(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
多角形の内底面を規定する底壁と、前記内底面とその各辺において繋がった内側面を規定する、前記辺ごとに設けられた内側側壁とを構成するように折り曲げられた、前記底壁及び前記内側側壁を一体に含む1枚のシートを備えており、
前記1枚のシートが、
前記内側側壁より外側に配置され、前記シートが展開された場合に、前記内底面の角を挟んで隣り合う2つの前記内側側壁同士の一方から他方までを、少なくとも当該角の近傍において隙間なく占めるように、当該角に対して前記内底面とは反対側において繋ぐ連繋部と、
前記内側面における前記内底面と繋がった一辺に対する対辺において前記内側側壁と繋がり、前記内側側壁より外側に、前記内側側壁ごとに配置された外側側壁と、
第1の前記外側側壁とその側端縁において連結した突出片であって、その先端部と残りの部分との間に前記連繋部を挟み込むように折り曲げられた第1の突出片と、
前記第1の外側側壁と隣接した第2の前記外側側壁とその下端縁において連結していると共に、前記連繋部を挟んだ前記先端部及び前記残りの部分並びに前記連繋部を前記第2の外側側壁との間に挟み込み且つ前記内側側壁と前記連繋部との間に挟み込まれるように折り曲げられた第2の突出片とを、
前記底壁及び前記内側側壁と一体に含んでいることを特徴とする包装用容器。
前記第2の外側側壁とその側端縁において連結していると共に前記第1の突出片と前記第2の外側側壁との間に挟み込まれるように折り曲げられた第3の突出片を前記底壁及び前記内側側壁と一体に含んでいることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
前記底壁、前記内側側壁及び前記外側側壁が、前記底壁が上底及び下底のうちの面積の小さい方となる角錐台を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装用容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、上記の通り、連結フラップを保持するために、固定板を容器の内底面に固定しなければならない。固定板の上面と容器の内底面との間には段差が生じる。容器内に段差が生じると、容器内の収容物が段差に引っかかったり、収容物を容器内に安定に収容しにくくなったりするおそれがある。このように、液漏れ抑制の構造が収容物の妨げとなるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、液漏れ抑制の構造が収容物の妨げとなりにくい包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の包装用容器は、多角形の内底面を規定する底壁と、前記内底面とその各辺において繋がった内側面を規定する、前記辺ごとに設けられた内側側壁とを構成するように折り曲げられた、前記底壁及び前記内側側壁を一体に含む1枚のシートを備えており、前記1枚のシートが、前記内側側壁より外側に配置され、前記シートが展開された場合に、前記内底面の角を挟んで隣り合う2つの前記内側側壁同士の一方から他方までを、少なくとも当該角の近傍において隙間なく占めるように、当該角に対して前記内底面とは反対側において繋ぐ連繋部と、前記内側面における前記内底面と繋がった一辺に対する対辺において前記内側側壁と繋がり、前記内側側壁より外側に、前記内側側壁ごとに配置された外側側壁と、第1の前記外側側壁とその側端縁において連結した
突出片であって、その先端部と残りの部分との間に前記連繋部を挟み込むように折り曲げられた第1の突出片と、前記第1の外側側壁と隣接した第2の前記外側側壁とその下端縁において連結していると共に
、前記連繋部を挟んだ前記先端部及び前記残りの部分並びに前記連繋部を前記第2の外側側壁との間に挟み込み且つ前記内側側壁と前記連繋部との間に挟み込まれるように折り曲げられた第2の突出片とを、前記底壁及び前記内側側壁と一体に含んでいる。
【0007】
本発明の包装用容器によると、連繋部が内底面の角付近を隙間なく占めている。かかる構成により、容器内の液体が角から容器外に漏れ出すのが抑制される。そして、連繋部は、内側側壁より外側に配置されている。したがって、連繋部自体やこれを保持する構造のような液漏れ抑制のための構造が容器内で収容物の妨げとなることが回避される。その反面、連繋部を内側側壁の外側に設けたため、連繋部の位置を保持する構成を設けなければ、連繋部が外側に広がり、容器の外形を一定に保持できないおそれが生じる。
【0008】
そこで、本発明においては、内側側壁より外側に外側側壁を設け、外側側壁の1つである第1の外側側壁の側端縁に第1の突出片を設けると共に、この第1の突出片を、連携部を挟み込むものとした。そして、この第1の外側側壁に隣り合う第2の外側側壁の下端縁に第2の突出片を設けると共に、この第2の突出片を、第1の突出片ごと連繋部を挟み込み且つ内側側壁と連繋部との間に挟み込まれるものとした。これにより、(1)第2の突出片が内側側壁と連繋部との間に挟み込まれた状態に保持され、(2)(1)によって第2の外側側壁が内側側壁の近傍に保持され、(3)第1の突出片及び連繋部も第1の外側側壁と第2の外側側壁との間に挟み込まれて保持され、(4)第1の突出片が連繋部を挟み込んだ状態に保持され、(5)(4)によって第1の外側側壁が内側側壁の近傍に保持される。
【0009】
以上の(1)〜(5)により、第1の外側側壁及び第2の外側側壁が内側側壁の近傍に保持されると共に、第1の突出片及び第2の突出片並びに連繋部が、第1の外側側壁と内側側壁との間に挟み込まれて保持される。したがって、液漏れ抑制の構造が収容物の妨げとなりにくく、且つ、容器の外形を一定に保持しやすい包装用容器が実現する。
【0010】
また、本発明においては、前記第2の外側側壁とその側端縁において連結していると共に前記第1の突出片と前記第2の外側側壁との間に挟み込まれるように折り曲げられた第3の突出片を前記底壁及び前記内側側壁と一体に含んでいることが好ましい。これによると、第3の突出片が第1の突出片とこれに挟み込まれた連繋部とを内側側壁に向かって押さえ込む。したがって、第1の突出片と連繋部とが内側側壁の近傍にさらに保持されやすくなる。
【0011】
また、本発明においては、互いに対向した一対の前記外側側壁の下端が前記底壁よりも下方に配置されていることが好ましい。これによると容器をテーブル等に載置した際に、底壁がテーブル等の上面から上方に離隔する。したがって、テーブル等の上面に水等の液体が付着している場合に、かかる液体が底壁に付着するのが防止される。また、容器内に収容した食品等の熱がテーブル等に伝達しにくくなる。
【0012】
また、本発明においては、前記底壁、前記内側側壁及び前記外側側壁が、前記底壁が上底及び下底のうちの面積の小さい方となる角錐台を構成することが好ましい。これによると、容器同士を互いに重ねることができる。
【0013】
また、本発明においては、前記内側側壁と前記外側側壁とが、前記外側側壁と交差する方向に延びた中間壁を介して繋がっており、前記内側側壁の前記対辺と交差した方向に沿った2本の切り込みが、互いに対向した2つの前記内側側壁のそれぞれに形成されており、前記内側側壁及び前記中間壁が前記外側側壁に向かって陥没した凹部が前記2本の切り込み同士の間に形成されていることが好ましい。これによると、互いに対向する2つの内側側壁及び中間壁に凹部が形成される。この凹部は、例えば、仕切りを固定するための差し込み部として機能する。
【0014】
また、本発明においては、前記シートの表裏に対応する2表面のうちの一方の面が、他方の面と比べて防水性能が高い面であり、前記内底面及び前記内側面が、前記防水性能が高い面であることが好ましい。これによると、容器内の表面が防水性能の高い面となっているため、液漏れ抑制の実効性を確保しやすい。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係るカートン1について
図1〜
図8を参照しつつ説明する。カートン1は、厚紙等のシート状の素材によって構成されている。カートン1は、
図1に示すように角錐台の概略形状を有する箱本体100(包装用容器)を含んでいる。以下、カートン1の高さ方向を上下方向とする。カートン1の箱本体100の底壁101は、後述の通り、平面視において正方形の形状を有している。上下方向に直交する方向であって、底壁101の一辺に沿った方向をA方向とし、上下方向及びA方向のいずれにも直交する方向をB方向とする。なお、本明細書における上下方向は、必ずしもこの向きにカートン1が配置されることを意味しない。
【0017】
カートン1は、さらに、蓋2及び仕切り160を備えている。蓋2は平面視において正方形の形状を有している。蓋2は下方に開口しており、箱本体100は上方に開口している。仕切り160が箱本体100内に設置された状態で蓋2が箱本体に上方から被されることにより、カートン1が構成されている。カートン1は、例えば弁当など、食品の包装用に用いられてよい。この場合、箱本体100内に食品が収容される。
【0018】
箱本体100は、
図8に示すように、1枚のシートからカットされた、全体が一体の展開シートSから構成されている。展開シートSは、裏面及び表面に相当する2表面の一方が、他方より防水性能が高くなるように構成されている。例えば、一方の面にラミネート加工が施されていてもよいし、シートが複数層によって構成され、一方の面に相当する層が他方の面に相当する層よりも、防水性能の高い素材から構成されてもよい。また、一方の面に防水加工が施された、一般に機能紙と呼ばれる部材が使用されてもよい。本実施形態では、
図8に表れた面がその裏側の面よりも防水性能が高いものとする。これにより、容器内の表面が防水性能の高い面となるため、液漏れ抑制の実効性を確保しやすい。なお、表と裏の両方の面に防水加工が施されるなど、両方の面の防水性能が高くてもよい。
【0019】
箱本体100は、
図2〜
図8に示すように、容器の内底面101aを規定する本体底壁101、容器の内側面102a〜105aを規定する本体側壁102〜105(内側側壁)、及び、外壁111〜114(外側側壁)を有している。これらを含む箱本体100の各部は、
図8に示すように、1枚の展開シートSに互いに一体に含まれている。内底面101a及び内側面102a〜105aは
図8に表れた面に含まれている。かかる展開シートSが
図8の一点鎖線に沿って谷折りに、破線に沿って山折りに適宜の角度で折り曲げられることにより、
図1〜
図7に示す箱本体100の立体形状が形成されている。
【0020】
本体底壁101及び内底面101aは正方形の平面形状を有している。内底面101aは、その4つの辺において内側面102a〜105aと繋がっている。本体側壁102〜105及び内側面102a〜105aは、内底面101aとの境界となる辺を短い方の底辺とする台形の形状を有している。本体側壁102及び103はA方向に沿って延び、B方向に互いに対向している。本体側壁104及び105はB方向に沿って延び、A方向に互いに対向している。本体側壁102〜105のうちの隣り合う2つの側壁同士は、台形の斜辺に対応する端部において互いに接している。
【0021】
本体側壁102〜105同士の間には、これら同士を繋ぐ連繋部151〜154が形成されている。連繋部151〜154は、
図8に示すように箱本体100を展開した状態(以下、展開状態とする)において、内底面101aの角θ1〜θ4に関して内底面101aとは反対側のシート領域を占める部分である。連繋部151〜154は、展開状態において、凧型の四角形の概略形状を有している。連繋部151〜154における内底面101aの角側とは反対側の角には切り欠き151a〜154aが形成されている。連繋部151及び153は、その対称軸を折り目として折り畳まれた状態で本体側壁104と後述の外壁113(第2の外側側壁)の間に配置されている。連繋部152及び154は、その対称軸を折り目として折り畳まれた状態で本体側壁105と後述の外壁114(第2の外側側壁)の間に配置されている。連繋部151〜154は、本体側壁104及び105の外側において、本体側壁104及び105の近傍に配置されている(
図5参照)。ここでいう「外側」とは、内底面101a及び内側面102a〜105aによって規定される箱本体100の内部空間側から見た外側を意味する。
【0022】
連繋部151〜154は、少なくとも角θ1〜θ4近傍の領域であって、隣り合う2つの本体側壁の一方から他方までの領域を、隙間なく占めている。当該領域は、例えば、連繋部153において、
図8の扇型の二点鎖線で囲まれた領域に対応する。当該領域は、上下方向に沿って5mm以上の高さを有していることが好ましい。これにより、容器内に食品を収容した際、食品から染み出した液体や食品に使用された調味料等の液体が容器の角から漏れ出すのを有効に抑制できる。
【0023】
外壁111〜114は、それぞれ台形の概略形状を有している。外壁111〜114は、本体側壁102〜105の外側において、本体側壁102〜105の近傍に配置されている。ここでいう「外側」の意味は上記同様である。外壁111及び112はA方向に沿って延び、B方向に本体側壁102及び103と対向している。外壁113及び114はB方向に沿って延び、A方向に本体側壁104及び105と対向している。外壁111〜114は、上下方向に関して本体側壁102〜105の上端の位置から底壁101付近まで延びている。このうち、外壁111及び112は底壁101より僅かに上方の位置まで延びている。一方、外壁113及び114は、外壁111及び112の下端並びに底壁101のいずれよりも下方の位置まで延びている。外壁111〜114は、“外壁111⇔外壁113⇔外壁112⇔外壁114⇔外壁111”に示すように互いに隣接している。「⇔」は、その両側の外壁同士が隣接していることを表す。
【0024】
外壁111〜114は、本体側壁102〜105と外壁111〜114の間を帯状に延びた中間壁121〜124を介して本体側壁102〜105と繋がっている。中間壁121〜124は、外壁111〜114の上端から本体側壁102〜105の上端まで、上下方向と直交する方向(外壁111〜114と交差する方向)に沿って延びている。つまり、外壁111〜114は、中間壁121〜124を介して、内側面102a〜105aにおける台形の長い方の底辺(例えば、内側面102aにおける内底面101aと繋がった辺の対辺)において本体側壁102〜105と繋がっている。外壁111〜114が中間壁121〜124を介して本体側壁102〜105と繋がっていることにより、外壁111〜114と本体側壁102〜105とが中間壁121〜124の幅の分、離隔することになる。これにより、本体側壁104と外壁113との間、及び、本体側壁105と外壁114との間のそれぞれに連繋部151〜154の収容スペースが形成される。
【0025】
本体底壁101、本体側壁102〜105及び外壁111〜114の全体は角錐台の形状を有している。この角錐台において、本体底壁101が上底及び下底のうちの面積の小さい方となっている。
【0026】
図5、
図6及び
図8に示すように、外壁111〜114のそれぞれにはフラップが形成されている。フラップは、外壁111〜114のそれぞれと、外壁111〜114の側端縁又は下端縁において連結している。なお、外壁の下端縁とは、上下方向に関する両端縁のうち、下方に配置された端縁を意味する。また、外壁の側端縁とは、水平方向に関する両端縁の一方を意味する。以下、1つの外壁における2つの側端縁を両側端縁と記載する場合がある。
【0027】
外壁111(第1の外側側壁)の両側端縁にはフラップ141及び142(第1の突出片)が、外壁112(第1の外側側壁)の両側端縁にはフラップ143及び144(第1の突出片)が形成されている。外壁113の両側端縁にはフラップ161及び162(第3の突出片)が、外壁114の両側端縁にはフラップ163及び164(第3の突出片)が形成されている。外壁111の下端縁にはフラップ165が、外壁112の下端縁にはフラップ166が形成されている。外壁113の下端縁にはフラップ145(第2の突出片)が、外壁114の下端縁にはフラップ146(第2の突出片)が形成されている。
【0028】
フラップ141〜144は不等辺多角形の概略形状を有している。
図8に示すように、フラップ141及び142は、展開状態において外壁111の両側端縁から外壁111の長手方向に関して両方向に突出している。フラップ143及び144は、展開状態において外壁112の両側端縁から外壁112の長手方向に関して両方向に突出している。フラップ141は、連繋部151を挟み込むように折り曲げられている。これと同様に、フラップ142は連携部152を、フラップ143は連携部153を、フラップ144は連繋部154をそれぞれ挟み込むように折り曲げられている。
【0029】
一例として、連繋部152及び154を挟み込むようにフラップ142及び144を折り曲げる工程は以下の通りである。フラップ142及び144が展開された
図5の状態からフラップ142及び144を矢印α1及びα2に示す方向に折り込むと共に、フラップ142及び144の先端部142a及び144aを
図6の矢印α3及びα4に示す方向に折り込む。これにより、フラップ142及び144が、連繋部152及び154を挟み込んだ状態となる。
【0030】
フラップ161〜164は不等辺四角形の概略形状を有している。
図8に示すように、フラップ161及び162は、展開状態において外壁113の両側端縁から外壁113の長手方向に関して両方向に突出している。フラップ163及び164は、展開状態において外壁114の両側端縁から外壁114の長手方向に関して両方向に突出している。フラップ161は、フラップ143と外壁113との間に挟み込まれるように折り曲げられている。これと同様に、フラップ162はフラップ141と外壁113との間に、フラップ163はフラップ141と外壁114との間に、フラップ164はフラップ144と外壁114との間にそれぞれ挟み込まれるように折り曲げられている。
【0031】
一例として、外壁114とフラップ142及び144との間に挟み込まれるようにフラップ163及び164を折り曲げる工程は以下の通りである。フラップ163及び164が外壁114に近接した位置へと折り曲げられた
図6に示す状態から、フラップ142の先端部142aがα4方向に折り曲げられた後、外壁114がβ方向に折り曲げられる。これによって、フラップ163及び164が外壁114とフラップ142及び144との間に挟み込まれた状態となる。
【0032】
フラップ145及び146は、先端部の角がR状に形成された台形の概略形状を有している。
図8に示すように、フラップ145は、展開状態において外壁113の下端縁から外壁113の短手方向に関して突出している。フラップ145は、連繋部151及び153をフラップ141、143、161及び162ごと外側側壁113との間に挟み込むように折り曲げられている。フラップ146は、展開状態において外壁114の下端縁から外壁114の短手方向に関して突出している。フラップ146は、連繋部152及び154をフラップ142、144、163及び164ごと外側側壁114との間に挟み込むように折り曲げられている。
【0033】
一例として、連繋部152及び154をフラップ142、144、163及び164ごと外側側壁114との間に挟み込むようにフラップ146を折り曲げる工程は以下の通りである。
図6に示す状態から、フラップ142の先端部142aがα4方向に折り曲げられた後、外壁114がβ方向に折り曲げられる。これによって、フラップ163及び164が外壁114とフラップ142及び144との間に挟み込まれる。さらに、フラップ146を、
図4のγ方向に折り曲げつつフラップ142及び144の先端部142a及び144aと内側側壁105との間に差し込む。これによって、フラップ146が、連繋部152及び154をフラップ142、144、163及び164ごと外側側壁114との間に挟み込んだ状態となる。
【0034】
フラップ165及び166は、先端部の角がR状に形成された台形の概略形状を有している。
図8に示すように、フラップ165は、展開状態において外壁111の下端縁から外壁111の短手方向に関して突出している。フラップ165は、外壁111と本体側壁102との間に挟み込まれるように折り曲げられている(
図3参照)。フラップ166は、展開状態において外壁112の下端縁から外壁112の短手方向に関して突出している。フラップ166は、外壁112と本体側壁103との間に挟み込まれるように折り曲げられている。
【0035】
以上の構成により、
図7に一例を示すように、各フラップ及び各連繋部が外壁113及び114と本体側壁104及び105との間に、(i)フラップ161〜164、(ii)フラップ141〜144、(iii)連繋部151〜154、(iv)フラップ141〜144の先端部141a〜144a、並びに、(v)フラップ145及び146の順に挟み込まれている。
【0036】
そして、これにより、以下の(1)〜(5)が成立している。(1)フラップ145及び146が本体側壁104及び105と連繋部151〜154との間に挟み込まれた状態に保持され、(2)(1)によって外壁113及び114が本体側壁104及び105の近傍に保持され、(3)フラップ141〜144及び連繋部151〜154も本体側壁104及び105と外壁113及び114との間に挟み込まれて保持され、(4)フラップ141〜144が連繋部151〜154を挟み込んだ状態に保持され、(5)(4)によって外壁111及び112が本体側壁102及び103の近傍に保持される。
【0037】
中間壁121及び本体側壁102には、これらの境界を跨ぐように切り込み131及び132が形成されている。切り込み131及び132は、それぞれ内側面102aにおける台形の長い方の底辺と直交する方向に沿っている。中間壁121及び本体側壁102における切り込み131及び132の間の部分は、外壁111に向かって陥没しており、これによって凹部102bを形成している(
図1、
図2参照)。また、中間壁122及び本体側壁103には、これらの境界を跨ぐように切り込み133及び134が形成されている。切り込み133及び134は、それぞれ内側面103aにおける台形の長い方の底辺と直交する方向に沿っている。中間壁122及び本体側壁103における切り込み133及び134の間の部分は、外壁112に向かって陥没しており、これによって凹部103bを形成している(
図1、
図2参照)。凹部102b及び103bには仕切り160が差し込まれる。仕切り160は、
図1に示すように、カートン1のB方向に対応する方向に関して両側に突出した突出部161及び162を有する平板状の部材である。突出部161及び162が凹部102b及び103bに差し込まれることで、仕切り160が箱本体100に固定される。
【0038】
以上説明した本実施形態によると、液漏れを抑制する連繋部151〜154や連繋部151〜154を保持するフラップ141〜146といった液漏れ抑制のための構造が、食品が収容される箱本体100の内部空間の外側に配置される。したがって、液漏れ抑制のための構造が収容物の妨げとなることが回避される。その反面、連繋部151〜154を本体側壁102〜105の外側に設けたため、連繋部151〜154の位置を保持する構成を設けなければ、連繋部151〜154が外側に広がり、容器の外形を一定に保持できないおそれが生じる。
【0039】
これに対し、本実施形態は、上記(1)〜(5)を満たすような構成とした。これにより、外壁111〜114が本体側壁102〜105の近傍に保持されると共に、フラップ141〜146及び161〜164並びに連繋部151〜154が、外壁113及び114と本体側壁104及び105との間に挟み込まれて保持される。したがって、これらのような液漏れ抑制の構造が収容物の妨げとなりにくく、且つ、容器の外形を一定に保持しやすい包装用容器が実現する。
【0040】
また、外壁113及び114と本体側壁104及び105との間に挟み込まれたフラップ161〜164が設けられている。これにより、フラップ161〜164は、フラップ141〜144及びこれに挟み込まれた連繋部151〜154を本体側壁104及び105に向かって押さえ込む機能を発揮する。したがって、フラップ141〜144及び連繋部151〜154が本体側壁104及び105の近傍にさらに保持されやすくなる。なお、かかるフラップ161〜164が設けられていなくてもよい。
【0041】
また、外壁113及び114が、底壁101よりも下方の位置まで延びている。したがって、容器をテーブル等に載置した際に、底壁101がテーブル等の上面から上方に離隔する。よって、テーブル等の上面に水等の液体が付着している場合に、かかる液体が底壁101に付着するのが防止される。かかる特徴は、底壁101の上面(内底面101a)が下面より防水性能が高くなるように構成されている場合に特に有効である。また、底壁101がテーブル等の上面に接触しないことで、容器内に収容した食品等の熱がテーブル等に伝達しにくくなる。なお、外壁113及び114は、外壁111及び112の下端よりも下方の位置まで延びている。したがって、容器をテーブル等に載置した際に、外壁111及び112の下端もテーブル等の上面から上方に離隔する。よって、外壁111及び112の下端とテーブル等の上面との間に隙間が生じる。この隙間に指等を入れやすくなるため、テーブル等に載置した容器をテーブル等から持ち上げやすい。なお、外壁113及び114の下端と外壁111及び112の下端とが同じ位置に配置されていてもよい。また、外壁111〜114の下端のいずれも底壁101と同じ位置、又は、その上方に配置されていてもよい。
【0042】
また、本体底壁101、本体側壁102〜105及び外壁111〜114の全体は角錐台の形状を有している。これにより、一の箱本体100における本体側壁102〜105の上端によって構成される開口から当該箱本体100内へと別の箱本体100における角錐台の部分をはめ込むことにより、箱本体100同士を互いに重ねることができる。
【0043】
(変形例)
以下、上述の実施形態の変形例について説明する。例えば、上述の実施形態では、接着剤や糊などを使用せずにフラップ145及び146の差し込みによって外壁111〜114が本体側壁104及び105付近に保持されている。しかし、フラップ145及び146の差し込みと接着剤や糊による接着とが併用されてもよい。
【0044】
また、上述の実施形態では、本体底壁101及び内底面101aが矩形の形状を有しているが、三角形、五角形、六角形など、その他の多角形の形状を有していてもよい。
【0045】
また、上述の実施形態では、外壁111〜114と本体側壁102〜105とが中間壁121〜124を介して繋がっている。しかし、中間壁121〜124が設けられず、外壁111〜114と本体側壁102〜105とが直接繋がっていてもよい。この場合、外壁111〜114と本体側壁102〜105の間に連繋部151〜154の収容スペースを形成するためには、本体側壁102〜105に対して外壁111〜114を多少斜めに倒す必要が生じる。