特許第6302849号(P6302849)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6302849物品認識装置、販売データ処理装置および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6302849
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】物品認識装置、販売データ処理装置および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20180319BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20180319BHJP
【FI】
   G07G1/01 301E
   G07G1/00 311Z
   G07G1/00 311D
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-11444(P2015-11444)
(22)【出願日】2015年1月23日
(65)【公開番号】特開2016-136339(P2016-136339A)
(43)【公開日】2016年7月28日
【審査請求日】2016年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】竹野 唯志
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−089669(JP,A)
【文献】 特開2004−127013(JP,A)
【文献】 特開2013−156939(JP,A)
【文献】 特開2013−089090(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0158310(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00− 1/14
G06T 7/00− 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像デバイスが撮像した動画に含まれるオブジェクトを認識する認識ユニットと、
前記認識ユニットが認識対象とする前記オブジェクトの前記動画のフレーム内での範囲のうちの一部の範囲として前記オブジェクトの位置を検出する検出ユニットと、
前記フレーム内に定めた操作用領域の中の位置が前記検出ユニットにより検出されたことに応じて、当該位置を含む前記操作用領域に関連付けられた操作として入力する入力ユニットと、
前記検出ユニットにより検出された位置を表す画像を前記動画に重畳して表示するように表示デバイスを制御する制御ユニットと、
を具備した物品認識装置。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記画像を前記検出ユニットによる最も新しい検出位置のみを表す前記画像を前記動画に重畳して表示するように前記表示デバイスを制御する、
請求項1に記載の物品認識装置。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記画像を前記検出ユニットによる最も新しい検出位置と、その検出位置へと至る前記検出位置の変化方向とを表す前記画像を前記動画に重畳して表示するように前記表示デバイスを制御する、
請求項1に記載の物品認識装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記画像を前記検出ユニットによる検出位置の軌跡を表す前記画像を前記動画に重畳して表示するように前記表示デバイスを制御する、
請求項1に記載の物品認識装置。
【請求項5】
撮像デバイスが撮像した動画に含まれるオブジェクトを認識する認識ユニットと、
前記認識ユニットが認識対象とする前記オブジェクトの前記動画のフレーム内での範囲のうちの一部の範囲として前記オブジェクトの位置を検出する検出ユニットと、
前記フレーム内に定めた操作用領域の中の位置が前記検出ユニットにより検出されたことに応じて、当該位置を含む前記操作用領域に関連付けられ、販売登録に関わる操作として入力する入力ユニットと、
前記認識ユニットによる認識結果と前記入力ユニットで入力された操作とに基づいて物品の販売に関わるデータ処理を行う処理ユニットと、
前記検出ユニットにより検出された位置を表す画像を前記動画に重畳して表示するように表示デバイスを制御する制御ユニットと、
を具備したことを特徴とする販売データ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
撮像デバイスが撮像した動画に含まれるオブジェクトを認識する認識ユニットと、
前記認識ユニットが認識対象とする前記オブジェクトの前記動画のフレーム内での範囲のうちの一部の範囲として前記オブジェクトの位置を検出する検出ユニットと、
前記フレーム内に定めた操作用領域の中の位置が前記検出ユニットにより検出されたことに応じて、当該位置を含む前記操作用領域に関連付けられた操作として入力する入力ユニットと、
前記検出ユニットにより検出された位置を表す画像を前記動画に重畳して表示するように表示デバイスを制御する制御ユニットと、
して機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、物品認識装置、販売データ処理装置および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラなどを用いて認識対象の物品を撮像して得た画像から、当該物品を認識する物品認識装置は、例えばPOS(point-of-sale)装置などに組み込まれる形態で実現されている。
【0003】
そしてこのような物品認識装置において、画像内での物品の位置の変化に基づいて各種の操作を入力する技術は、既に知られている。この技術を用いれば、オペレータは、認識させるためにかざしている物品を移動させることにより、各種操作を行うことができる。
【0004】
ところが、物品認識装置で検出した物品の位置の変化が、オペレータの感覚での物品の移動とは異なることがある。そしてこのような場合には、オペレータの動作に対する操作入力の反応が遅くなったり、オペレータの意としない操作として誤入力されたりする恐れがあった。
【0005】
そこで、オペレータが所要とする操作が適切に入力されるように、オペレータが物品を適切に移動させることを可能とすることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−127013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、オペレータが所要とする操作が適切に入力されるように、オペレータが物品を適切に移動させることを可能とする物品認識装置、販売データ処理装置および制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の物品認識装置は、認識ユニット、検出ユニット、入力ユニットおよび制御ユニットを含む。認識ユニットは、撮像デバイスが撮像した動画に含まれるオブジェクトを認識する。検出ユニットは、認識ユニットが認識対象とするオブジェクトの動画のフレーム内での範囲のうちの一部の範囲として前記オブジェクトの位置を検出する。入力ユニットは、フレーム内に定めた操作用領域の中の位置が検出ユニットにより検出されたことに応じて、当該位置を含む操作用領域に関連付けられた操作として入力する。制御ユニットは、検出ユニットにより検出された位置を表す画像を動画に重畳して表示するように表示デバイスを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る商品読取装置を含んだ店舗会計システムの外観図。
図2図1に示す店舗会計システムにおける電気的要素のブロック図。
図3】領域設定テーブルに含まれた設定情報による各機能領域の定義の一例を示す図。
図4】商品読取装置に設けられたCPUのフローチャート。
図5】商品読取装置に設けられたCPUのフローチャート。
図6】一例としての操作画面を示す図。
図7図6に示す操作画面から更新された後の一例としての操作画面を示す図。
図8図7に示す操作画面から更新された後の一例としての操作画面を示す図。
図9図8に示す操作画面から更新された後の一例としての操作画面を示す図。
図10図9に示す操作画面の変形例としての操作画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、物品認識装置の実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗で販売される商品を認識対象の物品とする商品読取装置に適用した場合である。さらに詳しくは、本実施形態は、上記店舗に設けられた会計カウンタに立設される縦型の商品読取装置に適用した場合である。
【0011】
図1は本実施形態に係る商品読取装置を含んだ店舗会計システムの外観図である。この店舗会計システムは、販売データ処理装置の一例である。
【0012】
図1に示す店舗会計システムは、商品読取装置100およびPOS端末200を含む。商品読取装置100は、会計カウンタ300の上に取り付けられる。POS端末200は、レジ台400に載置されたドロワ500の上に設置される。商品読取装置100とPOS端末200とは、図示しない通信ケーブルにより電気的に接続される。ドロワ500に代えて、自動釣銭機が設置される場合もある。
【0013】
商品読取装置100は、ハウジング101、キーボード102、タッチパネル103、客用ディスプレイ104および撮像部105を含む。
【0014】
ハウジング101は、平型の箱状をなし、会計カウンタ300の上に立つ。ハウジング101は、上端においてキーボード102、タッチパネル103、客用ディスプレイ104を支持し、内部において撮像部105を支持する。ハウジング101は、撮像部105に対向して読取窓101aを有し、読取窓101aの前に位置する物体(オブジェクト)を、読取窓101aを介して撮像部105により撮像可能とする。
【0015】
POS端末200は、ハウジング201、キーボード202、オペレータ用ディスプレイ203、客用ディスプレイ204およびプリンタ205を含む。
【0016】
ハウジング201は、キーボード202をその一部を外部に露出する状態で支持し、オペレータ用ディスプレイ203および客用ディスプレイ204を外部に位置する状態で支持し、プリンタ205を内部にて支持する。
【0017】
会計カウンタ300は、細長い天板300aを含む。会計カウンタ300は、天板の長手方向に沿った顧客通路(図1における奥側)とオペレータスペース(図1における手前側)とを分ける。ハウジング101は、天板300aの長手方向の略中央に位置し、キーボード102、タッチパネル103および読取窓101aをそれぞれオペレータスペース側に向けるとともに、客用ディスプレイ104を顧客通路側に向ける。天板300aの上面は、商品読取装置100を挟んで顧客移動方向の上流側の領域については、買物客が購入しようとする商品のうちの売上登録が済んでいない商品を置くためのスペースとして使用される。また、下流側の領域は、売上登録が済んだ商品を置くためのスペースとして使用される。かくして通常は、売上商品は顧客移動方向の上流側の領域から、読取窓101aの前を通して下流側の領域へと移される。つまり、売上登録の際の売上商品の動線方向は、顧客の移動方向にほぼ一致する。売上商品の標準的な動線(以下、標準的動線と称する)は、図1における右側から左側に向かう水平方向となる。
【0018】
レジ台400は、顧客通路における顧客の移動方向に対して下流側の会計カウンタ300の端部に並ぶようにオペレータスペース側に位置する。
【0019】
図2図1に示す店舗会計システムにおける電気的要素のブロック図である。なお、図2に示される要素のうちで図1に示されるのと同一の要素には図1と同一の符号を付する。
【0020】
商品読取装置100は電気的要素として、キーボード102、タッチパネル103、客用ディスプレイ104のほかに、撮像デバイス105a、CPU(central processing unit)106、ROM(read-only memory)107、RAM(random-access memory)108、キーボードインタフェース(キーボードI/F)109、パネルインタフェース(パネルI/F)110、表示インタフェース(表示I/F)111、撮像インタフェース(撮像I/F)112、POS端末インタフェース(POS端末I/F)113およびバスライン114を含む。なお、バスライン114は、アドレスバスおよびデータバスなどを含み、CPU106、ROM107、RAM108、キーボードインタフェース109、パネルインタフェース110、表示インタフェース111、撮像インタフェース112およびPOS端末インタフェース113を互いに接続する。
【0021】
キーボード102は、複数のキースイッチを含み、これらのキースイッチに対するオペレータによる操作の内容を表したコマンドを出力する。
【0022】
タッチパネル103は、例えばLCD(liquid crystal display)などの表示デバイスと、この表示デバイスの表示画面に重ねて配置された透明な二次元タッチセンサとを含む。タッチパネル103は、CPU106の制御の下に任意の画像を表示デバイスにおいて表示する。タッチパネル103は、表示デバイスの表示画面におけるオペレータのタッチ位置を二次元タッチセンサにて検出し、そのタッチ位置を表す座標データを出力する。タッチパネル103は、オペレータに対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するためや、オペレータの操作を入力するために利用される。
【0023】
客用ディスプレイ104は、CPU106の制御の下に任意の文字列または画像を表示する。客用ディスプレイ104は、客に対して提示するべき各種の文字列や画像を表示するために利用される。客用ディスプレイ104としては、例えば蛍光管表示器またはLCDが利用できる。
【0024】
撮像デバイス105aは、図示しない撮像レンズとともに撮像部105に含まれる。撮像デバイス105aは、エリアイメージセンサであるCCD(charge coupled device)撮像素子とその駆動回路とを含む。撮像レンズは、撮像領域の画像をCCD撮像素子に結像する。撮像領域とは、読取窓101aから撮像レンズを通してCCD撮像素子のエリアに結像する領域を指す。撮像デバイス105aは、撮像領域の画像(フレーム画像)を表すフレームデータを一定の時間間隔で取得し、当該フレームデータを出力する。かくして、撮像デバイス105aによる撮像方向は、ハウジング101の内部から読取窓101aを通してハウジング101の外部へと向かう方向となる。つまり、撮像デバイス105aから見た商品の標準的動線は、左から右への方向となり、フレーム画像の左側が標準的動線の上流側に、また右側が下流側になる。
【0025】
CPU106は、ROM107およびRAM108に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、商品読取装置100としての各種の動作を実現するべく商品読取装置100の各要素を制御する。
【0026】
ROM107は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM107は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM107は、CPU106が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。ROM107は、領域設定テーブルを記憶する。
【0027】
領域設定テーブルは、フレーム画像の範囲(フレーム範囲)内における各種の機能領域を定義する設定情報を含む。
【0028】
図3は領域設定テーブルに含まれた設定情報による各機能領域の定義の一例を示す図である。
【0029】
図3の例ではフレーム範囲10内に、一位候補領域11、二位候補領域12、三位候補領域13および四位候補領域14の4つの機能領域が定義されている。
【0030】
一位候補領域11は、フレーム範囲10内の標準的導線の下流側の上角に配置された三角形状の領域である。二位候補領域12は、フレーム範囲10内の標準的導線の下流側の下角に配置された三角形状の領域である。三位候補領域13は、フレーム範囲10内の標準的導線の上流側の上角に配置された三角形状の領域である。四位候補領域14は、フレーム範囲10内の標準的導線の上流側の下角に配置された三角形状の領域である。
【0031】
一位候補領域11〜四位候補領域14には、後述する認識処理により選定される一位候補、二位候補、三位候補および四位候補がそれぞれ関連付けられる。一位候補は、オブジェクトがその商品である可能性が最も高いと判定された商品である。二位候補〜四位候補は、オブジェクトがその商品である可能性が2番目〜4番目に高いと判定された商品である。
【0032】
一位候補領域11、二位候補領域12、三位候補領域13および四位候補領域14に相当する4つの領域に対してどの候補を関連付けるかは、任意に変更が可能である。また各領域の配置や形状についても任意である。
【0033】
RAM108は、CPU106が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM108は、CPU106が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0034】
ROM107またはRAM108に記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。なお、商品読取装置100の譲渡は、一般的に制御プログラムがROM107に記憶された状態にて行われる。商品読取装置100に補助記憶ユニットを設けて、この補助記憶ユニットに制御プログラムを記憶した状態にて商品読取装置100の譲渡がなされても良い。補助記憶ユニットとしては、EEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、ハードディスクドライブ、あるいはSSD(solid state drive)などが利用できる。しかし、制御プログラムがROM107や補助記憶ユニットに記憶されない状態で、補助記憶ユニットを備えた商品読取装置100が譲渡されても良い。そして、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された商品読取装置100の補助記憶ユニットに書き込まれても良い。記録媒体としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどが利用できる。
【0035】
キーボードインタフェース109は、キーボード102とCPU106とのデータの授受をインタフェースする。キーボードインタフェース109としては、例えばPS/2規格またはUSB(universal serial bus)規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
【0036】
パネルインタフェース110は、タッチパネル103とCPU106とのデータおよび映像信号の授受をインタフェースする。パネルインタフェース110は、表示デバイス用のインタフェースとタッチセンサ用のインタフェースとを含む。表示デバイス用のインタフェースとしては、例えばVGA(video graphics array)規格(アナログRGB規格)、DVI(digital video interface)規格またはLVDS(low voltage differential signaling)規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。タッチセンサ用のインタフェースとしては、例えばUSB規格またはRS(recommended standard)−232C規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
【0037】
表示インタフェース111は、客用ディスプレイ104とCPU106との映像信号の授受をインタフェースする。表示インタフェース111としては、客用ディスプレイ104が蛍光管表示器である場合には、例えばUSB規格またはRS−232C規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。また表示インタフェース111としては、客用ディスプレイ104がLCDである場合には、例えばVGA規格、DVI規格またはLVDS規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
【0038】
撮像インタフェース112は、撮像デバイス105aとCPU106とのデータの授受をインタフェースする。撮像インタフェース112としては、例えばUSB規格またはIEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
【0039】
POS端末インタフェース113は、POS端末200とCPU106とのデータの授受をインタフェースする。POS端末インタフェース113としては、例えばUSB規格またはRS−232C規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
【0040】
POS端末200は電気的要素として、キーボード202、オペレータ用ディスプレイ203、客用ディスプレイ204およびプリンタ205のほかに、CPU206、ROM207、RAM208、補助記憶ユニット209、キーボードインタフェース210、表示インタフェース(表示I/F)211,212、プリンタインタフェース(プリンタI/F)213、読取装置インタフェース(読取装置I/F)214、ドロワインタフェース(ドロワI/F)215、通信デバイス216およびバスライン217を含む。なお、バスライン217は、アドレスバスおよびデータバスなどを含み、CPU206、ROM207、RAM208、補助記憶ユニット209、キーボードインタフェース210、表示インタフェース211、表示インタフェース212、プリンタインタフェース213、読取装置インタフェース214、ドロワインタフェース215および通信デバイス216を互いに接続する。
【0041】
キーボード202は、複数のキースイッチを含み、これらのキースイッチに対するオペレータによる操作の内容を表したコマンドを出力する。
【0042】
オペレータ用ディスプレイ203は、CPU206の制御の下に任意の画像を表示する。オペレータ用ディスプレイ203は、オペレータに対して提示するべき各種の画像を表示するために利用される。オペレータ用ディスプレイ203としては、例えばLCDが利用できる。
【0043】
客用ディスプレイ204は、CPU206の制御の下に任意の文字列または画像を表示する。客用ディスプレイ204は、客に対して提示するべき各種の文字列や画像を表示するために利用される。客用ディスプレイ204としては、例えば蛍光管表示器またはLCDが利用できる。
【0044】
プリンタ205は、CPU206の制御の下に、取引の内容を表したレシート画像をレシート用紙に対してプリントする。プリンタ205としては、周知の各種方式の既存のプリンタが利用できる。典型的にはプリンタ205は、サーマルプリンタである。
【0045】
CPU206は、ROM207およびRAM208に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、POS端末200としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0046】
ROM207は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM207は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM207は、CPU206が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0047】
RAM208は、CPU206が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM208は、CPU206が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。RAM208の記憶領域の一部は、売上登録された商品についての情報を管理するための商品リストエリアとして使用される。
【0048】
補助記憶ユニット209は、例えばハードディスクドライブやSSDなどであり、CPU206が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU206での処理によって生成されたデータを保存する。
【0049】
キーボードインタフェース210は、キーボード202とCPU206とのデータの授受をインタフェースする。キーボードインタフェース210としては、例えばPS/2規格またはUSB規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
【0050】
表示インタフェース211は、オペレータ用ディスプレイ203とCPU106との映像信号の授受をインタフェースする。表示インタフェース211としては、例えばVGA規格、DVI規格またはLVDS規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
【0051】
表示インタフェース212は、客用ディスプレイ204とCPU206との映像信号の授受をインタフェースする。表示インタフェース212としては、客用ディスプレイ204が蛍光管表示器である場合には、例えばUSB規格またはRS−232C規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。また表示インタフェース212としては、客用ディスプレイ204がLCDである場合には、例えばVGA規格、DVI規格またはLVDS規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
【0052】
プリンタインタフェース213は、プリンタ205とCPU206とのデータの授受をインタフェースする。プリンタインタフェース213としては、例えばUSB規格、RS−232C規格またはIEEE1284規格(いわゆるセントロニクス仕様)などに準拠した周知のデバイスを利用できる。
【0053】
読取装置インタフェース214は、商品読取装置100とCPU206とのデータの授受をインタフェースする。読取装置インタフェース214としては、POS端末インタフェース113が準拠する規格に準拠した周知のデバイスを利用できる。
【0054】
ドロワインタフェース215は、CPU206からドロワ開放が指示されたことに応じてドロワ500を開放させるための駆動信号をドロワ500に対して出力する。
【0055】
通信デバイス216は、通信ネットワーク600を介してサーバ700と通信する。通信デバイス216としては、例えば既存のLAN通信デバイスを適用できる。
【0056】
次に以上のように構成された店舗会計システムにおける商品読取装置100の動作について説明する。
【0057】
図4および図5は商品読取装置100の動作を制御するためのCPU106による制御処理のフローチャートである。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0058】
例えばキーボード202でのオペレータによる所定の操作により売上商品の登録の開始が指示されるなどにより登録処理の開始条件が成立すると、CPU206は読取装置インタフェース214より読取開始コマンドを商品読取装置100へ送る。この読取開始コマンドは、POS端末インタフェース113によりCPU106に通知される。そしてCPU106は読取開始コマンドを受けると、制御プログラムに基づく図4,5に示す制御処理を開始する。あるいは、キーボード102またはタッチパネル103でのオペレータによる所定の操作により売上商品の登録の開始が指示されるなどにより登録処理の開始条件が成立すると、CPU106は図4,5に示す制御処理を開始する。
【0059】
図4に示すAct1においてCPU106は、タッチパネル103の画面を操作画面とする。具体的にはCPU106は例えば、操作画面を表す画像データを生成してRAM108に保存するとともに、当該画像データに基づく表示を行うようにタッチパネル103を制御する。この制御の下にタッチパネル103は、RAM108から画像データに基づく画像を表示する。
【0060】
図6は一例としての操作画面SC1を示す図である。
【0061】
操作画面SC1は、6つの領域R11,R12,R13,R14,R15,R16を含む。
【0062】
領域R11は、撮像デバイス105aにより撮像された画像を表示するための領域である。領域R12〜R15は、一位候補〜四位候補のそれぞれの商品名を表示するとともに、各候補商品のうちから売上商品として確定する商品を選択するためのボタンとなる領域である。領域R16は、商品読取装置100の操作を案内するメッセージを表示する領域である。
【0063】
操作画面SC1における領域R11〜R15は、いずれもブランクである。操作画面SC1における領域R16は、売上商品を撮像部105の前にかざすことをオペレータに促す文字メッセージL1を表す。
【0064】
Act2においてCPU106は、撮像デバイス105aによる撮像を開始する。具体的にはCPU106は、撮像インタフェース112より撮像デバイス105aに対して撮像オン信号を出力する。この撮像オン信号を受けて撮像デバイス105aは、動画撮像を開始する。かくして、この状態においてオペレータが手で把持した売上商品を読取窓101aにかざすと、撮像デバイス105aが撮像した動画に売上商品が映り込む。撮像デバイス105aは、周期的にフレームデータを出力する。
【0065】
Act3においてCPU106は、撮像デバイス105aが出力するフレームデータをRAM108に保存する。
【0066】
Act4においてCPU106は、操作画面を更新する。具体的にはCPU106は、RAM108に保存したフレームデータが表す画像の鏡像を領域R11に示すようにする。
【0067】
図7はAct4で操作画面SC1から更新された後の一例としての操作画面SC2を示す図である。なお、操作画面SC2の要素のうちの操作画面SC1にも含まれる要素については、図6と同一の符号を付している。
【0068】
操作画面SC2では、売上商品の画像IM1が、領域R11に表されている。
【0069】
Act5においてCPU106は、抽出処理を行う。抽出処理は、フレームデータが表す画像(以下、フレーム画像と称する)から、そこに映り込んだオブジェクトを抽出する処理である。具体的にはCPU106は例えば、先ず、フレーム画像から肌色領域の検出を試みる。CPU106は、肌色領域を検出できた場合、すなわちオペレータの手がフレーム画像に映り込んでいる場合には、フレーム画像を二値化した上で、これにより得られた二値化画像から輪郭線などを抽出する。CPU106はこれにより、オペレータの手が把持していると想定される売上商品の輪郭を特定する。CPU106は、当該輪郭の内側の領域をオブジェクトとして抽出する。なお、図7では、オペレータの手の図示を省略している。
【0070】
Act6においてCPU106は、オブジェクトが抽出できたか否かを確認する。そしてCPU106は、オブジェクトが抽出できなかったならばNoと判定し、Act3へと戻る。つまりCPU106は、オブジェクトが抽出できるまで、新たなフレーム画像を対象としたオブジェクトの抽出を繰り返し試みる。そしてCPU106は、オブジェクトを抽出できたならばAct6にてYesと判定し、Act7へと進む。
【0071】
Act7においてCPU106は、認識処理を行う。認識処理は、Act5で抽出されたオブジェクトを対象として、そのオブジェクトがどの商品の画像であるかを識別する処理である。この認識処理には、周知の技術を利用できる。以下に、認識処理の具体例の1つを説明する。
【0072】
CPU106は、Act5にて抽出したオブジェクトを解析し、形状、表面の色合い、模様、凹凸具合等の特徴量を読み取る。そしてCPU106は、読み取った特徴量と、各商品に予め関連付けられた特徴量とのマッチングからオブジェクトがどの商品であるかを識別する。この識別のために、ROM107、ROM207および補助記憶ユニット209のいずれかに、認識辞書ファイルを記憶しておく。認識辞書ファイルは、認識対象である商品毎に、その商品を識別する商品ID(PLUコード)および商品名と関連付けて、複数の特徴量データを記述する。商品を撮影した基準画像から、その商品の表面情報(外観形状、色合い、模様、凹凸具合等)である外観上の特徴量を抽出し、この外観特徴量をパラメータで表わしたものを特徴量データとする。そして、1つの商品に対し、その商品を様々な方向から撮影した基準画像のそれぞれから得た特徴量データを、該当する商品の商品IDに関連付けている。1つの商品に対する特徴量データの数は、固定ではない。また、特徴量データの数は、商品によって異なっていても良い。また、商品名は必ずしも認識辞書ファイルに含まれていなくても良い。
【0073】
ここでの商品の識別には、一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれる。この一般物体認識の技術については、下記の文献において各種認識技術が解説されており、この技術を上記のオブジェクト認識に利用できる。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16[平成22年8月10日検索],インターネット< URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
また、画像をオブジェクト毎に領域分割することによって、一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されており、この技術も上記のオブジェクト認識に利用できる。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成22年8月10日検索],インターネット< URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=repl&type=pdf >
外観が類似する商品は少なからず存在することが一般的である。このため、上記の認識処理により、売上商品を確定することは好ましく無い。そこでCPU106はAct7においては、商品毎に求めた類似度が高い商品を最大4つまで選び、類似度が高い順に一位候補〜四位候補として設定する。なおCPU106は、一位候補〜四位候補のそれぞれのPLUコードをRAM108に書き込む。ただしCPU106は、最大の類似度が予め定めた値未満である場合には、候補商品無しとする。
【0074】
かくして、制御プログラムに基づく制御処理をCPU106が実行することによって、CPU106を中枢部分とするコンピュータは認識ユニットとして機能する。
【0075】
Act8においてCPU106は、上記の認識処理で候補商品が有ったか否かを確認する。そしてCPU106は、候補商品が無かったならばNoと判定し、Act3に戻る。しかしながらCPU106は、少なくとも一位候補を設定したならばYesと判定し、Act9へと進む。
【0076】
Act9においてCPU106は、オブジェクトの位置を検出する。具体的にはCPU106は例えば、オブジェクトの範囲の重心を求め、その位置をオブジェクトの位置とする。かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU106が実行することによって、CPU106を中枢部分とするコンピュータは検出ユニットとして機能する。
【0077】
Act10においてCPU106は、操作画面を更新する。具体的にはCPU106は、操作画面を、Act7における認識結果を表すようにする。またCPU106は、領域R11に表示されている画像にAct9で検出した位置を表すマーカを重畳表示する。さらにCPU106は、領域R16における表示を、候補商品のうちで売上商品として確定する商品を選択することをオペレータに促す文字メッセージに置き換える。
【0078】
図8はAct10で操作画面SC2から更新された後の一例としての操作画面SC3を示す図である。なお、操作画面SC3の要素のうちの操作画面SC1,SC2にも含まれる要素については、図6,7と同一の符号を付している。
【0079】
操作画面SC3は、Act7において、一位候補〜四位候補として「ジョナゴールド」「紅玉」「フジ」「もも」がそれぞれ設定された場合を示している。
【0080】
領域R11内の一位候補領域11〜四位候補領域14にそれぞれ相当する箇所には、一位候補〜四位候補のそれぞれの商品名を表す文字列L11,L12,L13,L14が示されている。なお、領域R11に表示しているのはフレームデータが示す画像の鏡像であるから、領域R11内の一位候補領域11〜四位候補領域14にそれぞれ相当する箇所は、図3に対して鏡像関係となっている。領域R12〜R15の中には、一位候補〜四位候補のそれぞれの商品名を表す文字列L21,L22,L23,L24が示されている。領域R11内には、Act9で検出した位置を表すマーカMが示されている。領域R16には、候補商品のうちから売上商品として確定する商品を選択することをオペレータに促す文字メッセージL2が示されている。
かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU106が実行することによって、CPU106を中枢部分とするコンピュータは制御ユニットとして機能する。
CPU106はAct10を終えたならば、図5に示すAct11へと進む。
【0081】
Act11においてCPU106は、撮像デバイス105aが出力するフレームデータをRAM108に保存する。
【0082】
Act12においてCPU106は、Act5と同様にして抽出処理を行う。
【0083】
Act13においてCPU106は、オブジェクトが抽出できたか否かを確認する。そしてCPU106は、オブジェクトが抽出できたならばYesと判定し、Act14へと進む。
【0084】
Act14においてCPU106は、Act9と同様にしてオブジェクトの位置を検出する。なお、以下においては、Act9およびAct14で検出された位置を、検出位置と称する。
【0085】
Act15においてCPU106は、操作画面を更新する。具体的にはCPU106は、領域R11における表示を、Act11で新たに保存したフレームデータが表すフレーム画像に置き換える。またCPU106は、Act14での新たな検出位置を表すようにマーカMの表示位置を変更する。またCPU106は、Act14での新たな検出位置への、その前の検出位置を基準とした変化方向を計算し、その変化方向を表すインジケータを領域R11に表示されている画像に重畳表示する。またCPU106は、一位候補領域11〜四位候補領域14のうちの上記の変化方向の先に位置する領域に相当する箇所に表示している文字列を拡大する。
【0086】
図9はAct15で操作画面SC3から更新された後の一例としての操作画面SC4を示す図である。なお、操作画面SC4の要素のうちの操作画面SC1〜SC3にも含まれる要素については、図6〜8と同一の符号を付している。
【0087】
操作画面SC4は、オペレータが、撮像部105の前にかざしている売上商品を左斜め上方向に移動させた場合を示している。
【0088】
領域R11では、売上商品の画像IM2が表されている。マーカMは、画像IM2を対象のオブジェクトに関する検出位置に移動されている。領域R11では、マーカMの位置の変化方向を示したインジケータIN1が表されている。操作画面SC3における文字列L11は、それを拡大した文字列L11aに置き換えられている。
【0089】
なお、オペレータが売上商品を意図的に動かさない場合でも、売上商品は小刻みに動くことが多い。このような売上商品の動きによるオブジェクトの位置の変化方向をインジケータで表すと、向きの異なるインジケータが短い周期で次々に表されることとなり、操作画面が見辛いものとなってしまう恐れがある。そこで、このようなことが生じないように処置することが好ましい。当該処置としては例えば、Act9,Act14での位置検出の分解能を低くしておくことが考えられる。あるいは上記の処置として、予め定めた大きさ以上の位置変化が生じた場合にのみインジケータを表すようにすることが考えられる。
【0090】
Act16においてCPU106は、検出位置が、一位候補領域11〜四位候補領域14のうちのいずれかの領域内であるか否かを確認する。そしてCPU106は、検出位置が、一位候補領域11〜四位候補領域14のいずれでもない領域にあるならばNoと判定し、Act11に戻る。かくしてCPU106は、撮像デバイス105aが順次に出力するフレームデータのそれぞれからオブジェクトが抽出でき、かつそのオブジェクトの位置が一位候補領域11〜四位候補領域14のいずれでもない領域にあり続ける間は、Act11〜Act16を繰り返す。そしてCPU106は、検出位置が、一位候補領域11〜四位候補領域14のうちのいずれかの領域内に入ったならば、Act16にてYesと判定し、Act17へと進む。
【0091】
Act17においてCPU106は、一位候補領域11〜四位候補領域14のうちの検出位置が入った領域に関連付けられた候補商品を売上商品として仮確定する。そしてCPU106はこののち、Act11に戻る。かくして一位候補領域11〜四位候補領域14は、候補商品の中から確定候補を選択するための操作、すなわち販売登録のための操作が関連付けられた操作用領域である。そして制御プログラムに基づく制御処理をCPU106が実行することによって、CPU106を中枢部分とするコンピュータは上記の操作を入力する入力ユニットとして機能する。
【0092】
オペレータが、撮像部105の前にかざしている売上商品を、撮像部105の視野外まで移動させると、フレーム画像に売上商品が映り込まなくなる。このため、CPU106がAct12にてオブジェクトを抽出できなくなる。そしてこの場合にCPU106は、Act13でNoと判定し、Act18へと進む。
【0093】
Act18においてCPU106は、売上商品が仮確定されているか否かを確認する。そしてCPU106は、仮確定されているならばYesと判定し、Act19へと進む。
【0094】
Act19においてCPU106は、仮確定されている商品を売上商品として確定する。この場合CPU106は、この売上商品として確定した商品のPLUコードを、POS端末インタフェース113を介してPOS端末200へと通知する。そしてCPU106はこののち、図4中のAct3へと戻る。
【0095】
POS端末200は、上記のようにPLUコードが通知されると、これを読取装置インタフェース214が受信する。そして読取装置インタフェース214は、PLUコードをCPU206に通知する。これに応じてCPU206は、通知されたPLUコードで識別される商品の販売に関わるデータ処理を行う。このデータ処理は、例えば既存の別のPOS端末で行われている処理と同じであって良い。かくしてCPU206を中枢部分とするコンピュータは処理ユニットとして機能する。
【0096】
なおCPU106は、売上商品が仮確定されていないならば、Act18でNoと判定し、Act19をパスして図4中のAct3へと戻る。つまりCPU106、一位候補領域11〜四位候補領域14のうちの候補商品が関連付けられている領域を一度も通過すること無いままにオブジェクトが抽出できなくなった場合には、Act7での認識結果を破棄して、新たなオブジェクトの抽出を試みる状態に戻る。
【0097】
ただしCPU106は、Act11〜Act16のループを繰り返している期間中に、領域R12〜R15のいずれかがタッチされたことがタッチパネル103にて検出されたならば、そのタッチされた領域に対応する候補商品を売上商品として確定する。そしてこののちにCPU106は、Act11〜Act13と同様な処理を、オブジェクトが抽出できなくなるまで繰り返し、オブジェクトが抽出できなくなったらAct3に戻る。ただしこの処理は、図4,5では図示を省略している。なおCPU106は、このような領域R12〜R15のいずれかをタッチすることに応じての売上商品の確定を、オブジェクトが抽出できなくなった後も、新たなオブジェクトが抽出されるまでの間は行うようにしても良い。
【0098】
かくしてCPU106は、候補商品を認識済みのオブジェクトの位置が、一位候補領域11〜四位候補領域14のうちの候補商品が関連付けられている領域のうちの1つの中に入ったならば、その領域に関連付けられている候補商品を確定候補として定める。そしてCPU106は、確定候補が定められている状態でオブジェクトが抽出できなくなったならば、確定候補となっている商品を売上商品として確定する。
【0099】
従ってオペレータは、タッチパネル103の画面が図8に示す操作画面SC3であるときに、売上商品を、候補商品名が表示されている領域を通過させながら撮像部105の視野外まで移動させることにより、通過させた領域に関連付けられた商品を売上商品として確定させることができる。
【0100】
そしてこのときにオペレータは、領域R11中に示されたマーカMを、確定したい商品名が表示されている領域に向けて移動させれば良い。従ってオペレータは、売上商品を適切な商品として確定させるための売上商品の移動を適切に行うことが可能となる。
【0101】
またオペレータは、例えば図9に示されるインジケータIN1を目視することにより、売上商品の移動が商品読取装置100によってどのように認識されているのかを知ることができる。そしてこれによりオペレータは、売上商品を適切な商品として確定させるための売上商品の移動をさらに適切に行うことが可能となる。
【0102】
またオペレータは、例えば図9に示す文字列L11aのように拡大された文字列により示される商品名が、売上商品として確定しようとしている商品とは異なっているならば、誤った方向に売上商品を移動させていることを知ることができる。そしてオペレータは、売上商品として確定しようとしている商品の商品名が拡大して示されるように売上商品を移動させることによって、売上商品を適切な商品として確定させるための売上商品の移動をさらに適切に行うことが可能となる。
【0103】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0104】
領域R11においては、インジケータに代えて、オブジェクトの位置の軌跡を表しても良い。
【0105】
図10は操作画面SC4の変形例としての操作画面SC5を示す図である。なお、操作画面SC5の要素のうちの操作画面SC1〜SC4にも含まれる要素については、図6〜9と同一の符号を付している。
【0106】
領域R11では、売上商品の画像IM3が表されている。マーカMは、画像IM3を対象のオブジェクトとしての検出位置に表されている。領域R11では、オブジェクトの位置の軌跡TR1が表されている。
【0107】
CPU106は例えば、Act14で繰り返し検出される検出位置を領域R11中に同時に表すことにより、軌跡TR1を描くことができる。またCPU106は例えば、Act14で繰り返し検出される検出位置を時間順につないだ折れ線または曲線として、軌跡TR1を描くことができる。
【0108】
一位候補領域11〜四位候補領域14に相当する領域には、売上商品の選択のための操作以外の操作が関連付けられても良い。あるいは、一位候補領域11〜四位候補領域14とは別に、売上商品の選択のための操作以外の操作が関連付けられた領域が設定されても良い。
【0109】
一位候補領域11〜四位候補領域14に相当する領域や、その他に設定した領域には、販売登録に関わる操作とは異なる操作が関連付けられても良い。
【0110】
商品の販売登録以外の用途での物品の認識を行う装置として実現することも可能である。
【0111】
撮像部105を商品読取装置100に備えず、外付けの撮像デバイスで得られたフレームデータを取り込んで上記の処理を行うようにしても良い。
【0112】
CPU106の処理の具体的内容は、同様な機能を実現できれば任意に変更が可能である。例えば、前記実施形態では、商品読取装置100が商品を確定するまでの機能を全て有したが、その機能を商品読取装置100とPOS端末200に分散させて構成してもよい。また、POS端末200が商品を確定するまでの機能を全て有して構成してもよい。つまり、図4および図5に示す制御処理の一部または全てを、ROM207または補助記憶ユニット209に記憶された制御プログラムに基づくCPU206の処理により実現しても良い。
【0113】
商品読取装置100の機能を内蔵したPOS端末やキャッシュレジスタとして実現することも可能である。
【0114】
販売データ処理のための商品の認識には限らず、様々な物品の認識のために本願の技術を利用することが可能である。
【0115】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 撮像デバイスが撮像した動画に含まれるオブジェクトを認識する認識ユニットと、
前記認識ユニットが認識対象とする前記オブジェクトの前記動画のフレーム内での位置を検出する検出ユニットと、
前記フレーム内に定めた操作用領域の中の位置が前記検出ユニットにより検出されたことに応じて、当該位置を含む前記操作用領域に関連付けられた操作として入力する入力ユニットと、
前記検出ユニットにより検出された位置を表す画像を前記動画に重畳して表示するように表示デバイスを制御する制御ユニットと、
を具備したことを特徴とする物品認識装置。
[付記2] 前記制御ユニットは、前記画像を前記検出ユニットによる最も新しい検出位置のみを表す前記画像を前記動画に重畳して表示するように前記表示デバイスを制御することを特徴とする付記1に記載の物品認識装置。
[付記3] 前記制御ユニットは、前記画像を前記検出ユニットによる最も新しい検出位置と、その検出位置へと至る前記検出位置の変化方向とを表す前記画像を前記動画に重畳して表示するように前記表示デバイスを制御することを特徴とする付記1に記載の物品認識装置。
[付記4] 前記制御ユニットは、前記画像を前記検出ユニットによる検出位置の軌跡を表す前記画像を前記動画に重畳して表示するように前記表示デバイスを制御することを特徴とする付記1に記載の物品認識装置。
[付記5] 撮像デバイスが撮像した動画に含まれるオブジェクトを認識する認識ユニットと、
前記認識ユニットが認識対象とする前記オブジェクトの前記動画のフレーム内での位置を検出する検出ユニットと、
前記フレーム内に定めた操作用領域の中の位置が前記検出ユニットにより検出されたことに応じて、当該位置を含む前記操作用領域に関連付けられ、販売登録に関わる操作として入力する入力ユニットと、
前記認識ユニットによる認識結果と前記入力ユニットで入力された操作とに基づいて物品の販売に関わるデータ処理を行う処理ユニットと、
前記検出ユニットにより検出された位置を表す画像を前記動画に重畳して表示するように表示デバイスを制御する制御ユニットと、
を具備したことを特徴とする販売データ処理装置。
[付記6] コンピュータを、
撮像デバイスが撮像した動画に含まれるオブジェクトを認識する認識ユニットと、
前記認識ユニットが認識対象とする前記オブジェクトの前記動画のフレーム内での位置を検出する検出ユニットと、
前記フレーム内に定めた操作用領域の中の位置が前記検出ユニットにより検出されたことに応じて、当該位置を含む前記操作用領域に関連付けられた操作として入力する入力ユニットと、
前記検出ユニットにより検出された位置を表す画像を前記動画に重畳して表示するように表示デバイスを制御する制御ユニットと、
して機能させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0116】
100…商品読取装置、101…ハウジング、101a…読取窓、102…キーボード、103…タッチパネル、104…客用ディスプレイ、105…撮像部、105a…撮像デバイス、106…CPU、107…ROM、108…RAM、109…キーボードインタフェース、110…パネルインタフェース、111…表示インタフェース、112…撮像インタフェース、113…POS端末インタフェース、114…バスライン、200…POS端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10