(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記演算部で前記最大値及び前記最小値の検出開始後、前記脈動比率が前記脈動判定比率以上である場合に前記ポンプを停止した時間が一定時間以内である場合に、前記脈動判定比率に補正値を加算する、請求項3に記載の水中ポンプ。
前記制御部は、前記演算部で前記最大値及び前記最小値の検出開始後、一定時間経過後に前記ポンプを停止しなかった場合に、前記ポンプを強制停止するとともに、前記脈動判定比率が加算補正されていた場合に、前記脈動判定比率から補正値を減算する、請求項4に記載の水中ポンプ。
【背景技術】
【0002】
現在、汚水槽内の汚水等を排水する手段として、水中に設置される水中ポンプが知られている。この水中ポンプは、汚水槽内の水位を検出して運転制御を行うことから、リードスイッチを用いたフロートスイッチが水位検出器として用いられている。しかし、フロートスイッチは、低水位での使用に制約があり、また、稼働スペ−スも必要である。また、水質が悪いと、水垢や汚物が付着しやすい、という問題がある。
【0003】
このため、水位検出器として、電極を用いるものや、静電容量により水位を検出するものも知られている。電極を用いる水位検出器は、稼働スペ−スが不要である点や、振動や衝撃が印加されても、誤作動しない、という利点がある。静電容量により水位を検出する水位検出器は、水と空気の比誘電率の違いにより、電極間に水が存在するか否かを検出する技術を用いることから、電源のアース線によりポンプのボディを接地電極とするという技術が用いられている。このため、静電容量により水位を検出する水位検出器は、稼働スペ−スが不要であり、且つ、振動や衝撃による誤作動防止に優れているという利点に加え、油分等を含む汚水でも水位を高い精度で検出可能となる特徴を有する。
【0004】
しかし、電極式及び静電容量式のいずれの水位検出器においても、停止水位を検出するために、水中モータ上部のモータカバーに内蔵された電装部に接続されたセンサーコードを延長して、検出電極をポンプケーシング近傍に固定する必要がある。このため、これら水位検出器は、搬入や設置時に破損する虞や、製造コストの増加の要因になる、という問題がある。
【0005】
そこで、上記のような水中ポンプの外部にセンサー部を設けることを要さずに、水中ポンプの電流を検出して水中ポンプを制御する技術が知られている。この水中ポンプを制御する方法は、液面が高い場合は揚水運転となり、高負荷のためモータの運転電流値が高くなり、そして、液面がポンプ吸込口まで低下し、空気を吸い込む渇水運転になると、低負荷のためモータの運転電流値が低くなる水中ポンプの特性を利用し、モータの電流値に基づいて水位を検出する技術である。
【0006】
しかしながら、フロートスイッチの稼働スペースを確保できない場所に設置する水中ポンプは、小出力の単相誘導電動機を使用した小型ポンプが多いが、低負荷での力率が悪いため、渇水運転時のモータの運転電流値と、正常な揚水運転時のモータの運転電流値の差が小さい、という問題点があった。
【0007】
このため、いずれの電源周波数においても、電源電圧の変動や水中モータの温度上昇などによる電流値のバラツキを考慮すると、揚水運転及び渇水運転を電流値レベルでの比較により判断することは困難であり、安定した停止制御ができない、という問題があった。
【0008】
そこで、電源の電圧と電流との位相差を検出することで、渇水運転及び揚水運転を判別する技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、電源電圧とコンデンサの端子間電圧を測定して、渇水運転と揚水運転の相違を検出する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る水中ポンプ1を、
図1乃至
図4を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る水中ポンプ1の構成を一部断面で示す側面図、
図2は水中ポンプ1に用いられる制御基板53の構成を示す平面図、
図3は制御基板53の構成を示すブロック図、
図4は水中ポンプ1の制御の一例を示す流れ図である。
【0019】
図1に示すように、水中ポンプ1は、ポンプ10と、ポンプ10の上部に固定されるモータ11と、ポンプ10及びモータ11の間に設けられたメカニカルシール12と、ポンプ10及びモータ11を接続する回転軸13と、電装部14と、を備えている。このような水中ポンプ1は、例えば、汚水槽及び下水道等に設置され、汚物等の異物を含む汚水を排水する。
【0020】
ポンプ10は、回転軸13に固定される羽根車21と、羽根車21を収納するポンプケーシング22と、ポンプケーシング22を覆うケーシングカバー23と、を備えている。
【0021】
羽根車21は、ポンプケーシング22内に収容される。羽根車21は、ポンプケーシング22内で回転することで、水を圧送可能に形成されている。羽根車21は、例えば、一枚の円板状のシュラウドに羽根が複数設けられたセミオープンタイプのインペラである。
【0022】
図1に示すように、ポンプケーシング22は、水中ポンプ1を設置面に設置した状態で下方に配置される吸込口31と、外周面の一部に形成された吐出口32と、吸込口31及び吐出口32と接続されるポンプ室33と、ポンプ室33の上方に設けられた開口部34と、を備えている。また、ポンプケーシング22は、吸込口31を覆うストレーナ36と、水中ポンプ1を設置させるための複数の脚部37を下面に複数備えている。
【0023】
吸込口31は、水中ポンプ1を設置する設置面から所定の間隙を有して配置される。吐出口32は、例えば、ポンプ室33の径方向の一部に流体的に接続される。吐出口32は、開口端の軸心方向が上方に向って開口する。吐出口32には排水管が接続される。
【0024】
ポンプ室33は、羽根車21を収納可能に形成されている。また、ポンプ室33は、羽根車21によって増圧された液体を吐出口32に案内可能な、ボリュート形状の流路を構成する。
【0025】
開口部34は、羽根車21をポンプ室33に挿入可能な内径を有している。脚部37は、吸込口31の周囲に等間隔に複数配置されている。脚部37は、水中ポンプ1を設置面に設置した状態で、吸込口31を水中ポンプ1の設置面から所定の高さに配置可能な長さに構成される。
【0026】
ケーシングカバー23は、ポンプケーシング22の開口部34に固定され、開口部34を覆う。ケーシングカバー23には、モータ11が固定される。例えば、ケーシングカバー23は、モータ11の後述するモータフレーム41の下面とともに、メカニカルシール12のシール室12aを構成する。
【0027】
モータ11は、モータフレーム41と、モータフレーム41内に設けられた固定子と、固定子により回転する回転子と、モータフレーム41の上端部に設けられたモータカバー42と、を備えている。モータ11は、例えば単相誘導モータである。
【0028】
モータフレーム41は、例えば、ステンレス材等の導電性材料で構成される。固定子は、モータフレーム41内に固定される。回転子には、回転軸13が固定される。
【0029】
モータカバー42は、モータフレーム41の上端に液密に固定される。モータカバー42は、非導電性材料である樹脂材料で構成される。モータカバー42は、内部に電装部14を収容する。
【0030】
メカニカルシール12は、ケーシングカバー23と回転軸13との間、及び、モータフレーム41と回転軸13との間を密封する。
【0031】
回転軸13は、モータ11の回転子と直接的又は間接的に接続され、回転子の回転に追従して回転可能に形成されている。回転軸13は、例えば、ケーシングカバー23又はモータフレーム41にベアリング等の軸受を介して回転自在に支持されている。回転軸13は、一端がポンプケーシング22内に配置され、羽根車21が固定される。
【0032】
電装部14は、電極51と、電源ケーブル52と、制御基板53と、を含む。
【0033】
電極51は、制御基板53の後述する制御部67に電気的に接続される。電極51は、モータカバー42の上端部に一部が露出して配置される。電極51は、汚水が接触したときに、汚水を介して水中ポンプ1の電源アースに電気的に接続されるモータフレーム41と導通可能に構成される。電極51は、交流又は直流電圧印加回路を有し、電圧が印加されるとともに、モータフレーム41と導通したときに、当該情報を信号に変換し、当該信号を制御部67に送信する。電源ケーブル52は、外部の電源に接続される。
【0034】
制御基板53は、モータカバー42内に固定される。
図2に示すように、制御基板53は、例えば、基板53aに実装されたワンチップマイコン53b、高周波トランス53c、モータ11の駆動用のリレー53d、信号の入出力や電源入力を行う信号線53e等の電装品により構成される。
【0035】
このような制御基板53は、
図3に示すように、電流検出部61と、電圧検出部62と、演算部63と、設定部64と、記憶部65と、駆動回路66と、制御部67と、を備えている。
【0036】
電流検出部61は、モータ11の電流値を測定する回路である。電圧検出部62は、モータ11に供給される電源電圧を測定する回路である。
【0037】
演算部63は、電流検出部61及び電圧検出部62に接続される。演算部63は、電圧検出部62で測定された電源電圧の波形から、ゼロクロス信号の立ち上がり回数をカウントする。演算部63は、このカウントしたゼロクロス信号から、電源電圧の周波数を判断可能に構成される。例えば、演算部63は、測定した電源電圧波形の1秒(以下、秒を「s」として示す)あたりのゼロクロス信号の立ち上がり回数が55回未満の場合には50Hzと、1sあたりゼロクロス信号の立ち上がり回数が55回以上の場合は60Hzと判断する。
【0038】
演算部63は、電流検出部61により運転時の電流を所定の時間、例えば0.125ms毎に測定し、所定の検出点数で一周期中の波形、即ち正値毎の極大電流値を判定し、極大値を決定する。また、演算部63は、判定された周波数に応じて、検出点数を変更する。具体例として、演算部63は、電源電圧の周波数が50Hzの場合には検出点数を80点に設定し、電源電圧の周波数が60Hzの場合には、検出点数を66点に設定する。
【0039】
また、演算部63は、電流検出部61で測定した運転電流の電流波形の一周期毎の極大値を記憶部65に記憶する。演算部63は、電流検出部61で測定された所定の時間内に得られた当該極大電流値の最大値と最小値を検出し、当該検出した最大値及び最小値を比較して、脈動判定を行うための最大値と最小値の比率である脈動比率kを求める。演算部63は、求めた脈動比率kを制御部67に送信する。
【0040】
設定部64は、外部から各値等を設定又は入力する入力部である。
【0041】
記憶部65には、ポンプ10の駆動を停止するか否かの判断を行う閾値が記憶されている。ここで、閾値は、モータ11の運転電流の電流波形の一周期毎の極大電流値の最大値と最小値の比である脈動比率kと比較する脈動判定比率k0であり、k0>1に設定される。記憶部65に記憶される脈動判定比率k0は、設定部64によって、単相・三相、出力(kW)等、水中ポンプ1のモータ11の種別に応じて設定される。また、記憶部65には、判定された周波数に応じた脈動判定比率k0がそれぞれ設定される。例えば、周波数が50Hzである場合における脈動判定比率k0は、k0=1.15乃至1.20に設定されるとともに、
また、記憶部65には、脈動判定比率k0の補正値cと、加算補正の上限値mが記憶されている。補正値c及び上限値mは、設定部64により任意に設定可能に構成される。補正値cは、例えば、脈動判定比率k0に加算又は加算後に減算する値であり、補正を行った場合には、k0=k0〜k0+cとなる。また、上限値mは、補正値cを脈動判定比率k0に加えたときの補正値cの累積値dの上限である。例えば、補正値cはc=0.03と設定される。補正回数をnとしたときに、累積値dはd=c×nで求められる。例えば、加算補正の上限値mはm=±0.15と設定される。
【0042】
また、記憶部65には、脈動判定比率k0を補正する条件が記憶されている。ここで、補正の条件としては、例えば、脈動比率k及び脈動判定比率k0の比較を開始したあと、渇水運転と判断するまでの一定時間T1、及び、脈動比率k及び脈動判定比率k0の比較を開始後、揚水運転を継続した一定時間T2である。例えば、記憶部65には、補正を行う条件である一定時間T1、T2が記憶される。例えば、一定時間T1は10秒が、一定時間T2は10分が設定される。
【0043】
ここで、脈動判定比率k0について説明する。まず、渇水運転として、水中ポンプ1により排水されて汚水槽の水位が低下し、渇水運転になった場合、液面が瞬時的にポンプ10の吸込口31より下がり、空気を吸い込むと、モータ11の電流の最大値が最も低い空転時の無負荷電流となる。また、液面の波立ちにより瞬間的に吸込口31より液面が上昇すると、吐出口32に接続された排水管内の水頭により加圧されて電流の最大値が増加する。このため、渇水運転においては、極大電流値の最大値と最小値の比率である脈動比率kが増減するように、一周期が0.6s程度の周期的な脈動挙動を示す。例えば、極大電流値の最大値と最小値の比率は約130%程度となる。
【0044】
これに対し、揚水運転においては、電流波形から求められる極大電流値の最大値と最小値の比率は、例えば100.3〜101.5%程度と、ほとんど脈動挙動を示さない。
【0045】
このため、脈動判定比率k0を、1よりも大きく、且つ、揚水運転時の極大電流値の最大値と最小値の比率である脈動比率kよりも大きい値とすることで、渇水運転であるのか、揚水運転であるのかを判断できる。
【0046】
駆動回路66は、制御部67からのモータ11の駆動及び停止の指令に基づいて、モータ11に電力の供給及び供給停止を行う回路である。駆動回路66は、制御基板53のリレー53d等により構成される。駆動回路66は、リレー53dを切り換えて、モータ11への電力の供給を停止する。
【0047】
制御部67は、電極51の電圧印加回路に、即ち電極51と電源アース(モータフレーム41)との間に交流電圧を印加するとともに、電極51及び電源アースとの間が一定時間、例えば1秒導通した場合には、駆動回路66にモータ11の駆動の指令を行う。制御部67は、判定された周波数に基づいて、記憶部65に記憶された脈動判定比率k0を選択する。
【0048】
制御部67は、演算部63で求めた脈動比率kを、閾値である、記憶部65に記憶され、選択した脈動判定比率k0と比較し、渇水運転であるか、又は、揚水運転であるかを判断する。制御部67は、脈動比率kが脈動判定比率k0以上である場合(k≧k0)には、渇水運転であるとして、駆動回路66にモータ11の停止指令を行う。また、制御部67は、脈動比率kが脈動判定比率k0未満である場合(k<k0)には、揚水運転と判断し、駆動回路66にモータ11の駆動を継続する指令を行う。
【0049】
制御部67は、所定の時間(0.125ms)毎に測定された極大電流値の最大値及び最小値の検出開始後、記憶部65に記憶された一定時間T1以内、例えば10秒以内に渇水運転と判断し、モータ11を停止した場合に、脈動判定比率k0に補正値cを加算する補正を行う。これは、電源電圧が低い場合には通常の揚水運転時においても、モータ11の電流の脈動比率が高くなる傾向があり、初期値の脈動判定比率k0以上となると、渇水運転でない場合であっても、渇水運転と判断されて誤動作する虞があるためである。
【0050】
また、制御部67は、記憶部65に記憶された一定時間T2が経過、例えば10分が経過した時点で渇水運転と判断しないで、且つ、脈動判定比率k0に補正値cを加算している場合には、以下の制御を行う。即ち、制御部67は、所定の時間(0.125ms)毎に測定された極大電流値の最大値及び最小値の検出開始後、駆動回路66にモータ11の強制停止の指令を行うとともに、補正値cが加算された脈動判定比率k0から減算する補正を行う。
【0051】
これは、電源電圧が高くなった場合に、渇水運転時のモータ11の電流の脈動比率が低くなる傾向があり、脈動判定比率k0に補正値cを加算していた場合に、渇水運転を検出できなくなる虞があるためである。
【0052】
また、補正による累積値dが上限値mとなった場合には、以降、制御部67は、累積値dが上限値mを超える補正を行わない。即ち、制御部67は、累積値dが上限値m以下となる補正のみを行う。
【0053】
次に、このように構成された水中ポンプ1の制御方法について、
図4の流れ図を用いて説明する。
電源が投入されると、演算部63は、電源電圧の周波数から検出点数を設定する(ステップST1)。次に、制御部67は、電極51に交流電圧を印加する。電極51及び電源アースが一定時間、例えば、1秒導通した場合に、制御部67は、水位が所定の水位となったと判断する。即ち、制御部67は、所定の水位を検出する(ステップST2)。次いで制御部67は、駆動回路66にモータ11の駆動の指令を行い、ポンプ10を駆動する(ステップST3)。
【0054】
ポンプ10が駆動されると、演算部63は、電流検出部61により0.125ms毎に測定された電流から極大電流値を判定し、極大電流値を決定する(ステップST4)。次いで、演算部63は、一周期毎の極大電流値を記憶部65に記憶する(ステップST5)。
【0055】
また、演算部63は、一定時間内に得られた当該極大電流値の最大値と最小値から、脈動比率kを求め(ステップST6)、脈動比率kを制御部67に送信する。
【0056】
制御部67は、当該脈動比率kと記憶部65に記憶された脈動判定比率k0とを比較し、渇水運転であるか、又は、揚水運転であるかを判断する(ステップST7)。具体的には、制御部67は、脈動判定比率k0よりも脈動比率kが大きいか否かを判断する。脈動比率kが脈動判定比率k0以上である場合(k≧k0)には、制御部67は渇水運転と判断し(ステップST7のYES)、駆動回路66にモータ11の停止指令を行い、ポンプ10を停止する(ステップST8)。
【0057】
制御部67は、脈動比率k及び脈動判定比率k0の比較を開始後から渇水運転と判断するまでの時間Tが、記憶部65に記憶された一定時間T1以内であるか否かを判断する(ステップST9)。時間Tが一定時間T1を超えている場合(ステップST9のNO)には、制御部67は、ステップST1で所定の水位を検出するまで待機する。
【0058】
時間Tが一定時間T1以下である場合(ステップST9のYES)には、制御部67は、補正値cを脈動判定比率k0に加算して脈動判定比率k0を補正し(ステップST10)、ステップST1で所定の水位を検出するまで待機する。なお、補正に際し、補正値cを脈動判定比率k0に加算すると、累積値dが上限値mを超える場合には、補正は行わない。
【0059】
また、ステップST7において、脈動比率kが脈動判定比率k0未満である場合(k<k0)には、制御部67は揚水運転と判断し(ステップST7のNO)、駆動回路66にモータ11の駆動を継続する指令を行う(ステップST11)。
【0060】
制御部67は、演算部63が極大電流値を決定し、そして一定時間内に得られた当該極大電流値の最大値と最小値の検出をした後、即ち、脈動比率k及び脈動判定比率k0の比較を開始後、揚水運転を継続した時間Tが一定時間T2を超えたか否かを判断する(ステップST12)。当該時間Tが一定時間T2を超えていない場合(ステップST12のNO)には、ステップST4に戻り、以下の工程を繰り返す。
【0061】
当該時間Tが一定時間T2を超えた場合(ステップST12のYES)には、制御部67は、駆動回路66にモータ11の停止指令を行い、ポンプ10を停止する(ステップST13)。換言すると、ステップST13として、制御部67は、一定時間T2を経過してもポンプ10を停止しなかった場合に、ポンプ10を強制停止する。次いで、制御部67は、加算補正が成されているか否かを判断する(ステップST14)。加算補正が成されている場合(ステップST14のYES)には、制御部67は、補正値cを脈動判定比率k0から減算して脈動判定比率k0を補正し(ステップST15)、ステップST2で所定の水位を検出するまで待機する。なお、加算補正が成されていない場合(ステップST14のNO)には、補正を行わず、ステップST2で所定の水位を検出するまで待機する。
【0062】
このように構成された水中ポンプ1によれば、一周期、即ち正値毎の極大電流値の最大値と最小値を比較し、当該最大値と最小値の脈動比率kが脈動判定比率k0以上である場合に、電流脈動が生じる渇水運転とみなし、ポンプ10を停止させる。このような制御により、水中ポンプ1は、確実に渇水運転を検出し、安定した停止制御を行うことが可能となる。また、電源電圧波形から求めたゼロクロス信号の立ち上がり回数に基づいて、電圧の周波数を判定し、当該判定した周波数に基づいて一周期毎の極大電流値の最大値及び最小値を検出することで、水中ポンプ1は、使用地域の違いによる電源周波数の相違があっても、渇水運転及び揚水運転を確実に判断することができる。
【0063】
また、水中ポンプ1は、補正値cを脈動判定比率k0に対して加算又は減算することで、電源電圧が基準値と違うことによる脈動の変化が生じても、確実に渇水運転を判定することができる。また、補正値cの累積値dに上限値mを設定することで、過渡的な電圧降下等による過度な補正が行われることを防止できる。
【0064】
上述したように本発明の一実施形態に係る水中ポンプ1によれば、モータ11の種別や電源周波数の相違があっても、渇水運転及び揚水運転を判断できる。
【0065】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、電極51は、交流電圧印加回路を有する構成を説明したがこれに限定されず、直流電圧を印加する直流電圧印加回路を備える構成であってもよく、また、例えば、100ms毎に、5msの間通電されるパルス状の直流電圧を印加する構成であってもよい。これは、水中ポンプ1が汚水槽及び下水道等に設置され、汚物等の異物を含む汚水を排水する用途であることから、長時間、電極51及びモータフレーム41間が導通することがなく、電気分解による電極腐食の虞が低い為であり、また、パルス状の直流電圧を印加することで、結露等による電極51及びモータフレーム41間の電気分解を極力防止できる。
【0066】
また、水中ポンプ1は、
図5に示す変形例のように、電極51に金属製のフランジを用いることができるとともに、当該電極51に下方に延びる電極棒51aを接続することで、起動水位の検出位置を変更することもできる。
【0067】
また、上述した例に加えて、水中ポンプ1は、ポンプ10の駆動中に、一定時間、例えば3秒間モータ11の電流がゼロの場合に、制御部67が、制御基板53のリレー53dをOFFし、モータ11への電力の供給を停止する指令を駆動回路へ行う構成としてもよい。
【0068】
即ち、モータ11の過熱が生じると、モータ11に内蔵された保護装置が動作してモータ11の電流がゼロとなることがある。モータ11の電流がゼロの場合には脈動比率kもゼロとなる。換言すると、ポンプ10は、保護装置のトリップにより停止しているが、制御基板53の出力はONのままであり、このため、保護装置の自動復帰に伴い、水位に関わらず、モータ11が駆動するという不具合が生じる。しかし、上記構成とすることで、保護装置のトリップによってモータ11の電流がゼロになり、且つ、一定時間経過したときに、リレー53dをOFFにすることで、水位にかかわらずモータ11が駆動するといった不具合を防止できる。
【0069】
また、上述した例では、モータ11の電流波形の極大電流値の最大値及び最小値を比較する構成を説明したがこれに限定されず、水中ポンプ1は、平均値や実効値を演算して比較して、脈動比率kを求める構成であってもよい。また、水中ポンプ1は、通電開始直後に判定された周波数に応じて、最大値と最小値との脈動判定比率k0を変更する構成としてもよい。このような構成の水中ポンプ1とすれば、同一出力のモータ11で周波数の違いにより、上記の最大値と最小値との比率が異なる場合であっても、上述の例と同様の効果を得ることが可能となる。
【0070】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【解決手段】水中ポンプ1は、ポンプ10と、ポンプ10に一体に接続されたモータ11と、モータ11の電流を測定する電流検出部61と、電流検出部61で一定時間内に測定された電流の電流波形の一周期毎の極大電流値の最大値と最小値を検出及び比較し、最大値及び最小値の比率である脈動比率kを求める演算部63と、1よりも大きい比率である脈動判定比率k0を記憶する記憶部65と、演算部63で求めた脈動比率kと記憶部65に記憶された脈動判定比率k0とを比較し、脈動比率kが脈動判定比率k0以上である場合に、ポンプ10を停止する制御部67と、を備える。