(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という意味を有する記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0017】
本実施の形態である情報処理装置100は、携帯処理装置180から送信されてきた場所(位置)情報に基づいて、過去のその場所で行われた作業を反映している作業環境を送信するものであって、携帯処理装置180は、その作業環境を復元するものであって、
図1の例に示すように、情報処理装置100は、オブジェクト操作履歴保存モジュール110、オブジェクト管理モジュール115、検索履歴保存モジュール120、検索モジュール125、画面レイアウト保存モジュール130、画面管理モジュール135、作業セッション管理モジュール140、作業セッション保存モジュール150を有しており、携帯処理装置180は、モバイルアプリケーションモジュール185を有している。モバイルアプリケーションモジュール185は、作業環境表示モジュール190、作業場所検知モジュール195を有している。
情報処理装置100と携帯処理装置180は、通信回線を介して接続されている。通信回線は、無線であってもよいし、有線であってもよい。また、情報処理装置100に対して、複数の携帯処理装置180が接続されていてもよい。携帯処理装置180は、それを操作する人によって所持されている。所持には、必ずしも所有している必要はなく、貸与等されたことによって所持している場合も含む。携帯処理装置180の所持者は、場所毎に異なる作業状況を携帯処理装置180内で構築する。
例えば、携帯処理装置180の所持者が複数の場所で作業を実施する場合に、以前の場所で行っていた作業をすぐに再開したいような場合に、本実施の形態は用いられる。
具体的なケースとして、営業活動における顧客訪問の際に、以前の商談やプレゼンテーションの際に利用していた画面構成、文書、検索キーワードなどを復元したい場合に、本実施の形態は用いられる。
また、複写機等の機器の保守業務で、サービスエンジニアがある場所にある機器の保守管理を実施し、その結果を情報処理装置100にアップロードする場合、その場所での作業を記録すべきシートや撮影した写真をアップロードするフォルダを表示した状態の作業環境を復元したい場合に、本実施の形態は用いられる。
【0018】
携帯処理装置180について説明する。携帯処理装置180内のモバイルアプリケーションモジュール185は、情報処理装置100に対して、その場所においてユーザーの明示的な操作(現在の作業状況を情報処理装置100に送信するという指示)があること、又は、その場所における作業が終了した時点で、モバイルアプリケーションモジュール185の作業状況を情報処理装置100に送信する。「作業が終了した時点」とは、例えば、(1)携帯処理装置180が予め定められた時間A以上、同じ場所に滞在しており、その後に、携帯処理装置180を予め定められた距離以上に移動させた場合、(2)モバイルアプリケーションモジュール185を終了させた時点、(3)情報処理装置100へのアクセスを切断する時点(例えば、切断のための操作を受け付けた場合等)等がある。そして、次回、その場所における作業を開始した時点で、モバイルアプリケーションモジュール185の場所を情報処理装置100に送信する。「作業を開始した時点」とは、例えば、(1)携帯処理装置180を予め定められた距離以上に移動させ、携帯処理装置180が予め定められた時間B以上、同じ場所に滞在した場合、(2)モバイルアプリケーションモジュール185を立ち上げた時点、(3)情報処理装置100へのアクセスを行った時点等がある。そして、その場所における携帯処理装置180の前回の作業状況を復元する。なお、予め定められた時間Aは、予め定められた時間Bよりも長いとする。予め定められた時間Aは、例えば、作業にかかった統計的時間(例えば、平均値、最頻値、中央値等であり、以下、同様)であり、予め定められた時間Bは、例えば、作業を開始するまでの統計的時間(モバイルアプリケーションモジュール185を立ち上げるまでの準備時間等)である。
また、「携帯情報端末における作業状況」として、例えば、携帯処理装置180の表示装置に表示されている文書、その文書の表示装置における表示位置、携帯処理装置180で開いた文書の履歴、その場所で行われた検索履歴、最後に開いたフォルダ、画面レイアウト(携帯処理装置180のデスクトップ環境)等がある。これらは、例示列挙であり、他の情報を含めてもよい。また、これらのうち少なくとも1つを含む、又は、これらの組み合わせとしてもよい。
また、モバイルアプリケーションモジュール185は、作業状況を携帯処理装置180に送信する場合に、日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)、場所を情報処理装置100に送信する。また、携帯処理装置180を本実施の形態で一意に識別するための情報である携帯情報端末ID(IDentification)、携帯処理装置180を所持しているユーザーを本実施の形態で一意に識別するための情報であるユーザーID、又は、作業セッション(1つ又は複数の作業からなり、一連の作業である、又は、その作業における1つ以上の作業状況)を本実施の形態で一意に識別するための情報である作業セッションID等を、情報処理装置100に送信してもよい。なお、同じ作業セッションであっても、場所が変わりうるケースもある。本実施の形態では、1つの場所における作業開始から作業終了までを1つのサブセッションとし、一連のサブセッションを作業セッションとして構成し、場所情報はサブセッションと関連付ける。
【0019】
作業環境表示モジュール190は、情報処理装置100からの指示により作業環境を表示する。つまり、前回のその場所における作業環境を復元することになる。したがって、前回の続きの作業等を行うことができる。また、作業環境表示モジュール190は、ユーザーの操作を情報処理装置100に通知する。
作業場所検知モジュール195は、作業場所を情報処理装置100に内蔵されているGPS(Global Positioning System(汎地球測位システム))、スマートフォン等を含む携帯電話における基地局、WiFiアクセスポイント等の情報を用いて検知する。そして、その場所を情報処理装置100に送信する。
【0020】
オブジェクト操作履歴保存モジュール110は、オブジェクト管理モジュール115と接続されている。オブジェクト操作履歴保存モジュール110は、フォルダ、文書などの情報処理装置100内のオブジェクトに対する参照、編集などの履歴を作業セッションと関連付けて記憶している。例えば、オブジェクト操作履歴テーブル300を記憶している。
図3は、オブジェクト操作履歴テーブル300のデータ構造例を示す説明図である。オブジェクト操作履歴テーブル300は、オブジェクトID欄310、操作日時欄320、ユーザーID欄330、ウィンドウID欄340、操作欄350、セッションID欄360を有している。オブジェクト操作履歴テーブル300は、オブジェクトに対する操作毎に、情報を記憶している。
オブジェクトID欄310は、本実施の形態においてオブジェクトを一意に識別するための情報(オブジェクトID)を記憶している。操作日時欄320は、そのオブジェクトに対して操作が行われた操作日時を記憶している。ユーザーID欄330は、その操作を行ったユーザーのユーザーIDを記憶している。ウィンドウID欄340は、そのオブジェクトを表示しているウィンドウを、本実施の形態において一意に識別するための情報(ウィンドウID)を記憶している。操作欄350は、そのオブジェクトに対して行われた操作を記憶している。セッションID欄360は、作業セッションIDを記憶している。
オブジェクト管理モジュール115は、オブジェクト操作履歴保存モジュール110、作業セッション管理モジュール140と接続されている。オブジェクト管理モジュール115は、フォルダ、文書などの情報処理装置100内のオブジェクトを管理する。例えば、携帯処理装置180からの操作指示にしたがって、オブジェクトを携帯処理装置180に送信し、携帯処理装置180で、オブジェクトに対して行われた操作等を受信して、オブジェクト操作履歴テーブル300を生成する。そして、作業セッションIDに対応する操作等の履歴を携帯処理装置180に送信する。
【0021】
検索履歴保存モジュール120は、検索モジュール125と接続されている。検索履歴保存モジュール120は、携帯処理装置180において行われた検索指示において使用した検索条件を作業セッションと関連付けて記録する。検索履歴保存モジュール120は、例えば、検索履歴テーブル400を記憶している。
図4は、検索履歴テーブル400のデータ構造例を示す説明図である。検索履歴テーブル400は、操作日時欄410、ユーザーID欄420、検索条件欄430、セッションID欄440を有している。
操作日時欄410は、その検索が行われた日時を記憶している。ユーザーID欄420は、その検索の指示を行ったユーザーのユーザーIDを記憶している。検索条件欄430は、その検索における検索条件を記憶している。セッションID欄440は、作業セッションIDを記憶している。
検索モジュール125は、検索履歴保存モジュール120、作業セッション管理モジュール140と接続されている。検索モジュール125は、情報処理装置100内におけるオブジェクトの検索や索引付けを実行する。例えば、携帯処理装置180からの検索指示にしたがって、オブジェクトを検索して、携帯処理装置180に送信し、携帯処理装置180で、行われた検索指示を受信して、検索履歴テーブル400を生成する。そして、作業セッションIDに対応する検索条件の履歴を携帯処理装置180に送信する。
【0022】
画面レイアウト保存モジュール130は、画面管理モジュール135と接続されている。画面レイアウト保存モジュール130は、携帯処理装置180における画面レイアウトの内容を作業セッションと関連付けて記憶している。画面レイアウト保存モジュール130は、例えば、画面レイアウトテーブル500を記憶している。
図5は、画面レイアウトテーブル500のデータ構造例を示す説明図である。画面レイアウトテーブル500は、保存日時欄510、レイアウトデータ欄520、セッションID欄530を有している。
保存日時欄510は、画面レイアウトを保存した日時を記憶している。レイアウトデータ欄520は、レイアウトデータを記憶している。例えば、XML等で記述したものである。セッションID欄530は、作業セッションIDを記憶している。
画面管理モジュール135は、画面レイアウト保存モジュール130、作業セッション管理モジュール140と接続されている。画面管理モジュール135は、携帯処理装置180で表示する画面構成を管理する。例えば、画面管理モジュール135は、携帯処理装置180から送信されたレイアウトの内容を画面レイアウトテーブル500に記憶させ、作業セッションIDに対応するレイアウトの内容を携帯処理装置180に送信する。
【0023】
作業セッション保存モジュール150は、作業セッション管理モジュール140と接続されている。作業セッション保存モジュール150は、作業セッションを場所、開始時刻、終了時刻と関連付けて保存する。作業セッション保存モジュール150は、例えば、セッションテーブル600、サブセッションテーブル700を記憶している。
図6は、セッションテーブル600のデータ構造例を示す説明図である。セッションテーブル600は、セッションID欄610、セッション名欄620、開示範囲欄630を有している。
セッションID欄610は、作業セッションIDを記憶している。セッション名欄620は、その作業セッションIDが示す作業セッションの名称を記憶している。開示範囲欄630は、その作業セッションを開示する範囲を記憶している。この開示範囲は、他の携帯処理装置180(その作業セッションを作成した携帯処理装置180以外である他の携帯処理装置180)に対して、作業状況を開示する範囲を示す情報である。つまり、その作業セッションを共有してもいい範囲をいい、例えば、複数人を構成員として含むグループのグループID等がある。また、開示範囲欄630には、複数のグループIDを記憶してもよい。また、1つ以上のユーザーIDが列挙されていてもよい。
前述の例で、サービスエンジニアがグループを組んで、作業を行っている場合、前回、その場所にある機器に対して行われた作業が他の人(例えば、同じグループ内の構成員)のものである場合であっても、その場所での前回の作業状況を携帯処理装置180は得ることができる。つまり、他の人の作業状況を引き継ぐことができる。また、顧客訪問のケースで担当者が病欠した場合に、代理人のユーザーIDを開示範囲欄630に追加することによって、その代理人は、前回の訪問に使用した作業セッションを確認することができる。
【0024】
図7は、サブセッションテーブル700のデータ構造例を示す説明図である。サブセッションテーブル700は、サブセッションID欄710、ユーザーID欄720、セッションID欄730、開始日時欄740、終了日時欄750、開始位置欄760、終了位置欄770を有している。サブセッションは、作業セッションを構成するものであって、作業状況を指定するためのものである。携帯処理装置180から作業状況が送信される毎に、サブセッションを生成する。
サブセッションID欄710は、サブセッションを、本実施の形態において一意に識別するための情報(サブセッションID)を記憶している。ユーザーID欄720は、そのサブセッションを送信したユーザーのユーザーIDを記憶している。セッションID欄730は、そのサブセッションが含まれる作業セッションのセッションIDを記憶している。開始日時欄740は、そのサブセッションの開始日時(携帯処理装置180を用いた作業の開始日時)を記憶している。終了日時欄750は、そのサブセッションの終了日時(携帯処理装置180を用いた作業の終了日時)を記憶している。開始位置欄760は、そのサブセッションが開始された場所を記憶している。例えば、GPSの計測結果(経度、緯度、高度等)である。終了位置欄770は、そのサブセッションが終了した場所を記憶している。
【0025】
作業セッション管理モジュール140は、オブジェクト管理モジュール115、検索モジュール125、画面管理モジュール135、作業セッション保存モジュール150と接続されている。作業セッション管理モジュール140は、現在の場所に関連付けて作業セッションを保存し、場所情報からその場所の近傍(例えば、その場所から予め定められた距離以内にある場所)で実施された作業セッションを読み出す。
作業セッション管理モジュール140は、携帯処理装置180から通信回線を介して、携帯処理装置180の場所を受け付ける。そして、過去に携帯処理装置180から送信されてきた場所とその場所で携帯処理装置180における作業状況を関連付けて記憶している記憶装置(オブジェクト操作履歴保存モジュール110、検索履歴保存モジュール120、画面レイアウト保存モジュール130、作業セッション保存モジュール150)から、受け付けた携帯処理装置180の場所に対応する作業状況を抽出する。そして、その抽出した作業状況を、受け付けた場所を送信した携帯処理装置180に送信する。
具体的には、作業セッション管理モジュール140は、携帯処理装置180から受け付けた場所の近傍をサブセッションテーブル700の終了位置欄770(又は開始位置欄760)から検索し、それに対応するセッションID欄730に記憶されている作業セッションIDを抽出する。そして、その作業セッションIDに関連付けられた作業状況(具体的には、オブジェクト操作履歴テーブル300のオブジェクトID欄310、操作日時欄320、ユーザーID欄330、ウィンドウID欄340、操作欄350、検索履歴テーブル400の操作日時欄410、ユーザーID欄420、検索条件欄430、画面レイアウトテーブル500の保存日時欄510、レイアウトデータ欄520等に記憶されている情報がある)を抽出する。その抽出した作業状況を、携帯処理装置180に送信する。
【0026】
また、作業セッション管理モジュール140は、受け付けた携帯処理装置180の場所に対応する作業状況が複数ある場合は、その複数の作業状況を示す列挙情報として抽出するようにしてもよい。列挙情報として、作業セッションの名称のリストがある。そして、抽出した列挙情報を、携帯処理装置180の操作者の操作によって、その複数の作業状況内から作業状況を選択可能にする情報を送信するようにしてもよい。例えば、リスト内から作業セッションの名称を選択できるようにしたHTML等がある。
さらに、作業セッション管理モジュール140は、受け付けた携帯処理装置180の場所を送信した送信者の予定を取得し、その予定に関する作業状況を優先して選択できるようにした列挙情報を抽出するようにしてもよい。送信者の予定は、ユーザーIDを用いて、そのユーザーの予定(スケジュール)を管理しているスケジュール処理装置から抽出すればよい。「予定に関する作業状況」としては、例えば、予定情報として作業セッションの名称が含まれており、携帯処理装置180の場所を送信してきた日時における、そのユーザーの予定に含まれている作業状況を抽出すればよい。「優先して選択できる」として、例えば、リストの先頭部分にその作業状況を表示すること、又は、他とは異なる色でその作業状況を表示すること等がある。
また作業セッション管理モジュール140は、受け付けた携帯処理装置180の場所に対応する作業状況であって、開示範囲情報に示す開示範囲内に、その携帯処理装置180が含まれている場合は、その作業状況を、その携帯処理装置180に送信する。
【0027】
図2は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。ステップS202、S204、S216の処理は携帯処理装置180で行われ、その他のステップの処理は情報処理装置100で行われる。
ステップS202では、モバイルアプリケーションモジュール185を起動する。
ステップS204では、情報処理装置100に現在の場所情報を送信する。
ステップS206では、その場所の近傍に関連付けられた作業セッションが存在するか否かを判断し、存在する場合はステップS210へ進み、それ以外の場合はステップS208へ進む。場所情報から、サブセッションテーブル700内のサブセッションを検索し、そのサブセッションに対応する作業セッションを抽出する。
ステップS208では、デフォルトの作業セッションを設定、又は、作業セッションの選択リストを表示する。デフォルトの作業セッションとは、前回の作業が行われていない場合(初めて、その場所で作業が行われた場合)に用いられる標準的な作業セッションである。例えば、空のデータである作業セッションとしてもよいし、直近の作業セッションとしてもよい。作業セッションの選択リストとしては、例えば、携帯処理装置180のユーザーのスケジュール情報に対して、現在の日時に近い日時(現在の日時から予め定められた期間内)に設定されているスケジュールを抽出し、そのスケジュールに含まれている作業セッション名を抽出して、作業セッションの選択リストを生成してもよい。
【0028】
ステップS210では、その場所の近傍に関連付けられた作業セッションが複数あるか否かを判断し、複数ある場合はステップS212へ進み、それ以外の場合はステップS214へ進む。
ステップS212では、作業セッションの選択リストを表示する。その場所の近傍に関連付けられた複数の作業セッションを列挙したものである。また、この場合に、前述と同じように、携帯処理装置180のユーザーのスケジュール情報に対して、現在の日時に近い日時に設定されているスケジュールを抽出し、そのスケジュールに含まれている作業セッション名を抽出して、選択リスト内で先頭部分にその作業セッションを配置してもよい。
ステップS214では、作業セッションを決定する。つまり、1つしか作業セッションがない場合は、その作業セッションに対応する作業状況を携帯処理装置180に送信する。また、複数の作業セッションがある場合は、携帯処理装置180のユーザーの選択操作によって決定し、その作業セッションに対応する作業状況を携帯処理装置180に送信する。
【0029】
ステップS216では、作業状況を復元する。つまり、その場所において、携帯処理装置180が前回の作業状況(画面レイアウト、操作履歴、検索履歴等)になる。
ステップS218以下の処理では、携帯処理装置180によって作業が行われ、作業状況が情報処理装置100に送信される。
ステップS218では、サブセッション開始日時、場所情報をサブセッションテーブル700に記録する。
ステップS220では、作業内容を作業セッションに関連付けて、オブジェクト操作履歴テーブル300、検索履歴テーブル400、画面レイアウトテーブル500等に保存する。
ステップS222では、サブセッション終了日時、場所情報をサブセッションテーブル700に記録する。
【0030】
図8は、携帯処理装置180の画面で、作業環境を復元した例を示す説明図である。もちろんのことながら、その場所において、前回用いられた携帯処理装置180の画面例ともなり、携帯処理装置180のこれらの画面等に関する作業状況が情報処理装置100に送信されている。
画面800は、領域810、領域820、領域830、領域840、領域850を有している。つまり、領域810は、その場所の前回の作業において開いたフォルダの構成を表示している。領域820は、その場所の前回の作業において行った検索履歴等を表示している。領域830は、その場所の前回の作業において表示していた「A社様御見積書」を表示している。領域840は、その場所の前回の作業において表示していたカレンダーを表示している。領域850は、その場所の前回の作業において最近開いた文書を表示している。
【0031】
なお、本実施の形態(情報処理装置100、携帯処理装置180)としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、
図9に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバーとなり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU901を用い、記憶装置としてRAM902、ROM903、HD904を用いている。HD904として、例えばハードディスクを用いてもよい。オブジェクト管理モジュール115、検索モジュール125、画面管理モジュール135、作業セッション管理モジュール140、モバイルアプリケーションモジュール185、作業環境表示モジュール190、作業場所検知モジュール195等のプログラムを実行するCPU901と、そのプログラムやデータを記憶するRAM902と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM903と、補助記憶装置(フラッシュメモリ等であってもよい)であるHD904と、キーボード、マウス、タッチパネル等に対する利用者の操作に基づいてデータを受け付ける受付装置906と、CRT、液晶ディスプレイ等の出力装置905と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース907、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス908により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0032】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、
図9に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図9に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えばASIC等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに
図9に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、情報家電、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0033】
また、前述の実施の形態の説明において、予め定められた値との比較において、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい(未満)」としたものは、その組み合わせに矛盾が生じない限り、それぞれ「より大きい」、「より小さい(未満)」、「以上」、「以下」としてもよい。
前述の実施の形態においては、作業セッションとサブセッションを分けた例を示したが、セッションテーブル600とサブセッションテーブル700を統合してもよい。つまり、作業セッションと場所を関連付けてもよい。
また、複数の作業セッションを統合するようにしてもよい。具体的には、その複数の作業セッションの作業セッションIDを同じものにする。つまり、複数人がばらばらに作成した作業セッションの統合や、一時的に作った作業セッションの統合を可能にする。
また、前述の実施の形態においては、場所が近傍である作業状況を抽出するようにしているが、その場所の他に、さらに、(1)現在の曜日と同じ曜日に作成された作業状況であること、(2)日は異なっているが、現在の時刻と予め定められた時間以内に作成された作業状況であること等のいずれか1つ又は組み合わせの条件を加えてもよい。また、これらの条件を用いて、複数の作業状況がある場合に、優先的に表示する作業状況を抽出してもよい。
【0034】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。