング側面の傾斜角度を緩やかにすることにより、より小さな力(より低い流速の旋回気流)で軽量物をケーシング側面の内周側面5dに沿って上方に持ち上げることができ、非常に効率的な選別装置を実現し得る。
【0101】
また、旋回気流により上記ケーシング2の上部開口5cに到達した軽量物を、回収用円筒23を通過して排出口23cからケーシング外部に確実に排出することができる。
【0102】
また、ケーシング2の上部開口5cの上縁部5fの例えば全周から、軽量物を当該ケーシング外に排出することができ、上記上縁部5fの外側に配置された受部(底板23d)によって軽量物を効率的に回収することができる。
【0103】
また、ケーシング2の内部方向に向かう旋回気流B’を、上記ケーシング内の空気噴射口21からケーシング内周側面の方向(外部方向)に向かう旋回気流F’により補助することができ、これにより、例えば木片等の比較的重量大の軽量物を確実に上昇に飛ばすことができる。