【実施例】
【0041】
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[黒色樹脂組成物の調整]
フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分濃度=56.1質量%、新日鐵化学(株)社製V259ME)10.0gに対し、光重合性を有する化合物として、分子量578のジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(東亜合成(株)社製)1.9g、光重合開始剤として、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)(BASF社製 製品名イルガキュアOXE02)0.6g、溶剤として、シクロヘキサノン29.5g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート29.5g、添加剤にアデカポリエーテルG−400を1.0g加え、感光性樹脂組成物を得た。さらに、遮光剤としてカーボンブラック分散液(御国色素社製 TPBK−234C)27.5gを加えてよく撹拌し、顔料濃度40%である黒色樹脂組成物100gを得た。
【0042】
[着色樹脂組成物の調整]
着色樹脂組成物に使用する着色剤には以下のものを使用した。
赤色用顔料:C.I. Pigment Red 254(BASF社製「イルガーフォーレッド B−CF」)およびC.I. Pigment Red 177(BASF社製「クロモフタールレッド A2B」)
緑色用顔料:C.I. Pigment Green 58(DIC(株)製「FASTOGEN Green A10」)、およびC.I.PigmentYellow138
(BASF社製「パリオトールイエローK0961HD)
青色用顔料:C.I. Pigment Blue 15:6(東洋カラー社製「リオノールブルーES」)、キサンテン系染料ローダミン6G(東京化成工業社製)
【0043】
それぞれの顔料を用いて赤色・緑色・青色の着色樹脂組成物を作製した。
(赤色着色材料)
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料の分散体を作製した。
赤色顔料:C.I. Pigment Red 254 10重量部
赤色顔料:C.I. Pigment Red 177 10重量部
アクリルワニス(固形分20%) 108重量部
【0044】
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色材料を得た。
上記の赤色顔料の分散体 150重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 13重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 3重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 1重量部
シクロヘキサノン 253重量部
(緑色着色材料(No.1))
組成がそれぞれ下記組成となるように,赤色着色材料と同様の方法で作製した。
緑色顔料:C.I. Pigment Green 58 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 138 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 97重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 18重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 3.6重量部
(ナガセケムテックス製「EX−810」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部
【0045】
(青色着色材料)
組成がそれぞれ下記組成となるように,赤色着色材料と同様の方法で作製した。
青色顔料:C.I. Pigment Blue 15 50重量部
紫色染料:キサンテン系染料 2重量部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」) 10重量部
アクリルワニス(固形分20%) 200重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 19重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 214重量部
【0046】
[カラーフィルタ作製]
(ブラックマトリクスのパタ−ン形成)
黒色樹脂組成物を10cm×10cmのガラス基板上にスピンコーターで約1.5μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を乾燥、除去した。次に、上記BM1組成物の塗膜から150μmの間隔をあけて、20μmのストライプ状のパターンを有するフォトマスクをセットし、露光、その後、現像して未露光部分を取り除いた後、この基板を230℃で30分加熱して、BM(ブラックマトリクス)を形成した。
【0047】
(着色画素のパタ−ン形成)
前記ブラックマトリクスを形成した10cm×10cmのガラス基板上に、赤色着色樹脂組成物を、100μmのストライプ状のパターンを有するフォトマスクを用いること以外は、ブラックマトリクスの形成と同様の工程で、赤色画素を形成した。
次に、緑色着色樹脂組成物No.1、青色着色樹脂組成物を用いて、赤色画素の形成と同様の工程で、順次、緑色及び青色の画素を形成しカラーフィルタ基板を作製した。
【0048】
<実施例2>
[緑色着色樹脂組成物No.2の調整]
緑色顔料:C.I. Pigment Green 58 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 138 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 94重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 29重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 4.2重量部
(ナガセケムテックス製「EX−810」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部
実施例1の緑色着色樹脂組成物No.1の代わりに緑色着色樹脂組成物No.2を用いた以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板を作製した。
【0049】
<実施例3>
[緑色着色樹脂組成物No.3の調整]
緑色顔料:C.I. Pigment Green 58 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 138 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 102重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 19重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 8重量部
(ナガセケムテックス製「EX−810」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部
実施例1の緑色着色樹脂組成物No.1の代わりに緑色着色樹脂組成物No.3を用いた以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板を作製した。
【0050】
<実施例4>
[緑色着色樹脂組成物No.4の調整]
緑色顔料:C.I. Pigment Green 58 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 138 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 109重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 32重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 9重量部
(ナガセケムテックス製「EX−810」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部
実施例1の緑色着色樹脂組成物No.1の代わりに緑色着色樹脂組成物No.4を用い、緑色着色画素の製造工程において、焼成前に露光実施したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板を作製した。
【0051】
<実施例5>
実施例1の緑色着色樹脂組成物No.1を用い、緑色着色画素の製造工程において、焼成前に露光したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板を作製した。
【0052】
<比較例1>
[緑色着色樹脂組成物No.5の調整]
緑色顔料:C.I. Pigment Green 58 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 138 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 82重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 15重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 7.2重量部
(ナガセケムテックス製「EX−810」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部
実施例1の緑色着色樹脂組成物No.1の代わりに緑色着色樹脂組成物No.5を用いたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板を作製した。
【0053】
<比較例2>
[緑色着色樹脂組成物No.6の調整]
緑色顔料:C.I. Pigment Green 58 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 138 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 82重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 36重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 4.5重量部
(ナガセケムテックス製「EX−810」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部
実施例1の緑色着色樹脂組成物No.1の代わりに緑色着色樹脂組成物No.7を用いたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
【0054】
<比較例3>
[緑色着色樹脂組成物No.7の調整]
緑色顔料:C.I. Pigment Green 58 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 138 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 82重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 17重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部
実施例1の緑色着色樹脂組成物No.1の代わりに緑色着色樹脂組成物No.7を用いたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(画素の色度測定)
カラーフィルタの1つの画素の色度は、顕微分光器(大塚電子製 LCF−2000)を用い、C光源にてCIE表色系における色度座標(x,y)および明度(Y)を測定した。Y値が大きいほど透過率が高いことを示す。
【0055】
[膜硬度測定]
(ビッカース硬度(HV))
フィッシャー・インスツルメンツ社製微小膜硬度計HM2000を用いて、四角錐圧子(ビッカース圧子)を実施例1〜5、比較例1〜3で作製したカラーフィルタの緑色画素上に、20秒かけて5mNの荷重で押し込んだ時の数値(HV)を測定値とした。
HV値が大きいほど、硬度が高いことを示す。
色度測定結果および膜硬度測定結果について
図2に示す。これらの結果から、実施例1〜5では断面形状はすべて良好であり、且つ明度Yは全て58.4以上であった。膜硬度は45が最低値だった。一方、比較例1と3では断面形状は良好であったものの、明度Yは57.1に低下した。膜硬度はそれぞれ42と43だった。また比較例2では明度Yは58.7で良好であったが、断面形状はオーバーハングが生じて不良であった。膜硬度は52だった。この結果から、膜硬度が45〜50においては良好な結果が得られた。
また、良好な結果が得られた実施例1〜5においては、緑色着色樹脂組成物に含まれる光重合成モノマーの割合は25%〜35%だった。良好ではない結果が得られた比較例1〜3では、これらの数値範囲から外れたものであった。また良好な結果が得られたのは、固形分中に占める色材の割合が30%〜50%の場合であった。