特許第6303567号(P6303567)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6303567
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】コンタクトレンズ用包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/42 20060101AFI20180326BHJP
   A45C 11/04 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   B65D5/42 C
   B65D5/42 B
   A45C11/04 B
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-25206(P2014-25206)
(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公開番号】特開2015-151147(P2015-151147A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 章弘
(72)【発明者】
【氏名】藤川 君夫
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−160338(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3142172(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00 − 5/76
A45C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙箱からなる包装容器であって、あらかじめ一体として設けられた、異なる複数の識別表示が、それぞれ易切断線により切り取り可能に設けられ、必要な識別表示のみを残して、他の識別表示が前記易切断線を切断して取り去ることが可能であって、
前記紙箱が、底面板と、該底面板の周端部より立ち上がる、左右の面板と、前後に設けられた正面板と背面板と、該背面板の反対側の端部から延設された蓋面板と、該蓋面板の反対側の端部から延設された正面カバー片を有し、該正面カバー片の端部に左目用と右目用の前記識別表示が設けられていることを特徴とするコンタクトレンズ用包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンタクトレンズにはハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズがあるが、このうちソフトコンタクトレンズは、水分を含む性質の樹脂からできているものが流通している。この性質から、たんぱく質などの涙の成分や汚れが付きやすいという欠点がある。
【0003】
このため、1日や1週間など手入れをせずに使用して捨ててしまう使い捨てタイプや、毎日レンズをはずすたびに若干の手入れを行って使用し、2週間以内使用して廃棄する頻回交換タイプや、それよりも長く3ヶ月以内使用して廃棄する定期交換タイプなどがある。これらのものを総称して、使い捨てコンタクトレンズと呼ぶことがある。
【0004】
このような、コンタクトレンズは、ブリスターパックに水溶液とともに密封され、複数のブリスターパックを収納する紙箱などの包装容器に入れられて提供されているものが一般的である(例えば、特許文献1)。
【0005】
ところで、コンタクトレンズは医師の処方に従って購入することになるが、同じ人が右目と左目で同じレンズが処方されることはほとんどなく、右目用と左目用と別々に処方される。そして、購入したコンタクトレンズの包装容器には、同じ形式の包装容器に、右目用あるいは左目用とわかるように識別表示されたラベルを貼着されているのが一般的である。
【0006】
これは、もともと各個人用に処方されたコンタクトレンズを処方毎に包装容器に収納するときに、ラベルを貼着させるから、あまり手間がかからず問題にはならなかった。
【0007】
また、右目用あるいは左目用と印刷による識別表示を設けた包装容器を用いることは、別々に包装容器を製造することや、できた包装容器の在庫の管理にわずらわしさがあり、コスト的にも有利にならなかった。しかし、ラベルを貼着させるのは、ラベル自体にコストもかかり、また、ラベルを貼る手間もかかるのは事実であった。
【0008】
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−5971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、識別表示を設けるために、識別表示の異なる包装容器をそれぞれ用意する必要も、また、異なる識別表示を設けたラベルをそれぞれ用意する必要もない包装容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項の発明は、紙箱からなる包装容器であって、あらかじめ一体として設けられた、異なる複数の識別表示が、それぞれ易切断線により切り取り可能に設けられ、必要な識別表示のみを残して、他の識別表示が前記易切断線を切断して取り去ることが可能であって、
前記紙箱が、底面板と、該底面板の周端部より立ち上がる、左右の面板と、前後に設けられた正面板と背面板と、該背面板の反対側の端部から延設された蓋面板と、該蓋面板の反対側の端部から延設された正面カバー片を有し、該正面カバー片の端部に左目用と右目用の前記識別表示が設けられていることを特徴とするコンタクトレンズ用包装容器である。
【発明の効果】
【0015】
請求項の発明によれば、易切断線で識別表示が切り取り可能に設けられているので、必要な識別表示以外を、容易に切り取って取り去ることができる。
【0016】
また、蓋面板の端部から延設された正面カバー片の端部に識別表示が設けられているので、簡単に切り取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を模式的に斜視で示した説明図である。
図2】本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱のブランクを模式的に示した説明図である。
図3】本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を模式的に正面で示した説明図である。
図4】本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を模式的に右側面で示した説明図である。
図5】本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を模式的に背面で示した説明図である。
図6】本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱の一方の識別表示が切り取られた状態を模式的に斜視で示した説明図である。
図7】本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を開封した状態を模式的に斜視で示した説明図である。
図8】本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を再封した状態を模式的に斜視で示した説明図である。
図9】本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を模式的に斜視で示した説明図である。
図10】本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱のブランクを模式的に示した説明図である。
図11】本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を模式的に正面で示した説明図である。
図12】本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を模式的に右側面で示した説明図である。
図13】本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を模式的に背面で示した説明図である。
図14】本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱の一方の識別表示が切り取られた状態を模式的に斜視で示した説明図である。
図15】本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を開封した状態を模式的に斜視で示した説明図である。
図16】本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を再封した状態を模式的に斜視で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
以下、本発明を実施するための第1の実施形態につき説明する。
図1は、本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を模式的に斜視で示した説明図、図2は、本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱のブランクを模式的に示した説明図、図3は、本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を模式的に正面で示した説明図、図4は、本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を模式的に右側面で示した説明図、図5は、本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を模式的に背面で示した説明図、図6は、本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱の一方の識別表示が切り取られた状態を模式的に斜視で示した説明図、図7は、本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を開封した状態を模式的に斜視で示した説明図、図8は、本発明の包装容器の第1の実施形態の紙箱を再封した状態を模式的に斜視で示した説明図である。
【0019】
第1の実施形態の包装容器100は、図1に示すような紙箱である。包装容器100の紙箱は、蓋面板4に延設された正面カバー片5が正面板1に部分的に貼着されていて、正面カバー片5の左右にそれぞれ第1の識別表示Aと、第2の識別表示Bが、切取用易切断線a、bにより切り取り可能に設けられている。識別表示は、印刷により設けても良いし、エンボスなどにより設けても良い。特に認識できるように表示されれば、之にこだわるものではない。
【0020】
この包装容器100は、図2に示すようなブランク101を折り曲げ、貼着して組み立てられる。ブランク101は左右中央に図の上から正面板1、底面板2、背面板3、蓋面板4、正面カバー片5が、それぞれ折罫を介して設けられている。
【0021】
正面板1には、開封開始用易切断線6を介して正面貼着片7が設けられ、また、くぼみ部8が設けられている。くぼみ部8は、ブランク101を打ち抜くときに、同時に押圧して設けることができる。
【0022】
包装容器100では、正面板1の左右に左側カバー片9と右側カバー片10が設けられている。また、底面板2の左右には、底左側貼着片11と底右側貼着片12が設けられている。
【0023】
背面板3の左右には、左側面板13と右側面板14が設けられている。また、紙箱を廃棄するときに、解体しやすいように、廃棄用易切断線15、16が、それぞれ左側面板13や右側面板14の上下端部より湾曲して、背面板3にかかって設けられていて、背面板3にかかった廃棄用易切断線15、16を指で押し込んで切断して、左側面板13や右側面板14を背面板3と分離させ、解体しやすくなっている。
【0024】
蓋面板4の左右には、蓋左側貼着片17、蓋右側貼着片18がそれぞれ、蓋開封用易切断線19、20を介して設けられている。
【0025】
正面カバー片5の左右の隅部には、第1の識別表示Aと第2の識別表示Bがそれぞれ、切取用易切断線a、bを介して設けられ、それぞれ切り取り可能に設けられている。また
、正面カバー片5の下端の左右中央は、下方に出っ張った出っ張り部21が設けられている。
【0026】
このブランク101より、包装容器100の紙箱を組み立てるには、先ず、底左側貼着片11、底右側貼着片12、蓋左側貼着片17、蓋右側貼着片18を内側に折罫で折り曲げておく。
【0027】
背面板3と底面板2の間を内側に直角に折り、また、背面板3と蓋面板4の間も内側に直角に折る。そして、左側面板13と右側面板14を内側に直角に折り、先に折り曲げておいた底左側貼着片11、底右側貼着片12、蓋左側貼着片17、蓋右側貼着片18の外面に重ねて貼着する。
【0028】
次に、正面板1を底面板2との間で直角に折る。そして、左側カバー片9と右側カバー片10をそれぞれ、直角に折って、左側面板13、右側面板14の外面に重ねて貼着する。そして、正面カバー片5を正面板1に重なるように折って、正面貼着片7を正面カバー片5に貼着する。
【0029】
これにより、包装容器100は図1の斜視図、図3の正面図、図4の右側面図、図5の背面図のように、組み立てられる。尚、収納物を収納するのは、正面板1を底面板2との間で直角に折るより前に行う。
【0030】
また、第1の識別表示A、あるいは、第2の識別表示Bを、切取用易切断線a、あるいは、切取用易切断線bで切断して、切り取るのは、正面貼着片7を正面カバー片5に貼着するより前に行ったほうが切り取りやすい。尚、収納物を収納した前後で切り取るほうが、間違いを起こす心配がない。図6に、一方の識別表示が切り取られた状態の斜視図を示す。
【0031】
図6のような本実施形態の包装容器100を開封するには、先ず、出っ張り部21の内側に指を掛けて手前に引っ張るようにして、正面カバー片5を持ち上げる。このときくぼみ部8が出っ張り部21の裏側に設けられているので、容易に出っ張り部21に指を掛けることができる。
【0032】
出っ張り部21を手前に引っ張るようにして持ち上げると、開封開始用易切断線6が切断される。そして、正面カバー片5に貼着されている正面貼着片7が、正面板1から切り離され、正面カバー片5が正面貼着片7を貼着したまま持ち上がる。
【0033】
そして、蓋開封用易切断線19、20が切断され、蓋左側貼着片17と蓋右側貼着片18が、左側面板13、右側面板14に貼着して残ったまま、図7のように、蓋面板4が持ち上げられ、内容物が取り出せるように開封される。
【0034】
内容物の一部を取り出した後、再封するには、蓋面板4を倒し、正面カバー片5を正面板1に重なるようにして、正面カバー片5の出っ張り部21を、正面貼着片7を切り取ることにより正面板1の左右中央上端にできた山型の凸部の下に差し込んで、開かないように係止する。これにより、包装容器100は、図8のように再封することができる。
【0035】
<第2の実施形態>
以下、本発明を実施するための第1の実施形態につき説明する。
図9は、本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を模式的に斜視で示した説明図、図10は、本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱のブランクを模式的に示した説明図、図11は、本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を模式的に正面で示した説明図、図12は、本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を模式的に右側面で示した説明図、図13は、本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を模式的に背面で示した説明図、図14は、本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱の一方の識別表示が切り取られた状態を模式的に斜視で示した説明図、図15は、本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を開封した状態を模式的に斜視で示した説明図、図16は、本発明の包装容器の第2の実施形態の紙箱を再封した状態を模式的に斜視で示した説明図である。
【0036】
第2の実施形態の包装容器200は、図9の斜視図に示すような紙箱である。包装容器200の紙箱も、包装容器100の紙箱と同様に、蓋面板4に延設された正面カバー片5が正面板1に部分的に貼着されていて、正面カバー片5の左右にそれぞれ第1の識別表示Aと、第2の識別表示Bが、切取用易切断線a、bにより切り取り可能に設けられている。
【0037】
識別表示は、印刷により設けても良いし、エンボスなどにより設けても良い。特に認識できるように表示されれば、これにこだわるものではない。
【0038】
この包装容器200は、図10に示すようなブランク201を折り曲げ、貼着して組み立てられる。ブランク201は、ブランク101と同様に、左右中央に図の上から正面板1、底面板2、背面板3、蓋面板4、正面カバー片5が、それぞれ折罫を介して設けられている。そして、正面板1には、開封開始用易切断線6を介して正面貼着片7が設けられている。
【0039】
包装容器200のブランク201では、ブランク101と異なり、正面板1には、貫通孔31が設けられている。貫通孔31は、ブランク201を打ち抜くときに、同時に打ち抜いて設けることができる。
【0040】
包装容器200では、正面板1の左右に正面左側貼着片32と正面右側貼着片33が設けられている。また、底面板2の左右には、左側面板34と右側面板35が設けられている。
【0041】
そして、紙箱を廃棄するときに、解体しやすいように、廃棄用易切断線36、37が、それぞれ左側面板34や右側面板35の上下端部より湾曲して、底面板2にかかって設けられていて、底面板2にかかった廃棄用易切断線36、37を指で押し込んで切断して、左側面板34や右側面板35を底面板2と分離させ、解体しやすくなっている。
【0042】
背面板3の左右には、背面左側貼着片38と背面右側貼着片39が設けられている。蓋面板4の左右には、左側カバー片40、右側カバー片41がそれぞれ、蓋開封用易切断線42、43を介して設けられている。
【0043】
正面カバー片5の左右の隅部には、第1の識別表示Aと第2の識別表示Bがそれぞれ、切取用易切断線a、bを介して設けられ、それぞれ切り取り可能に設けられている。
【0044】
さらに、正面カバー片5の下端の左右中央には、切り欠きによって、つまみ片44が設けられていて、つまみ片44の上端は、切り込みにより上方に凸の係止片45が設けられている。また、つまみ片44には横方向の押罫による滑り止め46が設けられている。
【0045】
このブランク201より、包装容器200の紙箱を組み立てるには、先ず、正面左側貼着片32、正面右側貼着片33、背面左側貼着片38、背面右側貼着片39を内側に折罫で折り曲げておく。
【0046】
底面板2と正面板1の間を内側に直角に折り、また、底面板2と背面板3の間も内側に直角に折る。そして、左側面板34と右側面板35を内側に直角に折り、先に折り曲げておいた正面左側貼着片32、背面左側貼着片38、正面右側貼着片33、背面右側貼着片39の外面に重ねて貼着する。
【0047】
次に、背面板3と蓋面板4との間で直角に折る。そして、左側カバー片40と右側カバー片41をそれぞれ、直角に折って、左側面板34、右側面板35の外面に重ねて貼着する。そして、正面カバー片5を正面板1に重なるように折って、正面貼着片7を正面カバー片5に貼着する。
【0048】
これにより、包装容器200は、図9の斜視図、図11の正面図、図12の右側面図、図13の背面図のように、組み立てられる。尚、収納物を収納するのは、背面板3と蓋面板4との間で直角に折るより前に行う。
【0049】
また、第1の識別表示A、あるいは、第2の識別表示Bを、切取用易切断線a、あるいは、切取用易切断線bで切断して、切り取るのは、正面貼着片7を正面カバー片5に貼着するより前に行ったほうが切り取りやすい。尚、収納物を収納した前後で切り取るほうが、間違いを起こす心配がない。図14に、一方の識別表示が切り取られた状態の包装容器200の斜視図を示す。
【0050】
図14のような本実施形態の包装容器200を開封するには、先ず、つまみ片44をもって手前に引っ張るようにして、正面カバー片5を持ち上げる。このとき、つまみ片44には滑り止め46が設けられているので、つまみ片44が持ちやすく、容易に引っ張ることができる。
【0051】
つまみ片44を手前に引っ張るようにして持ち上げると、正面カバー片5も持ち上がり、開封開始用易切断線6が切断される。そして、正面カバー片5に貼着されている正面貼着片7が、正面板1から切り離され、正面カバー片5が正面貼着片7を貼着したまま持ち上がる。
【0052】
そして、蓋開封用易切断線42、43が切断され、左側カバー片40、右側カバー片41が、左側面板34、右側面板35に貼着して残ったまま、図15のように、蓋面板4が持ち上げられ、内容物が取り出せるように開封される。
【0053】
内容物の一部を取り出した後、再封するには、蓋面板4を倒し、正面カバー片5を正面板1に重なるようにして、正面カバー片5のつまみ片44の上端に切り込みにより設けられた係止片45を貫通孔31より内側に差し込んで係止する。これにより、包装容器200は、図16のように再封することができる。
【0054】
以上のように、本発明の包装容器は、識別表示を設けるために、識別表示の異なる包装容器をそれぞれ用意する必要も、また、異なる識別表示を設けたラベルをそれぞれに用意して貼着する必要もなく、あらかじめ一体として設けられた、異なる複数の識別表示の内から、必要な識別表示のみを残して、他の識別表示が取り去るだけで、識別された表示を設けることができる。
【0055】
また、第1の実施形態や第2の実施形態の本発明の包装容器によれば、易切断線で識別表示が切り取り可能に設けられているので、必要な識別表示以外を、容易に切り取って取り去ることができる。
【0056】
さらに、蓋面板の端部から延設された正面カバー片の端部に識別表示が設けられている
ので、簡単に切り取ることができる。
【符号の説明】
【0057】
100、200・・・包装容器
101、201・・・ブランク
A・・・第1の識別表示
B・・・第2の識別表示
a、b・・・切取用易切断線
1・・・正面板
2・・・底面板
3・・・背面板
4・・・蓋面板
5・・・正面カバー片
6・・・開封開始用易切断線
7・・・正面貼着片
8・・・くぼみ部
9、40・・・左側カバー片
10、41・・・右側カバー片
11・・・底左側貼着片
12・・・底右側貼着片
13、34・・・左側面板
14、35・・・右側面板
15、16、36、37・・・廃棄用易切断線
17・・・蓋左側貼着片
18・・・蓋右側貼着片
19、20、42、43・・・蓋開封用易切断線
21・・・出っ張り部
31・・・貫通孔
32・・・正面左側貼着片
33・・・正面右側貼着片
38・・・背面左側貼着片
39・・・背面右側貼着片
44・・・つまみ片
45・・・係止片
46・・・滑り止め
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16