特許第6302927号(P6302927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6302927
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】拡張可能脊椎インプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20180319BHJP
【FI】
   A61F2/44
【請求項の数】15
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-547485(P2015-547485)
(86)(22)【出願日】2013年12月11日
(65)【公表番号】特表2015-536807(P2015-536807A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】US2013074271
(87)【国際公開番号】WO2014093430
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年9月15日
(31)【優先権主張番号】13/711,204
(32)【優先日】2012年12月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/837,452
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アイオット,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】アダムス,マーク
(72)【発明者】
【氏名】グレールム,チャド
(72)【発明者】
【氏名】ザイフェルト,ジョディ
(72)【発明者】
【氏名】ベクテル,マット
(72)【発明者】
【氏名】ガーマン,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイマン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ダベンポート,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ,ミラン
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ハンセル,ノア
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/047230(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0319997(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0128712(US,A1)
【文献】 特表2009−518090(JP,A)
【文献】 特表平03−505416(JP,A)
【文献】 特表2007−517627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節の骨の分離を維持するためのスペーサであって、
それらの間に伸びる縦軸を画定する遠位端と近位端とを有するフレームと、
前記フレームに摺動可能に連結され、少なくとも1つの傾斜面を有し、ねじ部分をさらに含むキャリッジと、
前記フレームに螺着可能に係合されたアクチュエータねじであって、前記アクチュエータねじを回転させた時に、前記アクチュエータねじが前記キャリッジにもたれて、前記キャリッジを前記フレーム内で摺動可能に移動させるように構成された、アクチュエータねじと、
前記関節の第1の骨に係合するように構成され、前記少なくとも1つのキャリッジ傾斜面とはめ合わせ可能な少なくとも1つの表面を有する第1の終板であって、それによって、前記キャリッジが前記アクチュエータねじの回転によって摺動可能に移動可能である時、前記少なくとも1つの終板傾斜面が前記少なくとも1つのキャリッジ傾斜面を摺動して、前記縦軸を横断する軸に沿って前記第1の終板を移動させて前記スペーサの高さを高くする、第1の終板と、
前記関節の第2の骨に係合するように構成された第2の終板と、
を備え
骨係合ねじ山とギアの歯とを有する骨ねじと、
前記骨ねじの前記ギアの歯に係合可能なギアの歯を含み、それによって、前記骨ねじが前記関節の骨の中に通された時に回転させられる前記アクチュエータねじと、をさらに含む、スペーサ。
【請求項2】
前記キャリッジが少なくとも2つの傾斜面を含み、前記第2の終板が、前記キャリッジの前記少なくとも2つの傾斜面のうちの少なくとも1つにはめ合わせ可能な少なくとも1つの傾斜面を含み、それによって、前記キャリッジが前記アクチュエータねじの回転によって摺動可能に移動された時、前記少なくとも1つの第2の終板傾斜面が、前記少なくとも1つの追加的なキャリッジ傾斜面を摺動して、前記縦軸を横断する軸に沿って前記第2の終板を移動させて前記スペーサの高さを高くする、請求項1に記載の関節用スペーサ。
【請求項3】
前記第1の終板が、前記第1の終板を前記関節の骨に固定するために固定具が貫通することができる少なくとも1つの開口部を含む、請求項1に記載の関節用スペーサ。
【請求項4】
前記第1の終板を貫通させた固定具の抜け落ちを防ぐブロック機構をさらに含む、請求項に記載の関節用スペーサ。
【請求項5】
前記第1の終板と前記第2の終板とのうちの少なくとも1つが、異種材料の2つの相互接続された部分から成る、請求項1に記載の関節用スペーサ。
【請求項6】
1つの異種材料がポリマーであり、もう1つの異種材料が金属である、請求項5に記載の関節用スペーサ。
【請求項7】
前記アクチュエータねじを圧迫して、前記アクチュエータねじの意図しない回転の可能性を減少させるように構成されたポリマー材料をさらに含む、請求項1に記載の関節用スペーサ。
【請求項8】
前記スペーサを前記関節の骨に固定するための伸長固定具を受け入れるような大きさと寸法とにされた少なくとも1つの開口部を有し、前記スペーサから解放可能に取り外し可能であって体内への前記スペーサの挿入中に前記スペーサの形状を小さくし、前記体内で前記スペーサに取り付けられるプレートをさらに含む、請求項1に記載の関節用スペーサ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのキャリッジ傾斜面が、少なくとも1つのカムの上に配置され、前記少なくとも1つのカムは、前記第1の終板の前記少なくとも1つの表面にもたれるように回転可能である、請求項1に記載のスペーサ。
【請求項10】
前記第1の終板が、異なる長さの第1の横軸と第2の横軸とを有する回転可能部分を含む、請求項1に記載のスペーサ。
【請求項11】
前記回転可能部分が、前記スペーサの内部を貫通可能である、請求項10に記載のスペーサ。
【請求項12】
前記第1の終板が、前記スペーサを前記関節の骨に固定するように動作可能な伸長固定具を受け入れるような大きさと寸法とで貫通された、開口部を含み、前記開口部が、前記縦軸を横断する前記軸に沿って前記第1の終板を移動させるにつれて、前記第1の終板と一緒に移動可能である、請求項1に記載のスペーサ。
【請求項13】
前記スペーサを前記関節の骨に固定するために固定具が貫通することができる開口部を有し、前記開口部を前記関節の骨と整列させるために、前記スペーサが体内に埋め込まれた後、回転可能である少なくとも1つの回転可能なプレートをさらに含む、請求項1に記載の関節用スペーサ。
【請求項14】
前記キャリッジ傾斜面のうちの少なくとも1つが、前記関節の骨を貫通して前記スペーサを体内で固定するように動作する、貫通要素を前記第1の終板の開口部に押し通すように動作する、請求項1に記載の関節用スペーサ。
【請求項15】
前記フレームに枢動可能に接続された、少なくとも1つの細長い回転可能なデプロイヤと、
前記デプロイヤに接続され、前記回転可能なデプロイヤを体内で回転させた時に前記関節の骨を貫通するように動作可能である少なくとも1つの貫通要素と、
をさらに含む、請求項1に記載の関節用スペーサ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
関連出願の相互参照
本特許出願は、2012年12月11日に出願された米国特許出願第13/711,204号の一部継続出願であり、その内容全体が参照によって組み込まれる。
【0002】
本発明は、背骨の隣接する椎骨を、椎間スペーサを挿入することによって安定させることに関し、より具体的には、固定のためのプレートを有する高さ調節可能な椎間スペーサに関する。
[背景技術]
骨および骨格は、様々な脆弱性の影響を受けやすく、それらは、支えと構造とを提供する骨と骨格との能力に影響を与え得る。骨格の脆弱性は多数の潜在的原因を有し、それらには変性疾患と、腫瘍と、骨折と、脱臼とが含まれる。医学と工学との進歩は、医師たちに、これらの脆弱性を緩和または治療するための複数のデバイスと手法とを提供した。
【0003】
時として、脊柱は、そのような脆弱性に対処するために追加的な支えを必要とする。支えを提供するための一手法は、隣接する椎骨の間にスペーサを挿入することである。
[発明の概要]
[課題を解決するための手段]
本開示によると、関節の骨の分離を治療的に維持するための関節用スペーサは、それらの間に伸びる縦軸を画定する遠位端と近位端とを有するフレームと、フレーム内で摺動可能に保たれ、少なくとも1つの傾斜面を有し、ねじ部をさらに含むキャリッジと、フレームに螺着可能に係合され、回転させた時にキャリッジにもたれて、キャリッジをフレーム内で摺動可能に移動させるように構成されたアクチュエータねじと、関節の第1の骨に係合するように構成され、少なくとも1つのキャリッジ傾斜面または特徴面にはめ合わせ可能な少なくとも1つの面を有し、キャリッジがアクチュエータねじの回転によって摺動可能に移動可能である時、少なくとも1つの終板傾斜面が少なくとも1つのキャリッジ傾斜面を摺動して、縦軸を横断する軸に沿って第1の終板を移動させてスペーサの高さを高くする、第1の終板と、関節の第2の骨に係合するように構成された第2の終板とを備える。
【0004】
本開示の一実施形態では、キャリッジは少なくとも2つの傾斜面を含み、第2の終板は、キャリッジの少なくとも2つの傾斜面のうちの少なくとも1つとはめ合わせ可能な少なくとも1つの傾斜面を含み、それによって、キャリッジを、アクチュエータねじの回転によって摺動可能に移動させた時、第2の終板の少なくとも1つの傾斜面が少なくとも1つの追加的なキャリッジ傾斜面を摺動して、縦軸を横断する軸に沿って第2の終板を移動させてスペーサの高さを高くする。
【0005】
本開示の別の実施形態では、第1の終板は、縦軸を横断する軸に沿って第1の終板を移動させるにつれてフレームに隣接するように構成され、それによって、第1の終板は、縦軸を横断する軸に沿ってのみ実質的に移動し、第1の終板は、第1の終板を関節の骨に固定するために固定具を貫通させることができる少なくとも1つの開口部を含み、スペーサは、第1の終板を貫通させた固定具の抜け落ちを防ぐためのブロッキング機構をさらに含み、第1の終板は、インプラントが関節の骨の間に位置付けられた時に関節の骨に係合するように構成された1つまたは複数の突起を含む。
【0006】
本開示のさらなる実施形態では、第1の終板と第2の終板とのうちの少なくとも1つは、異種材料の2つの相互接続された部分から成り、異種材料のうちの1つは金属であり、インプラントを関節の骨に取り付けるために固定具を通すことができる少なくとも1つの開口部を含み、1つの異種材料はポリマーであり、別の異種材料は金属である。他の可能な材料は、炭素繊維、骨、などを含む。
【0007】
本開示のさらに追加的な実施形態では、アクチュエータねじは、フランジ(またはくぼみまたは他の形状)を含み、キャリッジは、アクチュエータねじのフランジに回転可能にはめ合わせ可能なフランジ(またはCクリップまたは他の形状)を含み、スペーサは、アクチュエータねじとキャリッジとの間に置かれたスラスト座金をさらに含み、スペーサは、アクチュエータねじを圧迫してアクチュエータねじの意図しない回転の可能性を減らすように構成されたポリマー材料をさらに含み、スペーサは、スペーサを関節の骨に固定するための伸長固定具を受け入れるような大きさと寸法にされた少なくとも1つの開口部を有するプレートをさらに含み、プレートはスペーサから解放可能に取り外し可能であり、体内へのスペーサの挿入中にスペーサの外形を小さくし、体内でスペーサに取り付けられる。
【0008】
本開示の他の実施形態では、プレートおよびフレームは、スペーサが体内にある時にプレートをフレームに接続するように動作可能なツイストロック型コネクタのはめ合わせ部分を含み、プレートおよびフレームは、スペーサが体内にある時、または体の外にある時に、プレートをフレームに接続するように動作可能なスナップ式締まりばめコネクタのはめ合わせ部分を含み、プレートは、体内へのプレートの挿入中にプレートの外形を小さくするように折り畳み可能なヒンジ部分を含み、少なくとも1つのキャリッジ傾斜面にはめ合わせ可能な少なくとも1つの面は、少なくとも1つの傾斜面であり、少なくとも1つのキャリッジ傾斜面は、少なくとも1つのキャリッジ傾斜面が第1の終板の少なくとも1つの面にもたれるように回転可能な、少なくとも1つのカム上に配置され、第1の終板は、異なる長さの第1の横軸と第2の横軸とを有する回転可能な部分を含み、回転可能な部分は、スペーサの内部を貫通可能である。
【0009】
本開示の他の実施形態では、第1の終板は、スペーサを関節の骨に固定するために開口部を貫通するように動作可能な伸長固定具を受け入れるような大きさと寸法にされ、縦軸を横断する軸に沿って第1の終板を移動させるにつれて、第1の終板と共に移動可能な開口部を含み、第1の終板は、第1の終板を関節の骨に固定するために固定具が貫通することができる、少なくとも1つの開口部を有する第1の部分と、関節の骨を支えるように構成された第2の部分とを含み、第1の部分と第2の部分はダブテール接続または他の種類の接続によってお互いに接続されている。
【0010】
本開示の追加的な実施形態では、スペーサは、スペーサを関節の骨に固定するために各々を固定具が貫通することができる少なくとも2つの開口部を有し、スペーサが体内に埋め込まれた後に、少なくとも2つの開口部を関節の骨で覆うように回転可能である回転可能なプレートをさらに含み、スペーサは、スペーサを関節の骨に固定するために各々を固定具が貫通することができる少なくとも2つの開口部を有し、スペーサが体内に埋め込まれた後に、少なくとも2つの開口部を関節の骨で覆うように回転可能である回転可能なプレートをさらに含み、スペーサは、スペーサを関節の骨に固定するために固定具が貫通することができる開口部を有し、スペーサが体内に埋め込まれた後に、開口部を関節の骨で覆うように回転可能である少なくとも1つの回転可能なプレートをさらに含み、スペーサは、スペーサに回転可能に接続可能な少なくとも2つのプレートをさらに含み、各プレートがダブテールジョイントによって他方に摺動可能に接続され、各プレートが、スペーサを関節の骨に固定するために固定具が貫通することができる少なくとも1つの開口部を有し、プレートが、各プレートの開口部を関節の骨で覆うように、スペーサが体内に埋め込まれた後に回転可能であり、少なくとも2つのプレートの各々が他方に対して摺動可能である。
【0011】
本開示のさらに追加的な実施形態では、キャリッジ傾斜面のうちの少なくとも1つは、スペーサを体内で固定するために関節の骨を貫通するように動作可能な貫通要素を、第1の終板の開口部に押し通すように動作可能であり、スペーサは、骨に係合するねじ山とギアの歯とを有する骨ねじと、骨ねじのギアの歯と係合可能なギアの歯を含むアクチュエータねじをさらに含み、それによって、アクチュエータねじは、骨ねじが関節の骨に通し込まれた時に回転し、スペーサは、スペーサを関節の骨に接続するために固定具が貫通することができる開口部を有するプレートをさらに含み、プレートはダブテール部分を含み、第1の終板はプレートのダブテール部分とはめ合わせ可能なダブテール部分を含み、それによって、プレートおよび第1の終板がお互いにしっかりと接続可能であり、スペーサは、第1の終板内に形成され、スペーサを体内で固定するように動作可能な固定具の伸長部分を受け入れるような大きさと寸法とにされたチャネルをさらに含む。
【0012】
本開示の他の実施形態では、スペーサは、フレームに枢動可能に接続された少なくとも1つの伸長する回転可能なデプロイヤと、デプロイヤに接続され、回転可能なデプロイヤを体内で回転させた時に関節の骨を貫通するように動作可能な少なくとも1つの貫通要素とをさらに含み、少なくとも1つの貫通要素は、デプロイヤに枢動可能に接続されて、それによって、第1の終板の平面に対して所望の角度で体の骨に侵入し、少なくとも1つの回転可能なデプロイヤは、アクチュエータねじに対して共通の軸の周りを回転し、少なくとも1つの回転可能なデプロイヤは、アクチュエータねじを回転させた時に回転し、少なくとも1つの回転可能なデプロイヤは、アクチュエータねじとは独立して回転する。
【0013】
本開示のさらに追加的な実施形態では、第1の終板は、フレームに枢動可能に接続され、第1の終板は、枢動接続の周り、縦軸を横断して伸びる軸の周りを枢動し、第1の終板は、フレームに対する第1の終板の回転運動、上下運動、左右運動を可能にするようにフレームに接続されている。
【0014】
本開示の別の実施形態では、関節の骨の分離を治療的に維持するための関節用スペーサは、それらの間に伸びる縦軸を画定する遠位端と近位端とを有するフレームと、フレーム内で摺動可能に保たれ、少なくとも1つの傾斜面を有し、フランジをさらに含むキャリッジと、フレームに螺着可能に係合され、キャリッジのフランジに回転可能にはめ合わせ可能なフランジを含み、それによって、回転させた時にキャリッジを摺動可能に移動させるアクチュエータねじと、関節の第1の骨に係合するように構成され、少なくとも1つのキャリッジ傾斜面にはめ合わせ可能な少なくとも1つの傾斜面を有し、それによって、第1の方向へのアクチュエータねじの回転によってキャリッジを摺動可能に移動させた時に、少なくとも1つの終板傾斜面が少なくとも1つのキャリッジ傾斜面を摺動して、縦軸を横断する軸に沿って第1の終板を移動させてスペーサの高さを高くする、第1の終板と、関節の第2の骨に係合するように構成された第2の終板とを備える。
【0015】
本開示の様々な実施形態では、アクチュエータねじを反対の、第2の方向に回転させた時、少なくとも1つの終板傾斜面は、少なくとも1つのキャリッジ傾斜面を摺動可能であって、縦軸を横断する軸に沿って第1の終板を移動させてスペーサの高さを低くし、第1の終板は、インプラントを体内組織に接続するための固定具が貫通することができる開口部を有する金属部分を含み、金属部分に接続され、関節の骨を支えるような大きさと寸法とにされたポリマー部分をさらに有し、フレームおよび第1の終板は、第1の終板がフレームに接近して置かれた時に、第1の終板とフレームとの方向を維持するように構成された、はめ合わせ可能なダブテール部分を含む。
【0016】
本開示の別の実施形態では、関節の骨の分離を治療的に維持するための方法は、スペーサを関節の骨の間に挿入することを備え、スペーサが、それらの間に伸びる縦軸を画定する遠位端と近位端とを有するフレームと、フレーム内で摺動可能に保たれ、少なくとも1つの傾斜面を有し、フランジをさらに含むキャリッジと、フレームに螺着可能に係合され、キャリッジのフランジに回転可能にはめ合わせ可能なフランジを含み、それによって、回転させた時にキャリッジを摺動可能に移動させるアクチュエータねじと、関節の第1の骨に係合するように構成され、少なくとも1つのキャリッジ傾斜面にはめ合わせ可能な少なくとも1つの傾斜面を有し、それによって、第1の方向へのアクチュエータねじの回転によってキャリッジを摺動可能に移動させた時に、少なくとも1つの終板傾斜面が少なくとも1つのキャリッジ傾斜面を摺動して、縦軸を横断する軸に沿って第1の終板を移動させてスペーサの高さを高くする、第1の終板と、関節の第2の骨に係合するように構成された第2の終板とを含み、スペーサは、第1の終板がフレームに接近して置かれた時に挿入され、アクチュエータねじの回転によって、少なくとも1つの終板傾斜面を少なくとも1つのキャリッジ傾斜面で摺動可能に移動させて、縦軸を横断する軸に沿って第1の終板を移動させてスペーサの高さを高くして、関節の骨の分離を維持する。
【0017】
添付図面と併用して考慮される時、本発明およびその付随する利点と特徴とのより完全な理解は、以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解される。
[図面の簡単な説明]
図1]骨固定具含み、高さを低くしたまたは圧縮状態の、本開示によるスペーサの斜視図である。
【0018】
図2]高さを高くしたまたは拡張状態の、図1のスペーサの図である。
【0019】
図3図1のスペーサの正面図である。
【0020】
図4図2のスペーサの正面図である。
【0021】
図5図2のスペーサの中心部を通る断面図である。
【0022】
図6図1のスペーサの平面図である。
【0023】
図7図1のスペーサの、体内における可能な埋め込み位置の図である。
【0024】
図8]スペーサの残りの部分に取り外し可能に接続可能な固定プレートを含み、固定プレートが取り外されて示されている、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
【0025】
図9図8に関して、固定プレートをスペーサの残りの部分に接続するためのコネクタの図である。
【0026】
図10]固定プレートを取り付けた、図8のスペーサの図である。
【0027】
図11図10のスペーサの裏側の図である。
【0028】
図12図10のスペーサの正面図である。
【0029】
図13]取り外されている、スナップ式留め具を有する固定プレートを含む、本開示によるスペーサの実施形態の側面図である。
【0030】
図14]固定プレートが留め具にスナップ式に留められている、図13のスペーサの図である。
【0031】
図15図13の固定プレートの図である。
【0032】
図16図13の実施形態による、ヒンジ式固定プレートの図である。
【0033】
図17]ヒンジ部分が折り畳まれ、ヒンジ部分の上の返しをさらに示した、図16のヒンジ式固定プレートの図である。
【0034】
図18]スペーサの高さを高くするように動作可能なカムを含み、高さを低くした形態にある、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
【0035】
図19]カムがスペーサの高さを高くするように作動している、図18のスペーサの図である。
【0036】
図20]回転可能な終板部分を含む、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
【0037】
図21図20のスペーサの端面図である。
【0038】
図22]回転可能な終板部分を回転させた、図21のスペーサの図である。
【0039】
図23]スペーサの高さを高くするように終板を移動するにつれて、終板と共に移動する終板を有する、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
【0040】
図24]高くしたまたは拡張した高さを有するように拡張されている、図23のスペーサの図である。
【0041】
図25]接続可能な固定部分と終板支持部分とを有する、本開示によるスペーサの実施形態の側面図である。
【0042】
図26図25のスペーサの断面図である。
【0043】
図27]ダブテール接続によって接続可能な、接続可能な固定部分と終板支持部分とを含むスペーサの実施形態の図である。
【0044】
図28図27のデバイスの断面図である。
【0045】
図29]回転可能な固定プレートを含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
【0046】
図30]固定プレートを回転させた、図29のスペーサの図である。
【0047】
図30A]展開位置へ回転した2つの回転可能な固定プレートを含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
【0048】
図31]摺動ダブテール接続によって接続された2つの回転可能な固定部分を含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
【0049】
図32]固定部分が相対的に移動して回転した、図31のスペーサの図である。
【0050】
図33図31のスペーサの断面図である。
【0051】
図34]展開可能な貫通要素を含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
【0052】
図35]貫通要素を展開した、図34のスペーサの図である。
【0053】
図36]終板のアクチュエータねじのギアの歯にはめ合わせ可能なギアの歯を有する骨固定デバイスを含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
【0054】
図37]骨固定デバイスが、骨に係合し、スペーサの高さを高くするように展開されている、図36のスペーサの図である。
【0055】
図38]固定部分と骨終板支持部分との間のダブテール接続を含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
【0056】
図39図38のスペーサの固定部分の図である。
【0057】
図40図38のスペーサの骨終板支持部分の図である。
【0058】
図41]終板部分のチャネルを含む、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
【0059】
図42]貫通要素を回転可能に支える展開アームを有する、本開示によるスペーサの実施形態の平面図である。
【0060】
図43図42のスペーサの断面図である。
【0061】
図44]貫通要素を展開した、図43のスペーサの図である。
【0062】
図45]アクチュエータねじと共通の軸を有する展開アームを含む、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
【0063】
図46図45のスペーサの断面図である。
【0064】
図47]貫通要素を展開した、図46のスペーサの図である。
【0065】
図48]展開アームが独立して回転可能な、図45による代替スペーサの図である。
【0066】
図49]終板が横軸の周りを枢動可能な、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
【0067】
図50]いくつかの実施形態による、代替スペーサの分解図である。
【0068】
図51]上側終板を取り外した、図50の代替スペーサの上面斜視図である。
【0069】
図52図50の代替スペーサの垂直断面図である。
【0070】
図53図50の代替スペーサの別の断面図である。
【0071】
図54Aおよび54B]図50の代替スペーサの背面図である。
【0072】
図55図50の代替スペーサの水平断面図である。
【0073】
図56図50の代替スペーサの作動部材と移動部材との拡大断面図である。
[発明を実施するための形態]
必要に応じて、詳細な実施形態を本明細書で開示するが、開示する実施形態が単に例であり、以下に説明するシステムおよび方法を様々な形態で具体化することができる、ということが理解される。したがって、本明細書で開示する特定の構造的詳細および機能的詳細は、限定するものとしてではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ実質的にどのような適切に詳細な構造と機能とにも本主題を様々に用いるように当業者に教示するための代表的な基礎として、解釈されるものである。さらに、本明細書で使用する用語および言いまわしは、限定ではなく、むしろ、概念についての理解可能な説明を提供するよう意図されている。
【0074】
本明細書で使用する「1つ」という用語は、1つまたは1つより多いと定義される。本明細書で使用する複数という用語は、2つまたは2つより多いと定義される。本明細書で使用する別という用語は、少なくとも第2以降として定義される。本明細書で使用する「含む」と「有する」という用語は、備える(つまり、オープンな言葉)として定義される。
【0075】
図1から図7を参照すると、スペーサ100は、たとえば、(図7で示す)椎骨10、12などの関節の隣接する骨の間に置かれた時、隣接する椎骨の間に形成された関節を安定させるように動作する。スペーサ100は、図1図3とに示す縮めた状態または高さと、図2図4図5とに示す広げた状態または高さとを有する。本開示のスペーサ100は、縮めた高さで椎間板腔の中に差し込むことができ、その後、椎間板腔の中で、軸方向(上側/下側)に広がって高さの低下を回復する。スペーサ100は、仮骨延長を提供し、隣接する椎骨の最適な分離、または椎間板の高さの回復を達成する。縮めた状態で挿入される時、スペーサ100は、挿入中の関節腔に隣接する組織と関節腔内の組織とへの悪影響を軽減する高さを低くした形状を有し、その一方で、視覚的に最も妨げない形状または物理的に最も妨害しない形状を提供する。スペーサ100は、治療的高さ調整を実行するために、埋め込まれた後、たとえば、最小限の切開部からツールを挿入することによって高さを低くすることができる。スペーサ100は、また、体内からの取り出しを容易にするために、高さを低くして圧縮状態にすることができる。スペーサ100は、隣接する椎骨の皮質の縁を支え、椎骨に力を分散させ、それによって、椎体終板の保存を最大限にする。
【0076】
スペーサ100は、2つの分離可能な終板110、112を含む。終板110、112の表面114は、埋め込み後のスペーサ100の移動の可能性を減少させるために、体内組織を貫くことができる歯または他の突起116を与えられてよい。スペーサ100は、スペーサ100内の骨ねじソケット118などのアダプタを通り抜けて患者の体内組織の中に入る、骨ねじ300などの1つまたは複数の固定具でさらに固定される。図1から図5に示す実施形態では、2つの骨ねじのための2つのソケット118が提供されているが、1つまたは2つ以上の固定具と固定具アダプタとを提供することができる。骨ねじ300は、ブロッキング固定具120によってスペーサ100に接して保たれ得る。骨ねじ300は多軸ねじであることができ、ソケット118は対応した形状であり、それによって、骨ねじ300をスペーサ100に対して最適な角度で体内組織に挿入することができ、それによって、最適なひっかかりを得ることができ、または特定の体内組織を避けることができる。
【0077】
終板110、112は、終板110と終板112との相対関係を変更するように動作可能なアクチュエータ150に移動可能に接続されている。アクチュエータ150は、アクチュエータねじ154を回転可能に支えるフレーム152と、可動キャリッジ156とを含む。アクチュエータねじ154がフレーム152内で回転するにつれて、キャリッジ156が、アクチュエータねじ154のねじ山158と、フレーム152内の対になるねじ山160との間の連携によって動作してフレーム152内で摺動する。埋め込みツール係合面330は、スペーサ100の上または内部に提供されてよく、ツールを受け入れて、埋め込み中または体からの取り外し中にスペーサ100の確実な操作を可能にするように構成されている。
【0078】
図1から図6の実施形態では、終板110および終板112は、2つの接続された部分で形成され、ポリマー、たとえば、PEEKであることができる部分122、122Aと、金属、たとえば、チタニウムであることができる固定部分124、124Aとを含むが、他の材料が使用されてもよい。たとえば、固定部分124に使用される材料は、それを貫通する固定具、たとえば、骨ねじ300によってかけられる曲げ力に耐えるべきである。対照的に、終板の材料は、体重によってかけられる圧力に有利に弾性的に耐える。この点において、両方の材料がポリマー、たとえば、異なる種類のポリマーであることもできる。
【0079】
部分122、124、または122Aおよび124Aは、図示の実施形態では、本明細書でさらに説明する通り、ねじ、機械的インターロック、接着剤、または他の固定具、可能な組み合わせによって接合されている。金属部分124、124Aは、比較的大きなストレス下にあるスペーサ100の部分、たとえば、スペーサ100を体内に固定するために固定具が貫通することができる部分に、より大きな強度を提供することができる。部分122、122A、124、124Aがポリマーまたは金属として説明されたが、本明細書でさらに説明する通り、他の材料が使用されてよいことと、部分が同じ材料または異種材料から成ることができることとを理解すべきである。
【0080】
図1図3とを参照すると、スペーサ100が圧縮状態であり、図2図4とに示す拡張状態と比較して低い高さを有していることを理解することができる。デバイス100の機能は、スペーサ100の中央部を通る断面である図5を参照して最もよく理解することができる。終板110および終板112は、キャリッジ156に配置された傾斜面168を摺動的に受け入れるような大きさにされた傾斜面164が提供されている。3つの対になる傾斜面164、168が、各終板110、112に対して示されているが、1つ、2つ、または3つ以上のセットの傾斜面164、168を提供することができるということを理解すべきである。対になる傾斜面164、168は、アクチュエータねじ154を回転させるにつれてお互いに対して摺動することによって、高さを低くしまたは高くすることを可能にするように動作する。インターロッキングフランジ204、204Aは、アクチュエータねじ154とキャリッジ156とを回転可能に連結し、それによって、アクチュエータねじが回転し、フレーム152に接して前進または後退することができ、それに付随して、フレーム152の遠位端186から近位端182に伸びる、スペーサ100の縦軸に沿ってキャリッジ156を前進または後退させる。高さの減少は、体内組織によってかけられる圧力によってさらに助長される。
【0081】
図5でさらに理解することができる通り、傾斜面164は、終板110、112内にチャネル164Aを含むことができ、傾斜面168は、傾斜面164の中に伸びるダブテール部分168Aを含むことができる。傾斜面168のダブテール部分168Aをチャネル164Aの中に突き出すことによって、終板は、キャリッジ156に移動可能に取り付けられる。ダブテール部分168Aおよびチャネル164Aは、終板110、112が圧縮状態または拡張状態にある時と、それらが広げられている間と、スペーサ100が体内に挿入され、そこから取り外される時とに、終板110、112の所定の相対配向をさらに保つことができる。終板110、112の相対配向が、たとえば、効果的な前彎を作るために、実質的に平行であってよいこと、または非並行であってよいことをさらに理解すべきである。さらに、終板110、112の内部によって画定される平面は、比較的に平行であることができるが、骨に接する面は、比較的に非平行であることができる。
【0082】
キャリッジ156は、フレーム152によって、水平固定手段によって代替的にまたはさらに支えられ、図示の実施形態では、キャリッジ156に係合し、フレーム152に形成された各チャネル176を貫通可能である2つのサポートねじ174がある。
【0083】
(図示しない)六角ドライバが、フレーム152の近位端182において、アクチュエータねじ154の端部に挿入されて係合する。アクチュエータねじ154を回転させると、遠位端172がスラスト座金184とフレーム152の端部とにもたれかかる。アクチュエータねじ154が一方向に回転するにつれて、キャリッジ156は、ねじ山158およびねじ山160と、フランジ204およびフランジ204Aとの相互作用によって、アクチュエータねじに沿って動かされる。キャリッジ156が移動すると、終板110、112が、傾斜面168と、存在する場合は傾斜面168Aとに沿って移動するように促され、それによって、終板110、112を相対的に離し、スペーサ100の高さを高くする。終板110、112は、フレーム152の端部186に隣接することによって、キャリッジ156に対して移動させられる。端部186は、本実施形態で示すように、傾斜面168にはめ合わせ可能な内部傾斜面170を含むことができ、それによって、拡張形状における追加的な安定性を提供する。
【0084】
所与の方向では、終板110と終板112とのうちの1つは、立っている患者の方向に対して上側終板である。しかしながら、スペーサ100は、いくつかの実施形態では、両方の方向のいずれでも埋め込み可能であることができ、したがって、上下の指定は、理解を容易にするためのみに提供される。終板110、112のうちの1つのみが、他方に対して移動可能であることができるということをさらに理解すべきである。たとえば、一実施形態では、傾斜面168、168Aが提供されないことがあり、終板112をフレーム152に取り付けることができる。
【0085】
図7は、隣接する椎骨10、12の間に埋め込まれた、本開示のスペーサ100を示している。フレーム152は、最初に体内に埋め込まれる遠位端または先端186と、最後に体内に入る近位端または後端182とを画定し、遠位端および近位端がそれらの間に伸びる縦軸を画定する。スペーサ100は、体内と椎骨の間の場所の中とに、最小限に侵襲的な方法を使用して、たとえば、小さな切開部を使用して埋め込むことができ、スペーサ100は、体内組織を通る経路を維持するカニューレまたは他の組織を貫通することができる。スペーサ100は、前部、前外側、側部、後外側、または後部を含むどのアプローチからも脊柱に埋め込むことができる。椎間板線維輪の一部および髄核は、スペーサ100を挿入することができる空間を形成するために、除去することができる。
【0086】
スペーサ100は、図1図3とに示す通り、より低い高さ形状を有するように構成されている時に埋め込むことができ、それによって、挿入中に体内組織を乱す程度を減らすことができる。さらに、埋め込み部位に向かう経路を開くためにスペーサ100を使用する範囲で、隣接する組織への外傷が、最終的な高さ形状を有するスペーサを挿入することに比べて減少する。一旦スペーサ100が隣接する椎骨間に位置付けられると、アクチュエータねじをツールによって回転させる。ツールは、完全に体内にあることができ、または体の内側から体の外側に伸びることができ、たとえば、一端に駆動用の先端を有し、反対の端部にハンドルを有し、各端部の間に体内へ伸びるシャフトを備えている。
【0087】
終板110、112を所望の量分離するようにアクチュエータねじ154を回転させるとすぐに、ツールが取り外される。この時点で、アクチュエータねじ154は、アクチュエータねじ154の意図しない回転を防ぐために、たとえば、機械的ブロックまたは接着剤を使用して正しい位置に固定されてよい。キャリッジ156をアクチュエータねじ154の回転によって摺動可能に移動させると、終板110、112の傾斜面164、168がお互いに対して摺動して、フレームの縦軸を横断する軸に沿って終板を移動させてスペーサの高さを高くする。アクチュエータねじ154の反対方向への回転は、フレームの縦軸を横断する軸に沿った移動を引き起こしてスペーサの高さを低くする。
【0088】
図6では、スペーサ100が細長く幅の狭い形状を有し、横アプローチからの挿入を容易にしていることを理解することができる。骨内部成長開口部332を、患者の骨の内部成長を促進してスペーサ100をさらに安定させるために、またはそれが治療目的である場合、融合を達成するために提供することができる。
【0089】
ポリマー挿入物、またはポリマー四角ナット、たとえば、PEEKを、追加的な摩擦を提供して、負荷の下、特に周期的負荷の下での高さの低下を防ぐために、アクチュエータねじ154のねじ山158または他の部分に係合可能に提供することができる。同様に、一旦骨ねじ300が挿入されると、ブロッキング要素196を回転させて骨ねじの頭部302の上を覆うことができ、ねじ300が抜け落ちることを防ぐ。骨ねじ300の挿入を可能にするために、切り欠き部分196Aがブロッキング要素に形成され、それを、隣接する開口部118の位置に回転させることができる。(図示しない)同様の機械的ブロックを、アクチュエータねじ154のために提供することができる。
【0090】
図を参照すると、スペーサ100が最終的な高さに拡張するにつれて、ソケット118が終板110または終板112と共に移動し、それによって、ソケット118が、スペーサ100が拡張した後、椎骨10、12の皮質骨を覆うことを理解することができる。
【0091】
一実施形態では、本開示のスペーサ100は、ねじ式アクチュエータねじ154という手段によって、体に対して移動するアクチュエータを提供する。キャリア152の傾斜面168、168Aは、終板110、112の傾斜面164、164Aとはめ合わさる。キャリッジ152の線形移動は、終板110、112に、スペーサ100を体に対するS/I軸に沿って拡張させることを行わせる。
【0092】
一実施形態では、終板110と終板112との各々から伸びる2つの骨ねじ300は、隣接する椎体への固定を提供するために使用される。したがって、スペーサ100は、横アプローチから挿入された時に椎骨間に治療的に適合するように、幅が狭くてよい。しかしながら、1つのねじ、または2つより多いねじ300を使用することができる。骨ねじ300は、球状の頭部、またはそうでない場合は湾曲した頭部を有することができ、所望の角度での挿入を容易にし、または、たとえば、ねじ300の首下部分の直径により、固定の配向でソケット118とはめ合うように提供されてよい。カム型のブロッキング固定具196は、骨ねじ300が挿入された後に抜け落ちることを防ぐために使用することができる。
【0093】
ここで、図8から図12を参照すると、スペーサ100Aはスペーサ100と類似であるが、固定プレート210が、フレーム152Aから伸びるカラー212に回転可能に固定されている。カラーは、インターロック214、示した実施例ではツイストロック型コネクタを含むが、固定プレート210とアクチュエーションねじ154とを本明細書で説明する通りに回転させることができるのであれば、固定プレート210をスペーサ100Aの残り部分に機械的に固定するいかなる手段も使用することができる。固定プレート210は、縦軸がスペーサ100Aの横軸に揃うように固定プレート210を回転させて、スペーサ100Aを体内に挿入することを可能にし、それによって、一体化したスペーサ100Aと固定プレート210とは、低い高さを有することができ、そうすると、固定プレートを取り付けたスペーサ100Aを埋め込むために、小さくした切開部を使用することができる。埋め込みの後、固定プレート210は、ソケット118が隣接する椎骨の骨を覆うように、たとえば、約90度回転することができる。回転は、任意の量であってよいが、たとえば、45度から135度である。
【0094】
代替的に、スペーサ100Aは、固定プレート210を取り付けずに、小さくした切開部を通して、体内組織をより乱さずに埋め込むことができる。その後、固定プレートをその場でスペーサ100Aに取り付けることができる。このようにして、切開部を通り抜ける間に固定プレート210を縦軸に揃え、固定プレート210をスペーサ100Aと同じ進入口を通して埋め込むことができる。一旦スペーサ100Aに接近して位置付けられると、固定プレート210は、スペーサ100Aに取り付けられるように再配向されてよく、ソケット118を骨に揃えるように回転されてよい。固定プレート210の回転は、スペーサ100Aの拡張後に実行することができ、ソケット118を骨に揃えることを容易にする。
【0095】
本明細書で説明する、スペーサ100とフレーム152とに関する様々な実施形態は、スペーサ100Aおよびフレーム152Aと、本明細書で説明するそれらの他の異形とに等しく適用することができることと、各実施形態の理解を容易にするためのみに別々に説明されていることとを理解すべきである。より具体的には、本開示の様々な実施形態は、医師にとって明確であり、患者のために治療的な方法で組み合わせ可能であることを意図されている。
【0096】
一実施形態では、固定プレート210は、固定プレート210の縦軸がスペーサ100の横軸に実質的に揃っている時にのみスペーサ100に取り付けることができ、骨を覆うように固定プレート210を回転させた時、固定プレート210はスペーサ100にしっかりと固定される。たとえば、図9では、インターロック214の実施形態が示され、それは、固定プレート210に配置された対になるフランジ218に係合するフランジ216を含んでいる。フランジ216、および、または、対になるフランジは、係合した時に、固定プレート210およびスペーサ100が徐々によりしっかりと相互接続するように、傾斜面またはカムにすることができる。
【0097】
図13から図17に示す別の実施形態では、固定プレート210は、固定プレートをスペーサ100に固定するように機能し、またはインターロック216と連携するスナップ式コネクタ220を使用して、正しい場所に予め留められる。スナップ式コネクタ220は、医師による取扱いを容易にするために、固定プレート210とスペーサ100との間で少なくとも予備接続を形成する。プレート取付けねじ334は、固定プレート210をスペーサ100の残りの部分にさらに固定するために接続することができ、たとえば、アクチュエータねじ154のねじ穴に通すことができる。固定プレートを、スナップ式コネクタ220によって接続された時に回転させてよい。位置決めねじ226は、固定プレート210を固定するために、一旦固定プレート210を回転させたら、開口部226Aを貫通することができる。スナップ式コネクタ220は、スペーサ100から伸び、固定プレート210のスナップ式開口部224と弾力性の締まりばめを形成する拡張中子222を備える。スナップ式開口部224はスペーサ100に形成することができ、拡張中子は固定プレート210から伸びることができる。加えて、スペーサ100への言及は、スペーサ100Aを含む、同様の実施形態を含むように考えられるべきである。
【0098】
図16図17とを参照すると、固定プレート210Aは、本開示の別の実施形態では、骨ねじ300または他の固定具のためのソケットを含むことができる、折り畳み部分またはヒンジ部分228を含む。固定プレート210Aを挿入する時、ヒンジ部分228は、固定プレート210Aの最大寸法形状を減らすために、図11に示す通り、1つまたは複数のヒンジ230に沿って、固定プレートの横軸、縦軸、または他の軸のいずれかで折り畳まれる。このようにして、固定プレート210Aは、折り畳まれていない固定プレートに対する要件と比較して、小さくした切開部を通り抜けることができる。一実施形態では、中子または返し232は、骨ねじが固定プレートを貫通して体内組織の中に入った時に、さらなる固定と安定性とを提供するために、体内組織、たとえば、椎骨の皮質骨に係合するために、固定プレート210または固定プレート210Aから伸びることができる。加えて、ヒンジ部分228は、その中を貫通する骨固定具、たとえば、骨ねじ300が、有益な角度または所望の角度で関節の骨に進入することを可能にする角度にすることができる。
【0099】
ここで、図18から図19を参照すると、1つまたは複数の拡張カム240が、終板110と終板112との間に置かれている。(矢印によって示すように)カムを回転させて終板110、112を離すように回転させることができるツールが、ソケット242の中に挿入される。拡張カム240は、フレーム152に接続された(図示しない)シャフト上で支えることができる。終板110、112は、図5に対して説明した通り、傾斜チャネル164A、168Aによって、支え、誘導することができる。
【0100】
ここで、図20から図22を参照すると、代替的な実施形態では、終板110、112は、体内組織に係合してスペーサ100Bの高さを治療的に高くする、1つまたは複数の終板回転部分250A、250Bを含む。図示の実施形態では、2つの終板回転部分が示され、それぞれが、第1の幅を有する横寸法と、より広い第2の幅を有する第2の縦寸法とを含む。スペーサ100Bは、切開の大きさを小さくするために、また隣接する椎骨の間に形成された隙間内に納まるために、スペーサ100Bの残りの部分と同じ高さ、またはそれよりも低い高さを有するように部分250A、250Bを回転させて、体内に挿入することができる。スペーサ100Bが椎骨の間に位置付けされた後、部分250A、250Bは、関節を仮骨延長するために、体内組織、たとえば、皮質骨に接するように、同時にまたは連続して回転させられてよい。部分250Bは、スペーサ100Bの近位端に置かれ、ツール、たとえば、ツール252を、対になるソケット254を通して挿入することによって、またはソケット254の中に挿入することによって回転させてよい。部分250A、250Bは、枢動シャフトによってスペーサ100Bに回転可能に連結され、それは、ツール252によって、または部分250A、250Bと、スペーサ100Bの残りの部分、たとえば、(図示しない)フランジとの間の他のはめ合わせ係合によって、係合され得る。
【0101】
部分250Aは、最初に体内に挿入され、挿入を容易にするため、また体内組織への干渉を減らすために、部分250Aおよびスペーサ100Bの残りの部分が圧縮された形状または拡張されていない形状を形成するように、部分250Aを回転させることができる。たとえば、部分250Aは、最も長い寸法が体のS/I方向を横断するように回転させられ、したがって、仮骨延長の前に、隣接する椎骨の間に形成された空間内に収まるようにされる。関節を仮骨延長するために、ツール252は、スペーサ100Bの内部に挿入され、部分250Aに関連するソケット254と係合され、最も高い寸法が患者のS/I軸と揃うように、部分250Aを正しい方向にするように回転させられて、関節を仮骨延長する。
【0102】
図20を参照すると、一実施形態では、部分250Aは、横方向に回転させられた時に終板110と終板112との間に納まり、椎骨の間への挿入を容易にする。埋め込みの後、部分250Aは、終板110と終板112との間から現れるように遠位側に押されるとすぐ、仮骨延長するために、仮骨延長を補助するために、または椎骨の分離を維持するために、回転させられてよい。ツール252は、ツール252内に配置されたバイアス用要素258と連携して、部分250Aをスペーサ100Bの残りの部分と接触させて維持するように動作するつなぎ綱256によって、部分250Aに接続されている。図20では、部分250Aは、250A−1と、250A−2と、250A−3とによって示す、挿入の3段階で示されている。250A−1として示す第1段階では、ツール252は、部分250Aに係合され、部分250Aを、終板110と終板112との間で画定されたスペーサ100Bの内部に沿って押し始める。250A−2として示す第2段階では、ツール252は、部分250Aをスペーサ100Bの内部の端部まで押している。250A−3として示す第3段階では、ツール252は、部分250Aを終板110と終板112との間から現れるように押すと、次いで、ツール252は、部分250の長軸を体内のS/I方向に沿って正しい方向にするために、部分250Aを回転させることができる。つなぎ綱256は、部分250Aをスペーサ100Bの遠位端において適切な位置に維持するために、スペーサ100Bの内部で固定することができる。次いで、ツール252は、スペーサ100Bから解放され、患者から取り外されてよい。図21は、スペーサ100Bの高さを低くするために、S/I方向を横断して方向づけられた部分250Aを示している。図22は、仮骨延長するため、または椎骨の分離を維持するために回転した部分250Aを示している。突起260は、体内でスペーサ100の位置の維持を促進するために、体内組織を貫通するように方向づけられて提供されてよい。
【0103】
ここで、図23から図24を参照すると、固定部分124、124Aは、本明細書で説明する通り、終板110、112が拡張するにつれてお互いから離れる。本実施形態では、固定部分124、124Aは、作動部分208と摺動可能にはめ合わされ得、またはそれらの各終板110、112に固定されるのみであり得る。摺動可能なはめ合わせ接続を形成する一方法を、本明細書では、図31から図33に関して説明する。それらの各終板124、124Aに対する固定位置に留まることによって、部分124、124Aは適切に揃って、ソケット118を通って隣接する椎骨10、12の皮質骨に入る固定具を固定する。
【0104】
図25から図26では、終板110、112を固定部分124、124Aに接続する方法が示されている。固定部分124、124Aおよび終板110、112は、たとえば、連結固定具262、本実施形態ではねじによって、はめ合わせ可能に接続されるようにお互いに形成されている。図示の実施形態では、終板110および固定部分124が示されているが、同様のまたは異なる接続機構を終板112と固定部分124Aについて採用することができる、ということを理解すべきである。
【0105】
終板110と固定部分124との間の同様の接続を図27で理解することができ、そこでは、ねじ300が、固定プレート124内の皿頭であることができるということも理解できる。ソケット118は、また、多軸ソケットであることができ、ブロッキング要素196を含むことができる。図28は、連結固定具262の使用に加えて、またはそれに代えて、終板110/112および固定部分124/124Aが、成形連結、たとえば、ダブテール、タングイングルーブ、またはT−接続によって接合されてよいということを示している。連結固定具262の代替物として、接着剤を使用することができ、または代替的に、成形連結が、終板110/112と固定部分124/124Aとの間の締まりばめを生み出すことができる。図28は、終板110(または112)内に挿入された固定部分124(または124A)を示しているが、終板110/112が固定部分124/124A内に挿入された状態にして、この構成を逆転することができるということを理解すべきである。
【0106】
図29から図30では、固定部分124、124Aは、ソケット118が椎骨10、12の皮質骨の上に位置することができるように枢動する。図では、部分124、124Aは接続され、または1つの回転固定プレート266として形成され、1つの枢動軸の周りを一緒に回転する。図29から図30では、枢動軸は、アクチュエータねじ154と同じ軸を中心として位置されているが、枢動軸は他の場所に位置することができる。一実施形態では、終板枢動ピン274は、終板110/112とプレート266との間に伸び、終板110/112が中央軸に対して移動するにつれて、プレート266を中央軸の周りで回転させる。代替的に、図30Aで示す通り、固定部分124、124Aは分離していてよく、それぞれが、それ自身の枢動軸264、264Aで枢動する。本実施形態では、他の枢動実施形態と同様に、1つまたは複数の終板枢動ピン274を、回転可能なプレート、たとえば、分離しているプレート124、124Aのうちの1つまたは両方の制御された回転を引き起こすために提供することができる。
【0107】
図31から図33を参照すると、回転固定プレート268は、2つの摺動的にはめ合わせ可能なプレート268A,268Bで形成される。プレート268Aとプレート268Bとの間の例示的な相互接続が図33に示され、そこでは、ダブテールまたはインターロッキング係合270を理解することができる。本実施形態では、組み合わせられたプレート268A,268Bは、スペーサ100の残りの部分と接続して固定され、枢動軸272の周りを回転する。一実施形態では、枢動軸272は、アクチュエータねじ154に関連する。関連実施形態では、アクチュエータねじ154の回転は、アクチュエータねじ154とプレート268との間の機械的接続により、プレート268の回転を引き起こす。別の実施形態では、枢動軸272は、アクチュエータねじ154と同軸に、しかしアクチュエータねじ154から分離して形成される。
【0108】
ここで、図34から図35を参照すると、ブレード、スパイク、ピン、または貫通要素276が、スペーサ100内、たとえば、終板110、112内に形成された貫通ガイド278の内部に配置されている。本開示のこの特徴を明確にするために、スペーサ100の関連部分のみが図34から図35に示されている。一形態では、貫通要素276Aは、傾斜面164の一部分を貫通し、アクチュエータねじ154を対になる傾斜面164、168に係合するために回転させると、傾斜面168によって押される。貫通要素は、終板110または112から現れて、体内組織、たとえば、隣接する椎骨10、12の海綿骨または皮質骨を貫通する。このようにして、スペーサ100は、体内の治療的な位置にさらに固定される。貫通要素276という形態で追加的な固定を提供することによって、スペーサ100は、たとえば、他の固定デバイスまたは融合デバイスのない単独型デバイスとして、補足サポートなしに機能するようにより適応される。加えて、本明細書の貫通要素は、固定部分124、124Aを任意で取り除くことができるように十分な固定を提供することができ、椎間腔の外側での固定を避けることができる。
【0109】
図34から図35に示す別の実施形態では、貫通要素280は、キャリッジ156の一部分によって押されるにつれてまっすぐになる弾性湾曲部材として形成される。まっすぐになる間、貫通要素280は、体内組織を貫通するために終板110、112を通り抜けるように伸長する。
【0110】
図36から図37では、骨ねじ300Aは、ねじの縦軸に沿うように配置されたギアの歯282と、この縦軸を実質的に横断する標準的な骨係合ねじ山とを有して形成される。アクチュエータねじ154Aは、骨ねじ300Aのギアの歯282とはめ合わせ可能な、外側のギアの歯284を含み、それによって、骨ねじ300Aまたはアクチュエータねじ154Aのいずれかを回転させた時、終板110、112が分離してスペーサ100の高さを高くし、骨ねじ300Aが、インプラント100を骨に治療的に固定するために、体内組織の中に同時に入れられる。
【0111】
図38から図40は、ほぞ穴とほぞとを使用して、またはダブテール接続286を使用して、終板110/112を固定部分124/124Aに接続する方法を示している。固定部分124または終板110の内部に配置された、適合させた開口部288は、固定部分124と終板110とのうちの他方の、対応する形状の突起290をはめ合わせ可能に受け入れる。同様の接続を、固定部分124Aと終板112との間で形成することができる。開口部288および突起290は、締まりばめを形成することができ、または代替的に、たとえば、位置決めねじまたは接着剤を使用して、はめ合わせ一致させて固定することができる。
【0112】
図41を参照すると、終板110、112のうちの1つまたは両方は、骨ねじ300の通過を可能にする寸法で、終板110、112の中に隙間、溝、またはチャネル292を有して斜角をつけられ、先端を切り取られ、有窓にされ、または成形されてよく、それによって、骨ねじ300以外のスペーサ100の最大の高さが、終板110、112の拡張された高さによって画定される。チャネル292は、中子294、または骨ねじ300または他の固定具の他の部分の通過を可能にすることができ、ソケット118が終板110、112よりも高くならないようにする。
【0113】
ここで、図42から44を参照すると、本開示の実施形態は、回転可能なデプロイヤ310に枢動可能に取付けられた、1つまたは複数の貫通要素276Aを含む。貫通要素276Aは、体内組織を貫通し、しっかりつかみ、または係合するように適用されたいかなる形状も有することができ、ピン、スパイク、またはブレード構成を含む。図42では別々のブレードとして描かれているが、要素276Aは、スペーサ100の縦軸の実質的な長さに沿って伸びることができ、1つ、2つ、またはそれより多いデプロイヤ310によって支えられ得るということを理解すべきである。軸、ピン、またはシャフト296は、スペーサ100上で、デプロイヤ310を、フレーム152、キャリッジ156、または適切な強度の他の取付け位置に枢動可能に取付け、デプロイヤ310が、スペーサ100の縦軸に揃っている縦軸の周りを回転できるようにするが、異なる軸に沿った取付けも提供することができる。図42から図44では、スペーサ100は、説明を単純化するために、終板110、112と関連傾斜面とをなくして示されている。しかしながら、傾斜面164、168は、1つまたは複数のデプロイヤ310のための場所を可能にするために、大きさを小さくすることができる。
【0114】
使用時には、(図示しない)ツールが、係合ポート198に係合され、デプロイヤ310を回転させるために回転させられ、貫通要素276Aを終板110/112の開口部または隙間を通して進入させる。一実施形態では、貫通要素276Aは、デプロイヤ310の端部に固定され、終板110/112によって画定される平面に対する角度で体内組織の中に進入する。図示の実施形態では、貫通要素は、貫通枢動軸312においてデプロイヤ310に枢動可能に取付けられ、たとえば、終板110/112に形成されたチャネルであり得るガイド314によって、終板110/112によって画定される平面に実質的に垂直に、または特定の所望の角度または角度の範囲内で体内組織、たとえば、椎骨10/12の骨に進入するように導かれ得る。貫通要素276Aは、インプラント100を関節の骨または体内組織に治療的に固定する。
【0115】
図45から図47は、図42から図44に類似した要素を含むが、デプロイヤ310は、アクチュエータねじ154と共通の軸の周りを回転し、したがって、比較的大きな傾斜面164、168を維持することができる。貫通要素276Bは、デプロイヤ310Aのアーム316の長さがより長くなり得るため、さらに一層長くなることができる。
【0116】
図48では、カラー320がデプロイヤ310Aに接続され、アクチュエータねじ154と共通の軸の周りを回転するが、ツール係合ポート322を使用して、アクチュエータねじ154とは独立して回転することができる。別の実施形態では、アクチュエータねじは、デプロイヤ310Aに直接接続され、本明細書で説明する通り終板110、112が拡張されるにつれて、貫通要素276Aの展開を引き起こす。さらに追加的な実施形態では、アクチュエータねじは、デプロイヤ310Aを(図示しない)ギア減速を通して回転させ、それによって、デプロイヤ310Aが、アクチュエータねじ154よりも遅く共通の軸の周りを回転して、より大きなてこ作用を貫通要素276Aに与えることができるようになる。
【0117】
図49を参照すると、本開示の一実施形態では、終板110、112は、スペーサ100の縦軸を横断して伸びる、またはスペーサ100が患者の中に埋め込まれた時にS/I方向に沿って伸びる軸に沿う、軸324の周りを枢動することができる。たとえば、1つまたは複数の枢動ピン326は、終板110からフレーム152に伸びることができ、または終板110から終板112に伸びることができる。このようにして、スペーサ100は、追加的な回転自由度を提供することができ、たとえば、スペーサ100は、隣接する椎骨の運動の6つの自由度をサポートすることができる。これは、一実施形態では、傾斜面164、168のお互いに対する移動を可能にし、それによって、フレーム152に対する終板110/112の回転と、上下動と、左右の動きとを可能にすることによって達成される。本実施形態では、この軸の周りの回転が明示的にサポートされているが、本明細書のすべての実施形態は、軸324の周りの回転も同様にサポートするように構成され得るということを理解すべきである。回転固定プレート、たとえば、固定プレート266を、本開示の他の実施形態と同様に、本実施形態で提供することができる。
【0118】
本開示のインプラントは、特定のスペーサ100の設計の所定の寸法に従った移動の範囲での継続的な拡張と退縮とを可能にする。これは、椎体を所望の高さに仮骨延長するだけでなく、患者にとって治療的に有利な場合、再配置のためにスペーサ100を折り畳む能力も提供する。終板110、112は、適切な前彎、冠矯正、または後彎を提供するために、お互いに対して収束する平面または表面を形成するように成形されてよく、その中を通って骨が成長し得、骨移植材料をその中に設置することができる開口部を提供されてよい。スペーサ100は、仮骨延長するため、または関節の骨を押し広げるために使用することができ、または他の手段、たとえば、開創器によって作られた骨の分離を維持するために使用することができる。加えて、終板110、112は、固定と耐荷重性とを改善するために、接触する椎骨の体内組織の表面、たとえば、皮質骨の表面に一致するように湾曲することができる。
【0119】
スペーサ100は、患者にとって、またデバイスが埋め込まれている期間にとって、十分な強度と、柔軟性と、弾力性と、耐久性とを有する、当業者に知られているどの生体適合性材料を使用しても作成することができる。例は、たとえば、チタニウムとクロムとの合金などの金属と、たとえば、PEEKまたは高分子量ポリエチレン(HMWPE)を含むポリマーと、セラミックスとを含むが、それらに限定されない。使用することができる多くの他の生体適合性材料があり、他のプラスチックおよび金属と、自家移植片と、同種移植片と、異種移植片材料とを含む、生体組織または保存された組織を使用して作ったものとを含む。
【0120】
インプラントの一部または全部は、放射線不透過性または放射線透過性であることができ、または、埋め込み中または埋め込み後のデバイスの画像化を改善するために、そのような特性を有する材料をインプラントの中に追加または組み入れることができる。
【0121】
たとえば、終板110、112の金属部分124、124Aは、チタニウム、または、たとえば、ASTM F1537(とISO 5832−12と)で規定する、コバルトクロムモリブデン合金、Co−Cr−Moから製造することができる。滑面は、ASTM F1580と、F1978と、F1147と、C−633と(ISO 5832−2と)で規定する、商業的に純粋なチタニウムを用いてプラズマスプレーすることができる。ポリマー部分122、122Aは、たとえば、ASTM F648(とISO 5834−2と)で規定する、超高分子量ポリエチレン、UHMWPEから製造することができる。一実施形態では、PEEK−OPTIMA(英国のInvibio Ltd Corpの商標)を、スペーサ100の1つまたは複数の構成要素について使用することができる。たとえば、ポリマー部分122、122Aは、放射線透過性であるPEEK−OPTIMAを用いて形成することができ、それによって、骨の内部成長を観察することができる。適切な柔軟性と、耐久性と、生体適合性とを有する他のポリマー材料も使用することができる。
【0122】
本発明によると、様々な大きさのインプラントを、患者の骨格に最も合うように提供することができる。一致する大きさの構成要素、または異なる大きさの構成要素が、患者の治療的必要性を最もよく満たすように、埋め込み手術中に医師によって組み立てられてよく、組み立てられたものは、挿入ツールを使用して体内に挿入される。本発明のインプラントは、また、たとえば、頸部への適用のためには0°から6°であるが、他の関節についてはもっと異なった値が有利であり得る、自然な前彎または矯正前彎を提供するために、全体的に角度をつけた形状、たとえば、終板110、112の角度をつけたはめ合わせ配置も提供することができる。前彎角度は、また、比較的同一平面上にない表面を有するように、プレート110、112のうちの1つまたは両方を成形することによって、形成することができる。たとえば、椎骨の中で使用するための拡張されたインプラントの高さは、通常、3mmから25mmの範囲になり得るが、最小2mmと最大30mmとを含んで、より高く、またはより低くすることができるが、大きさは、患者と、本発明のインプラントが埋め込まれる関節とに依存する。スペーサ100は、脊椎のどの位置の中にも埋め込むことができ、また、手、手首、肘、肩、股関節、膝、足首、または足の関節を含む、体の他の関節の中にも埋め込むことができる。
【0123】
本発明によると、1つのスペーサ100を、弱くなった関節または関節の部分を安定させるために使用することができる。代替的に、2つ、3つ、またはそれより多いスペーサ100を、1つの関節レベルで、または複数の関節で使用することができる。さらに、スペーサ100を、他の安定化手段と組み合わせることができる。
【0124】
加えて、スペーサ100は、治療的に有利な期間で、たとえば、十分な骨内部成長が起こった後に体内で生物分解する材料を使用して作成することができる。さらに、スペーサ100は、滑らかな、および、または曲線的な外面を有利に提供され、それにより、周辺組織に対する有害な機械的影響の可能性を減少させる。
【0125】
本発明の表面または構成要素は、骨成長、回復、抗菌、または薬品の材料を含む治療薬で覆われ、または含浸させられてよく、治療薬は、当業者に知られている方法を使用して、治療的な速度で放出することができる。
【0126】
本開示のデバイスは、屈曲/拡張、側屈、および軸回転中に支えられる隣接する椎骨に備える。一実施形態では、スペーサ100は、変性円板疾患、最初または反復性の椎間板ヘルニア、脊髄狭窄症、または腰仙椎の脊椎症(LI−SI)を有する、痩せ細った成人患者の治療における脊髄関節形成術のために示されている。変性円板疾患は、下肢(神経根)痛の有無にかかわらず、患者病歴と放射線学的検査とによって確認される、椎間板の変性を伴う椎間板起因の背部痛として有利に定義される。たとえば、疾患レベルでの最大グレード2までの脊椎すべり症を有し得る患者は、有利に治療される。手術位置スペーサ100は、前側、前外側、後外側、側部、および/または後部のアプローチを通して実施することができる。
【0127】
典型的な実施形態では、スペーサ100は、挿入前は2mmから25mmの圧縮されていない高さを有し、4度、8度、12度、または16度の前彎角度を有する、23x32mmと、26x38mmと、26x42mmとの断面で有利に提供され得るが、これらは、代表的な大きさであり、実質的により小さなまたはより大きな大きさが治療的に有利になり得る。一実施形態では、本開示によるスペーサ100は、MISアプローチ(体内組織のより少ないまたはより短い切断を伴う、小さい切開サイズ)を使用して挿入されるような大きさにされる。
【0128】
スペーサ100は、たとえば、ロッドとプレートとを含む、他の知られているまたはこれ以降に開発される安定化または固定の形態と組み合わせて有利に使用することができる。
【0129】
図50は、いくつかの実施形態による、代替スペーサデバイスの分解図を示している。デバイス400は、上記で説明したデバイス100と同様の多数の構成要素を備え、スペーサ部分422と固定部分またはプレート部分424とを含む。スペーサ部分422は、キャリッジまたは移動部材456を中に受け入れるためのフレームまたは本体部452と、上側終板410と、下側終板412と、移動部材456を動かして終板間の分離の距離を拡張または縮小させるためのアクチュエータねじまたは部材454とを備える。スペーサ部分422は、骨部材の中への挿入のための(図示しない)骨ねじを受け入れるための骨ねじ穴421と、ブロッキングねじ419を受け入れるためのブロッキングねじ穴420とを備える、少なくとも1つのプレート部分424に動作可能に取り付けられている。一体化したスペーサ部分422とプレート部分424とを用いて、デバイス400は、水平、後方、または前方を含む多数のアプローチを通して埋め込むことができる、独立型スペーサとしての機能を有利に果たすことができる。
【0130】
上記で説明した特徴に加えて、デバイス400は、また、多くの異なる利点を提供するように設計された多数の固有の特徴を含む。新規の特徴の中には、接続の強化のためにスペーサ部分422をプレート部分424に固定するように設計されたねじ409と、接続の強化のために上側終板410と下側終板412とから伸びる湾曲部分417、418と、引っ張られた時のデバイス400の強さを増加させるためにプレート部分424の中に入り込む、移動部材456の本体部から伸びるロッド延長部484と、一体化を改善するために上側終板410または下側終板412の補完的な対になる形状を受け入れるための、移動部材456に形成されたはめ合わせスロット489(たとえば、T−スロットまたはダブテールスロット)と、作動部材454を移動部材456に対して正しい位置に固定して保つための、Cクリップまたはスプリングクリップの作動部材454への追加と、メタルオンメタル接触を防ぐための、移動部材456と作動部材454との接触面の間へのPEEK座金457の追加と、デバイスが圧縮状態または拡張状態にあるかに関わらず、骨移植片を用いた埋め戻しを提供する、中央部が開口しているデバイス設計とが含まれる。これらの特徴を以下により詳細に説明する。
【0131】
図50に示す通り、スペーサデバイス400は、本体部452と、移動部材456と、上側終板410と、下側終板412と、作動部材454とを含むスペーサ部分422から成る。スペーサ部分422は、1つまたは複数の骨ねじ穴421と、ブロッキングねじ穴420と、ロッド受け入れ穴423とを含む、1つまたは複数のプレート部分424に取り付け可能である。本実施形態では、スペーサ部分422は、上側プレート部分424Aと下側プレート部分424Bとに取り付け可能である。いくつかの実施形態では、スペーサ部分422は、椎体の間の脊椎の空間の中に挿入可能であり、プレート部分424A、424Bは、骨を貫通する骨ねじを受け入れることができて、デバイス400を独立型のスペーサデバイスにする。
【0132】
スペーサ部分422に関するさらなる詳細を本明細書で説明する。スペーサ部分422は、その中に移動部材456を受け入れるためのフレームまたは本体部452を備える。本体部452は、前方部分と後方部分とを分離する一対の側壁を含む。図50に示す通り、側壁の各々は、その中にサポートねじ474を受け入れるための側面スロット431を含む。サポートねじ474の各々は、移動部材456に形成されたサポートねじ穴465の中に伸びるように構成され、それによって、本体部452を移動部材456に取り付ける。本体部452の前方部分は、その中に1つまたは複数のスタビライザ459を受け入れるための一対の開口部451を含む。有利に、スタビライザ459は、本体部452の中央開口部の中で移動部材456を安定化するのに役立つように構成されている。本体部452の後方部分は、移動部材456を移動させるための作動部材(たとえば、ねじ)454を受け入れるための開口部453を含む。有利に、開口部453は、埋め戻し開口部として機能することができ、それによって、デバイス400が拡張状態または収縮状態にあるかにかかわらず、骨移植材料または他の材料が、開口部453を通して受け取られる。本実施形態では、埋め込みの後でさえも開口部453は開いたままであるが、他の実施形態では、開口部453を閉じることができる。
【0133】
本体部452に受け入れられる移動部材456は、対応する終板の傾斜面と係合するための1つまたは複数の傾斜面を含む。移動部材456が横方向に動くまたは移動するにつれて、移動部材456の傾斜面は、終板の対応する傾斜面と係合し、それによって、デバイスの拡張および/または収縮を引き起こす。図50に示す通り、いくつかの実施形態では、移動部材456は、移動部材456の本体部から上方に伸びる三対の傾斜面466、468、470と、移動部材456の本体部から下方に伸びる三対の傾斜面とを含む。傾斜面466は、第1の橋梁部材467によって傾斜面468から分離され、一方、傾斜面468は、第2の橋梁部材467によって傾斜面470から分離されている。移動部材456が横方向に移動するにつれて、移動部材456の三対の上方に伸びる傾斜面は、上側終板410の下向き傾斜面に係合し、相互作用し、一方、三対の下方に伸びる傾斜面は、下側終板412の上向き傾斜面に係合し、相互作用し、それによって、デバイスの拡張または収縮を引き起こす。有利に、三対の傾斜面は、移動部材456の上面と下面との外縁に沿って置かれ、それによって、移動部材456の中央領域を完全に露出し、その中に骨移植材料または他の材料を受け入れることができる状態のままにする。本実施形態が、移動部材の上面と下面とに三対の傾斜面を有する移動部材456を含む一方、他の実施形態では、移動部材は、移動部材の上面または下面のいずれかに、1つ、2つ、4つまたはそれより多い対になった傾斜面を有することができる。
【0134】
移動部材456の前方部分は、上側終板410と下側終板412との対応するはめ合わせ形状を受け入れるための、移動部材456の上面と下面との、(図51に最もよく示されている)1つまたは複数のはめ合わせスロット489を含む。いくつかの実施形態では、はめ合わせスロット489は、T−スロットまたはダブテールスロットを備える。これらのはめ合わせスロット489は、移動部材456上で終板410、412を有利に保ち、それによって、移動部材456と終板410、412との間の接続を改善する。
【0135】
移動部材456の後方部分は、その中に座金457と作動部材454とを受け入れるための開口部455を含む。いくつかの実施形態では、座金457は、PEEK座金を備え、移動部材456と作動部材454との接触面の間に有利に埋め込まれ、それによって、メタルオンメタル接触を防ぐ。加えて、移動部材456の後方部分は、また、移動部材の本体部から伸びる1つまたは複数のロッド延長部484(たとえば、または、バー延長部または他の形状の延長部)を含む。これらの新規のロッド延長部484を、プレート部分424の対応するロッド受け入れ穴423を通して受け入れることができる。そのようにして、ロッド延長部484はプレート部分424を有利に支えて、プレート部分が引っ張られた時に、システム全体がより大きな強度を有するようにする。本実施形態では、移動部材456が、一対の上向き角度の上側ロッド延長部と、一対の下向き角度の下側ロッド延長部とを含む一方、他の実施形態では、移動部材456は、1つの上側ロッド延長部または下側ロッド延長部、あるいは3つ以上の上側ロッド延長部または下側ロッド延長部を含むことができる。
【0136】
上側終板410は、移動部材456の上面に動作可能に取付けられている。上側終板410は、上側の椎体に係合するように設計された1つまたは複数の歯、突起、リブ、などを有する、凹凸を付けた上面を備える。移植窓432および移植窓433は、上側終板410の上面の中を通って形成され、骨成長材料がその中を通り抜けることを可能にする。図50に示す通り、移植窓432が終板の表面によって完全に四面を囲まれている一方、移植窓433は、プレート部分424によって最終的に閉じられる露出側を有する。有利に、これらの移植窓432、433は、その中に埋め戻し移植材料または他の材料を受け入れるように開口し、利用可能な移動部材456の中央部分と連通している。
【0137】
上側終板410は、上側終板410の側部から下向きに伸びる湾曲部分417をさらに含む。これらの湾曲部分417は移動部材の一部を覆い、それによって、移動部材と終板との間の接触面を有利に固定し、それは、デバイスに、特にそれが引っ張られた時に、強度を提供するのに役立つ。
【0138】
上側終板410の後方部分は、また、その中にねじ409を受け入れるための1つまたは複数の開口部406を含む。ねじ409は、下向きに挿入され、上側終板410と上側プレート部分424Aとを通って挿入されるように構成されて、上側終板と上側プレート部分とを一緒に有利に固定する。図50に示す通り、上側終板410は、一対のねじ409を受け入れることができる。しかしながら、他の実施形態では、上側終板410を上側プレート部分424Aにしっかりと一体化させるために、1つ、3つ、4つ以上のねじを受け入れることができる。
【0139】
下側終板412は、移動部材456の下面に動作可能に取り付けられている。下側終板412は、表面の凹凸と、移植窓と、湾曲部分418と、一対のねじ409を受け入れるための開口部とを含む、上側終板410と同様の特徴を共有している。下側終板412のねじ409は、下側終板412と下側プレート部分424Bとを通って挿入されるように構成されて、下側終板412と下側プレート部分とを一緒に有利に固定する。
【0140】
作動部材454は、移動部材456の後方開口部455の中に挿入され、移動部材456に動作可能に取付けられている。作動部材454は作動ねじを備え、それによって、ある方向への部材454の回転が、移動部材456の第1の方向への移動を引き起こし、それによって、デバイス400の拡張を引き起こす。作動ねじの逆回転は、移動部材456の反対方向への移動を引き起こし、それによって、デバイス400の収縮を引き起こす。作動部材454を移動部材456に固定するために、作動部材454は、作動部材454の前方部分に取り付けられた、Cクリップまたはスプリングクリップ480を伴うことができる。図52を参照すると、作動部材454が横方向に移動するにつれて、スプリングクリップ480は移動部材456に形成された切り込み491の下で縮むことができ、また移動部材456に形成された所望のくぼみ493の中に伸びることができ、それによって、作動部材454を移動部材456に有利に固定する。いくつかの実施形態では、作動部材454は、回転中に作動部材を安定させ、制御するために作動部材の周りに形成する、ロックナットまたはフリクションナット499を含むことができる。
【0141】
本実施形態では、スペーサ部分422は、上側プレート部分424Aと下側プレート部分424Bとに有利に接続される。上側プレート部分424Aは、その中を通るねじを受け入れるように構成されて、上側プレート部分424Aを上側の椎骨に固定し、一方、下側プレート部分424Bは、その中を通るねじを受け入れるように構成されて、下側プレート部分424Bを下側の椎骨に固定する。上側および下側プレート部分を以下に説明する。
【0142】
上側プレート部分424Aは、上側プレート部分424Aを上側の椎骨に固定するための、その中を通る骨ねじを受け入れるための開口部421Aを備える。加えて、上側プレート部分424Aは、骨ねじの不注意の抜け落ちを防ぐために、その中を通るブロッキングねじ419Aを受け入れるためのブロッキングねじ穴420Aを備える。いくつかの実施形態では、ブロッキングねじ419Aは、その中を通して骨ねじを挿入する前に、上側プレート部分424Aに予め取付けられる。図50に示す通り、ブロッキングねじ419Aは、切り欠き部分416Aを含むことができる。切り欠き部分416Aが骨ねじ穴421Aに隣接している時、これは、骨ねじがその中を通って進入することを可能にする。骨ねじが骨ねじ穴421Aを通って挿入された後、骨ねじが不注意に抜け落ちることを妨げ、防ぐために、ブロッキングねじ419Aを回転させることができる。それによってねじの抜け落ちを防ぐために、いくつかの実施形態では、ブロッキングねじ419Aは挿入された骨ねじの上面を覆い、一方、他の実施形態では、ブロッキングねじ419Aは、骨ねじの頭部の横をしっかりと押さえる。加えて、上側プレート部分424Aは、移動部材456のロッド延長部484を受け入れるための、新規のロッド受け入れ穴423Aをさらに含み、それによって、上側プレート部分424Aと移動部材456との間の接続を固定する。
【0143】
下側プレート部分424Bは、上側プレート部分424Aと同様の特徴を備え、その中を通る骨ねじを受け入れるための開口部421Bと、その中を通るブロッキングねじ419Bを受け入れるためのブロッキングねじ穴420Bと、移動部材456のロッド延長部484を受け入れるためのロッド受け入れ穴423Bとを含む。いくつかの実施形態では、上側プレート部分424Aと下側プレート部分424Bの両方は、上側終板410と下側終板412とにそれぞれ、ねじ409を介して取り付けられている。いくつかの実施形態では、スペーサデバイス400が上側プレート部分424Aと下側プレート部分424Bの両方を含む一方、他の実施形態では、スペーサデバイス400は、プレート部分のうちの1つのみを含むことができる。
【0144】
図51は、上側終板を取り外した、図50の代替スペーサの上面斜視図を示している。この図から、作動部材454がどのように移動部材456に取り付けられているかを理解することができる。作動部材454を一方向に回転させると、移動部材は、第1の方向に横方向に移動することができ、それによって、デバイス400の拡張を引き起こす。作動部材454を反対方向に回転させると、移動部材は、第1の方向とは反対の第2の方向に横方向に移動することができ、それによって、拡張したデバイス400の収縮を引き起こす。
【0145】
図51の図から、また、三対の上側傾斜面466、468、470と、傾斜面を分離する橋梁467と、ロッド延長部484とを含む、移動部材の様々な特徴も見ることができる。加えて、移動部材の前方部分の傾斜面466間に形成された、はめ合わせスロット489を見ることができる。
【0146】
図52は、図50の代替スペーサの垂直断面図を示している。この図から、作動部材454が、移動部材456にスプリングクリップ480を介してどのように取り付けられているかを理解することができる。図に示す通り、作動部材454のスプリングクリップ480は、移動部材456の切り込み491の下に押され、それによって、スプリングクリップ480は、くぼみ493の内部に留まる。加えて、この図から、デバイス400が、いくつかの実施形態では、仮骨形成と所望の椎間板腔へのデバイス400の挿入とを補助するために、先細りのノーズ411をどのように含むことができるかを理解することができる。
【0147】
図53は、図50の代替スペーサの別の断面図を示している。この断面図では、デバイス400内でのサポートねじ474の一体化を理解することがき、それは、異なる構成要素を接続し、安定させることを有利に助ける。
【0148】
図54Aおよび54Bは、図50の代替スペーサの背面図を示している。図54Aは縮めた形状のスペーサデバイス400を示し、一方、図54Bは拡張した形状のスペーサデバイス400を示している。いくつかの実施形態では、作動部材454を第1の方向に回転させると、移動部材456が横方向に移動して、その傾斜面が、対応する終板の傾斜面と相互作用するようにし、それによって、終板をお互いに分離させる。これは、デバイス400を縮めた状態から拡張した状態にする。上側終板410が上側プレート部分424Aに取り付けられ、下側終板412が下側プレート部分424Bに取り付けられると、終板の移動がプレート部分の移動を引き起こす。デバイスが拡張した形状にある時、図54Bに示す通り、上側プレート部分424Aの下部支柱428Aを露出することができ、一方、下側プレート部分424Bの上部支柱428Bを露出することができる。
【0149】
図55は、図50の代替スペーサの水平断面図を示している。この図から、移動部材456が中央開口部分をどのように含んで、それによって、デバイスが収縮形状または拡張形状であるかどうかにかかわらず、移植材料をデバイスの中に埋め戻すことができるか、ということを理解することができる。スペーサデバイス400は、骨移植材料または他の材料を移動部材456の中央部の中に提供することを望む場合、作動部材454を通した容易なアクセスを提供する。
【0150】
図56は、図50の代替スペーサの作動部材と移動部材との拡大断面図を示している。この図から、移動部材456および作動部材454がどのように結合されるかを理解することができる。上記で指摘した通り、C−スプリングまたはクリップ480は、作動部材454の外面に取り付けることができる。作動部材454が移動部材456の中に横方向に押入れられると、クリップ480を、それがくぼみ493に入るまで、移動部材456の切り込み491の下に押すことができる。図56から、また、移動部材456が、角張ったじょうご状面497をどのように含むかを理解することができる。これらのじょうご状面497は、クリップ480を、それが切り込み491の下に押されるまで、有利に導き、圧迫する。
【0151】
本明細書で引用されたすべての参照は、その全体が参照によって明確に組み込まれる。本発明には多くの異なる特徴があり、これらの特徴を一緒に、または別々に使用することができるということが予期される。上記で反対のことを述べない限り、添付図面のすべてが縮尺通りでないことに留意すべきである。したがって、本発明は、本発明の特徴の特定の組み合わせ、または本発明の特定のアプリケーションに限定されるべきでない。さらに、本発明の精神と範囲とに含まれる変更および改良が、本発明が関連する当業者に起こり得るということを理解すべきである。そのため、本発明の範囲と精神とに含まれる、本明細書に明記する開示から当業者が容易に達成可能なすべての適切な改良は、本発明のさらなる実施形態として含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
図1】骨固定具含み、高さを低くしたまたは圧縮状態の、本開示によるスペーサの斜視図である。
図2】高さを高くしたまたは拡張状態の、図1のスペーサの図である。
図3図1のスペーサの正面図である。
図4図2のスペーサの正面図である。
図5図2のスペーサの中心部を通る断面図である。
図6図1のスペーサの平面図である。
図7図1のスペーサの、体内における可能な埋め込み位置の図である。
図8】スペーサの残りの部分に取り外し可能に接続可能な固定プレートを含み、固定プレートが取り外されて示されている、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
図9図8に関して、固定プレートをスペーサの残りの部分に接続するためのコネクタの図である。
図10】固定プレートを取り付けた、図8のスペーサの図である。
図11図10のスペーサの裏側の図である。
図12図10のスペーサの正面図である。
図13】取り外されている、スナップ式留め具を有する固定プレートを含む、本開示によるスペーサの実施形態の側面図である。
図14】固定プレートが留め具にスナップ式に留められている、図13のスペーサの図である。
図15図13の固定プレートの図である。
図16図13の実施形態による、ヒンジ式固定プレートの図である。
図17】ヒンジ部分が折り畳まれ、ヒンジ部分の上の返しをさらに示した、図16のヒンジ式固定プレートの図である。
図18】スペーサの高さを高くするように動作可能なカムを含み、高さを低くした形態にある、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
図19】カムがスペーサの高さを高くするように作動している、図18のスペーサの図である。
図20】回転可能な終板部分を含む、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
図21図20のスペーサの端面図である。
図22】回転可能な終板部分を回転させた、図21のスペーサの図である。
図23】スペーサの高さを高くするように終板を移動するにつれて、終板と共に移動する終板を有する、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
図24】高くしたまたは拡張した高さを有するように拡張されている、図23のスペーサの図である。
図25】接続可能な固定部分と終板支持部分とを有する、本開示によるスペーサの実施形態の側面図である。
図26図25のスペーサの断面図である。
図27】ダブテール接続によって接続可能な、接続可能な固定部分と終板支持部分とを含むスペーサの実施形態の図である。
図28図27のデバイスの断面図である。
図29】回転可能な固定プレートを含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
図30】固定プレートを回転させた、図29のスペーサの図である。
図30A】展開位置へ回転した2つの回転可能な固定プレートを含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
図31】摺動ダブテール接続によって接続された2つの回転可能な固定部分を含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
図32】固定部分が相対的に移動して回転した、図31のスペーサの図である。
図33図31のスペーサの断面図である。
図34】展開可能な貫通要素を含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
図35】貫通要素を展開した、図34のスペーサの図である。
図36】終板のアクチュエータねじのギアの歯にはめ合わせ可能なギアの歯を有する骨固定デバイスを含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
図37】骨固定デバイスが、骨に係合し、スペーサの高さを高くするように展開されている、図36のスペーサの図である。
図38】固定部分と骨終板支持部分との間のダブテール接続を含む、本開示のスペーサの実施形態の図である。
図39図38のスペーサの固定部分の図である。
図40図38のスペーサの骨終板支持部分の図である。
図41】終板部分のチャネルを含む、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
図42】貫通要素を回転可能に支える展開アームを有する、本開示によるスペーサの実施形態の平面図である。
図43図42のスペーサの断面図である。
図44】貫通要素を展開した、図43のスペーサの図である。
図45】アクチュエータねじと共通の軸を有する展開アームを含む、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
図46図45のスペーサの断面図である。
図47】貫通要素を展開した、図46のスペーサの図である。
図48】展開アームが独立して回転可能な、図45による代替スペーサの図である。
図49】終板が横軸の周りを枢動可能な、本開示によるスペーサの実施形態の図である。
図50】いくつかの実施形態による、代替スペーサの分解図である。
図51】上側終板を取り外した、図50の代替スペーサの上面斜視図である。
図52図50の代替スペーサの垂直断面図である。
図53図50の代替スペーサの別の断面図である。
図54A図50の代替スペーサの背面図である。
図54B図50の代替スペーサの背面図である。
図55図50の代替スペーサの水平断面図である。
図56図50の代替スペーサの作動部材と移動部材との拡大断面図である。
図1
図2-3】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10-12】
図13-15】
図16-17】
図18
図19-20】
図21
図22
図23-26】
図27-30】
図30A
図31-33】
図34-37】
図38-41】
図42-44】
図45-47】
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54A
図54B
図55
図56