(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、
図1〜
図14を参照して説明する。
【0008】
スロットマシン1は、本発明に係る遊技機の一実施形態であり、入賞に係る抽選の結果に基づく履歴情報を識別可能に出力するとともに、電断時からの復旧後においては、電断時からの復旧後の抽選に対応する履歴情報を出力させ、電断前の抽選に対応する履歴情報を出力させないという特徴を備えている。このような特徴を備えるスロットマシン1について以下に説明する。
【0009】
スロットマシン1は、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを有する通常のスロットマシンと同様の構成を備えるとともに、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
例えば、メダル投入口2から投入されるメダルの数(例えば、3枚)又は内部的に記憶したクレジットメダルからベットボタン2aの操作によって信号形式で投入されるメダルの数(例えば、3枚)に応じて遊技開始可能な状態となり、この状態でスタートレバー3が操作されると、各リール41a〜41cが回転を開始する。
回転開始後、各リール41が定速回転に達すると、各リール41a〜41cに対応する停止ボタン5a〜5cが押下操作可能(停止ボタン5操作の有効化)となり、それぞれの停止ボタン5が操作されると、その操作タイミングとスタートレバー3の操作タイミングで行なわれる抽選処理の抽選結果とに応じた図柄の組合せ(
図5、
図6参照)で停止するように、各リール41a〜41cが停止制御される。
各リール41a〜41cが停止すると、停止した各リール41に表された図柄の組合せ(識別情報)に基づいて入賞の有無が判定される。メダル払出に係る入賞図柄の組合せで停止したと判定されると、メダル払出装置7が駆動制御され、メダルの貯留されたホッパー7aからメダル払出口7bを介してメダルが払い出されるようになっている。
【0010】
また、このようなスロットマシン遊技を実行可能なスロットマシン1は、遊技状態として、メダルを所定の割合で費やす通常遊技と、通常遊技よりメダルの増加の期待できる遊技者にとって有利な遊技状態を実行可能としている。
有利な遊技状態には、例えば、リプレイタイム(RT遊技),アシストタイム(AT遊技),アシストリプレイタイム(ART遊技)等がある。
【0011】
RT遊技は、所定の遊技期間、メダルを投入することなく次回遊技可能となるリプレイ(再遊技役)の当選確率が高まる遊技状態であって、この間はリプレイが連続して発生することから、メダルを費やす割合が抑制されることになるため、遊技者にとって有利に作用する遊技状態となっている。
また、AT遊技は、所定の遊技期間、内部的に小役に当選したときにこれに入賞させるためにリール停止時に各停止ボタン5に対して行う操作の順序を識別可能に報知し、その操作順序に従うことにより小役の入賞率が高められる遊技状態であって、小役入賞による直接的なメダルの払い出しが得られることから、遊技者にとって有利に作用する遊技状態となっている。
【0012】
また、ART遊技は、上記のRT遊技とAT遊技とを複合的に組合せた遊技状態であって、それぞれの遊技の特徴が相乗して、メダルを費やす割合が抑制されながら直接的なメダルの払い出しも得られ、RT遊技又はAT遊技の単独遊技よりも、メダルの増加が期待できる場合もある遊技者に有利な遊技状態となっている。
これらの遊技状態は、スロットマシン1に設けられた、遊技の進行を制御する主制御部10と、主制御部10からの指令(単方向通信)により所定の遊技演出を行う副制御部20とにより制御される。
【0013】
[主制御部]
主制御部10は、メインCPU、メインROM、メインRAMなどが一体化された制御用チップの搭載された主基板、これを収容する基板ケース等から構成され、各操作手段(ベットボタン2a,スタートレバー3,停止ボタン5)からの信号やメダルセレクタ2b(メダル検出装置)からの信号に基づき、ドラムユニット4,メダル払出装置7などの各装置を制御する(
図3参照)。
具体的には、主制御部10は、
図4に示すようなフローチャートに従って作成されるメインROM記憶のプログラムに基づいてこれらの各装置を制御することにより、以下のようにスロットマシン遊技を進行させる。
【0014】
主制御部10は、電源スイッチのオン操作による電源の投入により、メインRAMのワークエリア(作業領域)や各種設定値の初期化などを行う電源投入時処理を実行する(S1)。
電断監視処理では、スロットマシン1に供給される商用電源の電圧変動を監視するとともに、その電圧が所定の電位まで下がると、電断が発生したものとみなし、そのときのスロットマシン遊技の進行状態を保持可能にワークエリアの記憶内容を退避する退避処理を実行する(S2)。
退避処理では、ワークエリアの記憶内容をバックアップ領域に退避した後、動作停止可能状態に移行する。メインRAMは電断中においてコンデンサ等の給電手段からの電力に基づいて記憶内容を保持可能に構成されており、これにより、バックアップ領域の記憶内容が保持されるとともに、停電等の電断状態が解消され給電が開始されたときには、電断前の状態に復旧できるようになっている。なお、このような動作は、電源スイッチのオフ・オン操作でも再現される。
遊技開始処理では、メダル投入処理、スタート操作受付処理などを実行する(S3)。
例えば、メダル投入処理では、メダル投入口2から投入されるメダル、又はベットボタン2aの押下操作の検出を行いながら、投入メダル枚数等がゲーム開始可能な掛け数に達したかどうかの判定を行う。
また、スタート操作受付処理では、投入メダル枚数等がゲーム開始可能な掛け数に達した後、遊技者によるスタートレバー3の操作を監視する。
【0015】
ゲーム開始可能な掛け数に達した後にスタートレバー3の操作を検出すると、抽選処理を実行する(S4)。
抽選処理では、複数の抽選対象の中から今回ゲームの当選対象(抽選結果)を抽選により決定する。
抽選対象には、
図5に示すように、複数の抽選対象がある。
例えば、ボーナスは入賞(対応する図柄組合せの導出)により所定のメダル獲得枚数(又は所定のゲーム数)までART遊技が継続する抽選対象、再遊技1〜3は入賞によりメダル投入を行うことなく次回ゲーム実行可能な抽選対象、小役1〜10は入賞により所定枚数のメダル払い出しが得られる抽選対象である。
【0016】
また、再遊技2は通常遊技中の入賞によりRT遊技に移行するという機能も有しており、再遊技3はRT遊技中の入賞により通常遊技に移行するという機能も有している。
また、小役1〜4は入賞の有無にかかわらずAT遊技への移行が期待される抽選対象であり、通常遊技中の当選により副制御部20において行われるAT遊技への移行抽選権が獲得される。
また、小役5〜10は停止ボタン5が予め指定された操作順序(以下、押し順という)で操作されたときに限り対応する図柄の組合せが導出されて入賞となる押し順指定の抽選対象となっている。この予め指定された押し順は、AT遊技中のみ遊技者に報知され、通常遊技(非AT遊技)中は原則として報知されないようになっている。
また、上記以外の抽選対象として、遊技上の特典が何ら付与されない「ハズレ」もある。
このような抽選対象は、スタートレバー3の操作タイミングで取得される乱数値と、抽選対象ごとに設けられた当選値とを照合して、乱数値と一致する抽選対象が今回ゲームの当選対象として決定される。
【0017】
続いて、主制御部10は、投入メダル数等がゲーム開始可能な掛け数に達した後にスタートレバー3の操作を検出すると、リール41a〜41cの回転を開始させるリール回転処理を実行する(S5)。
リール回転処理では、ドラムユニット4においてリール41a〜41cごとに設けられたモータを駆動制御することにより、リール41a〜41cを回転させる。
各リール41a〜41cには、
図6に示すように、複数の図柄が表されており、リール41a〜41cが回転することにより、図柄の変動表示が行われる。
【0018】
次いで、主制御部10は、リール41a〜41cの回転開始後、所定のタイミング後から停止ボタン5に対する操作が有効化され、停止ボタン5a〜5cがそれぞれ押下操作されると、各停止ボタン5a〜5cに対応するリール41a〜41cの回転を停止させるリール停止処理を実行する(S6)。
リール停止処理では、停止ボタン5a〜5cそれぞれの操作タイミングと前述の抽選処理において当選した当選対象とに基づいて、リール41a〜41cの停止位置制御、すなわち所定の入賞ライン上に停止すべき図柄の導出制御が行われる。
例えば、小役1に当選したときには、左停止ボタン5aの操作タイミングにおいて、「チェリー」図柄が引き込み可能な範囲にあるときには、「チェリー」図柄を入賞ライン上に導出させるように左リール41aの制御を行う。
また、小役5〜10以外の抽選対象も同様に、各停止ボタン5の操作タイミングにおいて、対応する図柄の組合せを構成する図柄(
図5参照)が引き込み可能な範囲にあるときには、その図柄を入賞ライン上に導出させるリール41制御(引き込み制御)が行われる。
一方、小役5〜10に当選したときには、停止ボタン5が指定された押し順で操作されたときに限り対応する図柄の組合せが導出され、例えば、小役7に当選したときには、中停止ボタン5b、左停止ボタン5a、右停止ボタン5cの順で各停止ボタン5が操作されたときに、「再遊技1−ベル1−ベル1」の図柄の組合せが入賞ライン上に導出される。
【0019】
続いて、主制御部10は、入賞処理を実行する(S7)。
入賞処理では、入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて、入賞の有無を判定するとともに(当選対象に対応する図柄の組合せと、入賞ライン上に導出された図柄の組合せが一致したときに入賞)、入賞内容に応じて、払い出すメダルの枚数を決定する。
払い出すメダルの枚数は、
図5に示すように、抽選対象ごとに定められており、入賞ライン上に停止した各リール41a〜41cに表された図柄の組合せを判定して、今回ゲームの払出枚数を決定する。
さらに、今回ゲームの払出枚数があるときには、払出処理を実行する(S8)。
払出処理では、メダル貯留可能及びモータ駆動により貯留メダル排出可能に構成されたメダル払出装置7を制御して、決定された枚数のメダルを払い出す制御を行う。これにより、メダル払出口7bから所定枚数のメダルが払い出される。
【0020】
また、主制御部10は、入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて遊技状態を制御する、遊技状態制御処理を実行する(S9)。
遊技状態制御処理では、例えば、通常遊技中においてボーナスに当選し、その後、再遊技2に入賞したときには、遊技状態を通常遊技よりも再遊技1の当選確率の高い遊技状態であるボーナスRT遊技へ移行させる。
また、ボーナスRT遊技中において再遊技3に入賞したときには、RT遊技から通常遊技へ移行させる。
これにより、主制御部10により制御される遊技状態として、通常遊技、ボーナスRT遊技(ボーナスART遊技)の2つの遊技状態があることになる。
さらに、主制御部10は、所定のタイマを更新するタイマ更新処理などのその他の処理を実行する(S10)。
【0021】
また、主制御部10は、以上のようなスロットマシン遊技を進行させながら、進行に応じた遊技演出を行わせるべく副制御部20に制御コマンドを送信する。
例えば、主制御部10は、副制御部20に対して遊技の進行状況を識別可能な以下のような制御コマンドを出力する。
例えば、電源の投入を示す電源投入コマンド、電断の発生を示す電断コマンド、メダル投入を示すメダル投入コマンド、ベットボタン2aの操作を示すベットコマンド、スタートレバー3の操作を示すスタートコマンド、各停止ボタン5それぞれの操作を示す停止ボタンコマンド、抽選処理において当選した当選対象(抽選結果)を示す当選対象コマンド、入賞判定の結果(例えば、入賞の有無、導出された図柄の組合せのうちの少なくとも一部の図柄)を示す入賞判定コマンド、遊技状態の移行とその遊技状態を示す遊技状態コマンド、リール41の回転開始を示す回転開始コマンド、リール41の停止を示す停止コマンド等がある。
【0022】
[副制御部]
副制御部20は、サブCPU(中央演算処理装置),サブRAM,サブROMなどの記憶手段、画像制御回路、音声制御回路、ランプ制御回路等の搭載されたサブ基板と、これを収容する基板ケースなどから構成され、前扉1aの上部に設けられた液晶表示器からなる表示器8,前扉1aの上部に設けられ、音声や効果音などの音を出力するスピーカ9,前扉1aにおける所定の箇所に設けられたランプ(LED)11などの報知手段を駆動して所定の映像・発光演出及び音響演出などの遊技演出の制御を行うようになっている。
【0023】
画像制御回路は、画像制御用のプロセッサ(VDPなど)、VRAM、画像データを記憶した画像ROMなどから構成され、表示器8の表示制御を行う。
音声制御回路は、効果音及び音声などの音データを記憶した音声ROM、アンプなどから構成され、スピーカ9からの音声データの出力制御を行う。
また、ランプ制御回路は、トランジスタ、制限抵抗などのLEDドライブ回路から構成され、ランプ11の発光制御を行う。
また、副制御部20は、演出ボタン12を介して遊技者のボタン操作を受け付け可能に構成され(
図3参照)、ボタン操作に係る入力の検出により、例えば、ボーナス当選の履歴等の情報を表示器8に表示させる制御を行う。
【0024】
このような構成からなる副制御部20は、主制御部10から送信される制御コマンドに基づいて、サブCPUがサブROMに記憶されたプログラムを実行処理することで、上記各制御回路を制御し、各報知手段を駆動して画像、音、光を出力させる。
【0025】
また、副制御部20は、主制御部10と同様に、電断の発生を示す電断コマンドを受信すると、そのときの演出状態を保持可能にワークエリア(サブRAM)の記憶内容(例えば当選対象コマンドの履歴、AT遊技中における残りゲーム回数など)を退避する退避処理を実行し、ワークエリアの記憶内容をバックアップ領域に退避した後、動作停止可能状態に移行するようになっている。サブRAMは電断中においてコンデンサ等の給電手段からの電力に基づいて記憶内容を保持可能に構成され(バックアップ機能)、これにより、バックアップ領域の記憶内容が保持されるとともに、停電等の電断状態が解消され、電源投入コマンドを受信したときには、バックアップ領域の記憶内容をワークエリアに転送することにより、電断前の演出状態に復旧できるようになっている。
このように、副制御部20は、主制御部10から送信される制御コマンドを受信するとともに解読することで、主制御部10が管理する遊技の進行状態、遊技状態、抽選処理における当選対象等を識別し、スロットマシン遊技と同期した演出を行うように各制御回路を制御するようになっている。
【0026】
さらに、副制御部20は、入賞判定コマンド、当選対象コマンドなどの受信に基づいて遊技状態の制御を行う。
例えば、ボーナス当選の当選を示す当選対象コマンド受信後、再遊技2の入賞を示す入賞判定コマンドを受信すると、遊技状態をAT遊技に移行させる。このとき、主制御部10の制御によりボーナスRT遊技中となっていることから、スロットマシン全体としてはボーナスART遊技中となる。
AT遊技(ボーナスART遊技を含む)中では、小役5〜10の当選を示す当選対象コマンドを受信すると、
図5に示す指定された押し順の報知制御を行う。
例えば、小役5の当選を示す当選対象コマンドを受信したときには、左停止ボタン5aを最初(1番目)に操作する停止ボタン、中停止ボタン5bを2番目に操作する停止ボタン、右停止ボタン5cを最後(3番目)に操作する停止ボタンであることを示す情報として、「1,2,3」の数字を表示器8に表示させる制御を行う。
【0027】
[AT遊技移行抽選]
また、副制御部20は、通常遊技中、所定の抽選条件が成立したゲームにおいて、ボーナスRT遊技を伴わない単独のAT遊技への移行をかけたAT遊技移行抽選を行う。
AT遊技移行抽選には2通りあり、今回ゲーム限りの当選対象コマンドに基づいて抽選を行う単独抽選と、過去の複数ゲームに亘って受信した受信済みの当選対象コマンドの履歴に基づいて抽選を行う履歴抽選とがある。
【0028】
単独抽選は、今回ゲームの当選対象コマンド(入賞判定コマンドでも可、以下同じ)の示す当選対象がAT遊技移行抽選権を有する当選対象のときに抽選条件成立となり、例えば、
図7(a)に示すように、今回ゲームで受信した当選対象コマンドが「ベル」、「チェリー」などの小役1〜4に対応する当選対象を示す当選対象コマンドのときに、そのゲームにおいて、それぞれに対応するAT当選率に基づいてAT遊技移行抽選を行う。
【0029】
一方、履歴抽選は、複数ゲームに亘って受信した受信済みの当選対象コマンド(入賞判定コマンドでも可、以下同じ)に対応する当選対象の組合せが所定の組合せのときに抽選条件成立となり、例えば、
図7(b)に示すように、過去の複数ゲームに亘る当選対象コマンドに対応する当選対象の組合せが所定の組合せのときに、そのゲームにおいて、それぞれに対応するAT当選率に基づいてAT遊技移行抽選を行う。
【0030】
具体的には、例えば、3ゲーム前から今回ゲームまでの4ゲームに亘り、小役5(「ベル」)に対応する当選対象コマンドを連続して受信したときに、AT当選率「10%」の確率で当選するAT遊技移行抽選を行う(
図7(b)中のタイトル行を除いた1行目)。
また、小役1(「チェリー」)に対応する当選対象コマンドを連続して受信したときには、連続して受信する回数が増加するほど高確率で当選するAT遊技移行抽選を行う(
図7(b)中のタイトル行を除いた2,5,6行目)。この場合、「100%」の確率で当選した以降(6行目)、さらに小役1に対応する当選対象コマンドを連続して受信したときには、受信の都度、AT遊技に当選したものとみなし、AT遊技の連続(連チャン)する回数を1セットずつ増加させることもできる。
同じく、小役1(「チェリー」)に対応する当選対象コマンドを、例えば、3ゲーム前から今回ゲームまでの4ゲームの間に、所定のゲーム間隔をおいて複数回受信したときにも、AT遊技移行抽選を行うこともできる(
図7(b)中のタイトル行を除いた3,4行目)。
【0031】
また、このように所定ゲーム回数に亘って受信した複数の当選対象コマンドは、給電中はもちろんのこと、停電等の電断が生じたときにも、サブRAMのバックアップ機能により保持される。そのため、上記の履歴抽選を行うときに、電断前と復旧後を跨いだ当選対象コマンドの履歴に基づいてAT遊技移行抽選を行うことがある。
具体的には、3ゲーム前から今回ゲームまでの4ゲームに亘って受信した当選対象コマンドの組合せに基づいてAT遊技移行抽選を行う場合において、例えば、
図7(c)に示すように、2ゲーム前と1ゲーム前との間で、電断コマンドを受信するとともに、その後電源投入コマンドを受信したときには、電断前の当選履歴に相当する3ゲーム前及び2ゲーム前の当選対象コマンドと、復旧後の当選履歴に相当する1ゲーム前及び今回ゲームの当選対象コマンドとに基づいてAT遊技移行抽選を行うことになる。この場合でも、上記と同じそれぞれの組合せに対応するAT当選率に基づいてAT遊技移行抽選を行うことができる。
【0032】
このような単独抽選及び履歴抽選において、それぞれAT遊技移行抽選に当選すると、その抽選を行った以降のゲームからAT遊技が所定のゲーム回数に亘って行われることになる。
なお、履歴抽選では、電断の有無にかかわらず、一つの当選対象コマンドではなく、二以上の当選対象コマンドの組合せに基づいてAT遊技移行抽選を行うことから、単独抽選よりも高い確率でAT遊技に当選するようになっている。
また、履歴抽選において、抽選条件の成立に係る組合せは任意であるとともに、その組合せを作るうえで遡るゲーム回数は、3ゲーム前に限らす、3ゲームよりも以前のゲームでもよく、反対に、1ゲーム前、2ゲーム前でもよい。
また、通常遊技中ではなく、AT遊技中に単独抽選又は履歴抽選に係る条件が成立したときには、そのAT遊技に係る残りゲーム数を増加させる上乗せゲーム数の抽選、そのAT遊技終了後のさらに1又は2セット以上のAT遊技の連チャンをかけた抽選を行うこともできる。
【0033】
[履歴情報]
このように副制御部20では、複数ゲームに亘って受信した当選対象コマンドの履歴に基づいてAT遊技移行抽選を行うことから、過去の複数ゲームに亘る当選対象を示す履歴情報を、例えば、表示器8を介して識別可能に出力するようになっている。
具体的には、副制御部20は、
図8に示すように、3ゲーム前から今回ゲームまでの4ゲームに亘って受信した当選対象コマンドに対応する当選対象を識別可能な情報として、履歴情報Z0〜Z3を表示器8に表示させる制御を行う。
表示させる履歴情報Z0〜Z3は、例えば、当選対象に対応する図柄の組合せを構成する一部の図柄、その図柄の名称(本実施形態では、名称の先頭文字)などの当選対象コマンドに対応する当選対象を識別可能な情報であり、このような履歴情報を、表示器8の表示領域のうちの予め定められた履歴情報表示領域81に表示させる。
図8に示す例では、表示器8における右下の領域を履歴情報表示領域81とし、この履歴情報表示領域81を複数の領域に区分けするとともに、区分けしたそれぞれの領域に各ゲームに対応する履歴情報Z0〜Z3を割り当てて表示する。
例えば、履歴情報表示領域81aには今回ゲームの履歴情報Z0、履歴情報表示領域81bには1ゲーム前の履歴情報Z1、履歴情報表示領域81cには2ゲーム前の履歴情報Z2、履歴情報表示領域81dには3ゲーム前の履歴情報Z3というように、区分けされた履歴情報表示領域81のそれぞれの領域に各ゲームに対応する履歴情報Z0〜Z3を割り当てて表示するようになっている。
また、各履歴情報表示領域81a〜81dが識別可能なように、各履歴情報表示領域81a〜81dに対応する窓枠を有する表示枠82を表示させることもできる。
【0034】
このような履歴情報Z0〜Z3は、1ゲームの実行ごとに新たな履歴情報Z0が生成されることから、1ゲーム終了ごとに表示される履歴情報表示領域81が右にシフトするようになっている。
例えば、
図8(a)に示す例では、今回ゲームで小役1(「チェリー」)に当選し、1ゲーム前のゲームで再遊技1(「リプレイ」)に当選し、2ゲーム前のゲームで小役4(「ベル」)に当選し、3ゲーム前のゲームで再遊技1(「リプレイ」)に当選した例を示しており、このような状態で、新たなゲームが実行され、その抽選処理で再遊技1(「リプレイ」)に当選し、再遊技1に対応する当選対象コマンドが受信されたときには、
図8(b)に示すように、前回のゲームまでの履歴情報Z0〜Z2(「チェリー」、「リプレイ」、「ベル」)の表示される領域がそれぞれ1つずつ右にシフトされ、履歴情報表示領域81aには、新たな今回ゲームの履歴情報Z0として「リプレイ」が表示されることになる。
なお、当選対象がハズレのときには、表示なし、空欄情報(例えば、表示枠82内の下地色と同色の絵柄)、「×」、「−」などのマーク等を履歴情報とすることができる。また、当選対象がハズレ以外のときでも、履歴情報Zを常に表示する必要はなく(そのときは、表示なし、又は空欄情報を表示してもよい)、一部の当選対象のときのみ履歴情報Zを表示することもできる。
【0035】
また、副制御部20は、AT遊技移行抽選を行ったときには、その旨を識別可能な移行抽選実行情報を表示器8に表示させる。
例えば、
図8(c)に示す例は、履歴抽選が行われた旨を識別可能な移行抽選実行情報83を表示器8に表示させた例であり、この例では、1ゲーム前と今回ゲームの2ゲーム連続して小役1(「チェリー」)に当選し、この連続当選に基づいてAT遊技移行抽選が行われた旨を、履歴情報Z0と履歴情報Z1とを囲む爆発を想起させる絵柄により特定させる例である。
【0036】
また、副制御部20は、このような履歴情報Z0〜Z3を表示しているときに停電等の電断が発生し、その後、給電が開始されて復旧したときには(電源スイッチのオフ・オンを含む)、電断前と異なる態様の表示を表示器8に行わせるようになっている。
例えば、電断前の表示態様を
図9(a)に示し、復旧後の表示態様を
図9(b)に示す。
図9(a)に示す例は、通常遊技中であって、今回ゲームで小役1(「チェリー」)に当選し、1ゲーム前のゲームで再遊技1(「リプレイ」)に当選し、2ゲーム前のゲームで小役4(「ベル」)に当選し、3ゲーム前のゲームで再遊技1(「リプレイ」)に当選した例を示している。
このような表示態様のときに、電断が発生し、その後給電が開始されて復旧した場合、例えば、副制御部20は、
図9(b)に示すように、電断中はバックアップ機能により当選履歴を保持しているにもかかわらず、復旧後、履歴情報表示領域81に電断前の履歴情報Z0〜Z3を表示させない制御を行うこともできる。
【0037】
電断前の履歴情報Z0〜Z3を表示させない態様としては、例えば、
図9(b)の(i)に示すように、単に履歴情報Z0〜Z3を表示させずに、履歴情報表示領域81に表示枠82のみを表示させる態様、(ii)に示すように、単に履歴情報Z0〜Z3を表示させないだけではなく、表示枠82の表示態様を実線から点線に変えるなどの履歴情報表示領域81内の表示態様を常態から変化させる態様、(iii)に示すように、履歴情報Z0〜Z3に代えて履歴を特定不能な他の情報(例えば「?」マーク)を表示する態様、(iv)に示すように、表示枠82内を網掛け模様等により塗りつぶすマスク表示を行う態様、その他、図示しないが表示枠82も表示させず履歴情報表示領域81に何ら表示させない態様など、復旧後は電断前とは異なる様々な態様で表示する。
以上の表示態様例は、電断前の履歴情報Z0〜Z3を表示させない表示態様例を示すのみならず、同時に、電断前と復旧後とで履歴情報表示領域81の表示態様を変化させるときの表示態様例を示している。
このように、電断中に当選履歴を記憶しているにもかかわらず、復旧後、履歴情報表示領域81に履歴情報Z0〜Z3を表示させないことで、例えば、以下のような効果を奏する。
復旧後、履歴情報表示領域81に履歴情報Z0〜Z3を表示させた場合、例えば、遊技者の記憶している電断前の履歴情報が確かではないときに、電断前と復旧後の履歴情報が異なる等のトラブルが生じることがある。また、スロットマシン開発時に、記憶内容と表示内容の整合性をチェックするデバッグ作業等を行う必要がある。一方、履歴情報Z0〜Z3を表示させないことで、このようなトラブルの発生、デバック作業をなくすことができる。さらに、電断前と復旧後とで履歴情報表示領域81の表示態様が異なることから、電断の発生を明確に認識させることができる。
【0038】
また、復旧後は、履歴情報表示領域81に履歴情報Z0〜Z3を表示させないものの、その後、新たなゲームが実行されたときには、
図9(c)に示すように、履歴情報表示領域81aに新たなゲームに係る履歴情報Z0(例えば、「リプレイ」)が表示されるとともに、履歴情報表示領域81b〜81dは、
図9(b)に示す(i)〜(iV)のいずれかの表示態様、又は、電断前とは異なるその他の表示態様を維持するようになっている。
その後、さらにゲームが実行されると、履歴情報Z0が順次、履歴情報Z1、履歴情報Z2、履歴情報Z3となり、その都度、履歴情報Zの表示される履歴情報表示領域81が右にシフトすることになる。そして、復旧から4ゲーム終了後には、履歴情報Z0〜Z3は異なるものの、
図9(a)に示す例と同様な表示態様に復帰することになる。つまり、復旧から4ゲーム終了するまでの間は表示されない履歴情報Zがあるとともに、それまでの間は電断前と復旧後とで履歴情報表示領域81の表示態様が異なることになる。
【0039】
また、電断前と復旧後を跨いだ当選対象コマンドの履歴に基づいてAT遊技移行抽選を行うこともあるので、このような履歴に基づいてAT遊技移行抽選を行った旨を、識別可能に表示することもできる。
例えば、電断前の表示態様を
図10(a)の(i)に示し、復旧後の新たなゲームを実行し、AT遊技移行抽選を行ったときの表示態様を
図10(a)の(ii)に示す。
図10(a)の(i)に示す例は、電断前のゲームで小役1(「チェリー」)に当選し、履歴情報Z0として「チェリー」が表示された例である。
このような状態で、電断が発生し、その後、給電が開始されて復旧するとともに、最初のゲームで小役1(「チェリー」)に当選した場合が、
図10(a)の(ii)に示す例である。この場合、電断前と復旧後を跨いだ2ゲーム連続して小役1に当選しており、その結果、履歴抽選の条件が成立し、AT遊技移行抽選が行われることになる。
このようなときには、1ゲーム前の履歴情報Z1のみならず、2,3ゲーム前の履歴情報Z2,Z2も表示されることはないが、新たなゲームに係る当選対象の履歴情報Z0(「チェリー」)が表示されるとともに、AT遊技移行抽選が行われた旨を、履歴情報Z0と履歴情報表示領域81bとを囲んで表示される移行抽選実行情報83により特定させることができる。
【0040】
また、停電等の電断は、通常遊技中のみならず、AT遊技中に発生することもあり、このようなときには、復旧後、電断前の履歴情報Z0〜Z3を表示しないものの、当選履歴と同様にバックアップ機能により保持されている情報であって、AT遊技中に必要な他の情報を表示させることができる。
例えば、AT遊技中における電断前の表示態様を
図10(b)の(i)に示し、復旧後の表示態様を
図10(b)の(ii)に示す。
このように、復旧後は、履歴情報表示領域81に電断前の履歴情報Z0〜Z3を表示することはないが、AT遊技の継続することになる残りゲーム回数84、AT遊技中に獲得されたメダル枚数85などの、特に、AT遊技中に更新されるとともにAT遊技の終了条件となり得る情報を表示させることができる。
【0041】
以上説明したような特徴的な動作は、
図11〜14に示すようなフローチャートに従って作成されるサブROM記憶のプロクラムに基づいて副制御部20が動作することにより実現される。
【0042】
例えば、副制御部20は、
図11に示すようなメイン処理を実行する。
メイン処理では、後述の履歴管理処理(S11)、及びAT遊技移行抽選処理(S12)に加え、遊技演出に係るその他の処理(S13)を実行する。
【0043】
また、副制御部20は、
図12に示す割込み処理を実行する。
割込み処理は、定期的に行われる処理として実行され、制御コマンドを受信すると(S21−Yes)、そのコマンドをサブRAMの所定記憶領域に格納する(S22)。この格納された制御コマンドに基づいて上記のメイン処理が実行される。続いて、又は、制御コマンドを受信しないときには(S21−No)、定期に行われるその他の処理(例えば、タイマー更新処理など)を実行する(S23)。
【0044】
また、AT遊技移行抽選処理は、
図13に示すフローチャートに従って実行される。このAT遊技移行抽選処理では、単独抽選と履歴抽選をそれぞれ実行可能としており、双方の抽選において当選する可能性を有している。
例えば、最初に、単独抽選を実行すべく、制御コマンドの記憶領域から今回ゲームの当選対象コマンドを取得し(S31)、当選対象コマンドから特定される当選対象がAT遊技移行抽選権を有する当選対象かの判定を行う(S32)。
取得した当選対象コマンドから特定される当選対象がAT遊技移行抽選権を有する当選対象のときには(S32−Yes)、当選対象ごとに定められた当選確率(
図7(a)参照)に基づいてAT遊技移行抽選を実行する(S33)。AT遊技移行抽選では、例えば、スタートコマンドの受信タイミングで取得される乱数値と、AT移行抽選権を有する当選対象ごとに設けられた当選値との比較・照合を行う。
比較・照合の結果に基づいて当否の判定を行う(S34)。乱数値と当選値とが一致するときに当選とみなし(S34−Yes)、AT遊技当選情報を所定記憶領域にセットするとともに(S35)、S36に処理を進める。
同様に、乱数値と当選値とが一致しないとき(S34−No)、及び、取得した当選対象コマンドから特定される当選対象がAT遊技移行抽選権を有する当選対象でないときにも(S32−No)、S36に処理を進める。
【0045】
次いで、履歴抽選を実行すべく、S36では、複数ゲームに亘って受信した当選対象コマンドの履歴に対応する当選履歴を所定の記憶領域から取得し、その当選履歴の組合せが抽選条件(
図7(b)参照)を満たしているかの判定を行う(S37)。
抽選条件を満たしているときには(S37−Yes)、移行抽選実行情報83に係る情報を所定記憶領域にセットする(S38)。このとき、このセットされる情報に抽選条件ごとに定められた当選確率(
図7(b)参照)に基づいて決定される当選期待値情報を付加することもできる。
続いて、抽選条件ごとに定められた当選確率(
図7(b)参照)に基づいて上記(S33)と同様なAT遊技移行抽選を実行する(S39)。
比較・照合の結果により当否の判定を行い(S40)、乱数値と当選値とが一致するときに当選とみなし(S40−Yes)、AT遊技当選情報を所定記憶領域にセットするとともに(S41)、処理を終了する。
一方、乱数値と当選値とが一致しないとき(S40−No)、及び、抽選条件を満たしていないときにも(S37−No)、処理を終了する。
このようなAT遊技移行抽選処理の実行により、単独抽選での当選のみならず履歴抽選でも当選することがあり、このような二重当選の場合には、単独の当選よりも遊技者に有利な、例えば、2セットのAT遊技の実行を保証することもできる。
また、単独抽選と履歴抽選の双方を実行可能にしたが、単独抽選(S31〜S35)を行うことなく履歴抽選(S36〜S41)のみを実行可能とすることもできる。
【0046】
また、履歴管理処理は、
図14に示すフローチャートに従って実行される。
履歴管理処理では、例えば、最初に、当選対象コマンドの受信を判定する(S51)。
受信したものと判定すると(S51−Yes)、所定の記憶領域に記憶されている受信済みの当選対象コマンド(例えば、1ゲーム前〜3ゲーム前の当選対象コマンド)を、上位の記憶領域(例えば、上位ビット、上位アドレス)にシフトするとともに(S52)、新たに受信した当選対象コマンドを今回ゲームの記憶領域に格納する(S53)。
続いて、電断からの復旧後又は初期化後かの判定を行う(S54)。
ここで、初期化とは、所定の入力操作により上記の記憶領域がクリア(初期化)される状態であって、例えば、主制御部10において行われる抽選処理に係る確率を6段階からなるいずれかの確率に変更可能な確率設定操作、又は、RAMクリアスイッチ等の操作により、受信済みの当選対象コマンドの履歴のみならずサブRAMの記憶内容が初期化される状態をいう。
電断からの復旧後でない又は初期化後でないと判定されるときには(S54−No)、普段の給電状態とみなし、1ゲームの終了かの判定を行う(S55)。
1ゲームの終了と判定されたときには(S55−Yes)、表示器8に履歴情報Zを表示させるために、記憶領域に記憶されている受信済みの当選対象コマンドに対応する履歴表示情報の設定を行う(S56)。この設定に基づいて履歴情報Zが表示される。
さらに、AT遊技移行抽選において、移行抽選実行情報83に係る情報が所定記憶領域にセット済みかの判定を行う(S57)。セット済みと判定されると(S57−Yes)、表示器8に移行抽選実行情報83を表示させるために、移行抽選実行情報83に対応する表示情報の設定を行う(S58)。このとき、移行抽選実行情報83に係る情報とともにセットされた当選期待値情報の設定も行う。この設定に基づいて移行抽選実行情報83が表示されるとともに、当選期待値情報に応じた演出(期待値が大きいほど爆発模様が大きいなど)が行われ、その後、処理を終了する。
また、1ゲームが終了していないと判定されたとき(S55−No)、及びセット済みでないと判定されたときは(S57−No)、処理を終了する。
一方、S54において、電断からの復旧後又は初期化後であると判定されたときには(S54−Yes)、電断からの復旧後と初期化後のいずれにおいても、以下の同一の処理を実行した後、処理を終了する。
例えば、電断からの復旧後であって当選対象コマンドが当選対象コマンドの記憶領域に保持されている場合、又は当選対象コマンドの記憶領域が初期化されている場合のいずれにおいても、表示器8に履歴情報Zを表示させないために、履歴非表示情報の設定を行う(S59)。これにより、履歴情報表示領域81に履歴情報Zが表示されないことになる。
または、S59を実行することなく、電断からの復旧後であって当選対象コマンドが当選対象コマンドの記憶領域に保持されている場合、又は当選対象コマンドの記憶領域が初期化されている場合のいずれにおいても、表示器8における電断前と復旧後(初期化前と初期化後)の表示態様を変えるために、復旧時表示態様情報の設定を行うこともできる(S60)。
このように、少なくともS59とS60のいずれか一方の処理を実行することにより、例えば、
図9(a)に示す電断前の表示態様が、復旧後は、
図9(b)の(i)〜(iV)のいずれか、又は、表示枠82を表示させないなどの表示態様に変化することになる。
これにより、少なくとも電断前と復旧後(初期化前と初期化後)の表示態様が変化することから、電断の発生を明確にすることができる。
また、表示器8に履歴情報Zを表示させないことにより、遊技者と遊技場との間で生じる履歴情報の記憶違いに起因するトラブルがなくなるとともに、デバッグ作業等の労力が軽減されることになる。
また、副制御部20が、電断からの復旧後と初期化後のいずれの場合でも同じ処理を実行することより、確率設定変更が行われたか否かを外観から判別不能とすることができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、例えば、電断の発生を明確にすることができ、また、履歴情報の記憶違いに起因する遊技者と遊技場との間で発生するトラブルをなくすことができる。また、デバッグ作業等の労力を軽減することができる。
【0048】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0049】
例えば、本実施形態では、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコなどその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、履歴情報を識別可能に出力(報知)する出力(報知)手段として表示器8を採用したが、スピーカ9、ランプ11などその他の出力(報知)手段でもよい。
また、本実施形態では、履歴として、主制御部で実行される抽選処理の当選対象(抽選結果)の履歴を用いたが、これに代えて、リール上に導出された図柄の組合せの全部又は一部を特定可能な履歴(例えば、入賞判定コマンドに対応する入賞履歴)を用いることもできる。
【0050】
また、本実施形態では、履歴抽選で当選した結果移行する有利状態は、AT遊技であったが、RT遊技でもよい。この場合、履歴抽選で当選すると、その後、例えば、
図5に示す再遊技2(「昇格リプレイ」)に当選したときには、これに対応する押し順等が表示器8により報知され、この報知内容に準じた操作を停止ボタン5に対して行うことにより、RT遊技に移行することができる。
また、本実施形態では、AT遊技への移行抽選を副制御部20で行うとともに、押し順の報知に係る報知手段の制御を副制御部20が行うこととしたが、これらを主制御部10で行うこともできる。また、この場合、報知手段として、主制御部10が制御可能な発光手段(ランプ)を設け、ランプの発光態様により、押し順を報知することもできる。
【0051】
また、本実施形態のボーナスは、ART遊技の継続する状態としたが、これに代わり、所定のメダル獲得枚数(又は所定のゲーム数)まで小役(例えば、小役4)に高確率で当選する通常のボーナスでもよい。
また、押し順を指定する特定の抽選対象をこのような通常のボーナス中の抽選対象に含めるとともに、このボーナス中において、特定の抽選対象に当選したときには、指定の押し順を表示器8により報知し、この特定の抽選対象に対応する図柄の組合せが導出したときには(入賞)、他の入賞により獲得される枚数よりも多くのメダルが獲得される、又は、ボーナス後に所定の有利状態(例えば、AT遊技)に移行するなどの特典を付与することもできる。