特許第6303488号(P6303488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6303488-決済システム、および、決済方法 図000002
  • 特許6303488-決済システム、および、決済方法 図000003
  • 特許6303488-決済システム、および、決済方法 図000004
  • 特許6303488-決済システム、および、決済方法 図000005
  • 特許6303488-決済システム、および、決済方法 図000006
  • 特許6303488-決済システム、および、決済方法 図000007
  • 特許6303488-決済システム、および、決済方法 図000008
  • 特許6303488-決済システム、および、決済方法 図000009
  • 特許6303488-決済システム、および、決済方法 図000010
  • 特許6303488-決済システム、および、決済方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6303488
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】決済システム、および、決済方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20180326BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20180326BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20180326BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20180326BHJP
   G07G 1/14 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   G06Q20/20 340
   G06Q20/32
   G06Q30/06
   G06Q20/40 320
   G07G1/14
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-266386(P2013-266386)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-122009(P2015-122009A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】高畠 培栄
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】大石 浩
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5349662(JP,B1)
【文献】 特開2009−043012(JP,A)
【文献】 特開2013−109499(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0132173(US,A1)
【文献】 特開2003−308438(JP,A)
【文献】 特開2003−016365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G07G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実在する店舗にて販売される対象の決済に用いられる決済システムであって、
ECサイトを提供するECサイトサーバと、
前記ECサイトサーバとネットワークを介して接続され、前記販売される対象のうちの購入対象に関する情報を前記ECサイトサーバに送信する第1の送信端末と、
前記ECサイトサーバとネットワークを介して接続され、前記購入対象を購入する人物に対応する前記ECサイトの会員の識別情報を前記ECサイトサーバに送信する第2の送信端末と、を備え、
前記ECサイトサーバは、
前記ECサイトの会員が前記ECサイトを通じて商品を購入する際に用いられる決済手段に関する情報を、前記会員の識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、
前記第1の送信端末から受信した前記購入対象に関する情報と、前記第2の送信端末から受信した前記会員の識別情報と前記記憶部にて対応付けられている前記決済手段に関する情報とに基づいて決済処理を行って、前記決済処理の結果を前記店舗内に位置する受信端末に通知する制御部と、を備え
前記購入対象に対応付けられているタグからタグ情報を読み取る情報取得端末を備え、
前記情報取得端末は、前記タグから読み取ったタグ情報に基づいて前記購入対象を特定し、
前記第1の送信端末は、前記情報取得端末にて特定された前記購入対象に関する情報を前記ECサイトサーバに送信し、
前記購入対象を購入する人物の所持する携帯端末が、前記第2の送信端末として機能し、
前記情報取得端末が、前記受信端末として機能し、
前記携帯端末は、前記情報取得端末から前記ECサイトサーバのアクセス先に関する情報を取得し、前記アクセス先に関する情報を用いて前記ECサイトサーバにアクセスすることに基づいて、前記会員の識別情報を前記ECサイトサーバに送信する
決済システム。
【請求項2】
前記情報取得端末とネットワークを介して接続される中継端末が、前記第1の送信端末として機能し、
前記情報取得端末は、前記タグ情報に基づいて特定された前記購入対象に関する情報を前記中継端末に送信し、
前記中継端末は、前記情報取得端末から受信した前記購入対象に関する情報を前記ECサイトサーバに送信する
請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
記ECサイトサーバは、前記決済処理の結果を前記中継端末を介して前記情報取得端末に通知する
請求項1または2に記載の決済システム。
【請求項4】
前記購入対象を購入する人物の所持する携帯端末が、前記第1の送信端末、前記第2の送信端末、および、前記受信端末として機能し、
前記携帯端末は、前記情報取得端末にて特定された前記購入対象に関する情報と前記ECサイトサーバのアクセス先に関する情報とを前記情報取得端末から取得し、前記アクセス先に関する情報を用いて前記ECサイトサーバにアクセスすることに基づいて、前記購入対象に関する情報と前記会員の識別情報とを前記ECサイトサーバに送信し、
前記ECサイトサーバは、前記決済処理の結果を前記携帯端末に通知する
請求項に記載の決済システム。
【請求項5】
前記第1の送信端末は、前記購入対象に関する情報とともに、前記ECサイトから前記店舗に対して発行された証明書を前記ECサイトサーバに送信し、
前記ECサイトサーバの前記制御部は、前記第1の送信端末から受信した前記証明書の正当性が確認されたとき、前記決済処理を進める
請求項1〜のいずれか一項に記載の決済システム。
【請求項6】
ECサイトを提供するECサイトサーバと、前記ECサイトサーバとネットワークを介して接続される第1の送信端末および第2の送信端末と、を用いて行われる決済方法であって、
前記第1の送信端末が、実在する店舗にて販売される対象のうちの購入対象に関する情報を前記ECサイトサーバに送信するステップと、
前記第2の送信端末が、前記購入対象を購入する人物に対応する前記ECサイトの会員の識別情報を前記ECサイトサーバに送信するステップと、
前記ECサイトサーバが、前記第1の送信端末から受信した前記購入対象に関する情報と、前記ECサイトの会員が前記ECサイトを通じて商品を購入する際に用いられる決済手段に関する情報として前記会員の識別情報と対応付けて前記ECサイトサーバに記憶されている情報のうち、前記第2の送信端末から受信した前記会員の識別情報と対応付けられている前記決済手段に関する情報とに基づいて決済処理を行うステップと、
前記ECサイトサーバが、前記決済処理の結果を前記店舗内に位置する受信端末に通知するステップと、を含み、
前記購入対象に対応付けられているタグからタグ情報を読み取る情報取得端末が、前記タグから読み取ったタグ情報に基づいて前記購入対象を特定し、前記第1の送信端末が前記ECサイトサーバに送信する前記購入対象に関する情報は、前記情報取得端末にて特定された前記購入対象に関する情報であり、
前記情報取得端末が、前記受信端末として機能し、
前記購入対象を購入する人物の所持する携帯端末が、前記第2の送信端末として機能し、前記携帯端末は、前記情報取得端末から前記ECサイトサーバのアクセス先に関する情報を取得し、前記アクセス先に関する情報を用いて前記ECサイトサーバにアクセスすることに基づいて、前記会員の識別情報を前記ECサイトサーバに送信する
決済方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、実在する店舗での決済に用いられる決済システム、および、決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
実在する店舗において消費者が商品やサービスを購入するとき、商品やサービスの代金の決済には、現金やクレジットカードが利用されている(例えば、特許文献1参照)。一方、近年では、ECサイト(Electronic Commerce Site)の普及に伴い、インターネット等のネットワークを通じて消費者が商品やサービスを購入する機会が増加している。
【0003】
通常、ECサイトを提供するサーバには、ECサイトの会員となった消費者のクレジットカード情報が登録されている。そして、会員である消費者がECサイトで商品やサービスを購入するとき、商品やサービスの代金の決済には、サーバに登録されているクレジットカード情報が利用されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−329144号公報
【特許文献2】特開2013−15881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実在する店舗での商品等の購入には、ECサイトでの商品等の購入と比較して、消費者が商品等の実物を確認してから、商品等を購入できるという利点がある。一方、実在する店舗での決済は、消費者による現金あるいはクレジットカード等の現金に代わる決済手段の所持が購入機会ごとに必要であるため、予め登録されている情報を利用することができるECサイトでの決済と比較して、利便性が低い。
【0006】
本開示の技術は、実在する店舗での決済において消費者の利便性を高めることのできる決済システム、および、決済方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための決済システムは、実在する店舗にて販売される対象の決済に用いられる決済システムであって、ECサイトを提供するECサイトサーバと、前記ECサイトサーバとネットワークを介して接続され、前記販売される対象のうちの購入対象に関する情報を前記ECサイトサーバに送信する第1の送信端末と、前記ECサイトサーバとネットワークを介して接続され、前記購入対象を購入する人物に対応する前記ECサイトの会員の識別情報を前記ECサイトサーバに送信する第2の送信端末と、を備える。そして、前記ECサイトサーバは、前記ECサイトの会員が前記ECサイトを通じて商品を購入する際に用いられる決済手段に関する情報を、前記会員の識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、前記第1の送信端末から受信した前記購入対象に関する情報と、前記第2の送信端末から受信した前記会員の識別情報と前記記憶部にて対応付けられている前記決済手段に関する情報とに基づいて決済処理を行って、前記決済処理の結果を前記店舗内に位置する受信端末に通知する制御部と、を備える。
【0008】
上記課題を解決するための決済方法は、ECサイトを提供するECサイトサーバと、前記ECサイトサーバとネットワークを介して接続される第1の送信端末および第2の送信端末と、を用いて行われる決済方法であって、前記第1の送信端末が、実在する店舗にて販売される対象のうちの購入対象に関する情報を前記ECサイトサーバに送信するステップと、前記第2の送信端末が、前記購入対象を購入する人物に対応する前記ECサイトの会員の識別情報を前記ECサイトサーバに送信するステップと、前記ECサイトサーバが、前記第1の送信端末から受信した前記購入対象に関する情報と、前記ECサイトの会員が前記ECサイトを通じて商品を購入する際に用いられる決済手段に関する情報として前記会員の識別情報と対応付けて前記ECサイトサーバに記憶されている情報のうち、前記第2の送信端末から受信した前記会員の識別情報と対応付けられている前記決済手段に関する情報とに基づいて決済処理を行うステップと、前記ECサイトサーバが、前記決済処理の結果を前記店舗内に位置する受信端末に通知するステップと、を含む。
【0009】
上記システムおよび方法によれば、消費者が実在する店舗にて商品やサービスを購入するときに、ECサイトサーバに記憶されている決済手段に関する情報が用いられて、決済処理が行われ、その結果が、店舗内に位置する端末に通知される。この決済手段は、実在する店舗にて購入対象を購入する人物がECサイトの会員としてECサイトを通じて商品を購入する際に用いられる決済手段である。したがって、予めECサイトサーバに登録されている情報が有効に活用され、現金やクレジットカード等を所持せずとも、消費者が実在する店舗にて商品やサービスを購入することが可能となるため、実在する店舗での決済において消費者の利便性を高めることができる。
【0010】
上記決済システムは、前記購入対象に対応付けられているタグからタグ情報を読み取る情報取得端末を備え、前記情報取得端末は、前記タグから読み取ったタグ情報に基づいて前記購入対象を特定し、前記第1の送信端末は、前記情報取得端末にて特定された前記購入対象に関する情報を前記ECサイトサーバに送信することが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、購入対象に対応付けられているタグから情報取得端末が読み取ったタグ情報に基づいて、購入対象が特定される。したがって、購入対象の特定が円滑に行われる。
【0012】
上記決済システムにおいて、前記情報取得端末とネットワークを介して接続される中継端末が、前記第1の送信端末として機能し、前記情報取得端末は、前記タグ情報に基づいて特定された前記購入対象に関する情報を前記中継端末に送信し、前記中継端末は、前記情報取得端末から受信した前記購入対象に関する情報を前記ECサイトサーバに送信してもよい。
【0013】
上記構成によれば、情報取得端末およびECサイトサーバのそれぞれとネットワークを介して接続される中継端末が、情報取得端末とECサイトサーバとの間で情報を中継する。したがって、情報の受け渡しが円滑に行われる。
【0014】
上記決済システムにおいて、前記購入対象を購入する人物の所持する携帯端末が、前記第2の送信端末として機能し、前記情報取得端末が、前記受信端末として機能し、前記携帯端末は、前記情報取得端末から前記ECサイトサーバのアクセス先に関する情報を取得し、前記アクセス先に関する情報を用いて前記ECサイトサーバにアクセスすることに基づいて、前記会員の識別情報を前記ECサイトサーバに送信し、前記ECサイトサーバは、前記決済処理の結果を前記中継端末を介して前記情報取得端末に通知してもよい。
【0015】
上記構成によれば、第1の送信端末としての機能と、第2の送信端末としての機能とが互いに異なる端末によって実現されるため、これらの端末の機能が同一の端末によって実現される場合と比較して、機能の分散による端末の構成の簡素化と、1つの端末あたりの通信量の削減が図られる。
【0016】
上記決済システムにおいて、前記購入対象を購入する人物の所持する携帯端末が、前記第1の送信端末、前記第2の送信端末、および、前記受信端末として機能し、前記携帯端末は、前記情報取得端末にて特定された前記購入対象に関する情報と前記ECサイトサーバのアクセス先に関する情報とを前記情報取得端末から取得し、前記アクセス先に関する情報を用いて前記ECサイトサーバにアクセスすることに基づいて、前記購入対象に関する情報と前記会員の識別情報とを前記ECサイトサーバに送信し、前記ECサイトサーバは、前記決済処理の結果を前記携帯端末に通知してもよい。
【0017】
上記構成によれば、購入対象を購入する人物の所持する携帯端末が、第1の送信端末、第2の送信端末、および、受信端末としての機能を担うため、これらの端末の機能が各別の端末によって実現される場合と比較して、決済システムに必要な端末を削減することができる。
【0018】
上記決済システムにおいて、前記第1の送信端末は、前記購入対象に関する情報とともに、前記ECサイトから前記店舗に対して発行された証明書を前記ECサイトサーバに送信し、前記ECサイトサーバの前記制御部は、前記第1の送信端末から受信した前記証明書の正当性が確認されたとき、前記決済処理を進めることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、決済処理が進められる際に、証明書の正当性の確認が行われるため、決済処理の信頼性を高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示の技術によれば、実在する店舗での決済において消費者の利便性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の技術における第1の実施形態の決済システムの構成を示すシステム構成図である。
図2】第1の実施形態でのECサイトサーバ、中継端末、および、レジ端末の構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態の決済システムによる決済の手順を示すシーケンス図である。
図4】第1の実施形態の決済システムによる決済の手順を示すシーケンス図である。
図5】第1の実施形態の決済システムによる決済の手順を示すシーケンス図である。
図6】(a)〜(g)は、第1の実施形態の決済システムを利用して行われる商品の購入の手順を、レジ端末および携帯端末での画面の推移を中心に示す図である。
図7】本開示の技術における第2の実施形態の決済システムの構成を示すシステム構成図である。
図8】第2の実施形態でのECサイトサーバおよびレジ端末の構成を示すブロック図である。
図9】第2の実施形態の決済システムによる決済の手順を示すシーケンス図である。
図10】(a)〜(g)は、第2の実施形態の決済システムを利用して行われる商品の購入の手順を、レジ端末および携帯端末での画面の推移を中心に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
図1図6を参照して、決済システムおよび決済方法の第1の実施形態について説明する。なお、以下では、例として、ECサイトの会員である消費者が、実在する店舗で商品を購入する場合について説明する。以下の説明において、「店舗」は実在する店舗を示す。
【0023】
[決済システムの構成]
図1および図2を参照して、決済システムの構成について説明する。
図1に示されるように、決済システムは、ECサイトサーバ10と、中継端末20と、レジ端末30と、携帯端末40とを含む。
【0024】
ECサイトサーバ10と中継端末20とは、インターネット等のネットワークNW1に接続されており、ECサイトサーバ10と中継端末20とは、相互にデータを送受信する。また、携帯端末40もネットワークNW1に接続されており、ECサイトサーバ10と携帯端末40とは、相互にデータを送受信する。なお、ECサイトサーバ10と中継端末20とが接続されるネットワークと、ECサイトサーバ10と携帯端末40とが接続されるネットワークとは、互いに異なるネットワークであってもよい。
【0025】
中継端末20とレジ端末30とは、ネットワークNW2に接続されており、中継端末20とレジ端末30とは、相互にデータを送受信する。ネットワークNW2は、例えば、中継端末20とレジ端末30とが設置される店舗内における有線または無線によるネットワークに具体化されるが、これに限らず、ネットワークNW2はネットワークNW1と同一のネットワークであってもよい。
【0026】
なお、決済システムに含まれるECサイトサーバ10、中継端末20、レジ端末30、携帯端末40の各々の数は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
ECサイトサーバ10は、ECサイトを提供するサーバであって、ECサイトにて販売される商品に関する情報の管理や、ECサイトを通じて購入される商品の代金の決済に関する処理や、ECサイトの会員に関する情報の管理等、ECサイトでの商品の販売に必要な処理を行う。ECサイトサーバ10が提供するECサイトは、1つのオンライショップから構成されるサイトであってもよいし、複数のオンラインショップから構成されるオンラインモール型のサイトであってもよい。決済システムでは、ECサイトサーバ10が有する機能のうち、決済に関する処理を行う機能を利用する。
【0027】
中継端末20は、レジ端末30とECサイトサーバ10との間で情報の中継を行うコンピュータ端末である。中継端末20は、店舗にて管理される端末であって、店舗ごとに設けられる。
【0028】
レジ端末30は、商品の販売額の計算や記録等を行うキャッシュレジスターとしての機能を有する端末である。レジ端末30は、店舗における会計を行う箇所に設置されている。レジ端末30は、商品に対応付けられているタグ50が有するバーコードから情報を読み取り、また、タグ50から読み取った情報あるいは中継端末20から受信した情報に基づいて、商品を購入する消費者に情報を提示する。
【0029】
店舗で販売されている商品には、上記タグ50が付されている。タグ50は、レジ端末30に読み取られるタグ情報をバーコードとして保持している。なお、タグ50は商品に直接付されていてもよいし、各商品と対応付けられた状態で、商品とは別に管理されていてもよい。
【0030】
携帯端末40は、消費者が店舗にその端末を所持して行くことが可能なコンピュータ端末であって、例えばスマートフォン等に具体化される。携帯端末40は、ネットワークNW1への接続機能およびECサイトの閲覧機能と、レジ端末30に表示される二次元コードから情報を読み取る機能とを有している。
【0031】
図2を参照して、ECサイトサーバ10、中継端末20、および、レジ端末30の詳細な構成について説明する。
図2に示されるように、レジ端末30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33と、入出力部34とを備えている。
【0032】
通信部31は、レジ端末30と中継端末20との接続処理を実行し、レジ端末30と中継端末20との間でデータの送信および受信を行う。
入出力部34は、外部からの情報を制御部32にデータや信号として入力したり、制御部32からのデータや信号を受けて外部へ情報を出力したりする入出力デバイスであって、表示部34aと、操作部34bと、読み取り部34cとを備えている。表示部34aは、例えばディスプレイであって、制御部32から受けたデータに基づいて、画像を表示する。表示部34aは、商品を購入する消費者が視認可能な位置に設けられる。操作部34bは、例えばタッチパネルやキーボードであって、店舗の店員や商品を購入する消費者によって操作される。操作部34bは、操作部34bに対する操作を信号に変換して制御部32に入力する。読み取り部34cは、例えばバーコードリーダーであって、商品に対応付けられているタグ50が有するタグ情報をタグ50から読み取る。読み取り部34cは、読み取ったタグ情報をデータとして制御部32に入力する。
【0033】
制御部32は、CPUを含み、記憶部33に記憶されたプログラムやデータに基づいて、各種の演算処理やレジ端末30の各部の制御を行う。制御部32は、決済システムによる決済方法を実現する構成の一部として、画面データ処理部32aとレジ送信データ生成部32bとを備えている。
【0034】
画面データ処理部32aは、画面データ処理部32aが取得もしくは生成した画像のデータを表示部34aに出力して、表示部34aに所定の画面を表示させる。表示部34aに表示される画面には、販売画面とコード画面と決済完了画面とが含まれる。
【0035】
販売画面は、購入対象である商品の内容や金額や利用可能な決済種類等が表示される画面であって、購入対象の商品を特定するとともに決済種類の選択を受付ける画面である。商品の内容には、例えば、商品の名称や色の種類やサイズ等が含まれる。決済種類としては、現金、クレジットカード、ECサイトを利用した決済等、決済に用いることの可能な手段が示される。利用することの可能なECサイトが複数ある場合には、販売画面には、選択可能なECサイトの種類が表示される。
【0036】
コード画面は、ECサイトサーバ10から中継端末20を介して送信されたデータに基づく二次元コードが表示される画面である。
決済完了画面は、ECサイトサーバ10における決済処理の結果が表示される画面であって、決済完了画面には、購入対象の商品の内容や決済が行われた金額や商品を購入する店舗とともに、決済が完了したことを通知する表示が表示される。
【0037】
画面データ処理部32aは、読み取り部34cが読み取ったタグ情報に基づいて、中継端末20から販売画面のデータを取得し、取得したデータを表示部34aに出力して、表示部34aに販売画面を表示させる。
【0038】
また、画面データ処理部32aは、ECサイトサーバ10から中継端末20を介して送信された二次元コードのデータに基づいてコード画面のデータを生成し、生成したデータを表示部34aに出力して、表示部34aにコード画面を表示させる。
【0039】
また、画面データ処理部32aは、ECサイトサーバ10から中継端末20を介して送信されたデータに基づいて決済完了画面のデータを生成し、生成したデータを表示部34aに出力して、表示部34aに決済完了画面を表示させる。
【0040】
レジ送信データ生成部32bは、入出力部34から制御部32に入力されたデータや信号に基づいて、レジ端末30から中継端末20に送信するデータを生成する。具体的には、レジ送信データ生成部32bは、読み取り部34cが読み取ったタグ情報に基づいて購入対象とされる商品を特定し、特定した購入対象の商品を示す商品情報を記憶部33から取得する。商品情報には、商品の内容と金額とが含まれる。そして、レジ送信データ生成部32bは、商品情報と、レジ端末30の表示部34aに表示された販売画面にて消費者が選択した決済種類およびECサイトの種類を含む決済希望情報とを含むデータを、中継端末20に送信するデータとして生成する。購入対象の商品の特定は、画面データ処理部32aがタグ情報に基づいて販売画面を表示させることを通じて、販売画面のデータに基づいて行われてもよいし、タグ情報が商品の識別情報である場合にはタグ情報そのものに基づいて行われてもよい。
【0041】
記憶部33は、制御部32の処理に必要なプログラムやデータを一時的あるいは永続的に記憶する。こうしたデータの一例として、記憶部33は、店舗で販売されている各商品についての商品情報を記憶している。
【0042】
ここで、タグ50が有するタグ情報について説明する。
販売画面のデータは、タグ情報と対応付けられて、中継端末20に記憶されており、レジ端末30の画面データ処理部32aは、タグ50から読み取ったタグ情報に基づいて、そのタグ情報に合致するタグ情報と対応付けられている販売画面のデータを中継端末20から取得する。
【0043】
例えば、中継端末20が、各商品の販売画面のデータを、商品ごとに割り当てられた商品の識別情報と対応付けて記憶している場合には、タグ情報は商品の識別情報とされる。あるいは、タグ情報は、中継端末20におけるその商品の販売画面のデータのアドレスを示すURLであってもよい。要は、タグ情報は、画面データ処理部32aがそのタグ50に対応付けられている商品に対応する販売画面のデータを特定できる情報であって、レジ送信データ生成部32bがそのタグ50に対応付けられている商品を特定して対応する商品情報を含むデータを生成できる情報であればよい。
【0044】
中継端末20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを備えている。
通信部21は、中継端末20とレジ端末30あるいはECサイトサーバ10との接続処理を実行し、中継端末20と接続先の装置との間でデータの送信および受信を行う。
【0045】
制御部22は、CPUを含み、記憶部23に記憶されたプログラムやデータに基づいて、各種の演算処理や中継端末20の各部の制御を行う。制御部22は、決済システムによる決済方法を実現する構成の一部として、中継送信データ生成部22aを備えている。
【0046】
中継送信データ生成部22aは、中継端末20がレジ端末30から受信したデータに基づいて、中継端末20がECサイトサーバ10へ送信するデータを生成する。具体的には、中継送信データ生成部22aは、レジ端末30から受信した商品情報と、中継端末20の記憶部23に記憶されている店舗IDおよび証明書とを含むデータを、ECサイトサーバ10へ送信するデータとして生成する。
【0047】
また、中継送信データ生成部22aは、レジ端末30から受信した決済希望情報に基づいて、データの送信先となるECサイトサーバ10を特定し、特定したECサイトサーバ10に、中継送信データ生成部22aが生成したデータを通信部21を介して送信する。
【0048】
また、中継送信データ生成部22aは、レジ端末30にて販売画面や決済完了画面のデータの生成に用いられるデータとしてECサイトサーバ10から受信したデータを通信部21を介してレジ端末30に送信する。
【0049】
記憶部23は、制御部22の処理に必要なプログラムやデータを一時的あるいは永続的に記憶する。こうしたデータの一例として、記憶部23は、上記店舗IDと証明書とを記憶している。店舗IDは、店舗の識別情報であって、決済システムを利用して商品の代金についての決済を行う店舗ごとに割り当てられている。証明書は、ECサイトから決済システムを利用する店舗に対して、その店舗の正当性を証明する証明書として発行された電子証明書である。記憶部33が記憶している店舗IDおよび証明書は、中継端末20に対応する店舗の店舗IDおよびその店舗に対して発行された証明書である。また、記憶部23は、タグ情報と、そのタグ情報を有するタグ50と対応付けられる商品についての販売画面のデータとを、対応付けて記憶している。
【0050】
ECサイトサーバ10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを備えている。
通信部11は、ECサイトサーバ10と中継端末20あるいは携帯端末40との接続処理を実行し、ECサイトサーバ10と接続先の装置との間でデータの送信および受信を行う。
【0051】
制御部12は、CPUを含み、記憶部13に記憶されたプログラムやデータに基づいて、各種の演算処理やECサイトサーバ10の各部の制御を行う。制御部12は、決済システムによる決済方法を実現する構成の一部として、決済処理部12aを備えている。
【0052】
決済処理部12aは、中継端末20から受信した店舗IDおよび証明書に基づく認証を行った後、中継端末20から受信した商品情報と店舗IDとに基づいて決済情報を生成する。そして、決済処理部12aは、ECサイトサーバ10のアクセス先に関する情報であるログインページのURLを情報として有する二次元コードのデータを生成する。
【0053】
ログインページは、ログイン情報の入力を受付けるページである。ログイン情報は、ECサイトの会員がECサイトにログインする際に必要となる認証情報であって、会員に割り当てられた識別情報である会員IDやパスワード等を含む。また、決済処理部12aが生成したデータに基づく二次元コードから導かれるログインページは、入力されたログイン情報の認証が成功してログインが完了した後に表示されるページとして、決済処理部12aが生成した決済情報および記憶部13にて会員IDに対応付けられている決済手段に関する情報に基づいて生成される決済ページが設定されている。決済ページは、購入対象の商品の内容や決済の対象となる金額およびその内訳や、商品を購入する店舗、クレジットカード番号等の決済手段等の情報が表示され、消費者からの決済の承認を受付けるページである。
【0054】
決済処理部12aが生成した二次元コードのデータは、ECサイトサーバ10から中継端末20を介してレジ端末30に送信される。レジ端末30では、受信した二次元コードのデータに基づく二次元コードが、コード画面として表示部に表示される。そして、携帯端末40が、コード画面から情報を読み取り、読み取ったECサイトサーバ10のアクセス先に関する情報を用いてECサイトサーバ10にアクセスすることに基づいて、携帯端末40とECサイトサーバ10との間でデータの送受信が行われる。これによって、携帯端末40が有する表示部へのログインページや決済ページの表示や、携帯端末40からECサイトサーバ10へのログイン情報や決済の承認の通知の送信が行われる。
【0055】
決済処理部12aは、決済ページを通じて携帯端末40から決済の承認の通知が送信されたとき、決済を実行する処理を行って、その結果を決済完了画面の生成に用いられるデータとして、中継端末20に通信部11を介して送信する。
【0056】
なお、決済処理部12aが行う決済処理には、上述の決済情報の生成や、決済ページ等のデータの携帯端末40への送信や、決済実行処理等、決済が完了するまでに決済処理部12aが行う処理が含まれる。
【0057】
記憶部13は、制御部12の処理に必要なプログラムやデータを一時的あるいは永続的に記憶する。こうしたデータの一例として、記憶部13は、会員データと店舗データとを記憶している。
【0058】
会員データは、ECサイトの会員に関するデータであって、例えば、会員IDやパスワード等の認証情報、会員の氏名やメールアドレス等の連絡先情報、決済に使用されるクレジットカード情報等の決済手段に関する情報等を含み、これらの情報が会員ごとの情報として、会員の識別情報である会員IDに対応付けられているデータである。
【0059】
店舗データは、決済システムを利用する店舗の店舗IDを含むデータである。決済システムを利用する店舗としての正当性が認められて、証明書が発行された店舗の店舗IDや、証明書の認証に用いられる暗号鍵等が、店舗データとして記憶部13に記憶される。
【0060】
また、記憶部13は、ログインページ等のECサイトを構成するページのデータを記憶している。
[商品の購入の手順]
図3図5を参照して、決済システムにて行われる決済の手順を含めた商品の購入の手順について説明する。
【0061】
まず、店舗にて、購入する商品を選択した消費者は、店舗内のレジ端末30が設置されている場所に、購入する商品を持って行く。店舗の店員は、レジ端末30を操作して、レジ端末30の読み取り部34cを、商品に付されているタグ50にかざす。
【0062】
これにより、図3に示されるように、購入対象の商品に対応付けられているタグ50のタグ情報が、レジ端末30に読み取られる(ステップS10)。
タグ情報を読み取ると、レジ端末30の画面データ処理部32aは、読み取ったタグ情報に基づいて、販売画面のデータを中継端末20に要求する(ステップS11)。中継端末20の制御部22は、中継端末20の記憶部23にて、タグ情報と対応付けられている販売画面のデータを特定し、特定した販売画面のデータをレジ端末30に送信する(ステップS12)。レジ端末30の画面データ処理部32aは、中継端末20から受信した販売画面のデータを用いて、表示部34aに販売画面を表示させる(ステップS13)。
【0063】
レジ端末30の表示部34aに販売画面が表示されると、消費者は、販売画面にて示される商品の内容や金額を確認して、決済種類を選択する。決済種類の選択は、例えば、レジ端末30がタッチパネルを操作部34bとして備える場合には、消費者が、販売画面のうちの選択したい決済種類が表示されている部分を触ることにより行われる。これにより、レジ端末30の制御部32に、選択された決済種類が入力される(ステップS14)。なお、ECサイトを利用した決済が選択された場合であって、利用可能なECサイトが複数ある場合には、消費者は利用するECサイトを選択し、選択されたECサイトの種類がレジ端末30の制御部32に入力される。
【0064】
以下では、ステップS14において、ECサイトを利用した決済が選択された場合について説明する。なお、ステップS14において、現金やクレジットカード等、ECサイトを利用した決済とは異なる決済種類が選択された場合には、店員が選択された決済種類に対応する処理を行うことによって、決済が行われる。
【0065】
ステップS14において、ECサイトを利用した決済が選択された場合、レジ端末30のレジ送信データ生成部32bは、ECサイトを利用した決済が選択されたことを示す情報および選択されたECサイトの種類を含む決済希望情報と、タグ情報の読み取りに基づいて特定された購入対象の商品を示す商品情報とを含むデータを生成し、生成したデータを中継端末20に送信する(ステップS15)。
【0066】
レジ端末30からデータを受信すると、中継端末20の中継送信データ生成部22aは、レジ端末30から受信した商品情報と、中継端末20の記憶部23に記憶されている店舗IDおよび証明書とが含まれるデータを生成する。そして、中継送信データ生成部22aは、レジ端末30から受信した決済希望情報に基づいて、データの送信先となるECサイトサーバ10を特定し、特定したECサイトサーバ10に、中継送信データ生成部22aが生成したデータを送信する(ステップS16)。
【0067】
図4に示されるように、中継端末20からデータを受信すると、ECサイトサーバ10の決済処理部12aは、中継端末20から受信した店舗IDおよび証明書に基づく認証を行う(ステップS17)。決済処理部12aは、中継端末20から受信した店舗IDが、ECサイトサーバ10の記憶部13が記憶している店舗データに登録されている店舗IDであるか否か、および、中継端末20から受信した証明書が、ECサイトがその店舗に対して発行した証明書であるか否かを検証することにより認証を行う。店舗IDが、店舗データに登録されている店舗IDであって、証明書が、その店舗に対して発行された正当な証明書であるとき、認証は成功と判定される。すなわち、店舗IDと証明書との正当性が確認されれば、データを送信した中継端末20に対応する店舗が、決済システムを利用する店舗としてECサイトが認めた正当な店舗であることが確認される。なお、認証が失敗した場合には、ECサイトサーバ10から中継端末20へ認証が失敗した旨の通知が送られる。
【0068】
認証が成功すると、決済処理部12aは、中継端末20から受信した商品情報および店舗IDに基づいて決済情報を生成する(ステップS18)。決済情報には、商品の内容や決済の対象となる金額およびその内訳や商品が購入される店舗等の情報が含まれる。決済処理部12aは、生成した決済情報に決済番号を付与して、決済情報を記憶部13に記憶させる。
【0069】
決済情報を生成すると、決済処理部12aは、ログインページのURLを情報として有する二次元コードのデータを生成する(ステップS19)。このログインページは、ログインが完了した後に表示されるページとして、指定された決済番号に対応する決済情報に基づいて生成される決済ページが設定されている。決済番号は、ステップS18にて決済処理部12aが生成した決済情報に付与された決済番号が指定される。
【0070】
二次元コードのデータを生成すると、決済処理部12aは、生成した二次元コードのデータを中継端末20に送信する(ステップS20)。ECサイトサーバ10から二次元コードのデータを受信すると、中継端末20の中継送信データ生成部22aは、受信した二次元コードのデータをレジ端末30に送信する(ステップS21)。
【0071】
中継端末20から二次元コードのデータを受信すると、レジ端末30の画面データ処理部32aは、受信した二次元コードのデータに基づいてコード画面のデータを生成し、生成したデータを用いて、表示部34aにコード画面を表示させる(ステップS22)。そして、消費者が携帯端末40を操作することにより、表示部34aのコード画面から、二次元コードが有する情報が携帯端末40に読み取られる(ステップS23)。
【0072】
携帯端末40は、コード画面から読み取った情報、すなわちECサイトのログインページのURLに基づいて、ECサイトサーバ10にログインページへのアクセスを要求する(ステップS24)。携帯端末40からの要求を受けると、ECサイトサーバ10の制御部12は、アクセスを要求されたURLに対応するログインページのデータを携帯端末40に送信する(ステップS25)。
【0073】
図5に示されるように、ECサイトサーバ10からログインページのデータを受信すると、受信したデータに基づいて、携帯端末40はログインページを表示する(ステップS26)。消費者は、ログインページの指示に従って、ECサイトの会員としての消費者に割り当てられているログイン情報を入力する。これにより、購入対象の商品を購入する消費者に対応するECサイトの会員の会員IDを含むログイン情報が携帯端末40に入力される(ステップS27)。ログイン情報が入力されると、携帯端末40は、入力されたログイン情報をECサイトサーバ10に送信する(ステップS28)。
【0074】
携帯端末40からログイン情報を受信すると、ECサイトサーバ10の決済処理部12aは、ログイン情報に基づいて認証を行う(ステップS29)。すなわち、決済処理部12aは、受信したログイン情報が、ECサイトサーバ10の記憶部13に記憶されている会員データに登録されている情報と合致するとき、消費者が正当な会員であるとして、認証を成功と判定する。認証が成功すると、決済処理部12aは、指定された決済番号に対応する決済情報と、受信したログイン情報における会員IDと会員データにて対応付けられているクレジットカード情報とに基づいて、決済ページのデータを生成し、生成されたデータを携帯端末40に送信する(ステップS30)。なお、認証が失敗した場合には、ECサイトサーバ10から携帯端末40へ認証が失敗した旨の通知が送られる。
【0075】
ECサイトサーバ10から決済ページのデータを受信すると、受信したデータに基づいて、携帯端末40は決済ページを表示する(ステップS31)。消費者は、決済ページにて示される商品の内容や、商品を購入する店舗や、決済の対象となる金額や、クレジットカード番号等の決済手段を確認して、決済の承認を行う。決済の承認は、例えば、決済画面における承認ボタンの押下によって行われ、これにより、携帯端末40に、決済を承認する旨の情報が入力される(ステップS32)。
【0076】
決済を承認する旨の情報が入力されると、携帯端末40は決済が承認された旨の通知をECサイトサーバ10に送る(ステップS33)。携帯端末40からの通知を受けると、ECサイトサーバ10の決済処理部12aは、決済を実行する処理である決済実行処理として、決済ページに表示させた金額やクレジットカード番号等に従って、クレジットカード会社のサーバへのデータの送信等、所定の処理を行う(ステップS34)。
【0077】
決済実行処理が完了すると、決済処理部12aは決済実行処理の処理結果を、決済完了画面の生成に用いられるデータとして、中継端末20に送信する(ステップS35)。中継端末20の中継送信データ生成部22aは、ECサイトサーバ10から受信したデータを、レジ端末30に送信する(ステップS36)。
【0078】
中継端末20からデータを受信すると、受信したデータに基づいて、レジ端末30の画面データ処理部32aは、決済完了画面のデータを生成し、生成したデータを用いて、表示部34aに決済完了画面を表示させる(ステップS37)。
【0079】
店員は、決済完了画面の内容を確認して、決済が適切に行われたことを確認すると、商品を消費者に引き渡す。これにより、消費者による商品の購入が完了する。
[作用]
図6を参照して、第1の実施形態の作用を説明する。
【0080】
図6は、レジ端末30および携帯端末40に表示される画面の推移を中心に、消費者の視点から見た商品の購入の手順を示す図である。
図6(a)に示されるように、消費者が購入しようとしている商品のタグ50がレジ端末30に読み取られると、図6(b)に示されるように、レジ端末30に販売画面が表示される。消費者は、販売画面にて、決済種類の中からECサイトを利用した決済を選択し、ECサイトの種類の中から利用したいECサイトを選択する。これにより、レジ端末30から中継端末20を経由してECサイトサーバ10に商品情報等が送られて、ECサイトサーバ10にて決済情報が生成される。そして、決済情報と対応付けられているログインページのURLが、二次元コードのデータとしてECサイトサーバ10から中継端末20を経由してレジ端末30に送信され、図6(c)に示されるように、レジ端末30にコード画面が表示される。
【0081】
消費者が携帯端末40にコード画面の二次元コードを読み取らせることに基づいて、図6(d)に示されるように、携帯端末40にはECサイトのログインページが表示される。消費者がログインページにログイン情報を入力すると、入力された情報がECサイトサーバ10に送信され、ECサイトサーバ10で認証が行われる。認証が成功すると、ECサイトサーバ10から携帯端末40に決済ページのデータが送信され、図6(e)に示されるように、携帯端末40には決済ページが表示される。
【0082】
消費者が決済ページの内容を確認して決済の承認を行うと、その情報が携帯端末40からECサイトサーバ10に送られて、ECサイトサーバ10で決済の実行が行われる。決済の実行が完了すると、その結果がECサイトサーバ10から中継端末20を介してレジ端末30に通知され、図6(f)に示されるように、レジ端末30には決済完了画面が表示される。
【0083】
店員は、決済完了画面を確認すると、図6(g)に示されるように、商品を消費者に引き渡す。
このように、第1の実施形態では、消費者が実在する店舗にて商品を購入するときに、ECサイトサーバ10に記憶されている決済手段に関する情報が用いられて、決済処理が行われる。この決済手段は、実在する店舗にて商品を購入しようとしている消費者が、ECサイトの会員として、ECサイトにて販売されている任意の商品をECサイトを通じて購入する際に用いられる決済手段である。したがって、予めECサイトサーバ10に登録されている情報が有効に活用され、現金やクレジットカード等を所持せずとも、消費者が実在する店舗にて商品やサービスを購入することが可能となるため、実在する店舗での決済に関する利便性を高めることができる。
【0084】
また、ECサイトサーバ10の記憶部13に決済処理の結果が蓄積されれば、消費者は、ECサイトでの商品の購入結果と実在する店舗での商品の購入結果とをまとめて管理することも可能となる。さらに、店舗の運営者も、ECサイトサーバ10に蓄積された決済処理の結果を用いて、店舗における商品の販売結果を管理することができる。
【0085】
なお、第1の実施形態では、ECサイトサーバ10における決済情報の生成に必要な情報のうちの商品に関する情報、すなわち商品の内容や金額が、商品情報としてレジ端末30から中継端末20を経由してECサイトサーバ10に送信される。そのため、購入対象の商品は、ECサイトにて販売されている商品に限られず、ECサイトにて販売されていない商品であってもよい。
【0086】
なお、第1の実施形態では、中継端末20が第1の送信端末として機能し、レジ端末30が情報取得端末および受信端末として機能し、携帯端末40が第2の送信端末として機能する。
【0087】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)消費者が実在する店舗にて商品を購入するときに、ECサイトサーバ10に記憶されている決済手段に関する情報が用いられて決済処理が行われるため、実在する店舗での決済において消費者の利便性を高めることができる。また、ECサイトサーバ10における決済処理の結果が、店舗内に位置するレジ端末30に通知されるため、決済処理の結果の確認や、商品の引き渡しが円滑に進められる。
【0088】
(2)商品に対応付けられているタグ50からレジ端末30が読み取ったタグ情報に基づいて、レジ端末30にて購入対象の商品が特定される。したがって、商品ごとのコードがレジ端末30に入力されるような形態と比較して、購入対象の特定が円滑に行われる。
【0089】
(3)レジ端末30およびECサイトサーバ10のそれぞれとネットワークを介して接続される中継端末20が、レジ端末30とECサイトサーバ10との間で情報を中継する。したがって、レジ端末30とECサイトサーバ10との間での商品情報等の授受に際して、レジ端末30の画面から携帯端末40が情報を読み取るような情報の受け渡しが介在する形態と比較して、情報の受け渡しが円滑に行われる。
【0090】
(4)ECサイトサーバ10に対する情報の送信が、中継端末20による商品情報を含む情報の送信と、携帯端末40によるログイン情報等の送信とに分けられる。すなわち、ECサイトサーバ10に対する情報の送信が、互いに異なる端末によって行われる。したがって、これらの情報の送信が同一の端末によって行われる場合と比較して、機能の分散による各端末の構成の簡素化と、1つの端末あたりの通信量の削減が図られる。また、個人情報の一種であるログイン情報が、携帯端末40に入力されて、携帯端末40からECサイトサーバ10に送信されるため、ログイン情報がレジ端末30等の公衆に利用可能な端末に入力される場合と比較して、ログイン情報の漏えいを抑えることができる。
【0091】
(5)決済処理が進められる際に、証明書の正当性の確認が行われるため、決済処理の信頼性を高めることができる。
(第2の実施形態)
図7図10を参照して、決済システム、および、決済方法の第2の実施形態について説明する。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。なお、第2の実施形態においても、例として、ECサイトの会員である消費者が、実在する店舗で商品を購入する場合について説明する。
【0092】
[決済システムの構成]
図7および図8を参照して、決済システムの構成について説明する。
図7に示されるように、決済システムは、ECサイトサーバ10と、レジ端末30と、携帯端末40とを含む。第1の実施形態と比較して、第2の実施形態の決済システムからは、中継端末が割愛されている。
【0093】
図8を参照して、レジ端末30とECサイトサーバ10が有する構成および機能のうち、第1の実施形態と異なる構成および機能について説明する。
レジ端末30の記憶部33は、販売画面のデータをタグ情報と対応付けて記憶している。また、記憶部33は、レジ端末30が設置されている店舗に割り当てられた店舗IDと、その店舗に対してECサイトが発行した証明書とを記憶している。さらに、記憶部33は、ECサイトのログインページのURLを記憶している。
【0094】
レジ端末30の画面データ処理部32aは、タグ50から読み取ったタグ情報に基づいて、そのタグ情報に合致するタグ情報と対応付けられている販売画面のデータを記憶部33から取得する。そして、画面データ処理部32aは、取得したデータを表示部34aに出力して、表示部34aに販売画面を表示させる。
【0095】
また、画面データ処理部32aは、タグ情報に基づいて購入対象とされる商品を特定し、特定した購入対象の商品を示す商品情報、店舗ID、証明書、および、ECサイトのログインページのURLを記憶部33から取得して、これらの情報を有する二次元コードが表示されるコード画面のデータを生成する。そして、画面データ処理部32aは、生成したデータを表示部34aに出力して、表示部34aにコード画面を表示させる。コード画面にて二次元コードが有する情報は、携帯端末40によって読み取られる。ログインページのURLは、ECサイトサーバ10のアクセス先に関する情報として、携帯端末40がECサイトサーバ10にアクセスする際に用いられる。商品情報、店舗ID、および、証明書は、携帯端末40がECサイトサーバ10にアクセスすることに基づいて、携帯端末40からECサイトサーバに送信される。また、携帯端末40がECサイトサーバ10にアクセスすることに基づいて、ログイン情報も、携帯端末40からECサイトサーバに送信される。
【0096】
なお、第2の実施形態では、レジ端末30において、レジ送信データ生成部は割愛されている。
ECサイトサーバ10の決済処理部12aは、携帯端末40から受信したログイン情報の認証と店舗IDおよび証明書の認証とを行った後、携帯端末40から受信した商品情報および店舗IDと、ECサイトサーバ10の記憶部13の会員データにて会員IDと対応付けられているクレジットカード情報とに基づいて決済情報を生成する。そして、決済処理部12aは、生成した決済情報に基づいて生成される決済ページのデータを携帯端末40に通信部11を介して送信する。決済ページを通じて携帯端末40から決済の承認が送信されたとき、決済処理部12aは、決済実行処理を行ってその結果を携帯端末40にメールで通知する。
【0097】
[商品の購入の手順]
図9を参照して、決済システムにて行われる決済の手順を含めた商品の購入の手順について説明する。
【0098】
まず、店舗にて、購入する商品を選択した消費者は、店舗内のレジ端末30が設置されている場所に、購入する商品を持って行く。店舗の店員は、レジ端末30を操作して、レジ端末30の読み取り部34cを、商品に付されているタグ50にかざす。これにより、図9に示されるように、購入対象の商品に対応付けられているタグ50のタグ情報が、レジ端末30に読み取られる(ステップS40)。
【0099】
タグ情報を読み取ると、レジ端末30の画面データ処理部32aは、読み取ったタグ情報に基づいて、販売画面のデータをレジ端末30の記憶部33から取得し、取得した販売画面のデータを用いて、表示部34aに販売画面を表示させる(ステップS41)。
【0100】
レジ端末30の表示部34aに販売画面が表示されると、消費者は、販売画面にて示される商品の内容や金額を確認して、決済種類や利用するECサイトを選択する。これにより、レジ端末30の制御部32に、選択された決済種類やECサイトの種類が入力される(ステップS42)。
【0101】
決済種類としてECサイトを利用した決済が選択されると、レジ端末30の画面データ処理部32aは、タグ情報の読み取りに基づいて特定された購入対象の商品を示す商品情報と、レジ端末30の記憶部33に記憶されている店舗ID、証明書、および、ECサイトのログインページのURLとを情報として有する二次元コードが表示されるコード画面のデータを生成する。なお、ECサイトのログインページのURLは、販売画面にて選択されたECサイトの種類に対応するECサイトのログインページのURLとされる。そして、画面データ処理部32aは、生成したデータを表示部34aに出力して、表示部34aにコード画面を表示させる(ステップS43)。
【0102】
コード画面が表示されると、消費者が携帯端末40を操作することにより、表示部34aのコード画面から、二次元コードが有する情報、すなわち、商品情報、店舗ID、証明書、および、ECサイトのログインページのURLが携帯端末40に読み取られる(ステップS44)。
【0103】
携帯端末40は、コード画面の二次元コードから読み取った情報のうち、ECサイトのログインページのURLに基づいて、ECサイトサーバ10にログインページへのアクセスを要求する(ステップS45)。携帯端末40からの要求を受けると、ECサイトサーバ10の制御部12は、アクセスを要求されたURLに対応するログインページのデータを携帯端末40に送信する(ステップS46)。ECサイトサーバ10からログインページのデータを受信すると、受信したデータに基づいて、携帯端末40はログインページを表示する(ステップS47)。
【0104】
消費者は、ログインページの指示に従って、ECサイトの会員としての消費者に割り当てられているログイン情報を入力する。これにより、ログイン情報が携帯端末40に入力される(ステップS48)。ログイン情報が入力されると、携帯端末40は、入力されたログイン情報とともに、コード画面の二次元コードから読み取った商品情報、店舗ID、および、証明書をECサイトサーバ10に送信する(ステップS49)。
【0105】
携帯端末40からデータを受信すると、ECサイトサーバ10の決済処理部12aは、受信したログイン情報に基づいて認証を行う(ステップS50)。認証が成功すると、決済処理部12aは、携帯端末40から受信した店舗IDおよび証明書に基づく認証を行う(ステップS51)。
【0106】
店舗IDおよび証明書の認証が成功すると、決済処理部12aは、携帯端末40から受信した商品情報および店舗IDと、ECサイトサーバ10の記憶部13に記憶されている会員データとに基づいて決済情報を生成する(ステップS52)。すなわち、決済処理部12aは、商品情報に含まれる商品の内容および金額と、携帯端末40から受信した店舗IDと、携帯端末40から受信したログイン情報における会員IDと会員データにて対応付けられているクレジットカード情報とに基づいて、決済情報を生成する。決済情報には、商品の内容や決済の対象となる金額およびその内訳や商品が購入される店舗や使用されるクレジットカードの情報等の情報が含まれる。決済情報が生成されると、決済処理部12aは、生成した決済情報に決済番号を付与して、決済情報を記憶部13に記憶させる。そして、決済処理部12aは、その決済番号に対応する決済情報から生成される決済ページのデータを携帯端末40に送信する(ステップS53)。なお、ログイン情報の認証や店舗IDおよび証明書の認証が失敗した場合には、ECサイトサーバ10から携帯端末40へ認証が失敗した旨の通知が送られる。
【0107】
ECサイトサーバ10から決済ページのデータを受信すると、受信したデータに基づいて、携帯端末40は決済ページを表示する(ステップS54)。消費者は、決済ページにて示される商品の内容や、商品を購入する店舗や、決済の対象となる金額や、クレジットカード番号等の決済手段を確認して、決済の承認を行う。これにより、携帯端末40に、決済を承認する旨の情報が入力される(ステップS55)。
【0108】
決済を承認する旨の情報が入力されると、携帯端末40は決済が承認された旨の通知をECサイトサーバ10に送る(ステップS56)。携帯端末40からの通知を受けると、ECサイトサーバ10の決済処理部12aは、決済実行処理として、クレジットカード会社のサーバへのデータの送信等、所定の処理を行う(ステップS57)。
【0109】
決済実行処理が完了すると、決済処理部12aは決済実行処理の処理結果が記載された完了通知メールを、携帯端末40から受信したログイン情報における会員IDと対応付けられて会員データに登録されているメールアドレスに送信する(ステップS58)。なお、会員データに登録されるメールアドレスは、携帯端末40にて受信可能なメールアドレスであることを要する。完了通知メールには、購入対象の商品の内容や決済が行われた金額や商品を購入する店舗とともに、決済が完了したことを通知する内容が記載されている。
【0110】
その結果、携帯端末40は、完了通知メールを受信する(ステップS59)。消費者は、完了通知メールを開封し、完了通知メールが表示された携帯端末40を、店員に提示する。店員は、完了通知メールの内容を確認して、決済が適切に行われたことを確認すると、商品を消費者に引き渡す。これにより、消費者による商品の購入が完了する。
【0111】
[作用]
図10を参照して、第2の実施形態の作用を説明する。
図10は、レジ端末30および携帯端末40に表示される画面の推移を中心に、消費者の視点から見た商品の購入の手順を示す図である。
【0112】
図10(a)に示されるように、消費者が購入しようとしている商品のタグ50がレジ端末30に読み取られると、図10(b)に示されるように、レジ端末30に販売画面が表示される。消費者は、販売画面にて、決済種類の中からECサイトを利用した決済を選択し、ECサイトの種類の中から利用したいECサイトを選択する。その結果、レジ端末30が、商品情報やECサイトのログインページのURL等を含む情報を有する二次元コードのデータを生成し、図10(c)に示されるように、レジ端末30にコード画面が表示される。
【0113】
消費者が携帯端末40にコード画面の二次元コードを読み取らせることに基づいて、図10(d)に示されるように、携帯端末40にはECサイトのログインページが表示される。消費者がログインページにログイン情報を入力すると、ログイン情報とともに商品情報等がECサイトサーバ10に送信され、ECサイトサーバ10で認証と決済情報の生成が行われる。そして、ECサイトサーバ10から携帯端末40に決済ページのデータが送信され、図10(e)に示されるように、携帯端末40には決済ページが表示される。
【0114】
消費者が決済ページの内容を確認して決済の承認を行うと、その情報が携帯端末40からECサイトサーバ10に送られて、ECサイトサーバ10で決済の実行が行われる。決済の実行が完了すると、ECサイトサーバ10から携帯端末40に完了通知メールが送信され、図10(f)に示されるように、携帯端末40は完了通知メールを受信する。
【0115】
消費者が完了通知メールを店員に示すと、店員は、完了通知メールを確認して、図10(g)に示されるように、商品を消費者に引き渡す。
このように、第2の実施形態でも、消費者が実在する店舗にて商品を購入するときに、その消費者がECサイトの会員としてECサイトを通じて商品を購入する際に用いられる決済手段であって、ECサイトサーバ10に記憶されている決済手段に関する情報が用いられて、決済処理が行われる。したがって、実在する店舗での決済において消費者の利便性を高めることができる。
【0116】
なお、第2の実施形態においても、購入対象の商品は、ECサイトにて販売されている商品に限られず、ECサイトにて販売されていない商品であってもよい。
なお、第2の実施形態では、レジ端末30が情報取得端末として機能し、携帯端末40が第1の送信端末、第2の送信端末、および、受信端末として機能する。
【0117】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)、(2)、(5)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(6)ECサイトサーバ10に対する情報の送信が、携帯端末40のみによって行われるため、こうした情報の送信が第1の実施形態のように携帯端末40と中継端末20とによって分けて行われる形態と比較して、決済システムの構成として必要な端末を削減することができる。また、商品情報やログイン情報等の情報が、ECサイトサーバ10に対してまとめて送信されるため、ECサイトサーバ10にてこれらの情報をまとめて処理することが可能であり、処理の効率化が図られる。
【0118】
(変形例)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
[第1の実施形態の変形例]
・第1の実施形態において、第2の実施形態のように、ECサイトサーバ10における決済実行処理の完了が、メールによって携帯端末40に対して通知されてもよい。また、決済実行処理の完了がウェブページのデータとしてECサイトサーバ10から携帯端末40に送信され、携帯端末40に決済実行処理の完了を通知するページが表示されてもよい。これらの場合、携帯端末40が、受信端末として機能する。
【0119】
・第1の実施形態において、第2の実施形態のように、販売画面のデータはレジ端末30に記憶されていてもよい。また、店舗IDおよび証明書がレジ端末30に記憶されており、商品情報等とともにレジ端末30から中継端末20に送信されてもよい。すなわち、中継端末20はレジ端末30とECサイトサーバ10との間で情報の中継のみを行う装置であってもよい。
【0120】
・第1の実施形態において、複数の店舗に設置されているレジ端末30のすべてが、ネットワークNW2を介して1つの中継端末20に接続されていてもよい。すなわち、中継端末20は店舗ごとに設けられていなくてもよい。この場合、店舗IDおよび証明書は、レジ端末30から中継端末20に送信されてもよいし、中継端末20にて、商品情報を送信してきたレジ端末30がどの店舗のレジ端末30であるかを判定して、該当する店舗の店舗IDと証明書とを商品情報とともにECサイトサーバ10に送信してもよい。
【0121】
・第1の実施形態において、レジ端末30の有する機能と中継端末20の有する機能とが1つの装置によって実現されてもよい。
・第1の実施形態において、ECサイトサーバ10から中継端末20を介してレジ端末30へ、二次元コードのデータに代えて、ログインページのデータが送信され、レジ端末30の表示部34aにECサイトのログインページが表示されてもよい。この場合、消費者は、レジ端末30に対してログイン情報の入力を行うことにより、レジ端末30から中継端末20を介してECサイトサーバ10にログイン情報が送信される。さらに、決済ページのデータも、ECサイトサーバ10から中継端末20を介してレジ端末30へ送信されて、レジ端末30の表示部34aに決済ページが表示され、レジ端末30に対して入力された決済の承認が中継端末20を介してECサイトサーバ10に送られる。こうした態様によれば、携帯端末40を用いずに、決済システムが実現できる。上記形態においては、中継端末20が第1の送信端末および第2の送信端末として機能し、レジ端末30が情報取得端末および受信端末として機能する。
【0122】
また、上記のように、携帯端末40が用いられず、中継端末20が第1の送信端末および第2の送信端末として機能する場合には、販売画面にて決済種類の選択とともにログイン情報の入力が行われ、商品情報等とともにログイン情報が中継端末20からECサイトサーバ10に送信されてもよい。
【0123】
[第2の実施形態の変形例]
・第2の実施形態において、ECサイトサーバ10における決済実行処理の完了が、ウェブページのデータとして携帯端末40に送信され、携帯端末40に決済実行処理の完了を通知するページが表示されてもよい。
【0124】
・第2の実施形態において、タグ50が、タグ情報として、商品情報、店舗ID、証明書、および、ECサイトのログインページのURLを有し、携帯端末40がタグ50からタグ情報を読み取ることによって、これらの情報を携帯端末40が取得してもよい。そして、携帯端末40が上記情報を取得した後、先の図9に示されるステップS45以降の処理が行われることにより、決済が行われてもよい。これによれば、携帯端末40とECサイトサーバ10のみによって決済システムが実現できる。上記形態においては、携帯端末40が第1の送信端末、第2の送信端末、受信端末、および、情報取得端末として機能する。
【0125】
[第1および第2の実施形態の変形例]
・タグ50は、バーコードに限らず、レジ端末30によって読み取り可能な態様でタグ情報を保持していればよい。例えば、タグ50は、二次元コードやICタグとしてタグ情報を保持し、レジ端末30の読み取り部34cは、タグ50の情報の保持方式に応じた情報の読み取り機能を有していてもよい。
【0126】
・レジ端末30の表示部34aに表示されるコード画面は、二次元コードに限らず、例えばバーコード等、携帯端末40によって読み取り可能な態様で情報を保持するコードが表示されればよい。また、レジ端末30から携帯端末40への情報の受け渡しは、携帯端末40によるコード画面の読み取りに限らず、例えば、ログインページのURLそのものがレジ端末30の表示部34aに表示されて、消費者が表示されたURLを携帯端末40に入力することによって行われてもよいし、非接触通信を利用して携帯端末40がレジ端末30から情報を取得することによって行われてもよい。
【0127】
・複数の商品の決済処理がまとめて行われてもよい。この場合、例えば、タグ情報と商品の内容や金額等のデータとが対応付けられたデータがレジ端末30に記憶されている。そして、複数の商品の各々に対応付けられているタグ50から読み取られた複数のタグ情報に基づいて、レジ端末30にてこれらのタグ情報に対応付けられている商品の内容や金額等のデータを用いて販売画面のデータが生成され、販売画面がレジ端末30の表示部34aに表示される。要は、タグ情報に対応付けられるデータは、各商品に固有のデータであれば、販売画面のデータであっても、商品の内容や金額のデータであってもよく、タグ情報に基づいて、販売画面の表示および購入対象の商品の特定が可能であればよい。
【0128】
・販売画面には、決済種類としてECサイトを利用した決済のみが示されてもよい。例えば、ECサイト上のオンラインショップとしてのみ商品を販売している店舗が、実在する店舗を設ける場合に、この決済システムを利用すれば、現金やクレジットカードの提示による決済を可能とするための設備の整備が不要となるため、実在する店舗の開設にあたっての負荷が軽減される。こうした場合には、レジ端末30は、キャッシュレジスターとしての機能を有さず、決済システムに用いられる機能のみを有する端末であってもよい。
【0129】
・実在する店舗にて販売される対象であれば、購入対象は、商品に限らずサービスであってもよい。購入対象がサービスの場合、タグ50はサービスと対応付けられる。そして、消費者が、購入しようとするサービスと対応付けられているタグ50をレジ端末30が設置されている場所に持って行き、あるいは、消費者からサービスの購入の意思が示されたとき、店員がそのサービスに対応付けられているタグ50を選び、タグ50がレジ端末30に読み取られる。決済処理の完了が決済完了画面や完了通知メールによって確認されると、消費者に対してサービスが提供されるか、あるいは、サービスに引き換えられるチケット等が引き渡される。
【0130】
・中継端末20あるいは携帯端末40からECサイトサーバ10に送信される購入対象に関する情報としての商品情報は、ECサイトサーバ10における決済情報の生成に必要な情報であればよい。上記各実施形態のように、ECサイトサーバ10による決済情報の生成に、ECサイトサーバ10に記憶されている商品に関するデータが用いられない場合や、購入対象の内容や金額等の情報がECサイトサーバ10に記憶されていない場合には、商品情報は購入対象の内容や金額を含む情報とされる。あるいは、例えば店舗にて販売されている商品やサービスの種類が限定されている場合等、決済ページ等での商品の内容の確認が不要な場合には、商品情報は購入対象の金額のみを含む情報とされてもよい。一方、例えば、購入対象がECサイトにて販売されている商品である場合のように、購入対象の内容や金額等の情報がECサイトサーバ10に記憶されている場合には、決済情報の生成に、ECサイトサーバ10に記憶されている情報が用いられてもよい。この場合、商品情報は、ECサイトサーバ10にて購入対象の内容や金額を特定可能な識別情報とされる。
【0131】
こうした商品情報は、上記各実施形態のように、タグ50が有するタグ情報と対応付けられてレジ端末30に記憶されていてもよいし、あるいは、特に商品情報が識別情報である場合にはタグ情報が商品情報であってもよい。また、中継端末20からECサイトサーバ10へ商品情報が送信される場合には、商品情報は中継端末20に記憶されてもよい。この場合、レジ端末30から、タグ情報に基づいて特定された購入対象を示す情報が中継端末20に送信され、中継端末20は、受信した情報に基づいて、購入対象の商品に対応する商品情報を特定する。要は、レジ端末30にて、タグ情報に基づいて購入対象が特定され、この購入対象の特定に基づいて直接的あるいは間接的に商品情報が特定されて、特定された商品情報がECサイトサーバ10に送信されて決済情報の生成に用いられる態様であれば、商品情報に含まれる内容や、商品情報の記憶されている装置や、商品情報の特定方法は限定されない。
【0132】
・レジ端末30における購入対象の特定は、タグ50からのタグ情報の読み取りに限らず、例えば、レジ端末30に表示される画面上にて消費者または店員が購入対象の商品を選択することに基づいて行われてもよい。この場合、どの購入対象が選択されたかを示す情報がレジ端末30の制御部32に入力され、レジ端末30の制御部32は、入力された情報に基づいて、購入対象を特定し、販売画面のデータをレジ端末30の記憶部33あるいは中継端末20から取得する。こうした態様によれば、タグ50が不要となるため、飲食物やサービス等が購入される際には特に、その購入の手順が簡素化される。
【0133】
・ECサイトサーバ10での証明書に基づく認証は、決済システムによる決済の信頼性を高めることができるが、証明書に基づく認証が行われなくても、決済システムによる決済を実現することはできる。この場合、ECサイトによる証明書の発行や、中継端末20やレジ端末30による証明書の記憶や、ECサイトサーバ10での証明書に基づく認証が不要となるため、決済システムの構成や決済の手順が簡易になる。
【0134】
・ECサイトサーバ10が決済処理に用いる決済手段は、クレジットカードに限らず、ECサイトの会員がECサイトにて販売されている任意の商品をECサイトを通じて購入する際に用いられる決済手段に関する情報として、ECサイトサーバ10に記憶されている情報に基づく決済手段であればよい。例えば、決済手段として、デビットカードや銀行口座を利用したインターネット決済等が用いられてもよいし、これらの決済手段について消費者の選択を受付けてもよい。
【符号の説明】
【0135】
10…ECサイトサーバ、11…通信部、12…制御部、12a…決済処理部、13…記憶部、20…中継端末、21…通信部、22…制御部、22a…中継データ送信部 、23…記憶部、30…レジ端末、31…通信部、32…制御部、32a…画面データ処理部、32b…レジ送信データ生成部、33…記憶部、40…携帯端末、50…タグ 、NW1,NW2…ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10