特許第6303565号(P6303565)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6303565設定支援装置、設定支援方法、プログラム、報知予測装置、報知予測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6303565
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】設定支援装置、設定支援方法、プログラム、報知予測装置、報知予測方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   G05B23/02 R
【請求項の数】37
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-24781(P2014-24781)
(22)【出願日】2014年2月12日
(65)【公開番号】特開2015-153031(P2015-153031A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】村上 賢哉
【審査官】 黒田 暁子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−054613(JP,A)
【文献】 特開2005−332360(JP,A)
【文献】 特開2001−290508(JP,A)
【文献】 特開2007−272543(JP,A)
【文献】 特開2012−073756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視変数の予測値が予測限界値を越えたことを検出する検出装置において用いられる前記予測限界値を定めるための設定支援装置であって、
前記予測限界値を定めるための設定支援情報を表示する表示装置と、
前記監視変数の複数の実績値と前記実績値と比較される実績限界値との第1関係と、前記複数の実績値にそれぞれ対応する前記監視変数の複数の予測値と前記予測限界値との第2関係とに基づいて、前記検出装置の検出精度についての情報を前記設定支援情報として前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えたことを特徴とする設定支援装置。
【請求項2】
前記制御装置は、複数の前記実績値夫々と複数の前記実績値夫々に対応する複数の前記予測値夫々との複数の組合せを示す第1情報と、前記実績限界値を示す第2情報と、前記予測限界値を示す第3情報とを、前記設定支援情報として前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項3】
前記設定支援情報は、前記実績値を一方の軸とし、前記予測値を他方の軸として、前記第1乃至第3情報が表示される散布図、である
ことを特徴とする請求項2に記載の設定支援装置。
【請求項4】
前記散布図では、前記第1情報が示す前記複数の組合せのうちの、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない組合せを示す第1組合せ情報と、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える組合せを示す第2組合せ情報と、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない組合せを示す第3組合せ情報と、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越える組合せを示す第4組合せ情報とが夫々異なるしるしで示されている
ことを特徴とする請求項3に記載の設定支援装置。
【請求項5】
前記散布図では、前記第1情報が示す前記複数の組合せのうちの、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない組合せを示す第1組合せ情報と、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える組合せを示す第2組合せ情報と、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない組合せを示す第3組合せ情報と、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越える組合せを示す第4組合せ情報とが夫々異なる色で示されている
ことを特徴とする請求項3に記載の設定支援装置。
【請求項6】
前記制御装置は、複数の前記実績値夫々と複数の前記実績値夫々に対応する複数の前記予測値夫々との複数の組合せのうちの、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない第1組合せの個数を示す情報と、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える第2組合せの個数を示す情報と、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない第3組合せの個数を示す情報と、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越える第4組合せの個数を示す情報と、を前記設定支援情報として前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項7】
前記設定支援情報は、前記第1乃至第4組合せの個数を夫々示す情報が表示される表、である
ことを特徴とする請求項6に記載の設定支援装置。
【請求項8】
複数の前記実績値と複数の前記実績値に対応する複数の前記予測値との複数の組合せのうちの所定の組合せの個数に対する、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない組合せの個数で特定される検知漏れ率に基づいて、前記検出装置の検出精度についての演算をする第1演算装置、を更に備え、
前記制御装置は、前記設定支援情報として前記第1演算装置の演算結果に基づく情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項9】
複数の前記実績値と複数の前記実績値に対応する複数の前記予測値との複数の組合せのうちの所定の組合せの個数に対する、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える組合せの個数で特定される誤検知率に基づいて、前記検出装置の検出精度についての演算をする演算装置、を更に備え、
前記制御装置は、前記設定支援情報として前記演算装置の演算結果に基づく情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項10】
前記複数の組合せのうちの所定の組合せの個数に対する、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える組合せの個数で特定される誤検知率に基づいて、前記検出装置の検出精度についての演算をする第2演算装置、を更に備え、
前記制御装置は、前記設定支援情報として前記第1演算装置の演算結果に基づく情報と共に前記第2演算装置の演算結果に基づく情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項8に記載の設定支援装置。
【請求項11】
複数の前記実績値夫々と複数の前記実績値夫々に対応する複数の前記予測値夫々との複数の組合せのうちの、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越える第1組合せの個数と前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない第2組合せの個数との和に対する前記第1組合せの個数で特定される検知網羅率に基づいて、前記検出装置の検出精度についての演算をする第1演算装置、を更に備え、
前記制御装置は、前記設定支援情報として前記第1演算装置の演算結果に基づく情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項12】
複数の前記実績値夫々と複数の前記実績値夫々に対応する複数の前記予測値夫々との複数の組合せのうちの、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越える第1組合せの個数と前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える第2組合せの個数との和に対する前記第1組合せの個数で特定される検知正解率に基づいて、前記検出装置の検出精度についての演算をする演算装置、を更に備え、
前記制御装置は、前記設定支援情報として前記演算装置の演算結果に基づく情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項13】
前記複数の組合せのうちの、前記第1組合せの個数と前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える第3組合せの個数との和に対する前記第1組合せの個数で特定される検知正解率に基づいて、前記検出装置の検出精度についての演算をする第2演算装置、を更に備え、
前記制御装置は、前記設定支援情報として前記第1演算装置の演算結果に基づく情報と共に前記第2演算装置の演算結果に基づく情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項11に記載の設定支援装置。
【請求項14】
複数の前記実績値夫々と複数の前記実績値夫々に対応する複数の前記予測値夫々との複数の組合せのうちの、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない第1組合せの個数と前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える第2組合せの個数との和に対する前記第1組合せの個数で特定される正常網羅率に基づいて、前記検出装置の検出精度についての演算をする第1演算装置、を更に備え、
前記制御装置は、前記設定支援情報として前記第1演算装置の演算結果に基づく情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項15】
複数の前記実績値夫々と複数の前記実績値夫々に対応する複数の前記予測値夫々との複数の組合せのうちの、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない第1組合せの個数と前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない第2組合せの個数との和に対する前記第1組合せの個数で特定される正常正解率に基づいて、前記検出装置の検出精度についての演算をする演算装置、を更に備え、
前記制御装置は、前記設定支援情報として前記演算装置の演算結果に基づく情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項16】
前記複数の組合せのうちの、前記第1組合せの個数と前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない第3組合せの個数との和に対する前記第1組合せの個数で特定される正常正解率に基づいて、前記検出装置の検出精度についての演算をする第2演算装置、を更に備え、
前記制御装置は、前記設定支援情報として前記第1演算装置の演算結果に基づく情報と共に前記第2演算装置の演算結果に基づく情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項14に記載の設定支援装置。
【請求項17】
複数の前記実績値と複数の前記実績値に対応する複数の前記予測値との複数の組合せのうちの所定の組合せの個数に対する、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない組合せの個数で特定される検知漏れ率を演算する第1演算装置と、
前記予測限界値を所定範囲内で変化させて複数の前記予測限界値に対応する複数の前記検知漏れ率を前記第1演算装置に演算させる第2演算装置と、を更に備え、
前記制御装置は、複数の前記検知漏れ率を示す情報を前記設定支援情報として前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項18】
前記複数の組合せのうちの所定の組合せの個数に対する、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える組合せの個数で特定される誤検知率を演算する第3演算装置と、
前記予測限界値を所定範囲内で変化させて複数の前記予測限界値に対応する複数の前記誤検知率を前記第3演算装置に演算させる第4演算装置と、を更に備え、
前記制御装置は、複数の前記検知漏れ率を示す情報と共に、複数の前記誤検知率を示す情報を前記設定支援情報として前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項17に記載の設定支援装置。
【請求項19】
複数の前記実績値と複数の前記実績値に対応する複数の前記予測値との複数の組合せのうちの所定の組合せの個数に対する、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える組合せの個数で特定される誤検知率を演算する第1演算装置と、
前記予測限界値を所定範囲内で変化させて複数の前記予測限界値に対応する複数の前記誤検知率を前記第1演算装置に演算させる第2演算装置と、を更に備え、
前記制御装置は、複数の前記誤検知率を示す情報を前記設定支援情報として前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項20】
前記制御装置は、
前記予測限界値が第1値のときの前記検出装置の検出精度についての情報を前記設定支援情報として前記表示装置に表示させる第1制御装置と、
前記予測限界値が前記第1値から前記第1値とは異なる第2値に変化したとき、前記予測限界値が第1値のときの前記検出装置の検出精度についての情報に替えて、前記予測限界値が第2値のときの前記検出装置の検出精度についての情報を前記表示装置に表示させる第2制御装置と、を有する
ことを特徴とする請求項1乃至7、17乃至19の何れかに記載の設定支援装置。
【請求項21】
前記制御装置は、複数の前記予測限界値のうちの一の予測限界値を示す情報を、前記設定支援情報として前記表示装置に更に表示させる
ことを特徴とする請求項17乃至19の何れかに記載の設定支援装置。
【請求項22】
監視変数の予測値が予測限界値を越えたことを検出する検出装置において用いられる前記予測限界値を定めるための設定支援方法であって、
前記予測限界値を定めるための設定支援情報を表示装置に表示する第1ステップと、
前記監視変数の複数の実績値と前記実績値と比較される実績限界値との第1関係と、前記複数の実績値にそれぞれ対応する前記監視変数の複数の予測値と前記予測限界値との第2関係とに基づいて、前記検出装置の検出精度についての情報を前記設定支援情報として前記表示装置に表示させる第2ステップと、を含む
こと特徴とする設定支援方法。
【請求項23】
監視変数の予測値が予測限界値を越えたことを検出する検出装置において用いられる前記予測限界値を定めるための設定支援装置に対して、
前記予測限界値を定めるための設定支援情報を表示装置に表示する第1機能と、
前記監視変数の複数の実績値と前記実績値と比較される実績限界値との第1関係と、前記複数の実績値にそれぞれ対応する前記監視変数の複数の予測値と前記予測限界値との第2関係とに基づいて、前記検出装置の検出精度についての情報を前記設定支援情報として前記表示装置に表示させる第2機能と、を実現させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項24】
監視変数の実績値が実績限界値を越えることを契機として報知する報知装置が報知することを予測する報知予測装置であって、
前記監視変数の予測値が予測限界値を越えたときに、前記報知装置が報知するものと予測する予測装置と、
前記監視変数の複数の実績値と前記実績限界値との第1関係と、前記複数の実績値にそれぞれ対応する前記監視変数の複数の予測値と前記予測限界値との第2関係とに基づいて、前記予測装置の予測精度が所定の予測精度となるように前記予測限界値を定める設定装置と、
を備えたことを特徴とする報知予測装置。
【請求項25】
複数の前記実績値夫々と複数の前記実績値夫々に対応する複数の前記予測値夫々との複数の組合せのうち、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない第1組合せと、前記実績値が前記実績限界値を越えず且つ前記予測値が前記予測限界値を越える第2組合せと、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越えない第3組合せと、前記実績値が前記実績限界値を越え且つ前記予測値が前記予測限界値を越える第4組合せとの夫々の個数に基づいて、前記予測装置の予測精度を演算する演算装置、を更に備え、
前記設定装置は、前記演算装置によって演算された前記予測装置の予測精度が前記所定の予測精度となるように前記予測限界値を定める
ことを特徴とする請求項24に記載の報知予測装置。
【請求項26】
前記複数の組合せを前記第1乃至第4組合せに分類する分類装置、を更に備え、
前記演算装置は、前記分類装置の分類結果に基づいて、前記予測装置の予測精度を演算する
ことを特徴とする請求項25に記載の報知予測装置。
【請求項27】
前記演算装置は、前記複数の組合せのうちの所定の組合せの個数に対する前記第3組合せの個数で特定される検知漏れ率に基づいて、前記予測装置の予測精度についての演算を行う
ことを特徴とする請求項25又は26に記載の報知予測装置。
【請求項28】
前記演算装置は、前記複数の組合せのうちの所定の組合せの個数に対する前記第2組合せの個数で特定される誤検知率に基づいて、前記予測装置の予測精度についての演算を行う
ことを特徴とする請求項25又は26に記載の報知予測装置。
【請求項29】
前記演算装置は、前記複数の組合せのうちの所定の組合せの個数に対する前記第3組合せの個数で特定される検知漏れ率と、前記複数の組合せのうちの所定の組合せの個数に対する前記第2組合せの個数で特定される誤検知率とに基づいて、前記予測装置の予測精度についての演算を行う
ことを特徴とする請求項25又は26に記載の報知予測装置。
【請求項30】
前記演算装置は、前記第4組合せの個数と前記3組合せの個数との和に対する前記第4組合せの個数で特定される検知網羅率に基づいて、前記予測装置の予測精度についての演算を行う
ことを特徴とする請求項25又は26に記載の報知予測装置。
【請求項31】
前記演算装置は、前記第4組合せの個数と前記2組合せの個数との和に対する前記第4組合せの個数で特定される検知正解率に基づいて、前記予測装置の予測精度についての演算を行う
ことを特徴とする請求項25又は26に記載の報知予測装置。
【請求項32】
前記演算装置は、前記第4組合せの個数と前記3組合せの個数との和に対する前記第4組合せの個数で特定される検知網羅率と、前記第4組合せの個数と前記2組合せの個数との和に対する前記第4組合せの個数で特定される検知正解率とに基づいて、前記予測装置の予測精度についての演算を行う
ことを特徴とする請求項25又は26に記載の報知予測装置。
【請求項33】
前記演算装置は、前記第1組合せの個数と前記2組合せの個数との和に対する前記第1組合せの個数で特定される正常網羅率に基づいて、前記予測装置の予測精度についての演算を行う
ことを特徴とする請求項25又は26に記載の報知予測装置。
【請求項34】
前記演算装置は、前記第1組合せの個数と前記3組合せの個数との和に対する前記第1組合せの個数で特定される正常正解率に基づいて、前記予測装置の予測精度についての演算を行う
ことを特徴とする請求項25又は26に記載の報知予測装置。
【請求項35】
前記演算装置は、前記第1組合せの個数と前記2組合せの個数との和に対する前記第1組合せの個数で特定される正常網羅率と、前記第1組合せの個数と前記3組合せの個数との和に対する前記第1組合せの個数で特定される正常正解率とに基づいて、前記予測装置の予測精度についての演算を行う
ことを特徴とする請求項25又は26に記載の報知予測装置。
【請求項36】
監視変数の実績値が実績限界値を越えることを契機として報知する報知装置が報知することを予測する報知予測装置による報知予測方法であって、
前記報知予測装置が、前記監視変数の予測値が予測限界値を越えたときに、前記報知装置が報知するものと予測する第1ステップと、
前記報知予測装置が、前記監視変数の複数の実績値と前記実績限界値との第1関係と、前記複数の実績値にそれぞれ対応する前記監視変数の複数の予測値と前記予測限界値との第2関係とに基づいて、前記第1ステップでの予測精度が所定の予測精度となるように前記予測限界値を定める第2ステップと、を含む
ことを特徴とする報知予測方法。
【請求項37】
監視変数の実績値が実績限界値を越えることを契機として報知する報知装置が報知することを予測する報知予測装置に対して、
前記監視変数の予測値が予測限界値を越えたときに、前記報知装置が報知するものと予測する第1機能と、
前記監視変数の複数の実績値と前記実績限界値との第1関係と、前記複数の実績値にそれぞれ対応する前記監視変数の複数の予測値と前記予測限界値との第2関係とに基づいて、前記第1機能での予測精度が所定の予測精度となるように前記予測限界値を定める第2機能と、を実現させる
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定支援装置、設定支援方法、プログラム、報知予測装置、報知予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、監視変数の過去値に対応する未来値に基づいて未来の各時刻での監視対象機器の故障発生確率を予測し、当該予測結果に基づいて監視対象機器において故障が発生する可能性を報知する監視装置が知られている(例えば特許文献1)。又、例えば、監視変数の過去値から予測される未来値と所定の管理限界値とを比較し、比較結果に基づいて監視対象プラントが異常となることを報知する運転支援装置が知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9―54613号公報
【特許文献2】特開2005―332360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の監視装置においては、監視装置による故障発生確率の予測精度が考慮されていない。このために、例えば、故障発生確率の予測精度が低下し、監視対象機器での故障が発生する可能性について正しく報知することができなくなる虞がある。又、特許文献2の運転支援装置においては、未来値の予測精度が考慮されていない。更に、未来値と比較される管理限界値の調整が行われていない。これらのために、例えば、過去値から未来値を予測する予測精度が低下し、監視対象プラントが異常となることを正しく報知することができなくなる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決する主たる本発明は、監視変数の予測値が予測限界値を越えたことを検出する検出装置において用いられる前記予測限界値を定めるための設定支援装置であって、前記予測限界値を定めるための設定支援情報を表示する表示装置と、前記監視変数の複数の実績値と前記実績値と比較される実績限界値との第1関係と、前記複数の実績値にそれぞれ対応する前記監視変数の複数の予測値と前記予測限界値との第2関係とに基づいて、前記検出装置の検出精度についての情報を前記設定支援情報として前記表示装置に表示させる制御装置と、を備えたことを特徴とする設定支援装置である。
【0006】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、予測限界値を定めることを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1及び第2実施形態におけるアラーム予測装置とアラーム装置を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるアラーム予測装置の機能を示すブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態における実績値と予測値とを示す図である。
図4】本発明の第1実施形態における予測値を算出することのイメージを示す図である。
図5】本発明の第1実施形態における複数の組合せを分類する支援部の動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の第1実施形態における第1乃至第4の組合せの個数を示す図である。
図7】本発明の第1実施形態における複数の組合せを示す散布図である。
図8】本発明の第1実施形態における各予測値用管理限界に対する誤検知率及び検知漏れ率を示す図である。
図9】本発明の第1実施形態におけるアラーム予測装置の動作を示すフローチャートである。
図10】本発明の第1実施形態における監視変数の一例を示す図である。
図11】本発明の第1実施形態における第2表示情報の一例を示す図である。
図12】本発明の第1実施形態における第3表示情報の一例を示す図である。
図13】本発明の第2実施形態におけるアラーム予測装置の機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
[第1実施形態]
===アラーム予測装置===
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態におけるアラーム予測装置について説明する。図1は、本実施形態におけるアラーム予測装置とアラーム装置を示す図である。図2は、本実施形態におけるアラーム予測装置の機能を示すブロック図である。
【0010】
アラーム予測装置1(設定支援装置、報知予測装置、検出装置)は、アラーム装置2(報知装置)がアラームを発報するのを予測する装置である。
【0011】
アラーム装置2は、監視変数の実績値が実績値用管理限界Yclを越えたことを契機として、アラームを発報する装置である。
=監視変数=
監視変数は、監視対象についての値を示している。監視変数は、所定のプラント、所定の設備、所定の機器、所定の装置において監視されている値を示している。監視変数は、例えば、所定のプラントで発生する有害物質の濃度を示している。尚、監視変数は、例えば、鉄鋼メーカの工場における鉄の温度を示していることとしてもよいし、化学メーカの工場における化学物質が貯留されているタンク内の温度、圧力、流量等を示していることとしてもよい。
=実績値=
監視変数の実績値は、例えば、監視対象を計測するための計測装置の計測結果を示す。例えば、監視変数が有害物質の濃度を示している場合、監視変数の実績値は、有害物質の濃度を計測する計測装置の計測結果を示すことになる。
【0012】
実績値用管理限界Ycl(実績限界値)は、監視変数の実績値と比較される値である。監視変数の実績値(単に「実績値」とも称する)が実績値用管理限界Yclを越えるとは、実績値用管理限界Yclが監視変数の上限値を示している場合、実績値が実績値用管理限界Yclよりも大きい値となることを示し、実績値用管理限界Yclが監視変数の下限値を示している場合、実績値が実績値用管理限界Yclよりも小さい値となることを示す。尚、説明の便宜上、実績値用管理限界Yclが監視変数の上限値を示しており、実績値が実績値用管理限界Yclよりも大きい値となることが、実績値が実績値用管理限界Yclを越えることに対応しているものとして説明(「実績値用管理限界Yclが上限値のときの説明」とも称する)する。実績値用管理限界Yclが監視変数の下限値を示しており、実績値が実績値用管理限界Yclよりも小さい値となることが、実績値が実績値用管理限界Yclを越えることに対応しているものとしたときの説明は、実績値用管理限界Yclが上限値のときの説明と同様であるので、その詳細な説明については省略する。
=アラーム装置=
アラーム装置2は、実績値と実績値用管理限界Yclとを比較して、比較結果に基づいてアラームを発報する装置である。例えば、実績値が実績値用管理限界Yclよりも大きい場合、実績値が実績値用管理限界Yclを越える。この場合、アラーム装置2は、アラームを発報する。一方、例えば、実績値が実績値用管理限界Yclよりも小さい場合、実績値が実績値用管理限界Yclを越えない。この場合、アラーム装置2は、アラームを発報しない。
=アラーム予測装置=
アラーム予測装置1は、監視変数の予測値(単に「予測値」とも称する)と予測値用管理限界Zcl(予測限界値)とに基づいて、アラーム装置2がアラームを発報するのを予測する。尚、予測値及び予測値用管理限界Zclについては、後述する。
【0013】
アラーム予測装置1は、CPU(Central Processing Unit)21、通信装置22、記憶装置23、表示装置24、入力装置25を有する。
【0014】
CPU21は、記憶装置23に記憶されているプログラムを実行することにより、アラーム予測装置1を統括制御し、アラーム予測装置1の各機能を実現する。記憶装置23には、プログラムやデータ等が格納されている。通信装置22は、通信ネットワーク200を介して所定の装置との間で通信を行う。表示装置24は、アラーム予測装置1の各種情報を表示するための例えば液晶ディスプレイ装置である。入力装置25は、アラーム予測装置1に対してデータを入力するための例えばキーボード、マウス等である。
【0015】
アラーム予測装置1は、第1予測部11、支援部12(制御装置、分類装置、第1演算装置、第2演算装置、除算装置、第1制御装置、第2制御装置)、第2予測部13(「アラーム予測装置1の各機能」とも称する)を更に有する。アラーム予測装置1の各機能は、前述したように、記憶装置23に記憶されているプログラムをCPU21が実行することにより実現される。
【0016】
第1予測部11は、監視変数の予測値(単に「予測値」とも称する)を演算する。支援部12は、予測値用管理限界Zclを設定するための支援を行う。第2予測部13(予測装置)は、アラーム装置2がアラームを発報するのを予測する。
===第1予測部===
以下、図3及び図4を参照して、本実施形態における第1予測部について説明する。図3は、本実施形態における実績値と予測値とを示す図である。図3においては、各時間における実績値と予測値とが示されている。実績値Y(t0)、Y(t1)、Y(t2)、Y(t3)、Y(t9)は夫々、時間t0、t1、t2、t3、t9夫々における実績値を示している。予測値Z(t0)、Z(t1)、Z(t2)、Z(t3)、Z(t9)は夫々、時間t0、t1、t2、t3、t9夫々における予測値を示している。図4は、本実施形態における予測値を算出することのイメージを示す図である。
【0017】
第1予測部11は、所定の予測モデルを用いて予測対象時間の予測値を演算する。尚、予測値は、例えば、所定の予測モデルを用いて演算された監視対象を示す。例えば、監視変数が有害物質の濃度を示している場合、予測値は、所定の予測式を用いて演算された有害物質の濃度を示す。又、予測対象時間は、入力装置25を介して入力される情報に基づいて設定される。例えば、予測対象時間として10分が設定されている場合、第1予測部11は、現時点から10分後の予測値を算出する。
【0018】
第1予測部11は、第1時間における監視変数、温度、圧力、流量を入力変数E1(図4)とし、第2時間における監視変数を出力変数E2とする所定の予測モデルを用いて予測値を演算する。尚、第2時間は、第1時間よりも後の時間を示している。第1時間は、複数の時間を示している。又、所定の予測モデルとしては、例えば、重回帰分析に基づくモデルであることとしてもよいし、「コンピュータ・ケミストリー シリーズ3 ケモメトリックス 化学パターン認識と多変量解析 宮下・佐々木 共立出版 1995」に記載されている公知の部分的最小二乗法に基づくモデルであることとしてもよい。
===第2予測部===
以下、図3を参照して、本実施形態における第2予測部について説明する。
【0019】
第2予測部13は、予測値と予測値用管理限界Zclとを比較して、比較結果に基づいてアラーム装置2がアラームを発報するのを予測する。
【0020】
例えば、予測対象時間の予測値が予測値用管理限界Zclよりも大きい場合、予測値が予測値用管理限界Zclを越える。この場合、第2予測部13は、予測値が予測値用管理限界Zclを越えることを検出して、アラーム装置2が予測対象時間にアラームを発報すると予測する。一方、例えば、予測対象時間の予測値が予測値用管理限界Zclよりも小さい場合、予測値が予測値用管理限界Zclを越えない。この場合、第2予測部13は、予測値が予測値用管理限界Zclを越えることを検出しないので、アラーム装置2が予測対象時間にアラームを発報しないと予測する。
【0021】
予測値用管理限界Zclは、監視変数の予測値と比較される値である。予測値が予測値用管理限界Zclを越えるとは、予測値用管理限界Zclが監視変数の上限値を示している場合、予測値が予測値用管理限界Zclよりも大きい値となることを示し、予測値用管理限界Zclが監視変数の下限値を示している場合、予測値が予測値用管理限界Zclよりも小さい値となることを示す。尚、説明の便宜上、予測値用管理限界Zclが監視変数の上限値を示しており、予測値が予測値用管理限界Zclよりも大きい値となることが、予測値が予測値用管理限界Zclを越えることに対応しているものとして説明(「予測値用管理限界Zclが上限値のときの説明」とも称する)する。予測値用管理限界Zclが監視変数の下限値を示しており、予測値が予測値用管理限界Zclよりも小さい値となることが、予測値が予測値用管理限界Zclを越えることに対応しているものとしたときの説明は、予測値用管理限界Zclが上限値のときの説明と同様であるので、その詳細な説明については省略する。
【0022】
例えば、第2予測部13は、アラーム装置2が時間t0にアラームを発報し、時間t9にアラームを発報しないことを予測する。時間t0においては、実績値が実績値用管理限界Yclを越えているので、第2予測部13による予測の通りに、アラーム装置2はアラームを発報する。時間t9においては、実績値が実績値用管理限界Yclを越えているので、第2予測部13による予測に反して、アラーム装置2はアラームを発報する。つまり、第2予測部13は、時間t0においてアラーム装置2がアラームを発報すること(尚、「アラームの発報」とも称する)を予測できたにも関わらず、時間t9におけるアラームの発報を予測できなかったことになる。
【0023】
アラームの発報を予測できた場合、例えば、現時点から予測対象時間までの間において、アラームの発報が発生するのを回避するための対応策をとることができる。このために、例えば予測値用管理限界Zclを調整して、第2予測部13の予測精度を向上させることが好ましい。
===支援部===
以下、図5乃至図8を参照して、本実施形態における支援部について説明する。
【0024】
図5は、本実施形態における複数の組合せを分類する支援部の動作を示すフローチャートである。図6は、本実施形態における第1乃至第4の組合せの個数を示す図である。図7は、本実施形態における複数の組合せを示す散布図である。図8は、本実施形態における各予測値用管理限界に対する誤検知率及び検知漏れ率を示す図である。
【0025】
支援部12は、例えばユーザが予測値用管理限界Zclを設定するための支援を行う。支援部12は、表示装置24に対して予測値用限界を設定するための設定支援情報を表示させる。
=分類=
支援部12は、図5のフローに従って、過去の複数の時間における実績値と予測値との複数の組合せを、第1乃至第4の組合せに分類する。尚、組合せは夫々同じ時間における実績値と予測値との組み合わせである。つまり、複数の組合せに、例えば、時間t0における実績値Y(t0)及び予測値Z(t0)の組合せ、時間t1における実績値Y(t1)及び予測値Z(t1)の組合せ等を含んでいる。
<第1乃至第4の組合せ>
第1の組合せ(第1組合せ)は、複数の組合せのうちの、実績値が実績値用管理限界Yclを越えず且つ予測値が予測値用管理限界Zclを越えない組合せを示している。第2の組合せ(第2組合せ)は、複数の組合せのうちの、実績値が実績値用管理限界Yclを越えず且つ予測値が予測値用管理限界Zclを越える組合せを示している。第3の組合せ(第3組合せ)は、複数の組合せのうちの、実績値が実績値用管理限界Yclを越え且つ予測値が予測値用管理限界Zclを越えない組合せを示している。第4の組合せ(第4組合せ)は、複数の組合せのうちの、実績値が実績値用管理限界Yclを越え且つ予測値が予測値用管理限界Zclを越える組合せを示している。
<分類のフロー>
支援部12は、時間tiの組合せにおける実績値Y(ti)が実績値用管理限界Yclを越えるか否かを判定する(S1)。
【0026】
実績値Y(ti)が実績値用管理限界Yclを越えないと判定された場合(S1のNO)、支援部12は、時間tiの組合せにおける予測値Z(ti)が予測値用管理限界Zclを越えるか否かを判定する(S2)。予測値Z(ti)が予測値用管理限界Zclを越えないと判定された場合(S2のNO)、支援部12は、時間tiの組合せを第1の組合せに分類する(S3)。S2において、予測値Z(ti)が予測値用管理限界Zclを越えると判定された場合(S2のYES)、支援部12は、時間tiの組合せを第2の組合せに分類する(S4)。
【0027】
S1において、実績値Y(ti)が実績値用管理限界Yclを越えると判定された場合(S1のYES)、支援部12は、時間tiの組合せにおける予測値Z(ti)が予測値用管理限界Zclを越えるか否かを判定する(S5)。予測値Z(ti)が予測値用管理限界Zclを越えないと判定された場合(S5のNO)、支援部12は、時間tiの組合せを第3の組合せに分類する(S6)。S5において、予測値Z(ti)が予測値用管理限界Zclを越えると判定された場合(S5のYES)、支援部12は、時間tiの組合せを第4の組合せに分類する(S7)。
=指標=
支援部12は、前述の分類結果に基づいて、予測値用管理限界Zclを設定するための指標としての誤検知率、検知漏れ率、検知網羅率、検知正解率、正常網羅率、正常正解率を演算する。尚、説明の便宜上、第1乃至第4の組合せの個数を夫々、第1乃至第4個数とも称する。
<誤検知率>
支援部12は、式1乃至式3の何れかに基づいて、誤検知率を演算する。誤検知とは、間違えてアラームの発報を予測したことを示す。誤検知率は、複数の組合せのうちのある所定の組合せの個数に対する、誤検知を示す組合せの個数としての第2個数の割合を示す。尚、式1乃至式3は、例えば入力装置25に入力された情報に基づいて選択されることとしてもよい。
【0028】
誤検知率=第2個数÷(第2個数+第4個数)・・・式1
誤検知率=第2個数÷(第2個数+第1個数)・・・式2
誤検知率=第2個数÷(第2個数+第3個数+第1個数+第4個数)・・・式3
<検知漏れ率>
支援部12は、式4乃至式6の何れかに基づいて、検知漏れ率を演算する。検知漏れとは、アラームの発報を予測できなかったことを示す。検知漏れ率は、複数の組合せのうちのある所定の組合せの個数に対する、検知漏れを示す組合せの個数としての第3個数の割合を示す。尚、式4乃至式6は、例えば入力装置25に入力された情報に基づいて選択されることとしてもよい。
【0029】
検知漏れ率=第3個数÷(第3個数+第4個数)・・・式4
検知漏れ率=第3個数÷(第3個数+第1個数)・・・式5
検知漏れ率=第3個数÷(第3個数+第1個数+第2個数+第4個数)・・・式6
尚、誤検知率及び検知漏れ率の値が減少した場合、第2予測部13の予測精度が向上することを把握できる。一方、誤検知率及び検知漏れ率の値が増加した場合、第2予測部13の予測精度が低下することを把握できる。誤検知率と検知漏れ率はトレードオフの関係になる。
<検知網羅率、検知正解率>
支援部12は、式7、式8の夫々に基づいて、検知網羅率、検知正解率を演算する。
【0030】
検知網羅率=第4個数÷(第4個数+第3個数)・・・式7
検知正解率=第4個数÷(第4個数+第2個数)・・・式8
尚、検知網羅率は、アラーム装置2が実際に発報したアラームに対する、アラーム予測装置1によってアラームの発報が予測(検知)されたアラームの比率を示している。検知正解率は、アラーム予測装置1によってアラームの発報が予測(検知)されたアラームに対する、アラーム装置2が実際に発報したアラームの比率を示している。検知網羅率及び検知正解率の値が増加した場合、第2予測部13の予測精度が向上することを把握できる。一方、検知網羅率及び検知正解率の値が減少した場合、第2予測部13の予測精度が低下することを把握できる。
【0031】
検知網羅率は、1から式4によって演算された検知漏れ率を差し引いた値となる。検知正解率は、1から式1によって演算された誤検知率を差し引いた値となる。検知網羅率及び検知正解率は、トレードオフの関係になる。
<正常網羅率、正常正解率>
支援部12は、式9、式10の夫々に基づいて、正常網羅率、正常正解率を演算する。
【0032】
正常網羅率=第1個数÷(第1個数+第2個数)・・・式9
正常正解率=第1個数÷(第1個数+第3個数)・・・式10
尚、正常網羅率は、実際に正常(アラームでない)の場合のうち、アラーム予測装置1(手段)でどれだけを正常と判定したかの比率を示している。正常正解率は、アラーム予測装置1(手段)で正常(アラームでない)と判定した場合について実際に正常だった(アラームでなかった)場合の比率を示している。正常網羅率及び正常正解率の値が増加した場合、第2予測部13の予測精度が向上することを把握できる。一方、正常網羅率及び正常正解率の値が減少した場合、第2予測部13の予測精度が低下することを把握できる。
【0033】
正常網羅率及び正常正解率は、トレードオフの関係に必ずしもなるといえないが、両方の値を大きくするように、予測値用管理限界Zclを設定することが望ましい。
=第1乃至第3表示情報=
支援部12は、前述の分類結果及び指標の演算結果に基づいて、表示装置24に対して設定支援情報としての第1表示情報D1、第2表示情報D2、第3表示情報D3を表示させる。
【0034】
第1表示情報D1(図6)は、第1乃至第4の組合せの夫々の個数を示す情報を含む例えば表である。尚、実績値における正常は、実績値が実績値用管理限界Yclを越えないことを示している。実績値における異常は、実績値が実績値用管理限界Yclを越えることを示している。予測値における正常は、予測値が予測値用管理限界Zclを越えないことを示している。予測値における異常は、予測値が予測値用管理限界Zclを越えることを示している。尚、支援部12が、第1表示情報D1と共に上述の指標を示す情報を表示装置24に表示させることとしてもよい。又、支援部12が、第1表示情報D1とは別に、上述の指標を示す情報を表示装置24に表示させることとしてもよい。尚、図6においては、第1表示情報D1と共に、予測値用管理限界Zclの値としてのZcl1と、予測値用管理限界Zclの値がZcl1のときの誤検知率の値E1(%)及び検知漏れ率の値E2(%)とが表示装置24に表示されていることが示されている。
【0035】
第2表示情報D2(図7)は、実績値が横軸とされ、予測値が縦軸とされ、複数の組合せを示す第1情報、実績値用管理限界Yclを示す第2情報、予測値用管理限界Zclを示す第3情報が表示されている散布図である。尚、線Z15は、予測値用管理限界Zclを示している。線Z16は、実績値用管理限界Yclを示している。曲線Z10は、複数の組合せが分布する領域を示している。曲線Z10に囲まれる領域は、線Z15、Z16によって第1領域Z11、第2領域Z12、第3領域Z13、第4領域Z14に分けられる。第1領域Z11、第2領域Z12、第3領域Z13、第4領域Z14は夫々、第1乃至第4の組合せ夫々が分布する領域に対応している。
【0036】
例えば、第1領域Z11、第2領域Z12、第3領域Z13、第4領域Z14が夫々異なる色となるように、支援部12が表示装置24に表示させることとしてもよい。又、例えば、第1乃至第4の組合せを示すしるしが夫々異なる色となるように、支援部12が表示装置24に表示させることとしてもよい。又、例えば、第1領域Z11、第2領域Z12、第3領域Z13、第4領域Z14の夫々に含まれる第1乃至第4の組合せが夫々異なるしるしとなるように、支援部12が表示装置24に表示させることとしてもよい。尚、支援部12が、第2表示情報D2と共に上述の指標を示す情報を表示装置24に表示させることとしてもよい。又、支援部12が、第2表示情報D2とは別に、上述の指標を示す情報を表示装置24に表示させることとしてもよい。尚、図7においては、第2表示情報D2と共に、予測値用管理限界Zclの値としてのZcl1と、予測値用管理限界Zclの値がZcl1のときの誤検知率の値E1(%)及び検知漏れ率の値E2(%)とが表示装置24に表示されていることが示されている。尚、図7の第2表示情報D2においては、予測値用管理限界Zclの値がZcl1であり、実績値用管理限界Yclの値がYcl1であることが示されている。
【0037】
第3表示情報D3(図8)は、予測値用管理限界Zclが横軸とされ、誤検知率及び検知漏れ率が縦軸とされ、複数の予測値用管理限界Zclに対応する複数の誤検知率を示す誤検知率情報、複数の予測値用管理限界Zclに対応する複数の検知漏れ率を示す検知漏れ率情報、一の予測値用管理限界Zclを示す情報が表示されている図である。線Z21は、検知漏れ率を示している。線Z22は、誤検知率を示している。線Z23は、予測値用管理限界Zclを示している。尚、検知漏れ率及び誤検知率は、支援部12によって演算される。具体的には、支援部12は、所定範囲内で予測値用管理限界Zclを変化させて、複数の予測値用管理限界Zclに対応する複数の検知漏れ率及び誤検知率を演算する。そして、支援部12によるこの演算結果に基づいて、線Z21、Z22が表示される。尚、所定範囲は、入力装置25を介して入力される情報に基づいて設定されることとしてもよい。尚、支援部12が、第3表示情報D3と共に上述の指標を示す情報を表示装置24に表示させることとしてもよい。又、支援部12が、第3表示情報D3とは別に、上述の指標を示す情報を表示装置24に表示させることとしてもよい。尚、図8においては、第3表示情報D3と共に、予測値用管理限界Zclの値としてのZcl1と、予測値用管理限界Zclの値がZcl1のときの誤検知率の値E1(%)及び検知漏れ率の値E2(%)とが表示装置24に表示されていることが示されている。尚、図8の第3表示情報D3においては、予測値用管理限界Zclの値がZcl1であり、予測値用管理限界Zclの値としてのZcl1に対応する誤検知率の値及び検知漏れ率の値が夫々、E1(%)、E2(%)であることが示されている。
=第1乃至第3表示情報の更新=
例えば、入力装置25を介してユーザが予測値用管理限界Zclとして第1値を入力した場合、支援部12は、予測値用管理限界Zclが第1値であるものとして前述の分類、各指標の演算を行った上で、第1値に対応する第1表示情報D1、第2表示情報D2、第3表示情報D3(「第1値の表示情報」とも称する)を表示装置24に表示させる。この後、例えば、入力装置25を介してユーザが予測値用管理限界Zclとして第1値とは異なる第2値を入力した場合、支援部12は、予測値用管理限界Zclが第2値であるものとして前述の分類、各指標の演算を再度行った上で、第1値の表示情報に替えて、第2値に対応する第1表示情報D1、第2表示情報D2、第3表示情報D3(「第2値の表示情報」とも称する)を表示装置24に表示させる。
=予測値用管理限界の設定=
予測値用管理限界Zclは、支援部12によって表示装置24に表示される設定支援情報に基づいて、例えば、アラーム予測装置1のユーザによって設定される。
===アラーム予測装置の動作===
以下、図9を参照して、本実施形態におけるアラーム予測装置の動作について説明する。図9は、本実施形態におけるアラーム予測装置の動作を示すフローチャートである。
【0038】
アラーム予測装置1は、予測対象時間の予測値を演算する(S11)。尚、S11における演算は、いわゆるオフラインで所定の予測モデルに基づいて導出された予測式に基づいて行われることとしてもよいし、S11の演算の際にいわゆるオンラインで所定の予測モデルに基づいて導出された予測式に基づいて行われることとしてもよい。尚、実績値については、通信ネットワーク200を介して各種計測装置等から受信した情報が用いられている。
【0039】
アラーム予測装置1は、S11で演算された予測値が予測値用管理限界Zclを越えているか否かを判断する(S12)。
【0040】
予測値が予測値用管理限界Zclを越えると判断した場合(S12のYES)、アラーム予測装置1は、アラーム装置2が予測対象時間にアラームを発報すると予測する。この場合、例えば、アラームの発報を予測したことを示す予測アラームを発報する(S13)。この際、例えば、アラームの発報が発生するのを回避するための対応策がとられる。
【0041】
S12において、予測値が予測値用管理限界Zclを越えないと判断した場合(S12のNO)、アラーム予測装置1は、次の予測対象時間を設定した(S14)後、S11の動作を行う。
===監視変数及び表示情報の一例===
以下、図10乃至図12を参照して、本実施形態における監視変数及び表示情報の一例について説明する。図10は、本実施形態における監視変数の一例を示す図である。図11は、本実施形態における第2表示情報の一例を示す図である。図12は、本実施形態における第3表示情報の一例を示す図である。図10乃至図12は、例えば、実験等に基づいて示されている。
【0042】
例えば、有害物質の濃度が監視変数であり、予測対象時間として10分が設定されており、所定の予測モデルとして公知の部分的最小二乗法に基づくモデルが用いられている場合、実績値及び予測値は図10に示されている通りとなる。この場合の第2表示情報D2、第3表示情報D3は夫々、例えば、図11図12に示されている通りとなる。
【0043】
[第2実施形態]
第2実施形態のアラーム予測装置1Bは、第1実施形態のアラーム予測装置1に対して設定部14(設定装置)を追加したものである。アラーム予測装置1Bにおける設定部14以外の構成は、アラーム予測装置1の構成と同様であるので、その説明については省略する。
===アラーム予測装置===
以下、図1及び図13を参照して、本実施形態におけるアラーム予測装置について説明する。図13は、本実施形態におけるアラーム予測装置の機能を示すブロック図である。
【0044】
アラーム予測装置1Bは、設定部14を有する。
【0045】
設定部14は、支援部12による分類結果及び演算結果に基づいて第2予測部13の予測精度が所定の予測精度となるように、予測値用管理限界Zclを設定する。尚、設定部14は、記憶装置23に記憶されているプログラムをCPU21が実行することにより実現されるアラーム予測装置1の機能である。
【0046】
設定部14は、入力装置25を介して入力される設定条件に基づいて、予測値用管理限界Zclを設定する。設定条件は、第2予測部13の予測精度についての条件である。設定条件は、例えば誤検知率が一定値以下となること、例えば誤検知率と検知漏れ率がある一定値以下となる条件のもと検知漏れ率が最も小さくなること等である。設定部14は、設定条件が満たされるように、予測値用管理限界Zclを設定する。尚、設定条件が満たされるように予測値用管理限界Zclを設定することが、第2予測部13の予測精度が所定の予測精度となるように予測値用管理限界Zclを設定することに対応している。この後、第2予測部13は、設定部14によって設定された予測値用管理限界Zclを用いて、アラーム装置2がアラームを発報するのを予測する。
【0047】
前述したように、アラーム予測装置1は、支援部12、第2予測部13、表示装置24を有する。第2予測部13は、監視変数の実績値に対応する監視変数の予測値が予測値用管理限界Zclを越えたことを検出する。支援部12は、予測値用管理限界Zclを定めるのを支援する。表示装置24は、予測値用管理限界Zclを定めるための設定支援情報を表示する。支援部12は、実績値と比較される実績値用管理限界Yclと複数の実績値との第1関係と、予測値用管理限界Zclと複数の予測値との第2関係とに基づいて、第2予測部13の予測精度(検出精度)についての情報を設定支援情報として表示装置24に表示させる。従って、アラーム予測装置1は、予測値用管理限界Zclを定めることを支援することができる。又、第2予測部13の予測精度に基づいて予測値用管理限界Zclを定量的に適切に定めることができ、アラーム装置2でのアラームの発生を確実に予測することができる。これにより、アラーム装置2で発生するアラームについての、適切な回避、抑止動作を行うことが可能となる。又、例えば、実際には、実績値に対して予測値が低め・高め等に予測されてしまうという予測傾向がある場合、その予測傾向を踏まえて、予測値用管理限界Zclを設定することができる。
【0048】
又、支援部12は、複数の実績値夫々と複数の実績値夫々に対応する複数の予測値夫々との複数の組合せを示す第1情報と、実績値用管理限界Yclを示す第2情報と、予測値用管理限界Zclを示す第3情報とを、設定支援情報として表示装置24に表示させる。従って、実績値用管理限界Ycl及び予測値用管理限界Zclに対する複数の組合せ夫々の関係に基づいて、予測値用管理限界Zclを定めることの支援を行うことができる。
【0049】
又、支援部12は、実績値を一方の軸とし、予測値を他方の軸として、第1乃至第3情報を散布図として表示装置24に表示させる。従って、実績値用管理限界Ycl及び予測値用管理限界Zclに対する複数の組合せ夫々の関係を、アラーム予測装置1のユーザに対して容易に把握させることが可能な設定支援情報を提供することが可能となる。又、監視変数の実績値の分布ならびにそれに基づくアラーム発生状況と、予測値の分布ならびにそれに基づくアラーム予測状況とからアラーム予測モデルを適切に評価し、正確なアラーム予測を行うことが可能となる。
【0050】
又、支援部12は、散布図における、第1領域Z11、第2領域Z12、第3領域Z13、第4領域Z14の夫々に含まれる第1乃至第4の組合せが夫々異なるしるしとなるように、表示装置24に表示させる。実績値用管理限界Ycl及び予測値用管理限界Zclに対する第1乃至第4の組合せの関係を容易に視認することが可能な設定支援情報を提供することが可能となる。
【0051】
又、支援部12は、散布図における、第1領域Z11、第2領域Z12、第3領域Z13、第4領域Z14の夫々に含まれる第1乃至第4の組合せ示すしるしが夫々異なる色となるように、表示装置24に表示させる。実績値用管理限界Ycl及び予測値用管理限界Zclに対する第1乃至第4の組合せの関係についての視認性を向上させることが可能となる。
【0052】
又、支援部12は、第1乃至第4の組合せの夫々の個数を示す情報を、設定支援情報として表示装置24に表示させる。従って、第1乃至第4の組合せの夫々の個数に基づいて予測値用管理限界Zclを設定することについての支援を行うことが可能となる。
【0053】
又、支援部12は、第1乃至第4の組合せの夫々の個数を示す情報を含む例えば表を、設定支援情報として表示装置24に表示させる。従って、第1乃至第4の組合せの夫々の個数を示す情報の視認性を向上させることが可能となる。
【0054】
又、支援部12は、検知漏れ率を式4乃至式6に基づいて演算し、演算結果を設定支援情報として表示装置24に表示させる。従って、検知漏れ率に基づいて予測値用管理限界Zclを設定することについての支援を行うことが可能となる。
【0055】
又、支援部12は、誤検知率を式1乃至式3に基づいて演算し、演算結果を設定支援情報として表示装置24に表示させる。従って、誤検知率に基づいて予測値用管理限界Zclを設定することについての支援を行うことが可能となる。
【0056】
又、支援部12は、所定範囲内で予測値用管理限界Zclを変化させて、複数の予測値用管理限界Zclに対応する複数の検知漏れ率及び誤検知率を演算する。支援部12によるこの演算結果に基づいて、検知漏れ率を示す情報、誤検知率を示す情報、前述の所定範囲内の複数の予測値用管理限界Zclのうちの一の予測値用管理限界Zclを示す情報を設定支援情報として表示装置24に表示させる。従って、検知漏れ率及び誤検知率についての条件を含む前述の設定条件に基づいて予測値用管理限界Zclを設定することについての支援を行うことが可能となる。
【0057】
又、支援部12は、予測値用管理限界Zclが第1値から第2値となった場合、表示装置24に表示されている情報を、第1値の表示情報から第2値の表示情報に切り替える。従って、予測値用管理限界Zclの値に対応する情報に基づいて予測値用管理限界Zclを設定することについての支援を行うことが可能となる。
【0058】
又、アラーム予測装置1Bは、実績値が実績値用管理限界Yclを越えることを契機としてアラームを発報するアラーム装置2がアラームを発報することを予測する。第2予測部13は、実績値に対応する予測値が予測値用管理限界Zclを越えたときに、アラーム装置2がアラームを発報するものと予測する。設定部14は、実績値用管理限界Yclと複数の実績値との第1関係と、予測値用管理限界Zclと複数の予測値との第2関係とに基づいて、第2予測部13の予測精度が所定の予測精度となるように予測値用管理限界Zclを定める。従って、例えば、予測値用管理限界Zclの値を調整することにより、第2予測部13の予測精度を向上させて、アラーム装置2が発報するアラームを確実に予測することができるアラーム予測装置1Bを提供することができる。又、アラーム予測装置1Bのユーザのニーズに応じて、第2予測部13の予測精度を調整することが可能となり、使い勝手のよいアラーム予測装置1Bを提供することが可能となる。
【0059】
又、支援部12は、第1乃至第4の組合せの夫々の個数に基づいて、第2予測部13の予測精度を演算する。又、支援部12は、誤検知率又は検知漏れ率に基づいて、第2予測部13の予測精度を演算する。設定部14は、支援部12によって演算された第2予測部13の予測精度が所定の予測精度となるように予測値用管理限界Zclを定める。従って、第2予測部13の予測精度についての演算精度を向上させることがきる。よって、第2予測部13の予測精度を確実に調整することが可能となり、使い勝手のよいアラーム予測装置1Bを提供することが可能となる。
【0060】
尚、上記第1及び第2実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0061】
第1実施形態では、第2表示情報D2の散布図において、実績値が横軸とされ、予測値が縦軸とされることについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2表示情報D2の散布図において、実績値が縦軸とされ、予測値が横軸とされることとしてもよい。
【0062】
又、第1実施形態では、第3表示情報D3において一の予測値用管理限界Zclが表示されることについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、入力装置25を介して入力される情報に基づいて複数の予測管理限界Zclが第3表示情報D3に表示されることとしてもよい。
【0063】
又、第1実施形態では、第3表示情報D3において誤検知率情報及び検知漏れ率情報の双方が表示されることについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、入力装置25を介して入力される情報に基づいて、誤検知率情報及び検知漏れ率情報が選択的に表示されることとしてもよい。又、例えば、入力装置25を介して入力される情報に基づいて、検知網羅率、検知正解率、正常網羅率、正常正解率が選択的に表示されることとしてもよいし、これらが全て表示されることとしてもよい。
【0064】
又、第1実施形態では、アラーム予測装置1の第1予測部11が予測値を演算することについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、アラーム予測値1以外の他の予測装置が予測値を演算し、演算結果がアラーム予測装置1に送信されることとしてもよい。この場合、アラーム予測装置1の支援部12及び第2予測部13は、他の予測装置の演算結果が示している予測値に基づいて、動作を行う。又、例えばプロセスシミュレータによる未来予測値を用いる場合は、過去の実績データを用いてシミュレーションを行い、過去の時点での実績値と予測値を得ることで、それを用いて上記の同様の処理を行えばよい。
【0065】
又、実績値用管理限界Yclは、各時間において異なる値が設定されることとしてもよい。又、予測値用管理限界Zclも、実績値用管理限界Yclと同様に、各時間において異なる値が設定されることとしてもよい。
【0066】
又、第1及び第2実施形態を組み合わせて、設定部14の構成が支援部12の構成に含まれることとしてもよい。
【0067】
又、例えば支援部12が、予測値用管理限界Zclを設定するための指標としての誤検知率、検知漏れ率、検知網羅率、検知正解率、正常網羅率、正常正解率夫々を示す情報を、表示装置24に対して設定支援情報として表示させることとしてもよい。具体的には、例えば誤検知率、検知漏れ率、検知網羅率、検知正解率、正常網羅率、正常正解率の全てを示す情報を支援部12が表示させることとしてもよい。又、例えば誤検知率、検知漏れ率、検知網羅率、検知正解率、正常網羅率、正常正解率のうちの一を示す情報を支援部12が表示させることとしてもよい。又、例えば誤検知率及び検知漏れ率を示す情報を支援部12が表示させることとしてもよいし、例えば検知網羅率及び検知正解率を示す情報を支援部12が表示させることとしてもよいし、例えば正常網羅率及び正常正解率を示す情報を支援部12が表示させることとしてもよい。
【0068】
又、設定部14(第2実施形態)に対して予測値用管理限界Zclを設定させるための設定条件としては、例えば前述の指標としての誤検知率、検知漏れ率、検知網羅率、検知正解率、正常網羅率、正常正解率の全てに関するものであってもよいし、例えば誤検知率、検知漏れ率、検知網羅率、検知正解率、正常網羅率、正常正解率のうちの一に関するものであってよいし、例えば誤検知率及び検知漏れ率に関するものであってもよいし、例えば検知網羅率及び検知正解率に関するものであってもよいし、例えば正常網羅率及び正常正解率に関するものであることとしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1、1B アラーム予測装置
2 アラーム装置
12 支援部
13 第2予測部
14 設定部
24 表示装置
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