(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの接触面は、最初に前記状態スイッチ相互接続部から離脱されるように、そして、当該駆動機構の動作中に、電源・制御システムへの送信を完結させてユーザにフィードバックを与えるために、前記状態スイッチ相互接続部と係合させられるように構成されている、請求項5に記載の駆動機構。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、組込型状態表示を伴う駆動機構、そのような駆動機構を組み込む薬剤送達ポンプ、そのようなデバイスを動作させる方法、および、そのようなデバイスを組み立てる方法を提供する。本発明の駆動機構は、薬剤送達前、薬剤送達中、および、薬剤送達後にユーザにフィードバックを与える組込型の状態表示機能を提供する。例えば、システムがいつでも使えかついつでも薬剤を送達できる状態にあることを特定するために、ユーザに初期フィードバックが与えられてもよい。起動時に、その後、システムは、1つ以上の薬剤送達状態表示をユーザに与えてもよい。薬剤送達の完了時に、駆動機構および薬剤ポンプは、用量終端表示を与えてもよい。ピストンがその軸方向並進の終端に達することに用量終端表示が関与されるので、駆動機構および薬剤ポンプは、真の用量終端表示をユーザへ与える。また、本発明の実施形態は、薬剤用量のほぼ全体がユーザへ送達されているようにするため、および、正確なフィードバックをユーザに与えるべく状態表示機能が適切にコンタクトされているようにするために用量終端コンプライアンスを与える。これらの機構により、薬剤用量送達の確認をユーザまたは投与者に対して正確に与えることができる。したがって、本発明の新規なデバイスは、前述した問題など、従来技術のデバイスに関連する問題のうちの1つ以上を軽減する。
【0009】
第1の実施形態において、本発明は、組込型状態表示を有する駆動機構であって、駆動ハウジングと、状態スイッチ相互接続部と、駆動付勢部材と、ピストンと、キャップ、穿孔可能シール、バレル、および、プランジャシールを有する薬剤容器とを含む駆動機構を提供する。駆動付勢部材は、ピストンのインタフェース面に当接するように構成されてもよい。薬剤容器は、好ましくは、ユーザへ送達するための薬剤流体を収容してもよい。駆動機構は、穿孔可能シールに取り付けられる接続マウントを更に含んでもよい。例えば、付勢部材からピストンへの力のより均一な分配を行なうために、駆動付勢部材とピストンのインタフェース面との間でカバースリーブが利用されてもよい。接触スリーブが、駆動ハウジングの軸方向開口を通じて摺動可能に駆動ハウジングに装着されてもよく、それにより、接触スリーブの先端のスリーブフックは、インタフェース面とピストンの基端付近の接触突起との間でピストンと接触させられる。ピストンは、接触突起とピストンの基端との間にロック溝を含んでもよい。接触スリーブは、その基端に、径方向に延びるリングを有してもよく、このリング上に1つ以上の屈曲突起が存在する。
【0010】
駆動機構は、対応する構成要素上に配置される1つ以上の接触面を更に含んでもよい。そのような接触面は、電気的な接触面、機械的な接触面、または、電気機械的な接触面であってもよい。そのような接触面は、信号を電源・制御システムへ送るおよび/または電源・制御システムから送ることができるようにするために、最初に接触して離脱されてもよく、または、最初に取り外されて係合されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、本明細書中で更に記載されるように、接触面は、最初に取り外されて係合させられる電気的な接触面であってもよく、それにより、そのような係合時に、接触面は、エネルギー経路を継続することができ、あるいはそうでない場合は信号を電源・制御システムへ中継できる。本発明の他の実施形態において、接触面は、最初に接触して離脱される機械的な接触面であり、それにより、そのような離脱時、そのような離脱が電源・制御システムへ伝えられる。そのような信号は、1つ以上の相互接続部にわたって電源・制御システムへ伝えられてもよく、あるいは、機械的な作用によって電源・制御システムへ伝えられてもよい。そのような構成要素は、駆動機構の動作状態に関連する情報を測定して中継するために駆動機構内で利用されてもよく、この情報は、電源・制御システムによって、ユーザへの触覚フィードバック、聴覚フィルタ、および/または、視覚的フィードバックに変換されてもよい。接触面の電気的なあるいは機械的な性質にかかわらず、電源・制御システムへの信号の送信を可能にする構成要素の動きは、デバイスの動作中に接触スリーブを先端側方向に軸方向並進させる付勢部材によって可能にされる。
【0011】
駆動機構は、ピストンの軸方向貫通孔内の先端に摺動可能に装着されるピストン延出部と、ピストンの軸方向貫通孔内に装着されてピストン延出部とピストンとの間で最初に圧縮されるピストン延出部付勢部材と、随意的に、ピストン延出部付勢部材とピストン延出部との間にあるピストン付勢部材支持体とを含んでもよい。ピストン延出部は、該ピストン延出部の1つ以上の延出アームとピストンの1つ以上の対応する接続スロットとの間の相互作用によってピストン内に保持される。ピストン延出部は、薬剤容器からの薬剤流体のコンプライアンスプッシュを行なうために利用されてもよい。これに加えてあるいはこれに代えて、駆動機構は圧縮性プランジャシールを利用してもよく、そのような圧縮能力または圧縮長さは、薬剤容器からの薬剤流体のコンプライアンスプッシュを可能にする。他のコンプライアンス特徴が本明細書中で更に説明される。
【0012】
本発明の他の実施形態において、組込型の漸増状態表示を有する駆動機構は、駆動ハウジングと、駆動付勢部材と、ピストンと、ステム相互接続部が装着され、貼り付けられ、印刷され、またはその他の方法で取り付けられる漸増状態ステムと、キャップ、穿孔可能シール、バレル、および、プランジャシールを有する薬剤容器とを含み、漸増状態ステムは、駆動ハウジングおよびピストンの軸方向貫通孔内に存在する。漸増状態ステムは、漸増状態フィードバックをユーザに与えるために、ピストン上の1つ以上の接点と接触する1つ以上の相互接続部を有してもよい。同様に、漸増状態実施形態は、電気的、機械的、または、電気機械的な相互接続部および接点を利用してもよく、および/または、前述したコンプライアンス特徴のうちの1つ以上を利用してもよい。
【0013】
更なる実施形態において、本発明は、組込型状態表示を伴う薬剤送達ポンプを提供する。薬剤ポンプは、ハウジングとアセンブリプラットフォームとを含み、アセンブリプラットフォーム上には、起動機構、挿入機構、流体経路接続部、電源・制御システム、および、薬剤容器を有する駆動機構が装着されてもよい。駆動付勢部材は、ピストンのインタフェース面に当接するように構成されてもよい。薬剤容器は、好ましくは、ユーザへ送達するための薬剤流体を収容してもよい。駆動機構は、穿孔可能シールに取り付けられる接続マウントを更に含んでもよい。例えば、付勢部材からピストンへの力のより均一な分配を行なうために、駆動付勢部材とピストンのインタフェース面との間でカバースリーブが利用されてもよい。接触スリーブが、駆動ハウジングの軸方向開口を通じて摺動可能に該駆動ハウジングに装着されてもよく、それにより、接触スリーブの先端のスリーブフックは、インタフェース面とピストンの基端付近の接触突起との間でピストンと接触させられる。ピストンは、接触突起とピストンの基端との間にロック溝を含んでもよい。接触スリーブは、その基端に、径方向に延びるリングを有してもよく、このリング上に1つ以上の屈曲突起が存在する。駆動機構は、対応する構成要素上に配置される1つ以上の接触面を更に含んでもよい。そのような接触面は、電気的な接触面、機械的な接触面、または、電気機械的な接触面であってもよい。そのような接触面は、信号を電源・制御システムへ送り、および/または電源・制御システムから送ることができるようにするために、最初に接触して離脱されてもよく、または、最初に取り外されて係合されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、本明細書中で更に記載されるように、接触面は、最初に取り外されて係合させられる電気的な接触面であってもよく、それにより、そのような係合時に、接触面は、エネルギー経路を継続することができ、あるいはそうでない場合は、信号を電源・制御システムへ中継できる。本発明の別の実施形態において、接触面は、最初に接触して離脱される機械的な接触面であり、それにより、そのような離脱時、そのような離脱が電源・制御システムへ伝えられる。接触面の電気的なあるいは機械的な性質にかかわらず、電源・制御システムへの信号の送信を可能にする構成要素の動きは、デバイスの動作中に接触スリーブを先端側方向に軸方向並進させる付勢部材によって可能にされる。
【0014】
更なる別の実施形態において、本発明は、漸増状態表示を伴う薬剤送達ポンプを提供する。薬剤ポンプは、ハウジングとアセンブリプラットフォームとを含み、アセンブリプラットフォーム上には、起動機構、挿入機構、流体経路接続部、電源・制御システム、および、薬剤容器を有する駆動機構が装着されてもよく、また、薬剤ポンプは、ステム相互接続部が装着され、貼り付けられ、印刷され、またはその他の方法で、取り付けられる漸増状態ステムを更に含み、漸増状態ステムは、駆動ハウジングおよびピストンの軸方向貫通孔内に存在し、また、漸増状態ステムは、電源・制御システムへの送信を完結させてユーザへ漸増フィードバックを与えるために、ピストン上の1つ以上の接点と接触する1つ以上の相互接続部を有する。漸増状態表示を伴う薬剤送達ポンプは、同様に、電気的、機械的、または、電気機械的な相互接続部および接点を利用してもよく、および/または、前述したコンプライアンス特徴のうちの1つ以上を利用してもよい。
【0015】
本発明は、更に組み立て方法を提供する。薬剤容器は、最初に組み立てられて、流体が充填されてもよい。薬剤容器は、キャップ、穿孔可能シール、バレル、および、プランジャシールを含む。穿孔可能シールは、バレルの先端で、キャップとバレルとの間に係合固定されてもよい。バレルには、バレル58の基端からのプランジャシールの挿入前に、開放された基端を通じて薬剤流体が充填されてもよい。随意的な接続マウントが穿孔可能シールの先端に装着されてもよい。接続マウントは、薬剤容器のバレル内への流体経路接続部の穿孔部材の挿入を案内するように装着される。その後、薬剤容器が駆動ハウジングの先端に装着されてもよい。
【0016】
薬剤容器をハウジングに装着する前に、スイッチ状態相互接続部が駆動ハウジングの基端に装着されてもよい。先端に1つ以上のスリーブフックを有するとともに電気接点をその上に伴う基端にリングを有する接触スリーブが、駆動ハウジングの基端からの軸方向挿通によって駆動ハウジングに装着されてもよい。駆動付勢部材が駆動ハウジングの先端内へ挿入されてもよい。随意的に、カバースリーブが付勢部材を実質的に覆うように駆動ハウジングの先端内へ挿入されてもよい。ピストンが、駆動ハウジングの先端内へ挿入されて接触スリーブの軸方向通路に通されてもよく、その場合、ピストンの接触突起が接触スリーブのスリーブフックに近接するようになっている。ピストンおよび駆動付勢部材、ならびに、随意的なカバースリーブは、駆動ハウジング内へ押し込まれてもよい。そのような組み立ては、駆動付勢部材を初期の圧縮されたエネルギー蓄積状態に配置させるとともに、好ましくは、バレルの基端内でピストンインタフェース面をプランジャシールの基端面と接触した状態に配置する。ピストン延出部が使用されるときには、ピストン延出部およびピストン延出部付勢部材、ならびに、随意的なピストン付勢部材支持体が、構成要素の圧縮前に、ピストンの軸方向通路に押し込まれてもよい。これらの構成要素を駆動機構に組み込む前または後に、主要な容器が取り付けられてもよい。
【0017】
1つ以上の相互接続部または接点が状態表示のために利用される場合、そのような構成要素は、駆動機構への当該構成要素の組み付け前に、対応する構成要素に装着され、接続され、印刷され、あるいはその他の方法で、取り付けられてもよい。別個の漸増状態ステムおよび対応するステム相互接続部がそのような漸増状態表示のために利用される場合、ステム相互接続部が漸増状態ステムに装着され、貼り付けられ、印刷され、あるいはその他の方法で、取り付けられてもよく、その後、漸増状態ステムは、漸増状態ステムが、接触スリーブおよび駆動ハウジングの軸方向貫通孔内に存在するように接触スリーブの基端および/または駆動ハウジングの基端に組み付けられる。漸増状態ステムは、ピストンの軸方向貫通孔内に存在するように更に装着される。
【0018】
本発明の新規な実施形態は、デバイスの動作前、動作中、および、動作後に薬剤送達の漸増状態を与えることができるとともに、薬物用量のコンプライアンスを確保するための手段、すなわち、ほぼ全ての薬剤用量がユーザへ送達されるようにするための手段を与える組込型状態表示を伴う駆動機構を提供する。この明細書の全体にわたって、別段に示唆されなければ、「備える(comprise)」、「備える(comprises)」、「備えている」、または、「含む」あるいは「から成る」などの関連する用語は、排他的ではなく包括的に使用され、そのため、述べられた整数または整数群は、1つ以上の他の述べられていない整数または整数群を含んでもよい。以下で更に説明するように、本発明の実施形態は、医療機器産業界における標準的な構成要素と見なされてもよい1つ以上の更なる構成要素を含んでもよい。構成要素、および、そのような構成要素を含む実施形態は、本発明の意図する範囲内であり、本発明の広さおよび範囲の中に入ると理解されるべきである。
【0019】
本発明の以下の非限定的な実施形態は、以下の図面に関連して本明細書中で説明される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
駆動機構、薬剤送達ポンプ、または、本発明の構成要素の相対位置のいずれかを説明するために本明細書中で使用される「軸方向の」または「軸方向に」という用語は、一般に、長手方向軸線「A」を示し、この軸線周りに駆動機構が配置されるのが好ましいが、その周りで必ずしも対称的に配置されない。「径方向の」という用語は、一般に、軸線Aに対して垂直な方向のことである。「基端の」、「後側の」、「後方の」、「逆の」または「逆方向の」という用語は、一般に、軸方向の方向「P」のことである。「先端の」、「前側の」、「前方の」、「押圧され」または「順方向の」という用語は、一般に、軸方向の方向「D」のことである。本明細書中で使用される「ガラス」という用語は、環状オレフィン共重合体(COC)および環状オレフィン重合体(COP)などの特定の非反応性重合体を含むがこれらに限定されない、通常はガラスを必要とする医薬品グレード用途で用いるのに適した他の同様に反応しない材料を含むように理解されるべきである。「プラスチック」という用語は、熱可塑性高分子および熱硬化性高分子の両方を含んでもよい。熱可塑性高分子は、熱によってそれらの当初の状態へ再軟化され得るが、熱硬化性高分子は再軟化され得ない。本明細書中で使用される「プラスチック」という用語は、主に、例えば、一般に硬化剤、充填材、補強材、着色剤、および/または、可塑剤などの他の原材料も含みかつ熱および圧力を受けて形成されあるいは成形され得るポリエチレンやポリプロピレン、あるいは、アクリル樹脂などの成形可能な熱可塑性高分子のことである。本明細書中で使用される用語「プラスチック」は、プラスチックと相互作用できる治療液体あるいは普通ならプラスチックから液体に入ることができる置換基により分解され得る治療液体とそれらが直接に接触する用途で用いることが認可されるガラス、非反応性高分子、または、エラストマーを含むように意図されていない。「エラストマー」、「エラストマーの」、「エラストマー材料」という用語は、主に、プラスチックよりも容易に変形できるが医薬品グレード流体と共に使用することが認可されかつ常温下で圧力を受けて浸出またはガスマイグレーションを容易に起こし難い架橋熱硬化性ゴム状高分子のことである。「流体」という用語は、主に、液体のことであるが、液体中に分散される固体の懸濁物質、および、シリンジの流体収容部内の液体中に溶解されるあるいは普通なら前記液体中に一緒に存在する気体を含むこともできる。本明細書中に記載される様々な態様および実施形態によれば、例えばニードル、トラカール、および/または、カニューレの挿入または引き込みのための1つ以上の付勢部材の文脈などにおいて、「付勢部材」について言及する。付勢部材がエネルギーを蓄積して解放することができる任意の部材であってもよいことが分かる。非限定的な例は、例えばコイル状スプリング、圧縮スプリングまたは引張スプリング、ねじりスプリング、および、リーフスプリングなどのスプリング、弾性的に圧縮可能なバンドまたは弾性バンド、あるいは、同様の機能を有する任意の他の部材を含む。本発明の少なくとも1つの実施形態では、付勢部材がスプリング、好ましくは圧縮スプリングである。
【0022】
本発明の新規なデバイスは、組込型状態表示を伴う駆動機構と、そのような駆動機構を組み込む薬剤送達ポンプとを備える。そのようなデバイスは、安全であり、使用が容易であるとともに、自己投与する患者にとって審美的にかつ人間工学的に魅力がある。本明細書中に記載されるデバイスは、訓練を受けていないユーザであってもデバイスの起動、動作、および、ロックアウトが簡単な特徴を組み入れる。本発明の新規なデバイスは、既知の従来技術のデバイスと関連する問題のいずれをも伴うことなく、これらの望ましい特徴を与える。本明細書では、添付の図を参照して、新規な薬剤送達ポンプ、駆動機構、および、それらのそれぞれの構成要素の特定の非限定的な実施形態について更に説明する。
【0023】
本明細書中で使用される「ポンプ」という用語は、起動時に流体をユーザへ分配できる任意の数の薬剤送達システムを含むように意図される。そのような薬剤送達システムは、例えば、注入システム、輸液システム、ボーラス注入器、および、同様のものを含む。
図1A〜
図1Cは、本発明の少なくとも1つの実施形態に係る例示的な薬剤送達デバイスを示す。薬剤送達デバイスは、ユーザの身体内へ治療薬物を送達投与するために利用されてもよい。
図1A〜
図1Cに示されるように、薬剤ポンプ10はポンプハウジング12を含む。ポンプハウジング12は、薬剤ポンプのより容易な製造、組み立て、および、動作を円滑にするべく係合固定可能な1つ以上のハウジングサブコンポーネントを含んでもよい。例えば、薬剤ポンプ10は、上側ハウジング12Aと下側ハウジング12Bとを含むポンプハウジング12を含む。薬剤ポンプは、起動機構14、状態表示器16、および、窓18を更に含んでもよい。窓18は任意の半透明または透過性の表面であってもよく、該表面を通じて薬剤ポンプの動作を見ることができる。
図1Bに示されるように、薬剤ポンプは、アセンブリプラットフォーム20、滅菌流体導管、薬剤容器50を有する駆動機構100、挿入機構200、流体経路接続部300、および、電源・制御システム400を更に含む。そのような薬剤ポンプの構成要素のうちの1つ以上は、それらが例えば、別個の構成要素として予め組み付けられて製造中に薬剤ポンプ10のアセンブリプラットフォーム20上に位置するように構成されてもよいという点においてモジュールであってもよい。
【0024】
ポンプハウジング12は、デバイス構成要素の全てを収容するとともに、デバイス10をユーザの皮膚に取り外し可能に取り付ける手段を備える。ポンプハウジング12は、デバイス10の内部構成要素を環境の影響からも保護する。ポンプハウジング12は、訓練を受けていない、および/または身体的に障害があるかもしれないユーザによる容易な包装、保管、取扱、および、使用を円滑にするために、サイズ、形状、および、関連する特徴が人間工学的にかつ審美的に設計される。また、ポンプハウジング12の外面は、製品ラベル表示や安全に関する取扱説明を行なうために利用されてもよい。また、前述したように、ハウジング12は、動作フィードバックをユーザに与えてもよい状態表示器16および窓18などの特定の構成要素を含んでもよい。
【0025】
少なくとも1つの実施形態において、薬剤ポンプ10は、開始コマンドを電源・制御システム400へもたらすためにユーザにより移動される起動機構14を備える。好ましい実施形態において、起動機構は、ポンプハウジング12を貫通して、例えば上側ハウジング12Aと下側ハウジング12Bとの間の開口を貫通して配置されて、電源・制御システム400の制御アーム40と接触する開始ボタン14である。少なくとも1つの実施形態では、開始ボタン14がプッシュボタンであってもよく、また、他の実施形態では、開始ボタンは、ON/OFFスイッチ、トグル、または、当技術分野において知られる任意の同様の起動特徴であってもよい。また、ポンプハウジング12は、状態表示器16および窓18も備える。他の実施形態において、起動機構14、状態表示器16、窓18、および、これらの組み合わせのうちの1つ以上は、例えば薬剤ポンプ10がユーザの身体上に配置されているときにユーザに見える側など、上側ハウジング12A上または下側ハウジング12B上に設けられてもよい。以下、本発明の他の構成要素および実施形態に関連して、ハウジング12を更に詳しく説明する。
【0026】
薬剤ポンプは、起動機構のユーザによる押圧に伴う起動時に薬剤ポンプが始動されるように、すなわち、流体経路をユーザ内へ挿入するように、薬剤容器、流体経路、および、滅菌流体導管の間の必要な接続を可能にし、接続し、または、開放するように、および、薬剤容器内に蓄えられた薬剤流体をユーザへの送達のために流体経路と流体導管とを通じて押し進めるように構成される。例えば、薬剤ポンプの時期尚早の起動を防止するために、1つ以上の随意的な安全機構が利用されてもよい。例えば、1つの実施形態では、薬剤ポンプ10がユーザの身体と接触しない限り電源・制御システム400または起動機構を関与させることができないようにするための安全機能として、随意的な身体上センサ24(
図1Cに示される)が設けられてもよい。そのような1つの実施形態において、身体上センサ24は、それがユーザの身体と接触できる下側ハウジング12Bの底部に配置される。身体上センサ24の移動時に、起動機構の押圧が許容される。したがって、少なくとも1つの実施形態において、身体上センサ24は、起動機構14による薬剤ポンプ10のトリガを防止する、例えば機械的なロックアウトなどの機械的な安全機構である。別の実施形態において、身体上センサは、起動を許容するための信号を電源・制御システム400へ送る機械的なロックアウトなどの電気機械センサであってもよい。更なる他の実施形態において、身体上センサは、電源・制御システム400の起動を許容する前に組織を検出しなければならない、例えば容量に基づくセンサあるいはインピーダンスに基づくセンサなど、電気に基づくセンサであってもよい。これらの概念は互いに排他的ではなく、また、例えば薬剤ポンプの時期尚早の起動を防止するために1つ以上の組み合わせが本発明の範囲内で利用されてもよい。好ましい実施形態では、薬剤ポンプ10が1つ以上の機械的な身体上センサを利用する。本明細書において、新規な薬剤ポンプの他の構成要素に関連して、更なる組込型安全機構について説明する。
【0027】
電源・制御システム:
電源・制御システム400は、薬剤ポンプ内の様々な電気的構成要素にエネルギーを供給する電源、1つ以上のフィードバック機構、マイクロコントローラ、回路板、1つ以上の導電パッド、および、1つ以上の相互接続部を含む。当業者であれば分かるように、そのような電気システムで一般に使用される他の構成要素が含まれてもよい。1つ以上のフィードバック機構は、例えば、圧電アラームなどの警報器、および/または、発光ダイオード(LED)などの光表示器を含んでもよい。マイクロコントローラは、例えばマイクロプロセッサであってもよい。電源・制御システム400は、ユーザとのいくつかのデバイス相互作用を制御し、駆動機構100と連動する。1つの実施形態において、電源・制御システム400は、身体上センサ24および/または起動機構14が起動された時期を特定するために制御アーム40と連動する。電力・制御機構400は、視覚的なフィードバックをユーザへ与えるために光伝達を可能にする透過性材料または半透明材料であってもよいポンプハウジング12の状態表示器16と連動してもよい。電源・制御システム400は、起動、薬剤送達、および、用量終端などの状態表示を中継する1つ以上の相互接続部を介して駆動機構100と連動する。そのような状態表示は、聴覚トーンによって、例えば警報器により、および/または、視覚表示器を介して、例えばLEDにより、ユーザへ与えられてもよい。好ましい一実施形態では、ユーザによる起動まで、電源・制御システムと薬剤ポンプの他の構成要素との間の制御インタフェースが関与しないか、あるいは接続されない。これは、薬剤ポンプの偶発的動作を防止するとともに、保管中や輸送中などにおいて電源に含まれるエネルギーを維持できる望ましい安全機能である。
【0028】
電源・制御システム400は、いくつかの異なる状態表示器をユーザに与えるように構成されてもよい。例えば、電源・制御システム400は、身体上センサおよび/またはトリガ機構が押圧された後に、デバイス始動チェックがエラーを与えなければ、電源・制御システム400が状態表示器16を介して始動可能状態信号を与えるように構成されてもよい。始動可能状態信号を与えた後、随意的な身体上センサを伴う一実施形態では、身体上センサがユーザの身体と接触したままであれば、電源・制御システム400は、流体経路接続部300および滅菌流体導管30を通じて治療薬剤の送達を始めるために駆動機構100に給電する。本発明の好ましい一実施形態では、挿入機構200および流体経路接続部300が起動機構14のユーザ操作により直接に起動させられてもよい。薬剤送達プロセス中、電源・制御システム400は、状態表示器16を介して分配状態信号を与えるように構成される。薬剤がユーザの身体内へ投与された後であって、任意の更なるドウェル時間が終了した後に、ほぼ全ての用量がユーザへ送達されているようにするために、電源・制御システム400は、状態表示器16を介して取り外しオーケー状態信号を与えてもよい。これは、ユーザがポンプハウジング12の窓18を通じて駆動機構および薬剤用量送達を見ることにより独立して検証されてもよい。また、電源・制御システム400は、例えば故障または動作障害状況を示す警報などの1つ以上の警報信号を状態表示器16を介して与えるように構成されてもよい。
【0029】
他の電源・制御システム形態が、本発明の新規な薬剤ポンプと共に利用されてもよい。例えば、薬剤送達中に特定の起動遅延が利用されてもよい。前述したように、システム形態内に随意的に含まれる1つのそのような遅延は、ユーザへ完了の信号を送る前にほぼ全ての薬剤用量が送達されているようにするドウェル時間である。同様に、デバイスの起動は、薬剤ポンプ起動前の薬剤ポンプ10の起動機構14の押圧遅延(すなわち押し)を必要としてもよい。また、システムは、ユーザが、用量終端信号に応答して薬剤ポンプの動作を停止させるあるいは電源を切ることができるようにする特徴を含んでもよい。そのような特徴は、同様に、デバイスの偶発的な動作停止を防止するために、起動機構の押圧遅延を必要としてもよい。そのような特徴は、望ましい安全統合パラメータおよび使用容易パラメータを薬剤ポンプに与える。部分的な押圧、したがって、薬剤ポンプの部分的な起動を防止するために更なる安全機能が起動機構に組み込まれてもよい。例えば、起動機構および/または電源・制御システムは、部分的な起動を防止するためにデバイスが完全にOFFし、あるいは完全にONするように構成されてもよい。以下、そのような特徴を新規な薬剤ポンプの他の態様に関して、更に詳しく説明する。
【0030】
流体経路接続部:
流体経路接続部300は、滅菌流体導管30、穿孔部材、接続ハブ、および、滅菌スリーブを含む。流体経路接続部は、1つ以上の流量制限器を更に含んでもよい。デバイス10の適切な起動時に、流体経路接続部300は、滅菌流体導管30を駆動機構100の薬剤容器に接続できるようにされる。そのような接続は、ニードルなどの穿孔部材により、駆動機構100の薬剤容器の穿孔可能シールを貫くことによって容易にされてもよい。この接続部の滅菌性は、柔軟な滅菌スリーブ内で接続を行なうことによって維持されてもよい。挿入機構のほぼ同時の起動時に、薬剤容器と挿入機構との間の流体経路が仕上がり、ユーザの身体内への薬剤送達が可能となる。
【0031】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、ユーザの直接的な行動により、例えばユーザによる起動機構の押圧によって、流体経路接続部の穿孔部材が、駆動機構の薬剤容器の穿孔可能シールに貫通させられる。例えば、起動機構のその当初の位置からの移動が、流体経路接続部の移動を引き起こすように起動機構自体が流体経路接続部に当接してもよい。好ましい実施形態において、この接続は、ユーザが駆動機構を押圧し、それにより、穿孔部材を穿孔可能シールに押し通すことによって可能にされる。これは、ユーザにより望まれるまでこの穿孔可能シールが薬剤容器からの流体の流れを妨げるからである。そのような一実施形態では、薬剤容器のキャップと流体経路接続部の接続ハブとの間に圧縮性滅菌スリーブが取り付け固定されてもよい。穿孔部材は、流体接続経路と薬剤容器との間の接続が望まれるまで滅菌スリーブ内に存在してもよい。滅菌スリーブは、起動前に穿孔部材および流体経路の滅菌を確保するべく滅菌されてもよい。
【0032】
薬剤ポンプは、様々な粘度および量を伴う一連の薬剤を送達できる。薬剤ポンプは、制御された流量(速度)の薬剤または指定量の薬剤を送達できる。1つの実施形態において、薬剤送達プロセスは、流体経路接続部内および/または滅菌流体導管内の1つ以上の流量制限器によって制御される。他の実施形態では、流体流れ経路または送達導管の幾何学的形態を変えることにより、駆動機構の構成要素が薬剤容器内に押し進んで薬剤容器内の薬剤を分散させる速度を変えることにより、あるいは、これらの組み合わせにより、他の流量が与えられてもよい。流体経路接続部300および滅菌流体導管30に関する更なる他の詳細は、以下、他の実施形態に関連して後の節で与えられる。
【0033】
挿入機構:
本発明の薬剤ポンプ内で、いくつかの挿入機構が利用されてもよい。少なくとも1つの実施形態において、挿入機構200は、1つ以上のロックアウト窓を有する挿入機構ハウジングと、アセンブリプラットフォームおよび/またはポンプハウジング(
図1Bおよび
図1Cに示される)に接続するためのベースとを含む。アセンブリプラットフォーム20に対するベースの接続は、例えば、ユーザの身体に対するベースの直接的な接触を可能にするためにベースの底部がアセンブリプラットフォームの穴を通過できるようになっていてもよい。そのような形態において、ベースの底部は、薬剤ポンプ10の使用前に取り外すことができるシール膜を含んでもよい。挿入機構は、1つ以上の挿入付勢部材、ニードル、引き込み付勢部材、カニューレ、および、マニホールドを更に含んでもよい。マニホールドは、薬剤送達中にマニホールド、カニューレを通じたユーザの身体内への流量流れを可能にするために滅菌流体導管30に接続してもよい。
【0034】
本明細書中で使用される「ニードル」は、従来の中空ニードル、例えば硬質中空スチールニードル、および、より一般的には「トラカール」と称される中実コアニードルを含むがこれらに限定されない様々なニードルを示すべく意図される。好ましい一実施形態では、ニードルが27ゲージ中実コアトラカールであり、また、他の実施形態では、ニードルは、意図される薬剤タイプおよび薬剤投与(皮下投与、筋肉内投与、皮内投与など)のためのカニューレを挿入するのに適した任意のサイズのニードルであってもよい。ニードル挿入機構内で滅菌ブートが利用されてもよい。滅菌ブートは、基端でマニホールドと係合固定しかつ先端でベースと係合固定する折り畳み可能な膜である。少なくとも1つの実施形態において、滅菌ブートは、先端でベースと挿入機構ハウジングとの間に係合固定した状態で維持される。以下で更に説明するように、ベースがベース開口を含み、挿入機構の動作中にニードルおよびカニューレがこのベース開口を通過してもよい。カニューレおよびニードルの滅菌は、挿入機構の滅菌部内でのそれらの最初の位置決めによって維持される。具体的には、前述したように、ニードルおよびカニューレは、マニホールドおよび滅菌ブートの滅菌環境内に維持される。ベースのベース開口は、例えばシール膜254(
図1Cに示される)などにより、非滅菌環境からも同様に閉じられてもよい。
【0035】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、挿入機構は、最初に、挿入機構ハウジングのロックアウト窓内に最初に配置されるロックアウトピンにより使用可能段階へロックされる。この最初の形態では、挿入付勢部材および引き込み付勢部材がそれぞれ、それらの圧縮されたエネルギー蓄積状態に保持される。
図1Bに示されるように、ロックアウトピン208は、起動機構14のユーザ押圧によって直接に移動されてもよい。ユーザが、随意的な身体上センサ24(
図1Cに示される)などの任意の安全機構を外すと、起機機構14が押圧されて薬剤ポンプが始動してもよい。起動機構14の押圧は、制御アーム40の並進または移動を直接に引き起こしてもよく、また、挿入機構ハウジング202のロック窓202A内のロックアウトピン208のそれらの最初の位置からの移動を直接にあるいは間接に引き起こしてもよい。ロックアウトピン208の移動により、挿入付勢部材は、その最初の圧縮されたエネルギー蓄積位置から復元できる。挿入付勢部材のこの復元は、ニードルおよびカニューレをユーザの身体内に推し進める。挿入段階の終わりに、引き込み付勢部材がその最初のエネルギー蓄積状態から基端側方向に拡張することが許容される。引き込み付勢部材の基端側方向でのこの軸方向拡張は、カニューレをユーザの身体との流体連通状態に維持しつつ、ニードルを引き込む。したがって、挿入機構は、ニードルおよびカニューレをユーザ内へ挿入し、その後、ユーザの身体への薬剤送達のための位置にカニューレを保持しつつニードルを引き込むために使用されてもよい。
【0036】
駆動機構:
図2および
図3に示される実施形態を参照すると、駆動機構100は、駆動ハウジング130と、状態スイッチ相互接続部132と、キャップ52、穿孔可能シール56、バレル58、および、プランジャシール60を有する薬剤容器50とを含む。薬剤容器は、挿入機構および薬剤ポンプを通じたユーザの身体内への送達のために、穿孔可能シールとプランジャシールとの間のバレル内に薬剤流体を収容してもよい。本明細書中に記載されるシールは、いくつかの材料から構成されてもよいが、好ましい一実施形態では、1つ以上のエラストマーまたはゴムから構成される。駆動機構は、薬剤容器50のバレル58内への流体経路接続部の穿孔部材の挿入を案内するための接続マウント54を更に含んでもよい。駆動機構100は、本明細書中で更に説明するように、1つ以上の駆動付勢部材、1つ以上の解放機構、および、1つ以上のガイドを更に含んでもよい。駆動機構の構成要素は、流体経路接続部、滅菌流体導管、および、挿入機構を通じたユーザの身体内への送達のために、薬剤容器からの流体を穿孔可能シールを通じてあるいは好ましくは流体経路接続部の穿孔部材を通じて押し出すように機能する。
【0037】
駆動機構は、対応する構成要素上に配置される1つ以上の接触面を更に含んでもよい。そのような接触面は、電気的な接触面、機械的な接触面、または、電気機械的な接触面であってもよい。そのような接触面は、信号を電源・制御システム400へ送る、および/または電源・制御システム400から送ることができるようにするために、最初に接触して離脱されてもよく、または、最初に取り外されて係合されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、本明細書中で更に記載されるように、接触面は、最初に取り外されて係合させられる電気的な接触面であってもよく、それにより、そのような係合時に、接触面は、エネルギー経路を継続することができ、あるいはそうでない場合は、信号を電源・制御システム400へ中継できる。本発明の別の実施形態において、接触面は、最初に接触して離脱される機械的な接触面であり、それにより、そのような離脱時、そのような離脱が電源・制御システム400へ伝えられる。そのような信号は、1つ以上の相互接続部132にわたって電源・制御システム400へ伝えられてもよく、あるいは、機械的な作用によって電源・制御システム400へ伝えられてもよい。そのような構成要素は、駆動機構の動作状態に関連する情報を測定して中継するために駆動機構内で利用されてもよく、該情報は、電源・制御システム400によって、ユーザへの触覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、および/または、視覚的フィードバックに変換されてもよい。そのような実施形態については本明細書中で更に説明する。接触面の電気的なあるいは機械的な性質にかかわらず、電源・制御システム400への信号の送信を可能にする構成要素の動きは、デバイスの動作中に接触スリーブ140を先端側方向に軸方向並進させる付勢部材122によって可能にされる。
【0038】
1つの特定の実施形態において、駆動機構100は、1つ以上の圧縮スプリングを付勢部材として使用する。ユーザによる薬剤ポンプの起動時、電源・制御システムは、圧縮スプリングをエネルギー蓄積状態から直接にあるいは間接に解放するように作動されてもよい。解放時、圧縮スプリングは、薬剤容器から薬剤を押し出すべくプランジャシールに当接して作用してもよい。流体経路接続部は、薬剤容器から流体経路接続部、滅菌流体導管、および、挿入機構を通じたユーザの身体内への薬剤送達のための流体の流れを可能にするべく、駆動機構の起動前に、起動と同時に、あるいは、起動後に、穿孔可能シールを介して接続されてもよい。少なくとも1つの実施形態において、流体は、挿入機構のマニホールドおよびカニューレのみを通じて流れ、それにより、薬剤送達前および薬剤送達中に流体経路の滅菌が維持される。以下、そのような構成要素およびそれらの機能について更に詳しく説明する。
【0039】
ここで、
図3に示される駆動機構の実施形態を参照すると、駆動機構100は、キャップ52、穿孔可能シール56、バレル58、および、プランジャシール60、および随意的に接続マウント54を有する薬剤容器50を含む。薬剤容器50は駆動ハウジング130の先端に装着される。駆動ハウジング130内では、薬剤容器50とハウジング130の基端との間で、駆動付勢部材122およびピストン110が圧縮され、この場合、本明細書中で更に説明されるように、駆動付勢部材122は、ピストン110のインタフェース面110Cに当接するように構成される。随意的に、例えば、駆動付勢部材122からピストン110への力の分配を更に促進させるため、駆動付勢部材122の座屈を防止するため、および/または、付勢部材をユーザの視界から隠すために、駆動付勢部材122とピストン110のインタフェース面110Cとの間でカバースリーブ120が利用されてもよい。ピストン110のインタフェース面110Cは、シール60の基端にほぼ隣接してあるいはシール60の基端と接触して載置される。
【0040】
駆動機構100は、状態スイッチ相互接続部132を先端に装着されて更に含む。駆動ハウジング130には、該ハウジング130の軸方向開口を通じて、接触スリーブ140が摺動可能に装着され、それにより、接触スリーブ140の先端のスリーブフック140Bが、インタフェース面110とピストン110の基端付近の接触突起110Bとの間でピストン110と接触させられる。ピストン110は、接触突起110Bとピストン110の基端との間にロック溝110Aも含む。接触スリーブ140は、その基端に、径方向に延びるリング140Cを有し、このリング上に1つ以上の屈曲突起140Aが存在する。電気接点134がリング140Cに接続され、装着され、印刷され、あるいはその他の方法で実装されてもよく、この電気接点134は、駆動機構の動作中に、対応する状態スイッチ相互接続部132と接触して、電気回路を完成させあるいはそうでない場合は電源・制御システムへの送信を可能にし、ユーザへフィードバックを与えることができる。
【0041】
駆動機構100の構成要素は、起動時、薬剤容器50のプランジャシール60の先端方向での軸方向並進をもたらすために使用されてもよい。随意的に、駆動機構100は、プランジャシール60の更なる軸方向並進によって、例えば薬剤のほぼ全体をユーザへ送達できているようにするとともにフィードバック接触機構が確実に接続できるようにする1つ以上のコンプライアンス機能を含んでもよい。例えば、本発明の1つの実施形態において、スリーブフック140Bは、ピストン110に対する駆動付勢部材122による力の十分な印加時に、薬剤容器からの薬剤流体のコンプライアンスプッシュのためのプランジャシール60の更なる軸方向並進をもたらすべく、インタフェース面110Cがスリーブフック140Bを越えて軸方向に並進できるようにするのを許容し得る屈曲アームである。これに加えてあるいはこれに代えて、プランジャシール60は、それ自体、薬剤容器からの薬剤流体のコンプライアンスプッシュを可能にする幾らかの圧縮性を有してもよい。
【0042】
本発明の少なくとも1つの実施形態において、薬剤容器からの薬剤流体のコンプライアンスプッシュは、ピストン延出部102によって可能にされる。そのような実施形態において、駆動機構100は、ピストン110の軸方向貫通孔内の先端に摺動可能に装着されるピストン延出部102を更に含む。ピストン延出部102は、
図4A〜
図4Eに示されるように、ピストン延出部102の延出アーム102Bとピストン110の接続スロット110Dとの間の相互作用によってピストン110内に保持されてもよい。ピストン延出部は、ピストン110の軸方向貫通孔内に装着されてピストン延出部102とピストン110との間で最初に圧縮されるピストン延出部付勢部材106によって駆動されてもよい。例えば、ピストン延出部付勢部材106からピストン延出部102への力のより均一な分配を促進させるために、随意的なピストン付勢部材支持体104が、ピストン延出部付勢部材106とピストン延出部102との間で利用されてもよい。以下、随意的なピストン延出部の機能について更に詳しく説明する。
【0043】
本発明の新規な駆動機構は、状態表示を薬剤用量送達に組み入れる。1つ以上の状態スイッチ相互接続部と1つ以上の対応する電気接点との使用により、動作前、動作中、および、動作後における駆動機構の状態を電源・制御システムへ中継してフィードバックをユーザへ与えることができる。そのようなフィードバックは、前述したように、触覚的フィードバック、視覚的フィードバック、および/または、聴覚的フィードバックであってもよく、また、デバイスの使用中に複数の信号またはタイプのフィードバックがユーザへ与えられるように冗長であってもよい。例えば、システムがいつでも使えかついつでも薬剤を送達できる状態にあることを特定するために、ユーザに初期フィードバックが与えられてもよい。起動時に、その後、システムは、1つ以上の薬剤送達状態表示をユーザに与えてもよい。薬剤送達の完了時に、駆動機構および薬剤ポンプは、用量終端表示を与えてもよい。ピストンがその軸方向並進の終端に達することに用量終端表示が関与されるため、駆動機構および薬剤ポンプは真の用量終端表示をユーザへ与える。
【0044】
図2および
図3に示されるような少なくとも1つの実施形態では、薬剤容器50のバレル58内でのピストン110およびプランジャ60の軸方向移動の終端で状態スイッチ相互接続部132が電気接点134と接触させられた時点で、用量終端状態表示がユーザに与えられてもよい。更なる一実施形態では、動作中に、薬剤送達の様々な段階を中継する漸増状態表示をユーザに伝えることができる。1つのそのような実施形態において、カバースリーブ120のスリーブフック140Bは、動作中にピストン110の外面上の1つ以上の電気接点と接触する1つ以上の相互接続部を有してもよい。ピストン110が先端方向で軸方向に並進してプランジャシール60を先端側に押圧し、それにより、薬剤容器から穿孔可能シール端を通じて流体を押し出すと、ピストン110の電気接点がスリーブフック140Bの相互接続部と連続的に接触して動作の漸増状態を中継できる。ピストン110の外面上に配置される電気接点の数に応じて、漸増状態表示の頻度が望み通りに変えられてもよい。接点および相互接続部の位置が置き換えられてもよく、あるいは、電気回路の完成を可能にするか、あるいはそうでない場合は構成要素間の送信を可能にするいくつかの他の構成において、接点および相互接続部の位置が置き換えられてもよい。
【0045】
図5および
図6に示される駆動機構500の別の実施形態において、漸増状態表示は、別個の漸増状態ステム650と、対応するステム相互接続部652とによって測定されて中継されてもよい。ステム相互接続部652は、漸増状態ステム650に装着され、貼り付けられ、印刷され、あるいはその他の方法で、取り付けられてもよい。漸増状態ステム650は、漸増状態ステム650が接触スリーブ640および駆動ハウジング630の軸方向貫通孔内に存在するように接触スリーブ640の先端および/または駆動ハウジング630の先端に装着される静的な構成要素であってもよく、すなわち、漸増状態ステムは移動しない、あるいは並進しない。漸増状態ステム650は、ピストン610の軸方向貫通孔内に更に存在してもよい。本発明のそのような実施形態では1つ以上の接点がピストン610の内面上に配置されてもよく、その場合、それらの接点が漸増状態ステム650上の1つ以上の対応する相互接続部と連続的に連動するようになっている。ピストン610が先端方向で軸方向に並進してプランジャシール60を先端側に押圧し、それにより、薬剤容器から穿孔可能シール端を通じて流体を押し出すと、ピストン610の電気接点が漸増状態ステム650の相互接続部と連続的に接触して動作の漸増状態を中継できる。電気接点の数に応じて、漸増状態表示の頻度が望み通りに変えられてもよい。接点および相互接続部の位置が置き換えられてもよく、あるいは、電気回路の完成を可能にするか、あるいはそうでない場合は構成要素間の送信を可能にするいくつかの他の形態において、接点および相互接続部の位置が置き換えられてもよい。
【0046】
図7は、
図5に示される駆動機構の、駆動機構動作中における実施形態の断面図を示す。図示のように、漸増状態ステム650は、漸増状態ステム650が接触スリーブ640および駆動ハウジング630の軸方向貫通孔内に存在するように接触スリーブ640の先端および/または駆動ハウジング630の先端に装着される静的な構成要素であってもよい。ピストン610が先端方向で(すなわち、中実の矢印の方向で)軸方向に並進してプランジャシール60を先端側に押圧すると、ピストン610の電気接点が漸増状態ステム650の相互接続部と連続的に接触して、ステム相互接続部652を介して動作の漸増状態を中継できる。その結果、駆動機構の漸増状態、したがって薬剤送達の状態を、デバイスの使用中にユーザに伝えることができる。
【0047】
次に、
図2〜
図3に示される実施形態に戻って、新規な駆動機構の更なる態様を
図4A〜
図4Eに関連して説明する。これらの態様のうちの1つ以上は、
図5に示される実施形態において、あるいは、本明細書中に記載される実施形態によりとらえられる任意の他の変形形態において同様に利用されてもよい。
図4Aは、少なくとも第1の実施形態に係る、駆動機構のその初期ロック段階中における断面図を示す。薬剤流体などの流体は、ユーザへの送達のため、プランジャシール60と穿孔可能シール56との間でバレル58内に収容されてもよい。ユーザによる起動時、流体経路接続部が穿孔可能シール56を介して薬剤容器に接続されてもよい。前述したように、この流体接続は流体経路接続部の穿孔部材によって容易にされてもよく、該穿孔部材は、ユーザの身体への薬剤流体の送達のために、穿孔可能シールを穿孔して、薬剤容器から流体経路接続部、流体導管、挿入機構、および、カニューレを通じた流体経路を完成させる。最初に、1つ以上のロック機構(図示せず)がピストン110のロック溝110A内に存在してもよい。ユーザによるデバイスの起動時に直接にあるいは間接に、ロック機構がピストン110のロック溝110Aから取り外されて、駆動機構の動作が許容されてもよい。
【0048】
図4Aに示されるように、ピストン延出部付勢部材106および駆動付勢部材122の両方が最初に圧縮されたエネルギー蓄積状態にある。駆動付勢部材122は、デバイスの起動まで、駆動ハウジング130の内部機能部とピストン110のインタフェース面110Cとの間でこの状態に維持されてもよい。ロック機構がピストン110のロック溝110Aから取り外されると、駆動付勢部材122は、先端方向で(すなわち、中実の矢印の方向で)軸方向に拡張する(すなわち、復元する)ことが許容される。そのような拡張により、駆動付勢部材122がインタフェース面110Cおよびピストン110に作用してこれらを先端側に並進させ、それにより、プランジャ60を先端側へ並進させて、薬剤流体をバレル58から押し出す。ピストン110の先端側への並進は、そのような随意的な特徴がデバイスに組み込まれると、ピストン延出部付勢部材106およびピストン延出部102の先端側への並進を引き起こす。
図4Bに示されるように、ピストン110およびプランジャシール60のそのような先端側への並進は、流体の流れをバレル58から穿孔可能シール56を通じて押し進め続ける。状態スイッチ相互接続部132は、
図4Cに示されるように、1つ以上の屈曲突起140Aによって時期尚早に電気接点134と接触することが防止される。あるいは、同じ機能を得るために、屈曲突起140Aに加えてあるいは屈曲突起140Aに代えて、低力スプリングまたは他の抵抗機構が利用されてもよい。ピストン110の先端側の並進中、スリーブフック140Bがピストン110の外面と摺動可能に接触してもよい。前述したように、駆動機構の動作中に漸増状態表示を与えるために、これらの構成要素に相互接続部および電気接点が配置されてもよい。
【0049】
駆動機構100が用量終端に近づく、あるいは達すると、駆動付勢部材122の復元力によって屈曲突起140Aが外側に(すなわち、中空の矢印の方向に)屈曲させられてもよい。屈曲突起140Aのそのような屈曲により、状態スイッチ相互接続部132が電気接点134と接触することができ、それにより、回路が完成され、あるいはそうでない場合は、電源・制御システムへの送信が可能になって、ユーザにフィードバックを与えてもよい。この段階で、状態スイッチ相互接続部132が電気接点134と接触していることを確保し、および/またはほぼ全ての薬剤用量が送達されているようにするために、1つ以上の送達コンプライアンス機構が利用されてもよい。例えば、本発明の1つの実施形態において、スリーブフック140Bは、ピストン110に対する駆動付勢部材122による力の十分な印加時に、薬剤容器からの薬剤流体のコンプライアンスプッシュのためのプランジャシール60の更なる軸方向並進をもたらすべく、インタフェース面110Cがスリーブフック140Bを越えて軸方向に並進できるようにするのを許容し得る屈曲アームである。これに加えてあるいはこれに代えて、プランジャシール60は、それ自体、薬剤容器からの薬剤流体のコンプライアンスプッシュを可能にする幾らかの圧縮性を有してもよい。例えば、ポップアウトプランジャシールが使用されると、すなわち、初期状態から変形できるプランジャシールが使用されると、プランジャシールは、変形させられ、あるいは「飛び出され」、薬剤容器からの薬剤流体のコンプライアンスプッシュをもたらしてもよい。
【0050】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、薬剤容器からの薬剤流体のコンプライアンスプッシュがピストン延出部102によって可能にされる。そのような実施形態において、駆動機構100は、ピストン110の軸方向貫通孔内の先端に摺動可能に装着されるピストン延出部102を更に含む。ピストン延出部102は、
図4Dに示されるように、ピストン延出部102の延出アーム102Bとピストン110の接続スロット110Dとの間の相互作用によってピストン110内に保持されてもよい。ピストン延出部は、ピストン110の軸方向貫通孔内に装着されてピストン延出部102とピストン110との間で最初に圧縮されるピストン延出部付勢部材106によって駆動されてもよい。例えば、ピストン延出部付勢部材106からピストン延出部102への力のより均一な分配を促進させるために、随意的なピストン付勢部材支持体104がピストン延出部付勢部材106とピストン延出部102との間で利用されてもよい。
【0051】
ピストン110がバレル58内でのその移動終端に達すると、ピストン延出部付勢部材106により及ぼされる力によってピストン延出部102が先端方向で軸方向に移動することが許容されてもよい。この段階で、ピストン延出部付勢部材106が先端方向で軸方向に拡張する(すなわち、復元する)ことが許容され、それにより、
図4Dに示されるように、ピストン延出部102の延出アーム102Bがピストン110の接続スロット110D内で先端側に(すなわち、中実の矢印の方向に)並進してもよい。
図4Eに示されるように、ピストン延出部102のそのような先端側への(すなわち、斜線の矢印の方向への)並進は、薬剤容器からの薬剤流体の(
図4Eに寸法「C」により示される)コンプライアンスプッシュを可能にする。ピストン延出部102は、延出アーム102Bが接続スロット110Dの先端と接触して該先端に力を加えることによりピストン110を更に先端側に(すなわち、斜線の矢印の方向に)並進させるように構成されてもよい。ピストン110のこの更なる先端側への並進は、状態スイッチ相互接続部132が接点134と係合することを確保するために利用されてもよい。
【0052】
前述したように、本発明の新規な駆動機構は、状態表示を薬剤用量送達に組み入れる。ピストンの軸方向並進に、したがってプランジャシールの軸方向並進に用量終端状態表示機構を組み入れることにより、真で正確な用量終端表示がユーザに与えられてもよい。対応する構成要素の1つ以上の接触面の使用により、動作前、動作中、および、動作後における駆動機構の状態を電源・制御システムへ中継してフィードバックをユーザへ与えることができる。そのようなフィードバックは、前述したように、触覚的フィードバック、視覚的フィードバック、および/または、聴覚的フィードバックであってもよく、また、デバイスの使用中に複数の信号またはタイプのフィードバックがユーザへ与えられるように冗長であってもよい。前述した
図4A〜
図4Eは、薬剤容器50のバレル58内でのピストン110およびプランジャ60の軸方向移動の終端で、状態スイッチ相互接続部132が電気接点134と接触させられた時点で、用量終端状態表示をユーザに与える構成を示す。前述したように、本明細書中に記載される新規なデバイスは、動作中に、薬剤送達の様々な段階を中継するための漸増状態表示をユーザに更に与えてもよい。1つのそのような実施形態において、カバースリーブ120のスリーブフック140Bは、動作中にピストン110の外面上の1つ以上の電気接点と接触する1つ以上の相互接続部を有してもよい。接触スリーブ140のスリーブフック140Bとピストン110の接触突起110Bとの間の接触時に冗長な用量終端表示が利用されてもよい。ピストン110に沿う電気的な接点または相互接続部は、動作の漸増状態を中継するためにスリーブフック140Bの対応する相互接続部または接点と連続的に接触してもよい。ピストン110の外面上に配置される電気接点の数に応じて、漸増状態表示の頻度が望み通りに変えられてもよい。接点および相互接続部の位置が置き換えられてもよく、あるいは、電気回路の完成を可能にする、あるいはそうでない場合は構成要素間の送信を可能にするいくつかの他の構成において、接点および相互接続部の位置が置き換えられてもよい。
【0053】
図5〜
図7に示される駆動機構500の別の実施形態において、漸増状態表示は、別個の漸増状態ステム650と対応するステム相互接続部652とによって測定されて中継されてもよい。
図7に示されるように、漸増状態ステム650は、漸増状態ステム650が接触スリーブ640および駆動ハウジング630の軸方向貫通孔内に存在するように、接触スリーブ640の先端および/または駆動ハウジング630の先端に装着される静的な構成要素であってもよい。ピストン610が先端方向で(すなわち、中実の矢印の方向で)軸方向に並進してプランジャシール60を先端側に押圧すると、ピストン610の電気接点が漸増状態ステム650の相互接続部と連続的に接触して、ステム相互接続部652を介して動作の漸増状態を中継できる。電気接点の数に応じて、漸増状態表示の頻度が望み通りに変えられてもよい。接点および相互接続部の位置が置き換えられてもよく、あるいは、電気回路の完成を可能にする、あるいはそうでない場合は構成要素間の送信を可能にするいくつかの他の構成において、接点および相互接続部の位置が置き換えられてもよい。それに応じて、デバイスの使用中に、駆動機構の漸増状態、したがって薬剤送達の状態がユーザに伝えられてもよい。
【0054】
図8および
図9A〜
図9Cに示される駆動機構の更なる一実施形態において、駆動機構1000は、機構100または機構500と同様であってもよく、また、そのような実施形態のそれぞれの構成要素および機能を組み込むが、前述したような電気的な接触面の代わりに機械的な接触面を利用する。
図8は、本発明の更なる一実施形態に係る駆動機構1000の斜視図を示す。
図9A〜
図9Cは、初期非作動状態、作動状態において機構が薬剤送達の完了に近づくとき、および、機構が薬剤送達を完了して用量終端信号を引き起こすときの
図8に示される駆動機構の断面図を示す。そのような実施形態では、状態スイッチ相互接続部が機械的なトリガ1150であり、接触面がピン1140Pである。
図9Aに示されるように、随意的なピストン延出部付勢部材1106および駆動付勢部材1122の両方が最初に圧縮されたエネルギー蓄積状態にある。駆動付勢部材1122は、デバイスの起動まで、駆動ハウジング1130の内部機能部とピストン1110のインタフェース面1110Cとの間でこの状態に維持されてもよい。ロック機構がピストン1110のロック溝1110Aから取り外されると、駆動付勢部材1122は、先端方向で(すなわち、中実の矢印の方向で)軸方向に拡張する(すなわち、復元する)ことが許容される。そのような拡張により、駆動付勢部材1122がインタフェース面1110Cおよびピストン1110に作用してこれらを先端側に並進させ、それにより、プランジャ1060を先端側へ並進させて、薬剤流体をバレル1058から押し出す。ピストン1110の先端側への並進は、そのような随意的な特徴がデバイスに組み込まれると、ピストン延出部付勢部材1106およびピストン延出部1102の先端側への並進を引き起こす。
【0055】
図9Bに示されるように、ピストン1110およびプランジャシール1060のそのような先端側への並進は、流体の流れをバレル58から穿孔可能シール1056を通じて押し進め続ける。前述したように、駆動機構の動作中に漸増状態表示を与えるために、これらの構成要素に相互接続部および電気接点が配置されてもよい。
図9Cに示されるように、駆動機構1000が用量終端に達すると、ピン1140Pが機械的なトリガ1150から離脱して、電源・制御システム400への送信が可能になり、ユーザへフィードバックが与えられる。そのような1つの実施形態において、機械的なトリガ1150からのピン1140Pの離脱により、トリガは、それが定荷重スプリング1170などの付勢部材により付勢されるので回転する。最初に、定荷重スプリング1170が機械的なトリガ1150をピン1140Pに抗して付勢する。ピン1140Pの軸方向並進時、前述したように、ピン1140Pがトリガ1150から離脱し、その後、トリガは、ユーザへのフィードバックの送信を可能にするために、回転し、あるいはそうでない場合は移動される。この段階で、ピン1140Pが機械的なトリガ1150から離脱していることを確保し、および/またはほぼ全ての薬剤用量が送達されているようにするために、前述したような1つ以上の送達コンプライアンス機構が利用されてもよい。
【0056】
駆動機構100、薬剤送達ポンプ10、または、個々の構成要素のうちのいずれかの組み立ておよび/または製造は、当該技術分野において知られるいくつかの材料および方法を利用してもよい。例えば、構成要素および/またはデバイスを洗浄するために、イソプロピルアルコールおよびヘキサンなどのいくつかの既知の洗浄流体が使用されてもよい。いくつかのの既知の粘着剤または接着剤が同様に製造プロセスで使用されてもよい。また、新規の構成要素およびデバイスの製造中に既知のシリコン化流体および/または潤滑流体およびプロセスが使用されてもよい。更に、最終製品の滅菌を確保するために、製造段階または組み立て段階のうちの1つ以上で既知の滅菌プロセスが使用されてもよい。
【0057】
駆動機構は、いくつかの方法で組み立てられてもよい。1つの組み立て方法において、薬剤容器50は、最初に組み立てられて、ユーザへ送達するための流体が充填されてもよい。薬剤容器50は、キャップ52、穿孔可能シール56、バレル58、および、プランジャシール60を含む。穿孔可能シール56は、バレル58の先端で、キャップ52とバレル58との間に係合固定されてもよい。バレル58には、バレル58の基端からのプランジャシール60の挿入前に、開放された基端を通じて薬剤流体が充填されてもよい。随意的な接続マウント54が、穿孔可能シール56の先端に装着されてもよい。接続マウント54は、薬剤容器50のバレル58内への流体経路接続部の穿孔部材の挿入を案内するために装着される。その後、薬剤容器が駆動ハウジング130の先端に装着されてもよい。
【0058】
1つ以上のスイッチ状態相互接続部132が駆動ハウジング130の基端に装着されてもよい。先端に1つ以上のスリーブフック140Bを有するとともに電気接点134をその上に伴う基端にリング140Cを有する接触スリーブ140が、駆動ハウジング130の基端からの軸方向挿通によって駆動ハウジング130に装着されてもよい。駆動付勢部材122が駆動ハウジング130の先端内へ挿入されてもよい。随意的に、カバースリーブ120が付勢部材122を実質的に覆うように駆動ハウジング130の先端内へ挿入されてもよい。ピストンが、駆動ハウジング130の先端内へ挿入されて接触スリーブ140の軸方向通路に通されてもよく、その場合、ピストン110の接触突起110Bが接触スリーブ140のスリーブフック140Bに近接するようになっている。ピストン110および駆動付勢部材122、ならびに、随意的なカバースリーブ120は、駆動ハウジング130内へ押し込まれてもよい。そのような組み立ては、駆動付勢部材122を初期の圧縮されたエネルギー蓄積状態に配置させるとともに、好ましくは、バレル58の基端内でピストンインタフェース面110Cをプランジャシール60の基端面と接触した状態に配置する。ピストン延出部102が使用されるときには、ピストン延出部102およびピストン延出部付勢部材106、ならびに、随意的なピストン付勢部材支持体がピストン110の軸方向通路に押し込まれてもよい。ピストン、ピストン付勢部材、接触スリーブ、および、随意的な構成要素は、薬剤容器50の取り付けあるいは装着前に、駆動ハウジング130内に押し込まれて作動可能状態へロックされる。
【0059】
1つ以上の相互接続部または接点が状態表示のために利用される場合、そのような構成要素は、駆動機構100へのそのような構成要素の組み付け前に、それらの対応する構成要素に装着され、接続され、印刷され、あるいはその他の方法で、取り付けられてもよい。別個の漸増状態ステム650および対応するステム相互接続部652がそのような漸増状態表示のために利用される場合、ステム相互接続部652は、漸増状態ステム650に装着され、貼り付けられ、印刷され、あるいはその他の方法で、取り付けられてもよい。漸増状態ステム650およびステム相互接続部652は、漸増状態ステム650が接触スリーブ640および駆動ハウジング630の軸方向貫通孔内に存在するように接触スリーブ640の基端および/または駆動ハウジング630の基端に装着される。漸増状態ステム650は、ピストン610の軸方向貫通孔内に存在するように更に装着される。
【0060】
流体経路接続部、具体的には流体経路接続部の滅菌スリーブが、薬剤容器のキャップおよび/または穿孔可能シールに接続されてもよい。流体導管が流体経路接続部の他端に接続されてもよく、流体経路接続部の他端はそれ自体が挿入機構に接続され、それにより、ユーザの身体内への薬剤送達のために、流体経路は、開放され、接続され、あるいはその他の方法で、使用可能なときに、薬剤容器から直接に、流体経路接続部、流体導管、挿入機構、および、カニューレを通じて延びる。このとき、流体流れのための経路を構成する構成要素が組み付けられる。これらの構成要素は、いくつかの既知の方法によって滅菌されてもよく、その後、
図1Bに示されるように、薬剤ポンプのアセンブリプラットフォームまたはハウジングに装着固定され、あるいは移動可能に装着されてもよい。
【0061】
本発明の広さおよび範囲の中にとどまりつつ、特定の随意的な標準的構成要素、あるいは、駆動機構100または薬剤ポンプ10の変形形態が考えられる。例えば、上側ハウジングまたは下側ハウジングは、随意的に、
図1Aに示されるように、ユーザが薬剤ポンプ10の動作を見ることができるあるいは薬剤投与が完了したことを検証できるように、1つ以上の透明または半透明な窓18を含んでもよい。また、薬剤ポンプ10は、ハウジング12の底面に接着パッチ26およびパッチライナ28を含んでもよい。接着パッチ26は、薬剤用量を送達するべく薬剤ポンプ10をユーザの身体に接着するために利用されてもよい。当業者であれば容易に分かるように、接着パッチ26は、薬剤ポンプをユーザの身体に接着するための接着面を有してもよい。接着パッチ26の接着面は、当初は、非粘着性のパッチライナ28により覆われていても良く、このパッチライナ28は、薬剤ポンプ10をユーザの身体と接触させて装着する前に接着パッチ26から除去される。パッチライナ28の除去は、挿入機構200のシール膜254を更に除去して、(
図1Cに示されるように)薬剤送達のためにユーザの身体へ挿入機構を開放してもよい。
【0062】
同様に、薬剤ポンプ10および駆動機構100の構成要素のうちの1つ以上は、本発明の広さおよび範囲の中に機能的にとどまりつつ、変更されてもよい。例えば、前述したように、薬剤ポンプ10のハウジングは、2つの別個の構成要素として、すなわち、上側ハウジング12Aおよび下側ハウジング12Bとして示されるが、これらの構成要素が単一の一体化された構成要素であってもよい。同様に、電気接点134が接触スリーブ140とは別個の構成要素として示されるが、電気接点134は、接触スリーブ140のリング表面上に印刷された一体の構成要素であってもよい。前述したように、駆動機構および/または薬剤ポンプの1つ以上の構成要素を互いに対して取り付けるために、粘着剤、接着剤、または、他の既知の材料または方法が利用されてもよい。あるいは、駆動機構および/または薬剤ポンプの1つ以上の構成要素が一体の構成要素であってもよい。例えば、上側ハウジングおよび下側ハウジングは、粘着剤または接着剤、ねじ取り付け接続、締まり嵌め、溶融接合、溶着、超音波溶着などによって互いに取り付けられる別個の構成要素であってもよく、あるいは、上側ハウジングおよび下側ハウジングが単一の一体化された構成要素であってもよい。そのような標準的構成要素および機能的変形形態は、当業者であれば分かり、したがって、本発明の広さおよび範囲の中に入る。
【0063】
以上の説明から分かるように、本明細書中に開示される駆動機構および薬剤ポンプは、薬剤容器から自動で薬剤を送達できる効率的でかつ操作が容易なシステムを提供する。本明細書中に記載される新規な実施形態は、ユーザにフィードバックを与えるための組込型状態表示を与える。本発明の新規な駆動機構は、ユーザによって直接にあるいは間接に起動されてもよい。例えば、少なくとも1つの実施形態では、駆動機構をそのロックされたエネルギー蓄積状態に維持するロックアウトピンが、起動機構のユーザ押圧によりピストン110の対応するロックアウト溝から直接に移動される。また、本発明の駆動機構および薬剤ポンプの新規な形態は、保管、輸送中に、および、デバイスの動作によって、流体経路の滅菌を維持する。デバイス内で薬剤流体が移動する経路は、完全に滅菌状態に維持されるため、製造プロセス中にこれらの構成要素のみを滅菌すれば済む。そのような構成要素は、駆動機構の薬剤容器、流体経路接続部、滅菌流体導管、および、挿入機構を含む。本発明の少なくとも1つの実施形態において、電源・制御システム、アセンブリプラットフォーム、制御アーム、起動機構、ハウジング、および、薬剤ポンプの他の構成要素は、滅菌される必要がない。これにより、デバイスの製造可能性が非常に高まり、関連する組み立てコストが低減する。したがって、本発明のデバイスは、組み立ての完了時に最終的な滅菌を必要としない。本発明の更なる利点は、例えば、駆動機構100、駆動機構500、または、本明細書中に記載される駆動機構のいくつかの他の変形形態を受け入れて動作させるべく薬剤ポンプのハウジングおよび他の構成要素を容易に構成できるように、本明細書中に記載される構成要素がモジュールとなるように設計されるという点である。
【0064】
薬剤ポンプの製造は、駆動機構および薬剤容器の両方を別個にあるいは組み合わされた構成要素として薬剤ポンプのアセンブリプラットフォームまたはハウジングに取り付けるステップを含む。製造方法は、アセンブリプラットフォームまたはハウジングに対する流体経路接続部、薬剤容器、および、挿入機構の取り付けを更に含む。電源・制御システム、起動機構、および、制御アームを含む前述した薬剤ポンプの更なる構成要素が、アセンブリプラットフォームまたはハウジングに取り付けられ、予め形成され、または、予め組み付けられてもよい。接着パッチおよびパッチライナが、デバイスの動作中にユーザと接触する薬剤ポンプのハウジング表面に取り付けられてもよい。
【0065】
薬剤ポンプを動作させる方法は、起動機構をユーザにより起動させるステップと、挿入機構を作動させるために制御アームを移動させるステップと、駆動制御機構を起動させて流体薬剤の流れを薬剤ポンプを通じて推し進めるために電源・制御システムを作動させるステップとを含む。方法は、起動機構を起動させる前に随意的な身体上センサを関与させるステップを更に含んでもよい。方法は、同様に、流体経路接続部と薬剤容器との間の接続をもたらすステップを含んでもよい。また、動作方法は、ユーザの身体へ流体薬剤を送達するべく流体薬剤の流れを薬剤容器、流体経路接続部、滅菌流体導管、および、挿入機構を通じて押し進めるために、駆動制御機構内および薬剤容器内でプランジャシールを並進させることを含んでもよい。挿入機構および薬剤ポンプの動作方法は、前述した
図4A〜
図4Eを参照すると、更に良く理解できる。
【0066】
明細書の全体にわたって、本目的は、本発明を任意の1つの実施形態または特定の一群の特徴に限定することなく本発明の好ましい実施形態を説明することであった。本発明から逸脱することなく、説明されて図示された実施形態に対して様々な変更および改良を成すことができる。この明細書中で言及されたそれぞれの特許文献および科学文献、コンピュータプログラム、および、アルゴリズムの開示内容は、参照することによりその全体が本願に組み入れられる。
【0067】
[形態1]
駆動ハウジング(130)と、
状態スイッチ相互接続部(132)と、
駆動付勢部材(122)と、
ピストン(110)と、
キャップ(52)、穿孔可能シール(56)、バレル(58)、および、プランジャシール(60)を有する薬剤容器(50)と
を備える、組込型状態表示を有する駆動機構(100)であって、
前記駆動付勢部材(122)が、前記ピストン(110)のインタフェース面(110C)に当接するように構成される、駆動機構(100)。
【0068】
[形態2]
前記薬剤容器(50)が薬剤流体を収容する、形態1に記載の駆動機構(100)。
【0069】
[形態3]
前記穿孔可能シール(56)に取り付けられる接続マウント(54)を更に備える、形態1または2に記載の駆動機構(100)。
【0070】
[形態4]
前記駆動付勢部材(122)と前記ピストン(110)の前記インタフェース面(110C)との間でカバースリーブ(120)を利用できる、形態1〜3のいずれか1に記載の駆動機構(100)。
【0071】
[形態5]
前記駆動ハウジング(130)の軸方向開口を通じて前記駆動ハウジング(130)に摺動可能に装着される接触スリーブ(140)を更に備え、もって、前記接触スリーブ(140)の先端のスリーブフック(140B)が、前記インタフェース面(110C)と前記ピストン(110)の基端付近の接触突起(110B)との間で前記ピストン(110)と接触させられる、形態1〜4のいずれか1に記載の駆動機構(100)。
【0072】
[形態6]
前記ピストン(110)が、接触突起(110B)と前記ピストン(110)の基端との間にロック溝(110A)を含む、形態1〜5のいずれか1に記載の駆動機構(100)。
【0073】
[形態7]
前記接触スリーブ(140)が、その基端に、径方向に延びるリング(140C)を有し、前記リング上に1つ以上の屈曲突起(140A)が存在する、形態1〜6のいずれか1に記載の駆動機構(100)。
【0074】
[形態8]
接点(134)が前記リング(140C)に接続され、装着され、印刷され、またはその他の方法で、取り付けられることができ、前記接点(134)が、当該駆動機構(100)の動作中に、電源・制御システム(400)への送信を完結させてユーザへフィードバックを与えるために、対応する前記状態スイッチ相互接続部(132)と接続できる、形態7に記載の駆動機構(100)。
【0075】
[形態9]
前記状態スイッチ相互接続部が電気的な状態スイッチ相互接続部(132)であり、前記接点が電気的な接点(134)である、形態8に記載の駆動機構(100)。
【0076】
[形態10]
接点(134)が前記リング(140C)に接続され、装着され、印刷され、またはその他の方法で、取り付けられることができ、前記接点(134)が、当該駆動機構の動作中に、前記電源・制御システム(400)からの信号の送信を可能にしてユーザへフィードバックを与えるために、対応する状態スイッチ相互接続部(132)から離脱できる、形態7に記載の駆動機構(100)。
【0077】
[形態11]
前記状態スイッチ相互接続部が機械的なトリガ部材(1150)であり、前記接点が接点ピン(1140P)である、形態10に記載の駆動機構(100)。
【0078】
[形態12]
前記ピストン(110)の軸方向貫通孔内の先端に摺動可能に装着されるピストン延出部(102)と、前記ピストン(110)の軸方向貫通孔内に装着されて前記ピストン延出部(102)と前記ピストン(110)との間で最初に圧縮されるピストン延出部付勢部材(106)とを備え、更に、随意的に、前記ピストン延出部付勢部材(106)と前記ピストン延出部(102)との間にあるピストン付勢部材支持体(104)を備える、形態1〜11のいずれか1に記載の駆動機構(100)。
【0079】
[形態13]
前記ピストン延出部(102)が、前記ピストン延出部(102)の1つ以上の延出アーム(102B)と前記ピストン(110)の1つ以上の対応する接続スロット(110D)との間の相互作用によって前記ピストン(110)内に保持される、形態12に記載の駆動機構(100)。
【0080】
[形態14]
駆動ハウジング(630)と、
駆動付勢部材(622)と、
ピストン(610)と、
ステム相互接続部(652)が装着され、貼り付けられ、印刷され、またはその他の方法で取り付けられる漸増状態ステム(650)と、
キャップ(552)、穿孔可能シール(556)、バレル(558)、および、プランジャシール(560)を有する薬剤容器(550)と
を備える、組込型漸増状態表示を有する駆動機構(500)であって、
前記漸増状態ステム(650)が、前記駆動ハウジング(630)および前記ピストン(610)の軸方向貫通孔内に存在する、駆動機構(500)。
【0081】
[形態15]
前記駆動付勢部材(622)が前記ピストン(610)のインタフェース面(610C)に当接するように構成される、形態14に記載の駆動機構(500)。
【0082】
[形態16]
前記薬剤容器(550)が薬剤流体を収容する、形態14または15に記載の駆動機構(500)。
【0083】
[形態17]
前記穿孔可能シール(556)に取り付けられた接続マウント(554)を更に備える、形態14〜16のいずれか1に記載の駆動機構(500)。
【0084】
[形態18]
前記駆動付勢部材(622)と前記ピストン(610)の前記インタフェース面(610C)との間でカバースリーブ(620)を利用できる、形態14〜17のいずれか1に記載の駆動機構(500)。
【0085】
[形態19]
前記駆動ハウジング(630)の軸方向開口を通じて前記駆動ハウジング(630)に摺動可能に装着される接触スリーブ(640)を更に備え、もって、前記接触スリーブ(640)の先端のスリーブフック(640B)が、前記インタフェース面(610)と前記ピストン(610)の基端付近の接触突起(610B)との間で前記ピストン(610)と接触させられる、形態14〜18のいずれか1に記載の駆動機構(500)。
【0086】
[形態20]
前記ピストン(610)が、前記接触突起(110B)と前記ピストン(610)の基端との間にロック溝(610A)を含む、形態14〜19のいずれか1に記載の駆動機構(500)。
【0087】
[形態21]
前記接触スリーブ(640)が、その基端に、径方向に延びるリング(640C)を有し、前記リング上に1つ以上の屈曲突起(640A)が存在する、形態14〜20のいずれか1に記載の駆動機構(500)。
【0088】
[形態22]
接点(134)が前記リング(140C)に接続され、装着され、印刷され、またはその他の方法で取り付けられることができ、前記接点(134)が、当該駆動機構の動作中に、前記電源・制御システム(400)への送信を完結させてユーザへフィードバックを与えるために、対応する状態スイッチ相互接続部(132)と接続できる、形態21に記載の駆動機構(500)。
【0089】
[形態23]
前記状態スイッチ相互接続部が電気的な状態スイッチ相互接続部(132)であり、前記接点が電気的な接点(134)である、形態22に記載の駆動機構(500)。
【0090】
[形態24]
接点(134)が前記リング(140C)に接続され、装着され、印刷され、またはその他の方法で取り付けられることができ、前記接点(134)が、当該駆動機構の動作中に、前記電源・制御システム(400)からの信号の送信を可能にしてユーザへフィードバックを与えるために、対応する状態スイッチ相互接続部(132)から離脱できる、形態21に記載の駆動機構(500)。
【0091】
[形態25]
前記状態スイッチ相互接続部が機械的なトリガ部材(1150)であり、前記接点が接点ピン(1140P)である、形態24に記載の駆動機構(1000)。
【0092】
[形態26]
前記ピストン(610)の軸方向貫通孔内の先端に摺動可能に装着されるピストン延出部(602)と、前記ピストン(610)の軸方向貫通孔内に装着されて前記ピストン延出部(602)と前記ピストン(610)との間で最初に圧縮されるピストン延出部付勢部材(606)とを備え、更に、随意的に、前記ピストン延出部付勢部材(606)と前記ピストン延出部(602)との間にあるピストン付勢部材支持体(604)を備える、形態11〜25のいずれか1に記載の駆動機構(500)。
【0093】
[形態27]
前記ピストン延出部(602)が、前記ピストン延出部(602)の1つ以上の延出アーム(602B)と前記ピストン(610)の1つ以上の対応する前記接続スロット(610D)との間の相互作用によって前記ピストン(610)内に保持される、形態26に記載の駆動機構(500)。
【0094】
[形態28]
前記漸増状態ステム(650)が、前記ピストン(610)上の1つ以上の接点と接触する1つ以上の相互接続部を有する、形態11〜27のいずれか1に記載の駆動機構(500)。
【0095】
[形態29]
ハウジング(12)と、アセンブリプラットフォーム(20)とを備える、組込型状態表示を有する薬剤送達ポンプ(10)であって、
前記アセンブリプラットフォーム(20)上には、起動機構(14)、挿入機構(200)、流体経路接続部(300)、電源・制御システム(400)、および、薬剤容器を有する駆動機構(100)が装着されることができ、
前記駆動機構(100)が、駆動ハウジング(130)と、状態スイッチ相互接続部(132)と、駆動付勢部材(122)と、ピストン(110)と、キャップ(52)、穿孔可能シール(56)、バレル(58)およびプランジャシール(60)を有する薬剤容器(50)とを備え、
前記駆動付勢部材(122)が、前記ピストン(110)のインタフェース面(110C)に当接するように構成される、薬剤送達ポンプ(10)。
【0096】
[形態30]
前記薬剤容器(50)が薬剤流体を収容する、形態29に記載の薬剤送達ポンプ(10)。
【0097】
[形態31]
前記駆動付勢部材(122)と前記ピストン(110)の前記インタフェース面(110C)との間でカバースリーブ(120)を利用できる、形態29または30に記載の薬剤送達ポンプ(10)。
【0098】
[形態32]
前記駆動ハウジング(130)の軸方向開口を通じて前記駆動ハウジング(130)に摺動可能に装着される接触スリーブ(140)を更に備え、もって、前記接触スリーブ(140)の先端のスリーブフック(140B)が、前記インタフェース面(110C)と前記ピストン(110)の基端付近の接触突起(110B)との間で前記ピストン(110)と接触させられる、形態29〜31のいずれか1に記載の薬剤送達ポンプ(10)。
【0099】
[形態33]
前記ピストン(110)が、前記接触突起(110B)と前記ピストン(110)の基端との間にロック溝(110A)を含む、形態29〜32のいずれか1に記載の薬剤送達ポンプ(10)。
【0100】
[形態34]
前記接触スリーブ(140)が、その基端に、径方向に延びるリング(140C)を有し、前記リング上に1つ以上の屈曲突起(140A)が存在し、接点(134)が前記リング(140C)に接続され、装着され、印刷され、またはその他の方法で取り付けられることができ、前記接点(134)が、前記駆動機構(100)の動作中に、前記電源・制御システム(400)からの信号の送信を可能にしてユーザへフィードバックを与えるために、対応する前記状態スイッチ相互接続部(132)と係合できるか、または前記状態スイッチ相互接続部(132)から離脱できる、形態29〜33のいずれか1に記載の薬剤送達ポンプ(10)。
【0101】
[形態35]
前記ピストン(110)の軸方向貫通孔内の先端に摺動可能に装着されるピストン延出部(102)と、前記ピストン(110)の軸方向貫通孔内に装着されて前記ピストン延出部(102)と前記ピストン(110)との間で最初に圧縮されるピストン延出部付勢部材(106)とを備え、更に、随意的に、前記ピストン延出部付勢部材(106)と前記ピストン延出部(102)との間にあるピストン付勢部材支持体(104)を備え、
前記ピストン延出部(102)が、前記ピストン延出部(102)の1つ以上の延出アーム(102B)と前記ピストン(110)の1つ以上の対応する接続スロット(110D)との間の相互作用によって前記ピストン(110)内に保持される、形態29〜34のいずれか1に記載の薬剤送達ポンプ(10)。
【0102】
[形態36]
ステム相互接続部(652)が装着され、貼り付けられ、印刷され、またはその他の方法で取り付けられる漸増状態ステム(650)を更に備え、
前記漸増状態ステム(650)が、前記駆動ハウジング(630)および前記ピストン(610)の軸方向貫通孔内に存在し、前記漸増状態ステム(650)が、前記電源・制御システムへの送信を完結させてユーザへ漸増フィードバックを与えるために、前記ピストン(610)上の1つ以上の接点と接触する1つ以上の相互接続部を有する、形態39〜35のいずれか1に記載の薬剤送達ポンプ(10)。
【0103】
[形態37]
前記接点(134)が、前記電源・制御システム(400)への送信を完結させてユーザへフィードバックを与えるために、対応する前記状態スイッチ相互接続部(132)と接続できる、形態34に記載の薬剤送達ポンプ(10)。
【0104】
[形態38]
前記状態スイッチ相互接続部が電気的な状態スイッチ相互接続部(134)であり、前記接点が電気的な接点(132)である、形態37に記載の薬剤送達ポンプ(10)。
【0105】
[形態39]
前記接点(134)が、前記電源・制御システム(400)からの信号の送信を可能にしてユーザへフィードバックを与えるために、対応する前記状態スイッチ相互接続部(132)から離脱できる、形態34に記載の薬剤送達ポンプ(10)。
【0106】
[形態40]
前記状態スイッチ相互接続部が機械的なトリガ部材(1150)であり、前記接点が接点ピン(1140P)である、形態39に記載の薬剤送達ポンプ(10)。