特許第6303010号(P6303010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6303010ディスクブレーキの為の摩擦ライニング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6303010
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】ディスクブレーキの為の摩擦ライニング装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/092 20060101AFI20180319BHJP
【FI】
   F16D65/092 D
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-533157(P2016-533157)
(86)(22)【出願日】2014年11月19日
(65)【公表番号】特表2016-537588(P2016-537588A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(86)【国際出願番号】EP2014075062
(87)【国際公開番号】WO2015075095
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2016年7月19日
(31)【優先権主張番号】102013223862.2
(32)【優先日】2013年11月21日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014205232.7
(32)【優先日】2014年3月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】399023800
【氏名又は名称】コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】キュメル・クルト
(72)【発明者】
【氏名】カイル・クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】マルシュナー・ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ピーラー・クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ゾコロフ・ジルヴィーウ
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−245528(JP,A)
【文献】 特表2007−528468(JP,A)
【文献】 実開昭59−004832(JP,U)
【文献】 実開昭58−018138(JP,U)
【文献】 特開2011−247422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D49/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央の部分(3)を有するバックプレート(2)を有する質量を有する摩擦ライニング(1)であって、この中央の部分は、脚部(5,6)を介してハンマーヘッド形状の突出部(7,8)を設けられており、及びバックプレート(5)に固定され、摩擦リングへの当接の為の摩擦材料を設けられており、そしてその際、接線方向の固定的保持の為、及び軸方向にスライド可能なガイドの為の突出部(7,8)が、迫り台内に進入するので、接線方向に向けられた周囲力(Fu、摩擦力)の迫り台内への導入が、少なくとも一つの突出部(7,8)内における引張応力を誘導する摩擦ライニングにおいて、
望まれていない振動の除去の為のアブゾーバーシステム(9)が、摩擦ライニング(1)に設けられており、
アブゾーバーシステム(9)が、アブゾーバーボディ(14)から及びバックプレート(2)に固定するための脚部(15)から一部品式に構成されており、そしてその際、アブゾーバーボディ(14)及び脚部(15)が、弾性的な接続部分(16)を介して互いに接続されており、そして
アブゾーバーシステム(9)が、所定の質量MTを有するアブゾーバーボディ(14)を有し、これが、所定のばね強度kTでもって、構造/摩擦ライニング(1)から、アブゾーバーボディ(14)の振動励起によってエネルギーが取り去られるよう、バックプレート(2)に振動可能に弾性的に吊架されている
ことを特徴とする摩擦ライニング(1)。
【請求項2】
アブゾーバーシステム(9)が、バックプレート(2)の一部品式又は多部品式の構成要素として統合されて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の摩擦ライニング(1)。
【請求項3】
アブゾーバーシステム(9)の脚部(15)が、バックプレート(2)上に載置するための少なくとも一つの段部(17)を設けられていること、及び段部(17)から固定栓(11)が軸方向に突き出しており、これが、バックプレート(2)の貫通穴(10)を貫通すること、及び固定栓(11)の自由端部が、アブゾーバーシステム(9)の形状結合的な固定を目的として厚く形成されており、特に揺動するようリベット留めされて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の摩擦ライニング(1)。
【請求項4】
アブゾーバーシステム(9)に、追加的にダンパーD及び/又はダンパーコンポーネントが付設されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項または複数項に記載の摩擦ライニング(1)。
【請求項5】
アブゾーバーシステム(9)が、バックプレート(2)のハンマーヘッド形状の突出部(7,8)、特に細い脚部(5,6)の中央部に設けられており、これが、ハンマーヘッド形状の突出部(7,8)をバックプレート(2)の中央の部分(3)と接続することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項又は複数項に記載の摩擦ライニング(1)。
【請求項6】
アブゾーバーシステム(9)が、別のコンポーネントとして形成されており、これが振動可能にバックプレート(2)に固定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項又は複数項に記載の摩擦ライニング(1)。
【請求項7】
接続部分(16)が、溝側面(19,20)及び溝底部(21)を有する溝(18)によって形成されていること、及び溝側面(19,20)と溝底部(21)の間の移行領域が丸められ半径(22)を設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の摩擦ライニング(1)。
【請求項8】
貫通穴(10)が、固定栓(11)に同軸な段孔として形成されており、その際、段孔の第一の直径領域(13)が、固定栓(11)を収容し、そしてその際、第二の直径領域(12)が、固定栓(11)の厚く形成された端部を収容し、そしてその際、第二の直径領域(12)が、第一の直径領域(13)よりも少なくとも約1.1倍大きく形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の摩擦ライニング(1)。
【請求項9】
第二の直径領域(12)が、バックプレート(2)に摩擦ライニング側に配置されていることを特徴とする請求項に記載の摩擦ライニング(1)。
【請求項10】
アブゾーバーシステム(9)とバックプレート(2)の間に、少なくとも所定の弾性が設けられ、特に弾性的に挟持されていることを特徴とする請求項6からのいずれか一項又は複数項に記載の摩擦ライニング(1)。
【請求項11】
アブゾーバーシステム(9)が、細い脚部(5,6)に、又はハンマーヘッド形状の突出部(7,8)に略中央に配置されて設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項又は複数項に記載の摩擦ライニング(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載にディスクブレーキの為の、特に摩擦ライニング装置のような構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ブレーキ過程においては、常に、ある程度振動が発生する。振動は、摩擦材料とブレーキディスクの間の断続的な摩擦介入によって、構造内へと誘導され、これが振動へと励起される。個々の場合の存在する条件に応じて、これによって生じる騒音が発生し、これは、快適性を損なう現象として望まれていない。ハンドルが落ち着かないことや振動のような機械的な影響の他に、音の影響も特に不快に感じられる。堅固に配置された追加質量によって振動技術的にシステムの「不調」が図られることが可能である。その際、追加質量は、振幅及び周波数において他の構造と共に振動する。デメリットは、追加質量が比較的大きく定められる必要があること、つまり重量デメリットを引き起こすことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第39 18 369 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、安価かつ効率的なノイズ減少であって、車両質量を不必要に増大せず、そして車両ディスクブレーキのノイズ特性と構造空間要求が損なわれることなく有利な製造方法を開拓するノイズ減少を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ブレーキノイズを減少させるため、特許文献1に従い、振動を変化させる少なくとも一つの要素を有するディスクブレーキが提案される。特に、ハンマーヘッド形状の継続部を有するブレーキシューに関する措置が提案される。バックプレートのハンマーヘッド形状の継続部には、よって、少なくとも一つの追加質量が堅固に配置されている。この為、丸鋼が使用される。これは、ハンマーヘッドの中央部の孔内に固定されているので、固有周波数が不調となり、又は互いにオフセットされることが可能であり、そしてこの場合、これらが反対方向に強化されないように調整される。丸鋼の固定は、例えば、バックプレートの孔内へのねじ留め、溶接、圧入、リベット留め、又は接着によって行われる。上述した特徴の組合せは基本的に安価に実現可能であるけれども、別の改善された解決策が、その振動励起が変更された境界条件に関する、新しいディスクブレーキに対して問い合わせられる。
【0006】
よって、新しい摩擦ライニング装置における、及び相応して形成されたディスクブレーキにおけるノイズ減衰の為に、本発明は、新しい、構造に対して別に振動可能なアブゾーバーシステムを提案する。提案された措置は、周囲方向における、及び/又は、軸方向の振動平面又はその他の振動平面におけるノイズにとって重要な振動を、予め定められた周波数領域内に少なくとも減少させるか、又は可能な限り完全に除去するという目的に使用される。これは、同時にアブゾーバーシステムが、別に励起されるので、振動する構造がエネルギーをこれ以上受けないことによって行われる。この為、ある全質量の構造(摩擦ライニング)において新しいアブゾーバーシステムTが意図される。これは、所定のばね強度を有するばねと、これに吊架された、所定の部分質量を有する。これらは互いに合わせられており、そして、細い脚部によって、構造Sとは別に弾性的に振動可能に該構造に設けられている。この新しいアブゾーバーシステムは、ばね機能(例えば脚部SL内に統合されている)と質量を有する。これは、構造Sの所定の阻害的な周波数及び周波数帯域を消し去るのに使用される。アブゾーバーシステムは、構造Sのコンポーネントに統合されて、つまりこれと一体式に設けられていることが可能であり、又は代替的に、アブゾーバーシステムTは、図2−6に示されるように、別体の構造群として該構造に固定されていることが可能である。このアブゾーバーシステムの作用方法は、アブゾーバーシステムの質量が、立ち向かうべき所定の周波数/周波数帯域に基づく刺激によって、別な振幅の別な強制的な振動を発生し、他方で構造の振動は、アブゾーバーシステムの励起によって振動エネルギーをこれ以上受けないという基本原理に基づく。結果として、静止状態への振動の解消が生じる、又は従属する強度の振動振幅ASが生ずる。補足的に、追加的に、本発明を去ることなく、ダンパー要素又は機能が統合されて設けられていることが可能である。
【0007】
相応して、本発明の他の実施形においては、細い脚部(接続部分)における追加的な質量が、バックプレートの中央の部分とハンマーヘッド形状の突出部の間に、又はハンマーヘッド形状の突出部に配置されており、そしてこれと別々に振動可能に配置されている。
【0008】
本発明の当該基本原理と、個々の実施形は図面に基づき詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】対照的な形状とされた摩擦ライニングの斜視正面図。kf/D吊架されたアブゾーバー質量MTを有するバックプレートからなる。統合された一部品式のプレートの実施形(本発明の第一の実施形)。
図2】非対称な形状とされた摩擦ライニングの斜視正面図。バックプレートとD−kf吊架された追加的なアブゾーバー質量MTからなる。二部品式の構成(本発明の第二の実施形)。
図3】二部品のD/kfサスペンション構造の詳細図。図2の実施形に基づく部分図。
図4】二部品のD/kfサスペンション構造の詳細図。図2の実施形に基づく部分図。
図5】第二の実施形の分離されたバックプレートの背面図。
図6】二部品式の構成の実施形。アブゾーバー質量MTのKTサスペンション構成に関するバリエーションから成る。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、対称的な摩擦ライニング1を示す。これはバックプレート2を有する。バックプレート2は、極めて平らであり、かつ極めて中央でこれに貼りつけられた摩擦材料4を有する中央の部分3を有する。中央の部分3を有する一方の平面内及びこれから側方に接線方向に突き出すように、細い脚部(接続部分)5,6が延びている。これらは、厚く形成されたハンマーヘッド形状の突出部7、8を担持している。特に、ハンマーヘッド形状の突出部7,8は、そのボディが、半径方向外側を向いているように形成されており、そしてその際、細い脚部5,6は、ハンマーヘッド7,8の厚く形成されたボディを担持している。これら要素は、つまりある意味、互いに直角に配置された脚部を構成し、そして原則として、半径方向外側に向けられたL字の形状を有している。つまり、ハンマーヘッド形状の突出部7,8は、脚部5,6を介して中央の部分3と接続されている。
【0011】
ブレーキングの際に発生する力は、つまり中央の部分3から脚部5,6とハンマーヘッド形状の突出部7,8を介して、半径方向外側に、図示されていないフローティングキャリパー(独語:Faustsattel)のホルダーへと、または図示されていないフローティングキャリパーハウジングのホルダープロフィルへと伝達される。突出部7,8の領域内には、バックプレート2に、ばね・質量・装置を有するアブゾーバーシステム9が取り付けられている。これは、ばね強度kFの意図的に構造的に予め与えられた形態によってと、これに応じて定められる質量MTによって、アブゾーバーシステム9としてエネルギー的に作用する。このアブゾーバーシステムは、摩擦ライニング1の構造に、阻害的な振動エネルギーをこれ以上与えないものである。一体に統合された構成は、バックプレート2の打抜プロセスの際に一つの作業過程において特別簡単な方法で製造されることが可能である。材料消費は別として、これはコスト面で中立的であり、そして場合によっては、打抜廃棄物が防止されることが可能である。
【0012】
アブゾーバーシステムの正確な形成とその機能は、以下の通りである。摩擦ライニング1における阻害的な振動に効果的に立ち向かうために、振動形態、特にその振幅及び周波数が知られている必要がある。これらの値の検出は、実験的に行われるか、又は演算によって行われることも可能である。構造に、所定の周波数/周波数帯域の振動エネルギーをこれ以上与えないために、アブゾーバーシステムが構成され、そして使用される。この為、アブゾーバー質量MTおよびばねkfからなるアブゾーバーシステム9は、意図的に、消去すべき周波数f、振幅A及び振動レベル/振動方向に調整される。構造へのアブゾーバーシステム9の質量の固定は、ばね脚部点Ffの領域で行われる。構造が最初に(同じ周波数及び振幅で)アブゾーバーシステム9と共に振動することによって、アブゾーバーシステム9は、相対振動へと励起され、構造に対して別の対向振動を実施する。アブゾーバーシステム9のこのような励起の結果、構造は、阻害的ノイズを発生する振動エネルギーをこれ以上与えられず、これによって(多くの場合聞き取れない)阻害的で無いアブゾーバーシステム9の相対振動が実施されることが可能である。よって、エネルギーはく奪の高さに応じて、構造の阻害的な音響放射は減少するか、又は基本的に消し去られる。
【0013】
図1に従う統合された形態において、アブゾーバーシステム9は、バックプレート2の一部品式の構成要素である。これは、バックプレート2の製造プロセス(打抜き)において追加的なコスト(又は労力)無しに統合的に形成されることが可能である。
【0014】
アブゾーバー質量及びアブゾーバーばねは、図1に従い、形状の適当な形成/形態によって、その形状は、目指される固有周波数が、所望の、特に接線方向に向けられた振動方向において生じるよう定義される。質量及び構造の接続は、極めて曲げ柔軟なアブゾーバーばねとして構成され、及び定義される。その強度は、バックプレート材料の弾性モジュールによって、及び物理的な境界条件と定められるべき値の幾何によって定められる。要求される励起/固有周波数を保証するために、質量及び(ばね)強度は、互いに定義された比率である。
【0015】
バックプレート2は、通常、打ち抜きによってストリップ状の鋼薄板材料から製造されるので、アブゾーバーシステム9は、この打ち抜き過程において簡単に、バックプレート2の統合された構成要素として表されることが可能である。
【0016】
本発明の形態において、アブゾーバーばねに平行して、ダンパーDとダンパーコンポーネントが統合されて挿入されていることが可能である。
【0017】
図内の空間軸t,ax,rは、車輪回転軸(これは、軸方向に垂直である)に関する接線方向、軸方向及び放射方向を定義する。
【0018】
図2から6に従う以下の課題解決策は、原則、同じ機能原理に関するので、一致する特徴は一致する参照符号を付されている。よって、上述の説明が参照される。以下に相違点の詳細を説明する。多部品式の構成の解決策であって、その際、アブゾーバーシステム9は基本的に中央に、又は脚部5,6の端部側に、そして構造Sと別に振動可能に配置されている。各アブゾーバーシステム9は、其々、バックプレート2の貫通穴10内に、薄い固定栓11によって、アブゾーバーシステム9の軸方向axが、基本的に軸方向に向けられ、つまり車輪回転軸に対して平行に向けられ、そして極めて中央に脚部5,6内に配置されているよう固定され、特に揺動するようリベット留めされている。貫通穴10は、段を付けられ形成されている。その際、その広げられた直径部分12は、直径部分13の少なくとも約1.1倍を有している。同時に、広げられた直径部分12は、固定栓11による固定によってバックプレート2の摩擦ライニング面上に存在している。アブゾーバーシステム9は、これによって別に振動可能に、バックプレート2の摩擦ライニングと反対側の面に配置されている。中央の部分3に対して、アブゾーバーシステム9が空間的な近くに存在することによって、エネルギー伝達が最適化される。これによってアブゾーバーシステム9は、特に効率的であり、軽量であり、かつ少ない構造空間である。
【0019】
細い脚部5,6によって、原則十分に、アブゾーバーシステムの振動(振動U)の振動性と固有弾性が、好ましくは半径方向R(垂直軸)の周りに提供されるが、追加的に、アブゾーバーシステム9とバックプレート2の間に追加的に別の弾性(例えばウェーブスプリングのようなもの)又は弾性的な材料(特に接着剤、プラスチック、又はエラストマーのようなもの)から成る内層/中間層が設けられることが考えられる。これによって、アブゾーバーシステム9が、半径方向rを中心としてのみだけでなく他の軸又は追加的な軸も中心として振動可能である、可能となることが特に可能とされる。
【0020】
図6は、そのような追加的な、優位方位(独語:Vorzugsorientierung)を有さない弾性に基づいており、そして、特別有効でかつ同時に重量の軽い、つまり経済的なバリエーションを、アブゾーバーシステム9とバックプレート2の間の特別な結合部に基づき可能とする。アブゾーバー質量MTのこの特に柔軟な接続は、図1−5の解撤作と比較して、減少された重量で形成されることが可能である。その際、アブゾーバーボディ14は、バックプレート2に固定するための段部17を有する厚く形成された脚部15を有している。そしてその際、アブゾーバーボディ14と脚部15は、特に弾性的な、丸栓として形成されて接続部分16を介して互いに接続されている。この対称的かつ特別薄い丸栓は、その際、優位方位を前もって定めることなく、振動を可能とする。例えばアブゾーバーシステム9は、丸鋼からなる軸対称のシリンダー状の回転部材から製造され、その際、接続部分16は、半径方向に差し込まれた溝18(溝側面19,20と溝底部21を有する)を通して形成されている。溝側面19,20と溝底部21の間の移行領域内には、半径22を有する各一つの丸め部が設けられている。
【0021】
本発明のバリエーションは可能である。その際、本発明の基本思想を離れることなく、最も異なる特徴の組合せ又は、開示された実施形の間の混合形も考え得る。
【符号の説明】
【0022】
1 摩擦ライニング
2 バックプレート
3 中央の部分
4 摩擦材料
5 脚部
6 脚部
7 突出部
8 突出部
9 アブゾーバーシステム
10 貫通穴
11 固定栓
12 直径部分
13 直径部分
14 アブゾーバーボディ
15 脚部
16 接続部分
17 段部
18 溝
19,20 溝側面
21 溝底部
22 半径

MT アブゾーバー質量
D ダンパー
kf ばね強度
Ff ばね強度
Fu 周囲力(摩擦力)
ax 軸方向(車輪回転軸に平行)
r 半径方向
t 接線方向
U 振動
図1
図2
図3
図4
図5
図6