(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2スライド部は、前記第1スライド部に摺動可能に取り付けられた基台部と、前記基台部から立設され、前記第2座標軸に沿って延びるガイド棒と、前記ガイド棒に対して摺動可能に取り付けられ、且つ、前記アーム部材に接続される摺動板と、前記摺動板と前記アーム部材とを貫き、前記アーム部材の回動軸を定める軸棒と、を含み、
前記アーム部材は、前記軸棒が挿通される貫通孔から前記開口部までの区間において単一の板材から形成される
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の保持台。
前記第1スライド部は、前記第1座標軸に沿って延び、前記基台部を支持するスライドレールと、前記スライドレールに並行して延びる位置決めロッドと、前記位置決めロッドに対向する第1対向面及び前記基台部に対向する第2対向面を含む位置決め部材と、前記第2対向面と前記基台部との間に配置された弾性部材と、を含み、
前記弾性部材は、前記第2対向面を前記基台部から離間させると同時に前記第1対向面を前記位置決めロッドに圧接させる第1方向に前記位置決め部材を付勢し、
前記弾性部材が、前記第1方向とは反対の第2方向に圧縮されると、前記第1対向面は、前記位置決めロッドから離間し、
前記位置決めロッドに対する前記第1対向面の圧接の結果、前記基台部は、前記第1スライド部上でロックされる
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の保持台。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術によれば、加熱工具を水平面上で移動させるためには、X軸に沿う変位のためのスライド機構及びY軸に沿う変位のためのスライド機構が必要とされる。したがって、特許文献1の装置は、水平面上で大きな面積を占有する。
【0006】
本発明は、水平面上で広い占有面積を必要としない保持台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る保持台は、半田を溶融する加熱工具が保持される保持位置を3次元空間内で調整可能である。保持台は、水平面上に規定された第1座標軸に沿う前記加熱工具の変位を許容する第1スライド部と、前記第1スライド部に取り付けられ、且つ、前記水平面に直交する第2座標軸に沿う前記加熱工具の変位を許容する第2スライド部と、前記第2スライド部に取り付けられ、且つ、前記水平面に平行な仮想平面上において弧状の軌跡に沿って前記加熱工具を変位させる回動部材と、を備える。前記回動部材は、前記第2スライド部に回動可能に接続される接続部を有する接続部材と、前記接続部から離れた位置において、前記接続部材に取り付けられ、且つ、前記加熱工具を保持する保持部を含む。前記保持部は、前記第2座標軸に沿って延びる回転中心軸周りにおいて、前記接続部材に対する前記加熱工具の回転を許容する。
【0008】
上記構成によれば、回動部材は、水平面に平行な仮想平面上において弧状の軌跡に沿って加熱工具を変位させるので、保持台は、第1座標軸及び第2座標軸に直交する座標軸に沿う直線的な変位なしで、第1座標軸及び第2座標軸に直交する座標軸における加熱工具の位置を定めることができる。弧状の軌跡に沿う変位は、第1座標軸における加熱工具の位置を同時に変化させるけれども、第1スライド部は、第1座標軸に沿う加熱工具の変位を許容するので、保持台は、第1座標軸における加熱工具の位置を定めることができる。上述の如く、保持台は、第1座標軸及び第2座標軸に直交する座標軸に沿う直線的な変位なしで、水平面上の加熱工具の位置を定めることができるので、保持台を設計する設計者は、第1座標軸及び第2座標軸に直交する座標軸に沿う機械的なストローク(加熱工具を保持する保持機構のストローク)を考慮しなくてもよい。したがって、保持台は、水平面上において、広い面積を占有しない。保持部は、第2座標軸に沿って延びる回転中心軸周りにおいて、接続部材に対する加熱工具の回転を許容するので、使用者は、加熱工具の向きを適切に調整することができる。
【0009】
上記構成において、前記接続部材は、前記第2スライド部から延びるアーム部材を含んでもよい。前記保持部は、前記アーム部材に形成された開口部に嵌め込まれるベアリングと、前記ベアリングの回転をロックするロック機構と、を含んでもよい。前記加熱工具は、前記ベアリングに挿入され、前記開口部を貫通してもよい。
【0010】
上記構成によれば、保持部は、アーム部材に形成された開口部に嵌め込まれるベアリングを用いて形成されるので、保持台は、簡素な構造を有することができる。保持部は、ベアリングの回転をロックするロック機構を有するので、使用者は、ロック機構を用いて、加熱工具の向きを固定することができる。
【0011】
上記構成において、前記ロック機構は、前記ベアリングを取り囲むリング片と、前記リング片に接続され、使用者によって操作される操作レバーと、を含んでもよい。前記リング片は、第1端と、前記第1端に対向する第2端と、前記第1端と前記第2端との間で延び、前記ベアリングを取り囲むロック部と、を含んでもよい。前記操作レバーが、第1姿勢にあるとき、前記第2端は、前記第1端から第1距離だけ離れてもよい。前記操作レバーが、第2姿勢にあるとき、前記第1端と前記第2端との間の距離は、前記第1距離よりも短い第2距離となってもよい。前記第1端と前記第2端との間の前記距離が、前記第1距離にあるとき、前記ロック部は、前記ベアリングの前記回転を許容してもよい。前記第1端と前記第2端との間の前記距離が、前記第2距離にあるとき、前記ロック部は、前記ベアリングの前記回転をロックしてもよい。
【0012】
上記構成によれば、ロック機構は、リング片と操作レバーとを用いて形成されるので、保持台は、簡素な構造を有することができる。使用者は、操作レバーの姿勢を、第1姿勢から第2姿勢に変更し、加熱工具の向きを固定することができる。操作レバーの姿勢が、その後、第2姿勢から第1姿勢へ変更されると、作業者は、加熱工具の向きを調整することができる。したがって、作業者は、加熱工具の向きの固定及び調整を容易に行うことができる。
【0013】
上記構成において、前記第2スライド部は、前記第1スライド部に摺動可能に取り付けられた基台部と、前記基台部から立設され、前記第2座標軸に沿って延びるガイド棒と、前記ガイド棒に対して摺動可能に取り付けられ、且つ、前記アーム部材に接続される摺動板と、前記摺動板と前記アーム部材とを貫き、前記アーム部材の回動軸を定める軸棒と、を含んでもよい。前記アーム部材は、前記軸棒が挿通される貫通孔から前記開口部の区間において単一の板材から形成されてもよい。
【0014】
上記構成によれば、アーム部材は、軸棒が挿通される貫通孔から開口部までの区間において単一の板材から形成されるので、使用者は、仮想平面上における加熱工具の位置を精度よく定めることができる。
【0015】
上記構成において、前記回動部材は、前記摺動板に対して前記アーム部材を位置決めする位置決め片を含んでもよい。前記位置決め片は、前記摺動板に形成されたスロットを貫通し、前記アーム部材に螺合されるネジ部と、前記摺動板に当接される頭部と、を含んでもよい。前記スロットは、前記軸棒を中心に弧状に延びてもよい。
【0016】
上記構成によれば、スロットは、軸棒を中心に弧状に延びるので、ネジ部は、スロットに沿って変位される。したがって、使用者は、位置決め片に妨げられることなく、アーム部材を軸棒周りに回転させることができる。ネジ部が、アーム部材に螺合される一方で、頭部は、摺動板に当接されるので、使用者が、ネジ部を回転し、頭部を摺動板に圧接させると、アーム部材は、摺動板に適切に固定される。したがって、作業者は、アーム部材の回転位置を容易に固定することができる。
【0017】
上記構成において、前記第2スライド部は、前記摺動板から立設されたラックロッドと、前記ラックロッドに形成されたラックに噛み合うピニオンと、を含んでもよい。前記第2座標軸上における前記摺動板の位置は、前記ピニオンの回転によって調整されてもよい。
【0018】
上記構成によれば、第2座標軸上における摺動板の位置は、ラックとピニオンとによって調整されるので、保持台は、簡素な構造を有することができる。
【0019】
上記構成において、前記第1スライド部は、前記第1座標軸に沿って延び、前記基台部を支持するスライドレールと、前記スライドレールに並行して延びる位置決めロッドと、前記位置決めロッドに対向する第1対向面及び前記基台部に対向する第2対向面を含む位置決め部材と、前記第1対向面と前記基台部との間に配置された弾性部材と、を含んでもよい。前記弾性部材は、前記第2対向面を前記基台部から離間させると同時に前記第1対向面を前記位置決めロッドに圧接させる第1方向に前記位置決め部材を付勢してもよい。前記弾性部材が、前記第1方向とは反対の第2方向に圧縮されると、前記第1対向面は、前記位置決めロッドから離間してもよい。前記位置決めロッドに対する前記第1対向面の圧接の結果、前記基台部は、前記第1スライド部上でロックされてもよい。
【0020】
上記構成によれば、弾性部材は、第1方向に位置決め部材を付勢するので、加熱工具の第1座標軸上の位置は、作業者の操作を要することなく、固定される。使用者が、弾性部材を圧縮すると、第2対向面は、位置決めロッドから離間するので、加熱工具の第1座標軸上の位置は、作業者による複雑な操作を要することなく、固定される。
【0021】
上記構成において、前記保持部は、前記ベアリングの内周面から突出するセットボルトを更に備えてもよい。
【0022】
上記構成によれば、加熱工具は、セットボルトによってベアリング内で適切に固定される。
【0023】
上記構成において、保持台は、前記加熱工具によって加熱される基板を支持する支持面を有する支持板を更に備えてもよい。前記加熱工具は、前記基板に搭載された電子部品を取り囲む非円形のノズルを含むホットエア吹出器であってもよい。前記支持面上の前記基板は、前記ノズルに対向してもよい。
【0024】
上記構成によれば、保持部は、第2座標軸に沿って延びる回転中心軸周りにおいて、接続部材に対する加熱工具の回転を許容するので、使用者は、非円形のノズルの向きを適切に調整することができる。
【発明の効果】
【0025】
上述の保持台は、水平面上での広い占有面積を要することなく、加熱工具を適切に保持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1実施形態>
本発明者等は、従来の保持台は、非常に低い空間利用効率を有するという課題を見出した。第1実施形態において、空間を効率よく利用する例示的な保持台が説明される。
【0028】
図1は、第1実施形態の保持台100の概略的な斜視図である。
図1を参照して、保持台100が説明される。
【0029】
図1は、XYZ座標系を示す。以下の説明において、「X軸に沿う」との文言は、X軸に完全に平行であることのみを意味するだけでなく、X軸に対して若干ずれた方向をも意味する。「Y軸に沿う」との文言は、Y軸に完全に平行であることのみを意味するだけでなく、Y軸に対して若干ずれた方向をも意味する。「Z軸に沿う」との文言は、Y軸に完全に平行であることのみを意味するだけでなく、Z軸に対して若干ずれた方向をも意味する。
【0030】
Y軸は、X軸に直交する。X軸及びY軸は、水平面を規定する。Z軸は、X軸及びY軸によって規定された水平面に直交する。以下の説明において、「水平面に沿う」との文言は、水平面に完全に平行であることのみを意味するだけでなく、水平面に対して若干ずれた方向をも意味する。本実施形態において、第1座標軸は、Y軸によって例示される。第2軸は、Z軸によって例示される。
【0031】
保持台100は、支持板200と、第1スライド部300と、第2スライド部400と、回動部材500と、を備える。支持板200は、水平面に略平行な上面210を有する。使用者は、電子部品(図示せず)が取り付けられた基板(図示せず)を、上面210に載置することができる。支持板200には、基板を固定するための様々な固定構造(図示せず)が取り付けられてもよい。本実施形態の原理は、基板を固定するための特定の構造に限定されない。本実施形態において、支持面は、上面210によって例示される。
【0032】
第1スライド部300は、支持板200の上面210上に固定される。第2スライド部400は、第1スライド部300に取り付けられる。第1スライド部300は、Y軸に沿う方向における第2スライド部400の移動を許容する。回動部材500は、第2スライド部400に取り付けられる。第2スライド部400は、Z軸に沿う方向における回動部材500の移動を許容する。加熱工具(図示せず)は、回動部材500に取り付けられる。したがって、Y軸に沿う方向における加熱工具の変位は、第1スライド部300によって許容される。Z軸に沿う方向における加熱工具の変位は、第2スライド部400によって許容される。加熱工具は、半田を溶融するホットエアを吹き出す吹出器であってもよい。代替的に、加熱工具は、溶融された半田を吸引する除去具であってもよい。更に代替的に、加熱工具は、ワークに熱エネルギを与える他の装置であってもよい。本実施形態の原理は、加熱工具の特定の機能や特定の用途に限定されない。
【0033】
回動部材500は、アーム板510と、ベアリング520と、を含む。アーム板510は、基端部511と、基端部511とは反対の先端部512と、を含む。本実施形態において、アーム板510は、基端部511から先端部512まで直線的に延びる細長い平板である。本実施形態において、接続部材及びアーム部材は、アーム板510によって例示される。代替的に、接続部材及びアーム部材は、アーム板510とは異なる形状を有してもよい。本実施形態の原理は、接続部材の特定の形状に限定されない。
【0034】
図1は、アーム板510の基端部511に交差する軸線SAXを示す。軸線SAXは、Z軸に沿って延びる。アーム板510は、軸線SAXが交差する基端部511において第2スライド部400に接続される。ベアリング520は、基端部511から離れた先端部512に取り付けられる。加熱工具は、ベアリング520に挿入される。アーム板510は、軸線SAX周りに回動する。この結果、ベアリング520に挿入された加熱工具は、支持板200の上面210に略平行な仮想平面(図示せず)上において、弧状の軌跡に沿って変位することができる。本実施形態において、接続部は、アーム板510の基端部511によって例示される。
【0035】
軸線SAX周りのアーム板510の回動の結果、加熱工具は、X軸方向に変位することができる。したがって、使用者は、アーム板510を回動させ、X軸上における加熱工具の位置を定めることができる。軸線SAX周りのアーム板510の回動は、Y軸に沿う方向における加熱工具の変位を同時に生じさせるけれども、使用者は、第1スライド部300を利用して、Y軸上における加熱工具の位置を適切に定めることができる。加えて、使用者は、第2スライド部400を利用して、Z軸に沿う方向の加熱工具の位置を調整することができる。したがって、使用者は、半田を溶融する加熱工具が保持される保持位置を3次元空間内で適切に調整することができる。
【0036】
図1は、ベアリング520の中心軸BAXを示す。軸線SAXと同様に、中心軸BAXは、Z軸に沿って延びる。ベアリング520は、中心軸BAX周りの加熱工具の回転を許容する。本実施形態において、回転中心軸は、中心軸BAXによって例示される。保持部は、ベアリング520によって例示される。代替的に、保持部は、加熱工具を回転可能に保持する他の部品であってもよい。本実施形態の原理は、保持部として用いられる部品の特定の構造に限定されない。
【0037】
本実施形態において、ベアリング520は、基端部511とは反対の先端部512に取り付けられる。軸線SAXとベアリング520の中心軸BAXとの間の距離は、支持板200の上面210の広さに適合するように決定されてもよい。上面210が広いならば、保持台100を設計する設計者は、軸線SAXとベアリング520の中心軸BAXとの間の距離を大きな値に設定してもよい。上面210が狭いならば、保持台100を設計する設計者は、軸線SAXとベアリング520の中心軸BAXとの間の距離を小さな値に設定してもよい。したがって、設計者は、ベアリング520を、アーム板510の基端部511と先端部512との間の中間位置に配置してもよい。本実施形態の原理は、アーム板510上のベアリング520の特定の配置位置に限定されない。
【0038】
<第2実施形態>
使用者は、第1実施形態に関連して説明された保持台に、様々な加熱工具を取り付けることができる。たとえば、使用者は、半田を溶融するホットエアを吹き出す吹出器を、保持台に取り付けてもよい。第2実施形態において、保持台に取付可能な吹出器が説明される。
【0039】
図2は、吹出器BLWの概略的な斜視図である。
図1及び
図2を参照して、吹出器BLWが説明される。
【0040】
吹出器BLWは、本体部MPTと、ケーブルCBLと、ノズルNZLと、を備える。本体部MPTは、空気を加熱するヒータや空気を案内する管部材といった様々な部品を内蔵する。本体部MPTは、ケーブルCBLを通じた電力供給下でホットエアを生成する。本体部MPTが生成したホットエアは、ノズルNZLを通じて吹き出される。ホットエアを生成するための様々な既知の構造が、本体部MPTに適用されてもよい。本実施形態の原理は、本体部MPTの特定の構造に限定されない。本実施形態において、ホットエア吹出器は、吹出器BLWによって例示される。
【0041】
ノズルNZLは、全体的に、矩形箱状に形成される。ノズルNZLは、基板(図示せず)上で固定された電子部品(図示せず)を取り囲む周壁SRWを含む。周壁SRWは、電子部品(図示せず)が挿入される開口部(図示せず)を規定する底縁BEGを含む。
【0042】
底縁BEGが、支持板200の上面210に対向するように、使用者は、ノズルNZLをベアリング520に取り付ける。ベアリング520は、本体部MPTを保持する。
【0043】
第1実施形態に関連して説明された如く、使用者は、アーム板510を軸線SAX周りに回動し、X軸上におけるノズルNZLの位置を調整することができる。使用者は、第1スライド部300を用いて、Y軸上におけるノズルNZLの位置を調整することができる。使用者は、ベアリング520に、中心軸BAX周りの回転動作を与え、底縁BEGが、電子部品の周縁に沿うように、ノズルNZLの向きを調整することができる。使用者は、第2スライド部400を用いて、ノズルNZLを、支持板200の上面210に接近させることができる。この結果、基板に搭載された電子部品は、ノズルNZLに取り囲まれる。
【0044】
吹出器BLWが作動すると、ホットエアは、ノズルNZL内の空間に吹き出される。この結果、基板、電子部品及び半田は、ノズルNZL内で加熱されることとなる。使用者は、加熱処理の後、電子部品を基板から取り外すことができる。
【0045】
本実施形態において、ノズルNZLの底縁BEGは、矩形状である。ノズルNZLを設計する設計者は、加熱対象の電子部品の形状に適合するように、ノズルNZLの形状を定めてもよい。したがって、本実施形態の原理は、ノズルNZLの特定の形状に限定されない。
【0046】
本実施形態において、非円形の縁部は、底縁BEGによって例示される。代替的に、非円形の縁部は、他の形状を描いてもよい。
【0047】
<第3実施形態>
保持部は、ベアリングの回転を固定するロック機構を有してもよい。第3実施形態において、ロック機構を有する保持部が説明される。
【0048】
図3は、分解された回動部材500の概略的な斜視図である。
図1乃至
図3を参照して、回動部材500が説明される。
【0049】
第1実施形態に関連して説明された如く、回動部材500は、アーム板510と、ベアリング520と、を含む。第1実施形態の説明は、これらの部品に援用される。
【0050】
図3に示される如く、アーム板510の先端部512には、略円形の貫通孔513が形成される。ベアリング520は、貫通孔513に嵌め込まれる。貫通孔513の中心軸は、
図1を参照して説明された中心軸BAXに相当する。加熱工具(たとえば、
図2を参照して説明された吹出器BLW)は、ベアリング520に挿入され、貫通孔513を貫通する。本実施形態において、開口部は、貫通孔513によって例示される。
【0051】
回動部材500は、ロック機構530を更に備える。ロック機構530は、ベアリング520の回転をロックし、ベアリング520と協働して、加熱工具を保持する。本実施形態において、保持部は、ベアリング520とロック機構530とによって例示される。
【0052】
ロック機構530は、リング片531と、操作レバー532と、2本の締結ネジ533と、を含む。リング片531は、ベアリング520を取り囲む。操作レバー532は、リング片531に取り付けられる。使用者が、操作レバー532を時計回り又は反時計回りに回すと、リング片531は、ベアリング520を締め付ける。この結果、ベアリング520の回転は、リング片531によってロックされる。使用者が、操作レバー532を反時計回り又は時計回りに回すと、リング片531は、ベアリング520に対するロックを解除する。
【0053】
リング片531は、略矩形状の締付板534と、締付板534からY軸の延接方向に突出する2つの突出片535,536と、を含む。締付板534の略中心には、略円形の貫通孔537が形成される。締付板534の2つの角隅部には、2つの締結孔538が形成される。2本の締結ネジ533は、2つの締結孔538にそれぞれ挿入され、アーム板510に形成されたネジ穴514と螺合する。この結果、締付板534は、アーム板510に固定される。このとき、締付板534に形成された貫通孔537は、アーム板510に形成された貫通孔513と略同軸である。
【0054】
締付板534は、弧状のロック面539を含む。ロック面539は、貫通孔537の輪郭を規定する。ロック面539は、ベアリング520の外周面に当接する。上述の操作レバー532に対する操作の結果、ロック面539は、ベアリング520の外周面に圧接され、ベアリング520の回転をロックする。
【0055】
突出片536は、突出片535の隣に配置される。突出片535,536の間には薄い空隙が形成される。薄い空隙は、貫通孔537に繋がる。したがって、締付板534は、突出片535から突出片536へ延びる。本実施形態において、第1端は、突出片535,536のうち一方によって例示される。第2端は、突出片535,536のうち他方によって例示される。ロック部は、締付板534によって例示される。
【0056】
操作レバー532は、全体的に、L字形状をなす。操作レバー532は、連結ロッド541と、連結ロッド541に対して屈曲する方向に延びる操作ロッド542と、を含む。連結ロッド541は、突出片535,536を貫く。連結ロッド541の先端部(図示せず)は、突出片536内で空転する。突出片536に対向する突出片535に対応する位置において、連結ロッド541には雄ネジ(図示せず)が形成される。突出片535の内部には、連結ロッド541の雄ネジに噛み合う雌ネジが形成される。したがって、連結ロッド541が、長手方向軸周りに回転すると、突出片535,536間の距離は変化する。
【0057】
操作ロッド542は、連結ロッド541の基端部に固定される。操作ロッド542は、連結ロッド541の長手方向軸の延設方向(すなわち、突出片535,536の整列方向)に対して交差する方向に延びる。使用者は、操作ロッドを摘み、連結ロッド541周りに回転させることができる。この結果、突出片535,536の間の距離は、変化する。
【0058】
突出片535,536の間の距離が長いとき、貫通孔537の面積は、大きい。したがって、ベアリング520は、リング片531によって妨げられることなく、円滑に回転することができる。本実施形態において、第1距離は、リング片531がベアリング520の円滑な回転を許容するときの突出片535,536間の距離によって例示される。第1姿勢は、リング片531がベアリング520の円滑な回転を許容するときの操作ロッド542の回転位置によって例示される。
【0059】
使用者が、操作ロッド542を回転させ、突出片536を突出片535に近づけると、貫通孔537は縮小する。この結果、ベアリング520は、リング片531によってロックされる。本実施形態において、第2距離は、リング片531がベアリング520をロックしたときの突出片535,536間の距離によって例示される。第2姿勢は、リング片531がベアリング520をロックしたときの操作ロッド542の回転位置によって例示される。
【0060】
<第4実施形態>
保持台を設計する設計者は、ベアリングに様々な形状を与えてもよい。第4実施形態において、例示的なベアリングが説明される。
【0061】
図4は、回動部材500の概略的な断面図である。
図2乃至
図4を参照して、ベアリング520が説明される。
【0062】
ベアリング520は、全体的に、円筒形状である。ベアリング520は、外周面521と内周面522とを含む。外周面521は、アーム板510及びリング片531に対して摺動する。したがって、ベアリング520は、滑り軸受として機能する。外周面521とは反対側の内周面522は、加熱工具(たとえば、
図2を参照して説明された吹出器BLW)が収容される空間を規定する。
【0063】
外周面521は、第1外周面523と、第2外周面524と、肩面525と、を含む。第1外周面523は、第2外周面524よりも直径において大きい。したがって、肩面525は、第1外周面523と第2外周面524との間に形成される。第2外周面524は、第1外周面523の下方に位置する。第2外周面524は、肩面525から下方に延びる。
【0064】
アーム板510は、上面515と、上面515とは反対側の下面516と、を含む。第1外周面523は、直径において、
図3を参照して説明された貫通孔513よりも大きい一方で、第2外周面524は、貫通孔513と相補的である。したがって、肩面525は、アーム板510の上面515に当接する。この結果、ベアリング520は、貫通孔513から抜け落ちない。
【0065】
第1外周面523は、
図3を参照して説明された貫通孔537と相補的である。
図3を参照して説明されたロック面539は、第1外周面523に当接する。使用者が、操作ロッド542を回転し、ロック面539を第1外周面523に圧接すると、非常に高い摩擦力が、ロック面539と第1外周面523との間に生ずる。この結果、ベアリング520は、ロックされる。使用者が、操作ロッド542を反対方向に回転すると、ロック面539が第1外周面523に与える押圧力は、低減されるので、ベアリング520は、回転することができる。
【0066】
回動部材500は、スナップリング540を含む。
図3に示される如く、第2外周面524には、周方向に延びる周溝526が形成される。
図4に示される如く、第2外周面524は、アーム板510の下面516から下方に突出する。このとき、周溝526は、アーム板510の下面516の下方に現れる。スナップリング540は、周溝526に嵌め込まれる。ベアリング520が、持ち上げられると、スナップリング540は、アーム板510の下面516と干渉するので、ベアリング520の上方への離脱は、防止される。
【0067】
<第5実施形態>
加熱工具は、様々な固定技術によって、ベアリングに固定されてもよい。第5実施形態において、ベアリングに対する加熱工具の例示的な固定技術が説明される。
【0068】
図5は、回動部材500の概略的な断面図である。
図2、
図4及び
図5を参照して、ベアリング520に対する吹出器BLWの例示的な固定技術が説明される。
【0069】
図4に示される如く、ベアリング520の内周面522は、第1内周面551と、第2内周面552と、第3内周面553と、第1肩面554と、第2肩面555と、を含む。第1内周面551は、第1内周面551、第2内周面552及び第3内周面553の中で最も上に位置する。第3内周面553は、第1内周面551、第2内周面552及び第3内周面553の中で最も下に位置する。第2内周面552は、第1内周面551と第3内周面553との間に位置する。
【0070】
第1内周面551、第2内周面552及び第3内周面553それぞれは、略円筒形状の空房を形成する。
図2を参照して説明された吹出器BLWは、これらの空房に挿入される。第1内周面551によって規定される空房は、これらの空房の中で直径において最も大きい。したがって、第1肩面554は、第1内周面551と第2内周面552との間の境界に形成される。第3内周面553によって規定される空房は、これらの空房の中で直径において最も小さい。したがって、第2肩面555は、第3内周面553と第2内周面552との間の境界に形成される。
【0071】
図4に示される如く、回動部材500は、略円形のOリング550を含む。Oリング550の外形は、第1内周面551と相補的である。Oリング550は、第1肩面554上に載置される。
【0072】
図2に示される如く、吹出器BLWの本体部MPTは、握持部HDLと加熱棒HRDとを含む。握持部HDL及び加熱棒HRDはともに、全体的に、円筒形状である。握持部HDLは、断熱構造を有し、使用者は、握持部HDLを掴むことができる。加熱棒HRDは、ホットエアを、ノズルNZLへ案内する。加熱棒HRDは、握持部HDLよりも細い。したがって、肩部SLDが、加熱棒HRDと握持部HDLとの境界に形成される。
【0073】
肩部SLDが、第2肩面555に当接するように、使用者は、吹出器BLWを、ベアリング520に挿入する。この結果、第2内周面552は、握持部HDLの一部を取り囲む。加熱棒HRDは、第3内周面553によって規定された空房を貫通する。
【0074】
図5に示される如く、回動部材500は、3つのセットボルト560を含む。3つのセットボルト560は、第3内周面553の周方向において略等間隔で、第3内周面553から突出する。セットボルト560の突出量は、セットボルト560の回転によって調整される。3つのセットボルト560それぞれの先端が、加熱棒HRDの周面に当接するように、使用者は、セットボルト560の突出量を調整する。本実施形態において、保持部は、ベアリング520とセットボルト560とによって例示される。
【0075】
図4に示される如く、第2外周面524と第3内周面553との間の肉厚は、ベアリング520の他の領域よりも厚い。したがって、3つのセットボルト560は、ベアリング520を損傷しにくい。
【0076】
<第6実施形態>
保持台を設計する設計者は、加熱工具の高さ位置を調整する第2スライド部に様々な構造を与えることができる。第6実施形態において、第2スライド部の例示的な構造が説明される。
【0077】
図1に示される如く、第2スライド部400は、基台部410と、ガイド棒420と、摺動板430と、締結ネジ440と、調整機構450と、を含む。基台部410は、第1スライド部300に摺動可能に取り付けられる。第1スライド部300は、Y軸に沿う基台部410の変位を許容する。
【0078】
ガイド棒420は、基台部410から立設され、Z軸に沿って上方に延びる。摺動板430は、ガイド棒420によって貫かれる。摺動板430は、ガイド棒420に対して摺動可能である。摺動板430は、ガイド棒420によって案内され、Z軸に沿って変位することができる。
【0079】
図3に示される如く、アーム板510の基端部511には、貫通孔517が形成される。摺動板430には、貫通孔517に連通する貫通孔(図示せず)が形成される。
図1に示される如く、締結ネジ440は、軸線SAXに沿って延び、摺動板430及びアーム板510を貫通することができる。締結ネジ440の長手方向軸は、軸線SAXに略一致する。締結ネジ440の下端は、アーム板510の下面516から突出する。ボルト(図示せず)は、締結ネジ440の下端に取り付けられる。したがって、摺動板430に連結されたアーム板510は、締結ネジ440周りに回動することができる。本実施形態において、軸棒は、締結ネジ440によって例示される。
【0080】
図3に示される如く、アーム板510全体は、単一の平板から形成される。設計者は、アーム板510を、複数の板材を用いて形成することもできる。この場合、貫通孔513,517間において、複数の板材が接続された間接部が形成されることになる。しかしながら、貫通孔513,517間に形成された間接部は、加熱工具の位置的な精度を低くすることもある。したがって、本実施形態のように、単一の板材を用いて、アーム板510を形成することは、加熱工具の位置的な精度の観点から好ましい。
【0081】
<第7実施形態>
第6実施形態に関連して説明された如く、アーム板は、摺動板に対して回動可能である。設計者は、アーム板を摺動板に固定する構造を、保持台に与えてもよい。第7実施形態において、アーム板を摺動板に固定するための例示的な構造が説明される。
【0082】
図6Aは、保持台100の概略的な平面図である。
図6Bは、保持台100の概略的な側面図である。
図1、
図3、
図6A及び
図6Bを参照して、アーム板510を摺動板430に固定するための構造が説明される。
【0083】
図1に示される如く、摺動板430は、厚肉部431と薄肉部432とを含む。厚肉部431は、全体的に矩形である。薄肉部432は、厚肉部431よりも薄く、且つ、略半円形である。薄肉部432には、略半弧状に延びるスロット433が形成される。スロット433の曲率中心は、軸線SAXに略一致する。
【0084】
図1に示される如く、回動部材500は、ロックネジ570を含む。
図6Bに示される如く、ロックネジ570は、略円筒形状の頭部571と、頭部571から下方に延びる脚部572と、を含む。
図6Aに示される如く、頭部571は、スロット433の幅よりも大きい。したがって、頭部571は、スロット433の周囲において、薄肉部432に当接する。
【0085】
図3に示される如く、アーム板510には、ネジ穴518が形成される。脚部572(
図6Bを参照)には、雄ネジが形成される。
図6Bに示される如く、脚部572は、スロット433を貫通し、ネジ穴518に螺合される。この結果、薄肉部432とアーム板510との間に高い摩擦力が生じ、薄肉部432に対するアーム板510の位置は、固定される。本実施形態において、位置決め片は、ロックネジ570によって例示される。
【0086】
<第8実施形態>
第6実施形態に関連して説明された如く、摺動板は、ガイド棒に沿って上下動する。この結果、加熱工具の高さ位置が調整される。設計者は、摺動板の高さ位置を調整するための様々な機構を構築することができる。第8実施形態において、摺動板の高さ位置を調整するための機構が説明される。
【0087】
図1に示される如く、加熱工具(図示せず)の高さ位置を調整する調整機構450は、ギアボックス451と、ハンドル452と、ラックロッド453と、ガイドロッド454と、ストッパ板455と、を含む。ギアボックス451は、略矩形状の箱体である。ギアボックス451は、上面456と、上面456とは反対側の下面457と、を含む。
【0088】
ラックロッド453及びガイドロッド454は、ギアボックス451を鉛直方向に貫通する。ラックロッド453及びガイドロッド454は、ギアボックス451の上面456及び下面457それぞれから突出する。摺動板430は、ラックロッド453及びガイドロッド454それぞれの下端に取り付けられる。ストッパ板455は、ラックロッド453及びガイドロッド454それぞれの上端に取り付けられる。
【0089】
使用者が、ハンドル452を回転すると、摺動板430、ラックロッド453、ガイドロッド454及びストッパ板455は、一体的に上方又は下方に変位する。摺動板430が、変位範囲の上限位置に到達すると、ギアボックス451の下面457は、摺動板430に当接する。摺動板430が、変位範囲の下限位置に到達すると、ギアボックス451の上面456は、ストッパ板455に当接する。
【0090】
図7は、ギアボックス451の概略的な断面図(Y軸方向)である。
図1及び
図7を参照して、調整機構450が更に説明される。
【0091】
図1に示される如く、ハンドル452は、握持棒461と、接続ディスク462と、挿入棒463と、ピニオン464(
図7を参照)と、を含む。接続ディスク462は、略円板である。接続ディスク462は、周面465と、対向面466と、を含む。握持棒461は、周面465から突出する。対向面466は、ギアボックス451に対向する。挿入棒463は、対向面466から突出し、ギアボックス451に部分的に挿入される。
【0092】
図7に示される如く、ピニオン464は、ギアボックス451内で、挿入棒463の先端部に接続される。ラックロッド453の周面には、ラック(図示せず)が形成される。ピニオン464は、ラックロッド453に形成されたラックと噛み合う。したがって、使用者が、握持棒461を掴み、接続ディスク462及び挿入棒463と一体的にピニオン464を回転させると、ラックロッド453は、鉛直方向に変位する。
【0093】
図8は、ギアボックス451の概略的な断面図(X軸方向)である。
図1及び
図8を参照して、ギアボックス451が説明される。
【0094】
図8に示される如く、ギアボックス451は、固定壁471と、箱部472と、ブレーキ板473と、を含む。調整機構450は、固定ボルト474と、セットボルト475と、を含む。固定壁471には、鉛直方向に延びる貫通孔476が形成される。固定ボルト474は、貫通孔476に挿入され、ガイド棒420の上端から下方に延びるネジ穴と螺合する。この結果、ギアボックス451は、ガイド棒420に連結される。
【0095】
図8に示される如く、ガイド棒420には、キー溝421が形成される。キー溝421は、ガイド棒420の上端から下方に延びる。セットボルト475は、固定壁471に水平方向(X軸方向)に形成されたネジ穴を貫通し、キー溝421に部分的に嵌り込む。この結果、セットボルト475は、ガイド棒420の長手方向軸(Y軸)周りにおけるギアボックス451の回転を抑制することができる。
【0096】
図8に示される如く、第2スライド部400は、第1滑り軸受401を含む。第1滑り軸受401は、摺動板430に嵌め込まれる。ガイド棒420は、第1滑り軸受401を貫通する。この結果、摺動板430は、ハンドル452の操作に応じて、ガイド棒420に沿って円滑に変位することができる。
【0097】
図8に示される如く、第2スライド部400は、第2滑り軸受402を含む。固定壁471は、第2滑り軸受402が収容される凹部が形成された内面477を含む。内面477は、箱部472と協働して、ピニオン464が収容される収容空間478を規定する。挿入棒463の先端は、第2滑り軸受402に挿入される。第2滑り軸受402は、挿入棒463の先端を支持する。
【0098】
箱部472は、全体的に矩形筒状である。
図8に示される如く、箱部472は、固定壁471から握持棒461に向けて突出する。箱部472は、握持棒461に向けて開口する。
【0099】
図8に示される如く、ブレーキ板473は、箱部472によって規定された開口部を閉じる。挿入棒463は、ブレーキ板473を貫通し、第2滑り軸受402によって支持される。
【0100】
図8に示される如く、挿入棒463は、基端棒部481と、雄ネジ棒部482と、中間棒部483と、ブレーキリング部484と、支持棒部485と、を含む。基端棒部481は、接続ディスク462に連結され、ギアボックス451に向けて延びる。雄ネジ棒部482は、基端棒部481とギアボックス451との間に位置する。雄ネジ棒部482は、基端棒部481より若干太い。雄ネジ棒部482の周面には、雄ネジが形成される。中間棒部483は、ブレーキ板473を貫通する。中間棒部483は、雄ネジ棒部482より若干太い。ブレーキリング部484は、挿入棒463の中で最も太い部位である。ブレーキリング部484は、ピニオン464とブレーキ板473との間に位置する。支持棒部485は、ブレーキリング部484から固定壁471の内面477に向けて延びる。ピニオン464は支持棒部485に取り付けられる。支持棒部485の先端は、第2滑り軸受402によって保持される。
【0101】
図8に示される如く、第2スライド部400は、第3滑り軸受403と、2つのワッシャ404,405と、ブレーキナット406と、を含む。第3滑り軸受403は、ブレーキ板473に形成された貫通孔に嵌め込まれる。中間棒部483は、第3滑り軸受403に挿入される。ワッシャ404は、中間棒部483とブレーキリング部484との間の境界に配置される。ワッシャ405は、中間棒部483と雄ネジ棒部482との間の境界に配置される。したがって、第3滑り軸受403は、ワッシャ404,405の間に位置する。ブレーキナット406は、雄ネジ棒部482と螺合する。ブレーキナット406がブレーキ板473に向けて締め込まれると、ブレーキナット406、ワッシャ404,405、第3滑り軸受403、ブレーキ板473といった要素間の境界において高い摩擦力が生ずる。この結果、摺動板430及び回動部材500の自重に起因するハンドル452の回転は生じにくくなる。
【0102】
<第9実施形態>
保持台を設計する設計者は、第1スライド部に様々な構造を与えることができる。たとえば、設計者は、第1スライド部として、一般的なリニアスライダ機構を採用してもよい。第9実施形態において、リニアスライダ機構を有する保持台が説明される。
【0103】
図1に示される如く、第1スライド部300は、台座部310と、レール320と、雄ネジ棒330と、位置決め機構340と、を含む。
図6Aに示される如く、台座部310は、主壁311と、2つの側壁312,313と、を含む。主壁311は、Y軸に沿って直線的に延びる。側壁312,313は、主壁311の両端部からそれぞれ略直角に屈曲する。側壁313は、側壁312に対向する。
【0104】
図1に示される如く、レール320は、主壁311の上面に取り付けられ、Y軸に沿って直線的に延びる。第2スライド部400の基台部410は、レール320に噛み合い、Y軸に沿って変位することができる。本実施形態において、スライドレールは、レール320によって例示される。
【0105】
図6Aに示される如く、雄ネジ棒330は、レール320に並行してY軸に沿って延びる。雄ネジ棒330の両端は、側壁312,313によって支持される。雄ネジ棒330の周面には、雄ネジ(図示せず)が形成される。本実施形態において、位置決めロッドは、雄ネジ棒330によって例示される。
【0106】
図9A及び
図9Bは、位置決め機構340の概念的な断面図である。
図9A及び
図9Bを参照して、位置決め機構340による位置決め原理が説明される。
【0107】
位置決め機構340は、位置決め部材341と、操作ピン342と、コイルバネ343と、を含む。位置決め部材341は、上板344と、下板345と、略鉛直な鉛直板346と、を含む。上板344は、鉛直板346の上縁から略水平に延びる。下板345は、鉛直板346の下縁から略水平に延びる。基台部410の一部は、上板344と、下板345と、略鉛直な鉛直板346と、によって囲まれた空間内に配置される。
【0108】
上板344は、基台部410に対向する下面347を含む。基台部410は、上板344の下面347に対向する上面411を含む。コイルバネ343は、上板344の下面347と基台部410の上面411との間で延びる。本実施形態において、第2対向面は、上板344の下面347によって例示される。
【0109】
操作ピン342は、頭部351と脚部352とを含む。頭部351は、上板344の上方に現れる。頭部351より細い脚部352は、上板344を貫通する。脚部352の下端は、基台部410の上面411に形成された凹部412に挿入されてもよい。脚部352は、上板344に形成されたネジ穴と螺合される。脚部352の先端が、凹部412に当接するように、操作者が、頭部351を回転すると、上面344、鉛直板346及び下板345の動きは、ロックされる。
【0110】
図9Bに示される如く、使用者が、上板344又は操作ピン342の頭部351に下向きの力を加えると、コイルバネ343は、圧縮される。この結果、上板344の下面347と基台部410の上面411との間の距離は小さくなる。
図9Aに示される如く、コイルバネ343は、下向きの力の不存在下で、上向きに伸張する。この結果、上板344の下面347と基台部410の上面411との間の距離は長くなる。本実施形態において、第1方向は、上向きの方向によって例示される。第2方向は、下向きの方向によって例示される。
【0111】
下板345は、基台部410と下板345との間で延びる雄ネジ棒330に対向する上面348を含む。
図9Bに示される如く、上面348には、雄ネジ棒330の下半周面に相補的な雌ネジ溝349が形成される。雌ネジ溝349は、雄ネジ棒330の直下に位置する。雄ネジ棒330と同様に、雌ネジ溝349は、Y軸に沿って延びる。本実施形態において、第1対向面は、下板345の上面348によって例示される。
【0112】
下板345は、鉛直板346によって上板344に連結されているので、下板345は、上板344の上下動に連動する。使用者が、下向きの力を操作ピン342に加えていないならば、雌ネジ溝349は、コイルバネ343の上向きの付勢力によって雄ネジ棒330に噛み合う。この結果、基台部410のY軸上の位置は固定される。使用者が、下向きの力を操作ピン342に加えると、下板345は、上板344とともに下方へ移動する。この結果、雌ネジ溝349は、雄ネジ棒330から離れる。その後、使用者は、基台部410をY軸に沿って変位させることができる。
【0113】
上述の様々な実施形態に関連して説明された設計原理は、様々な加熱工具を保持する保持台に適用可能である。上述の様々な実施形態のうち1つに関連して説明された様々な特徴のうち一部が、他のもう1つの実施形態に関連して説明された保持台に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0115】
100・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・保持台
200・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・支持板
210・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上面
300・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1スライド部
320・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・レール
330・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・雄ネジ棒
343・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・コイルバネ
347・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下面
348・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上面
400・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2スライド部
410・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・基台部
420・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガイド棒
430・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・摺動板
433・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スロット
440・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・締結ネジ
453・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラックロッド
464・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピニオン
500・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・回動部材
510・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アーム板
511・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・基端部
513・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・貫通孔
520・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ベアリング
530・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ロック機構
531・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・リング片
532・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・操作レバー
534・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・締付板
535,536・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・突出片
560・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・セットボルト
570・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ロックネジ
571・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・頭部
572・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・脚部
BEG・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・底縁
BLW・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・吹出器
NZL・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ノズル