特許第6303541号(P6303541)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6303541
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】内燃機関の吸気構造および吸気装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/10 20060101AFI20180326BHJP
   F02B 31/06 20060101ALI20180326BHJP
   F02F 1/42 20060101ALI20180326BHJP
   F02M 35/104 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   F02M35/10 301J
   F02B31/06 500B
   F02F1/42 F
   F02M35/104 R
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-13062(P2014-13062)
(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公開番号】特開2015-140699(P2015-140699A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】二宮 京平
【審査官】 北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−239629(JP,A)
【文献】 特開平09−112282(JP,A)
【文献】 実開昭54−169610(JP,U)
【文献】 特開2014−227870(JP,A)
【文献】 特開2008−057525(JP,A)
【文献】 特開2003−278552(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0155570(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0034001(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 35/10
F02B 31/06
F02F 1/42
F02M 35/104
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の燃焼室に連通され、前記燃焼室に供給する流体が流れる吸気通路と、
前記吸気通路に設けられ、回動軸周りに回動することによって流体の流れを制御する気流制御弁と、
前記吸気通路とは別個に設けられ、前記吸気通路の前記気流制御弁が収容される収容部の前記回動軸よりも下流に流入口を有するとともに、前記収容部の滞留物を前記吸気通路の流体の流れの下流側に流すための滞留物逃がし孔と、を備え
前記吸気通路は、前記収容部を有する吸気装置本体の第1吸気通路と、前記内燃機関の燃焼室を構成するシリンダヘッドの第2吸気通路と、前記吸気装置本体と前記シリンダヘッドとの間に設けられた介在部材の第3吸気通路とによって構成されており、
前記滞留物逃がし孔は、前記介在部材において前記第3吸気通路とは別個に設けられた第1滞留物逃がし孔を含み、
前記収容部に設けられ、前記収容部の前記滞留物を前記第1滞留物逃がし孔に導くように前記第1滞留物逃がし孔に向かって下方に傾斜する傾斜部をさらに備え、
前記滞留物逃がし孔には、前記第1滞留物逃がし孔の上側部分が前記収容部と連通し、前記第1滞留物逃がし孔の下側部分が前記傾斜部の最底部よりも下方に位置するように段差部が設けられている、内燃機関の吸気構造。
【請求項2】
前記収容部は、前記気流制御弁が収容される凹部を含み、
前記滞留物逃がし孔は、前記凹部と連通するように形成されている、請求項1に記載の内燃機関の吸気構造。
【請求項3】
前記内燃機関の設置状態において、前記滞留物逃がし孔は、前記滞留物逃がし孔の上流側が下流側よりも上方に位置するように設けられている、請求項1または2に記載の内燃機関の吸気構造。
【請求項4】
前記傾斜部は、前記滞留物を前記滞留物逃がし孔に導くように形成されたすり鉢形状を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気構造。
【請求項5】
前記気流制御弁は、前記気流制御弁の開状態の場合に前記滞留物逃がし孔に向かう流体の流れを遮り、前記気流制御弁の閉状態の場合に前記吸気通路の流体の流れの一部を遮ることによって、前記滞留物逃がし孔の流入口側の圧力を高めるように構成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気構造。
【請求項6】
前記滞留物逃がし孔は、前記第1滞留物逃がし孔に連続するように、前記シリンダヘッドに前記第2吸気通路とは別個に設けられた第2滞留物逃がし孔をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気構造。
【請求項7】
内燃機関の燃焼室に接続され、前記燃焼室に供給する流体が流れる吸気通路を含む吸気装置本体と、
前記吸気装置本体の前記吸気通路に設けられ、回動軸周りに回動することによって流体の流れを制御する気流制御弁と、
前記吸気通路とは別個に設けられ、前記吸気通路の前記気流制御弁が収容される収容部の前記回動軸よりも下流に流入口を有するとともに、前記収容部の滞留物を前記吸気通路の流体の流れの下流側に流すための滞留物逃がし孔と、を備え
前記吸気通路は、前記収容部を有する前記吸気装置本体の第1吸気通路と、前記内燃機関の燃焼室を構成するシリンダヘッドの第2吸気通路と、前記吸気装置本体と前記シリンダヘッドとの間に設けられた介在部材の第3吸気通路とによって構成されており、
前記滞留物逃がし孔は、前記介在部材において前記第3吸気通路とは別個に設けられた第1滞留物逃がし孔を含み、
前記収容部に設けられ、前記収容部の前記滞留物を前記第1滞留物逃がし孔に導くように前記第1滞留物逃がし孔に向かって下方に傾斜する傾斜部をさらに備え、
前記滞留物逃がし孔には、前記第1滞留物逃がし孔の上側部分が前記収容部と連通し、前記第1滞留物逃がし孔の下側部分が前記傾斜部の最底部よりも下方に位置するように段差部が設けられている、吸気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気構造および吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な内燃機関の吸気構造として、主に空気からなる流体が流れる吸気通路に気流制御弁を配置することによって、燃焼室内に縦渦(タンブル流)や横渦(スワール流)を作り出して内燃機関の燃焼効率を向上させる内燃機関の吸気構造が知られている。この吸気構造では、気流制御弁により吸気通路の流路断面積が調整されることによって、吸気通路の流体の流れが制御されて、縦渦(タンブル流)や横渦(スワール流)が作り出されるように構成されている。
【0003】
上記したような従来の吸気構造では、気流制御弁が吸気通路内に配置されることに起因して流体の流れが悪くなって(通気抵抗(圧力損失)が大きくなって)しまうことから、通気抵抗が大きくなるのを抑制するために、吸気通路には気流制御弁が収容される収容部が設けられている。しかしながら、吸気通路に収容部が設けられたことに起因して、流体に含まれるオイルや燃料、水分などから構成される滞留物が収容部に滞留する。この滞留物が収容部に多く蓄積すると、蓄積した滞留物が気流制御弁の回動を妨げてしまい、その結果、気流制御弁が流体の流れを十分に制御することができなくなってしまう。
【0004】
そこで、従来、収容部の滞留物を吸気通路の流体の流れの下流側に流すように構成された内燃機関の吸気構造が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
上記特許文献1には、エンジンと、エンジンの燃焼室に空気を供給するためのインテークマニホールドとを備え、エンジンとインテークマニホールドとにより吸気通路が形成された内燃機関の吸気構造が開示されている。この吸気構造の吸気通路には、回動軸周りに回動することによって空気の流れを制御する弁体(気流制御弁)と、吸気通路を規定する内壁の下方に形成され、弁体を収納する凹部(収容部)と、凹部から吸気通路の下流側に延びるように内壁に形成された溝部とが設けられている。上記特許文献1に記載の内燃機関の吸気構造では、弁体により空気の流れが規制されないモード(開状態)において、凹部に発生する負圧により、凹部に滞留した滞留物が溝部を介して下流側に吸い出されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−57525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載された内燃機関の吸気構造では、凹部(弁体が収容される収容部)に滞留した滞留物の滞留を抑制するために、吸気通路を規定する内壁に溝部が形成されていることから、溝部において吸気通路内の空気の流れが乱されることに起因して、吸気通路での通気抵抗(圧力損失)が大きくなるという不都合がある。特に、空気の流通量を多くするために弁体を開状態にした場合には、吸気通路での通気抵抗が大きいことに起因して吸気の勢いが減衰されてしまい、その結果、内燃機関の燃費を悪化させてしまうという問題点がある。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、気流制御弁が収容される収容部に滞留物が蓄積されるのを抑制しながら、吸気通路での通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのを抑制することによって、内燃機関の燃費が悪化するのを抑制することが可能な内燃機関の吸気構造および吸気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における内燃機関の吸気構造は、内燃機関の燃焼室に連通され、燃焼室に供給する流体が流れる吸気通路と、吸気通路に設けられ、回動軸周りに回動することによって流体の流れを制御する気流制御弁と、吸気通路とは別個に設けられ、吸気通路の気流制御弁が収容される収容部の回転軸よりも下流に流入口を有するとともに、収容部の滞留物を吸気通路の流体の流れの下流側に流すための滞留物逃がし孔と、を備え、吸気通路は、収容部を有する吸気装置本体の第1吸気通路と、内燃機関の燃焼室を構成するシリンダヘッドの第2吸気通路と、吸気装置本体とシリンダヘッドとの間に設けられた介在部材の第3吸気通路とによって構成されており、滞留物逃がし孔は、介在部材において第3吸気通路とは別個に設けられた第1滞留物逃がし孔を含み、収容部に設けられ、収容部の滞留物を第1滞留物逃がし孔に導くように第1滞留物逃がし孔に向かって下方に傾斜する傾斜部をさらに備え、滞留物逃がし孔には、第1滞留物逃がし孔の上側部分が収容部と連通し、第1滞留物逃がし孔の下側部分が傾斜部の最底部よりも下方に位置するように段差部が設けられている。
【0010】
この発明の第1の局面による内燃機関の吸気構造では、上記のように、吸気通路とは別個に、吸気通路の気流制御弁が収容される収容部の回転軸よりも下流に流入口を有するとともに、収容部の滞留物を吸気通路の流体の流れの下流側に流すための滞留物逃がし孔を設ける。これにより、吸気通路自体に滞留物を下流側に流すための構造(溝部など)が設けられている場合と異なり、吸気通路とは別個に滞留物逃がし孔が設けられているので、滞留物逃がし孔により吸気通路内の流体の流れが乱されるのを抑制することができる。これにより、吸気通路での通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのを抑制することができるので、内燃機関の燃費が悪化するのを抑制することができる。また、流体の流れにより収容部の滞留物が上流側から下流側に移動することにより、収容部の回転軸よりも下流側では上流側よりも滞留物が蓄積されやすい。そこで、本発明では、収容部の回転軸よりも下流側に滞留物逃がし孔の流入口を設けることによって、収容部に滞留物が蓄積されるのを抑制することができる。これらの結果、気流制御弁が収容される収容部に滞留物が蓄積されるのを抑制しながら、吸気通路での通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのを抑制することによって、内燃機関の燃費が悪化するのを抑制することができる。また、このように介在部材を介して吸気装置本体の第1吸気通路とシリンダヘッドの第2吸気通路とを連通させる場合であっても、介在部材に第1滞留物逃がし孔を設けることによって、介在部材の第1滞留物逃がし孔を介して、吸気装置本体の収容部から下流側のシリンダヘッド側に収容部の滞留物を流すことができる。また、介在部材に第1滞留物逃がし孔を設けることによって、吸気装置本体に収容部に連通する滞留物逃がし孔を設ける場合と異なり、第1滞留物逃がし孔を比較的容易に設けることができる。また、傾斜部により収容部の滞留物を滞留物逃がし孔に導くことができるので、収容部の滞留物を滞留物逃がし孔から下流側に効果的に流すことができる。
【0011】
上記第1の局面による内燃機関の吸気構造において、好ましくは、収容部は、気流制御弁が収容される凹部を含み、滞留物逃がし孔は、凹部と連通するように形成されている。このように構成すれば、滞留物が生じる凹部と滞留物逃がし孔とを直接的に接続することができるので、滞留物逃がし孔を介して滞留物を下流側に流しやすくすることができる。
【0013】
上記第1の局面による内燃機関の吸気構造において、好ましくは、内燃機関の設置状態において、滞留物逃がし孔は、滞留物逃がし孔の上流側が下流側よりも上方に位置するように設けられている。このように構成すれば、滞留物の自重を利用して、滞留物逃がし孔の上方に位置する上流側から下流側に向かって滞留物を流しやすくすることができる。
【0015】
上記第1の局面による内燃機関の吸気構造において、好ましくは、傾斜部は、滞留物を滞留物逃がし孔に導くように形成されたすり鉢形状を有する。このように構成すれば、滞留物逃がし孔の孔径が小さい場合にも、その小さな滞留物逃がし孔に導くように形成されたすり鉢形状の傾斜部により、より確実に、収容部の滞留物を滞留物逃がし孔に導くことができる。
【0016】
上記第1の局面による内燃機関の吸気構造において、好ましくは、気流制御弁は、気流制御弁の開状態の場合に滞留物逃がし孔に向かう流体の流れを遮り、気流制御弁の閉状態の場合に吸気通路の流体の流れの一部を遮ることによって、滞留物逃がし孔の流入口側の圧力を高めるように構成されている。このように構成すれば、内燃機関に多くの流体を供給する必要のある気流制御弁の開状態の場合に、滞留物逃がし孔に向かう流体の流れを遮ることによって、滞留物逃がし孔に起因する通気抵抗(圧力損失)を効果的に抑制することができるので、気流制御弁の開状態の場合の内燃機関の燃費が悪化するのを抑制することができる。また、気流制御弁の閉状態の場合に吸気通路の流体の流れの一部を遮ることによって、滞留物逃がし孔の流入口側の圧力を高めることにより、滞留物逃がし孔の流入口側と流出口側とで圧力の差(差圧)を発生させることができる。これにより、滞留物逃がし孔内に流入口側から流出口側に向かう吸引力を発生させることができるので、滞留物逃がし孔内の滞留物を効果的に下流側に流すことができる。
【0017】
上記第1の局面による内燃機関の吸気構造において、好ましくは、滞留物逃がし孔は、第1滞留物逃がし孔に連続するように、シリンダヘッドに第2吸気通路とは別個に設けられた第2滞留物逃がし孔をさらに含む。このように構成すれば、介在部材の第1滞留物逃がし孔とシリンダヘッドの第2滞留物逃がし孔とを介して、吸気装置本体の収容部からシリンダヘッドの下流側に収容部の滞留物を確実に流すことができる。
【0018】
この発明の第2の局面における吸気装置は、内燃機関の燃焼室に接続され、燃焼室に供給する流体が流れる吸気通路を含む吸気装置本体と、吸気装置本体の吸気通路に設けられ、回動軸周りに回動することによって流体の流れを制御する気流制御弁と、吸気通路とは別個に設けられ、吸気通路の気流制御弁が収容される収容部の回転軸よりも下流に流入口を有するとともに、収容部の滞留物を吸気通路の流体の流れの下流側に流すための滞留物逃がし孔と、を備え、吸気通路は、収容部を有する吸気装置本体の第1吸気通路と、内燃機関の燃焼室を構成するシリンダヘッドの第2吸気通路と、吸気装置本体とシリンダヘッドとの間に設けられた介在部材の第3吸気通路とによって構成されており、滞留物逃がし孔は、介在部材において第3吸気通路とは別個に設けられた第1滞留物逃がし孔を含み、収容部に設けられ、収容部の滞留物を第1滞留物逃がし孔に導くように第1滞留物逃がし孔に向かって下方に傾斜する傾斜部をさらに備え、滞留物逃がし孔には、第1滞留物逃がし孔の上側部分が収容部と連通し、第1滞留物逃がし孔の下側部分が傾斜部の最底部よりも下方に位置するように段差部が設けられている。
【0019】
この発明の第2の局面による吸気装置では、上記のように、吸気通路とは別個に、吸気通路の気流制御弁が収容される収容部の回転軸よりも下流に流入口を有するとともに、収容部の滞留物を吸気通路の流体の流れの下流側に流すための滞留物逃がし孔を設ける。これにより、吸気通路自体に滞留物を下流側に流すための構造(溝部など)が設けられている場合と異なり、吸気通路とは別個に滞留物逃がし孔が設けられているので、滞留物逃がし孔により吸気通路内の流体の流れが乱されるのを抑制することができる。これにより、吸気通路での通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのを抑制することができるので、内燃機関の燃費が悪化するのを抑制することができる。また、流体の流れにより収容部の滞留物が上流側から下流側に移動することにより、収容部の回転軸よりも下流側では上流側よりも滞留物が蓄積されやすい。そこで、収容部の回転軸よりも下流側に滞留物逃がし孔の流入口を設けることによって、収容部に滞留物が蓄積されるのを抑制することができる。これらの結果、気流制御弁が収容される収容部に滞留物が蓄積されるのを抑制しながら、吸気通路での通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのを抑制することによって、内燃機関の燃費が悪化するのを抑制することができる。また、このように介在部材を介して吸気装置本体の第1吸気通路とシリンダヘッドの第2吸気通路とを連通させる場合であっても、介在部材に第1滞留物逃がし孔を設けることによって、介在部材の第1滞留物逃がし孔を介して、吸気装置本体の収容部から下流側のシリンダヘッド側に収容部の滞留物を流すことができる。また、介在部材に第1滞留物逃がし孔を設けることによって、吸気装置本体に収容部に連通する滞留物逃がし孔を設ける場合と異なり、第1滞留物逃がし孔を比較的容易に設けることができる。また、傾斜部により収容部の滞留物を滞留物逃がし孔に導くことができるので、収容部の滞留物を滞留物逃がし孔から下流側に効果的に流すことができる。

【0020】
なお、本出願では、上記第1の局面による内燃機関の吸気構造において、以下のような構成も考えられる。
【0021】
(付記項1)
すなわち、上記第1の局面による内燃機関の吸気構造において、好ましくは、滞留物逃がし孔は、吸気通路の気流制御弁が収容される収容部の下流側端部に形成されている。ここで、流体の流れにより収容部の滞留物が上流側から下流側に移動することにより、収容部の下流側端部には最も滞留物が蓄積されやすい。そこで、本発明では、滞留物が蓄積されやすい収容部の下流側端部に流入口を設けることによって、滞留物逃がし孔を介して滞留物を下流側に確実に流すことができるので、収容部に滞留物が蓄積されるのをより抑制することができる。
【0022】
(付記項2)
また、上記第1の局面による内燃機関の吸気構造において、好ましくは、吸気通路は、気流制御弁が収容される凹部を含む収容部を有する吸気装置本体の第1吸気通路と、内燃機関の燃焼室を構成するシリンダヘッドの第2吸気通路と、吸気装置本体とシリンダヘッドの吸気ポートとの間に設けられた介在部材の第3吸気通路とによって構成されており、凹部に気流制御弁が収容された気流制御弁の開状態において、第1吸気通路を構成する吸気装置本体の内周面と、第2吸気通路を構成するシリンダヘッドの内周面と、第3吸気通路を構成する気流制御弁の流路面とは面一になるように構成されている。このように構成すれば、気流制御弁が収容される収容部が吸気装置本体に形成されている場合であっても、気流制御弁の開状態において、第1吸気通路を構成する吸気装置本体の内周面と、第2吸気通路を構成するシリンダヘッドの内周面と、第3吸気通路を構成する気流制御弁の流路面とが面一になることによって、気流制御弁の開状態において吸気通路内の流体の流れが乱されるのをさらに抑制することができる。これにより、吸気通路での通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのをより抑制することができるので、内燃機関の燃費が悪化するのをより抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、上記のように、気流制御弁が収容される収容部に滞留物が蓄積されるのを抑制しながら、吸気通路での通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのを抑制することによって、内燃機関の燃費が悪化するのを抑制することが可能な内燃機関の吸気構造および吸気装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態による吸気装置がエンジンに取り付けられた状態(開状態)を示した断面図である。
図2】本発明の一実施形態による吸気装置がエンジンに取り付けられた状態(閉状態(最大))を示した断面図である。
図3】本発明の一実施形態による吸気装置の全体構成を示した分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による吸気装置をエンジンのシリンダヘッドに取り付けられる側から見た場合の側面図である。
図5図4の400−400線に沿った断面斜視図である。
図6】本発明の一実施形態によるバルブ本体の開状態を示した拡大断面図である。
図7】本発明の一実施形態によるバルブ本体の閉状態(最大)を示した拡大断面図である。
図8】本発明の変形例によるバルブ本体の閉状態(最大)を示した拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
まず、図1図7を参照して、本発明の一実施形態による吸気装置100の構成について説明する。
【0027】
本発明の一実施形態による吸気装置100は、図1および図2に示すように、自動車用の直列4気筒型のエンジン200に設けられる吸気装置である。また、吸気装置100は、図4に示すように、樹脂製のサージタンク10と、サージタンク10の出口側(流体の流れの下流側)に接続されサージタンク10から枝分かれする複数(4本)の吸気ポート20と、4本の吸気ポート20の出口部近傍に設けられた吸気制御弁30(図3参照)とを備えている。構造的には、図3に示すように、サージタンク10と4本の吸気ポート20とが振動溶着により一体的に形成されてインテークマニホールド90が構成されている。そして、図1および図2に示すように、吸気制御弁30が吸気ポート20に組み込まれた状態で、吸気ポート20の開口端部21がエンジン200のシリンダヘッド203に連結されるように、図示しない締結部材によってインテークマニホールド90がエンジン200に固定されている。なお、図1図2および図5図7では、エンジン200が図示しない車両に搭載された際の状況の断面図を示している。また、エンジン200およびインテークマニホールド90は、それぞれ、本発明の「内燃機関」および「吸気装置本体」の一例である。
【0028】
エンジン200は、ピストン201を内蔵するシリンダブロック202の上端(Z1側)にシリンダヘッド203を連結した構造を有している。シリンダヘッド203には、燃焼室203aに吸気を行う吸気バルブ204と、燃焼ガスを排出する排気バルブ205と、燃焼室203aの混合気に点火を行う点火プラグ206と、燃焼室203aに燃料を供給するインジェクタ(図示せず)とを備えている。エンジン200は、ピストン201の吸気作動時に吸気バルブ204を開放して燃焼室203aに流体を供給するとともに、燃焼室203aにインジェクタから燃料を供給する。この後、圧縮作動に続いて点火プラグ206により燃焼室203aの混合気に点火して燃焼を行わせ、この燃焼による膨張力をピストン201からクランクシャフト(図示せず)に伝えるとともに、駆動力(動力)をクランクシャフトから取り出す機能を有している。
【0029】
また、エンジン200には、吸気ポート20側から燃焼室203aに連通するように延びる吸気通路P2が形成されている。この吸気通路P2は、吸気ポート20側から燃焼室203aに向かって下方(Z2側)に傾斜するように構成されている。また、吸気通路P2では、主に空気からなるとともに、インジェクタから供給される燃料や、エンジン200内のオイルなどが含まれた流体が流れるように構成されている。なお、図面において、流体の流れを破線の矢印で示している。また、吸気通路P2は、本発明の「第2吸気通路」の一例である。
【0030】
また、図3および図4に示すように、吸気装置100には、吸気制御弁30を駆動するためのアクチュエータユニット60と、吸気制御弁30の開度を検出して駆動制御にフィードバックする機能を有するセンサユニット70とが取り付けられている。また、アクチュエータユニット60は、エンジン200(図1参照)の回転数と負荷との状況に基づいて作動マップ(図示せず)から取り出した情報に基づいて吸気制御弁30(後述するバルブ本体31)の姿勢を制御するように構成されている。そして、センサユニット70により検出される吸気制御弁30の開度情報が駆動制御にフィードバックされ、吸気制御弁30の姿勢制御(開度制御)が繰り返されるように構成されている。この結果、吸気装置100は、吸気ポート20の吸気通路Pの開口面積(開口22の流路断面積)を適切に制御することにより、燃焼室203aに縦渦(タンブル流)または横渦(スワール流)を作り出し、エンジン200における燃焼効率を高める機能を有している。また、吸気制御弁30とアクチュエータユニット60とは、X1側において互いに連結されており、吸気制御弁30とセンサユニット70とは、X2側において互いに連結されている。
【0031】
また、吸気装置100を構成するサージタンク10は、図4に示すように、流体の流れに沿った上流側に配置されるとともに外部に開口する接続部11がサージタンク10に一体的に形成されている。ここで、一般的に、サージタンク10に向かう吸気通路にはエアクリーナ(図示せず)とスロットルバルブ207(破線で示す)とが配置されている。そして、エアクリーナから延びるエアダクト(図示せず)を介して接続されたスロットルバルブ207の出口部207aがサージタンク10の接続部11に接続されるように構成されており、サージタンク10には、エアクリーナおよびスロットルバルブ207を介して到達する流体が流入されるように構成されている。
【0032】
吸気ポート20は、各々が根元側(上流側)において一体化された成形品であり、吸気ポート20の根元部は、サージタンク10の背面(紙面奥側)から上面(Z1側)にかけて形成された開口部10aに接続されている。また、各々の吸気ポート20は、サージタンク10に接続された根元側からシリンダヘッド203(図1参照)に連結される先端側(下流側)に向かって互いに枝分かれして延びている。そして、各吸気ポート20は、シリンダヘッド203に連結される開口端部21に、所定の開口面積(流路断面積)を有する開口22が形成されている。なお、4つの開口端部21(開口22)は、X方向に所定の間隔を有して配置されている。また、吸気装置100の4つの吸気ポート20での構造は略同一であるので、これ以降、必要な箇所以外、1つの吸気ポート20での構造について説明し、他の3つの吸気ポート20での構造については説明を省略する。
【0033】
吸気ポート20の開口端部21には、図5および図6に示すように、Y1側に窪む凹状の取付部21aが設けられている。この取付部21aには、後述するフレーム部材41のフランジ部43と、フランジ部43を周状に囲むガスケット50とが嵌め込まれるように構成されている。そして、インテークマニホールド90は、吸気ポート20の開口端部21の取付部21aにフランジ部43とガスケット50とが嵌め込まれた状態で、シリンダヘッド203の取付面に締結されるように構成されている。
【0034】
また、吸気ポート20の内側には、サージタンク10側からエンジン200側に向かって延びる吸気通路P1が形成されている。この吸気通路P1は、吸気通路P2に向かって流体を流すように構成されている。また、吸気通路P1のうち、エンジン200側(Y2側)の開口端部21近傍には、吸気制御弁30のバルブ本体31が収納される収容部23が形成されている。この収容部23は、開口端部21およびその周辺において、吸気通路P1を構成する内周面20aの下部がさらに下方(Z2側)に窪むことによって形成された段差状の第1収容部23aと、内周面20aの側部が窪むことによって形成された第2収容部23bとを含んでいる。なお、吸気通路P1は、本発明の「第1吸気通路」の一例である。
【0035】
また、図6および図7に示すように、流体の流れの上流側であるY1側から下流側であるY2側に向かって若干下方に傾斜するように構成されている。なお、図6および図7においては、エンジン200のシリンダヘッド203以外の部材の図示を省略している。
【0036】
また、第1収容部23aの底面123aのうち、下流側(エンジン200側)の開口端部21の取付部21a近傍には、後述する逃がし孔44に向かって上流側の底面123aよりも大きな傾斜角度で下方に傾斜する傾斜部24が形成されている。具体的には、傾斜部24は、図5に示すように、エンジン200側の取付部21aのうちの逃がし孔44に対向する位置(最底部21b)を中心として半円状の領域内に形成されている。さらに、傾斜部24では、逃がし孔44を中心とする半円状の境界部24aの全周から第1収容部23aの下流側端部である最底部21bに向かって、下方に傾斜するように形成されている。つまり、傾斜部24はすり鉢形状を有している。これにより、傾斜部24内に滞留した滞留物D(図6および図7参照)は、自重により、最底部21bおよび逃がし孔44に導かれるように構成されている。なお、傾斜部24および最底部21bは、バルブ本体31の回動軸Aよりも下流側(Y2側)に位置するように形成されている。
【0037】
吸気制御弁30は、吸気ポート20内においてエンジン200の燃焼室203aに供給する流体の流れを制御する機能を有している。また、吸気制御弁30は、図3に示すように、各吸気ポート20の開口22(図4参照)の面積(流路断面積)の開口量を制御する4つのバルブ本体31と、4つのバルブ本体31のうちX方向において互いに隣接する2つのバルブ本体31同士を接続する合計3つの回動軸部材32と、回動軸部材32を回転可能に支持する複数(8つ)の軸受部材33とを備えている。また、3つの回動軸部材32からなり、X方向に延びる回動軸Aを回動中心として、バルブ本体31は回動するように構成されている。なお、バルブ本体31は、本発明の「気流制御弁」の一例である。
【0038】
また、4つのバルブ本体31と3つの回動軸部材32とがフレーム部材41の一方端側(Y1側)に装着されることによって、吸気制御弁30が個々のフレーム部材41を介してインテークマニホールド90の吸気ポート20内に組み付けられるように構成されている。この際、3つの回動軸部材32は、矢印Y2方向に差し込まれた3つのスペーサ部材51によっても、それぞれ、滑らかに回動可能に保持されるように構成されており、この結果、バルブ本体31は、回動軸A周りに滑らかに回動するように構成されている。なお、フレーム部材41は、本発明の「介在部材」の一例である。
【0039】
また、バルブ本体31は、図5に示すように、底部31aと、底部31aのX方向の両側からそれぞれ延びるように形成された一対の側部31bとを有し、いわゆるシャベル形状に形成されている。この底部31aの下面(Z2側の面)側には、補強および軽量化のために、複数のリブが互いに交差するように形成されている。また、複数のリブの端面から構成される底部31aの下面は、略円弧状に形成されている。
【0040】
また、バルブ本体31の底部31aおよび側部31bの角は、R面取りされている。これにより、バルブ本体31が開状態の際に、製造誤差に起因してバルブ本体31と吸気ポート20の内周面20aとの間に段差が生じた場合であっても、バルブ本体31の角がR面取りされていることによって、段差に起因して通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのを抑制することが可能である。
【0041】
また、図5および図6に示すように、バルブ本体31のX1側およびX2側の側部31bは、X1側およびX2側の第2収容部23bにそれぞれ収容されるように構成されている。また、バルブ本体31の側部31bが第2収容部23bに収容された状態で、収容されたバルブ本体31の側部31bの表面は、第2収容部23bが形成されていない部分の内周面20aと略面一(図5参照)になるように形成されている。これにより、吸気通路P1の通気抵抗が大きくなるのを抑制することが可能である。
【0042】
また、バルブ本体31は、アクチュエータユニット60(図3参照)の作動により、X方向に延びる回動軸Aを回動中心として、図6に示す開状態と図7に示す閉状態とに回動可能なように構成されている。この際、バルブ本体31は、X1側から見て時計回りの方向(X2側から見て反時計回りの方向)に90度未満の所定の角度(開度)まで回動することが可能なように構成されている。この結果、バルブ本体31は、回動軸A周りに回動することによって、吸気通路Pにおける流体の流れを制御することが可能に構成されている。
【0043】
具体的には、図6に示すように、バルブ本体31の開状態では、バルブ本体31の底部31aは、下方(Z2方向)に位置するとともに、後述する凹部Bに収容される位置に位置するように構成されている。これにより、バルブ本体31の底部31aが吸気通路P(P1)内に配置されるのを抑制することができるので、底部31aに起因して通気抵抗が生じるのを抑制することが可能である。さらに、バルブ本体31の底部31aは、吸気通路Pの流体の流れを遮らないように構成されている。つまり、バルブ本体31の開状態において、吸気通路Pの開口面積(開口22の流路断面積)が最大になるように構成されている。なお、バルブ本体31の開状態では、バルブ本体31の底部31aの上面と吸気ポート20の内周面20aとが略面一になるように構成されている。
【0044】
また、図7に示すように、バルブ本体31の閉状態(開状態以外の状態)では、バルブ本体31の底部31aは、吸気通路Pの一部を遮る位置に位置するように構成されている。この場合、吸気ポート20の開口端部21の開口22の流路断面積が低減される方向に調整される。なお、図7は、開口22の面積が最小となる位置までバルブ本体31が回動された閉状態(最大)を示しているが、バルブ本体31は、図6の開状態と図7の閉状態(最大)との間の中間的な姿勢位置を含めて制御される。
【0045】
ここで、バルブ本体31の閉状態において、バルブ本体31の底部31aが吸気通路Pの一部を遮ることによって、バルブ本体31の底部31aを境として、吸気通路Pの上流側(Y1側)と下流側(Y2側)とで差圧が発生する。具体的には、バルブ本体31の底部31aが吸気通路Pの一部を遮ることによって、底部31aよりも吸気通路Pの上流側では、サージタンク10側から供給される流体が滞留する。一方、底部31aよりも吸気通路Pの下流側では、流体の供給量(流量)が減少する。これにより、底部31aよりも吸気通路Pの上流側の圧力は、底部31aよりも吸気通路Pの下流側の圧力よりも大きくなる。
【0046】
また、バルブ本体31の底部31aは、図6に示すように、バルブ本体31の開状態において、第1収容部23a(凹部B)への流体の流れを遮るように構成されている一方、図7に示すように、バルブ本体31の閉状態において、第1収容部23a(凹部B)への流体の流れを遮らないように構成されている。
【0047】
フレーム部材41は、図6および図7に示すように、吸気ポート20の開口端部21近傍において開口22および吸気通路P3を構成するための本体部42を含んでいる。なお、流体の流れの上流側から下流側に向かって、吸気ポート20(インテークマニホールド90)の吸気通路P1、フレーム部材41の吸気通路P3およびシリンダヘッド203の吸気通路P2がこの順に連通することによって、吸気通路Pが形成されている。また、吸気通路P3は、本発明の「第3吸気通路」の一例である。
【0048】
また、本体部42は、Y方向に延びる円筒状に形成されており、円筒形状の側部の内周面42aが吸気通路P3を形成するように構成されている。また、本体部42の内周面42aと吸気ポート20の内周面20aとが略面一になるように構成されているとともに、本体部42の内周面42aとシリンダヘッド203の内周面203bとが略面一になるように構成されている。この結果、バルブ本体31の開状態では、吸気ポート20の内周面20a、バルブ本体31の底部31aの上面、本体部42の内周面42aおよびシリンダヘッド203の内周面203bが略面一になるように構成されている。
【0049】
また、図3に示すように、本体部42のX方向の両側部には、軸受部材33が嵌め込まれる軸受装着部42bが形成されているとともに、本体部42の開口22周辺には、開口22を周状に囲むようにフランジ部43が形成されている。
【0050】
また、図6および図7に示すように、本体部42の側部の外周面42cは、第1収容部23aの底面123aから所定の距離だけ離間するように構成されている。つまり、フレーム部材41の本体部42と吸気ポート20の第1収容部23aの底面123aとの間には鉛直方向(Z方向)に隙間が形成されている。
【0051】
また、本体部42の側部の下部(Z2側)には、切欠き部42dが形成されている。この切欠き部42dは、吸気ポート20の第1収容部23aに対応する位置に形成されているとともに、第1収容部23aと共に、吸気制御弁30のバルブ本体31の底部31aが収納される凹部Bを構成している。また、切欠き部42dのY2側の端面は、バルブ本体31の円弧状の表面(底面)に対応するように、円弧状に形成されている。なお、凹部Bは、本発明の「収容部」の一例である。
【0052】
ここで、本実施形態では、フレーム部材41のフランジ部43の下部には、吸気通路P3に沿ってY方向に延びる逃がし孔44が設けられている。具体的には、逃がし孔44は、図5図7に示すように、フランジ部43の下部の略中央において吸気通路P3とは別個に形成されているとともに、フランジ部43をY方向に貫通するように形成されている。また、逃がし孔44は、鉛直方向(Z方向)に長い楕円状の断面形状を有している。なお、逃がし孔44は、本発明の「第1滞留物逃がし孔」の一例である。
【0053】
また、逃がし孔44のうち、凹部Bからの滞留物Dが逃がし孔44に流れ込む流入口44aは、第1収容部23aの下流側端部である最底部21bに対応する位置(Y方向に対向する位置)に形成されている。この結果、流入口44aは、バルブ本体31の回動軸Aよりも下流側(Y2側)に位置するように構成されている。また、流入口44aの上端は、最底部21bよりも上方(Z1側)に位置する一方、流入口44aの下端は、最底部21bよりも下方(Z2側)に位置するように形成されている。この結果、流入口44aの上側部分は、凹部B(第1収容部23a)と連通するように構成されている一方、流入口44aの下側部分は、吸気ポート20の開口端部21の取付部21aの側面に当接するように構成されている。ここで、逃がし孔44が鉛直方向に長い楕円状の断面形状を有していることによって、流入口44aの上側部分を容易に凹部Bと連通させることが可能である。
【0054】
また、滞留物Dが逃がし孔44から流れ出る流出口44bは、流入口44aよりも下方に形成されているとともに、逃がし孔44は、流入口44aから流出口44bに向かって下方に傾斜するように形成されている。この結果、逃がし孔44では、上流側が下流側よりも上方に位置するように設けられている。
【0055】
また、本実施形態では、図6および図7に示すように、シリンダヘッド203の吸気ポート20側(Y1側)には、吸気通路P2とは別個に、円形状の断面形状を有する逃がし孔208が設けられている。この逃がし孔208は、吸気通路P2に沿ってY方向に延びるように形成されている。また、逃がし孔208のうち、逃がし孔44からの滞留物Dが逃がし孔208に流れ込む流入口208aは、逃がし孔44の流出口44bに対応する位置(Y方向に対向する位置)に形成されている。また、流入口208aの上端は、流出口44bの上端よりも下方(Z2側)で、かつ、流出口44bの下端よりも上方(Z1側)に位置する一方、流入口208aの下端は、流出口44bの下端よりも下方に位置するように形成されている。この結果、逃がし孔208は、逃がし孔44と連通するように構成されている。なお、逃がし孔208は、本発明の「第2滞留物逃がし孔」の一例である。
【0056】
また、滞留物Dが逃がし孔208から流れ出る流出口208bは、図1および図2に示すように、燃焼室203aの近傍において吸気通路P2に連通するように構成されている。この流出口208bは、流入口208aよりも下方に形成されているとともに、逃がし孔208は、流入口208aから流出口208bに向かって下方に傾斜するように形成されている。これにより、逃がし孔208では、上流側が下流側よりも上方に位置するように設けられている。
【0057】
これらの結果、逃がし孔44と逃がし孔208とによって、凹部Bに流入口44aを有し、凹部Bの滞留物Dを吸気通路Pの流体の流れの下流側に流すための滞留物逃がし孔Cが構成されている。ここで、逃がし孔44および逃がし孔208は、共に上流側(Y1側)が下流側(Y2側)よりも上方に位置するように傾斜していることによって、滞留物逃がし孔Cにおいても、上流側(逃がし孔44の流入口44a側)が下流側(逃がし孔208の流出口208b側)よりも上方に位置するように傾斜している。この結果、吸気装置100では、エンジン200の設置状態において、滞留物逃がし孔Cは、第1収容部23aの底面123aから逃がし孔208の流出口208bに向かって、下方に傾斜するように構成されている。
【0058】
また、バルブ本体31の開状態において、バルブ本体31の底部31aが第1収容部23a(凹部B)への流体の流れを遮ることによって、凹部Bだけでなく滞留物逃がし孔Cに流体が流れるのが抑制されるように構成されている。
【0059】
また、バルブ本体31の閉状態において、底部31aよりも吸気通路Pの上流側の圧力は、底部31aよりも吸気通路Pの下流側の圧力よりも大きくなることによって、滞留物逃がし孔Cの上流側(逃がし孔44の流入口44a側)の圧力が下流側(逃がし孔208の流出口208b側)の圧力よりも大きくなるように構成されている。
【0060】
これらの結果、本実施形態では、エンジンの燃焼室203aに連通する吸気通路P1、P2およびP3からなる吸気通路Pと、吸気制御弁30のバルブ本体31と、逃がし孔44および逃がし孔208からなる滞留物逃がし孔Cとを備える内燃機関の吸気構造Qが構成されている。
【0061】
次に、図1図6および図7を参照して、本発明の一実施形態による吸気装置100における滞留物Dの排出について説明する。
【0062】
エンジン200の駆動による吸気によって流体が吸気通路Pを流れることに伴い、図6に示すように、吸気通路P1を構成する吸気ポート20の内周面20aの下部(Z2側)に設けられた第1収容部23aには、流体に含まれるオイルや燃料、水分などから構成される滞留物Dが生じる。
【0063】
そして、生じた滞留物Dは、自重により、流体の上流側であるY1側から下流側であるY2側に向かって移動する。具体的には、滞留物Dは、下方に傾斜する傾斜部24に向かって第1収容部23aの底面123a上を下流側に移動し、その後、傾斜部24上を下流側に移動することによって最底部21bに到達する。そして、滞留物Dは、流入口44aを介して、最底部21bから滞留物逃がし孔Cの内部に移動する。
【0064】
詳細には、滞留物Dは、流入口44aを介してフレーム部材41の逃がし孔44(滞留物逃がし孔C)の内部に移動する。その後、滞留物Dは、下方に傾斜する逃がし孔44内を下流側に移動して流出口44bに到達する。そして、滞留物Dは、流入口208aを介して、流出口44bからシリンダヘッド203の逃がし孔208(滞留物逃がし孔C)の内部に移動する。その後、滞留物Dは、下方に傾斜する逃がし孔208内を下流側に移動して流出口208bに到達し、燃焼室203a近傍の吸気通路P(P2)(図1参照)に排出される。最後に、滞留物逃がし孔Cから排出された滞留物Dは、燃焼室203a内に送られる。
【0065】
この際、図7に示すように、バルブ本体31が閉状態である場合には、滞留物逃がし孔Cの上流側(逃がし孔44の流入口44a側)の圧力が下流側(逃がし孔208の流出口208b側)の圧力よりも大きくなる。したがって、差圧により、逃がし孔44の流入口44a側から逃がし孔208の流出口208b側に向かって、滞留物Dを吸引する吸引力Fが発生する。これにより、滞留物Dの自重に加えて吸引力Fが働くことにより、滞留物Dはより迅速に滞留物逃がし孔C内を移動して、燃焼室203a近傍の吸気通路P(P2)に排出される。
【0066】
この結果、滞留物Dが第1収容部23aに蓄積されるのが抑制されて、蓄積した滞留物Dが第1収容部23a(凹部B)に収容されるバルブ本体31の回動を妨げるのが抑制される。
【0067】
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0068】
本実施形態では、上記のように、吸気通路Pとは別個に、吸気通路Pのバルブ本体31が収容される凹部Bの回動軸Aよりも下流に流入口44aを有し、凹部Bの滞留物Dを吸気通路Pの流体の流れの下流側に流すための滞留物逃がし孔Cを設ける。これにより、吸気通路P自体に滞留物Dを下流側に流すための構造(溝部など)が設けられている場合と異なり、吸気通路Pとは別個に滞留物逃がし孔Cが設けられているので、滞留物逃がし孔Cにより吸気通路P内の流体の流れが乱されるのを抑制することができる。これにより、吸気通路Pでの通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのを抑制することができるので、エンジン200の燃費が悪化するのを抑制することができる。また、流体の流れにより凹部Bの滞留物Dが上流側から下流側に移動することにより、凹部Bの回動軸Aよりも下流側では上流側よりも滞留物Dが蓄積されやすい。そこで、本実施形態では、凹部Bの回動軸Aよりも下流側に滞留物逃がし孔Cの流入口44aを形成することによって、凹部Bに滞留物Dが蓄積されるのを抑制することができる。これらの結果、バルブ本体31が収容される凹部Bに滞留物Dが蓄積されるのを抑制しながら、吸気通路Pでの通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのを抑制することによって、エンジン200の燃費が悪化するのを抑制することができる。
【0069】
また、本実施形態では、滞留物逃がし孔C(逃がし孔44)を凹部Bと連通するように形成することによって、滞留物Dが生じる凹部Bと滞留物逃がし孔Cとを直接的に接続することができるので、滞留物逃がし孔Cを介して滞留物Dを下流側に流しやすくすることができる。
【0070】
また、本実施形態では、流体の流れの上流側から下流側に向かって、吸気ポート20(インテークマニホールド90)の吸気通路P1、フレーム部材41の吸気通路P3およびシリンダヘッド203の吸気通路P2をこの順に連通させて吸気通路Pを形成するとともに、吸気通路P3とは別個に逃がし孔44を形成する。これにより、フレーム部材41を介してインテークマニホールド90の吸気通路P1とシリンダヘッド203の吸気通路P2とを連通させる場合であっても、フレーム部材41に逃がし孔44を設けることによって、フレーム部材41の逃がし孔44を介して、インテークマニホールド90(吸気ポート20)の凹部Bから下流側のシリンダヘッド203側に凹部Bの滞留物Dを流すことができる。
【0071】
また、本実施形態では、フレーム部材41に逃がし孔44を設けることによって、インテークマニホールド90に凹部Bに連通する滞留物逃がし孔を設ける場合と異なり、逃がし孔44(滞留物逃がし孔C)を比較的容易に設けることができる。
【0072】
また、本実施形態では、エンジン200の設置状態において、滞留物逃がし孔Cを上流側(逃がし孔44の流入口44a側)が下流側(逃がし孔208の流出口208b側)よりも上方に位置するように形成することによって、滞留物Dの自重を利用して、滞留物逃がし孔Cの上方に位置する上流側から下流側に向かって滞留物Dを流しやすくすることができる。
【0073】
また、本実施形態では、凹部B(第1収容部23a)に逃がし孔44に向かって下方に傾斜する傾斜部24を設けることによって、傾斜部24により凹部B(第1収容部23a)の滞留物Dを滞留物逃がし孔Cに導くことができるので、凹部Bの滞留物Dを滞留物逃がし孔Cから下流側に効果的に流すことができる。
【0074】
また、本実施形態では、傾斜部24を、傾斜部24内に滞留した滞留物Dが自重により最底部21bおよび逃がし孔44に導かれるようなすり鉢形状を有するように形成することによって、滞留物逃がし孔Cの孔径が小さい場合にも、その小さな滞留物逃がし孔Cに導くように形成されたすり鉢形状の傾斜部24により、より確実に、凹部B(第1収容部23a)の滞留物Dを滞留物逃がし孔Cに導くことができる。
【0075】
また、本実施形態では、バルブ本体31の底部31aを、バルブ本体31の開状態において、第1収容部23a(凹部B)への流体の流れを遮るように構成する。これにより、エンジン200に多くの流体を供給する必要のあるバルブ本体31の開状態の場合に、滞留物逃がし孔Cに起因する通気抵抗(圧力損失)を効果的に抑制することができるので、バルブ本体31の開状態の場合のエンジン200の燃費が悪化するのを抑制することができる。
【0076】
また、本実施形態では、バルブ本体31の底部31aを、バルブ本体31の閉状態(開状態以外の状態)において、吸気通路Pの一部を遮るように構成することにより、滞留物逃がし孔Cの上流側(逃がし孔44の流入口44a側)の圧力を下流側(逃がし孔208の流出口208b側)の圧力よりも大きくする。これにより、滞留物逃がし孔Cの流入口44a側と流出口208b側とで圧力の差(差圧)を発生させることができるので、滞留物逃がし孔C内に流入口44a側から流出口208b側に向かう吸引力Fを発生させることができる。これにより、滞留物逃がし孔C内の滞留物Dを効果的に下流側に流すことができる。さらに、エンジン200に多くの流体を供給する必要のないバルブ本体31の閉状態の場合に滞留物Dに吸引力Fを発生させることにより、エンジン200の性能の低下を招くことなく、滞留物逃がし孔C内の滞留物Dを下流側に流すことができる。
【0077】
また、本実施形態では、逃がし孔44に連続するように、シリンダヘッド203に吸気通路P2とは別個に逃がし孔208を設けることによって、フレーム部材41の逃がし孔44とシリンダヘッド203の逃がし孔208とを介して、インテークマニホールド90(吸気ポート20)の凹部Bからシリンダヘッド203の下流側に、凹部Bの滞留物Dを確実に流すことができる。また、シリンダヘッド203の吸気通路P(P2)に滞留物Dを下流側に流すための構造(溝部など)が設けられている場合と異なり、逃がし孔208により吸気通路P(P2)内の流体の流れが乱されるのを抑制することができる。
【0078】
また、流体の流れにより凹部Bの滞留物Dが上流側から下流側に移動することにより、凹部Bの下流側端部(最底部21b)には最も滞留物Dが蓄積されやすい。そこで、本実施形態では、滞留物Dが蓄積されやすい凹部Bの下流側端部に流入口44aを設けることによって、滞留物逃がし孔Cを介して滞留物Dを下流側に確実に流すことができるので、凹部Bに滞留物Dが蓄積されるのをより抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、流体の流れの上流側から下流側に向かって、吸気ポート20(インテークマニホールド90)の吸気通路P1、フレーム部材41の吸気通路P3およびシリンダヘッド203の吸気通路P2をこの順に連通させて吸気通路Pを形成する。また、バルブ本体31の開状態では、吸気ポート20の内周面20a、バルブ本体31の底部31aの上面、本体部42の内周面42aおよびシリンダヘッド203の内周面203bが略面一になるように構成する。これにより、バルブ本体31が収容される凹部B(第1収容部23a)がインテークマニホールド90(吸気ポート20)に形成されている場合であっても、吸気通路Pとは別個に滞留物逃がし孔Cが設けられているのに加えて、バルブ本体31の開状態において、吸気通路P1を構成するインテークマニホールド90の内周面20aと、吸気通路P2を構成するシリンダヘッド203の内周面203bと、吸気通路P3を構成するバルブ本体31の底部31aの上面とが略面一になることによって、バルブ本体31の開状態において吸気通路P内の流体の流れが乱されるのをさらに抑制することができる。これにより、吸気通路Pでの通気抵抗(圧力損失)が大きくなるのをより抑制することができるので、エンジン200の燃費が悪化するのをより抑制することができる。
【0080】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0081】
たとえば、上記実施形態では、吸気ポート20の第1収容部23a(凹部B)の底面123aに傾斜部24を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図8に示す本実施形態の変形例のように、傾斜部24の代わりに、凹部Bの底面123aに形成された流入口324aと取付部21aに形成された流出口324bとを有する逃がし孔324を、吸気ポート320を貫通するように設けてもよい。この逃がし孔324では、流出口324bは逃がし孔44に連通するように取付部21aに形成されるとともに、流入口324aはバルブ本体31の回動軸Aよりも下流側(Y2側)に形成される。また、逃がし孔324は、上流側(Y1側)の流入口324aから下流側の流出口324bに向かって、下方(Z1側)に傾斜するように構成される。なお、この変形例では、逃がし孔324と逃がし孔44と逃がし孔208とによって、凹部Bに流入口324aを有し、凹部Bの滞留物Dを吸気通路Pの流体の流れの下流側に流すための滞留物逃がし孔C1が構成される。
【0082】
また、上記実施形態の変形例では、第1収容部23aの底面123aに傾斜部を設けずに逃がし孔324を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記実施形態の変形例の構成に加えて、第1収容部の底面に逃がし孔に向かって下方に傾斜する傾斜部を設けてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、フレーム部材41の逃がし孔44とシリンダヘッド203の逃がし孔208とによって滞留物逃がし孔Cを構成する例を示し、上記実施形態の変形例では、吸気ポート320の逃がし孔324とフレーム部材41の逃がし孔44とシリンダヘッド203の逃がし孔208とによって滞留物逃がし孔C1を構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、吸気ポートの逃がし孔とフレーム部材の逃がし孔とのみにより滞留物逃がし孔を構成してもよい。この際、シリンダヘッドに逃がし孔を形成せずに、フレーム部材に設けた排出口から滞留物を吸気通路に排出してもよい。また、シリンダヘッドに逃がし孔を形成せずに、フレーム部材から滞留物を別途蓄積する蓄積部に滞留物を排出してもよい。これにより、吸気通路と滞留物逃がし孔の排出口とを連通させる必要がないので、通気抵抗(圧力損失)をより低下させることが可能である。
【0084】
また、上記実施形態では、吸気制御弁30がフレーム部材41を介してインテークマニホールド90の吸気ポート20内に組み付けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、フレーム部材を介さずに、吸気制御弁を直接インテークマニホールドの吸気ポート内に組み付けてもよい。この場合、滞留物逃がし孔は、収容部と連通するように吸気ポートに設けられた逃がし孔(図8の逃がし孔324参照)と、吸気ポートの逃がし孔と連通するようにシリンダヘッドに設けられた逃がし孔(図8の逃がし孔208参照)とから構成される。このように構成すれば、フレーム部材を設ける必要がないので、内燃機関の吸気構造において、部品点数を削減することが可能である。
【0085】
また、上記実施形態では、4つのバルブ本体31を4つ(4連)の吸気ポートの各々の配置した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の弁体本体部を備えた多連式の気流制御弁であれば、上記した4連以外の多連式気流制御弁に対して本発明の内燃機関の吸気構造を適用してもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、第1収容部23aの底面123aのうち、下流側(エンジン200側)の開口端部21の取付部21a近傍にすり鉢状の傾斜部24を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、すり鉢状の傾斜部を第1収容部の底面のうちの上流側および下流側の両方にまたがるように形成してもよい。つまり、バルブ本体の回転軸の上流側にもすり鉢状の傾斜部を形成してもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、吸気制御弁30がインテークマニホールド90の吸気ポート20内に組み付けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、吸気制御弁を、エンジンのシリンダヘッド内に組み付けてもよいし、フレーム部材内に組み付けてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、本発明の内燃機関の吸気構造を備えた吸気制御弁30および吸気装置100を、自動車用の直列4気筒型のエンジン200に適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明の内燃機関の吸気構造を備えた吸気制御弁30および吸気装置100を自動車用のエンジン200以外の内燃機関(たとえば、ガソリン機関以外のガス機関(ディーゼルエンジンおよびガスエンジンなどの内燃機関))などの内燃機関の吸気構造に適用してもよい。また、ガソリン機関であるかないかに関係なく、直列4気筒型のエンジン200以外のV型多気筒エンジンや水平対向型エンジンなどの内燃機関の吸気構造に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0089】
24 傾斜部
31 バルブ本体(気流制御弁)
41 フレーム部材(介在部材)
44 逃がし孔(第1滞留物逃がし孔)
44a、324a 流入口
90 インテークマニホールド(吸気装置本体)
100 吸気装置
200 エンジン(内燃機関)
203 シリンダヘッド
203a 燃焼室
208 逃がし孔(第2滞留物逃がし孔)
A 回動軸
B 凹部(収容部)
C、C1 滞留物逃がし孔
D 滞留物
P 吸気通路
P1 吸気通路(第1吸気通路)
P2 吸気通路(第2吸気通路)
P3 吸気通路(第3吸気通路)
Q 内燃機関の吸気構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8